JPH0652572B2 - 光学式情報記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、光学式情報記録再生装置に係り、特に、アク
セス時のシークタイムを短くすることができるようにし
た光学式情報記録再生装置に関する。

従来技術とその問題点 一般に、光学式情報記録再生装置においては、情報記録
媒体（ディスク）のデータトラックを選択するためにピ
ックアップがキャリッジ組立体を介してディスクの半径
方向に移動駆動制御しうるように設定されている。ピッ
クアップ及びキャリッジ組立体は、トラック間を高速移
動制御されるため、目標位置にて位置決め停止される際
にピッチングやローリング等の回転振動等が発生し、そ
のために正確な位置決め精度が出せないという問題が生
ずる。

そこで、特開昭５９−５４４５号公報記載のごときキャ
リッジ組立体が案出されている。かかるキャリッジ組立
体は、駆動用コイルの作用点をキャリッジの重心位置に
一致せしめるとともに、位置検出用センサ及びスケール
をキャリッジ中央部に取り付けることにより、ピッチン
グ等の振動を防止し、振動による検出誤差をなくすよう
に構成したものである。

しかしながら、上記構成において、キャリッジの搬送ロ
ーラ（ベアリング）のがたつきや走行用ガイドレール上
に積層するほこり等によりランダムな振動が発生し、こ
の振動のために所定トラックの適正位置に位置決めする
までに補正制御処理時間を長時間要し、そのためにシー
クタイムが長くなるという欠点があった。

又、特開昭54-85003号公報には同一光源をもちいて、２
光束に光ビームを分け、一方の光束を情報記録再生信号
を、他方の光束でステージの位置決め信号を取り出す技
術の開示があるが、この種、変調器を別途に必要とする
単色光源は高電圧駆動のため、取り扱いに注意を要する
うえに、体積、重量とも大きくなり装置自体を小型にす
ることができない欠点があった。

発明の目的 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので
あって、キャリッジの適正な位置決め制御を容易に行な
うことができるようにした光学式情報記録再生装置を提
供することを目的とする。

発明の概要 本発明は、ピックアップのアクチュエータ部に位置決め
検出体を設け、この位置決め検出体に検出ビームを入射
し、反射ビームと検出基準ビームと干渉を検出器にて検
出するように構成することにより、上記本発明の目的を
達成しようとするものである。

実施例 以下、図面を用いて本発明の実施例について詳細に説明
する。

（第１実施例） 第１図は、本発明に係る光学式情報記録再生装置１を示
すものであり、特にピックアップ部周辺の構成を示して
いる。

光学式ピックアップ２は、光源からの光ビームを対物レ
ンズ３を介してディスク４の所定トラックに照射し、そ
の反射光を検出して情報の記録，再生を行なうためのも
のであり、ローラ５を装備したキャリッジ６を介してデ
ィスク４の半径方向に移動自在の構成となっている。７
で示すのは、ディスク４の回転駆動用のスピンドルモー
タ、８で示すのは２次元アクチュエータで、キャリッジ
の重心点付近に対物レンズ３のトラッキング駆動部が一
致するように配設してある。

ピックアップ２の構成については、図示を省略してある
が一般的な構成と同様であり、半導体レーザ等の光源か
ら光ビームをコリメータレンズを介して平行光とし、こ
れを偏光ビームスプリッタ，λ／４波長板等を介して対
物レンズ３に入射し、対物レンズ３からの光ビームをデ
ィスク４上の所定トラックに所定スポットにて照射させ
るように設定構成してある。そして、ディスク４からの
反射光は再び対物レンズ３，λ／４波長板，偏光ビーム
スプリッタを経て検出部に入射され、検出されるように
なっている。

ピックアップ２は、図示を省略しているリニアモータ等
を介してディスク４の半径方向に高速移動制御しうるよ
うに設定してあり、ディスク４の所定トラックに位置決
め制御処理しうるようになっているが、ピックアップ２
は、位置決め検出装置９を介して適正なる位置決め制御
が迅速に行なわれるように構成されている。位置決め検
出装置９は、移動側であるピックアップ２における２次
元アクチュエータ８の外側部（図において右側）に埋設
された第１のコーナーキューブ１０と、装置の固定側に
配設された第２のコーナーキューブ１１と、光源である
半導体レーザ（シングルモードレーザ）１２と、光検出
器（ディテクター）１３，及び偏光プリズム１４等より
構成してある。第１のコーナーキューブ１０は、振動発
生の少ないキャリッジの重心位置付近に配設された２次
元アクチュエータ８の外側部に埋設してある。

半導体レーザ１２からのレーザビームは、コリメータレ
ンズ１５を介して偏光プリズム１４に入射されるように
なっており、偏光プリズム１４からの直線光１６は２次
元アクチュエータ８部に埋設された第１のコーナーキュ
ーブ１０に入射し、その反射光１７は偏光プリズム１４
にて反射され、光検出器１３に入射されるように設定し
てある。又、半導体レーザ１２，コリメータレンズ１５
を経て偏光プリズム１４に入射した光ビームのうちの一
部は、偏光プリズム１４にて反射され、反射光１８が第
１のコーナーキューブ１０と直交配置された第２のコー
ナーキューブ１１に入射し、その反射ビーム１９が偏光
プリズム１４を透過して光検出器１３に入射されるよう
になっている。即ち、第２のコーナーキューブ１１を経
て光検出器１３に入射される測定基準光と、第１のコー
ナーキューブ１０を経て光検出器１３に入射される被測
定光とを互に干渉させることにより、ピックアップ２の
適正な位置決めを検出測定しうるようになっている。光
検出器１３は測定基準光と被測定光とが干渉することで
生じる干渉縞が検出される。キャリッジ６がディスク４
半径方向にλ／２（λ；半導体レーザの波長）移動する
と、光検出器１３で検出される干渉縞が１縞ずれる。こ
の干渉縞のずれ量を検出することでキャリッジ６の半径
方向の位置決めがされるようになっている。又、位置決
め検出装置９が２次元レンズアクチュエータ８の近傍に
あるので、粗アクセスによるずれが少なくてすむように
設定してある。

上記構成において、本実施例の作用について説明する。
ピックアップ２をディスク４の半径方向に移動制御し
て、ディスク４の所定トラック位置にて位置決めする際
には、ローラ５のがたつきやガイドレール上に積層する
ほこり等によりキャリッジ６部にランダムな振動が発生
することがある。本実施例においては、対物レンズ３の
保持固定部である２次元アクチュエータ８の外側部に埋
設した第１のコーナーキューブ１０と基準側の第２のコ
ーナーキューブ１１の互の反射光の干渉を検出すること
により、短時間で正確な位置決め制御を行なうことがで
きる。即ち、第１のコーナーキューブ１０は、キャリッ
ジの重心位置付近に配設された２次元レンズアクチュエ
ータ８の外側部に埋設されているので、キャリッジが多
少振動しても振動による影響がなく、短時間にて安定か
つ正確な位置決めを行なうことができるものである。そ
の結果、所望トラックアクセス時のシークタイムを大幅
に短縮しうるものである。

（第２実施例） 第２図に、本発明の第２の実施例を示す。本実施例の特
徴は、第１の実施例が半導体レーザ１２，コリメータレ
ンズ１５等を情報記録，再生用のものと別個のものにて
構成しているのに対し、本実施例は、位置決め検出装置
９の半導体レーザ１２，コリメータレンズ１５等をピッ
クアップ２の情報記録，再生用のものと兼用して構成し
た点である。即ち、ピックアップ２は、固定部２ａと移
動部２ｂとより構成されるいわゆる分離型ピックアップ
２を用いており、固定部２ｂ内に配備された半導体レー
ザ１２，コリメータレンズ１５等を位置決め検出用とし
て共用させて構成したものである。第１のコーナーキュ
ーブ１０は、移動部２ｂの重心位置に埋設してある。

半導体レーザ１２からの光ビームは、コリメータレンズ
１５を経て平行光線となり、偏光プリズム２２，λ／４
板２３を通って移動部２ｂに入射し、移動部２ｂに入射
された光ビームは、ミラー２４にて反射され、対物レン
ズ３を経てディスク４の所定トラックに照射されるよう
になっている。又、偏光プリズム２にて反射されたビー
ムは、ハーフミラー２５にて反射され、レンズ２６を通
ってＲＦ信号用ディテクター２７に入射される。又、ハ
ーフミラー２５を透過したビームは、臨界角プリズム２
８を経て反射され、反射光は、制御用ディテクター３０
に入射されるようになっている。

レーザ光源１２，コリメータレンズ１５を経て偏光プリ
ズム２２に入射されたビームのうちの一部は上方向に反
射され、この反射ビーム３１は、第２のコーナーキュー
ブ１１を装備した偏光プリズム３２を直進して第２のコ
ーナーキューブ１１に入射されるようになっており、第
２のコーナーキューブ１１からの反射ビーム３３は偏光
プリズム３２にて反射され、干渉検出用ディテクター３
４に入射されるようになっている。又、反射ビーム３１
のうちの一部は、偏光プリズム３２により反射され、そ
の反射ビーム３５が移動部２ｂの外側部（アクチュエー
タ外側部）に埋設された第１のコーナーキューブ１０に
入射されるように設定してあり、コーナーキューブ１０
からの反射ビーム３６は偏光プリズム３２を通ってディ
テクター３４に入射されるように設定してある。

なお、その他の構成については、第１実施例のものと同
様であるので、同一部材には同一符号を付してその説明
を省略する。

上記構成においても、第１実施例と同様に、第１のコー
ナーキューブ１０と第２のコーナーキューブ１１からデ
ィテクター３４に入射されるビームの干渉を測定するこ
とにより、振動の影響を殆ど受けずに適正な位置決め測
定を行なうことができ、所望トラックアクセス時のシー
クタイムを大幅に短縮しうるものである。

特に、本実施例によれば、位置決め検出用の光源と情報
記録，再生用の光源とを共用した単一の半導体レーザ１
２，コリメータレンズ１５にて構成しているので、極め
て簡単な構成にて上記作用，効果を奏しうるものであ
る。

（第３実施例） 第３図に、本発明の第３の実施例を示す。本実施例の特
徴は、前方及び後方にレーザビームを発する半導体レー
ザ１２を用い、前方向に発せれれるレーザビーム３７に
より情報の記録，再生を行なうとともに、後方に発せら
れるレーザビーム３８により移動部２ｂの位置決め制御
をしうるように構成した点である。。まず、情報記録，
再生用光学系の構成について説明する。半導体レーザ１
２の前方に発せられたビーム３７は、コリメータレンズ
１５を介して平行光となり、ビーム整形用シリンドリカ
ルレンズ３９を通ってビーム整形され、偏光プリズム４
０，λ／４板４１，ミラー２４，対物レンズ３を経てデ
ィスク４の所定トラックに照射されるようになってい
る。偏光プリズム４０からの反射ビームをハーフミラー
４２で反射させ、レンズ４３を経てＲＦ信号用ディテク
ター４４に入射させる構成と、ハーフミラー４２からの
透過ビームを臨界角プリズム４６を介して制御用ディテ
クター４６に入射させる構成は、第２図にて示したもの
と同様である。

次に、位置決め検出装置９の構成について説明する。半
導体レーザ１２の後方に発せられたレーザビーム３８
は、偏光プリズム４７に反射され、その反射ビーム４８
は、第２のコーナーキューブ１１を装備した偏光プリズ
ム４９を透過して第２のコーナーキューブ１１に入射
し、その反射ビーム５０は偏光プリズム４９にて反射さ
れ干渉検出用のディテクター５１に入射されるようにな
っている。又、偏光プリズム４７からの反射ビーム４８
のうちの一部は、偏光プリズム４９にて反射され、その
反射ビーム５２が移動部２ｂの外側部（アクチュエータ
外側部）に埋設された第１のコーナーキューブ１０に入
射されるように設定してある。そして、、第１のコーナ
ーキューブ１０からの反射ビーム５３は偏光プリズム４
９を通ってディテクター５１に入射されるように設定し
てある。

半導体レーザ１２の後方に発光されたレーザビーム３８
の一部は、偏光プリズム４７を通ってモニタディテクタ
ー５４に入射され、このモニタディテクター５４に入射
されるレーザビームの強弱を検出し、ＡＰＣ回路（オー
トパワーコントロール）５５を介して半導体レーザ１２
から後方に発光されるレーザビーム３８の出力を一定に
保持しうるように制御構成してある。

本実施例におけるピックアップ２は、第２実施例と同様
の分離型ピックアップ２を使用してあり、上記説明以外
の構成については第２図に示したものと同様であるの
で、同一部材には同一符号を付してその説明を省略す
る。

上記構成においても、第２図に示した第２の実施例と同
様の作用，効果を奏しうるものである。特に、本実施例
によれば、ＡＰＣ回路５５にて各コーナーキューブ１
０，１１に入射させるレーザビームの出力を一定に保持
しうるので、ピックアップ移動部２ｂの位置決め検出を
安定的になしうる利点がある。

発明の効果 以上のように、本発明によりば、振動の影響を殆ど受け
ないピックアップのアクチュエータ部を検出しうるよう
にしたので、位置決め制御時の読み取り誤差を最小にす
ることができ、適正なる位置決め制御処理を簡易な制御
系で迅速に行なうことができる。その結果、ディスクに
おける所定トラックアクセス時のシークタイムを大幅に
短縮しうるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであって、第１図は本
発明の第１の実施例を示す構成説明図、第２図は本発明
の第２の実施例を示す構成説明図、第３図は本発明の第
３の実施例を示す構成説明図である。 ２……ピックアップ ３……対物レンズ ４……ディスク ７……スピンドルモータ ８……二次元アクチュエータ ９……位置決め検出装置 １０……第１のコーナーキューブ １１……第２のコーナーキューブ １２……半導体レーザ １３……検出器 １４……偏光プリズム １６，１７，１８，１９……ビーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ピックアップを搭載したキャリッジがデ
   ィスク半径方向に移動可能であって、前記キャリッジが
   記録媒体であるディスクの所定トラック位置にて位置決
   め制御しうるように構成してなる光学式情報記録再生装
   置において、 光ビームを照射する半導体レーザと、前記ビームを平行
   光にするコリメータレンズと、前記光ビームを第１、第
   ２の光束に分離する光束分離手段と、前記第１の光束を
   反射することによって位置決め基準ビームを得るための
   第１の反射光学素子とを装着固定側に配設すると共に、
   前記第２の光束を反射することによって被測定ビームを
   得るための第２の反射光学素子を前記光ピックアップの
   アクチュエータ近傍に設け、前記第１、第２の反射光学
   素子によってそれぞれ反射される前記位置決め基準ビー
   ム、前記被測定ビームを受光する光検出器を前記装着固
   定側に配設し、前記位置決め基準ビーム、前記被測定ビ
   ームの干渉によって前記キャリッジの位置決めを行うこ
   とを特徴とする光学式情報記録再生装置。