JPH0651846B2 - 易分散性銅フタロシアニン顔料の製造方法 - Google Patents

易分散性銅フタロシアニン顔料の製造方法

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JPH0651846B2
JPH0651846B2 JP61223897A JP22389786A JPH0651846B2 JP H0651846 B2 JPH0651846 B2 JP H0651846B2 JP 61223897 A JP61223897 A JP 61223897A JP 22389786 A JP22389786 A JP 22389786A JP H0651846 B2 JPH0651846 B2 JP H0651846B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料、印刷インキ、プラスチック着色剤等に
有用な赤味鮮明な易分散性銅フタロシアニン顔料の製造
方法に関するものである。
〔従来技術〕
通常の合成反応によって得られた粗製銅フタロシアニン
は、着色力及び色相等において顔料特性に欠けている。
そのため粗製の銅フタロシアニンを有用な顔料形態に転
化させるために種々の方法が行なわれいてる。
例えば、粗製銅フタロシアニンに塩化ナトリウムなどの
摩砕助剤を加えてボールミル等で乾式摩砕を行なう方法
がある。
そして顔料化に際しては、この摩砕顔料に対して当量以
上の有機溶媒(アルコール類、キシロール類等)中で顔
料化しているのが一般的である。
通常は摩砕顔料を3〜10倍量の溶媒中で撹拌ないしは
加熱撹拌した、1〜4時間で顔料化することによって鮮
明なβ型銅フタロシアニンブルー顔料が得られる。
〔発明が解決しようとしている問題点〕
上記の乾式摩砕法によると多量の有機溶媒を使用しなけ
ればならない。
従来使用している溶媒例えばブタノール、キシロールで
は、溶媒量を顔料に対して当量以上加えないと顔料化が
十分行なわれず、そのため、多量の溶媒が使用されるの
で作業環境がよくなく、危険性を供ない、溶媒回収の問
題等様々な問題があり、これを解決することが大きな課
題であった。
本発明者らは、これら従来法の欠陥を改善すべく研究し
た結果、有機溶媒としてブチルセロソルブを使用した結
果顔料に対する溶媒の使用量が当量以下でも十分に顔料
化が行なえる銅フタロシアニン顔料の製造方法の技術を
確立して既に特許出願中である。
前記した銅フタロシアニン顔料の製造方法によって得ら
れた顔料は希望とする赤味の銅フタロシアニン顔料に到
達せずに、また分散性の面でも十分満足されるものでは
ないため本発明者等は、更に改良研究を進めた結果、粗
製銅フタロシアニンをロジン類で乾式摩砕し、得られた
摩砕物をブチルセロソルブで加熱処理することによって
赤味鮮明でかつ易分散性の銅フタロシアニン顔料が得ら
れることを知見して本発明に到達した。
〔問題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、 粗製銅フタロシアニンにロジン類を加えて乾式摩砕し、
得られた摩砕物に対して、9〜58%のブチルセロソル
ブ水溶液を前記摩砕物に対してブチルセロソルブ量換算
で1:1〜0.05となるように配合し、50〜100
℃で加熱処理することを特徴とする銅フタロシアニン顔
料の製造方法である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いられる粗製銅フタロシアニンとしては、従
来公知の方法で得られる銅フタロシアニン、分子中に2
個以下の塩素原子もしくは臭素原子を含有する銅フタロ
シアニン、ポリクロル銅フタロシアニン、分子中に14
個以下の臭素原子を含有するポリクロル−ブロム銅フタ
ロシアニン等が挙げられる。
前記の粗製銅フタロシアニンを乾式摩砕するために用い
るロジン類とは、例えばガムロジン、ウッドロジン及び
トール油ロジン或はこれらの金属塩水添加したロジン、
不均化ロジン等が挙げられる。
前記したロジン類の配合量は粗製銅フタロシアニン10
0重量部に対し2〜50重量部、好ましくは5〜30重
量部である。
本発明では、ロジン類で乾式摩砕した粗製銅フタロシア
ニンにブチルセロソルブを加えて溶剤処理することを特
徴とするものであるが、前記のブチルセロソルブは水と
併用されるが、ブチルセロソルブの使用量は、粗製銅フ
タロシアニンに対して5〜100 重量%、好ましくは20
〜40重量%である。
ブチルセロソルブの使用に際しては、まず水とブチルセ
ロソルブを混合し、この混合物を顔料摩砕物に加えて常
温で混合、5〜100 ℃で加熱処理を行なう。摩砕、ブチ
ルセロソルブ処理後の銅フタロシアニン顔料の取出に際
して、ブチルセロソルブを除去するに当っては、50℃
以下の洗浄水で洗うとブチルセロソルブは水溶性となる
ため顔料から容易に除去することができる。
ブチルセロソルブは常温では水溶性であり、水とよく混
ざるが50℃以上に加熱した場合、水に不溶性となる。
従ってブチルセロソルブを水と混合して50℃以上で顔
料を処理すると、ブチルセロソルブは水と分離して完全
に顔料表面に吸着し、効率よく、顔料の結晶転移と、結
晶化を推進する働きをなす。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1. 乾式アトライターに粗製の銅フタロシアニン100重量
部を入れ、これに不均化ロジン10重量部を加え、40
分間摩砕を行なう。
次いで得られた摩砕物100重量部にブチルセロソルブ
30重量部、水200重量部を加え、常温で30分間混
合を行なう。更に内容物を90℃に加熱し、4時間撹拌
混合を行なう。次いで、混合物を大量の水中に投入し、
2%希硫酸水溶液で80℃〜90℃、50分間加熱処理
を行なう。次に濾過、水洗し、得られた顔料ケーキを7
0〜80℃で乾燥する。赤味鮮明なβ型銅フタロシアニ
ン顔料が得られた。
得られた顔料の分散性結果を第1表に示す。
実施例2. 乾式アトライターに粗製の銅フタロシアニン100重量
部をいれ、これに水添加ロジン10重量部を加え、40
分間摩砕を行なう。
次いで得られた摩砕物100重量部にブチルセロソルブ
30重量部、40%硫酸水溶液200重量部を加え、常
温で30分間混合を行なう。更に内容物を90℃に加熱
し、4時間撹拌混合を行なう。次いで混合物を大量の水
中に投入し、更に濾過、水洗し、得られた顔料ケーキを
70〜80℃で乾燥する。赤味鮮明なβ型銅フタロシア
ニン顔料が得られた。
得られた顔料の分散性結果を第1表に示す。
実施例3. 乾式アトライターに粗製の銅フタロシアニン100重量
部を入れこれに不均化ロジン5重量部を加え、40分間
粉砕を行なう。
次いで得られた摩砕物100重量部に6%水酸化ナトリ
ウム溶液200重量部を加え、常温で30分間混合を行
なう。更に内容物を80〜90℃に加熱し、3〜4時間
撹拌混合を行なう。
次いで混合物を大量の水中に投入し、更に濾過、水洗
し、得られた顔料ケーキを70〜80℃で乾燥する。赤
味鮮明なβ型銅フタロシアニン顔料が得られた。
得られた顔料の分散性結果を第1表に示す。
比較例1. 乾式アトライターに粗製の銅フタロシアニン100重量
部を加え30分間粉砕する。
次いで得られた摩砕物100重量部にイソプロピルアル
コール200重量部、水200重量部を加え、内容物を
79.5℃に加熱し、4時間撹拌混合を行なう。
次いで混合物を大量の水中に投入し、2%希硫酸水溶液
で80℃〜90℃、50分間加熱処理を行なう。次に濾
過、水洗し、得られた顔料ケーキを70〜80℃で乾燥
する。
緑味でくすんだβ型銅フタロシアニンが得られた。得ら
れた顔料の分散性結果を第1表示す。
分散性の試験方法 顔料100部とオフセットインキ用ワニス400部を十
分にプレミキシングし、試験用三本ロールで練肉し、そ
の分散度をグラインドメーターで測定する。
〔作用効果〕
本発明では、ロジン類で乾式摩砕した粗製銅フタロシア
ニン顔料を更にブチルセロソルブと水の混合物で50〜
100℃で加熱処理する結果、該ブチルセロソルブは水
と分離して完全に顔料表面に吸着し、効率よく顔料の結
晶転移と結晶を促進するため、従来法と比較し、溶媒の
使用が極めて少なくて済み、溶剤による作業環境汚染や
危険性の心配がない。また溶媒の回収に手間を要するこ
となく経済的にもすぐれた製造法である。
またロジン類を加えないで乾式摩砕を行なって得た粗製
銅フタロシアニン顔料を使用したものと比較して、分散
性に極めてすぐれた着色力のある赤味鮮明な銅フタロシ
アニンが得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗製銅フタロシアニンにロジン類を加えて
    乾式摩砕し、得られた摩砕物対して、9〜58%のブチ
    ルセロソルブ水溶液を前記摩砕物に対してブチルセロソ
    ルブ量換算で1:1〜0.05となるように配合し、50〜
    100℃で加熱処理することを特徴とする易分散性銅フ
    タロシアニン顔料の製造方法。
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JPH117162A (ja) * 1997-06-16 1999-01-12 Toyo Ink Mfg Co Ltd 電子写真用トナー粒子の製造方法及びその利用
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