JPH065258B2 - 信号供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、生産ラインにおける搬送ベルト上の電気機
器に電源電圧やテスト信号等を印加するための搬送ベル
トと電気機器を乗せたパレット間の電気的な接触機構に
関する。

［発明の技術的背景］ 家庭用電気機器や通信機あるいは各種電子機器を製造す
る場合、これら機器を搬送ベルト上を移動するワーク載
置台であるパレット上に機器を乗せ、各工程ごとに部品
の装着や半田付け等の作業を行なっている。これらの工
程のなかには、電源電圧を加えたり、適当なテスト信号
を印加して機器の動作をチェックする必要のある場合が
ある。このような場合、信号等の印加をいちいち手作業
によって加えていたのでは、作業能率が低下し、量産体
制を妨げる一因となっている。

［発明の目的］ この発明の目的は、簡単な構成により搬送ライン上を移
動するパレットと自動的にかつ確実に接触し、パレット
上の電気機器に電源やテスト信号等を印加し、パレット
が更に移動することにより、自動的にその接触が解かれ
る信号供給装置を提供することである。

［発明の構成］ この発明の信号供給装置は、搬送ライン上に設けられ、
信号源からの信号が印加される信号供給手段と、この信
号供給手段をパレットの移動方向に回動可能に支持する
第１支持手段とを備えた固定供給装置と、パレットの下
面に設けられ、信号供給手段と電気的に接触し信号を電
気機器に印加するための摺電手段と、この摺電手段をパ
レットの移動方向に回動可能に支持する第２支持手段と
を備えた摺動装置とを有し、信号供給手段と摺電装置の
電気的な接触はパレットの移動に伴うこれら両手段の回
動により解かれることを特徴とするものである。

［実施例］ 以下、この発明を図面に示す一実施例について説明する
と、搬送ライン１上にはその走行ローラ２によりパレッ
ト３が移動可能に載置されている。パレット３上には例
えばテレビジョン受像機等の組立て中の電気機器４が乗
せられている。パレット３の下面には摺動装置５が、そ
して搬送ライン１の所定の工程位置には固定供給装置６
が設けられている。

摺動装置５は、パレット３の下面に立設された支持部材
７の下端に支持軸８により回動可能に取付けられた摺動
手段９を有している。摺動手段９はその下面に１対の導
電性弾性板材で構成された雌部材11と、この雌部材11の
外側に間隙をおいて位置する保護板12とを有している。
摺動手段９は、他端がパレット３の下面に固定されたコ
イルスプリング13の一端が取付けられており、このコイ
ルスプリング13により雌部材11が常時移動方向に向って
斜め下方に向くように弾性的に偏倚されている。この偏
倚量は支持部材７に一体的に設けられたストッパ14によ
って規制されている。雌部材11は導線15によりパレット
３上の電気機器４と電気的に接続されている。

固定供給装置６は、搬送ライン１上に設けられた支持ポ
スト21に上下可能に挿入支持された支持部材21と、この
支持部材21の一端に支持軸23により回動可能に取付けら
れた信号供給手段24とを有している。信号供給手段24
は、その上面に雌部材11と電気的に接続するようにその
間に挿入される導電性の雄部材25と、この雄部材25の外
側に間隔をおいて位置し、その間に保護板12が挿入され
る１対の外側保護材26を有している。信号供給手段24
は、多端が支持部材22に固定されたコイルスプリング27
の一端が取付けられており、このコイルスプリング27に
より雄部材25が常時移動方向と相対する方向に向って斜
め上方に向くように弾性的に偏倚されており、この偏倚
量は支持部材22に一体的に設けられたストッパ28によっ
て規制されている。雄部材25は導線29により信号源（図
示しない）等に接続されている。支持部材22はコイルス
プリング31により常時上方に弾性的に押圧されている。

以上のように摺動装置５の雌部材11はパレット３の移動
方向に対して斜め下方に、そして固定供給装置６の雄部
材25はパレットの移動方向に相対する方向にかつ斜め上
方に向いてそれぞれ位置しているので、パレット３が搬
送ライン１上を第１図において左方向から右方向に移動
していくと、自動的に雌部材11間に雄部材25が挿入され
る。パレット３が更に右方向に移動していくと、摺動装
置５はコイルスプリング13の偏倚力に抗して時計方向に
支持軸８を支点に回動する。固定供給装置６は、コイル
スプリング27の偏倚力に抗してこれも時計方向に支持軸
23を支点に回動する。雄部材25を支持する支持部材22は
コイルスプリング31により常時上方に弾性力に押圧され
ているので、雌部材11と雄部材25との接続は確実に行な
われる。このようにして雌部材11と雄部材25を電気的に
接触させたことにより、パレット３上の電気機器４に電
源やテスト信号等が印加される。

このテストが終了した後、パレット３を更に右方向に移
動させることにより、摺動装置５および固定供給装置６
は更に時計方向に回動するとともに、雌部材11と雄部材
25との接触も解かれていく。摺動装置５が固定供給装置
６から外れると、それぞれコイルスプリング13，27によ
り反時計方向に回動し、その回動はそれぞれストッパ1
4，28に当たることにより規制される。したがって、摺
動装置５と固定供給装置６は再び第２図に示すように位
置し、次のパレットの到来を待つ形となる。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明の信号供給装置は、パレットが搬
送ライン上の電源チェック工程部や信号テスト工程部に
到達すると、自動的にパレット上の電気機器に電源やテ
スト信号を印加することができ、従来のようにいちいち
手作業によってこれら信号等の印加を行なう必要はな
い。またその構成は簡単であるが、確実に電気的接触を
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を概略的に説明するための
側面図、第２図はその摺動装置と固定供給装置の詳細を
示すため一部拡大して示す側面図である。 図面において、１は搬送ライン、３はパレット、５は摺
動装置、６は固定供給装置、７，22は支持部材、11は雌
部材、13，27はコイルスプリング、25は雄部材である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送ライン上を移動するパレット上に乗せ
   られた電気機器にテスト信号等を印加するための信号供
   給装置において、前記搬送ライン上に設けられ、信号源
   からの前記信号が印加される信号供給手段と、この信号
   供給手段を前記パレットの移動方向に回動可能に支持す
   る第１支持手段とを備えた固定供給装置と、前記パレッ
   トの下面に設けられ、前記信号供給手段と電気的に接触
   し前記信号を前記電気機器に印加するための摺電手段
   と、この摺電手段を前記パレットの移動方向に回動可能
   に支持する第２支持手段とを備えた摺動装置とを有し、
   前記信号供給手段と前記摺電装置の電気的な接触は前記
   パレットの移動に伴う前記両手段の回動により解かれる
   ことを特徴とする信号供給装置。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、前記摺電
   手段は前記信号供給手段を弾性的に挟持するように前記
   支持手段に取付けられた導電性の弾性接触部材で構成さ
   れている信号供給装置。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項において、前記第１
   支持手段は前記信号供給手段を上方に弾性的に押圧する
   弾性部材を有する信号供給装置。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第１項において、前記第１
   および第２支持手段は前記供給装置と前記摺動装置が非
   接触時には前記信号固定供給手段と前記摺電手段が互い
   に相対するように弾性的に偏移させる弾性部材をそれぞ
   れ有している信号供給装置。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第４項において、前記第１
   および第２支持手段は前記弾性部材による偏移量を規制
   するストッパ材を有している信号供給装置。