JPH0653050B2 - サワー香味剤およびその用途 - Google Patents

サワー香味剤およびその用途

Info

Publication number
JPH0653050B2
JPH0653050B2 JP2156547A JP15654790A JPH0653050B2 JP H0653050 B2 JPH0653050 B2 JP H0653050B2 JP 2156547 A JP2156547 A JP 2156547A JP 15654790 A JP15654790 A JP 15654790A JP H0653050 B2 JPH0653050 B2 JP H0653050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sour
flour
lactic acid
rye
flavoring agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2156547A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0451867A (ja
Inventor
一 門倉
和彦 木崎
一雄 鈴木
清 飯田
淳 長沢
修造 大地
Original Assignee
旭化成工業株式会社
修造 大地
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社, 修造 大地 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP2156547A priority Critical patent/JPH0653050B2/ja
Publication of JPH0451867A publication Critical patent/JPH0451867A/ja
Publication of JPH0653050B2 publication Critical patent/JPH0653050B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、爽やかな醗酵香と旨みを有する適度な酸味の
サワー食品を製造することに利用されるサワー香味剤と
その製造法、および該サワー食品とその製造法に関す
る。
【従来の技術】
従来より、乳酸菌や酢酸菌を醗酵した醗酵物を用い、種
々の酸味のある食品が製造されており、例えばパンにお
いては、ドイツ、オーストリア、スイス等のヨーロッパ
において主に好まれているライ麦パンの例が挙げられ
る。ライ麦パンは、ロッゲンブロート、黒パン、ライブ
レット、セーグルパンとも呼ばれ、特に明確な定義があ
るわけではないが、ライ麦粉を原料とし、ライ麦表皮に
付着している天然の菌を発酵して酸味を有するパンとす
るか、またはこのようなライ麦表皮に付着していた菌種
を保存し、これらの菌種につき種おこしを繰り返して伝
えられてきた良いライ麦パンの元種を利用して発酵せし
めることにより酸味を有するパンとする方法により作ら
れているもので、黒っぽい色を強い酸味を有し通常固い
食感のくせのあるパンとして知られている。
【発明が解決しようとする課題】
良いライ麦パンに必要な菌種の生育や菌量のコントロー
ルは極めて難しく、さらに上述の通り、原料や製造法に
由来するライ麦パン独特のくせのため、ライ麦パンは、
食べ馴れていない日本人には通常敬遠される傾向が強
い。従って、強い酸味を調節するために、ライ麦パンの
元種の添加量を減少せしめたり、あるいは強い酸味を調
節し且つ固い食感を軟らかにするために、ライ麦粉と小
麦粉とを原料として、これに前述のライ麦パンの元種を
添加してライ麦パンを製造することも行われている。し
かしながら、ライ麦パンの元種の酸味は強く、日本人の
口に合うような旨みや爽やかな発酵香等がないため、こ
れらの調節を行っても、良好なライ麦パンはできなかっ
た。 また、従来のライ麦パンの元種の製造法即ち種おこし
は、ライ麦粉のみを原料として、これに元種を加えて数
日発酵せしめて一部を元種として残す方法であるが、こ
の種おこしにおいては、ライ麦粉以外に市販の小麦粉等
をそのまま添加せしめた場合にはさらに強い酸味と好ま
しくない発酵臭がすることが知られていた。 本発明は、従来のライ麦パンに関する欠点を解決し、爽
やかな醗酵香と旨みを有する適度な酸味のライ麦パンを
提供し、さらにその他の酸味のある食品(以下、サワー
食品という)をも提供し得る方法を提供することを課題
とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意研究し
た結果、醗酵原料として用いるライ麦粉に、さらにロー
スト小麦粒粉を添加して醗酵せしめることにより、従来
法においては製造し得なかった爽やかな醗酵香と旨みを
有する適度な酸味のパンを調製することができることを
確認し、種々のサワー食品に応用することを可能として
本発明を完成した。 即ち、本発明は、少なくとも、乳酸菌を含有する元種、
ライ麦粉およびロースト小麦粒粉とを、適当な水分存在
下で醗酵したサワー香味剤およびその製造法である。 また、本発明は、該サワー香味剤と、小麦粉を主成分と
する組成物とを含有した生地の焼成物であるサワー食品
およびその製造法である。 本発明において用いられる元種とは、乳酸菌を供与する
ものであり、その乳酸菌の醗酵により乳酸を初めとする
酸味およびその他の発酵香や旨みを付けるものである。
この乳酸菌として、ラクトバチルス・プランタラム(Lac
tobacillus planntarum)、ラクトバチルス・ブレビス(L
actobacillus brevis)およびラクトバチルス・フェルメ
ンティ(Lactobacillus fermenti)の各菌は、代表的な菌
であり、少なくともこれら菌の1種または2種以上の乳
酸菌が存在することが好ましく、さらに、その他の乳酸
菌、例えば、クラトバチルス・デルブルエケ(Lactobaci
llus delbrueke)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacil
lus casei)、ラクトバチルス・パストリアヌス(Lactoba
cillus pastorianus、ラクトバチルス・ブンチネリ(Lac
tobacillus bunchneri)等と適宜併用すると、より爽や
かな発酵香や旨みが増すことから好ましく、例えば、チ
ロル地方の元種や、エーデルサワー(商品名、鳥越製粉
社製)が有利に利用される。特に好ましい乳酸菌は、ラ
イ麦粉のみを原料として種起こしをした元種の乳酸菌で
ある。 さらに、上記乳酸菌の他に、酵母を併存せしめて発酵さ
せると、爽やかな発酵香や旨みが増すので、極めて好ま
しい態様として挙げられる。この酵母としては、通常の
パン酵母が利用できるが、例えば、生酵母(東洋醸造社
製)や乾燥活性酵母(商品名;フェルミパン、東洋醸造
社販売)の例が挙げられる。酵母は、乳酸菌とともに元
種に入っていてもよいが、乳酸菌を含有する元種とは別
に添加してもよく、ロースト小麦粒粉との発酵において
か、又はそれ以前において添加すればよい。 本発明において用いられるロースト小麦粒粉とは、小麦
の胚乳部、胚芽部、ふすま部等の各部分の粒粉、又は小
麦全粒を細かくした小麦全粒粉を、加熱によりロースト
したものであり、胚芽部の粒粉は、臭いが強く、ロース
ト条件が難しいことから必ずしも好ましくないが、特に
小麦全粒粉を用いると好ましく、またサワー香味剤を用
いて製造したサワーパン等において食感をより向上せし
めるためには、ロースト小麦粒粉として荒引小麦全粒粉
をローストした粒粉を用いるとさらに好ましい。 上記のロースト条件は、ローストが不充分であると本発
明の爽やかな醗酵香と旨みを有する適度な酸味を与える
醗酵物とはなり得ず、逆にローストが過剰であるとロー
スト臭が強く残ってしまうので、本発明の目的物である
醗酵物や該醗酵物を添加したサワー食品が好ましい限
り、特に限定されないが、ロースト温度は、通常110
〜160℃程度であり、より好ましくは130〜140
℃である。また、ロースト時間は、ロースト温度に従っ
て適宜選択できるが、通常、130℃にて1時間から1
50℃にて20分間程度である。 また、本発明において用いられるライ麦粉は、通常のラ
イ麦の粉または粒粉を用いればよく、例えば、市販品の
ライ麦粉(ナチュラル;商品名、鳥越製粉社製)が例示
される。 以下に本発明のサワー香味剤の製造のフローを略示する
が、この製造法に限定されるものではない。 保存菌種−→ライ麦粉を原料とする種おこし(元種)−
→ライ麦粉を原料とする第1次発酵(好ましくは酵母添
加)−→ロースト小麦粒粉を原料とする第2次発酵−→
サワー香味剤 上記フローに従って簡単に説明する。先ず、本発明のサ
ワー香味剤を製造するには、上述の元種とライ麦粉およ
びロースト小麦粒粉とを適当な水分存在下で発酵すれば
よく、この場合に、元種とライ麦粉の第1次発酵と、そ
の第1次発酵の発酵物とロースト小麦粒粉との第2次発
酵に分けて行ってもよい。発酵条件としては、適宜の条
件が選択でき、例えば、ロースト小麦粒粉100重量部
に対し、ライ麦粉を7〜20重量部、水60〜70重量
部、元種3〜5重量部が例示される。さらに、この組成
に脱脂粉乳を添加すると、本発明の発酵物の酸味がマイ
ルドになることから、より好ましく、通常、ロースト小
麦粒粉100重量部に対し、脱脂粉乳約4〜8重量部を
添加するとよい。 また、酵母を添加する場合には、ロースト小麦粒粉10
0重量部に対して約0.01〜0.1重量部を添加すれ
ばよい。 これらの発酵温度は、通常は15〜35℃程度であり、
好ましくは、18〜20℃程度であり、発酵時間は、適
宜選択し得るが、第1次発酵と第2次発酵と別に行う場
合には、第1次発酵の発酵時間としては通常10〜18
時間程度、好ましくは15時間程度であり、第2次発酵
の発酵時間しては通常5〜24時間程度、好ましくは1
6時間程度が例示される。また、同時に行う場合には、
通常10〜35時間程度発酵せしめればよい。 以上のようにして発酵して製造された発酵物は本発明の
サワー香味剤であり、後記の第1表に記載された通り、
微かな酸臭とエステル臭のある甘い醗酵臭を有し、旨み
と微かな酸味の感じられるpH4.8±0.2程度の黄褐
色のやや湿った粒子で強固な塊とならないものである。
これらの物性は、ライ麦のみを醗酵原料として調製され
る醗酵物や、ライ麦とロースト非処理の小麦粒粉を醗酵
原料として調製される醗酵物の物性と区別される。 本発明のサワー香味剤としては、醗酵物の水分の調節を
行ってもよいが、好ましくは醗酵物のまま後記のサワー
食品の製造に用いればよく、あるいは0〜5℃程度の冷
蔵下または凍結下にて保存流通せしめてもよい。 本発明のサワー食品とは、本発明のサワー香味剤と小麦
粉を主成分とする組成物とを含有した生地の焼成物であ
る酸味のある食品を意味する。特に、本発明のワサー香
味剤と小麦粉を主成分とする組成物とを使用して調製し
て得た生地を醗酵工程または膨化工程による処理を行っ
た後、焼成する食品の好ましく、本発明のサワー食品の
好ましい具体例としては、適度な酸味のあるサワーパン
およびサワークラッカー、サワービスケット、サワーパ
イ等が挙げられる。サワーパンとは、フランスパン、食
パン、クロワッサン、ピザクラスト等の各種のパンの通
常の原料に、本発明のサワー香味剤を添加し、以下常法
に従って製造されるものを意味する。また、サワークラ
ッカーとは、クラッカー、乾パン、プレッツェル等の通
常の原料に、本発明のサワー香味剤を添加し、以下常法
に従って製造されるものを意味する。 本発明のサワー食品に用いられる小麦粉を主成分とする
組成物とは、小麦粉や、小麦粉とその他成分からなるも
のを指し、その他成分としては、例えば、小麦以外の穀
物粉、澱粉質、繊維質、調味料、ショートニング、パン
酵母、食塩、脱脂粉乳、砂糖、重曹、水飴、水等の適宜
の混合物を意味し、小麦粉としては、適宜の強力小麦
粉、中力小麦粉、薄力小麦粉またはこれらの混合物を選
択し得る。 本発明のサワー食品は、本発明のサワー香味剤と小麦粉
を主成分とする組成物とを含有する生地を調製し、次い
で焼成することにより製造しえるが、その食品の通常の
製造法に準じて実施すればよい。例えば、本発明のサワ
ー香味剤によるサワーパンは、中種法、ストレート法の
いずれによっても製造し得るが、中種法においては、例
えば強力小麦粉、酵母、イーストフード、水等による通
常の中種を製造後、本捏工程において、先に調製した中
種に対し、適当量の強力小麦粉、砂糖、食塩、脱脂粉
乳、ショートニング、水等および、本発明のサワー香味
剤を添加して混捏し、適当なフロアタイム後に、分割、
丸めを行い、次いでベンチタイムをとり、成形、型詰、
ホイロ(最終醗酵)、焼成によりサワーパンとすること
ができる。また、ストレート法においては、例えば強力
小麦粉、酵母、イーストフード、砂糖、食塩、脱脂粉
乳、ショートニング、水等および、本発明のサワー香味
剤を添加して混捏し、以下中種法と同様に行うことがで
きる。本発明サワー香味剤の添加量は、パンの種類や好
みにより適宜選択することができるが、通常は小麦粉1
00重量部に対して10〜70重量部程度を添加すれば
よい。 また、サワークラッカーを製造する場合には、例えば中
力小麦粉、酵母、水等による通常の中種を製造後、、本
捏工程において、先に調製した中種に対し、適当量の薄
力小麦粉、食塩、ショートニング、水飴、重曹等と、本
発明のサワー香味剤を添加して混捏し、醗酵、延ばし、
穴開け、カット、焼成して製造することができる。本発
明のサワー香味剤の添加量は、種類や好みにより適宜選
択することができるが、通常は小麦粉100重量部に対
して10〜70重量部程度を添加すればよい。 かくして得られた本発明のサワー食品は、微かな酸臭と
エステル臭のある甘い醗酵香を有し、旨みと適度な酸味
の感じられ、特に荒引きロースト小麦粒粉を用いて調製
したサワー香味剤によるサワー食品は、軽い食感の好ま
しい食品である。
【実施例】
次いで本発明の参考例、実施例、比較例及び試験例を挙
げて本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれに
より限定されるものではない。 参考例1 元種(チロル地方の乳酸菌保存株)1.6gに、ライ麦
粉(鳥越製粉社製)45g、および水148gを加え、
25℃で8時間静置培養して種起こしをし、元種を増量
した。 実施例1 参考例1の種起こしで得た元種の全量を、ライ麦粉42
90g、乾燥活性酵母(商品名;フェルミパン、東洋醸
造社製)44gおよび水34.5kgに加え、20℃で1
8時間静置培養し、第1次醗酵をせしめた。 この第1次醗酵物全量に、予め荒挽小麦全粒粉(日本製
粉社製、8メッシュパス)を130℃で1時間ロースト
して得たロースト荒挽小麦全粒粉58kg、および脱脂粉
乳3kgを入れ、20℃で16時間静置培養し、本発明の
サワー香味剤を得た。本発明のサワー香味剤の物性は、
以下の通りであった。なお、比較として、ライ麦のみを
醗酵原料とした参考例1のライ麦醗酵物の物性、および
ライ麦とロースト非処理の小麦全粒粉を醗酵原料とした
比較例1の醗酵物の物性を挙げた。 本発明のサワー香味剤は、参考例1および比較例1のい
ずれとも明らかに区別することが可能であった。 比較例1 実施例1において用いたロースト荒挽小麦全粒粉58kg
の代わりに、ロースト非処理の荒挽小麦全粒粉58kgを
用い、以下実施例1と同様にして醗酵物を得た。 実施例2 参考例1において調製された元種全量に、ライ麦粉42
90g、乾燥活性酵母44gおよび水34.5kgを添加
する代わりに、ライ麦粉4290gおよび水34.5kg
を添加する他は、実施例1と全く同様に行い、本発明の
サワー香味剤を得た。 実施例3 エーデルサワー(商品名、鳥越製粉社製)40gと、予
め荒挽小麦全粒粉(日本製粉社製、8メッシュパス)を
130℃で1時間ローストして得たロースト荒挽小麦全
粒粉1000g、ライ麦粉80g、および脱脂粉乳(雪
印乳業社製)50gを入れ、20℃で16時間静置培養
し、本発明のサワー香味剤を得た。 実施例4、5 各々実施例1および実施例2において製造したサワー香
味剤を添加したパンの中種法による製造を行った。即
ち、強力小麦粉1400g、生酵母(東洋醸造社製)4
0g、イーストフード(東洋醸造社製)2g、および水
800gを、20コート縦型ミキサー(関東混合機工業
社製)にて低速3分間、さらに高速1分間混捏し(捏上
温度は、24℃であった)、次いで、これを4時間27
℃の発酵室にて醗酵せしめ中種を得た(終点温度は29
℃であった)。 強力小麦粉600g、砂糖125g、食塩50g、脱脂
粉乳50g、ショートニング120gおよび水500g
に、各々実施例1および実施例2において製造したサワ
ー香味剤500gを添加し、さらにこれに、上記で得た
中種全量を添加し、低速4分間、さらに中速5分間、高
速1分間混捏した(捏上温度は、28℃であった)。 これを20分間放置し、220gずつに分割して丸め、
ベンチタイム15分間後に成形し、ホイロ(最終醗酵)
として38℃、RH85%の条件にて60分間後、20
0℃のオーブンで35分間焼成し、各々本発明のサワー
パンを得た。 比較例2 実施例4において、本発明のワサー香味剤500gを中
種に添加する代わりに、参考例1に準じて得たライ麦の
みを原料とするライ麦醗酵物500gを添加し、以下実
施例4と同様に行って従来のライ麦パンを得た。 比較例3 実施例4において、本発明のサワー香味剤500gの中
種に添加する代わりに、比較例1に準じて得たライ麦と
ロースト非処理小麦全粒粉の発酵物500gを添加し、
以下実施例4と同様に行ってライ麦パンを得た。 比較例4 実施例4において、本発明の醗酵物である実施例1の醗
酵物を添加せずに、パンを製造した。 試験例1 実施例4、5および比較例2〜4を、パネラー10名に
より、嗜好試験を行った。 評価項目は、香り、酸味、食感および総合評価について
である。 結果は、以下の第2表に示す通り、本発明の実施例4、
5は、比較例2、3のライ麦パンに認められる強い酸臭
や酢酸臭、ふすま臭および強い酸味に比して、適度の酸
味と、さわやかな醗酵香および旨みを感じ、食べやす
く、またサワー香味剤の添加されていない比較例4に比
して嗜好性が増加した。 また、乳酸菌と酵母とから調製されたサワー香味剤を用
いたサワーパン(実施例4)は、乳酸菌のみから調製さ
れたサワー香味剤によるサワーパン(実施例5)に比
べ、よりさわやかな醗酵香を有し、さらに好ましいかっ
た。 実施例6、7 各々実施例1および実施例2において製造したサワー香
味剤を添加したパンのストレート法による製造を行っ
た。即ち、強力小麦粉2000g、乾燥酵母(商品名;
フェルミパン、東洋醸造社販売)34g、イーストフー
ド(東洋醸造社製)2g、砂糖125g、食塩60g、
脱脂粉乳160g、ショートニング100g、各々実施
例1および実施例2において製造した本発明のサワー香
味剤500gおよび水1360gを、20コート縦型ミ
キサーにて低速3分間、中速度3分間、さらに高速2分
間混捏し(捏上温度は、28℃であった)、次いで、こ
れを45分間27℃の発酵室にて醗酵せしめ、300g
ずつに分割して丸め、ベンチタイム20分間後にサブマ
リン型に成形し、30℃のドライホイロで45分間最終
醗酵させ、生地表面をナイフでカットし、蒸気を注入し
た210℃のオーブン中で25分間焼成し、各々本発明
のサワーパンを得た。 実施例8、9 各々実施例1および実施例2において製造した本発明の
サワー香味剤を添加したクラッカーを製造した。即ち、
中力小麦粉1400g、生酵母(東洋醸造社製)5g、
水600gを、20コート縦型ミキサーにて低速4分間
混捏し(捏上温度は、24℃であった)、次いで、これ
を18時間27℃の発酵室にて醗酵せしめ、中種を作っ
た。 次いで、薄力小麦粉200g、食塩30g、ショートニ
ング200g、水飴30g、重曹13g、各々実施例1
および実施例2のサワー香味剤400gおよび水20g
を、中種に加えて低速5分間混捏し(捏上温度は、25
℃であった)、さらに4時間醗酵せしめ、リバースシー
ター(鎌田機械製作所製)で2.5mmの厚さに延ばし
た。ピンローラーで穴(径1mm)をあけ、所定の大きさ
にカットし、260℃で4分間焼成し、各々サワークラ
ッカーを得た。 試験例1と同様に嗜好性試験を行った結果、クラッカー
においてもパンにおける結果と同様に、本発明のサワー
食品が好ましい結果を得た。 実施例10、11 強力小麦粉2000g、生酵母(商品名;フェルミパ
ン、東洋醸造社販売)40g、砂糖60g、食塩30
g、ショートニング100g、各々実施例1および実施
例2において製造した本発明のサワー香味剤400gお
よび水1080gを、20コート縦型ミキサーにて低速
3分間、中速度5分間、さらに高速3分間混捏し(捏上
温度は、31℃であった)、次いで、これを20分間醗
酵せしめ、クラストの大きさにより適宜分割して丸め、
サラダオイルを掛けて、ベンチタイム20分間後にプレ
ス機で1回目のプレスをし、さらに15分間発酵させ
て、2回目のプレスをし、220℃のオーブンで6分間
焼成し、各々サワーピザクラストを得た。
【発明の効果】
本発明によれば、爽やかな醗酵香と旨みを有する適度な
酸味のサワー食品を製造することができる有用なサワー
香味剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 清 静岡県田方郡修善寺町牧之郷700番地の1 (72)発明者 長沢 淳 静岡県田方郡大仁町三福883番地 天城寮 (72)発明者 大地 修造 東京都杉並区和田3丁目39番地3号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、乳酸菌を含有する元種、ライ
    麦粉およびロースト小麦粒粉とを、適当な水分存在下で
    醗酵したサワー香味剤。
  2. 【請求項2】乳酸菌が、少なくとも、ラクトバチルス・
    プランタラム、ラクトバチルス・ブレビスおよびラクト
    バチルス・フェルメンティからなる群より選択された1
    種または2種以上の乳酸菌である請求項(1)記載のサワ
    ー香味剤。
  3. 【請求項3】乳酸菌を含有する元種、ライ麦粉およびロ
    ースト小麦粒粉に、さらに、酵母を併存せしめる請求項
    (1)記載のサワー香味剤。
  4. 【請求項4】ロースト小麦粒粉が、荒挽小麦全粒粉をロ
    ーストした粒粉である請求項(1)記載のサワー香味剤。
  5. 【請求項5】少なくとも、乳酸菌を含有する元種、ライ
    麦粉およびロースト小麦粒粉とを、適当な水分存在下で
    醗酵することを特徴とするサワー香味剤の製造法。
  6. 【請求項6】少なくとも、乳酸菌を含有する元種、ライ
    麦粉およびロースト小麦粒粉とを適当な水分存在下で醗
    酵したサワー香味剤と、小麦粉を主成分とする組成物と
    を含有した生地の焼成物であるサワー食品。
  7. 【請求項7】サワー食品が、パンである請求項(6)記載
    のサワー食品。
  8. 【請求項8】サワー食品が、クラッカーである請求項
    (6)記載のサワー食品。
  9. 【請求項9】少なくとも、乳酸菌を含有する元種、ライ
    麦粉およびロースト小麦粒粉とを適当な水分存在下で醗
    酵したサワー香味剤と、小麦粉を主成分とする組成物と
    を含有する生地を調製し、次いで焼成することを特徴と
    するサワー食品の製造法。
JP2156547A 1990-06-14 1990-06-14 サワー香味剤およびその用途 Expired - Lifetime JPH0653050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2156547A JPH0653050B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 サワー香味剤およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2156547A JPH0653050B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 サワー香味剤およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0451867A JPH0451867A (ja) 1992-02-20
JPH0653050B2 true JPH0653050B2 (ja) 1994-07-20

Family

ID=15630183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2156547A Expired - Lifetime JPH0653050B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 サワー香味剤およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0653050B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3726242B2 (ja) * 1994-11-08 2005-12-14 クエスト・インターナショナル・サービシーズ・ビー・ブイ ドライベーカリー製品及びその製造方法
JP2005229808A (ja) * 2001-06-05 2005-09-02 Morinaga Milk Ind Co Ltd サワーブレッドの製造方法
JP4903680B2 (ja) * 2007-12-13 2012-03-28 株式会社プロバイオインターナショナル パンの製造方法
JP5695340B2 (ja) * 2010-04-30 2015-04-01 テーブルマーク株式会社 サワー種の製造方法及びそれを用いたパン類
JP6066870B2 (ja) * 2013-09-05 2017-01-25 日本製粉株式会社 焙焼小麦全粒粉の製造方法
JP6659334B2 (ja) * 2015-07-01 2020-03-04 月島食品工業株式会社 焼菓子の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60251857A (ja) * 1984-05-29 1985-12-12 Sankyo Food Kk 食品の香味改良剤

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60251857A (ja) * 1984-05-29 1985-12-12 Sankyo Food Kk 食品の香味改良剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0451867A (ja) 1992-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2414149C2 (ru) НОВЫЙ ЗАМЕНИТЕЛЬ СОЛИ NaCl, ЕГО ПРИМЕНЕНИЕ, ПРОДУКТЫ С ЕГО СОДЕРЖАНИЕМ
US4666719A (en) Admixture of a lactobacillus brevis and a saccharomyces dairensis for preparing leavening barm
US3615697A (en) Lactic fermented malt product and process of producing same
KR101965144B1 (ko) 감 페이스트의 제조방법 및 이를 이용한 빵, 막걸리, 떡의 제조방법
CA2970995A1 (en) Production of a yeast-free, highly digestible pizza by using a dough containing lactic acid bacteria
US6007850A (en) Baking improver
KR100803336B1 (ko) 오곡분을 이용한 빵 제조방법
JP3648403B2 (ja) 製パン改良剤及びそれを利用した製パン方法
US4093748A (en) Process for the preparation of bread
JPH0653050B2 (ja) サワー香味剤およびその用途
JP2011229497A (ja) サワー種の製造方法及びそれを用いたパン類
JP4323875B2 (ja) パン・菓子用米粉組成物、米粉パン・菓子およびその製造方法
JP4903680B2 (ja) パンの製造方法
JP3066587B2 (ja) サワーブレッドの製造方法
KR102249168B1 (ko) 쑥 페스트리의 제조방법
JP5328576B2 (ja) パン生地改良剤
JP4324237B2 (ja) パン又は菓子用米粉
JPS58205450A (ja) パン類の製造法
US4109023A (en) Porous yeast leavened dough product
WO2008005949A2 (en) Improving the flavor, aroma, browning, texture and nutrition of food compositions by use of a novel yeast isolate
JPH0568471A (ja) パン用冷凍生地の製造方法
KR101899520B1 (ko) 빵의 코팅용 조성물 및 그 제조방법, 빵
JP2019201600A (ja) 成形性のある乳酸発酵大豆生成物
US20060134270A1 (en) Baked rye product
KR20140000845A (ko) 된장발효액종을 이용한 제빵용 도우의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080720

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080720

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090720

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090720

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term