JPH0651776A - 楽音データ記録再生装置 - Google Patents

楽音データ記録再生装置

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JPH0651776A
JPH0651776A JP5065942A JP6594293A JPH0651776A JP H0651776 A JPH0651776 A JP H0651776A JP 5065942 A JP5065942 A JP 5065942A JP 6594293 A JP6594293 A JP 6594293A JP H0651776 A JPH0651776 A JP H0651776A
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Yasutaka Kuribayashi
泰孝 栗林
Hironari Kobayashi
宏成 小林
Takashi Hirakata
貴史 平形
Kazuhiro Goto
和宏 後藤
Yoshio Fujita
佳生 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードディスクHDを管理するコンピュータ
PCに負担をかけずに該HDを利用した楽音データの記
録再生処理を行うこと。複数データファイル同時再生
や、インターリーブデータの再生などを行えるようにす
る。 【構成】 HDに記録再生制御装置RUを接続し、PC
から必要な情報を受取り、該RUの独自の作業によって
HDへのデータ読み書きを行う。RUではHDからの楽
音データを第1バッファに一旦取込み、これを第2バッ
ファに転送する。第2バッファを読出すことにより再生
発音する。複数データファイルを同時再生する場合又は
複数音の楽音データをインターリーブしてなるデータフ
ァイルを再生する場合、各ファイル毎に又はインターリ
ーブされた各音毎に再生チャンネル割当てを行い、イン
ターリーブ解除しながら該割当チャンネルに対応させて
第2バッファに転送する。HDファイルではMIDIデ
ータ等を楽音データ間に分散させて記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハードディスク装置
などの比較的大容量の記憶装置に波形データ等の楽音デ
ータを記録し、再生できるようにした楽音データ記録再
生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロフォン等によって外部からサン
プリングした楽音波形データを記録するために、ハード
ディスク装置のようなランダムアクセスタイプの大容量
記憶装置を使用することが行なわれている。この場合、
ハードディスク装置はパーソナルコンピュータのような
汎用の制御装置によってその読み書き動作の一切が管理
されるようになっている。すなわち、ハードディスク装
置へ書き込む又はそこから読み出すデータのアドレス管
理の一切がパーソナルコンピュータのプログラムで行な
われ、楽音波形データの記録と再生動作の一切がパーソ
ナルコンピュータのプログラムによって制御される。例
えば、再生処理においては、ハードディスク装置から高
速で読み出された波形データはバッファRAMに一旦落
とされるが、この場合のバッファRAMに対する個別の
書込みアドレス作成処理がパーソナルコンピュータのプ
ログラムで行なわれる。該バッファRAMに一旦書き込
まれた波形データを、所定の再生サンプリングクロック
に従って該バッファRAMから読み出すことにより、再
生発音がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来技術
では、汎用制御装置すなわちパーソナルコンピュータが
ハードディスク装置への波形データの記録と再生処理の
一切を行なうようになっているために、パーソナルコン
ピュータの処理がそれに拘束され、他の処理を並行して
行なう場合に障害となっていた。特に、再生処理の際に
は、再生音演奏と同時に、他の様々な機能、例えばシー
ケンサ自動演奏機能や演奏曲に連動したコンピュータグ
ラフィックス機能などを並行して実行できることが好ま
しいが、パーソナルコンピュータがハードディスク装置
への波形データの記録と再生処理に拘束されると、これ
らの諸機能のための処理を該パーソナルコンピュータに
よって並行して行なうことが困難になり、それを克服す
るにはコンピュータ本体の規模を拡張しなければならな
かったり、あるいはそれを可能にするプログラムを新規
に開発しなければならない等の問題があった。
【0004】また、従来技術では、読出しクロックを所
定の再生サンプリングクロックに変えて波形データを読
み出すためにハードディスク装置から高速で読み出され
た波形データを単にバッファRAMに一旦記憶し、該所
定の再生サンプリングクロックに従う読出しを可能にす
る構成であったため、ハードディスク装置における記録
状態をそのままバッファRAMに転送し、これを読み出
すだけであった。そのため、バッファRAMにおける任
意のアドレス範囲に転送記憶された波形データを所定の
再生サンプリングクロックに従って読み出す処理を行な
わねばならないため、読出しアドレス等の管理が面倒で
あった。また、複数チャンネルで異なる波形データを同
時再生する処理や、複数チャンネルの波形データがイン
ターリーブされたデータを同時再生する処理など、特殊
な処理に対応することも考えられていなかった。
【0005】また、従来では、1つのデータファイルに
おいて連続して発生すべき波形データ(オーディオデー
タ)は、連続して記憶しておき、これを連続的に再生読
み出しすることにより再生発音を行なうようになってい
る。一方、このデータファイルの波形データと一緒に再
生演奏できるようにするために、MIDIフォーマット
の自動演奏シーケンスデータを同じデータファイル内に
記憶しておくことが考えられるが、その場合は、その種
のMIDIデータは、そのデータファイルのヘッダ部に
まとめて記憶されるのが普通である。その場合、データ
ファイルから読み出したMIDIデータをバッファRA
Mにストアしておき、波形データの再生読み出しを行な
うときに、並行して、このバッファRAMからMIDI
データを読み出し、これに基づき自動演奏シーケンス音
を再生発音するよう処理される。しかし、その場合、デ
ータファイルに記憶する波形データの再生時間が長い場
合は、MIDIシーケンスデータの再生時間が長くな
り、MIDIデータ量も多くなる。そうすると、バッフ
ァRAMに大きな記憶容量が要求されてしまう。
【0006】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、大容量記憶装置を管理する上位の制御装置に負担を
かけずにデータ記録及び再生処理を行なうことができる
ようにした楽音データ記録再生装置を提供しようとする
ものである。また、大容量記憶装置に記録したデータを
読み出して再生処理を行なう場合に、再生系の処理を簡
素化できるようにすると共に、複数チャンネルでの異な
る波形データの同時再生処理や、複数チャンネルの波形
データがインターリーブされたデータの同時再生処理な
ど、特殊な処理に対応することができるようにした楽音
データ記録再生装置を提供しようとするものである。更
に、1つのデータフアイル中にデータ量の比較的多い楽
音波形データを記憶する場合において、それに関連する
MIDIデータや制御データなど(すなわち波形データ
以外のデータ)を有効に記憶し、再生時にこれを適切に
利用できるようにした楽音データ記録再生装置を提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の観点によるこの発
明に係る楽音データ記録再生装置は、上位制御装置に付
属して設けられ、該制御装置によって管理される大容量
記憶装置と、前記大容量記憶装置のデータバスに直接的
にアクセス可能に接続され、該記憶装置への書込み又は
読出しのための記憶領域を指示する情報を前記上位制御
装置から受け取り、この情報に基づき該記憶領域に対す
る書込み又は読出しを前記記憶装置に対して指示し、か
つ、該記憶領域に対する書込み又は読出しに同期するア
ドレス信号を作成し、このアドレス信号に従って該記憶
装置に記録すべき楽音データの供給又は該記憶装置から
読み出された楽音データの取り込みを制御する記録再生
制御装置とを具えたものである。
【0008】第2の観点によるこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置は、楽音データを記録するための記憶装
置と、前記記憶装置から読み出された楽音データを取り
込む第1のバッファメモリと、前記第1のバッファメモ
リに取り込んだ楽音データが転送される第2のバッファ
メモリと、前記第1のバッファメモリから第2のバッフ
ァメモリへの楽音データの転送を制御する転送制御手段
と、前記第2のバッファメモリに記憶した楽音データを
所望の再生読出しレートで読み出す再生読出し手段とを
具えたものである。
【0009】第3の観点によるこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置は、複数チャンネルの楽音データをイン
ターリーブした状態で記録してなるデータファイルを持
つ記憶装置と、前記記憶装置から読み出された楽音デー
タを取り込む第1のバッフアメモリと、前記第1のバッ
ファメモリから楽音データを読み出してそのインターリ
ーブを解除し、各チャンネル毎の楽音データを提供する
インターリーブ解除手段と、インターリーブ解除された
楽音データを各チャンネル別に記憶する第2のバッファ
メモリと、前記第2のバッファメモリに記憶した楽音デ
ータを読み出す再生読出し手段とを具えたものである。
【0010】第4の観点によるこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置は、楽音データをそれぞれ記録してなる
複数のデータファイルを持つ記憶装置と、複数のデータ
ファイルの同時再生を行なうことを選択する手段と、選
択された複数のデータファイルの楽音データを前記記憶
装置から所定単位毎に読み出す読出し制御手段と、前記
記憶装置から読み出された所定単位毎の各データファイ
ルの楽音データをそれぞれ記憶するバッファメモリと、
前記バッファメモリに記憶した各データファイルの楽音
データをそれぞれ読み出す再生読出し手段とを具えたも
のである。
【0011】第5の観点によるこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置は、楽音データをそれぞれ記録してなる
複数のデータファイルを持つ記憶装置と、複数チャンネ
ルの楽音データをインターリーブした状態で記録してな
るデータファイルの再生を行なう第1のモード、インタ
ーリーブされていない楽音データを記憶してなる複数の
データファイルの同時再生が可能な第2のモードを選択
する手段と、前記記憶装置から読み出された楽音データ
を取り込む第1のバッファメモリと、所定の複数の記憶
領域を持つ第2のバッファメモリと、前記第1のモード
のとき、前記第1のバッファメモリから楽音データを読
み出してそのインターリーブを解除し、インターリーブ
解除された楽音データを各チャンネル別に前記第2のバ
ッファメモリの前記各記憶領域にそれぞれ記憶する第1
の転送制御手段と、前記第2のモードのとき、前記第1
のバッファメモリから各データファイルの楽音データを
それぞれ読み出して前記第2のバッファメモリの前記各
記憶領域にそれぞれ記憶する第2の転送制御手段と、前
記第2のバッファメモリの各記憶領域に記憶した楽音デ
ータをそれぞれ読み出す再生読出し手段とを具えたもの
である。
【0012】第6の観点によるこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置は、連続して発音されるべき楽音の波形
データを複数のグループに分割し、各グループ毎の波形
データを記憶している記憶領域の間に前記波形データ以
外のデータを記憶してなる第1の記憶手段と、前記第1
の記憶手段に記憶したデータを順次読み出し、前記波形
データと前記波形データ以外のデータとを分離する手段
と、分離された波形データを記憶する第2の記憶手段
と、第2の記憶手段に記憶した波形データを順次読み出
すことにより、楽音を再生発音する再生読出し手段と、
前記第1の記憶手段から読み出した前記波形データ以外
のデータを一時記憶し、利用に供するバッファ記憶手段
とを具えたものである。
【0013】
【作用】第1の観点に従う楽音データ記録再生装置によ
れば、大容量記憶装置(例えばハードディスク装置)は
上位制御装置(例えばパーソナルコンピュータ)に付属
して設けられ、該上位制御装置によって管理されるもの
であるが、この上位制御装置とは別に記録再生制御装置
が設けられる。この記録再生制御装置は、大容量記憶装
置のデータバスに直接的にアクセス可能に接続されるも
のであり、該記憶装置への書込み又は読出しのための記
憶領域を指示する情報を前記上位制御装置から受け取
り、この情報に基づき該記憶領域に対して書込み又は読
出しを行なうべきことを記録再生制御装置の側から前記
記憶装置に対して指示する。また、該記憶領域に対する
書込み又は読出しに同期するアドレス信号を記録再生制
御装置の側で作成し、このアドレス信号に従って該記憶
装置に記録すべき楽音データの供給又は該記憶装置から
読み出された楽音データの取り込みを制御する。
【0014】従って、大容量記憶装置に対する楽音デー
タの記録及び再生処理に際して、上位制御装置はその記
憶領域等の管理を行ない、記憶領域指示情報(例えば、
書込み又は読出しのためにアクセスすべき記憶領域の先
頭アドレスを指示する情報など)を記録再生制御装置に
与えるだけでよい。大容量記憶装置に対する実際の書込
み及び読出しの指示と、それに同期するアドレス信号の
作成と、このアドレス信号に基づく記録/再生データの
供給/取り込み制御は記録再生制御装置が行なうので、
上位制御装置の負担を大きく軽減することができる。こ
れにより、上位制御装置では他の様々な機能例えばシー
ケンサ自動演奏機能や演奏曲に連動したコンピュータグ
ラフィックス機能などを(例えば既存のプログラムをそ
のまま使用して)行なうことができるので、コストをか
けることなく、再生演奏時の機能を向上させることがで
きる。
【0015】第2の観点に従う楽音データ記録再生装置
によれば、記憶装置から読み出された楽音データは第1
のバッファメモリに一旦取り込まれ、この第1のバッフ
ァメモリに取り込んだ楽音データが第2のバッファメモ
リに転送される。そして、第2のバッファメモリに記憶
した楽音データを所望の再生読出しレートで読み出すこ
とにより、楽音の再生が行なわれる。従って、第1のバ
ッファメモリは記憶装置における記録状態をそのまま転
送記憶するのに適した構成例えば比較的容量の大きな構
成とし、第2のバッファメモリは再生読出しに適した構
成例えば所定サイズの1ブロック分のデータを転送記憶
する構成とする、などの記憶装置からのデータ取り込み
と再生読出しの両方それぞれに適した構成とすることが
できる。そうすると、第2のバッファメモリからの読出
しは、所定サイズの1ブロック分のデータを所定の再生
サンプリングクロックに従って単純に読み出すような構
成とすることが容易にできる。従って、再生サンプリン
グクロックに従う発音のためのリアルタイムでの読出し
の際に、面倒な読出しアドレス管理が不要となり、再生
系の簡素化を図ることができる。
【0016】第3の観点に従う楽音データ記録再生装置
によれば、楽音データのインターリーブを解除し、各チ
ャンネル毎の楽音データを提供するインターリーブ解除
手段が設けられ、このインターリーブ解除された楽音デ
ータを各チャンネル別にバッファメモリに記憶し、この
バッファメモリに記憶した楽音データを読み出す。従っ
て、複数チャンネルの波形データがインターリーブされ
たデータを記憶装置に記憶することができると共に、こ
れを適切に同時再生することができる。
【0017】第4の観点に従う楽音データ記録再生装置
によれば、記憶装置に記録された複数のデータファイル
の楽音データを所定単位毎にそれぞれ読み出し、バッフ
ァメモリにそれぞれ記憶し、このバッファメモリに記憶
した各データファイルの楽音データをそれぞれ読み出す
ことにより再生発音を行なうようにしたので、記憶装置
に記録された複数のデータファイルの楽音データを同時
再生することができるようになる。従って、いろいろな
組み合わせでデータファイルを選択することにより、再
生演奏に多様性をもたせることができる。
【0018】第5の観点に従う楽音データ記録再生装置
によれば、複数チャンネルの楽音データをインターリー
ブした状態で記録してなるデータファイルの再生を行な
う第1のモードと、インターリーブされていない楽音デ
ータを記憶してなる複数のデータファイルの同時再生が
可能な第2のモードの選択が可能であり、どちらのモー
ドが選択されたかに応じて、第2のバッファメモリにお
ける複数の記憶領域のそれぞれに対するデータの転送を
適切に制御するようになっている。これにより、第2の
バッファメモリにおける複数の記憶領域には、第1のモ
ードのときはインターリーブ解除された各チャンネル別
に楽音データがそれぞれ記憶され、第2のモードのとき
は各データファイルの楽音データがそれぞれ記憶され
る。再生読出し手段では、第2のバッファメモリの各記
憶領域に記憶した楽音データをそれぞれ読み出すだけで
よく、モードを区別した読出し制御を行なう必要がない
ので、簡単である。従って、簡単な構成でありながら、
2つのモードに適切に対処した再生処理を行なうことが
できる。
【0019】第6の観点に従う楽音データ記録再生装置
によれば、波形データ以外のデータが、各波形データグ
ループの間に分散して記憶されることになる。従って、
バッファ記憶手段に記憶する該波形データ以外のデータ
の1単位の容量は比較的少容量とななる。一方、各波形
データグループの間に波形データ以外のデータが記憶さ
れていても、波形データだけを分離して取り出し、これ
を第2の記憶手段に記憶し、再生読み出しのためにこの
第2の記憶手段にアクセスするようにしたため、連続的
な再生発音を確保することができる。波形データ以外の
データの一例として、MIDIフォーマットの自動演奏
シーケンスデータが含まれていてよい。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の一実施
例を詳細に説明しよう。 〔全体システムの説明〕図1はこの発明に係る楽音デー
タ記録再生装置の全体システム構成例を示すもので、上
位制御装置としてパーソナルコンピュータPCが使用さ
れる。このパーソナルコンピュータPCに付属して、大
容量記憶装置としてハードディスクHDが設けられ、通
常知られた手法により該コンピュータPCによってその
記憶ファイルが管理される。コンピュータPCから独立
して設けられた独立のユニットからなる記録再生制御装
置RUは、ハードディスクHDに楽音データを書込む制
御及びこれを読み出して楽音を再生発音する制御を行な
うものである。
【0021】記録再生制御装置RUは、SCSI規格等
からなる所定のパラレルバスPRBを介してハードディ
スクHDに接続され、該ハードディスクHDのデータバ
スに直接的にアクセス可能である。また、記録再生制御
装置RUは、RS232C規格等からなる所定のシリア
ル通信バスSRBを介してパーソナルコンピュータPC
に接続され、情報のやりとりを行なう。例えば、ハード
ディスクHDへの書込み又は読出しのための記憶領域を
指示する情報をこのシリアル通信バスSRBを介してパ
ーソナルコンピュータPCから受け取る。記録再生制御
装置RUは、この記憶領域指示情報に基づき、SCSI
バスを介して接続されたハードディスクHDに対してイ
ニシエータとして振る舞い、指示された該記憶領域に対
して書込み又は読出しを行なうべきことを該ハードディ
スクHDに対して指示する。また、該記憶領域に対する
書込み又は読出しに同期するアドレス信号を記録再生制
御装置RUの側で作成し、このアドレス信号に従って該
ハードディスクHDに記録すべき楽音データの供給又は
該ハードディスクHDから読み出された楽音データの取
り込みを制御する。
【0022】マイクロフォンMICを介して任意の音信
号をサンプリングできるようになっており、アナログ/
ディジタル変換ユニットADCによりマイクロフォンM
ICでピックアップした音信号をディジタル波形データ
に変換し、記録再生制御装置RUに入力できるようにな
っていてよい。記録再生制御装置RUでは、上述のよう
にコンピュータPCから指示されるハードディスクHD
の記憶領域に対してアナログ/ディジタル変換ユニット
ADCから与えられるディジタル波形データすなわち楽
音データを記録する作業を行なう。通常知られているよ
うに、ハードディスクHDに記録するデータには、所望
のフアイル名がつけられ、データファイル単位で管理さ
れるが、このようなデータファイル管理はコンピュータ
PCによる処理によって行なわれる。なお、所望のフア
イル名の選択・設定操作は記録再生制御装置RUの側の
パネル操作によって行ない、これをシリアル通信バスS
RBを介してパーソナルコンピュータPCに通知するよ
うになっていてもよいし、パーソナルコンピュータPC
側のキーボード操作によって行なうようになっていても
よい。
【0023】所望の楽音データのデータファイルをハー
ドディスクHDから読み出してこれを再生発音する場合
は、前述と同様に、所望のフアイル名の選択・設定操作
を記録再生制御装置RUの側のパネル操作又はパーソナ
ルコンピュータPC側のキーボード操作によって行な
い、記録再生制御装置RUでは、該データファイルの領
域指示情報をパーソナルコンピュータPCから受け取
り、これに基づきハードディスクHDから該楽音データ
を読み出す作業を行なう。読み出されたディジタル楽音
データはアナログ信号に変換されて記録再生制御装置R
Uから出力され、サウンドシステムSSで音響的に発音
される。
【0024】〔記録再生制御装置RUの概略説明〕図2
により、記録再生制御装置RUの一構成例を説明する。
記録再生制御装置RUは、中央処理ユニット(CPU)
10,プログラム及びデータ等を記憶したリードオンリ
ーメモリ(ROM)11,ワーキング及びデータ記憶用
のランダムアクセスメモリ(RAM)12などからなる
マイクロコンピュータによって、その記録再生処理がコ
ントロールされるようになっている。マイクロコンピュ
ータのバスライン13には、パネルスイッチ群14,表
示回路15,タイマ16,シリアル通信バスSRBのた
めの入出力ポート17,SCSI規格のパラレルバスP
RBのためのSCSIインターフェース18、サンプリ
ングクロック発生回路19、記録制御部RC、再生及び
転送制御部PD、再生音発生部TGなどが接続され、マ
イクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)によ
ってそれぞれの動作が制御される。
【0025】記録制御部RCは、ハードディスクHDに
対して楽音データを記録するための制御を行なうもので
ある。この記録制御部RCの制御により、ハードディス
クHDに記録すべき楽音データを録音バッファメモリR
BUFA,RBUFBに一時記憶し、この録音バッファ
メモリRBUFA,RBUFBに記憶したデータを読み
出して、波形データバス20を介してSCSIインター
フェース18に与え、該SCSIインターフェース18
からSCSIバスPRBを介してハードディスクHDに
入力する。
【0026】録音バッファメモリRBUFA,RBUF
Bには、マイクロフォンMICによって外部からサンプ
リングした録音データが、前記アナログ/ディジタル変
換ユニットADCからリサンプリング回路21を経由し
て与えられ、記憶される。サンプリングクロック発生回
路19は、複数種類の記録用サンプリング周波数のうち
所望の記録用サンプリング周波数の記録用サンプリング
クロックφvを操作者の選択に従って発生することがで
きるものである。選択可能な記録用サンプリング周波数
は、例えば、48kHz,44.1kHz(CD用サン
プリング周波数),36kHz,32kHz(DAT用
及びBS用サンプリング周波数)などである。これによ
り、使用者の多様なニーズに応えることができる。
【0027】記録制御部RCでは、このサンプリングク
ロック発生回路19から発生された記録用サンプリング
クロックφvに従って、録音バッファメモリRBUF
A,RBUFBへのデータ書込みを行なう。リサンプリ
ング回路21は、アナログ/ディジタル変換ユニットA
DCから録音バッファメモリRBUFA,RBUFBへ
与えられる楽音波形サンプルデータを、記録用サンプリ
ングクロックφvに従ってサンプリングし直すものであ
る。これにより、録音バッファメモリRBUFA,RB
UFBに書き込む楽音波形サンプルデータのサンプリン
グ周波数を、書込み用サンプリング周波数に一致(調
和)させ、折り返しノイズが出ないようにすることがで
きる。
【0028】なお、録音バッファメモリRBUFA,R
BUFBに書き込まれる楽音波形サンプルデータは、モ
ニタ用ディジタル/アナログ変換器22でアナログ信号
に変換され、ミキシング用加算器23を介して出力さ
れ、サウンドシステムSSに与えられるようになってい
てよい。これにより、記録する音をモニタするために発
音させることができる。この場合、ディジタル/アナロ
グ変換器22のサンプリングクロックとして、記録用サ
ンプリングクロックφvを使用する。
【0029】再生及び転送制御部PDは、再生発音すべ
き楽音データをハードディスクHDから読み出して取り
込む制御を行なうと共に、取り込んだ楽音データを再生
発音処理のためにデータ転送する制御を行なうものであ
る。この再生及び転送制御部PDの制御により、ハード
ディスクHDから読み出されてSCSIバスPRB、S
CSIインターフェース18、波形データバス20を介
して与えられる楽音データが、取り込みバッファメモリ
XBUFA,XBUFB内に一旦取り込まれる。また、
取り込みバッファメモリXBUFA,XBUFBに取り
込まれた楽音データを、所定のデータブロック単位毎に
転送する等の適切な転送制御を施しつつ、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBに転送し、記憶する。
【0030】再生音発生部TGは、再生バッファメモリ
PBUFA,PBUFBに記憶した楽音データを所望の
再生読出しレートでかつ所定の再生サンプリングクロッ
クに従って読み出し、該楽音データに対応する音信号を
再生するためのものである。再生読み出しされた楽音デ
ータは、ディジタル/アナログ変換器24でアナログ信
号に変換され、ミキシング用加算器23を介して出力さ
れ、サウンドシステムSSに与えられる。
【0031】再生クロック発生回路25は、再生用のサ
ンプリングクロックφoを発生するものである。この再
生用サンプリングクロックφoの周波数は一定であり、
例えば48kHzである。前述のように記録用サンプリ
ング周波数は複数種類のサンプリング周波数を自由に選
択できるものであるから、記録した楽音波形を一定の再
生用サンプリング周波数で適正に再生するために、再生
音発生部TGでは、再生バッファメモリPBUFA,P
BUFBから読み出そうとする楽音波形データの記録用
サンプリング周波数と所定の再生用サンプリング周波数
に応じて再生読出しレートを決定するようになってい
る。ここで、再生読出しレートとは、所定の再生用サン
プリング周波数に従うサンプリングタイミングで波形を
読み出すときに、該読出し波形のピッチを決定する位相
変化レートに相当する。記録用サンプリング周波数と所
定の再生用サンプリング周波数の比によって基本的に決
定され、更に、記録した原音のピッチと再生音の望みの
ピッチの比によって決定される。例えば、48kHzで
記録用サンプリングを行なった波形データを48kHz
の再生用サンプリングクロックに従って読み出す場合、
基本的な再生読出しレートを決定する比は「1」であ
り、これが再生音の望みの相対的ピッチ(記録した原音
のピッチに対する比)に応じて更に変更される。また、
44.1kHzで記録用サンプリングを行なった波形デ
ータを48kHzの再生用サンプリングクロックに従っ
て読み出す場合、基本的な再生読出しレートを決定する
比は「44.1/48」であり、これが再生音の望みの
相対的ピッチに応じて更に変更される。
【0032】ハードディスクHDから読み出された楽音
データを取り込み、再生発音のための利用に供するバッ
ファメモリ手段が、取り込みバッファメモリXBUF
A,XBUFBと再生バッファメモリPBUFA,PB
UFBの2段階構成になっている。これは、再生音発生
部TGにおける再生音発生のためのメモリ読出し処理を
簡素化することができるので好都合である。つまり、最
初の段に設けられる取り込みバッファメモリXBUF
A,XBUFBがハードディスクHDから読み出された
データ(これは楽音波形データのみならず、ヘッダデー
タ等の制御データを含んでいることもある)を取り敢え
ずそっくりそのまま記憶せざる得ないのに対して、2段
目の再生バッファメモリPBUFA,PBUFBでは必
要な楽音データのみを所定サイズの1ブロック分のデー
タに揃えて転送記憶するなどの適切な転送制御を施して
記憶を行なうことができる。そうすると、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBからの読出しは、所定サ
イズの1ブロック分のデータを所定の再生サンプリング
クロックに従って単純に読み出すような構成とすること
が容易にできる。従って、再生サンプリングクロックに
従う発音のためのリアルタイムでの読出しの際に、面倒
な読出しアドレス管理が不要となり、再生音発生部TG
における再生音発生のためのメモリ読出し処理を簡素化
を図ることができる。また、後述するように、複数チャ
ンネルで楽音波形再生を行なう場合にも、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBの構成を各チャンネルに
対応したものとすることにより、再生音発生部TGにお
けるチャンネル別の再生読出し処理を簡素化することが
できる。
【0033】なお、各バッファメモリRBUFA,RB
UFB,XBUFA,XBUFB,PBUFA,PBU
FBは添字A,Bで示される2つのメモリ部分からなっ
ている。これは、バッファメモリに対するデータの書込
みと読出しを、添字A,Bで示される2つのメモリ部分
で交互に切り換えて行なうようにすることにより、該書
込みと読出しを同時並行的に行なえるようにするためで
ある。なお、これらのバッファメモリRBUFA,RB
UFB,XBUFA,XBUFB,PBUFA,PBU
FBは機能的に図示されており、実際のハードウェアと
しては例えばRAM12内にこれらのバッフアメモリが
開設されるようになっていてよい。
【0034】なお、ディジタル/アナログ変換器22と
24は1つのディジタル/アナログ変換器を共用するこ
とができるのは勿論である。その場合、共用するディジ
タル/アナログ変換器のサンプリングクロックとして固
定の再生用サンプリングクロックφoを使用したなら
ば、録音波形のモニタのためにこの共用ディジタル/ア
ナログ変換器を使用するとき、リサンプリング回路21
の出力をサンプリングクロックφoによって再度リサン
プリングしてから該共用ディジタル/アナログ変換器に
入力するようにすればよい。
【0035】〔記録制御部RCの説明〕図3は記録制御
部RCの一例を示す機能ブロック図である。リサンプリ
ング回路21から与えられる録音波形のディジタルサン
プルデータの1サンプルは16ビットからなり、これが
パラレルにラッチ30に入力される。ラッチ30はこの
入力データを記録用サンプリングクロックφvに従って
ラッチする。書込みカウンタ31は、録音バッフアメモ
リRBUFA,RBUFBの書込み用アドレス信号WA
D1を発生するもので、録音開始時及びその他メモリR
BUFA,RBUFBへの書込みを開始すべきときマイ
コンによってスタート信号S1が与えられ、カウントイ
ネーブルとなってカウント動作を開始し、記録用サンプ
リングクロックφvに従って書込みアドレス信号WAD
1を増数する。
【0036】2つの録音バッフアメモリRBUFA,R
BUFBのどちらにアクセスすべきかを指示するバッフ
ァ指示データA/B1がマイコンによって与えられ、カ
ウンタ31から出力する書込みアドレス信号WAD1の
最上位ビットとして追加される。このバッファ指示デー
タA/B1が“0”のときAの添字のついたバッフアメ
モリRBUFAを指定し、“1”のときBの添字のつい
たバッフアメモリRBUFBを指定するものとする。書
込みアドレス信号WAD1は、セレクタ32の「0」入
力に与えられ、システムクロックパルスφsが“0”の
とき選択され、録音バッフアメモリRBUFA,RBU
FBのアドレス入力に与えられる。
【0037】システムクロックパルスφsは高速クロッ
クパルスであり、バッファメモリRBUFA,RBUF
Bの読出しと書込みを時分割的に制御する。システムク
ロックパルスφsが“0”のとき書込みモードとなり、
“1”のとき読出しモードとなる。他のバッフアメモリ
XBUFA,XBUFB,PBUFA,PBUFBも同
様に、システムクロックパルスφsに応じて読出しと書
込みが高速時分割制御される。ラッチ30にラッチされ
た1ワード=16ビット並列構成の波形サンプルデータ
は、上位8ビットと下位8ビットに分けられてセレクタ
33の「0」入力と「1」入力に入力される。書込みア
ドレス信号WAD1の最下位ビットLSBの信号がセレ
クタ33の選択入力に加わり、波形サンプルデータは上
位8ビットと下位8ビットを交互に選択する。ゲート3
4はシステムクロックパルスφsが“0”のときつまり
書込みモードのとき可能化され、8ビット並列構成に分
離された波形データを、録音バッファメモリRBUF
A,RBUFBのデータ入力に与える。
【0038】録音バッファメモリRBUFA,RBUF
Bは、1アドレスにつき8ビット=1バイトのデータを
記憶できるものであり、それぞれ128バイト=64キ
ロワードのデータを記憶することができる。こうして、
書込みカウンタ31から出力する書込みアドレス信号W
AD1に従って、録音バッファメモリRBUFA,RB
UFBの一方に、波形データが書き込まれる。書込みカ
ウンタ31は、一方の録音バッファメモリRBUFA,
RBUFBのアドレス数分だけカウントを行なうと、最
大カウント値に到達し、エンド信号END1を出力す
る。
【0039】読出しカウンタ35は、録音バッフアメモ
リRBUFA,RBUFBの読出し用アドレス信号RA
D1を発生するもので、書込みカウンタ31からのエン
ド信号END1の発生に応じてマイコンによってスター
ト信号S2が与えられ、カウントイネーブルとなってカ
ウント動作を開始し、SCSIインタフェース18から
与えられるデータ要求信号DREQに応じて高速で、読
出しアドレス信号RAD1を増数する。また、上記バッ
フア指示データA/B1がインバータ36で反転され、
カウンタ35から出力する読出しアドレス信号RAD1
の最上位ビットとして追加される。読出しアドレス信号
RAD1は、セレクタ32の「1」入力に与えられ、シ
ステムクロックパルスφsが“1”のとき選択され、録
音バッフアメモリRBUFA,RBUFBのアドレス入
力に与えられる。
【0040】従って、録音バッフアメモリRBUFA,
RBUFBの一方が書込みモードのとき他方が読出しモ
ードに設定される。例えば、録音バッフアメモリRBU
FAへの波形データの書込みが終了すると、他方の録音
バッフアメモリRBUFBが書込みモードとなって次の
波形データ群の書込みを行なうようになり、同時に、録
音バッフアメモリRBUFAは読出しモードに切り替わ
り、書き込まれたばかりの波形データ群の読出しを行な
う。読出された波形データはゲート37を介してシステ
ムクロックパルスφsが“1”のときつまり読出しモー
ドのとき波形データバス20に与えられ、SCSIイン
タフェース18,SCSIバスPRBを介してハードデ
ィスクHDに与えられ、そこに書き込まれる。なお、読
出しカウンタ35は、一方の録音バッファメモリRBU
FA,RBUFBのアドレス数分だけカウントを行なう
と、最大カウント値に到達し、エンド信号END2を出
力する。このエンド信号END2と前記書込みカウンタ
31のエンド信号END1は割込み信号としてマイコン
に与えられる。
【0041】なお、図3の例では、ラッチ30およびセ
レクタ33の部分が1系列だけ設けられており、1チャ
ンネル分の波形データの書込みが可能な構成である。こ
れに限らず、1つのデータファイルの波形データとして
複数チャンネルの異なる波形サンプルデータをインター
リーブして(交互に混在させて)記録することが可能で
ある。そのための構成は特に図示ないが、ラッチ30お
よびセレクタ33の部分に相当する構成をインターリー
ブするチャンネル数分だけ設け、各チャンネル毎に別々
に外部からサンプリングした波形データをそれぞれ入力
して、サンプリングクロックφvでそれぞれサンプリン
グすると共に8ビット構成にリフォームし、そして、各
チャンネルの8ビット波形データをマルチプレクスし、
このマルチプレクスしたデータをゲート34を介してバ
ッフアメモリRBUFA,RBUFBに入力するように
すればよい。なお、その場合、マルチプレクスのための
回路としては、各チャンネルの波形データを適宜にバッ
ファ記憶する手段を具備し、サンプリングクロックφv
でサンプリングした複数チャンネルの波形データを順次
バッファストレージしておきながら、同じサンプリング
クロックφvで順次マルチプレクスしてバッフアメモリ
RBUFA,RBUFBに入力するようにすることがで
きる。
【0042】〔記録動作例の説明〕記録動作の制御は、
パーソナルコンピュータ(以下パソコンと略称する)P
Cと記録再生制御装置RUのマイコンの協力によって行
なわれる。図3に示した記録制御部RCにおいては、そ
れらによる制御の下で、読み/書きアドレス信号RAD
1,WAD1の作成作業及びデータの読み/書き処理を
前述のように行なう。図4乃至図6は、パソコンPCと
記録再生制御装置RUのマイコンの協力によって行なわ
れる記録動作制御のおおまかな流れを示したものであ
る。左側の「PC」と示したフローがパソコンPCにお
ける処理であり、右側の「RU」と示したフローが記録
再生制御装置RUにおける処理である。
【0043】図4は記録動作開始時の処理の流れを示し
ており、まず、パソコンPCにおいて、記録を行なうデ
ータファイルを特定する。既存のデータファイルに追加
記録する場合は、その旨の入力操作をパソコンPCで行
なうと、指定された既存のデータファイルに追加記録で
きるように処理がなされる(ステップST1)。他方、
新規にデータファイルを作成する場合は、新規ファイル
作成処理を行なう(ステップST2)。ここでは、ファ
イル名の入力やその他必要な処理を行なう。また、デー
タファイルサイズを取敢えず所定サイズNに設定し、該
所定サイズ分の記録領域をハードディスクHDにおいて
該データファイルのために確保する。確保された記録領
域の一例を示すと図7のようである。図7の例の場合、
ハードディスクHDにおいて、3つの記録領域RE1,
RE2,RE3が確保されている。ここで、サイズはR
E1+RE2+RE3=Nである。
【0044】他方、記録再生制御装置RUでは、記録制
御部RCの動作を有効にし、再生及びデータ転送制御部
PDの動作を無効にする(ステップSTP1)。次に、
パソコンPCでは、所望の記録用サンプリング周波数を
指定する(ステップST3)。この指定データがシリア
ル通信バスSRBを介して記録再生制御装置RUに与え
られ、サンプリングクロック発生回路19で所望の周波
数の記録用サンプリングクロックφvを発生する状態に
設定される(ステップSTP2)。
【0045】次に、パソコンPCでは、上記のように特
定されたデータファイルにおいて最初に記録を行なうべ
き記録領域を指示する情報を送出する(ステップST
4)。例えば、図7の場合、記録領域RE1を指示する
情報が送出される。この記録領域指示情報がシリアル通
信バスSRBを介して記録再生制御装置RUに与えられ
る。これに基づき、記録再生制御装置RUでは、SCS
Iバスを介して接続されたハードディスクHDに対して
イニシエータとして振る舞い、指示された該記録領域に
対して書込みを行なうべきことを該ハードディスクHD
に対して指示する(ステップSTP3)。ハードディス
クHDはターゲットとしてこの指示を受け取る。
【0046】次に、パソコンPCでは、記録動作をスタ
ートすることを指示する(ステップST5)。この指示
がシリアル通信バスSRBを介して記録再生制御装置R
Uに与えられる。これに基づき、記録再生制御装置RU
では、記録制御部RC内の前記書込みカウンタ31に対
してスタート信号S1を与える(ステップSTP4)。
こうして、スタート指示を一旦与えると、パソコンPC
は記録動作処理を終了する。スタート信号S1が与えら
れた後は、図3により前述した記録制御部RCの独自の
読み書き制御動作が開始し、前述の通り、外部からサン
プリングした波形データをハードディスクHDに記録す
る処理が該記録制御部RCの制御の下で行なわれる。従
って、パソコンPCはハードディスクHDへのデータ記
録作業から開放され、その他の処理を適宜行なうことが
できる。
【0047】図5は、記録動作の最中に、記録制御部R
Cの書込みカウンタ31からエンド信号END1が発生
されたときにマイコンによって実行される割込み処理を
示している。ここでは、バッファ指示データA/B1の
値を反転し、書込みモードとする録音バッファメモリ
(例えばRBUFA)を他方の録音バッファメモリ(例
えばRBUFB)に切り換えると共に、スタート信号S
1を与え、書込みカウンタ31における書込みアドレス
信号WAD1のカウントを初期値0から再スタートさせ
る(ステップSTP10)。そして、読出しカウンタ3
5に対してスタート信号S2を与え、読出しアドレス信
号RAD1のカウントを初期値0からスタートさせる
(ステップSTP11)。これにより、書き込みが終了
した録音バッファメモリ(例えばRBUFA)の波形デ
ータ群の読出しを行ない、ハードディスクHDに記録す
る。
【0048】図6は、ハードディスクHDにおいて書込
みを指示する記録領域を切り換えるための割込み処理を
示している。ハードディスクHDでは、最初に図4のス
テップSTP3で指示された記録領域(例えば図7のR
E1)に対して、SCSIバスPRBを介して与えられ
る波形データを順次記録していく。この指示された記録
領域が一杯になるとPE割込信号を発生し、SCSIバ
スPRBを介して記録再生制御装置RUのSCSIイン
ターフェース18(図2)に与える。記録再生制御装置
RUのマイコンでは、PE割込信号を受信すると、図6
の割込み処理を行ない、このPE割込信号をシリアル通
信バスSRBを介してパソコンPCに転送する(ステッ
プSTP20)。
【0049】パソコンPCでは、このデータファイルに
次の記録領域があるかをチェックし(ステップST1
0)、あれば次の記録領域を指示する(ステップST1
1)。例えば、図7の場合、記録領域RE1に対応して
PE割込信号が生じた場合は、次の記録領域RE2を指
示する情報が送出される。この記録領域指示情報がシリ
アル通信バスSRBを介して記録再生制御装置RUに与
えられる。これに基づき、記録再生制御装置RUでは、
指示された該記録領域に対して書込みを行なうべきこと
を該ハードディスクHDに対して指示する(ステップS
TP21)。
【0050】一方、このデータファイルに次の記録領域
がない場合、例えば図7の場合では最後の記録領域RE
3に対応してPE割込信号が生じたような場合は、パソ
コンPCではこのデータファイルのサイズを拡張する処
理を行なう(ステップST12)。つまり、さらに追加
の記録領域RE4,RE5…をこのデータファイルのた
めに確保する処理を行なう。その場合、ステップST1
1では、追加された記録領域RE4を次の記録領域とし
て指示する。このようにして、最終的に録音停止が指示
されるまでは、1データファイルをどんどん拡張してい
き、データ量の多い楽音波形データも余すことろなく記
録できるようになっている。
【0051】〔再生モードの説明〕この実施例では、所
定数の楽音発生チャンネル(実施例では4チャンネルで
あり、各楽音発生チャンネルをCH0,CH1,CH
2,CH3で示す)を使用して再生発音を行なうにあた
って、2つの再生モードで再生発音処理を行なうことが
できるものとしている。1つは、複数のデータファイル
の楽音波形データを同時的に再生発音することができる
モードであり、これを以下、セグメント再生モードとい
う。もう1つは、1つのデータファイルの楽音波形デー
タを再生発音するモードであり、これは複数チャンネル
分の波形データをインターリーブした状態で記録してな
るデータファイルの再生を行なうに適していることか
ら、便宜上インターリーブ再生モードという。セグメン
ト再生モードでは、インターリーブされていない楽音波
形データを記憶してなる複数のデータファイルの同時再
生を行なう場合には、最大で4データファイルの同時再
生が可能である。一方、インターリーブ再生モードで
は、最大で4チャンネル分の波形データをインターリー
ブした状態で記録してなるデータファイルの再生を行な
うことができる。どちらのモードで再生処理を行なうべ
きかは、適宜に選択可能である。
【0052】再生すべき望みのデータファイルは、例え
ば、パソコンPCのキーボード操作、あるいは記録再生
制御装置RUのパネルスイッチ操作、あるいはパソコン
PCに対する外部からの所望データファイル選択データ
入力、など適宜の手段で選択できるようになっていてよ
い。上記再生モードの選択は、このような所望のデータ
ファイル選択に連動してなされるようになっていてもよ
いし、あるいは適宜のモード選択スイッチの操作に応じ
てなされるようになっていてもよい。例えば、望みのデ
ータファイルを再生することを選択した場合、そのファ
イルが複数チャンネルの楽音データをインターリーブし
た状態で記録してなるデータファイルである場合は、自
動的にインターリーブ再生モードが選択されるようにな
っていてよい。
【0053】また、望みのデータファイルを再生するこ
とを選択した場合、そのファイルがインターリーブして
いないデータファイルである場合は、自動的にセグメン
ト再生モードが選択されるようになっていてよい。その
場合、ディスプレイ等により、セグメント再生モードが
選択されたことを操作者に告げ、望みとあらば同時再生
したい別のデータファイルを選択することが可能である
ことを告げ、更なるデータファイルを選択する機会を与
えるようにしてもよい。あるいは、セグメント再生モー
ドを選択するためのスイッチを設け、このスイッチによ
りセグメント再生モードが選択された場合は、所定の複
数のデータファイルの選択を許すようにしてもよい。
【0054】どのような選択方法を採用した場合でも、
最終的には、パソコンPCの側でどちらのモードで再生
を行なうのかということが把握され、把握した再生モー
ドを指示するセグメントデータSEGと再生すべき1又
は複数のデータファイルの記録領域を指示する情報がシ
リアル通信バスSRBを介して記録再生制御装置RUに
与えられる。そして、記録再生制御装置RUのマイコン
では、SCSIインタフェース18及びSCSIバスP
RBを介してハードディスクHDにアクセスし、指示さ
れた記録領域からデータの読出しを行なうことを指示す
る。また、再生及び転送制御部PDに対してセグメント
データSEGを与え、どちらの再生モードで再生処理を
行なうべきかを指示する。このセグメントデータSEG
が“0”のとき「インターリーブ再生モード」を指示
し、セグメントデータSEGが“1”のとき「セグメン
ト再生モード(つまり複数ファイル同時再生モード)」
を指示する。
【0055】取り込みバッファメモリXBUFA,XB
UFBは、どちらの再生モードが指定されているかに応
じて、図8に示すように異なるフォーマットでデータが
書き込まれるようになっている。取り込みバッファメモ
リXBUFA,XBUFBは全体で128キロワードの
容量を有しており、SEG=“0”つまり「インターリ
ーブ再生モード」のときは、同図(a)に示すように、
64キロワードづつ2つのバッファメモリXBUFA,
XBUFBに分けて使用される。なお、ここで、添字の
A,Bは前述と同様に交互に読み/書きモードを切換え
ながら同時並行的に読み/書きを行なうことを可能にす
るバッファメモリのペアを示している。
【0056】SEG=“1”つまり「セグメント再生モ
ード」のときは、同図(b)に示すように、16キロワ
ードづつ8つのセグメントバッファメモリXBUFA
0,XBUFB0,XBUFA1,XBUFB1,XBUF
A2,XBUFB2,XBUFA3,XBUFB3,に分け
て使用される。数字の添字0〜3は、異なるセグメント0
〜3を示している。このセグメント0〜3は、異なる4
つのデータファイルに対応している。すなわち、ハード
ディスクHDから、異なる4つのデータファイルのデー
タを同時並行的に読み出し(実際は時間を少しづつずら
して読出しが行なわれるのは勿論である)、これらの4
つのデータファイルのデータをバッファメモリXBUF
A,XBUFBにおける各セグメント0〜3の領域(つ
まり、図8bのXBUFA0〜XBUFB3)にそれぞれ
取り込むようになっている。なお、添字のA,Bは前述
と同様に交互に読み/書きモードを切換えながら同時並
行的に読み/書きを行なうことを可能にするセグメント
バッファメモリのペアを示している。例えば、セグメン
ト0に対応する2つのバッファメモリXBUFA0,X
BUFB0は、或る1つのデータファイルのデータを、
交互に読み/書きモードを切換えながら同時並行的に読
み/書きを行なうことを可能にするためのペアである。
【0057】SEG=“1”つまり「セグメント再生モ
ード」のときに、ハードディスクHDから読み出される
1つのデータファイルのデータフォーマットを図9に例
示する。16キロワード毎のデータセットを1組にして
ハードディスクHDからこれらデータを読み出し、図8
の(b)のようにセグメント0〜3に分割された取り込
みバッファメモリXBUFA0〜XBUFB3における該
データファイルに割り当てられたセグメントメモリペア
の一方に、この16キロワードのデータセットをそっく
り転送記憶するようになっている。
【0058】図9において、データファイルの最初の1
6キロワードセット(第0セット)において、所定の先
頭領域はヘッダデータや各種の制御データを記憶する領
域となっており、それに引き続いて波形データを記憶す
る領域がある。波形データは4キロワードを1ブロック
として読み/書きが管理されるようになっている。ヘッ
ダデータや各種の制御データを記憶する領域のサイズや
波形データの最初のブロックの領域の位置は、パソコン
PCによって管理されている。2番目以降の波形データ
ブロックの領域は、ブロックサイズが均一の4キロワー
ドであるため、記録再生制御装置RUの側で計算するこ
とができる。
【0059】取り込みバッファメモリXBUFA,XB
UFB(XBUFA0〜XBUFB3)には、ハードディ
スクHDからの読み出しデータがそっくり転送記憶され
るので、ヘッダデータやその他の制御データも取り込ま
れるが、波形データ以外のデータは再生バッファメモリ
PBUFA,PBUFBに転送しないように制御され
る。ヘッダデータやその他の制御データは取り込みバッ
ファメモリXBUFA,XBUFBからマイコンに取り
込まれ、再生読み出し動作を制御するために適宜利用さ
れるようになっていてよい。あるいは、ヘッダデータや
その他の制御データはパソコンPCによって読み取るよ
うにしてもよい。
【0060】なお、例えば第2ブロックBK2のデータ
は、第0セットと第1セットに分離されてしまうので、
1段目の取り込みバッファメモリXBUFA0〜XBU
FB3では分かれた状態で取り込まれてしまうが、後述
するように、2段目の再生バッファメモリPBUFA,
PBUFBで1ブロック分のデータが揃って記憶される
ように転送制御がなされる。SEG=“0”つまり「イ
ンターリーブ再生モード」のときのデータファイルの読
み出しフォーマットは、図9と同様に16キロワードか
らなるセット単位であってもよい。しかし、取り込みバ
ッファメモリXBUFA,XBUFBは64キロワード
の容量があるので、1セット=16キロワードのみに限
らず、4セット=64キロワードのデータを取り込むこ
とが可能である。なお、データブロックのサイズは1チ
ャンネルに4キロワードとするものとしているので、イ
ンターリーブで記録されているデータの場合は、インタ
ーリーブされているチャンネル数×4キロワードを1ブ
ロックデータとして読み/書きの管理を行なうものとす
る。例えば2チャンネルインターリーブの場合は、8キ
ロワードで1ブロックデータとして管理される。また、
1セットの取り込みデータ中に最大で4ブロックのデー
タが含まれるようにするために、インターリーブされて
いるチャンネル数×16キロワードを「インターリーブ
再生モード」のときの1セットデータとして取り込みバ
ッファメモリXBUFA,XBUFBに取り込むように
してもよい。
【0061】図10は、再生バッファメモリPBUF
A,PBUFBのフォーマットを示すものである。再生
バッファメモリPBUFA,PBUFBは、4キロワー
ドの容量を持つ8つのメモリエリアPBUFA0,PB
UFB0,PBUFA1,PBUFB1,PBUFA2,P
BUFB2,PBUFA3,PBUFB3からなってい
る。数字の添字0〜3は、楽音発生チャンネルCH0〜C
H3に対応している。添字のA,Bは前述と同様に交互
に読み/書きモードを切換えながら同時並行的に読み/
書きを行なうことを可能にする各チャンネル毎の再生バ
ッファメモリのペアを示している。従って、1チャンネ
ルにつき、4キロワード=1ブロック分の波形データの
書込みと読み出しを並行して行なうことができる。
【0062】再生バッファメモリPBUFA,PBUF
Bにおける各チャンネルCH0〜CH3に対応するエリ
アPBUFA0,PBUFB0,PBUFA1,PBUF
B1,PBUFA2,PBUFB2,PBUFA3,PBU
FB3には、夫々のチャンネルに割当てられた波形デー
タが記憶される。すなわち、後述するように、「インタ
ーリーブ再生モード」のときは、インターリーブ解除さ
れた各チャンネルの波形データがそれぞれ分配されて記
憶され、他方、「セグメント再生モード」のときは、各
セグメント(つまり各データファイル)の波形データが
それぞれ分配されて記憶されるようになっている。従っ
て、後述するように、再生音発生部TGでは、再生バッ
ファメモリPBUFA,PBUFBの各チャンネルエリ
アに記憶した楽音データをそれぞれ読み出すだけでよ
く、再生モードを区別した読出し制御を行なう必要がな
いので、簡単である。従って、簡単な構成でありなが
ら、2つのモードに適切に対処した再生処理を行なうこ
とができるようになっている。
【0063】〔再生及び転送制御部PDの説明〕図11
は再生及び転送制御部PDの一例を示す機能的ブロック
図である。書込みカウンタ41は、取り込みバッファメ
モリXBUFA,XBUFBの書込み用アドレス信号W
AD2を発生するもので、再生準備スイッチがオン操作
されたとき及びその他所定の条件が成立したときマイコ
ンによってスタート信号S3が与えられ、カウントイネ
ーブルとなってカウント動作を開始し、SCSIインタ
フェース18から与えられるデータ要求信号DREQに
応じて高速で、書込みアドレス信号WAD2を増数す
る。この場合、データ要求信号DREQは、ハードディ
スクHDでデータの読み出しを行なうとき、つまり、ハ
ードディスクHDから読み出したデータを取り込みバッ
ファメモリXBUFA,XBUFBに取り込むことを要
求するとき、与えられる。また、カウント動作条件を設
定するデータとして、ペアをなす取り込みバッファメモ
リXBUFA,XBUFBのどちらにアクセスすべきか
を指示するバッファ指示データA/B2と、再生モード
を指定する前記セグメントデータSEGが、マイコンに
よって与えられる。
【0064】書込みカウンタ41から出力された書込み
アドレス信号WAD2は、セレクタ42の「1」入力に
与えられ、システムクロックパルスφsが“1”のとき
選択され、取り込みバッファメモリXBUFA,XBU
FBのアドレス入力に与えられる。ハードディスクHD
から読み出したデータは、SCSIバスPRB,SCS
Iインタフェース18,波形データバス20,ゲート4
3を介して取り込みバッファメモリXBUFA,XBU
FBのデータ入力に与えられる。ゲート43はシステム
クロックパルスφsが“1”のときつまり取り込みバッ
ファメモリの書込みモードのときイネーブルされ、ハー
ドディスクHDから読み出したデータを該取り込みバッ
ファメモリXBUFA,XBUFBに入力する。
【0065】ここで、書込みカウンタ41の一例につい
て図12により説明する。図12において、システムク
ロックパルスφsによって1ビットタイムの遅延が施さ
れる17ビット並列の遅延回路44と、この遅延回路4
4の下位16ビット並列出力を並列入力し、データ要求
信号DREQを最下位のキャリーイン入力Ciに入力し
た加算器45と、スタート信号S3によってイネーブル
されて加算器45の出力を遅延回路44に与えるゲート
46とによってカウント回路が構成されている。遅延回
路44の17ビット出力が書込みアドレス信号WAD2
として出力される。
【0066】セレクタ47は、書込みアドレス信号WA
D2の上位3ビットのデータを再生モードに応じて選択
制御するものであり、セグメントデータSEGの値が
“0”つまり「インターリーブ再生モード」のとき、書
込みアドレス信号WAD2の最上位ビットとしてバッフ
ァ指示データA/B2を使用し、下位16ビットはカウ
ント値が使用されるようにする。これにより、図8の
(a)に示すようなフォーマットからなる64キロワー
ドに分割された2つの取り込みバッファメモリXBUF
A,XBUFBの一方をバッファ指示データA/B2に
応じて切り換えて指定し、かつ該一方の取り込みバッフ
ァメモリXBUFA,XBUFBにおける64キロワー
ドのアドレス指定を行なうことができる書込みアドレス
信号WAD2を発生することができる。また、SEG=
“0”の場合は、アンドゲート48がイネーブルされ、
加算器45の16ビットカウント出力がすべて“0”に
なったときノアゲート49,50の出力が“1”にな
り、アンドゲート48の出力が“1”になって、これに
基づきオアゲート51からエンド信号END3が発生さ
れるようになっている。つまり、64キロワード分の書
込みアドレスをカウントし終えたときエンド信号END
3が発生される。
【0067】一方、セグメントデータSEGの値が
“1”つまり「セグメント再生モード」のとき、セレク
タ47では、書込みアドレス信号WAD2の最上位2ビ
ットとしてセグメント番号指示ビットSN0,SN1を選
択し、最上位から3ビット目のデータとしてバッファ指
示データA/B2を選択する。そして、書込みアドレス
信号WAD2の残りの下位14ビットとしてはカウント
値が使用される。セグメント番号指示ビットSN0,S
N1は、前述のセグメント0〜3を指定するためのデー
タであり、セグメントデータSEGと共に、マイコンに
よって与えられる。このセグメント番号指示ビットSN
0,SN1の値は、ハードディスクHDからデータを読み
出しているデータファイルに対応している。
【0068】これにより、図8の(b)に示すようなフ
ォーマットからなる16キロワード毎に分割された8つ
のセグメントバッファメモリXBUFA0,XBUFB
0,XBUFA1,XBUFB1,XBUFA2,XBUF
B2,XBUFA3,XBUFB3のうち、1つのセグメ
ント0〜3に対応するメモリペアがセグメント番号指示
ビットSN0,SN1によって指定され、そのペアのうち
一方をバッファ指示データA/B2に応じて切り換えて
指定し、かつその16キロワード構成のバッファメモリ
XBUFA0〜XBUFB3における16キロワードのア
ドレス指定を14ビットのカウント値によって行なうこ
とができる書込みアドレス信号WAD2を発生すること
ができる。なお、SEG=“1”の場合は、アンドゲー
ト52がイネーブルされ、加算器45の下位14ビット
カウント値がすべて“0”になったときノアゲート49
の出力が“1”になり、これによりアンドゲート52の
出力が“1”になって、これに基づきオアゲート51か
らエンド信号END3が発生されるようになっている。
つまり、16キロワード分の書込みアドレスをカウント
し終えたときエンド信号END3が発生される。
【0069】書込みカウンタ41から発生されたエンド
信号END3に応じてマイコンでは、バッファ指示デー
タA/B2とセグメント番号指示ビットSN0,SN1の
値を切り換える。すなわち、「インターリーブ再生モー
ド」(SEG=0)のときは、エンド信号END3に応
じてバッファ指示データA/B2の値を反転する。ま
た、「セグメント再生モード」(SEG=1)のとき
は、エンド信号END3に応じてセグメント番号指示ビ
ットSN1,SN0の値を順次00,01,10,11と
切り換えていき、アクセスすべきセグメントを0,1,
2,3の順で順次切り換えていく。そして、エンド信号
END3が4回生じる毎にバッファ指示データA/B2
の値を反転する。従って、「セグメント再生モード」
(SEG=1)のときは、取り込み用セグメントバッフ
ァメモリは、XBUFA0→XBUFA1→XBUFA2
→XBUFA3→XBUFB0→XBUFB1→XBUF
B2→XBUFB3の順で順次書込みモードに切り替わ
る。
【0070】図11において、読出しカウンタ53は、
取り込みバッフアメモリXBUFA,XBUFBの読出
し用アドレス信号RAD2を発生するもので、取り込み
バッフアメモリXBUFA,XBUFBに記憶したデー
タの1ブロック分を再生バッファメモリPBUFA,P
BUFBに転送記憶するとき、マイコンによってスター
ト信号S4が与えられ、カウントイネーブルとなってカ
ウント動作を開始し、システムクロックパルスφsに従
って読出し用アドレス信号RAD2を発生する。このと
き、カウント開始アドレスと終了アドレスがマイコンか
ら与えられるスタートアドレスデータSTAとストップ
アドレスデータSTPによって指定され、スタートアド
レスとストップアドレスの間で読出し用アドレス信号R
AD2を発生する。
【0071】読出し用アドレス信号RAD2は、セレク
タ42の「0」入力に与えられ、システムクロックパル
スφsが“0”のとき選択され、取り込みバッフアメモ
リXBUFA,XBUFBのアドレス入力に与えられ
る。従って、取り込みバッフアメモリXBUFA,XB
UFBの読み/書込みモードは、システムクロックパル
スφsの“0”,“1”に応じて時分割的に制御され
る。読出しカウンタ53による取り込みバッフアメモリ
XBUFA,XBUFBの読出し制御は、該取り込みバ
ッフアメモリXBUFA,XBUFBに記憶した波形デ
ータを1ブロック(4キロワード)単位で再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBに転送記憶するために行
なうものである。従って、スタートアドレスデータST
AとストップアドレスデータSTPは、再生バッファメ
モリPBUFA,PBUFBに転送すべき1ブロック
(4キロワード)単位の波形データを指定するものであ
る。
【0072】なお、転送すべき1ブロック分のデータが
そっくり取り込みバッフアメモリXBUFA,XBUF
Bに記憶されている場合は、スタートアドレスデータS
TAとストップアドレスデータSTPとして、そのブロ
ックの開始アドレスと終了アドレスを指定する。しか
し、図9のようなフォーマットにおける第2ブロックB
K2のように、1ブロック分のデータが分離されて取り
込みバッフアメモリXBUFA,XBUFBに取り込ま
れる場合は、前半のデータを読み出す場合は、そのブロ
ックの開始アドレスをスタートアドレスデータSTAで
指定すると共に分離された箇所のアドレスをストップア
ドレスデータSTPで指定し、後半のデータを読み出す
場合は、分離された箇所のアドレスをスタートアドレス
データSTAで指定すると共にそのブロックの終了アド
レスをストップアドレスデータSTPで指定する。こう
して、分離された1ブロック分のデータを2回に分けて
取り込みバッフアメモリXBUFA,XBUFBから適
正に読み出し、最終的には、再生バッファメモリPBU
FA,PBUFBにおいて、きちんと1ブロック分揃え
て記憶できるようにする。
【0073】取り込みバッファメモリXBUFA,XB
UFBから読み出した8ビット構成の波形データはラッ
チ54および55に入力される。タイミング信号発生回
路56では、読出しアドレス信号RAD2の最下位ビッ
トLSBを入力し、その“1”、“0”に応じて、かつ
システムクロックパルスφsの“0”に同期して、ラッ
チ54および55のラッチパルスL1,L2を発生させ
る。これにより、16ビット構成の波形サンプルデータ
の上位8ビットデータがバッファメモリXBUFA,X
BUFBから読み出されるとき、ラッチパルスL1を発
生して、この上位8ビットデータをラッチ54に取り込
み、該16ビット構成の波形サンプルデータの下位8ビ
ットデータがバッファメモリXBUFA,XBUFBか
ら読み出されるとき、ラッチパルスL2を発生して、こ
の下位8ビットデータをラッチ55に取り込むようにす
ることができる。こうして、ラッチ54および55の出
力側において16ビット構成の波形サンプルデータをパ
ラレルに整列させることができる。
【0074】このパラレル16ビット構成の波形サンプ
ルデータは、ゲート57を介して再生バッファメモリP
BUFA,PBUFBのデータ入力に与えられる。ゲー
ト57は、システムクロックパルスφsの“1”に同期
してイネーブルとなる。システムクロックパルスφsが
“1”のとき、再生バッファメモリPBUFA,PBU
FBが書込みモードとなる。
【0075】転送書込みカウンタ58は、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBに対する転送書込みアド
レス信号WAD3を作成するものである。転送書込みカ
ウンタ58は、取り込みバッファメモリXBUFA,X
BUFBに記憶したデータの1ブロック分を再生バッフ
ァメモリPBUFA,PBUFBに転送記憶すべきと
き、マイコンによってスタート信号S4が与えられ、カ
ウントイネーブルとなってカウント動作を開始し、カウ
ントクロックパルスCLKに従って転送書込みアドレス
信号WAD3を発生する。このカウントクロックパルス
CLKは、読出しアドレス信号RAD2の最下位ビット
LSBに応じてタイミング信号発生回路56から発生さ
れるようになっており、読出しアドレス信号RAD2の
2アドレスにつき転送書込みアドレス信号WAD3が1
アドレス進むように制御される。これは、取り込みバッ
ファメモリXBUFA,XBUFBからのデータ読み出
しが8ビットパラレルであるのに対して、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBへのデータ書込みが16
ビットパラレルであるからである。
【0076】「インターリーブ再生モード」の場合は、
インターリーブを解除するためのインターリーブデータ
ILDがマイコンから転送書込みカウンタ58に対して
与えられる。このインターリーブデータILDは、1フ
ァイル中でインターリーブされている複数チャンネルの
波形データを割当てるべき楽音発生チャンネルCH0〜
CH3を指示するデータである。例えば、2チャンネル
でインターリーブされている各波形データを、楽音発生
チャンネルCH0とCH3に割当てようとする場合は、
チャンネルCH0とCH3を指示する。転送書込みカウ
ンタ58では、インターリーブデータILDによって指
示されたチャンネルを順番に指定するよう転送書込みア
ドレス信号WAD3を作成する。これにより、例えば、
インターリーブされた第1のチャンネルの波形サンプル
データがバッファメモリXBUFA,XBUFBから読
み出されたとき、チャンネルCH0を指定する転送書込
みアドレス信号WAD3を転送書込みカウンタ58から
発生させ、この波形サンプルデータをチャンネルCH0
に対応する再生バッファメモリエリアPBUFA0,P
BUFB0の一方に分配して記憶するように制御するこ
とができる。そして、次の読み出しサンプルデータとし
て、インターリーブされた第2のチャンネルの波形サン
プルデータがバッファメモリXBUFA,XBUFBか
ら読み出されたとき、チャンネルCH3を指定する転送
書込みアドレス信号WAD3を転送書込みカウンタ58
から発生させ、この波形サンプルデータをチャンネルC
H3に対応する再生バッファメモリエリアPBUFA
3,PBUFB3の一方に分配して記憶するように制御す
ることができる。その際、スタートアドレスデータPS
ADがマイコンから転送書込みカウンタ58に対して与
えられ、各チャンネルに対応するペアの再生バッファメ
モリエリアのうちどちらから最初に書き込むべきかを指
示する。
【0077】「セグメント再生モード」の場合は、イン
ターリーブデータILDとして各セグメント0〜3に対
応する楽音発生チャンネルCH0〜CH3を指定するデ
ータがマイコンから転送書込みカウンタ58に対して与
えられる。この場合、インターリーブデータILDは、
当該セグメント再生モードに含まれるセグメント0〜3
(つまりデータファイル)をチャンネルに置き換えて、
そのチャンネルを指示するデータとして機能する。例え
ば、セグメント0と1に割り当てた2つのデータファイ
ルを同時再生する場合は、インターリーブデータILD
として、セグメント0,1に対応する2つのチャンネル
CH0,CH1を指示する。なお、バッファメモリXB
UFA0〜XBUFB3からの読み出しは、各セグメン
ト毎に4キロワード単位で時分割で行なわれるので、今
読み出しているセグメントに対応するチャンネルのイン
ターリーブデータILDのみが“1”となる。これによ
り、上記インターリーブ解除の場合と似た処理により、
バッファメモリXBUFA0〜XBUFB3から今4キ
ロワードデータを読み出している1つのセグメント(デ
ータファイル)の波形データがそれに対応する1つのチ
ャンネルに対応して分配され、再生バッファメモリPB
UFA,PBUFBの対応チャンネルエリア(図10の
PBUFA0〜PBUFB3)に記憶される。
【0078】転送書込みカウンタ58の詳細例につき図
13により説明する。図13において、システムクロッ
クパルスφsによって1ビットタイム遅延制御される遅
延回路59と,この遅延回路59の出力データにアンド
ゲート62の出力を加算する加算器60と,セレクタ6
1からなるループは、再生バッファメモリPBUFA,
PBUFBにおける各チャンネル毎のメモリエリア(4
kW+4kW=8キロワードのエリア)における相対的
アドレスを指定する相対アドレス信号RWADを発生す
るものである。まず、スタート信号S4の立ち上がりに
おいて、セレクタ61でスタートアドレスデータPSA
Dを選択し、このスタートアドレスデータPSADを初
期値としてアドレスカウントを開始する。このスタート
アドレスデータPSADは、1つのチャンネルに対応す
る再生バッファメモリペア(A,B)のうちどちらから
書込みを開始するかを指示するデータである。以後、ア
ンドゲート62からカウントアップ信号が与えられる毎
に相対アドレス信号RWADのカウント値が増加する。
【0079】エンコーダ63から2ビットのチャンネル
アドレス信号CWADが発生され、これが相対アドレス
信号RWADの最上位に付加され、転送書込み用アドレ
ス信号WAD3が得られる。このチャンネルアドレス信
号CWADによって再生バッファメモリPBUFA,P
BUFBにおいて書込み指定するチャンネルCH0〜C
H3を特定することができる。初期値発生回路64は、
最初に書込み指定するチャンネルを示す初期値データI
NCHをインターリーブデータILDに応じて発生する
ものである。インターリーブデータILDと初期値デー
タINCHとの関係の一例は下記表のようである。な
お、インターリーブデータILDと初期値データINC
Hはそれぞれ4ビットからなり、数字0〜3はそれぞれ
のビット番号を示し、これはチャンネルCH0〜CH3
に対応している。インターリーブデータILDにおいて
は、インターリーブされている各チャンネルの波形デー
タを割当てるべきチャンネルCH0〜CH3(若しくは
セグメント再生モードにあっては同時再生する各セグメ
ントの波形データを割当てるべきチャンネルCH0〜C
H3)に対応するビットが“1”となる。
【0080】
【表1】
【0081】上記から理解できるように、インターリー
ブデータILDにおいて複数のビット(チャンネル)に
対応して“1”が立っていても、初期値データINCH
は、インターリーブデータILDにおいて“1”が立っ
ているビット(チャンネル)のうち所定の1つのビット
(チャンネル)のみに対応して“1”となる。インター
リーブデータILD及び初期値データINCHの各ビッ
ト0〜3は、各チャンネルCH0〜CH3に対応するシ
フトユニットSU0〜SU3に入力される。1つのシフ
トユニットSU0のみ内部構成を図示するが、他も同様
の構成である。
【0082】シフトユニットSU0について説明する
と、まず、スタート信号S4の立ち上がりに同期して、
セレクタ65では「1」入力を介して初期値データIN
CHを選択し、これを遅延回路66に入力し、クロック
パルスφsによって1ビットタイム遅延して出力する。
遅延回路66の出力は、入力セレクタ67の「0」入力
に戻されると共に、出力セレクタ68の「1」入力に与
えられる。出力セレクタ68の出力信号は次段のシフト
ユニットSU1に与えられ、次段のシフトユニットSU
1における入力セレクタ(67)の「1」入力に入力さ
れる。同様に、このユニットSU0の入力セレクタ67
の「1」入力には前段のシフトユニットSU3の出力信
号が与えられる。この前段のシフトユニットSU3から
の出力信号は、出力セレクタ68の「0」入力にも与え
られる。こうして、各シフトユニットSU0〜SU3が
リング状に接続されている。出力セレクタ68の選択信
号としてそのチャンネルに対応するインターリーブデー
タILDが与えられる。また、入力セレクタ67の選択
信号としてカウントクロックパルスCLKとインターリ
ーブデータILDのアンド論理をとるアンドゲート69
の出力が与えられる。カウントクロックパルスCLKが
発生されていないとき、入力セレクタ67は「0」入力
に加わる遅延回路66の出力をセレクトし、セレクタ6
5の「0」入力に与える。セレクタ65は、スタート信
号S4の立ち上がり時に一度だけ「1」入力の初期値デ
ータINCHをセレクトし、それ以外のときは「0」入
力をセレクトする。
【0083】以上のリング状シフトユニットSU0〜S
U3において、まず、初期値データINCHにおける単
一の信号“1”がそれに対応するシフトユニットSU0
〜SU3内に取り込まれる。取り込まれた信号“1”
は、遅延回路66,セレクタ67の「0」入力、セレク
タ65の「0」入力を介して循環し、該シフトユニット
内で保持される。カウントクロックパルスCLKが
“1”となると、入力セレクタ67は「1」入力をセレ
クトし、該シフトユニット内での信号“1”の循環保持
が解かれる。一方、この信号“1”はセレクタ68の
「1」入力を介して次のシフトユニット段に入力され
る。このとき、次段のチャンネルに対応するインターリ
ーブデータILDが“0”であれば、次段の入力セレク
タ(67)は「0」入力をセレクトし、出力セレクタ
(68)は「0」入力をセレクトしているので、そのシ
フトユニット段に入力された信号“1”は該シフトユニ
ット段には取り込まれず、該出力セレクタ(68)の
「0」入力を介して即座に更に次のシフトユニットに送
られる。
【0084】一方、信号“1”が送られたシフトユニッ
トに対応するインターリーブデータILDが“1”であ
れば、カウントクロックパルスCLKが“1”となった
とき、入力セレクタ67は「1」入力をセレクトし、前
段から送られてきた信号“1”を該シフトユニット内に
取り込む。また、出力セレクタ68は「1」入力をセレ
クトするので、「0」入力に加わる信号“1”は更に次
段には送られない。入力セレクタ67で取り込んだ信号
“1”は1ビットタイム遅延されて遅延回路66から出
力され、回路65,66,67のループを循環する。
【0085】以上により、初期値データINCHの
“1”に対応してシフトユニットSU0〜SU3の1つ
に取り込まれた単一の信号“1”が、カウントクロック
パルスCLKの発生に応じて、インターリーブデータI
LDが“1”であるチャンネルに対応するシフトユニッ
トSU0〜SU3にシフトされる。すなわち、シフトユ
ニットSU0〜SU3のループにおける単一の信号
“1”は、インターリーブデータILDが“0”である
チャンネルに対応するシフトユニットSU0〜SU3は
飛び越してしまう。
【0086】シフトユニットSU0〜SU3における遅
延回路66の出力がエンコーダ63に入力される。エン
コーダ63の4本の入力は、単一の信号“1”が保持さ
れている1つのシフトユニットSU0〜SU3に対応す
るもののみが“1”となる。エンコーダ63はこの入力
信号“1”に対応するチャンネルコードをエンコード
し、チャンネルアドレス信号CWADとして出力する。
インターリーブデータILDの各状態に対応して発生さ
れるチャンネルアドレス信号CWADの時間的変化の一
例が前記表1に示されている。表1で、時間t0,t
1,t2,…はカウントクロックパルスCLKの発生タ
イミングに対応している。
【0087】なお、シフトユニットSU0〜SU3のル
ープにおける最後のシフトユニットSU3の出力信号が
アンドゲート62に入力され、この信号とカウントクロ
ックパルスCLKの論理積が加算器60に対するカウン
トパルス信号となる。これにより、上位のチャンネルア
ドレス信号CWADが1巡したとき、下位の相対アドレ
ス信号RWADが1カウントアップされる。つまり、イ
ンターリーブ再生モードの場合は、相対アドレス信号R
WADによって、各チャンネルCH0〜CH3毎の再生
バッファメモリPBUFA0,PBUFB0;PBUFA
1,PBUFB1;PBUFA2,PBUFB2;PBUF
A3,PBUFB3における4kW+4kW=8キロワー
ドのエリアの相対アドレスを共通に指定する間に、上位
のチャンネルアドレス信号CWADがインターリーブデ
ータILDによって指定される各インターリーブチャン
ネルに対応して順次変化し、この組合せからなる書込み
アドレス信号WAD3によって特定の書込みアドレスが
指示される。そして、必要なチャンネルに対応してチャ
ンネルアドレス信号CWADの値が1通り変化すると、
相対アドレス信号RWADの値が1増加するようになっ
ている。セグメント再生モードの場合も同様に、現在読
み出し中のセグメントに対応してインターリーブデータ
ILDが特定のチャンネルを指定し、上位のチャンネル
アドレス信号CWADがこのチャンネルに対応する値と
なる。そして、この上位のチャンネルアドレス信号CW
ADと下位の相対アドレス信号RWADとの組合せから
なる書込みアドレス信号WAD3によって特定の書込み
アドレスが指示される。
【0088】〔再生音発生部TGの説明〕図14は再生
音発生部TGの一例を示すものである。マイコンから各
チャンネル毎の読出しレートデータRT0,RT1,RT
2,RT3がアドレスカウンタ70に与えられる。アドレ
スカウンタ70ではこのレートデータRT0,RT1,R
T2,RT3を所定の再生サンプリングクロックφoに従
うサンプリング時間間隔で各チャンネル毎にそれぞれ累
算し、再生読出し用の相対アドレス信号RRADを各チ
ャンネル毎にそれぞれ作成する。前述のように、この読
出しレートデータRT0,RT1,RT2,RT3は、記録
用サンプリング周波数と所定の再生用サンプリング周波
数の比によって基本的に決定され、更に、記録した原音
のピッチと再生音の望みのピッチの比によって決定され
るものである。インターリーブ再生モードのときは、各
チャンネルの波形データの記録用サンプリング周波数は
共通であるが、セグメント再生モードのときは、同時再
生しようとする各データファイル(チャンネル)の記録
用サンプリング周波数は夫々異なるものであっても一向
に差し支えない。すなわち、この再生読出しの際に、上
述のように、記録用サンプリング周波数と所定の再生用
サンプリング周波数の比、及び記録した原音のピッチと
再生音の望みのピッチの比に応じて、各チャンネル毎の
読出しレートデータRT0,RT1,RT2,RT3を決定
するようにしているため、そのような記録用サンプリン
グ周波数が異なる複数音を共通の再生用サンプリング周
波数に従って、同時再生することが可能である。アドレ
スカウンタ70には、リセット制御信号やその他適宜の
制御信号がマイコンから与えられるが、詳しくは説明し
ない。
【0089】読出しレートデータRT0,RT1,RT
2,RT3は小数部を含む値であり、アドレスカウンタ7
0から各チャンネルごとに時分割的に発生される再生読
出し用の相対アドレス信号RRADも整数部RRADa
と小数部RRADbからなっている。また、マイコンか
らは各チャンネル毎に再生バッファメモリPBUFA,
PBUFBのペア(PBUFA0,PBUFB0;PBU
FA1,PBUFB1;PBUFA2,PBUFB2;PB
UFA3,PBUFB3)のどちらから読出しを行なうべ
きかをそれぞれ指示するオフセットアドレスデータOF
ADが与えられる。加算器71では、各チャンネルごと
の相対アドレス信号RRADの整数部RRADaとオフ
セットアドレスデータOFADを加算し、再生バッファ
メモリPBUFA,PBUFBにおける読出しアドレス
を絶対アドレスで指示する再生読出しアドレス信号PR
ADとして出力する。この再生読出しアドレス信号PR
ADは、システムクロックパルスφsが“0”のときに
ゲート72を通過し、再生バッファメモリPBUFA,
PBUFBのアドレス入力に与えられる。前述のよう
に、再生バッファメモリPBUFA,PBUFBは、シ
ステムクロックパルスφsが“1”のときに書込みモー
ドとされるので、システムクロックパルスφsが“0”
のときに再生読出しアドレス信号PRADを供給して読
出しモードとするのである。
【0090】各チャンネル毎の再生読出しアドレス信号
PRADに応じて再生バッファメモリPBUFA,PB
UFBから読み出された波形データは、ラッチ73に取
り込まれる。ラッチ73に取り込んだ波形データに基づ
き、補間回路74では、前記読出し用相対アドレス信号
RRADの小数部RRADbに応じて波形サンプル補間
演算を行なう。この補間回路74の出力信号は乗算器7
5に与えられ、エンベロープ補間器76から与えられる
エンベロープ波形信号が乗算される。乗算器75から出
力されるエンベロープ付与済みの複数チャンネルの再生
波形サンプルデータがアキュムレータ77で合計され複
数チャンネルのサンプルデータを合計したディジタル波
形1サンプルデータを得る。これがD/A変換器24に
出力される。なお、エンベロープ補間器76は、マイコ
ンからエンベロープ波形の目標値データと補間レートデ
ータを受け、これに基づき各チャンネル毎にエンベロー
プ波形作成用の補間演算を行ない、各チャンネル毎のエ
ンベロープ波形信号を発生する。
【0091】なお、アドレスカウンタ70において、或
るチャンネルの読出し用相対アドレス信号RRADが1
ブロック分の変化を終了したとき、オーバーフロー信号
OVA,OVBを割込み信号として発生する。これによ
り、マイコンでは、該チャンネルのオフセットアドレス
データOFADを再生バッファメモリPBUFA,PB
UFBにおける当該チャンネルのペアメモリの他方を指
定するデータに切り換える。また、マイコンでは、読出
し終了した再生バッファメモリに次の1ブロック分の波
形データを転送記憶させるために、再生及び転送制御部
PDにおける読出しカウンタ53へのスタートアドレス
データSTA及びストップアドレスデータSTPを次に
読み出すべき1ブロックを指示するデータに切り換え、
かつ転送書込みカウンタ58に与えるスタートアドレス
データPSADを次に書き込むべき再生バッファメモリ
を指定するデータに切り換える。
【0092】なお、再生発音の指示は、再生選択スイッ
チの操作、あるいはキーボードにおける押鍵操作、ある
いはMIDI等によるノートオンデータの入力、などど
のような形態で指示できるようになっていてよい。ま
た、インターリーブ再生モードあるいはセグメント再生
モードにおいて、必ずしも全チャンネル(全セグメン
ト)の楽音波形データを完全に同時に(同期して)発音
させる必要は無く、適宜にずれた時間で発音したり、所
望のチャンネルを選択して発音させるようにしてもよい
ものである。
【0093】〔再生動作例の説明〕再生動作の制御は、
記録動作のときと同様に、パソコンPCと記録再生制御
装置RUのマイコンの協力によって行なわれる。図11
に示した再生及び転送制御部PDにおいては、それらに
よる制御の下で、読み/書きアドレス信号RAD2,W
AD2,WAD3の作成作業及びデータの読み/書き処
理を前述のように行なう。図15は、パソコンPCと記
録再生制御装置RUのマイコンの協力によって行なわれ
る再生動作開始時の処理のおおまかな流れを示したもの
である。
【0094】まず、パソコンPCにおいて、再生を行な
うデータファイルの確認を行なう(ステップST3
0)。ここでは、再生することが選択されたデータファ
イルのうち波形データ以外のデータつまりヘッダデータ
及び各種制御データをハードディスクHDからパソコン
PCが直接読み取る。他方、記録再生制御装置RUで
は、動作モードを再生モードに設定する処理を行ない、
記録制御部RCの動作を無効にし、再生及びデータ転送
制御部PDの動作を有効にする(ステップSTP3
0)。次に、パソコンPCでは、上記で読み取ったヘッ
ダデータ及び各種制御データから、該データファイルの
記録サンプリング周波数情報を示すサンプルレートデー
タを取り出し、これをシリアル通信バスSRBを介して
記録再生制御装置RUに送出する(ステップST3
1)。
【0095】記録再生制御装置RUでは、シリアル通信
バスSRBを介して受け取ったサンプルレートデータに
応じて再生読出しレートデータ(RT0〜RT3)を作成
し、これを再生音発生部TGに与える(ステップSTP
31)。次に、パソコンPCでは、上記で読み取ったヘ
ッダデータ及び各種制御データに基づき、該データファ
イルにおけるインターリーブの有無に応じてセグメント
データSEGとインターリーブデータILDを送出する
(ステップST32,ST33)。記録再生制御装置R
Uでは、これらのデータSEG,ILDをシリアル通信
バスSRBを介して受け取り、再生及び転送制御部PD
に与える(ステップSTP32,STP33)。
【0096】次に、パソコンPCでは、該データファイ
ルにおいて最初に再生を行なうべき記録領域(例えば図
7のRE1)を指示する情報を送出する(ステップST
34)。この記録領域指示情報がシリアル通信バスSR
Bを介して記録再生制御装置RUに与えられる。これに
基づき、記録再生制御装置RUでは、SCSIバスを介
して接続されたハードディスクHDに対してイニシエー
タとして振る舞い、指示された該記録領域から読出しを
行なうべきことを該ハードディスクHDに対して指示す
る(ステップSTP34)。
【0097】次に、パソコンPCでは、最初に取り込み
バッファメモリXBUFA,XBUFBに取り込まれる
データセット(例えば図9の第0セットのデータ)にお
ける最初の4キロワードの波形データブロックBK0の
スタートアドレスとエンドアドレスを指示するデータを
送出する(ステップST35)。記録再生制御装置RU
は、この指示データをシリアル通信バスSRBを介して
受け取り、最初にバッファメモリXBUFA,XBUF
Bから読み出すブロックのスタートアドレスデータST
AとストップアドレスデータSTPを与える。そして、
このスタートアドレスデータSTAとストップアドレス
データSTPの範囲の最初のブロックのデータをバッフ
ァメモリXBUFA,XBUFBから読み出し、これを
再生バッファメモリPBUFA,PBUFBに書き込む
(ステップSTP35)。次に、パソコンPCでは、再
生動作をスタートすることを指示する(ステップST3
6)。これに基づき、記録再生制御装置RUでは、再生
音発生部TGのアドレスカウンタ70に対してアドレス
発生演算動作をスタートさせる指示を与え、かつエンベ
ロープ補間器76に対してエンベロープ波形発生演算を
スタートさせる指示を与える(ステップSTP36)。
【0098】こうして、再生スタート指示を一旦与える
と、パソコンPCは再生動作処理を終了する。その後
は、図11により前述したように再生及び転送制御部P
Dでは独自に読み書き制御動作及びデータ転送動作を行
ない、また再生音発生部TGでも独自の再生読出し制御
動作を行なう。従って、パソコンPCはハードディスク
HDからのデータ再生読出し作業から開放され、その他
の処理を適宜行なうことができる。
【0099】パソコンPCにおいては、適宜のチャンネ
ル割当て手法に従ってハードディスクHDから転送する
波形データを割当てるチャンネルを決定し、これに従っ
てインターリーブデータILDを発生するようにすると
よい。1つの例として所定の割当て処理を実行する手法
がある。すなわち、楽音発生チャンネルCH0〜CH3
のうち使用されていないチャンネルをサーチし、見つか
った未使用チャンネルに対応してインターリーブデータ
ILDを発生し、そのチャンネルにハードディスクHD
から転送する波形データを割当てるようにしてよい。そ
の場合に、必要な数の未使用チャンネルがなかった場合
は、適当な基準に従って処理するようにしてよい。例え
ば、エラーとしてハードディスクHDからの波形データ
転送を中止する、あるいは、所定のトランケート処理を
実行して使用中のチャンネルの古い割当てを解除するこ
とによりチャンネルを確保する、などの処理を行なうよ
うにしてよい。
【0100】別の例としては、演奏者が再生コマンドを
入力する際に、どのファイルをどのチャンネルに割当て
るかまでをも指定するようにし、その指定に従って、イ
ンターリーブデータILDを発生するようにしてもよ
い。更に、別の例としては、各ファイルのヘッダデータ
の中にどのチャンネルに割当てて再生すべきかを指示す
るデータをも記録しておき、そのデータに従って、イン
ターリーブデータILDを発生するようにしてもよい。
【0101】〔波形サンプルデータのインターリーブ状
態例〕図16は、ハードディスクHDから取り込みバッ
フアメモリXBUFA,XBUFBに取り込まれる波形
サンプルデータのインターリーブ状態を例示するもので
ある。例1は3チャンネルインターリーブの例であり、
例2は2チャンネルインターリーブの例である。W0S
0Hは、チャンネル0(W0)のサンプル0の波形デー
タの上位8ビット(S0H)を示す。W0S0Lは、チ
ャンネル0(W0)のサンプル0の波形データの下位8
ビット(S0L)を示す。他も同様の表示法を採用して
おり、W1はチャンネル1を示し、W2はチャンネル2
を示す。また、S1Hはサンプル1の波形データの上位
8ビット、S1Lはサンプル1の波形データの下位8ビ
ットを示す。図から判るように、インターリーブ状態に
おいては、1ワード毎に異なるチャンネルの波形サンプ
ルデータが交互に配置されている。
【0102】〔インターリーブデータの再生動作例の説
明〕インターリーブ再生についての理解を深めるため
に、2チャンネルインターリーブされている1つのデー
タファイルを再生する例について以下説明する。1つの
データファイルのみを再生する場合に、セグメントデー
タSEGは“0”とされ、インターリーブ再生モードと
なる。取り込みバッファメモリXBUFA,XBUFB
は図8の(a)に示すように、A,Bからなる2つの部
分に分けて使用される。この場合1つのメモリ部分は6
4キロワードの容量があるが、この例では、1データセ
ット=16キロワードのみを記憶するものとする。1チ
ャンネル分の波形データの1ブロックは4キロワードで
あるので、2チャンネルインターリーブされた状態での
1ブロック全体のサイズは8キロワードである。また、
ハードディスクHDから取り込みバッファメモリXBU
FA,XBUFBへの転送は、1データセット=16キ
ロワード単位で行なわれるものとし、そのための転送時
間は例えば62msかかる。
【0103】まず、第0セットの16キロワードをバッ
ファメモリXBUFAに取り込み、続いて、第1セット
の16キロワードをバッファメモリXBUFBに取り込
む。その後、後述のように、再生バッファメモリPBU
FA,PBUFBへのデータ転送が行なわれる。一方の
バッファメモリXBUFAの波形データをすべて再生バ
ッフアメモリPBUFA,PBUFBに転送し終えた
ら、次の第2セットの16キロワードを該バッファメモ
リXBUFAに取り込む。また、他方のバッファメモリ
XBUFBの波形データをすべて再生バッフアメモリP
BUFA,PBUFBに転送し終えたら、更に次の第3
セットの16キロワードを該バッファメモリXBUFB
に取り込む。こうして、ハードディスクHDから2つの
取り込みバッファメモリXBUFA,XBUFBへの1
6キロワード単位のデータ転送は、交互に行なわれる。
【0104】取り込みバッファメモリXBUFA,XB
UFBから再生バッフアメモリPBUFA,PBUFB
への転送は、前述のようにインターリーブを解除しなが
ら、1ブロック=4キロワード単位で行なわれる。ま
ず、最初の波形データブロックBK0のデータすなわち
2チャンネル×4キロワード=8キロワードのデータ
を、前述した読出しカウンタ53(図11)の制御によ
ってアドレス指定されたバッファメモリXBUFAの順
次アドレスから順次読み出し、同時に転送書込みカウン
タ58(図11,図13)の制御によってインターリー
ブデータILDによって指定されたチャンネルに対応す
る再生バッフアメモリPBUFA0〜PBUFA3にこ
れらの読み出しデータを分配してその順次アドレスに順
次書き込む。このとき、最初の1ブロックBK0のデー
タが第0セットと第1セットの間にまたがっている場合
は、もう一方の取り込みバッファメモリXBUFBから
もブロックBK0の残りのデータを読み出して再生バッ
フアメモリPBUFA0〜PBUFA3に転送する。
【0105】前述のように、インターリーブデータIL
Dは、インターリーブされている各チャンネルの波形デ
ータを割当てる複数の発音チャンネルに対応して信号
“1”となる。例えば、チャンネルCH0とチャンネル
CH2に割当てる場合は、インターリーブされた第1チ
ャンネルの波形データがチャンネルCH0に対応する再
生バッフアメモリPBUFA0に転送され、第2チャン
ネルの波形データがチャンネルCH2に対応する再生バ
ッフアメモリPBUFA2に転送される。なお、取り込
みバッファメモリXBUFA,XBUFBから再生バッ
フアメモリPBUFA,PBUFBへのデータ転送時間
は高速であり、例えば4キロワード当たり2.6msで
ある。引き続いて、上述と同様のやりかたで、次のブロ
ックBK1の4キロワードデータをB再生バッフア(P
BUFB0,PBUFB2)に転送記憶する。
【0106】こうして、インターリーブされている各チ
ャンネルの波形データを割当てた楽音発生チャンネルに
対応するA,B両方の再生バッフアメモリPBUFA,
PBUFBに最初と次のブロックBK0,BK1の波形
データをそれぞれ転送記憶し終えると、スタンバイとな
る。この状態で、演奏者が再生スタートスイッチをオン
すると、再生音発生部TG(図14)による再生バッフ
アメモリPBUFA0〜PBUFB3の読み出し処理が
スタートし、波形データの再生発音が開始する。
【0107】まず、Aの再生バッフアメモリPBUFA
0〜PBUFA3から再生読み出しを行ない、それが終
わるとBの再生バッフアメモリPBUFB0〜PBUF
B3から再生読み出しを行なう。読み出しが終わった再
生バッフアメモリには、次の1ブロックの4キロワード
データが、前述の要領で、取り込みバッフアメモリXB
UFA,XBUFBから転送されてくる。こうして、A
の再生バッフアメモリPBUFA0〜PBUFA3と、
Bの再生バッフアメモリPBUFB0〜PBUFB3の
読み出しと書替が交互に繰り返される。
【0108】〔セグメント再生動作例の説明〕セグメン
ト再生についての理解を深めるために、4つのデータフ
ァイルを同時再生する例について以下説明する。前述の
ように、複数のデータファイルを同時再生する場合は、
セグメントデータSEGは“1”に設定される。すなわ
ち、セグメント再生モードとされる。取り込みバッファ
メモリXBUFA,XBUFBは図8の(b)に示すよ
うに、各セグメント0〜3毎のA,B2つの部分(合計
8個の部分XBUFA0〜XBUFB3)に分けて使用
される。この場合、1つのメモリ部分は16キロワード
の容量であり、1データセット=16キロワードのデー
タを記憶することができる。ハードディスクHDから取
り込みバッファメモリXBUFA0〜XBUFB3への
転送は、前述と同様に、1データセット=16キロワー
ド単位で行なわれる。
【0109】まず、各データファイルの第0セットの1
6キロワードデータをそれぞれに対応するAバッファメ
モリXBUFA0〜XBUFA3に夫々取り込み、続い
て、各データファイルの第1セットの16キロワードデ
ータをそれぞれに対応するBバッファメモリXBUFB
0〜XBUFB3に夫々取り込む。その後、再生バッフ
アメモリPBUFA,PBUFBにデータ転送し終える
毎に、ハードディスクHDからの16キロワード単位の
データ取り込みが交互に行なわれる点は前述と同様であ
る。
【0110】取り込みバッファメモリXBUFA0〜X
BUFB3から再生バッフアメモリPBUFA0〜PB
UFB3へのデータ転送は、1ブロック=4キロワード
単位で、1セグメント毎に時分割で、行なわれる。ま
ず、セグメント0のAバッファメモリXBUFA0への
第0セットの16キロワードデータの取り込みが完了し
たら、該メモリXBUFA0から、最初の波形データブ
ロックBK0の4キロワードデータを、前述した読出し
カウンタ53(図11)の制御によって順次読み出し、
同時に転送書込みカウンタ58(図11,図13)の制
御によってインターリーブデータILDによって指定さ
れた1つの割当てチャンネル(例えばCH0)に対応す
るA再生バッフアメモリPBUFA0にこれらの読み出
しデータを分配してその順次アドレスに順次書き込む。
この転送に要する時間は2.6msであるからすぐに終
了する。次に、セグメント0のメモリXBUFA0か
ら、次の波形データブロックBK1の4キロワードデー
タを読み出し、インターリーブデータILDによって指
定されたチャンネルCH0に対応するB再生バッフアメ
モリPBUFB0にこれらの読み出しデータを分配して
その順次アドレスに順次書き込む。
【0111】次に、セグメント1のAバッファメモリX
BUFA1への第0セットの16キロワードデータの取
り込みが完了したら、上述と同様に、該メモリXBUF
A1からブロックBK0とBK1の各4キロワードデー
タを夫々読み出し、インターリーブデータILDによっ
て指定された1つの割当てチャンネル(例えばCH1)
に対応する再生バッフアメモリPBUFA1,PBUF
B1にこれらの読み出し波形データを転送記憶する。他
のセグメント2,3についても同様である。こうして、
各データファイル(セグメント0〜3)を割当てた楽音
発生チャンネルCH0〜CH3に対応するA,B両方の
再生バッフアメモリPBUFA0〜PBUFB3に、各
データファイルの最初と次のブロックBK0,BK1の
波形データをそれぞれ転送記憶し終えると、スタンバイ
となる。この状態で、演奏者が再生スタートスイッチを
オンすると、再生音発生部TG(図14)による再生バ
ッフアメモリPBUFA0〜PBUFB3の読み出しが
スタートし、複数データファイルの波形データの同時再
生発音が開始する。
【0112】前述と同様に、Aの再生バッフアメモリP
BUFA0〜PBUFA3から再生読み出しを行ない、
それが終わるとBの再生バッフアメモリPBUFB0〜
PBUFB3から再生読み出しを行なう。読み出しが終
わった再生バッフアメモリには、次の1ブロックの4キ
ロワードデータが、前述の要領で、各セグメント毎に時
分割的に取り込みバッフアメモリXBUFA0〜XBU
FB3から転送されてくる。こうして、Aの再生バッフ
アメモリPBUFA0〜PBUFA3と、Bの再生バッ
フアメモリPBUFB0〜PBUFB3の読み出しと書
替が交互に繰り返される。
【0113】〔再生モードの変形例〕上述では、再生モ
ードはインターリーブ再生モードとセグメント再生モー
ドの2種類からなるとして、インターリーブ再生モード
とセグメント再生モードが互いに排他的であるかのよう
に説明した。しかし、セグメント再生モードの中にイン
ターリーブ再生処理を含んでいてもよい。すなわち、セ
グメントデータSEG=“1”として、複数のデータフ
ァイルを同時再生するモード、つまりセグメント再生モ
ードを選択した場合、同時再生する複数のデータファイ
ルのうち少なくとも1つがインターリーブされた複数チ
ャンネルの波形データを含んでいてもよい。そのために
は、インターリーブデータILDを適切に与えてやれば
よい。
【0114】以下説明を行なうための一例として、2つ
のデータファイルF1とF2を同時再生するセグメント
再生モードが選択され、データファイルF1は3チャン
ネルインターリーブのデータであり、データファイルF
2はインターリーブされていないデータであるとする。
また、発音チャンネル割当て状態は、インターリーブさ
れているデータファイルF1の第1チャンネルの波形デ
ータを楽音発生チャンネルCH0に、第2チャンネルの
波形データを楽音発生チャンネルCH1に、第3チャン
ネルの波形データを楽音発生チャンネルCH3に、イン
ターリーブされていないデータファイルF2の波形デー
タを楽音発生チャンネルCH2に、それぞれ割当てると
する。
【0115】ハードディスクHDから取り込みバッファ
メモリXBUFA0〜XBUFB3へ、そして更に再生
バッファメモリPBUFA0〜PBUFB3へと至るデ
ータ転送動作は、基本的には、前記セグメント再生モー
ドの時と同じである。まず、取り込みバッファメモリX
BUFA,XBUFBは図8の(b)に示すように、各
セグメント0〜3毎のA,B2つの部分(合計8個の部
分XBUFA0〜XBUFB3)に分けて使用される。
ただし、この場合、データファイルは2つだけであるか
ら、実際には、2セグメント分の取り込みバッファメモ
リXBUFA0,XBUFB0,XBUFA1,XBU
FB1だけが使用される。例えば、データファイルF1
のデータはセグメント0の取り込みバッファメモリXB
UFA0,XBUFB0に取り込むとする。また、デー
タファイルF2のデータはセグメント1の取り込みバッ
ファメモリXBUFA1,XBUFB1に取り込むとす
る。これに対して、楽音発生チャンネルCH0〜CH3
は全チャンネル使用されるので、再生バッファメモリP
BUFA0〜PBUFB3はすべて使用される。
【0116】前述のチャンネル割当て内容に従って、イ
ンターリーブデータILDは、セグメント0の取り込み
バッファメモリXBUFA0,XBUFB0から1ブロ
ック=3チャンネル×4キロワード=12キロワードデ
ータを読み出すとき、3つのチャンネルCH0,CH
1,CH3に対応して“1”となるように与える。これ
により、前述から明らかなように、各チャンネルCH
0,CH1,CH3に対応する再生バッファメモリPB
UFA0〜PBUFB3を順次指定して、それらに対し
てインターリーブ解除した波形データをそれぞれ分配す
ることができる。また、インターリーブデータILD
は、セグメント1の取り込みバッファメモリXBUFA
1,XBUFB1から1ブロック=4キロワードデータ
を読み出すとき、チャンネルCH2に対応して“1”と
なるように与える。これにより、前述から明らかなよう
に、該チャンネルCH2に対応する再生バッファメモリ
PBUFA2,PBUFB2を指定して、波形データを
転送することができる。
【0117】次に、更に詳しい再生処理手順について説
明する。図17は、再生準備段階及び再生開始時におけ
るデータ転送タイミングを示す略図である。まず、再生
準備段階について説明すると、3チャンネルインターリ
ーブされているデータファイルF1の第0セットS0の
16キロワードデータをハードディスクHDからバッフ
ァメモリXBUFA0に取り込み(t0のあたりを参
照)、続いて、第1セットS1の16キロワードデータ
をハードディスクHDからバッファメモリXBUFB0
に取り込む(t1のあたりを参照)。16キロワードデ
ータの取り込みに要する時間は前述のように62msで
ある。
【0118】この取り込みが終了すると、該メモリXB
UFA0,XBUFB0から、前述のようにインターリ
ーブを解除しながら、再生バッファメモリPBUFA0
〜PBUFA3の各チャンネルCH0,CH1,CH3
にそれぞれ1ブロック=4キロワードの波形データを転
送する処理を行なう(t2のあたりを参照)。まず、最
初の波形データブロックBK0のデータすなわち3チャ
ンネル×4キロワード=12キロワードのデータを、前
述した読出しカウンタ53の制御によってバッファメモ
リXBUFA0から順次読み出し、同時に転送書込みカ
ウンタ58の制御によってインターリーブデータILD
によって指定される各チャンネルCH0,CH1,CH
3に対応する再生バッフアメモリPBUFA0,PBU
FA1,PBUFA3にこれらの読み出しデータを分配
してその順次アドレスに順次書き込む。この転送に要す
る時間は、前述のように、2.6ms×3=7.8ms
である。このとき、最初の1ブロックBK0のデータが
第0セットと第1セットの間にまたがっている場合は、
もう一方の取り込みバッファメモリXBUFB0からも
ブロックBK0の残りのデータを読み出して再生バッフ
アメモリPBUFA0,PBUFA1,PBUFA3に
転送する。
【0119】更に、同様の処理によって、次のブロック
BK1の波形データをメモリXBUFA0,XBUFB
0から読み出して、もう一方の再生バッフアメモリPB
UFA0,PBUFA1,PBUFA3に転送記憶する
(t2のあたりを参照)。なお、図17における表示
“XBUF(0)→PBUF(0,1,3)”は、セグ
メント0の取り込みバッファメモリXBUFA0,XB
UFB0のA,Bどちらかの部分から、各チャンネルC
H0,CH1,CH3の再生バッフアメモリPBUFA
0,PBUFA1,PBUFA3,PBUFB0,PB
UFB1,PBUFB3のA,Bどちらかの部分にデー
タを転送する処理のタイミングを示す。表示“XBUF
(1)→PBUF(2)”も同様に、セグメント1の取
り込みバッファメモリXBUFA1,XBUFB1の
A,Bどちらかの部分から、チャンネルCH2の再生バ
ッフアメモリPBUFA2,PBUFB2のA,Bどち
らかの部分にデータを転送する処理のタイミングを示
す。
【0120】一方、データファイルF2の第0セットS
0の16キロワードデータをハードディスクHDからバ
ッファメモリXBUFA1に取り込む(t2のあたりを
参照)。その後、最初のブロックBK0と次のブロック
BK1の波形データを、インターリーブデータILDに
よって指定されるチャンネルCH2に対応する再生バッ
フアメモリPBUFA2,PBUFB2に転送記憶する
(t3のあたりを参照)。次に、データファイルF1の
第2セットS2の16キロワードデータをハードディス
クHDからバッファメモリXBUFA0に取り込み(t
3のあたりを参照)、続いて、データファイルF2の第
1セットS1の16キロワードデータをハードディスク
HDからバッファメモリXBUFB1に取り込む(t4
のあたりを参照)。
【0121】こうして、各楽音発生チャンネルCH0〜
CH3に対応するA,B両方の再生バッフアメモリPB
UFA0〜PBUFB3に、各波形データの最初と次の
ブロックBK0,BK1の波形データをそれぞれ転送記
憶し終えると、スタンバイとなる。この状態で、演奏者
が再生スタートスイッチをオンすると、再生音発生部T
G(図14)による再生バッフアメモリPBUFA0〜
PBUFB3の読み出しがスタートし、複数データファ
イルの波形データの同時再生発音が開始する。
【0122】同時再生される2つのデータファイルF
1,F2のサンプリングレートが異なっているものと仮
定して以下説明する。例えば、データファイルF1のサ
ンプリングレートが48kHzであるとすると、アドレ
スカウンタ70(図14)では発音チャンネルCH0,
CH1,CH3の処理タイムスロットにおいて48kH
zに対応する読出しレートデータRT0を用いてアドレ
スインクリメントを行なう。また、データファイルF2
のサンプリングレートが36kHzであるとすると、ア
ドレスカウンタ70では発音チャンネルCH2の処理タ
イムスロットにおいて36kHzに対応する読出しレー
トデータRT2を用いてアドレスインクリメントを行な
う。図17においては、それぞれの読出しレートデータ
に従ってアドレスカウンタ70から発生される再生読出
しアドレス信号PRADの変化状態が略示してある。付
記されている符号A,Bは、A,Bどちらの再生バッフ
ァメモリ部分にアクセスしているかを示している。アド
レス信号PRADの1サイクルは4kW+4kW=8キ
ロワードである。明らかなように、読出しレートデータ
が異なれば、アドレス信号PRADのインクリメントの
傾きが異なっている。
【0123】再生発音を開始した後のデータ転送処理の
基本動作は、4キロワード分の波形データ読み出しを終
了した再生バッファメモリに、新しい4キロワード分の
波形データを転送記憶すること、及び16キロワード分
の波形データ読み出しを終了した取り込みバッファメモ
リに、新しい16キロワード分の波形データをハードデ
ィスクHDから転送記憶すること、である。
【0124】例えば、図17の時刻t5では、チャンネ
ルCH2のA再生バッファメモリPBUFA2からの4
キロワード分の波形データ読み出しが完了し、次からは
B再生バッファメモリPBUFB2から読み出しを行な
うようになる。そこで、A再生バッファメモリPBUF
A2からの読み出しが完了した後に、次のブロックBK
2の4キロワード分の波形データをメモリXBUFA1
又はXBUFB1からAの再生バッファメモリPBUF
A2に転送する。
【0125】図17の時刻t6では、チャンネルCH
0,CH1,CH3のA再生バッファメモリPBUFA
0,PBUFA1,PBUFA3からの4キロワード分
の波形データ読み出しがそれぞれ完了し、次からはB再
生バッファメモリPBUFB0,PBUFB1,PBU
FB3から読み出しを行なうようになる。そこで、A再
生バッファメモリPBUFA0,PBUFA1,PBU
FA3からの読み出しが完了した後に、次のブロックB
K2の各4キロワード分の波形データをメモリXBUF
B0又はXBUFA0から各再生バッファメモリPBU
FA0,PBUFA1,PBUFA3に転送する。
【0126】この時点で、データファイルF1(セグメ
ント0)の3ブロック分BK0,BK1,BK2の3チ
ャンネルインターリーブされた波形データ(合計3×1
2=36キロワード)の転送が終了したことになる。第
0セットS0の前部分にはヘッダデータやその他の波形
データ以外のデータがあり、これは、前述のように、再
生バッファメモリには転送されない。3ブロック分BK
0,BK1,BK2の3チャンネルインターリーブされ
た合計36キロワードの波形データは、第0セットS0
から第2セットS2にわたって位置している。従って、
3番目のブロックBK2の3チャンネルインターリーブ
された波形データを再生バッファメモリPBUFA0,
PBUFA1,PBUFA3に転送し終えたとき、少な
くとも、取り込みバッファメモリXBUFB0にストア
している第1セットの波形データはすべて転送済みであ
る。従って、この取り込みバッファメモリXBUFB0
に新しい波形データを取り込むことが許される。そこ
で、時刻t6におけるブロックBK2の波形データの再
生バッファメモリPBUFA0,PBUFA1,PBU
FA3への転送時間(7.8ms)が終了した後に、デ
ータファイルF1の第3セットS3の波形データ16キ
ロワードをハードディスクHDからセグメント0のB取
り込みバッファメモリXBUFB0に転送する処理を行
なう。
【0127】図17の時刻t7では、チャンネルCH2
のB再生バッファメモリPBUFB2からの4キロワー
ド分の波形データ読み出しが完了する。そこで、B再生
バッファメモリPBUFB2からの読み出しが完了した
後に、次のブロックBK3の4キロワード分の波形デー
タをメモリXBUFA1又はXBUFB1からB再生バ
ッファメモリPBUFB2に転送する。
【0128】この時点で、データファイルF2(セグメ
ント1)の4ブロック分BK0,BK1,BK2,BK
3の波形データ(合計4×4=16キロワード)の転送
が終了したことになる。前述のように、第0セットS0
の前部分にはヘッダデータやその他の波形データ以外の
データがあるので、4ブロック分BK0,BK1,BK
2,BK3のインターリーブされていない合計16キロ
ワードの波形データは、第0セットS0から第1セット
S1にわたって位置している。従って、4番目のブロッ
クBK3の波形データを再生バッファメモリPBUFB
2に転送し終えたとき、少なくとも、取り込みバッファ
メモリXBUFA1にストアしている第0セットS0の
波形データはすべて転送済みである。従って、この取り
込みバッファメモリXBUFA1に新しい波形データを
取り込むことが許される。しかし、時刻t7では、まだ
ハードディスクHDはデータフアイルF1のデータ転送
動作を行なっている最中なので、メモリXBUFA1へ
のデータ取り込みはすぐには行なわない。ハードディス
クHDからメモリXBUFB0へのデータフアイルF1
のデータ転送動作が終了してから、ハードディスクHD
からセグメント1のA取り込みバッファメモリXBUF
A1にデータファイルF2の第2セットS2の16キロ
ワード波形データを取り込む処理を行なう。
【0129】図17の時刻t8では、チャンネルCH
0,CH1,CH3のB再生バッファメモリPBUFB
0,PBUFB1,PBUFB3からの4キロワード分
の波形データ読み出しがそれぞれ完了する。そこで、B
再生バッファメモリPBUFB0,PBUFB1,PB
UFB3からの読み出しが完了した後に、次のブロック
BK3の各4キロワード分の波形データをメモリXBU
FA0又はXBUFB0から各再生バッファメモリPB
UFB0,PBUFB1,PBUFB3に転送する。
【0130】この時点で、データファイルF1の4ブロ
ック分BK0〜BK3の3チャンネルインターリーブさ
れた波形データ(合計4×12=48キロワード)の転
送が終了したことになり、少なくとも、A取り込みバッ
ファメモリXBUFA0にストアしている第2セットS
2の波形データはすべて転送済みである。従って、この
取り込みバッファメモリXBUFA0に新しい波形デー
タを取り込むことが可能であるが、ハードディスクHD
はデータファイルF2のデータを転送している最中であ
るため、直ちにそれを行なわずに、その終了を待って行
なう。
【0131】図17の時刻t9では、チャンネルCH
0,CH1,CH3のA再生バッファメモリPBUFA
0,PBUFA1,PBUFA3からの4キロワード分
の波形データ読み出しがそれぞれ完了する。そこで、A
再生バッファメモリPBUFA0,PBUFA1,PB
UFA3からの読み出しが完了した後に、次のブロック
BK4の各4キロワード分の波形データをメモリXBU
FA0又はXBUFB0から各再生バッファメモリPB
UFA0,PBUFA1,PBUFA3に転送する。
【0132】この時点で、データファイルF1の5ブロ
ック分BK0〜BK4の3チャンネルインターリーブさ
れた波形データ(合計5×12=60キロワード)の転
送が終了したことになり、少なくとも、B取り込みバッ
ファメモリXBUFB0にストアしている第3セットS
3の波形データはすべて転送済みである。従って、この
取り込みバッファメモリXBUFB0に新しい波形デー
タを取り込むことが可能であり、データファイルF1の
第5セットS5の16キロワードデータをハードディス
クHDから転送する。
【0133】なお、ほぼ同じ時刻t9では、チャンネル
CH2のB再生バッファメモリPBUFB2からの4キ
ロワード分の波形データ読み出しも完了するので、次の
ブロックBK5の4キロワード分の波形データをメモリ
XBUFA1又はXBUFB1からB再生バッファメモ
リPBUFB2に転送する。前述のように、取り込みバ
ッファメモリから再生バッファメモリへのデータ転送
は、セグメント別に異なる時間スロットで行なわれるの
で、例えば、セグメント0のデータの各再生バッファメ
モリPBUFA0,PBUFA1,PBUFA3への転
送時間(7.8ms)が終わるのを待って、セグメント
1のデータの再生バッファメモリPBUFB2への転送
を行なう。
【0134】図17の時刻t10では、チャンネルCH
0,CH1,CH3のB再生バッファメモリPBUFB
0,PBUFB1,PBUFB3からの4キロワード分
の波形データ読み出しがそれぞれ完了する。そこで、B
再生バッファメモリPBUFB0,PBUFB1,PB
UFB3からの読み出しが完了した後に、次のブロック
BK5の各4キロワード分の波形データをA取り込みバ
ッファメモリXBUFA0から各B再生バッファメモリ
PBUFB0,PBUFB1,PBUFB3に転送す
る。
【0135】この時点で、データファイルF1の6ブロ
ック分BK0〜BK5の3チャンネルインターリーブさ
れた波形データ(合計6×12=72キロワード)の転
送が終了したことになる。例えば、第0セットS0のヘ
ッダデータ及びその他の波形データ以外のデータの容量
が8キロワード未満とすると、このときA取り込みバッ
ファメモリXBUFA0にストアしている第4セットS
4の波形データのすべての転送はまだ完了していない。
従って、時刻t10では、ハードディスクHDから取り込
みバッファメモリXBUFA0へのデータ転送は行なわ
ない。
【0136】図17の時刻t11では、チャンネルCH2
のB再生バッファメモリPBUFB2からの4キロワー
ド分の波形データ読み出しが完了し、次のブロックBK
7の4キロワード分の波形データをメモリXBUFA1
又はXBUFB1からB再生バッファメモリPBUFB
2に転送する。この時点で、データファイルF2の8ブ
ロック分BK0〜BK7の波形データ(合計8×4=3
2キロワード)の転送が終了したことになる。従って、
少なくとも、取り込みバッファメモリXBUFB1にス
トアしている第1セットS1の波形データはすべて転送
済みであり、このメモリXBUFB1に新しい波形デー
タを取り込むことができる。そこで、ハードディスクH
Dからセグメント1のB取り込みバッファメモリXBU
FB1にデータファイルF2の第3セットS3の16キ
ロワード波形データを取り込む処理を行なう。以下同様
に、各再生バッファメモリPBUFA0〜PBUFB3
からの波形データ読み出しの進展に対応して、適切なデ
ータ転送処理が行なわれる。
【0137】次に、上述と同じデータファイルF1,F
2を使用して、上記例とは幾分異なる再生処理を行なう
場合について図18を参照して説明する。なお、各デー
タファイルF1,F2の波形データのチャンネル割当て
は、上記例と同じであるとする。この図18は、データ
ファイルF2を再生発音している最中に、データファイ
ルF1の再生発音をスタートする場合のデータ転送タイ
ミング例を示すものである。
【0138】図18におけるデータファイルF2の再生
状態は、時刻t20で、チャンネルCH2のB再生バッフ
ァメモリPBUFB2からの4キロワード分の波形デー
タ読み出しが完了し、これによって次のブロックの4キ
ロワード分の波形データをメモリXBUFA1又はXB
UFB1からB再生バッファメモリPBUFB2に転送
し、その後、データファイルF2の第13セットS13の
16キロワード波形データをハードディスクHDからセ
グメント1のB取り込みバッファメモリXBUFB1に
取り込む処理を行なうようになっている状態であるとす
る。
【0139】時刻t21でデータファイルF1の再生準備
を行なうことが指示されたとすると、前述のように、ま
ず、データファイルF1の第0セットS0の16キロワ
ード波形データをハードディスクHDからセグメント0
のA取り込みバッファメモリXBUFA0に取り込む処
理が行なわれる。図17の例では、この後、直ちに次の
第1セットS1のデータをハードディスクHDからセグ
メント0のB取り込みバッファメモリXBUFB0に取
り込むようにしているが、図18の例ではそうなってい
ない。
【0140】すなわち、図18の例では、データファイ
ルF1の第0セットS0のデータを取り込んでいる最中
に、チャンネルCH2のB再生バッファメモリPBUF
B2からの4キロワード分の波形データ読み出しが完了
し(時刻t22)、データファイルF2の第14セットS
14の16キロワード波形データをハードディスクHDか
ら取り込むべき条件が成立しているものとしている。そ
のような場合は、発音中のデータファイルF2のデータ
を取り込む処理を優先して行ない、発音に支障をきたさ
ないようにしている。すなわち、データファイルF1の
第0セットS0のデータ取り込みが終了した後、データ
ファイルF2の第14セットS14の16キロワード波形
データをハードディスクHDからセグメント1のA取り
込みバッファメモリXBUFA1に取り込む処理を行な
う。そして、このデータファイルF2の第14セットS
14のデータの取り込みが終了した後に、データファイル
F1の第1セットS1のデータをハードディスクHDか
らセグメント0のB取り込みバッファメモリXBUFB
0に取り込むようにしている。
【0141】その後、前述と同様に、メモリXBUFA
0,XBUFB0から、インターリーブを解除しなが
ら、A再生バッファメモリPBUFA0〜PBUFA3
の各チャンネルCH0,CH1,CH3にそれぞれ最初
のブロックBK0の波形データを転送する処理を行な
い、更にB再生バッファメモリPBUFB0〜PBUF
B3の各チャンネルCH0,CH1,CH3にそれぞれ
次のブロックBK1の波形データを転送する処理を行な
いう。次に、データファイルF1の第2セットS2の1
6キロワードデータをハードディスクHDからバッファ
メモリXBUFA0に取り込む。
【0142】こうして、データファイルF1の各波形デ
ータを割当てた各楽音発生チャンネルCH0,CH1,
CH3に対応するA,B両方の再生バッフアメモリPB
UFA0〜PBUFB3に、各波形データの最初と次の
ブロックBK0,BK1の波形データをそれぞれ転送記
憶し終えると、データファイルF1が再生スタンバイと
なる。この状態で、演奏者が再生スタートスイッチをオ
ンすると、データファイルF1の再生処理動作がスター
トする。その後の処理は前述と同様である。なお、図1
8の例のようなセグメント再生モードにおける各セグメ
ント(データファイル)の独立再生処理を行なう場合
は、各セグメント0〜3毎に独立に再生準備開始指示及
び再生開始指示を与えることができるように、指示スイ
ッチ等が設けられる。
【0143】〔データファイルの別のフォーマット例〕
図9に示したデータファイルのフォーマットは、ヘッダ
データやMIDIデータ、その他の制御情報がファイル
の先頭部分に一括して記憶され、その後に、すべての波
形サンプルデータ(オーディオデータ)が連続して記憶
される構成である。このようなフォーマットの場合、す
べての発音期間にわたる波形サンプルデータ(オーディ
オデータ)に対応するMIDIデータや制御情報などを
適当なバッファメモリに保存しておかねばならず、その
ためのバッフアメモリに大容量が要求されてしまうとい
う問題がある。特に、1ファイルの波形データ量が多い
(発音時間が長い)場合に問題となる。
【0144】図19は、ハードディスクHDに記憶する
1つのデータファイルのデータフォーマットの別の例を
示すものであり、上記のような問題を解決するものであ
る。この例の場合、1つのデータファイルは、先頭にヘ
ッダ部を有し、最後尾にフッタ部を有する。ヘッダ部に
は、ファイル名、波形データの容量、波形データのサン
プリングレート、インターリーブの有無、インターリー
ブのチャンネル数、など、そのファイルの全波形データ
に共通の情報を示すデータが記憶される。ヘッダ部とフ
ッタ部との間には波形サンプルデータが記憶されている
が、複数ブロックBK0〜BKnからなる波形サンプル
データグループ毎にそれに先行して埋込データが記憶さ
れている。
【0145】埋込データは、それに後続する複数ブロッ
クBK0〜BKn分の波形サンプルデータグループに関
連する様々な制御情報とMIDIデータなどを含むもの
である。すなわち、MIDIデータや制御情報が埋込デ
ータとして、波形サンプルデータグループ毎に分散して
記憶されている。埋込データの記憶箇所はそれらを使用
する波形サンプルデータグループに対応している。すな
わち、或る記憶箇所に記憶された埋込データ内のMID
Iデータや制御情報は、それにすぐ続く記憶箇所に記憶
された波形サンプルデータグループに関連して使用され
るものである。
【0146】埋込データを構成するデータ群の具体例に
ついて説明すると、埋込データは、識別コード、次の波
形ブロック位置データ、次の波形ブロック時刻データ、
付加データコード、付加データからなる。識別コード
は、この埋込データを構成するデータ群の中にどのよう
なデータがあるかを示すものであり、例えば、付加デー
タの有無などを示すものである。次の波形ブロック位置
データは、この埋込データに続く最初の波形データブロ
ックBK0の先頭アドレス位置を示すデータであり、波
形データを取り出すための基準として利用される。次の
波形ブロック時刻データは、この埋込データに続く最初
の波形データブロックBK0の先頭アドレスに記憶され
ている波形サンプルデータの発音時刻を示すデータであ
る。この時刻データは、発音時刻単位でデータをサーチ
するために利用したり、サンプリングレートの異なる複
数ファイル(セグメント)の波形データを同時再生する
ときに相互の発音時刻のずれを修正するために利用した
りすることができる。
【0147】付加データコードは、各付加データを記憶
しているアドレス位置と容量を示すものである。付加デ
ータとしては、最大で4種類のデータが記憶可能であ
る。付加データ1は、MIDIシーケンスデータであ
る。このMIDIシーケンスデータは、MIDIフォー
マットで表わされた自動演奏シーケンスを示すデータで
あり、ストアした波形サンプルデータ(オーディオデー
タ)を再生演奏する際に同時に自動演奏を行なうための
ものである。付加データ2は、同期データであり、スト
アした波形サンプルデータとMIDIシーケンスデータ
との発音タイミングの同期をとるためのデータであ。例
えば、ストアした波形サンプルデータのテンポに合わせ
てMIDIシーケンスデータのテンポや発音タイミング
を修正するためのデータである。付加データ3は、オー
ディオデータに演奏効果をつけるための効果データであ
る。付加データ4は、MIDIシーケンスデータによる
自動演奏音の音色を設定するための音色データである。
1つの埋込データの記憶エリアには、上記の4つの付加
データをすべて記憶している必要はなく、必要なものだ
けを記憶していればよい。
【0148】この実施例において、埋込データの記憶エ
リアは、1024データセット毎に設定されている。1
セットのデータ群は図9の例と同様に16キロワード=
32キロバイトのデータ群からなっている。ヘッダ部に
続いて最初の埋込データが記憶されており、それに続い
て波形サンプルデータ(オーディオデータ)が複数ブロ
ックBK0〜BKn分記憶されている。1ブロックの波
形サンプルデータの容量は図9の場合と同様であり、イ
ンターリーブされていない場合は4キロワードであり、
インターリーブされている場合は4キロワード×インタ
ーリーブチャンネル数である。
【0149】第0セットから第1023セットまでの合
計1024データセット(1024×16キロワード)
のデータを記憶したエリアの最後のブロックがブロック
BKnである。第1023セットの終わりが最後のブロ
ックBKnの終わりに一致しているとは限らず、ブロッ
クBKnの途中で第1023セットが終わる可能性が高
い。その場合、ブロックBKnの残りのデータは、次の
エリアの第0セットの先頭に位置することになる。そし
て、この第0セットの先頭における前のエリアのブロッ
クBKnの残りのデータが終わった後に、次の埋込デー
タが記憶されている。そして、この埋込データに続いて
波形サンプルデータ(オーディオデータ)が複数ブロッ
クBK0〜BKn分記憶されている。
【0150】こうして、複数ブロックBK0〜BKnか
らなる波形サンプルデータグループ毎にそれに先行して
埋込データが記憶されている。最後の波形サンプルデー
タグループにおけるデータセット数は1024以下であ
り、このデータファイルにおけるオーディオデータの発
音完了と共にこのデータグループが終了する。従って、
最後のブロックBKmの番号mは、第1023セットの
最後のブロックBKnの番号nよりも小さな数になる場
合がほとんどであろう。最後のフッタ部においては、こ
のデータファイルの終わりであることを示す情報が記憶
されている。
【0151】〔埋込データを持つ場合の再生処理動作の
説明〕ハードディスクHDに記憶するデータファイルが
図19のようなデータフォーマットの場合も、各装置の
構成及び制御は、図1〜図14で示したものと同様のも
のを使用してよい。ただし、パソコンPCにおける処理
プログラムは、埋込データの存在を考慮して多少変更す
る必要がある。図20は、図15に示したパソコンPC
側の再生処理動作プログラムの変更例を示しており、上
述のように埋込データの存在を考慮して再生処理を行な
うことができるようにしたものである。なお、セグメン
ト再生モードによって複数のデータファイルを同時再生
する場合は、図20の処理は個々のデータファイル毎に
独立に行なわれる。
【0152】図20に従ってパソコンPCの制御による
再生処理動作について説明すると、まず、再生を行なう
データファイルを特定する処理を行なう(ステップST
40)。ここでは、演奏者によるデータファイル選択操
作に応じて、再生を行なうデータファイルを特定する。
次に、ハードディスクHDにアクセスし、特定されたデ
ータファイルのヘッダ部の各種データをロードし、ロー
ドしたデータに基づき各種処理を行なう(ステップST
41)。例えば、前述と同様に、サンプリングレートデ
ータを読み取り、これをシリアル通信バスSRBを介し
て記録再生制御装置RUに送出する。
【0153】次に、特定されたデータファイルにおける
インターリーブ状態に応じて必要な楽音発生チャンネル
を確保するためのチャンネル割当て処理を行なう(ステ
ップST42)。例えば、特定されたデータファイルが
インターリーブされていないものであれば、1つの楽音
発生チャンネルを確保するためのチャンネル割当て処理
を行なう。あるいは、特定されたデータファイルがイン
ターリーブされているものであれば、インターリーブチ
ャンネル数に応じた数の楽音発生チャンネルを確保する
ためのチャンネル割当て処理を行なう。このチャンネル
割当て結果に従ってインターリーブデータILDを与え
る。
【0154】このためのチャンネル割当て処理の手法
は、前述のように適宜の手法を採用してよい。すなわ
ち、楽音発生チャンネルCH0〜CH3のうち使用され
ていないチャンネルをサーチし、見つかった未使用チャ
ンネルに対して割り当てるようにすればよい。その場合
に、必要な数の未使用チャンネルがなかった場合は、適
当な基準に従って処理するようにしてよい。例えば、エ
ラーとしてハードディスクHDからの波形データ転送を
中止する、あるいは、所定のトランケート処理を実行し
て使用中のチャンネルの古い割当てを解除することによ
りチャンネルを確保する、などの処理を行なうようにし
てよい。別の例としては、演奏者が再生コマンドを入力
する際に、どのチャンネルに割当てるかまでをも指定す
るようにしてもよい。更に、別の例としては、各ファイ
ルのヘッダデータの中にどのチャンネルに割当てて再生
すべきかを指示するデータをも記録しておき、そのデー
タに従って、チャンネル割当てを行なうようにしてもよ
い。
【0155】次に、ヘッダ部の次に記憶されている最初
の埋込データをパソコンPC内のRAMにロードし、こ
の埋込データを利用するために必要な処理を行なう(ス
テップST43)。次に、指定されたデータファイルを
再生するための準備処理を行なうと共に、データセット
管理レジスタiを所期値0に設定する(ステップST4
4)。再生準備処理とは、図17や図18を参照して説
明した再生開始に先立つ再生準備段階の処理であり、前
述のように、第0セットと第1セットのデータをA,B
両方の取り込みバッファメモリXBUFA,XBUFB
に取り込み、かつ最初の2ブロックBK0,BK1の波
形データをA,B両方の再生バッファメモリPBUF
A,PBUFBに転送することを行なう。
【0156】なお、この場合、埋込データに続いて記憶
されている最初のブロックBK0の波形データの先頭記
憶位置は、埋込データ内に含まれる「次の波形ブロック
位置データ」によって判明するので、この「次の波形ブ
ロック位置データ」に基づきブロックBK0の波形デー
タの記憶位置を記録再生制御装置RUに対して指示して
やる。記録再生制御装置RUでは、この指示に応じて、
取り込みバッファメモリXBUFAに記憶した第0セッ
ト目のデータからヘッダ部データと埋込データを除外
し、ブロックBK0の波形データを適切に取り出して再
生バッファメモリPBUFAに転送する。以後のブロッ
クBK1,BK2,…の波形データの転送は、4キロワ
ード単位であるため、パソコンPCの側から格別の指示
を行なうことなく、記録再生制御装置RUの側で行なえ
る。
【0157】次に、演奏者によって再生スタート指示が
与えられるのを待ち、与えられたら、再生スタート命令
を記録再生制御装置RUに与え、再生音発生部TGによ
る再生発音動作を開始させる(ステップST45)。こ
の再生スタート指示に連動して、パソコンPC側ではR
AMにロードした埋込データ中のMIDIシーケンスデ
ータの読出しを開始する。読み出されたMIDIフォー
マットの自動演奏シーケンスデータは、図示しないMI
DIケーブルを介して図示しないMIDIデータ利用可
能な楽器に与えられ、その楽器において該MIDIデー
タに基づき自動演奏音が再生発音されることになる。こ
うして、再生音発生部TGによる波形データの再生発音
処理と同時に、MIDI楽器による自動演奏を一緒に行
なうことが可能である。
【0158】以後、パソコンPC側では、データ転送処
理の節目で、記録再生制御装置RUから送られて来る
(若しくはパソコンPCの内部で生成される)割込み信
号の有無をチェックし、その割込み信号の到来若しくは
生成に応じて必要な処理を行なう。まず、ステップST
46では、再生バッファメモリのいずれかの部分PBU
FA0〜PBUFB3からの1ブロック分の4キロワー
ド波形データの再生読み出しが完了する毎に与えられる
1ブロック再生終了時割込み信号の有無をチェックす
る。YESであれば、ステップST47に行き、1ブロ
ック再生読み出しが終了した再生バッファメモリ(これ
をPBUF(x)で示す)に対して、それに対応する取り
込みバッファメモリ(これをXBUF(x)で示す)から
次の1ブロック分の4キロワード波形データを転送す
る。この場合のデータ転送の詳細は図17,図18を参
照して既に説明した通りである。
【0159】次のステップST48では、取り込みバッ
ファメモリのいずれかの部分XBUFA0〜XBUFB
3からの1セット分の16キロワード波形データの転送
が完了したときに生成される1セット転送終了時割込み
信号の有無をチェックする。YESであれば、ステップ
ST49に行き、1セット分のデータ転送が終了した取
り込みバッファメモリ(これをXBUF(x)で示す)に
対してハードディスクHDから次の1セット分の16キ
ロワード波形データをロードする。この場合のデータロ
ードの詳細は図17,図18を参照して既に説明した通
りである。
【0160】次のステップST50では、データセット
管理レジスタiの値が最大セット値1023に到達した
かどうかをチェックする。NOであれば、ステップST
51に行き、iの値を1増加し、ステップST52に行
く。ステップST52では、再生停止操作に基づく割込
み信号、又は該データファイルの全波形データの読み出
し再生終了に基づく割込み信号が与えられたかをチェッ
クする。NOであれば、ステップST46に戻る。こう
して、レジスタiには、ハードディスクHDから取り込
みバッファメモリXBUFA0〜XBUFB3に転送済
みのデータセット数がストアされる。
【0161】最後の第1023セット目の波形データが
いずれかの取り込みバッファメモリXBUF(x)にロー
ドされたとき、ステップST50の判定時にはレジスタ
iの値はまだ1022であり、ステップST50はNO
であるから、ステップST51に行ってレジスタiの値
を1023に設定する。次に、第0セットのデータがい
ずれかの取り込みバッファメモリXBUF(x)にロード
されたとき、ステップST50の判定条件「i≧102
3?」がYESと成立し、ステップST53に行く。ス
テップST53では、この第0セット目に記憶されてい
る埋込データ(図19参照)をハードディスクHDから
パソコンPC内のRAMにロードし、この埋込データを
利用するために必要な処理を行なう。次のステップST
54では、データセット管理レジスタiの値を所期値0
に設定する。
【0162】次のステップST55は、埋込データが2
つのデータセット(つまり第0セットと第1セット)に
またがって記憶されている場合に行なう処理である。そ
うでない場合(つまり第0セットにのみ埋込データが記
憶されている場合)は、このステップST55の処理を
飛び越えてステップST56に行く。ステップST55
では、次のデータセットつまり第1セットから残りの埋
込データをRAM内にロードする。ステップST56で
は、この埋込データに続いて記憶されている最初のブロ
ックBK0の波形データの先頭記憶位置を記録再生制御
装置RUに対して指示する。前述の通り、最初のブロッ
クBK0の波形データの先頭記憶位置は、埋込データ内
に含まれる「次の波形ブロック位置データ」によって判
明する。この指示に基づき、記録再生制御装置RUで
は、取り込みバッファメモリXBUFにロードした第0
セットの16キロワードデータから埋込データを除外し
て、最初のブロックBK0の波形データの先頭記憶位置
をスタートアドレスデータSTAによってい指定するこ
とができる。その後、ステップST46に戻り、前述と
同様の処理を繰り返す。
【0163】やがて、再生停止操作が行なわれるか、若
しくは当該データファイルの全波形データの再生読み出
しが終了すると、ステップST52がYESとなり、ス
テップST57でストップ指示を与える。このストップ
指示に基づき、記録再生制御装置RUの再生音発生部T
Gでは、当該データファイルの波形データを割り当てて
いるチャンネルの発音処理を終了する。また、必要に応
じて、MIDIシーケンスデータに基づく自動演奏も停
止するよう制御してよい。なお、この発明に従って記録
再生するデータは波形データに限らず、その他の楽音デ
ータ(すなわち楽音に関連するあらゆる種類のデータ)
であってもよい。また、メモリに記憶する波形サンプル
データ(オーディオデータ)の符号化形式はPCM形式
に限らず、DPCM,ADPCM,DM,ADMなどど
のような形式であってもよい。
【0164】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、上位制
御装置によって管理される大容量記憶装置に直接的にア
クセス可能に接続される記録再生制御装置を設け、デー
タ書込み又は読出しの指示を上位制御装置から受け取
り、この指示に基づき記録再生制御装置の処理及び作業
によって大容量記憶装置に対するデータの読み書きを行
なうようにしたので、上位制御装置の負担を大きく軽減
することができる。これにより、上位制御装置では他の
様々な機能例えばシーケンサ自動演奏機能や演奏曲に連
動したコンピュータグラフィックス機能のための処理を
行なうことができるので、経済的であり、また再生演奏
時の機能を向上させることもできる。
【0165】また、大容量記憶装置から読み出された楽
音データを第1のバッファメモリに一旦取り込み、この
第1のバッファメモリに取り込んだ楽音データを第2の
バッファメモリに転送し、この第2のバッファメモリに
記憶した楽音データを所望の再生読出しレートで読み出
すようにしたので、大容量記憶装置からのデータ取り込
みと再生読出しの両方それぞれに適した構成とすること
ができ、再生系の簡素化を図ることができる。また、再
生時に適切に楽音データのインターリーブを解除するこ
とができるので、複数チャンネルの波形データがインタ
ーリーブされたデータを大容量記憶装置に記憶すること
ができると共に、これを適切に同時再生することができ
る。
【0166】また、大容量記憶装置に記録された複数の
データファイルの楽音データを所定単位毎にそれぞれ読
み出し、バッファメモリにそれぞれ記憶し、このバッフ
ァメモリに記憶した各データファイルの楽音データをそ
れぞれ読み出すことにより再生発音を行なうようにした
ので、大容量記憶装置に記録された複数のデータファイ
ルの楽音データを同時再生することができるようにな
る。従って、いろいろな組み合わせでデータファイルを
選択することにより、再生演奏に多様性をもたせること
ができる。
【0167】また、複数チャンネルの楽音データをイン
ターリーブした状態で記録してなるデータファイルの再
生音データを記憶してなる複数のデータファイルの同時
再生が可能な第2のモードの選択が可能であり、どちら
のモードが選択されたかに応じて、再生用バッファメモ
リにおける複数の記憶領域のそれぞれに対するデータの
転送を適切に制御できるようにしたので、簡単な構成で
ありながら、2つの再生モードに適切に対処した再生処
理を行なうことができる。
【0168】更に、1つのデータフアイル中に記憶した
楽音波形データすなわちオーディオデータの間に波形デ
ータ以外のデータ(例えばMIDIデータなど)を分散
させて記憶するようにしたので、再生発音処理実行中の
時系列における必要なときに必要な量の波形データ以外
のデータだけが取り出されて、これをバッファ記憶する
ようにすることができるので、そのためのバッファ記憶
手段は比較的少容量で済むものとなる。しかも、各波形
データグループの間に波形データ以外のデータが記憶さ
れていても、波形データだけを分離して取り出して再生
用バッファメモリに記憶し、再生読み出しのためにはこ
の再生用バッファメモリにアクセスするようにしている
ので、連続的な再生発音は問題なく確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る楽音データ記録再生装置の全体
システム構成例を示すブロック図。
【図2】図1における記録再生制御装置の一実施例を示
す機能的ブロック図。
【図3】図2に示された記録制御部の一例を示す機能ブ
ロック図。
【図4】記録動作開始時のパソコンと記録再生制御装置
の処理の一例を示すフロー図。
【図5】記録動作の最中に記録再生制御装置において行
なわれる割込み処理の一例を示すフロー図。
【図6】書込みを指示する記録領域を切り換えるための
割込み処理の一例を示すフロー図。
【図7】ハードディスクにおけるデータファイル記録領
域の一例を示す図。
【図8】再生モードの違いに応じて取り込みバッファメ
モリにおけるデータ書込みフォーマットが異なることを
示す図。
【図9】ハードディスクから読み出される1つのデータ
ファイルのデータフォーマットを例示する図。
【図10】再生バッファメモリにおける複数チャンネル
に対応するブロック単位のデータ記憶領域を示す図。
【図11】図2に示された再生及び転送制御部の一構成
例を示す機能的ブロック図。
【図12】図11における書込みカウンタの詳細例を示
す機能的ブロック図。
【図13】図11における転送書込みカウンタの詳細例
を示す機能的ブロック図。
【図14】図2における再生音発生部の一例を示す機能
的ブロック図。
【図15】再生動作開始時のパソコンと記録再生制御装
置の処理の一例を示すフロー図。
【図16】1つのデータファイル内で複数チャンネルの
波形サンプルデータをインターリーブして記憶する状態
例を示す図。
【図17】複数のデータファイルを同時に再生開始する
場合における再生準備段階及び再生開始時におけるデー
タ転送タイミング例を示すタイミングチャート。
【図18】1つのデータファイルの再生発音中に別のデ
ータファイルの再生を開始する場合のデータ転送タイミ
ング例を示すタイミングチャート。
【図19】ハードディスクHDに記憶する1つのデータ
ファイルのデータフォーマットの別の例を示す図。
【図20】図15に示すパソコン側の再生処理動作プロ
グラムの変更例を示すフローチャート。
【符号の説明】
PC…パーソナルコンピュータ、HD…ハードディス
ク、RU…記録再生制御装置RU、MIC…マイクロフ
ォン、18…SCSIインターフェース、RC…記録制
御部、PD…再生及び転送制御部、TG…再生音発生
部、RBUFA,RBUFB…録音バッファメモリ、X
BUFA,XBUFB…取り込みバッファメモリ、PB
UFA,PBUFB…再生バッファメモリ、58…転送
書込みカウンタ、SU0〜SU3…シフトユニット、7
0…アドレスカウンタ。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 和宏 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 藤田 佳生 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上位制御装置に付属して設けられ、該制
    御装置によって管理される大容量記憶装置と、 前記大容量記憶装置のデータバスに直接的にアクセス可
    能に接続され、該記憶装置への書込み又は読出しのため
    の記憶領域を指示する情報を前記上位制御装置から受け
    取り、この情報に基づき該記憶領域に対する書込み又は
    読出しを前記記憶装置に対して指示し、かつ、該記憶領
    域に対する書込み又は読出しに同期するアドレス信号を
    作成し、このアドレス信号に従って該記憶装置に記録す
    べき楽音データの供給又は該記憶装置から読み出された
    楽音データの取り込みを制御する記録再生制御装置とを
    具えた楽音データ記録再生装置。
  2. 【請求項2】 楽音データを記録するための記憶装置
    と、 前記記憶装置から読み出された楽音データを取り込む第
    1のバッファメモリと、 前記第1のバッファメモリに取り込んだ楽音データが転
    送される第2のバッファメモリと、 前記第1のバッファメモリから第2のバッファメモリへ
    の楽音データの転送を制御する転送制御手段と、 前記第2のバッファメモリに記憶した楽音データを所望
    の再生読出しレートで読み出す再生読出し手段とを具え
    た楽音データ記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記転送制御手段は、前記第1のバッフ
    ァメモリに記憶した楽音データを所定のデータ単位で第
    2のバッファメモリに転送するものである請求項2に記
    載の楽音データ記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のバッファメモリは、複数のチ
    ャンネルにそれぞれ対応する記憶領域を有し、前記転送
    制御手段は、前記第1のバッファメモリから読み出した
    楽音データを前記第2のバッファメモリにおける所定の
    チャンネルに対応する記憶領域に分配して記憶させるも
    のである請求項2に記載の楽音データ記録再生装置。
  5. 【請求項5】 複数の異なる記録用サンプリング周波数
    のうち所望の記録用サンプリング周波数に従って前記記
    憶装置に記録する楽音データのサンプリングを制御する
    ことができる記録制御手段を具備し、前記再生読出し手
    段では、第2のバッファメモリから読み出そうとする楽
    音データの前記記録用サンプリング周波数と所定の再生
    用サンプリング周波数に応じて前記再生読出しレートを
    決定するようにしたものである請求項2に記載の楽音デ
    ータ記録再生装置。
  6. 【請求項6】 複数チャンネルの楽音データをインター
    リーブした状態で記録してなるデータファイルを持つ記
    憶装置と、 前記記憶装置から読み出された楽音データを取り込む第
    1のバッフアメモリと、 前記第1のバッファメモリから楽音データを読み出して
    そのインターリーブを解除し、各チャンネル毎の楽音デ
    ータを提供するインターリーブ解除手段と、 インターリーブ解除された楽音データを各チャンネル別
    に記憶する第2のバッファメモリと、 前記第2のバッファメモリに記憶した楽音データを読み
    出す再生読出し手段とを具えた楽音データ記録再生装
    置。
  7. 【請求項7】 楽音データをそれぞれ記録してなる複数
    のデータファイルを持つ記憶装置と、 複数のデータファイルの同時再生を行なうことを選択す
    る手段と、 選択された複数のデータファイルの楽音データを前記記
    憶装置から所定単位毎に読み出す読出し制御手段と、 前記記憶装置から読み出された所定単位毎の各データフ
    ァイルの楽音データをそれぞれ記憶するバッファメモリ
    と、 前記バッファメモリに記憶した各データファイルの楽音
    データをそれぞれ読み出す再生読出し手段とを具えた楽
    音データ記録再生装置。
  8. 【請求項8】 前記記憶装置の楽音データは、各データ
    ファイル毎に複数の異なる記録用サンプリング周波数の
    うち任意の記録用サンプリング周波数に従って記録され
    たものであり、前記再生読出し手段では、各データファ
    イル毎の記録用サンプリング周波数と所定の再生用サン
    プリング周波数に応じて各データファイル毎の前記再生
    読出しレートを決定し、各データファイルの楽音データ
    が共通の再生用サンプリング周波数で読み出されるよう
    にしたものである請求項7に記載の楽音データ記録再生
    装置。
  9. 【請求項9】 楽音データをそれぞれ記録してなる複数
    のデータファイルを持つ記憶装置と、 複数チャンネルの楽音データをインターリーブした状態
    で記録してなるデータファイルの再生を行なう第1のモ
    ード、インターリーブされていない楽音データを記憶し
    てなる複数のデータファイルの同時再生が可能な第2の
    モードを選択する手段と、 前記記憶装置から読み出された楽音データを取り込む第
    1のバッファメモリと、 所定の複数の記憶領域を持つ第2のバッファメモリと、 前記第1のモードのとき、前記第1のバッファメモリか
    ら楽音データを読み出してそのインターリーブを解除
    し、インターリーブ解除された楽音データを各チャンネ
    ル別に前記第2のバッファメモリの前記各記憶領域にそ
    れぞれ記憶する第1の転送制御手段と、 前記第2のモードのとき、前記第1のバッファメモリか
    ら各データファイルの楽音データをそれぞれ読み出して
    前記第2のバッファメモリの前記各記憶領域にそれぞれ
    記憶する第2の転送制御手段と、 前記第2のバッファメモリの各記憶領域に記憶した楽音
    データをそれぞれ読み出す再生読出し手段とを具えた楽
    音データ記録再生装置。
  10. 【請求項10】 複数の音の楽音波形データをインター
    リーブした状態で記憶してなる第1のメモリ手段と、 インターリーブされた各音毎の楽音波形データを割り当
    てるべき再生チャンネルを指定する割当てチャンネル指
    定手段と、 各再生チャンネル別に楽音波形データを記憶するための
    第2のメモリ手段と、 前記第1のメモリ手段から楽音波形データを読み出して
    そのインターリーブを解除し、インターリーブ解除した
    各音毎の楽音波形データを、前記チャンネル指定手段に
    よって指定されたチャンネルに対応して分配し、前記第
    2のメモリ手段に書き込むインターリーブ解除手段と、 前記第2のメモリ手段に記憶した楽音波形データを各再
    生チャンネル毎に独立に読み出すための再生読出し手段
    とを具えた楽音データ記録再生装置。
  11. 【請求項11】 複数の音の楽音波形データをインター
    リーブした状態で記憶してなる第1のメモリ手段と、 前記第1のメモリ手段に記憶した楽音波形データの一部
    を高速読み出しし、そのインターリーブを解除するイン
    ターリーブ解除手段と、 インターリーブ解除した各音の楽音波形データをチャン
    ネル別に記憶するための第2のメモリ手段と、 前記第2のメモリ手段に記憶した楽音波形データを各再
    生チャンネル毎に所望の再生レートで読み出すための再
    生読出し手段とを具えた楽音データ記録再生装置。
  12. 【請求項12】 複数の音の楽音波形データをインター
    リーブした状態で記憶してなる第1のメモリ手段と、 特定数の再生チャンネル別に楽音波形データを記憶する
    ための第2のメモリ手段と、 前記インターリーブされている音数と同数の時分割タイ
    ムスロットを設定し、各タイムスロットに対応して個別
    の再生チャンネルを指定するチャンネル指定手段と、 前記第1のメモリ手段に記憶した楽音波形データを読み
    出して、前記時分割タイムスロットに対応してそのイン
    ターリーブを解除し、インターリーブ解除された楽音波
    形データを該タイムスロットに対応して指定される再生
    チャンネルに分配し、前記第2のメモリ手段に書き込む
    インターリーブ解除手段と、 前記第2のメモリ手段に記憶した楽音波形データを読み
    出すための再生読出し手段とを具えた楽音データ記録再
    生装置。
  13. 【請求項13】 楽音データをそれぞれ記録してなる複
    数のデータファイルを記憶した第1の記憶手段と、 各データファイルの再生を行なうことを独立に選択する
    手段と、 選択されたデータファイルの楽音データを前記第1の記
    憶手段から読み出す読出し制御手段と、 再生すべき各データファイルに対応して個別に再生チャ
    ンネルを指定するチャンネル指定手段と、 前記第1の記憶装置から読み出された或るデータファイ
    ルの楽音データを、そのデータファイルに対応して指定
    された再生チャンネルに対応して記憶するための第2の
    記憶手段と、 前記第2の記憶手段に記憶した楽音データを各再生チャ
    ンネル毎に独立の再生レートで読み出すための再生読出
    し手段とを具えた楽音データ記録再生装置。
  14. 【請求項14】 楽音波形データをそれぞれ記録してな
    る複数のデータファイルを記憶しており、このデータフ
    ァイルの或るものは、複数音の楽音波形データをインタ
    ーリーブした状態で記録してなるデータファイルであ
    り、別の或るものは、インターリーブされていない楽音
    波形データを記憶してなるデータファイルである、第1
    の記憶手段と、 再生すべきデータファイルを選択するものであり、複数
    のデータファイルを選択することが可能である選択手段
    と、 第2の記憶手段と、 選択されたデータファイルの楽音波形データを前記第1
    の記憶手段から読み出して第2の記憶手段に記憶する読
    出し制御手段と、 選択されたデータファイルの再生発音を行なうべきチャ
    ンネルを指定するものであって、複数音の楽音波形デー
    タをインターリーブしているデータファィルに関しては
    インターリーブされている音数に対応する必要な数のチ
    ャンネルを指定するチャンネル指定手段と、 再生チャンネルに対応する第3の記憶手段と、 前記第2の記憶手段に記憶された楽音波形データを各デ
    ータファイル毎に読み出して、指定された各再生チャン
    ネルに対応して前記第3の記憶手段に記憶するものであ
    り、該データファイルが複数音をインターリーブしたも
    のであるならばそのインターリーブを解除してそれぞれ
    の楽音波形データを指定された各再生チャンネルに対応
    して前記第3の記憶手段に記憶する転送制御手段と、 前記第3の記憶手段に記憶した楽音波形データを各再生
    チャンネル毎に独立の再生レートで読み出すための再生
    読出し手段とを具えた楽音データ記録再生装置。
  15. 【請求項15】 連続して発音されるべき楽音の波形デ
    ータを複数のグループに分割し、各グループ毎の波形デ
    ータを記憶している記憶領域の間に前記波形データ以外
    のデータを記憶してなる第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶したデータを順次読み出し、
    前記波形データと前記波形データ以外のデータとを分離
    する手段と、 分離された波形データを記憶する第2の記憶手段と、 第2の記憶手段に記憶した波形データを順次読み出すこ
    とにより、楽音を再生発音する再生読出し手段と、 前記第1の記憶手段から読み出した前記波形データ以外
    のデータを一時記憶し、利用に供するバッファ記憶手段
    とを具えた楽音データ記録再生装置。
  16. 【請求項16】 前記波形データ以外のデータには、自
    動演奏シーケンスデータが含まれている請求項15に記
    載の楽音データ記録再生装置。
  17. 【請求項17】 前記自動演奏シーケンスデータはMI
    DIフォーマットで表現されている請求項16に記載の
    楽音データ記録再生装置。
  18. 【請求項18】 前記再生読出し手段による再生読出し
    に並行して、前記バッファ記憶手段から前記自動演奏シ
    ーケンスデータを読み出し、これに基づき自動演奏が行
    なえるようにした請求項16又は17に記載の楽音デー
    タ記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02130598A (ja) * 1988-11-10 1990-05-18 Sony Corp デジタル音声信号発生装置
JPH04285765A (ja) * 1991-03-13 1992-10-09 Casio Comput Co Ltd デジタルレコーダ
JPH04345985A (ja) * 1991-05-24 1992-12-01 Casio Comput Co Ltd マルチメディアレコーダ

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