JPH0651859B2 - 摺接パターン用印刷導電ペースト - Google Patents

摺接パターン用印刷導電ペースト

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JPH0651859B2
JPH0651859B2 JP1086449A JP8644989A JPH0651859B2 JP H0651859 B2 JPH0651859 B2 JP H0651859B2 JP 1086449 A JP1086449 A JP 1086449A JP 8644989 A JP8644989 A JP 8644989A JP H0651859 B2 JPH0651859 B2 JP H0651859B2
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雅之 萩村
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帝国通信工業株式会社
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • H05K1/095Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks for polymer thick films, i.e. having a permanent organic polymeric binder

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転式可変抵抗器やスライド式スイッチ等の
電子部品の基板上に形成される各種パターンとして用い
られる摺接パターン用印刷導電ペーストに関するもので
ある。
〔従来の技術〕 従来、回転式可変抵抗器、回転式スイッチ、スライド式
スイッチ、スライド式可変抵抗器等の電子部品は、基板
上に形成した集電パターンや抵抗体パターンの上に金属
製の摺動子の摺動接点を摺接させることによって、その
電子部品の抵抗値やスイッチのオンオフ状態を変化して
いる。
この種電子部品の基板として硬質のフェノール系または
エポキシ系あるいはセラミック系のものを用いた場合
は、その上に形成する抵抗体パターンには、フェノール
系の樹脂バインダーと、銀,カーボン等の導電粉と、グ
リコール誘導体等の溶剤を混合してなる印刷導電ペース
トを用いていた。
またこの種電子部品の基板として可撓性を有するポリエ
ステルフイルム等を用いる場合は、その上に形成するパ
ターンには、ポリエステル、ポリウレタン等の可撓性樹
脂バインダーと、銀,カーボン等の導電粉と、グリコー
ル誘導体等の溶剤を混合してなる印刷導電ペーストを用
いていた。
そしてこれらの基板に形成した各種パターン上には、摺
動子の摺動接点が摺接することとなる。なおこの摺動接
点には、銀メッキされたりん青銅等の金属を用いること
が少なくない。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながらこの種従来の印刷導電ペーストにあって
は、基本的に有機樹脂が主成分であるため、前記金属製
の摺動子の摺動接点との摩擦によって徐々に磨耗し、つ
いには要求される性能を維持できなくなるという問題点
があった。
特に印刷導電ペーストとして可撓性のある材料を用いた
場合には、その材料が軟弱であるため、その磨耗が激し
いという問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、摺動接
点が頻繁に摺接しても、磨耗しにくく、導電率若しくは
電気的接触が長時間にわたって安定する摺接パターン用
印刷導電ペーストを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するため本発明は摺接パターン用印刷
導電ペーストを、樹脂バインダー,導電性粉末,溶剤を
主成分とする導電ペーストに、摩擦低減のため平均分子
量10000以下、粒径10μm以下であってその動摩
擦係数が0.5以下のフッ素樹脂の粉末を、樹脂バイン
ダーの固形分に対して2重量部乃至30重量部の範囲で
配合して構成した。
また本発明は、以上の組成物に、更に補強剤として粒径
10μm以下、モース硬度8以上の金属炭化物粉を前記
樹脂バインダーの固形分に対して2重量部乃至30重量
部の範囲で配合して構成した。
〔作用〕
上記の如く摺接パターン用印刷導電ペーストを構成する
ことにより、これを使用した基板上の各種パターンの摩
擦低減が図れ、この各種パターン上に摺動子の摺動接点
が頻繁に摺接しても、磨耗しにくく、導電率若しくは電
気的接触が長時間にわたって安定する。
〔実施例〕
以下、本発明の幾つかの実施例を従来例と比較しながら
詳細に説明する。
(1)まず実施例1,2を従来例Aと比較して説明す
る。
実施例1 まず実施例1の摺接パターン用印刷導電ペーストの製造
方法を説明する。
この印刷導電ペーストを製造するには、 (i)キシレン樹脂50%含有ブタノール溶液100重
量部(このキシレン樹脂が樹脂バインダーである)に、
(ii)アセチレンブラック2.8重量部、ファーネスブ
ラック2.8重量部、グラフアイト0.6重量部(以上
が導電性粉末である)、及び(iii)ポリ4フッ化エチ
レン樹脂粉末(平均分子量5000,粒径10μm以
下)2重量部(従って前記キシレン樹脂の固形分に対し
ては4重量部ということになる)を配合する。
次にこれを擂潰機にて一昼夜擂潰し、ブタノールを揮散
させた後に、(iv)ブチルセロソルブ、エチルカルビト
ールアセテート、メチルエチルケトン(MEK)(その
組成比5:4:1)からなる溶剤30重量部を加えたも
のを3本ロールミルで混練する。これによってこの実施
例にかかる印刷導電ペーストが完成する。
この印刷導電ペーストの面積抵抗値は約80KΩ/□で
あった。
そして第1図に示すように、この印刷導電ペースト1を
抵抗体パターンとしてフェノール積層板3上にスクリー
ン印刷によって馬丁形状に印刷し、これを190℃にて
15分間焼成することにより、回転式可変抵抗器の基板
を作成した。
なお第1図に示す5は銀ペースト、7はリン青銅に銀メ
ッキを施した摺動子である。
実施例2 次に実施例2の摺接パターン用印刷導電ペーストの製造
方法を説明する。
この印刷導電ペーストを製造するには、 (i)キシレン樹脂50%含有ブタノール溶液100重
量部に、(ii)アセチレンブラック2.8重量部、ファ
ーネスブラック2.8重量部、グラフアイト0.6重量
部、及び(iii)ポリ4フッ化エチレン樹脂粉末2重量
部(従って前記キシレン樹脂の固形分に対しては4重量
部ということになる)を配合する。次にこれを擂潰機に
て一昼夜擂潰し、ブタノールを揮散させた後に、(iv)
ブチルセロソルブ、エチルカルビトールアセテート、M
EK(その組成比5:4:1)からなる溶剤30重量部
を加えたものを3本ロールミルで混練する。
さらにこの実施例においては、上記のように混練した組
成物の中から分量5/100を取り出しし、これに
(v)チタンカーバイド(TiC)5重量部(従って前
記キシレン樹脂の固形分に対しては10重量部というこ
とになる)と、(vi)前記溶剤(iv)を3重量部加え
る。
そしてこれを擂潰機で約12時間擂潰した後、前記組成
物の残りの分量95/100を加え、これを1時間分散
する。
これによってこの実施例にかかる印刷導電ペーストが完
成する。
なおこの実施例において(v)のチタンカーバイド(T
iC)は補強材としての金属炭化物粉である。
この印刷導電ペーストの面積抵抗値も約80KΩ/□で
あった。
そして第1図に示すようにこの印刷導電ペースト1も、
抵抗体パターンとしてフェノール積層板3上にスクリー
ン印刷によって馬蹄形状に印刷され、これを190℃に
て15分間焼成することにより、回転式可変抵抗器の基
板を作成した。
比較例A 次に上記実施例1,2と比較するためにポリ4フッ化エ
チレン樹脂の粉末がチタンカーバイド(TiC)を配合
しない従来の印刷導電ペーストも作成した。
この印刷導電ペーストを製造するには、 (i)キシレン樹脂50%含有ブタノール溶液100重
量部に、(ii)アセチレンブラック2.8重量部、ファ
ーネスブラック2.8重量部、グラファイト0.6重量
部を配合する。次にこれをライカイ機にて一昼夜撹拌
し、ブタノールを揮散させた後に、(iii)ブチルセロ
ソルブ、エチルカルビトールアセテート、MEK(その
組成比5:4:1)からなる溶剤30重量部を加えたも
のを3本ロールミルで混練する。これによってこの比較
例にかかる印刷導電ペーストが完成する。
この印刷導電ペーストにあっても面積抵抗値は約80K
Ω/□であった。
そして第1図に示すようにこの印刷導電ペースト1も、
抵抗体パターンとしてフェノール積層板3上にスクリー
ン印刷によって馬蹄形状に印刷され、これを190℃に
て15分間焼成することにより、回転式可変抵抗器の基
板を作成した。
次に本件発明者は以上のようにして作成した実施例1,
実施例2,比較例Aの各基板上に、第1図に示すような
摺動子7の摺動接点を摺接させて、その摺動回数と抵抗
値(抵抗体パターン両端の最大抵抗値)の変化率との関
係を測定した。
第2図はその測定結果を示す図である。
同図に示すように、比較例Aにおいては、一端抵抗値が
大きく下がった後に再び大きく上昇している。この抵抗
値の上昇はこの抵抗体パターンが劣化していることを示
す。
一方ポリ4フッ化エチレン樹脂を配合した実施例1は、
少し抵抗値が減少した後に再び上昇して抵抗体パターン
が劣化しているが、前記比較例Aに比べてその劣化の程
度がかなり低い。
さらに実施例1の導電ペーストにチタンカーバイド(T
iC)をも配合した実施例2は、抵抗値が徐々に減少し
た後若干上昇するのみであり、該抵抗体パターンの劣化
はほとんどないことがわかった。
次に本件発明者は上記実施例1,実施例2,比較例Aの
各基板上に、第1図に示すような摺動子の摺動接点を摺
接させて、その摺動回数と集中接触抵抗(JIS C5261
5.8 方法B による)との関係を測定した。
第3図はその測定結果を示す図である。
同図に示すように、比較例Aにおいては、摺動回数が増
えれば増えるほど集中接触抵抗が上昇している。
これに対して、ポリ4フッ化エチレン樹脂を配合した実
施例1は、集中接触抵抗が上昇はするが、前記比較例A
に比べてその増加の程度がかなり低い。
さらに実施例1の導電ペーストにチタンカーバイド(T
iC)をも配合した実施例2にあっては、その集中接触
抵抗はほとんど変化しないことがわかった。
(2)次に実施例3を従来例Bと比較して説明する。
実施例3 まず実施例3の印刷導電ペースト用印刷導電ペーストの
製造方法を説明する。
この印刷導電ペーストを製造するには、 (i)ポリウレタン系可撓性印刷導電ペースト(市販の
もので樹脂バインダー含有量が約20〜25%のもので
ある。なおその内容は例えば樹脂バインダー〔例えばポ
リウレタン樹脂とセロソルブ系の溶剤〕と導電性粉末
〔例えばカーボンブラックとグラファイト〕を配合した
ものである)5重量部に、(ii)チタンカーバイド(T
iC)5重量部と、(iii)セロソルブ系希釈剤6重量
部を配合し、擂潰機にて約12時間擂潰する。
その後、(iv)前記(i)の印刷導電ペースト95重量
部にポリ4フッ化エチレン樹脂2重量部を配合し3本ロ
ールミルで混練したものを上記組成物に加え、擂潰機で
1時間擂潰させる。
ここで(i)のポリウレタン系可撓性印刷導電ペースト
中には樹脂バインダー固形分が約20〜25%含まれて
いるので、(ii)のチタンカーバイド(TiC)の樹脂
バインダー固形分に対する配合量は20〜25重量部と
いうことになる。また(iv)のポリ4フッ化エチレン樹
脂の樹脂バインダー固形分に対する配合量は8〜10重
量部ということになる。
これによってこの実施例にかかる印刷導電ペーストが完
成する。
そして第1図に示すようにこの印刷導電ペースト1を、
抵抗体パターンとしてポリエステルフイルム3′上にス
クリーン印刷によって馬蹄形状に印刷し、これを150
℃にて20分間焼成することにより、回転式可変抵抗器
の可撓性基板を作成した。
比較例B 次に上記実施例3と比較するためのポリ4フッ化エチレ
ン樹脂の粉末やチタンカーバイド(TiC)を配合しな
い従来の印刷導電ペーストも作成した。
即ちこの印刷導電ペーストを製造するには、 (i)上記実施例3に示す(i)と同一のポリウレタン
系可撓性印刷導電ペースト(市販のもので樹脂バインダ
ー含有量が約20〜25%のもの)を用意し、これをそ
のままポリエステルフイルム3′上にスクリーン印刷に
よって馬丁形状に印刷し、これを150℃にて20分間
焼成することにより、可変抵抗器の可撓性基板を作成し
た。
次に本件発明者は以上のようにして作成した実施例3,
比較例Bの各基板上に、第1図に示すような摺動子の摺
動接点を摺接させて、その摺動回数と抵抗値(抵抗体パ
ターン両端の最大抵抗値)の変化率との関係を測定し
た。
第4図はその測定結果を示す図である。
同図に示すように、比較例Bにおいては、摺動子を摺動
回数が増せば増すほどその抵抗値が著しく増大し、その
抵抗体パターンの劣化が激しい。
一方ポリ4フッ化エチレン樹脂とチタンカーバイド(T
iC)を配合した実施例3は、摺動子の摺動回数を増せ
ば増すほどその抵抗値は増大するが、上記従来例Bに比
べてその増大の程度がかなり低く、その抵抗体パターン
の劣化が少ない。
次に本件発明者は上記実施例3,比較例4の各基板上
に、第1図に示すような摺動子の摺動接点を摺接させ
て、その摺動回数と集中接触抵抗(JIS C5261 5.8
方法B による)との関係を測定した。
第5図はその測定結果を示す図である。
同図に示すように、比較例Bにおいては、摺動回数が増
えれば増えるほど集中接触抵抗が上昇している。
これに対して、ポリ4フッ化エチレン樹脂とチタンカー
バイド(TiC)を配合した実施例3は、集中接触抵抗
が若干上昇するのみであることがわかった。
(3)次に実施例4を従来例Cと比較して説明する。
実施例4 まず実施例4の摺接パターン用印刷導電ペーストの製造
方法を説明する。
この印刷導電ペーストを製造するには、 (i)ポリウレタン系可撓性印刷導電ペースト(市販の
もので樹脂バインダー含有量が約20〜25%のもので
ある。なおその内容は例えば前記実施例3の(i)と同
様のものを用いる)5重量部に、(ii)チタンカーバイ
ド(TiC)5重量部と、(iii)セロソルブ系希釈剤
6重量部を配合し、擂潰機にて約12時間擂潰する。
その後、(iv)前記(i)の印刷導電ペースト95重量
部にポリ4フッ化エチレン樹脂5重量部を配合し3本ロ
ールミルで混練したものを上記組成物に加え、擂潰機で
1時間擂潰させる。
これによってこの実施例にかかる印刷導電ペーストが完
成する。
ここで(i)のポリウレタン系可撓性印刷導電ペースト
中に樹脂バインダー固形分が約20〜25%含まれてい
るので、(ii)のチタンカーバイド(TiC)の樹脂バ
インダー固形分に対する配合量は20〜25重量部とい
うことになる。また(iv)のポリ4フッ化エチレン樹脂
の樹脂バインダー固形分に対する配合量も20〜25重
量部ということになる。
そして第6図に示すように、こうして得られた印刷導電
ペースト11を、銀ペースト15を印刷・乾燥させたポ
リエステルフイルム13上に、該銀ペースト15を覆う
ように直線状にスクリーン印刷する。そしてこれを15
0℃にて20分間焼成することにより、同図に示すスラ
イド式スイッチの可撓性基板を作成した。
なお17はその摺動接点が導電ペースト11上を摺接す
る金属製の摺動子である。
比較例C 次に上記実施例4と比較するためにポリ4フッ化エチレ
ン樹脂の粉末やチタンカーバイド(TiC)を配合しな
い従来の印刷導電ペーストも作成した。
即ちこの印刷導電ペーストを製造するには、 (i)上記実施例4に示す(i)と同一のポリウレタン
系可撓性印刷導電ペースト(市販のもので樹脂バインダ
ー含有量が約20〜25%のもの)を用意し、これをそ
のまま銀ペースト15を印刷・乾燥させたポリエステル
フイルム13の上に、該銀ペースト15を覆うように直
線状に印刷し、これを150℃にて20分間焼成するこ
とにより、第6図に示すようなスライド式スイッチの可
撓性基板を作成した。
次に本件発明者は以上のようにして作成した実施例4,
比較例Cの各基板上に、第6図に示すような摺動子17
の摺動接点を摺接させて、その摺動回数と接触抵抗(O
N時の接触抵抗)との関係を測定した。
第7図はその測定結果を示す図である。
同図に示すように、比較例Cにおいては、摺動子の摺動
回数が増せば増すほどその抵抗値が著しく増大し、その
抵抗体パターンの劣化が激しい。
これに対してポリ4フッ化エチレン樹脂とチタンカーバ
イド(TiC)を配合した実施例4は、摺動子の摺動回
数が増せば増すほどその抵抗値は増大するが、上記比較
例Cに比べてその増大の程度がかなり低く、その抵抗体
パターンの劣化が少ないことがわかった。
以上本発明にかかる摺接パターン用印刷導電ペーストを
いくつかの実施例を用いて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、配合する各材料及びその比率
は所定の範囲で変更できる。
即ち上記実施例においては、フッ素樹脂としてポリ4フ
ッ化エチレン樹脂を用いた場合を説明したが、本発明は
これに限られず、その動摩擦係数が0.5以下のフッ素
樹脂(例えばポリフッ化エチレンプロピレンエーテル樹
脂,ポリフッ化アルコキシエチレン樹脂、ポリ4フッ化
エチレン6フッ化プロピレン共重合樹脂等)であれば、
どのフッ素樹脂でも前記実施例と同等の効果を生ずるこ
とが確認できた。
なおここで上記動摩擦係数について定義する。
第8図は動摩擦係数の測定方法を示す図である。同図に
示すように、動摩擦係数を測定するには、アルミニウム
製の回転テーブル91上に試料であるフッ素樹脂粉を敷
きつめ、内半径r=1cm,外半径r=2cmの銅製の
円筒92を3kgの荷重で押し当てる。この円筒92には
中心軸と直角にアーム93が付いている。
しかる後に回転テーブル91を毎分60回転の速さで回
転させ、この時に円筒92に伝わるトルクFを、該円筒
92の中心軸から=4cmの距離におけるアーム93上
にて測定する。
そしてこれらの値を下式に代入すれば、動摩擦係数μが
得られるのである。
また上記各実施例においては、金属炭化物粉としてチタ
ンカーバイド(TiC)を用いた場合を説明したが、金
属炭化物粉としてはこれに限られず、タングステンカー
バイド(WC)やシリコンカーバイド(SiC)等の他
の各種の金属炭化物粉でも前記実施例と同等の効果を生
ずることが確認できた。
また本件発明者は、上記実施例以外に所定のフッ素樹脂
と金属炭化物粉の混合比を変えた各種の印刷導電ペース
トを作成してその性能を測定した。
その結果、樹脂バインダー、導電性粉末、溶剤を主成分
とする印刷導電ペーストに、摩擦低減のために平均分子
量10000以下で粒径10μm以下且つその動摩擦係
数が0.5以下のフッ素樹脂の粉末を、樹脂バインダー
の固形分に対して2重量部乃至30重量部の範囲(さら
に好ましくは4重量部乃至25重量部の範囲)で配合す
るものであれば、その配合の比率はどのようにしてもよ
いことがわかった。
ここで上記フッ素樹脂の分子量が10000を越える
と、印刷導電ペースト中での分散が阻害され、印刷導電
ペーストの流動性、平滑性が阻害されて不都合である。
なおこのフッ素樹脂の粒径が10μmを越えると、この
印刷導電ペーストを基板上に印刷したときに、その表面
へのフッ素樹脂粒子の露出が多く成り過ぎ、電気的接触
を阻害することとなり不都合である。一方フッ素樹脂の
配合量が樹脂バインダーの固形分に対して2重量部以下
の場合は摩擦低減という効果が充分には発揮できない。
またフッ素樹脂の配合量が樹脂バインダーの固形分に対
して30重量部以上の場合はこの印刷導電ペーストの電
気的特性を阻害し、また機械的特性も低下する。
また以上の範囲のフッ素樹脂を配合した印刷導電ペース
トに、更に補強剤として金属炭化物粉を配合する場合、
その配合の割合は、粒径10μm以下でモース硬度8以
上のものを、樹脂バインダーの固形分に対して2重量部
乃至30重量部の範囲(好ましくは4重量部乃至25重
量部の範囲)で配合すると、耐磨耗性は上記フッ素樹脂
のみを配合した印刷導電ペーストの場合に比べてもかな
り向上することもわかった。
ここで金属炭化物粉の粒径が10μmを越えると、この
印刷導電ペーストを基板上に印刷したときに、その表面
への金属炭化物粉粒子の露出が多く成り過ぎ、電気的接
触の阻害、その表面の平滑性の阻害の原因となる。一方
金属炭化物粉の配合量が樹脂バインダーの固形分に対し
て2重量部以下の場合は印刷導電ペーストを補強すると
いう効果が充分には発揮できない。また金属炭化物粉の
配合量が樹脂バインダーの固形分に対して30重量部以
上の場合はこの印刷導電ペーストの電気的特性を阻害
し、また印刷導電ペーストの機械的特性も低下する。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明に係る摺接パターン
用印刷導電ペーストによれば、以下のような優れた効果
を有する。
フッ素樹脂粉末の分子量を10000以下としたの
で、印刷導電ペースト中でのフッ素樹脂粉末の分散性が
向上し、その流動性、平滑性が保たれ、電気的接触性が
確保される。
フッ素樹脂粉末の粒径を10μm以下としたので、こ
の印刷導電ペーストを基板上に印刷したときに、その電
気的接触性が阻害されることはない。
フッ素樹脂粉末の動摩擦係数を0.5以下としたの
で、印刷導電ペーストの耐摩耗性が確保される。
フッ素樹脂粉末を樹脂バインダーの固形分に対して2
重量部乃至30重量部の範囲で混合したので、摩擦低減
という効果が十分発揮でき、且つ電気的特性、機械的特
性も低下することはない。
上記乃至の効果から、この摺接パターン用印刷導
電ペーストを使用した各種パターンはその表面から滑ら
かで、耐摩耗性があり、電気的接触性も良く、これに摺
動子の摺動接点が頻繁に摺接しても、該各種パターン及
び摺動接点とも摩耗しにくく、導電率若しくは電気的接
触が長時間にわたって安定する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる印刷導電ペーストを用いた回転
式可変抵抗器の基板を示す平面図、第2図は実施例1,
実施例2,比較例Aの各基板上を摺接する摺動子の摺動
回数と抵抗値の変化率との関係を示す図、第3図は実施
例1,実施例2,比較例Aの各基板上を摺動する摺動子
の摺動回数と集中接触抵抗との関係を示す図、第4図は
実施例3,比較例Bの各基板上を摺接する摺動子の摺動
回数と抵抗値の変化率との関係を示す図、第5図は実施
例3,比較例Bの各基板上を摺動する摺動子の摺動回数
と集中接触抵抗との関係を示す図、第6図は本発明にか
かる印刷導電ペーストを用いたスライド式スイッチの基
板を示す平面図、第7図は実施例4,比較例Cの各基板
上を摺接する摺動子の摺動接点の摺動回数と接触抵抗と
の関係を示す図、第8図は動摩擦係数の測定方法を示す
図である。 図中、1,11……印刷導電ペーストである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂バインダー,導電性粉末及び溶剤を混
    合したものを主成分とする印刷導電ペーストに、平均分
    子量が10000以下且つ粒径が10μm以下であって
    その動摩擦係数が0.5以下のフッ素樹脂の粉末を、前
    記樹脂バインダーの固形分に対して2重量部乃至30重
    量部の範囲で混合したことを特徴とする摺接パターン用
    印刷導電ペースト。
  2. 【請求項2】前記フッ素樹脂は、ポリ4フッ化エチレン
    樹脂、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル樹脂、ポ
    リフッ化アルコキシエチレン樹脂、またはポリ4フッ化
    エチレン6フッ化プロピレン共重合樹脂であることを特
    徴とする請求項(1)記載の摺接パターン用印刷導電ペー
    スト。
  3. 【請求項3】前記摺接パターン用印刷導電ペーストに、
    粒径10μm以下でモース硬度8以上の金属炭化物粉
    を、前記樹脂バインダーの固形分に対して2重量部乃至
    30重量部の範囲で混合したことを特徴とする請求項
    (1)または(2)記載の摺接パターン用印刷導電ペースト。
  4. 【請求項4】前記金属炭化物粉は、チタンカーバイド、
    タングステンカーバイド、或いはシリコンカーバイドで
    あることを特徴とする請求項(3)記載の摺接パターン用
    印刷導電ペースト。
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