JPH0651797B2 - ポリアミノ酸の架橋球状粒子とその製造方法 - Google Patents

ポリアミノ酸の架橋球状粒子とその製造方法

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JPH0651797B2 JP60260653A JP26065385A JPH0651797B2 JP H0651797 B2 JPH0651797 B2 JP H0651797B2 JP 60260653 A JP60260653 A JP 60260653A JP 26065385 A JP26065385 A JP 26065385A JP H0651797 B2 JPH0651797 B2 JP H0651797B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、クロマトグラフィーの充填剤等の用途に使用
できる架橋ポリアミノ酸多孔性球状粒子とその製造方法
に関する。
〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕
各種クロマトグラフィー用充填剤、化粧品用微粒子、生
体反応研究用ラテックス等としては、従来より各種の素
材からなる球状粒子が用いられてきた。例えば、ゲルク
ロマトグラフィー用充填剤としては、デキストラン系の
球状粒子ゲル(セファデックス)が多用されているが、
この充填剤は、圧力下の強度が弱く、煩雑な架橋処理を
行なわねば強度を高く保つことができない。一方架橋度
を高くすると分画できる高分子物質の範囲が小さくなる
という欠点を有する。又セファデックスは水、溶媒によ
り膨潤し、そのため充填層に通液する際著しく圧力損失
が大きくなるという欠点がある。本発明の目的は圧力に
耐える強度を有し、耐溶媒性に優れ、充填塔に通液した
とき圧力損失が極く少ない新規な球状粒子及びその安価
な製造法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記の各種用途の球状粒子の素材として
従来使用されているものとは全く別異の素材であるポリ
アミノ酸を利用することにより、球状粒子の諸性状を容
易に制御できること、架橋が容易で架橋処理したポリア
ミノ酸球状粒子の性能が従来の球状粒子より優れている
ことを見出し、ポリアミノ酸をマトリックスとする架橋
球状粒子の製造方法を確立し、本発明を完成した。ポリ
アミノ酸の利用方法として、担体上に固定して異性体の
分割操作に用いた例はあるが、前記したような各種用途
のためにポリアミノ酸そのものを球状粒子化し架橋した
例は見当らない。
すなわち、本発明は架橋処理されたポリアミノ酸から構
成される多孔性球状粒子、及びその製造方法に関する。
この製造方法によれば、ポリアミノ酸を、ポリアミノ酸
との良溶媒であり、水に不溶であり、沸点が水よりも低
いものから選ばれる有機溶媒に溶解して得られるポリア
ミノ酸の有機溶媒溶液に、前記有機溶媒に相溶性で、ポ
リアミノ酸に非相溶性かつ水性媒体に非相溶性であり、
前記有機溶媒及び水性媒体のいずれよりも沸点が高い多
孔化用添加剤を混合した後、前記有機溶媒溶液を水性媒
体に加え攪拌を行うことにより、前記有機溶媒を蒸発さ
せつつ、前記ポリアミノ酸の球状粒子が前記水性媒体に
分散された分散体を得、このポリアミノ酸の球状粒子中
の多孔化用添加剤を除去した後、この分散体からポリア
ミノ酸の球状粒子を取り出して、溶媒に分散し、多官能
性試薬を作用させて架橋する架橋ポリアミノ酸多孔性球
状粒子を製造することができる。
多孔質化した球状粒子を得るための方法は、前記架橋ポ
リアミノ酸球状粒子の基本的製法において水性媒体に混
合する前に、ポリアミノ酸有機溶媒溶液に次の条件を備
えた添加剤を混合することを特徴とする。すなわちこの
添加剤はポリアミノ酸を溶解している有機溶媒に相溶性
で、ポリアミノ酸に非相溶性かつ水性媒体に非相溶性で
あり、該有機溶媒及び水性媒体のいずれよりも沸点が高
いものである。
上記方法において架橋は水性媒体より過や遠心分離な
どにより分離され必要により洗浄したポリアミノ酸球状
粒子を溶媒に分散し多官能試薬からなる架橋剤と必要に
応じ触媒を加え加熱するなどして反応させることによっ
て行われる。架橋球状粒子は反応液から任意の手段によ
り分離される。
本発明の球状粒子の原料物質ポリアミノ酸はアミノ酸又
はアミノ酸誘導体の重合体であって架橋剤と反応し得る
官能基を有するものである。単位モノマーに具備される
官能基は架橋剤と反応し得るものであればよく例えばカ
ルボキシル基、置換カルボキシル基、アミノ基、フェノ
ール基、スルフヒドリル基、イミダゾール基などであ
る。置換カルボキシル基を有するアミノ酸類としてはグ
ルタミン酸やアスパラギン酸などモノアミノジカルボン
酸のモノエステルがあげられる。メチル、エチルなど低
級アルキルエステルないし高級アルキルエステル、ベン
ジルなどアラアルキルエステル、シクロヘキサンメチル
エステル、テトラヒドロピランメタノールエステルな
ど、或いはリジンなどのジアミノモノカルボン酸の一つ
のアミノ基をカルボキシルアルキル化して前記置換カル
ボキシル基を導入したものがあげられる。単位モノマー
全てが官能基を持たなくともよく、又官能基が全部同一
でなくてもよい。すなわち前記エステル化やカルボキシ
ルアルキル化が部分的に施されたアミノ酸を用いたポリ
アミノ酸、又は官能基を有するアミノ酸とそうでないア
ミノ酸の共重合体もポリアミノ酸として本発明に使用で
きる。
ポリアミノ酸を球状粒子に成形した後置換基の付与又は
脱離を行ってもよい。例えば置換カルボキシル基の置換
基の一部を脱離するなどである。
架橋剤としてはポリアミノ酸の官能基と結合しうる多官
能性化合物が用いられる。例えば、置換カルボキシル基
とアミノリシス反応により架橋する多価アミンとして、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンなどの(ポリ)
アルキレンポリアミン類やヒドラジンなどがあげられ、
アルコールなどの極性の比較的高い溶媒中で加熱するこ
とにより架橋反応する。
置換カルボキシル基とエステル交換により架橋するポリ
オールとして、エチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコー
ル、キシレングリコールなど(ポリ)アルキレンポリオ
ール、アリーレンポリオールなどがあげられ、テトラリ
ン、デカリン、パラフィンのような高沸点溶媒を主体と
する溶媒中、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸など
の酸触媒の存在下架橋反応する。
そのほか、アミノ基とシフ塩基をつくって架橋するグル
タルアルデヒドなどのポリアルデヒド、アミノ基その他
の官能基とペプチド結合するイソシアン酸誘導体、N,
N′‐エチレンビスマレイミド、ジアゾカップリングす
るビスアゾベンジジンなどのジアゾ化試薬、あるいはア
ルキル化するN,N′ポリメチレンビスヨードアセトアミ
ドなどが架橋剤としてあげられる。
ポリアミノ酸を球状粒子にする工程の最初にその溶液を
つくるための有機溶媒としてはポリアミノ酸との良溶媒
であり水に不溶であり沸点が水より低いものから選ばれ
る。好ましい溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタンおよび、それらに類似するハロゲン
化炭化水素、ベンゼン並びにそれらの混合溶媒である。
ポリアミノ酸の溶液はこれらの溶媒にポリアミノ酸を溶
解することにより得られるが、これら溶媒中でアミノ酸
を重合した溶液をそのまま用いてもよい。
球状粒子を多孔質化するためにポリアミノ酸溶液に混合
される添加剤としては、ポリアミノ酸を溶解している溶
媒には相溶性であるが、ポリアミド酸とは非相溶性であ
り、水性媒体とも非相溶性であり、且つ、用いられる有
機溶媒、水性媒体のいずれよりも沸点の高い物質が用い
られる。その例としてナフタレンのような常温で固体の
ものを固体のまま添加することもできる。好ましくはデ
カヒドロナフタレン(デカリン)、テトラリン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼル、ジエチルベンゼル、ア
ニソール、ヘキサノール、オクタノール、ジブチルエー
テルのような液体が用いられる。
水性媒体は水又は水に粘度調節剤を溶解したものであ
り、必要に応じセチルピリジウム塩やソルビタン酸エス
テルなどの乳化剤が添加される。なお水の一部をポリア
ミノ酸溶液を溶解しない又は殆ど溶解しない他の液体で
置換することも可能である。
粘度調節剤としては水溶性ポリマーが用いられる。例え
ば部分鹸化ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、植物ガムなどの多糖類、ポリアクリルアミド
類などである。
これらの原材料の使用量は特に限定されない。ポリアミ
ノ酸の溶液中の濃度はその溶解性溶媒の種類、溶解に使
用する撹拌機の動力の大小により異るが好ましくは0.5
〜10重量%であり10%以上も可能である。ポリアミノ酸
溶液とそれと混合する巣性媒体の量比は例えば1:6〜1:8
程度が採用されるがこれに限定されない。水性媒体中に
溶解される粘度調節剤の量は粘度調節剤の種類によって
濃度と増粘効果の関係が異るので一概に定められない。
所望の増粘効果を得るに必要な量が用いられる。部分鹸
化ポリビニルアルコールの場合1〜8重量%が適当であ
る場合が多いがこれに限定されない。
多孔質化のための添加剤はポリアミノ酸に対し好ましく
は300重量%以下である。更に多量の使用も可能である
が極端に多い場合は球状粒子が軟弱になりすぎて本発明
の架橋する目的と矛盾する。
〔作用〕
本発明の製造方法において、ポリアミノ酸の有機溶媒溶
液を、水性媒体中に混合攪拌することにより、ポリアミ
ノ酸溶液の微小液滴が水性媒体中に分散した分散体が形
成され、更に常温ないし緩和な加熱下攪拌を続けること
により有機溶媒が蒸発し、分散体から除去され、ポリア
ミノ酸球状粒子が水媒体中に分散した分散体となる。球
状粒子の大きさは、ポリアミノ酸溶液中のポリアミノ酸
濃度が低い程、水性媒体の粘度が高い程、又攪拌の程度
が強い程小さくなる。
これらの条件を選ぶことにより1〜300μの粒子を得る
ことができる。又乳化剤を併用した場合更に小さい粒子
の分散体を得ることもできる。
L-グルタミン酸‐γ‐メチルエステルポリマー(以下PM
LGという)をポリマーの300%の量のデカリンを含む1.2
ジクロルエタン中に溶解し2.5%の溶液としたものを8
倍の水媒体中に加えミキサーで撹拌した場合水媒体中の
部分鹸化PVAの濃度を3%とした場合主として径5〜15
μの球状粒子を得、2%とした場合25〜45μの球状粒子
を得ることができる。
このように水溶性ポリマーを増加して、水媒体の粘度を
増加した場合分散した粒子の凝集を防ぎ分散を安定化す
るためにより小さな粒径が達せられる。撹拌が強ければ
凝集に対抗してよりよく分散するために又ポリマーの濃
度が薄くなれば分散した粒子が会合する機会が減少する
ためにいずれもより小さい粒子が得られる。
多孔質化のための添加剤は、分散体中ではポリアミノ酸
の溶媒より沸点が高いから球状粒子中に残り溶媒が蒸発
によって除かれるに従い、析出するポリアミノ酸中に相
分離して混在する。この添加剤を他の溶媒による抽出又
は加熱蒸発させて除去すると添加剤が存在した空隙が残
り多孔質化した球状粒子となる。空隙の大きさと性状は
添加剤の種類と量により調節でき、空孔率10〜95%程
度、孔径は対応する分画される多糖類の分子量で示して
ほぼ10〜10の範囲のものを任意に作ることができ
る。
ポリアミノ酸の架橋反応は架橋剤の濃度と反応温度と反
応時間によって調節できる。架橋剤の反応は目的の架橋
反応(ジ置換反応)とモノ置換反応(ペンダント型)の
競争反応であるが、架橋剤の濃度が低い方がジ置換反応
が優先的に起る。反応温度は反応速度に影響するが架橋
度にはあまり影響せず、反応時間の調節により架橋度を
制御することができる。架橋度が高い方が球状粒子の耐
溶剤性とくに立膨潤性が十分に発揮されるが選択される
材料と目的とする耐溶剤性の度合により任意に設定でき
る。
本発明の架橋ポリアミノ酸球状粒子は顕微鏡観察により
ほぼ真球状でポリマーの結晶が凝集して形成されている
ことが推定される。この粒子においてポリアミノ酸のα
ヘリックス構造、β構造が維持されておりそれが球状粒
子の硬さ及び耐溶剤性に寄与していると考えられる。こ
れらの構造は球状粒子の赤外線吸収スペクトルによって
その存在が確認され、β構造はカルボニル基の吸収端数
1685cm 及び1630cm によって示される。
〔実施例〕
以下本発明を実施例によって説明する。
実施例において球状粒子の孔径の推定及び圧力損失の測
定溶媒の相違による膨潤の大小の推定のため水系又は溶
媒系でゲルクロマトグラフを行った。
すなわち球状粒子を内径5mm、長さ30cmのカラムに充填
し、デキストランおよびマルトースなど多糖類、多価ア
ルコール、重水を標準試料として水系のゲルクロマトグ
ラフ操作を行いポリスチレン、ベンゼンを標準試料とし
てテトラヒドロフランを溶媒として溶媒系のゲルクロマ
トグラフ操作を行った。孔径の推定は溶出時間又は溶出
量と標準試料の分子量のグラフからカラムの空隙に相当
する溶出量、溶出時間のところまで外挿することによっ
てそのときの標準物質の分子量を排出限界分子量としそ
れによって最大孔径を表示することによった。
架橋度及び置換度の測定は次のようにした。
架橋反応がアミノリシスであるとき、ポリアミノ酸の置
換によって失われる基についてポリマー中のその量とそ
の基による赤外線吸収量の関係を検量線に作成しておき
これを参照することにより、サンプルの赤外線吸収スペ
クトルより置換度を測定した。架橋度は元素分析によっ
て測定した架橋ポリアミノ酸球状粒子の炭素及び窒素の
含量と上記のようにして求めた置換度の数値を利用し
て、C/N比とモノ置換及びジ置換のモル比との関係式
より計算によって推定した。
実施例1 (A) 重合度約2000のL-グルタミン酸‐γ‐メチルエ
ステルポリマー(PMLG)を、添加剤としてデカヒドロナ
フタレン5重量%を含む1.2ジクロロエタン中に溶解しP
MLG2.5重量%溶液とした。水中に鹸化度88%重合度1200
のポリビニルアルコールを2重量%溶解した粘度約45cP
の水性媒体7部に上記PMLG溶液1部を徐々に加えながら
パドル撹拌機で撹拌した。混合後40℃で12時間同一速度
で激しく撹拌した後、生成した球状粒子を過し、水
洗、熱水、エタノール及びエーテルで洗浄し平均直結約
40μのPMLGの球状粒子を得た。
(B) このPMLG球状粒子を5gとりコンデンサー付三ツ
口フラスコ中のデカヒドロナフタレン160mlとクロロホ
ルム40mlの混合溶媒に分散しトリエチレングリコール25
gを加え、ゆっくり撹拌しながら濃硫酸0.2mlを加え65℃
で48時間反応させた。その間生成するメタノールを共沸
によって除去し溜出した溶媒の代りに適時クロロホルム
を追加した。反応物を過し水及びアルコールによって
洗浄し乾燥してトリエチレングリコールで架橋されたPM
LG球状粒子を収率98.5%で得た。この架橋球状粒子はク
ロマトグラフに通常溶媒として用いられる水、メタノー
ル、エタノール、2-プロパノール、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、クロロホル
ム、ヘキサンに不溶で膨潤も殆どなかった。
実施例2 添加剤デカヒドロナフタレンの濃度を3.75重量%(PMLG
に対して150%)にしたほかは実施例1(A)と同様に
して得た球状粒子2.7gを用い、トリエチレングリコール
2.8g濃硫酸0.02mlを用い、架橋反応温度を70〜80℃とし
た以外は実施例1(B)と同じようにして平均粒径40μ
の部分架橋されたPMLG球状粒子を95%の回収率で得た。
このものの耐溶媒性は実施例1の場合と同じであった。
実施例3 デカヒドロナフタレンをPMLGに対し300%使用した以外
は実施例1(A)と同様にして主な粒径の範囲25〜44μ
のPMLGの多孔質球状粒子を得た。
この球状粒子4gをエタノール50ml、エチレンジアミン50
mlの混合溶液中に懸濁させ、還流温度で48時間撹拌し
た。生成物を遠心分離によって収集した後水、エタノー
ル及びエーテルで洗浄し乾燥してエチレンジアミンによ
って架橋されたPMLG球状粒子を回収率97%で得た。この
架橋粒子の元素分析値は次のとおりであった。
架橋度は28%全置換度84%であった。
エタノール50mlを用い反応時間を24時間とした以外は同
様に架橋操作した場合、全置換度29%、架橋度20%の結
果を得た。
実施例4 実施例3で用いたものと同じPMLGの球状粒子4gを、エタ
ノール200mlおよび抱水ヒドラジン20mlの混合溶液に懸
濁させ実施例3と同様の方法で全置換度ほぼ100%のヒ
ドラジド化されたPMLG球状粒子を98%の回収率で得るこ
とができた。このものの架橋度は18%であり、元素分析
値は次のとおりであった。
C,39.89%;H,7.35%;N,26.24% 実施例5 ポリアミノ酸としてPMLG又はドデシル化率25%の部分ド
デシル化ポリ−γ−メチルグルタメート(部分ドデシル
化PMLG)を用い、ポリアミノ酸3gをジクロロエタン/ジ
クロロメタン(1/4)混合溶媒200mlに溶かした。
3.5重量%の部分鹸化ポリビニルアルコール(鹸化度87
%)を含有する水溶液に上記ポリアミノ酸溶液を混合
し、30℃で10時間撹拌して、溶媒を蒸発させ、ポリアミ
ノ酸球状粒子の水系分散体を得た。この分散体を遠心分
離して球状粒子を取出し、ふるい分けして平均直径5〜
15μのポリアミノ酸無孔質球状粒子(空孔率10%以下)
を得た。
この球状粒子を用いて、それぞれ、実施例4と同様に操
作してヒドラジンで架橋し、実施例3と同様に操作して
エチレンジアミンにより架橋し、実施例2と同様に操作
してヘキサンジオールにより架橋した。得られた架橋粒
子と架橋前の球状粒子について架橋度とクロロホルムに
対する膨潤度を第1表に示す。膨潤度の数値は湿潤容積
(ml)/乾燥重量(g)により算出した。
第1表に示したとおり、本発明の架橋球状粒子の耐溶剤
性が優れている。水、エタノール、ヘキサンなど他の溶
媒に対しても本実施例の架橋球状粒子は殆ど膨潤しなか
った。
実施例6 アスパラギン酸ベンジル/ロイシン(3:1)のモノマー
構成からなる共重合アミノ酸5gを、ジクロロメタン/ク
ロロホルム(1:1)の混合溶媒に200gと多孔化用添加剤
ジエチルベンゼン9gとの混合溶液に溶解した溶液を、1.
5%部分鹸化ポリビニルアルコール水溶液1.2中に滴下
し懸濁させた。35℃で10時間撹拌してポリアミノ酸球状
粒子分散体を得た。粒子中のジエチルベンゼンを除去す
るためメタノールによるソクスレー抽出を行った後化
して球状粒子を集めた。粒径75〜150μの粒子が得られ
た。この粒子4g(乾燥重量)をエタノール350mlヘキサ
メチレンジアミン120gの混合液中に分散し還流温度で24
時間反応させて架橋度15%の架橋共重合アミノ酸粒子を
得た。収率は92%であった。
実施例7 実施例3と同様にして得た平均粒径30μ(範囲25〜44
μ)の多孔質PMLG球状粒子を用い、内径5mm、長さ30cm
のカラムに充填してゲルクロマトグラフ操作を水系及び
テトラヒドフラン系(溶媒系)について行った。
その結果は第1図に示すとおり、両方の系で排除限界分
子量は約10000と同じでありこの球状粒子が、溶剤によ
る膨潤がなく、親水性と親油性を共に有する両親媒性で
あることを示す。
この親油性親水性は固定されない。つまり水系での使用
と溶媒系での使用の切替えが繰返し可能である。例とし
て水を通したカラムから出した架橋PMLG球状粒子を付着
水を遠心脱水して除いた後、示差熱分析にかけると水の
融点に相当するピークのみを示した。これをメタノール
で、水のピークがなくなるまで通液した後ベンゼンを接
触させて取り出して同様に示差熱分析をするとベンゼン
のピークのみを示した。又水を通していたカラムに直接
ジオキサンを通し通液を置換した場合でも水のピークの
代りにジオキサンのピークのみが観察された。
同じカラムを用いて、本実施例の球状粒子と従来ゲルク
ロマトグラフに用いられたデキストラン系球状粒子(セ
ファデックス)とにつき、水系の流速と圧力損失の関係
を調べた。
セファデックスG-25、粒径44〜105μ排除限界分子量500
0、セファデックスG-50、粒径44〜105μ排除限界分子量
10,000を比較対象に選んだ。その結果は第2図に示すと
おり本発明の架橋PMLG球状粒子は水系において30ml/mi
n.cmの流速が殆ど圧力低下なく達成できた。これは系
5mmのカラムで6ml/minの速度に相当する。セファデッ
クスでは圧力損失が大きく、径5mmのカラムで2ml/min
が限界である。
実施例8 実施例1において多孔質化添加剤の種類と量を第2表に
示すとおり変えた以外は同様にして、架橋PMLG球状粒子
を得た。各粒子の排除限界分子量(Mlim)を測定した結
果を第2表に示す。このように多孔質化用の添加剤の種
類と量の選択により排除限界分子量を希望の値に定める
ことができた。
〔効果〕 本発明の架橋ポリアミノ酸球状粒子は架橋によりその形
状維持性が増大しているほか、ポリアミノ酸のβ構造と
架橋の相乗的作用により両親媒性であっても水及び多く
の有機溶媒に対し溶解せず膨潤が極めて少ないという優
れた耐溶媒性を示す。このためカラムに充填して使用す
る目的においては流体に対する圧力損失が極めて少なく
常に安定した条件で使用できる。本発明の架橋ポリアミ
ノ酸球状粒子の製造方法はポリアミノ酸溶液をポリアミ
ノ酸の貧溶媒に分散して溶媒を除去する方法によって得
たポリアミノ酸球状粒子に複雑な前処理を要せずに一工
程の架橋反応で収率よく架橋できるともに、別工程を付
加することなく任意の状態に多孔質化できる工業的に有
利な方法である。
本発明の架橋ポリアミノ酸球状粒子は逆相クロマトグラ
フィーやアフィニティクロマトグラフィに適している。
両親媒性のPMLGやポリエチルグルタメートの架橋球状粒
子は水系、有機溶媒系の両方で使用できるゲルクロマト
グラフィー用粒子として好適である。また残存エステル
基を脱離するなどにより親水基を増した架橋ポリアミノ
酸球状粒子は、例えばイオン交換性粒子として好適であ
る。
本発明の架橋ポリアミノ酸球状粒子は滑性、摩擦性、吸
収性、通気性、透湿性などを利用して、各種物質の担体
などとして有利に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例7のゲルクロマトグラフ操作における標
準物質の数平均分子量と溶出量の関係を示すグラフであ
る。 第2図は実施例7の充填剤の比較においてカラム中の流
速と圧力損失の関係を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋処理されたポリアミノ酸から構成され
    る多孔性球状粒子。
  2. 【請求項2】ポリアミノ酸を、ポリアミノ酸との良溶媒
    であり、水に不溶であり、沸点が水よりも低いものから
    選ばれる有機溶媒に溶解して得られるポリアミノ酸の有
    機溶媒溶液に、前記有機溶媒に相溶性で、ポリアミノ酸
    に非相溶性かつ水性媒体に非相溶性であり、前記有機溶
    媒及び水性媒体のいずれよりも沸点が高い多孔化用添加
    剤を混合した後、前記有機溶媒溶液を水性媒体に加え攪
    拌を行うことにより、前記有機溶媒を蒸発させつつ、前
    記ポリアミノ酸の球状粒子が前記水性媒体に分散された
    分散体を得、このポリアミノ酸の球状粒子中の多孔化用
    添加剤を除去した後、この分散体からポリアミノ酸の球
    状粒子を取り出して、溶媒に分散し、多官能性試薬を作
    用させて架橋する架橋ポリアミノ酸多孔性球状粒子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】該有機溶媒がクロロホルム、ジクロロメタ
    ン、ジクロロエタンまたはそれらに類似するハロゲン化
    炭化水素、ベンゼン並びにそれらの混合溶媒から選ばれ
    る特許請求の範囲第2項記載の架橋ポリアミノ酸多孔性
    球状粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】多孔化用添加剤がデカヒドロナフタレン
    (デカリン)、テトラリン、トルエン、キシレン、エチ
    ルベンゼン、ジエチルベンゼン、アニソール、ヘキサノ
    ール、オクタノール、ジブチルエーテルから選ばれる特
    許請求の範囲第2項記載の架橋ポリアミノ酸多孔性球状
    粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】水性媒体が粘度調節剤を添加されたもので
    ある特許請求の範囲第2項記載の架橋ポリアミノ酸多孔
    性球状粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】粘度調節剤が水溶性ポリマーから成る特許
    請求の範囲第5項記載の架橋ポリアミノ酸多孔性球状粒
    子の製造方法。
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