JPH0651543A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH0651543A
JPH0651543A JP20345091A JP20345091A JPH0651543A JP H0651543 A JPH0651543 A JP H0651543A JP 20345091 A JP20345091 A JP 20345091A JP 20345091 A JP20345091 A JP 20345091A JP H0651543 A JPH0651543 A JP H0651543A
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JP
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resin
styrene
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Application number
JP20345091A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Kawasaki
佳明 河崎
Toshio Fukagai
俊夫 深貝
Naoshi Mishima
直志 三島
Hiroshi Tamura
宏 田村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続画像複写に対する耐トナー・フィルミン
グ性を維持する電子写真用感光体。 【構成】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層と電荷
移動層とを有する電子写真用感光体において、電荷移動
層を形成する結着剤成分をポリカーボネートと、ポリス
チレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエンま
たはスチレン−イソプレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
カルバゾールからなる(a)群の少なくとも1種の樹脂と
の混合樹脂とすることで感光体表面のトナーフィルミン
グを防止し、また前記ポリカーボネートと(a)群樹脂
の重量比を、ポリカーボネート:(a)群樹脂=100:0.
5〜100:20とすることで感光体の初期感度の低下を抑
え、また繰り返し使用しても感度劣化を招くことのない
安定な電子写真用感光体を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用感光体の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真複写機に使用される感光
体として、低価格、生産性及び無公害等の利点を有する
有機系の感光材料を用いたものが普及しはじめている。
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾール
(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK-TNF(2,4,7-トリ
ニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フ
タロシアニン-バインダーに代表される顔料分散型、電
荷発生物質と電荷輸送物質とを組合せて用いる機能分離
型の感光体などが知られており、特に機能分離型の感光
体が注目されている。
【0003】この機能分離型感光体の場合にはカールソ
ンプロセスに従って帯電及び露光を行なうと、光は電荷
移動層を透過して電荷発生層に達し、その部分に陽極性
及び陰極性の両電荷が発生する。これら電荷のうち、感
光体表面の帯電々荷とは逆極性の電荷は前記帯電々荷に
引かれて電荷移動層中を移動して表面に達しその部分の
帯電電荷と放電して中和する。一方電荷発生層に残った
電荷は、電荷発生層の下にある導電層において、帯電々
荷とは逆極性の電荷と放電して中和する。従ってこれら
の工程で最も必要な機能分離型感光体の特性は、云うま
でもなく光導電性であるが、電子写真プロセスでは、現
像工程や転写工程などで感光体の諸特性が影響を受ける
ので、機能分離型感光体はこれらの工程においても充分
満足する特性を示さなければならない。
【0004】ところで帯電及び露光以外の電子写真工程
で、最も大きな問題の一つは感光体表面へのトナーの付
着、及び現像剤や転写用紙と感光体表面との接触時の摩
耗や傷の発生である。殊に、このような機能分離型の高
感度感光体をカールソンプロセスに適用して複写機など
に組込んで長期にわたって繰返し画像を出した場合、感
光体の表面上にフィルムが形成されることが視察され
る。トナーフィルミングとも云うべきこの現象は静電荷
を可視像にするために用いられるトナー材料が感光体表
面に付着することによって生じるものと考えられる。こ
のように感光体表面に付着したトナー・フィルムは容易
に除去されず、画像複写に於て条痕を感光体上に生ぜし
める。このようなトナー・フィルムは又感光体の実質的
な感度に損失を与え、感光体の諸電気特性を急激に低下
せしめ、その結果そのような感光体から得られる有用な
複写の枚数を著しく低くする。
【0005】この欠点を防止するために、移動層中の移
動剤のバインダー樹脂として特開昭49-105537公報に
は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニリ
デン、またはポリスチレンなどが有用であると述べられ
ているが、これら単体の感光体表面は極めて柔かく、容
易に損傷され、そして良質の写真複写を達成するために
必要な平滑さをすぐに失っていまう。また、その電荷移
動層の表面は比較的僅かな枚数の複写が行われただけで
すぐに摩耗してしまう。上記の問題を解決するために、
特開昭52-72231ではポリカーボネートとアクリル樹脂の
併用が提案されているが、未だ耐トナーフィルミング性
は不充分であり、また連続画像複写中に感光体自体の感
度低下を招く。又、特開昭59-1684451には、移動層の結
着剤成分としてポリアリレートとアクリル(メタクリル)
酸エステル−スチレン共重合体樹脂が提案されている
が、これも未だ耐トナーフィルミング性は不充分で、か
つ連続画像複写中に感光体自体の感度低下が著しい。
【0006】更に、上記フィルム形成の問題は、感光体
表面が曝される温度が高くなると更に大きくなる。従っ
て、単にトナーフィルミングの問題を克服し得るだけで
なく、高温に於てもその様なトナーフィルミング形成の
問題を充分に克服し得ることが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温度や湿度
等の環境が変動しても安定な電気特性を示すとともに、
連続画像複写に対する耐トナー・フィルミング性を充分
に維持し、さらに感光体自体の感度低下を招くことない
電子写真用感光体を提供することである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】本発明によれば、導電
性基体上に少なくとも電荷発生層と電荷移動層とを有す
る機能分離型電子写真用感光体において、電荷移動層を
形成する結着剤成分を式(I)で示されるポリカーボネー
トと、
【0009】
【化1】 ただし、式中R1〜R8は水素、ハロゲン、置換もしくは
未置換のアルキル基、または、アリール基であり、
9、R10は水素、置換もしくは未置換のアルキル基、
アリール基である。また、R9、R10は環状となっても
よい。nは10〜1000の整数である。ポリスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合体樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体樹脂、水添スチレン−ブタジエンまたは
スチレン−イソプレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂、またはポリビニルカルバゾールからなる群から選
ばれた少なくとも1種の樹脂との混合系とすることによ
り電子写真用感光体表面にトナーが固着するトナーフィ
ルミングを防止し、また前記電荷移動層を形成する結着
剤樹脂であるポリカーボネートと、(a)群の樹脂との重
量比を100:0.5乃至100:20とすることにより感光体の
初期感度の低下を抑え、また繰り返し使用しても帯電電
位の低下や残留電位の上昇が小さく、かつ温度や湿度の
環境が変動しても感度劣化を招くことのない安定な電気
特性を示す電子写真用感光体が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0010】次に本発明で用いられる各構成材料につい
て説明する。導電性基体とは、帯電電荷と逆極性の電荷
を基体側に供給することを目的とするものであって、比
電気抵抗が 108Ωcm以下で、かつ中間層、電荷発生およ
び電荷移動層の成膜条件に耐えられるものを使用するこ
とができる。これらの例としてはAl、Ni、Cr、Zn、
ステンレス等の電気伝導性の金属および合金並びにガラ
ス、セラミックス等の無機絶縁物質およびポリエステ
ル、ポリイミド、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、紙等
の有機絶縁性物質の表面を、真空蒸着、スパッタリン
グ、吹付塗装等の方法によってAl、Ni、Cr、Zn、ス
テンレス、炭素、酸化スズ、酸化インジウム等の電気導
電性物質を被服して導電処理を行なったもの等があげら
れる。
【0011】電荷発生層は電荷発生材料単独か、または
電荷発生材料を分散ないし相溶した樹脂よりなる。電荷
発生材料としては、例えばシーアイビグメントブル−25
(CI〈カラーインデックス〉 21180)、シーアイピグメン
トレッド41(CI 21100)、シーアイアシッドレッド52(CI
45100)、シーアイベィシックレッド3(CI 45210)、更に
ポリフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、アズ
レニウム塩顔料、スクアリック塩顔料、アンスアンサン
スロン系顔料、カルバゾール系骨格を有するアゾ顔料
(特開昭 53-95033号公報に記載)、スチルベン骨格を有
するアゾ顔料(特開昭 53-138229号公報に記載)、トリ
フェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭 53-1325
47号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭 54-21728号公報に記載)、オキサジア
ゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭 54-12742号公報
に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭
54-22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有す
るアゾ顔料(特開昭 54-17733号公報に記載)、ジスチリ
ルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭 54-
2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有
するトリスアゾ顔料(特開昭 54-17734号公報に記
載)、カルバゾール骨格を有するトリスアゾ顔料(特開
昭 57-195767号公報に記載)、更にシーアイバッドブラ
ウン5(CI 73410)、シーアイバッドダイ(CI 73030)等
のインジゴ系顔料、アルゴールスカーレットB、インダ
スレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系
顔料等の有機顔料を使用することができる。
【0012】これらの電荷発生材料の中でも特にアゾ顔
料が好適であり、更にアゾ顔料の中でも、ジスアゾ顔
料、あるいはトリスアゾ顔料が最も好ましい。ジスアゾ
顔料、あるいはトリスアゾ顔料の具体例を表1〜表15
に示す。但し、表2〜表4、表6〜表10、及び表12
〜表15の置換基Aの位置を示す一般式は、それぞれ表
1、表5、及び表11に示される一般式に準ずる。
【0013】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0014】電荷発生層の膜厚は、0.05〜2 μm程度が
適当であり、好ましくは、0.1〜1μmである。電荷発生
層は適当な溶剤に結着剤樹脂と共に、電荷発生材料を分
散または相溶し、これを基体上または下引層上に、塗布
・乾燥することによって形成される。
【0015】このような結着剤樹脂としては、ポリスチ
レン、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、スチレン-ア
クリルニトリル共重合体樹脂、スチレン-無水マレイン
酸共重合体樹脂、ポリエステル、ポリアリレート、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレー
ト、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセ
ルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルホルマール、フェノキシ樹脂、ポリ
ビニルピリジン、ポリビニルカルバゾール、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可
塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのバイン
ダー材料は単独または混合して用いられる。電荷発生材
料と結着剤材料の使用割合は重量比で100:0〜100:50が
好ましい。
【0016】溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、ジクロルエタン、モノクロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン、エチルアルコール、メチルア
ルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブなどがありこれら溶剤
も単独または混合して用いることができる。
【0017】本発明の電荷移動層は、電荷移動剤及び結
着剤成分からなるが、結着剤成分が先に示した式(I)
で示されるポリカーボネートと、ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジ
エン共重合体樹脂、水添スチレン−ブタジエンまたはス
チレン−イソプレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、
及びポリビニルカルバゾールからなる(a)群から選ば
れた少なくとも1種の樹脂との混合系とすることにより
トナーフィルミングを防止し、さらにまた前記電荷移動
層を形成する結着剤成分であるポリカーボネートと(b)
群の樹脂との重量比が100:0.5〜100:20とすることに
より感度の低下を抑えことが可能になる。この際、電荷
移動層を形成するポリカーボネート結着剤樹脂と、(a)
群の結着剤樹脂との使用割合は、重量比で100:0.5〜10
0:20、好ましくは100:1〜100:10である。その使用
割合が100:20を越えると初期感度の低下を招き、場合
によっては繰り返し使用時の感度劣化が激しく、また、
100:0.5未満であるとトナーフィルミングの防止効果が
ない。本発明で使用される式(I)で示されるポリカーボ
ネートの具体例には次のようなものがある。
【0018】
【表2】
【0019】次に本発明の(b)群に含まれる移動層用結
着剤樹脂の具体例を以下示す。本発明に用いられるポリ
スチレンはベンゼンとエチレンとの反応によって得られ
たエチルベンゼンを脱水素してスチレンモノマーとし、
これを重合してできた下記一般式で示される構成単位を
持つ重合体である。
【0020】また、本発明に用いられるアクリロニトリ
ル−スチレン共重合体の共重合比率は、重量比で、アク
リロニトリル:スチレン=1:100〜500:100が好まし
く、さらに好ましくは、10:100〜100:100である。
【0021】また、本発明に用いられるスチレン−ブタ
ジエン共重合体の共重合比率は、重量比で、スチレン:
ブタジエン=10:100〜100:100が好ましく、さらに好
ましくは、20:100〜80:100である。
【0022】本発明で、電荷移動層に含有させる水添ス
チレン−ブタジエン共重合体及び水添スチレン−イソプ
レン共重合体樹脂は主にブタジエンあるいはイソプレン
に基づく-CH=CH- の二重結合部を水添することに -CH2-
CH2- に変成したものであって、溶解パラメーター(SP
値)が 7.5-9.0付近にあり、感光層に添加される電荷移
動物質等の添加物質との相溶性に優れたものである。従
って、このような共重合体から形成される電荷移動層膜
は耐久性、耐候性、耐オゾン性に優れ、かつ透明性に優
れたものである。本発明で用いる上記水添スチレン-ブ
タジエン共重合体または水添スチレン-イソプレン共重
合体は、たとえばスチレン-ブタジエンあるいはスチレ
ン-イソプレンのブロック共重合体、ランダム重合体、
グラフト重合体等の共重合体を担持型不均一系触媒やチ
グラー型の均一系触媒等の水添触媒の存在下で水添する
ことにより簡単に得られる。この場合、担持型不均一触
媒としては、たとえば、Ni、Pt、Pd、Ru、Rh等の
金属をカーボン、シリカ、アルミナ、シリカ-アルミ
ナ、ケイソウ土等の担体に担持させた触媒が、またチグ
ラー型の均一系触媒としては、たとえば有機酸のNi
塩、Co塩、Fe塩、Cr塩またはたとえばアセチルアセ
トンとNi、Co、Fe、Cr等の金属との金属キレート化
合物と有機Al化合物等の還元剤とを溶媒中で反応させ
て得られる触媒が挙げられる。本発明で用いる上記共重
合体の水添率は40%以上、好ましくは80%以上とするの
が適当である。水添率が40%未満のものは繰り返しの使
用により残留電位の上昇を伴ない、地汚れの発生原因と
なるので望ましくない。
【0023】本発明に用いられるポリ塩化ビニルは塩化
ビニル単量体を重合したものであり一般式-(CH2−C
HCl-)n-で表される。
【0024】また、本発明に用いられるポリ酢酸ビニル
は下記一般式で示されるものである。
【0025】また、本発明で用いられる塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体樹脂は単量体である塩化ビニルと酢
酸ビニルの共重合体であり、また必要に応じて他の単量
体を共重合させてもよい。共重合される単量体の例とし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチ
ルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘ
キシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリ
ルアミド、N-メチロールアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、グリシジルメタクリレート、ビニルトル
エン、アクリロニトリル、ビニルアルコール等が挙げら
れる。塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合比率は重量比
で、塩化ビニル:酢酸ビニルは50:50から90:10が好ま
しい。また、塩化ビニル、酢酸ビニル以外の単量体の共
重合比率は重量比で、塩化ビニル−酢酸ビニル:塩化ビ
ニル−酢酸ビニル以外の単量体は100:0から80:20が好
ましい。
【0026】また、本発明に用いられるポリビニルカル
バゾールはポリ-N-ビニルカルバゾール、またはカルバ
ゾール環の水素原子が置換されたものを指す。置換基と
してはアルキル基、アリール基、アミノ基、ニトロ基、
ハロゲン原子、アルキルアリール基、アルキルアミノ基
などがあげられる。
【0027】また、本発明の電荷移動層は、電荷移動物
質およびポリカーボネートの1種以上と(a)群の樹脂の
1種以上を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布
・乾燥することによって形成できる。電荷移動物質と結
着剤樹脂との使用割合は重量比で2:8〜8:2が好ま
しい。また、電荷移動層の膜厚は5〜100μmが好まし
い。
【0028】以上のような本発明の結着剤樹脂と組合せ
る電荷移動剤としては、公知の電子供与性物質または電
子受容性物質が全て使用できる。
【0029】まず、電荷移動剤のうち電子供与性物質
は、ポリ-N-カルバゾール及びその誘導体、ポリ-γ-カ
ルバゾリエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン-
ホルムアルデヒデ縮合物及びその誘導体、ポリビニルピ
レン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、
及び下式で示される化合物がある。
【0030】(1)(特開昭 55-154955、特開昭 55-15
6954号公報に記載) 〔式中、R1はメチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチ
ル基、または 2-クロルエチル基を表し、R2はメチル
基、エチル基、ベンジル基、またはフェニル基を表し、
3は水素、塩素、臭素、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシル基、ジアルキルアミノ基、
またはニトロ基を表す〕 (2)(特開昭 55-52063号公報に記載) 〔式中、Arはナフタレン環、アントラセン環、スチリ
ル基およびそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン
環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基またはベンジ
ル基を表す〕 (3)(特開昭 56-81850号公報に記載) 〔式中、R1はアルキル基、ベンジル基、フェニル基を
表し、R2は水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数
1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラル
キルアミノ基またはジアリールアミノ基を表し、nは1
〜4の整数を表し、nが2以上のき、R2は同じでも異
なっていてもよい。R3は水素またはメトキシ基を表
す〕 (4)(特開昭 51-10983号公報に記載) 〔式中、R1は炭素数1〜11のアルキル基、置換もし
くは未置換のフェニル基または複素環基を表し、R2
3はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素、炭
素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロ
ルアルキル基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表
し、また、R2、R3は互いに結合し窒素を含む複素環を
形成していてもよい。R4は同一でも異なっていてもよ
く、水素、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲンを表す〕 (5)(特開昭 51-94829号公報に記載) 〔式中、Rは水素またはハロゲン原子を表し、Arは置
換もしくは未置換のフェニル基、ナフチル基、アントリ
ル基あるいはカルバゾリル基を表す〕 (6)(特開昭 52-128373号公報に記載) 〔式中、R1は水素、ハロゲン、シアノ基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、または炭素数1〜4のアルキル基を
表し、Arは を表し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3
水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、またはジアルキルアミノ基を表
し、nは1または2であって、nが2のときはR3は同
一でも異なっていてもよく、R4およびR5は水素、炭素
数1〜4の置換もしくは未置換のアルキル基、あるいは
置換または未置換のベンジル基を表す〕 (7)(特開昭 56-29245号公報に記載) 〔式中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル
基、インドリル基、フリル基、あるいはそれぞれ置換ま
たは未置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基また
はアントリル基であって、これらの置換基がジアルキル
アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基ま
たはそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキ
ルアミノ基、N-アルキル-N-アラルキルアミノ基、ア
ミノ基、ニトロ基、およびアセチルアミノ基からなる群
から選ばれた基を表す〕 (8)(特開昭 58-58552号公報に記載) 〔式中、R1は低級アルキル基またはベンジル基を表
し、R2は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、または低級ア
ルキル基またはベンジル基で置換されたアミノ基を表
し、nは1または2の整数を表す〕 (9)(特開昭 57-73075号公報に記載) 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表し、R2およびR3は、置換または
未置換のアルキル基、または置換または未置換のアリー
ル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基、または
置換または未置換のフェニル基を表し、またArはフェ
ニル基またはナフチル基を表す〕 (10)(特開昭 58-198043号公報に記載) 〔式中、nは0または1の整数、R1は水素原子、置換
アルキル基を含むアルキル基、または置換または未置換
のフェニル基を表し、Ar1は置換または未置換のアリー
ル基を表し、R5は置換アルキル基を含むアルキル基、
または置換または未置換のアリール基を表し、Aは下式
で示めされるもの、 または、9-アントリル基、または置換または未置換のカ
ルバゾリル基を表し、ここでR2は水素原子、アルキル
基、アルコキシル基、ハロゲン原子、または、下式で示
めされるものである。 (ただし、R3およびR4は置換アルキル基を含むアルキ
ル基、または置換もしく未置換のアリール基を表し、R
3およびR4 は同じでも異なっていてもよく、R4は環を
形成してもよい)を表し、mは0、1、2または3の整
数であって、mが2以上のときはR2は同じでも異なっ
ていてもよい。またnが0のとき、AとR1は共同で環
を形成してもよい〕 (11)(特開昭 49-105537号公報に記載) 〔式中、R1、R2およびR3は、水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、またはハ
ロゲン原子を表し、nは0または1を表す〕 (12)(特開昭 52-139066号公報に記載) 〔式中、R1およびR2は置換アルキル基を含むアルキル
基、または置換または未置換のアリール基を表し、Aは
置換アミノ基、または置換または未置換のアリール基ま
たはアリル基を表す〕 (13)(特開昭 52-139065号公報に記載) 〔式中、Xは水素原子、低級アルキル基、またはハロゲ
ン原子を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、
または置換または未置換のアリール基を表し、Aは置換
アミノ基または置換または未置換のアリール基、または
アリル基を表す〕
【0031】一般式(1)で表せられる化合物には、例
えば、9-エチルカルバゾール-3-アルデヒド-1-メチル-1
-フェニルヒドラゾン、9-エチルカルバゾール-3-アルデ
ビド-1-ベンジル-1-フェニルヒドラゾン、9-エチルカル
バゾール-3-アルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン等が
ある。一般式(2)で表せられる化合物には、例えば、
4-ジエチルアノミスチリル-β-アルデヒド-1-メチル-1-
フェニルヒドラゾン、4-メトキシナフタレン-1-アルデ
ヒド-1-ベンジル-1-フェニルヒドラゾン等がある。一般
式(3)で表せられる化合物には、例えば、4-メトキシ
ベンズアルデヒド-1-メチル-1-フェニルヒドラゾン、2,
4-ジメトキシベンズアルデヒド-1-ベンジル-1-フェニル
ヒドラゾン、4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-
ジフェニルヒドラゾン、4-メトキシベンズアルデヒド-1
-ベンジル-1-(4-メトキシ)フェニルヒドラゾン、4-ジフ
ェニルアミノベンズアルデヒド-1-ベンジル-1-フェニル
ヒドラゾン、4-ジベンジルアミノベンズアルデヒド-1,1
-ジフェニルヒドラゾン等がある。一般式(4)で表せ
られる化合物には、例えば、1,1-ビス(4-ジベンジルア
ミノフェニル)プロパン、トリス(4-ジエチルアミノフ
ェニル)メタン、1,1-ビス(4-ジベンジルアミニフェニ
ル)プロパン、2-2'-ジメチル-4,4'-ビス(ジエチルア
ミノ)-トリフェニルメタン等がある。一般式(5)で
表せられる化合物には、例えば、9-(4-ジエチルアミノ
スチリル)アントラセン、9-ブロム-10-(4-ジエチルア
ミノスチリル)アントラセン等がある。一般式(6)で
表せられる化合物には、例えば、9-(4-ジメチルアミノ
ベンジリデン)フルオレン、3-(9-フルオレニリデン)-
9-エチルカルバゾール等がある。一般式(7)で表せら
れる化合物には、例えば、1,2-ビス(4-ジエチルアミノ
スチリル)ベンゼン、1,2-ビス(2,4-ジメトキシスチリ
ル)ベンゼンがある。一般式(8)で表せられる化合物
には、例えば、3-スチリル-9-エチルカルバゾール、3-
(4-メトキシスチリル)-9-エチルカルバゾール等があ
る。一般式(9)で表せられる化合物には、例えば、4-
ジフェニルアミノスチルベン、4-ジベンジルアミノスチ
ルベン、4-ジトリルアミノスチルベン、1-(4-ジフェニ
ルアミノスチリル)ナフタレン、1-(4-ジエチルアミノ
スチリル)ナフタレン等がある。一般式(10)で表せら
れる化合物には、例えば、4'-ジフェニルアミノ-α-フ
ェニルスチルベン、4'-N,Nビス(4-メチルフェニル)アミ
ノ-α-フェニルスチルベン等がある。一般式(11)で表
せられる化合物には、例えば、1-フェニル-3-(4-ジエチ
ルアミノスチリル)-5-(4-ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1-フェニル-3-(4-ジメチルアミノスチリル)-
5-(4-ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等がある。
一般式(12)で表せられる化合物には、例えば、2,5-ビ
ス(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾー
ル、2-N,N-ジフェニルアミノ-5-(4-ジエチルアミノフェ
ニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-(4-ジメチルアミノ
フェニル)-5-(4-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキ
サジアゾール等がある。一般式(13)で表せられる化合
物には、例えば、2-N,N-ジフェニルアミノ-5(N-エチル
カルバゾール-3-イル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-(4-
ジエチルアミノフェニル)-5-(N-エチルカルバゾール-3-
イル)-1,3,4-オキサジアゾール等がある。
【0032】電荷移動物質のさらに他の例を、以下に列
挙する。 (14)(特開昭 58-32372号公報に記載) 〔式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基、ま
たはハロゲン原子を表し、nは0〜4の整数を表わし、R
2、R3は同じでも異なっていてくよく、水素原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、またはハロゲン原子を
表す〕 (15)(特公昭63-7890に記載) 〔式中、R1,R3およびR4は水素原子、アミノ基、アル
コキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチ
レンジオキシ基、置換または未置換のアルキル基、ハロ
ゲン原子、または置換または未置換のアリール基を、R
2は水素原子、アルコキシ基、置換または未置換のアル
キル基、またはハロゲンを表す。ただし、R1,R2,R3
およびR4はすべて水素原子である場合は除く。また、
k,l,mおよびnは1,2,3または4の整数であり、各
々が2,3または4の整数のときは、前記R1,R2,R3
よびR4は同じでも異なっていてもよい〕 (16)(特願平 1-77839に記載) 〔式中、Arは炭素数18個以下の縮合多環式炭化水素基
を、またR1およびR2は水素原子、ハロゲン原子、置換
または未置換のアルキル基、アルコキシ基、置換または
未置換のフェニル基を表し、それぞれ同じでも異なって
いてもよい〕 (17)(特願昭 62-98394に記載) 〔式中、Arは置換または未置換の芳香族炭化水素基を
表し、Aは次式で示めされる。 また、Ar’は置換または未置換の芳香族炭化水素基を
表し、R1およびR2は置換または未置換のアルキル基、
または置換または未置のアリール基である〕 (18)(特願平 2-94812に記載) 〔式中、Arは芳香族炭化水素基、Rは水素原子、置換
または未置換のアルキル基、またはアリール基を表す。
nは0または1、mは1または2であって、n=0、m
=1の場合、ArとRは共同で環を形成してもよい〕
【0033】一般式(14)で表せられるベンジン化合物
には、例えば、N,N'-ジフニェル-ビス(3-メチルフェニ
ル)-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジアミン、3,3'-ジメチル
-N,N,N',N'-テトラキス(4-メチルフェニル)-[1,1'-ビフ
ェニル]-4,4'-ジアミン等がある。一般式(15)で表せ
られるビフェニルアミン化合物には、例えば、4'-メト
キシ-N,N-ジフェニル-[1,1'-ビフェニル]-4-アミン、4'
-メチル-N,N'-ビス(4-メチルフェニル)-4-アミン、4'-
メトキシ-N,N-ビス(4-メチルフェニル)-[1,1'-ビフェニ
ル]-4-アミン等がある。一般式(16)で表せられるトリ
アリールアミン化合物には、例えば、1-N,N-ジフェニル
アミノピレン、1-N,N-ビス(p-トルアルアミノ)ピレン等
がある。一般式(17)で表せられるジオレフィン芳香族
化合物には、例えば、1,4-ビス(4-N,Nジフェニルアミ
ノ)スチリルベンゼン、1,4-ビス[4-N,N-ビス(p-トル
リ)アミノ]スチリルベンゼン等がある。一般式(18)で
表せられるスチルピレン化合物には、例えば、1-(4-N,N
-ジフェニルアミノ)スチリルピレン、1-[4-N,N-ビス(p-
トリル)アミノ]スチルピレン等がある。
【0034】特に負電荷、すなわち電子、を輸送する物
質を電子写真感光体に用いることもある。電子輸送物質
としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テト
ラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7-
トリニトロ-9-フルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-
フルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロキサントン、2,4,
8-トリニトロチオキサントン、2,6,8-トリニトロ-イン
デイ4H-インデノ[1,2,6]チオフェン-4-オン、1,3,7-ト
リニトロジベンゾチオフェン-5,5-ジオキサイド等があ
る。
【0035】電荷移動層塗工用の溶剤としては、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレ
ン等が使用できる。溶剤もまた、単独で用いても、2種
以上を混合して用いてもよい。また、必要により可塑剤
やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、例
えばハロゲン化ピラフィン、ジメチルナフタレン、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル
ホスフェート等やポリエステル等の重合体及び共重合体
等があげられる。レベリング剤としては、シリコーンオ
イルやパーフルオロ基含有オリゴマーまたはポリマー等
があげられる。
【0036】更に本発明においては、支持体と前記感光
層の間に、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシメタ
クリレート、エポキシ樹脂等の中間層あるいは前記樹脂
と白色顔料たとえば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、硫酸バリウム、リトポンからなる白色顔料層を
設けることもできる。中間層または白色材料層の膜厚は
0.05〜10μmが適当であり、好ましくは0.2〜5μmの膜
厚とする。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0038】実施例1 直径80mmアルミシリンダーの外部表面に、下記中間層用
塗工液を浸漬法で塗工し、120℃で10分間加熱乾燥して
膜厚0.5μmの中間層を設けた。
【0039】〈中間層用塗工液〉アルコール可溶性ポリ
アミド(アミランCM-8000、東レ(株)製)8部とメタノ
ール60部、ブタノール32部とを混合し、中間層用塗工液
とした。次に前記中間層上に下記電荷発生層用塗工液を
浸漬法で塗工し120℃で10分間加熱乾燥して膜厚さ0.2μ
mの電荷発生層を設けた。
【0040】〈電荷発生層用塗工液〉下記構造式のビス
アゾ顔料20gおよびシクロヘキサノン400部をボールミ
ルで48時間混練分散した後、さらにシクロヘキサノンを
600部加え、2時間混練分散した。この分散液にシクロ
ヘキサノンを1000部滴下希釈して電荷発生層用塗工液と
した。
【0041】
【化2】 さら電荷発生層の上に、下記電荷移動層層用塗工液を液
浸漬法で塗工し130℃で20分間加熱乾燥して膜厚20μm電
荷移動層を形成し電子写真用感光体とした。
【0042】 〈電荷移動層用塗工液〉 下記構造式の電荷移動剤 10部
【0042】
【化3】 ポリカーボネート 〔前記ポリカーボネートの具体例の構造式 (6)で示めされたもの〕 10部 ポリビニルカルバゾール〔ホ゜リ-N-ヒ゛ニルカソ゛ール:東京化成社製〕 0.5部 シリコーンオイル〔KF-50,信越シリコーン社製〕 0.002部 上機物質を塩化メチレン90部に溶解し、電荷移動層用塗
工液とした。このようにして得られた電子写真用感光体
ドラムを市販の複写機(リコピーFT4820 リコー社製)
に装着し標準露光量で多数枚の画像出しを行った。
【0043】実施例2 電荷移動層用塗工液に用いた結着剤成分樹脂の混合比率
を10:0.5から10:1に変えた以外は実施例1と同様に
して感光体ドラムを作成し、市販の複写機(リコピーFT
4820)に装着し、標準露光量で多数枚の画像出しを行っ
た。
【0044】実施例3 電荷移動層用塗工液に用いた結着剤成分樹脂の混合比率
を10:0.5から10:2に変えた以外は実施例1と同様に
して感光体ドラムを作成し、市販の複写機(リコピーFT
4820)に装着し、標準露光量で多数枚の画像出しを行っ
た。
【0045】実施例4 電荷移動層用塗工液に用いた結着剤成分樹脂の混合比率
を10:1から10:3に変えた以外は実施例1と同様にし
て感光体ドラムを作成し、市販の複写機(リコピーFT48
20)に装着し、標準露光量で多数枚の画像出しを行っ
た。
【0046】比較例1 電荷移動層用塗工液に用いた結着剤成分樹脂をポリカー
ボネートのみとした以外は実施例1と同様にして感光体
ドラムを作成し、同様の評価を行った。以上、実施例1
〜4、及び比較例1の結果を表16に示す。
【0047】
【表16】
【0048】実施例5〜7、比較例2、3 アルミシリンダーに変えて、アルミ板を用いた以外は実
施例1〜3と同様にして実施例5〜7を、実施例4及び
比較例1と同様にして、比較例2、3の電子写真用感光
体を作成した。
【0049】以上のようにして作成した電子写真用感光
体を静電複写紙試験装置(川口電機製作所製SP428型)
を使用して次の様にして電子写真特性を評価した。ま
ず、−6KVのコロナ帯電を20秒間行い〔この時の帯電電
位をV0(V)とする〕、次に暗所に放置して表面電位が−
800(V)になったところで、4.5luxのタングステン光を照
射して表面電位が−400(V)になるのに必要な半減露光量
E1/2(lux・sec)を求めた。結果を表17に示す。
【0050】
【表17】
【0051】実施例8 実施例1〜4の電荷移動層塗工液の(a)群の樹脂のポ
リビニルカルバゾール樹脂を、その他(a)群の樹脂、
すなわち、ポリスチレン樹脂(HRM700;電気化学工業社
製)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(サン
レックスSAN-A;菱モンサント社製)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体樹脂(クレアレン;電気化学工業社
製)、水添スチレン−ブタジエン共重合体樹脂〔水添ス
チレン-ブタジエン(タフテックH1051、旭化成社製)10g
をトルエン400 mlに溶解し、セライトを通し濾過し、不
純物をセライトに吸着し、濾液を大量のメタノール中へ
注ぎ、折出させて濾別後80℃、5時間乾燥したもの(水
添率92%)〕または水添スチレン−イソプレン共重合体
樹脂〔水添スチレン-イソプレン(セクトン2002、クレ
ハ社製)を水添スチレン−ブタジエン共重合体樹脂と同
様に処理したもの(水添率95%)〕、ポリ塩化ビニル
(SH-250;電気化学工業社製)、ポリ酢酸ビニル(デン
カラック No.500H:電気化学工業社製)、塩化ビニル-
酢酸ビニル共重合体樹脂(ヘキサフレックスCM131:ヘ
キスト社製)のそれぞれについて、変えた以外は実施例
1〜4と同様にして電子写真用感光体ドラムを作成し、
複写機(リコピーFT4820)に装着し、ポリカーボネート
/(a)群樹脂=100/5〜100/20の場合はFT4820の標
準露光量で、100/50の場合には、FT4820の最大露光量
で多数枚の繰返し画像出しを行った所、総て3万枚以上
までトナー・フィルミングが観察されなかった。尚、ポ
リカーボネート/(a)群樹脂=100/0 の時、5千〜
1万枚でトナー・フィルミングが発生した。
【0052】実施例9 実施例5〜7、比較例2〜3の(a)群樹脂に属するポ
リビニルカルバゾールの代りに、ポリビニルカルバゾー
ル以外のその他の(a)群樹脂の樹脂の夫々を用いて、
アルミ板を用いて電子写真用感光体を作成した。静電複
写紙試験装置(川口電気製所製 SP428型)を用いて、電
子写真特性を前と同様にして評価した所、ポリカーボネ
ート/(a)群樹脂=100/0〜100/20の場合の半減露
光量はほぼ同じく高感度であるが(ただし、前述の通り
ポリカーボネート/(a)群樹脂=100/0のドラム感光
体の繰返し画像出しで5千〜1万枚でトナー・フィルミ
ングが発生したことは前述した)、ポリカーボネート/
(a)群樹脂=100/50の時には凡そ前記半減露光量の
1.5倍〜2倍に増大した。
【0053】
【発明の効果】電荷移動層を形成する結着剤樹脂がポリ
カーボネートと、ポリスチレン、アクリロニトリル-ス
チレン共重合体樹脂、スチレン〜ブタジエン共重合体樹
脂、水添スチレン〜ブタジエンまたはスチレン〜イソプ
レン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体、及びポリカルバゾー
ルからなる(a)群から選ばれた少くとも1種の樹脂を
用いた電子写真用感光体は、繰返し使用後もトナーフィ
ルミングが生じず、良好な画像を生む電子写真用感光体
を提供できる。また、前記電荷移動層を形成するポリカ
ーボネートと、(a)群の樹脂の比率を重量比でポリカ
ーボネート:(a)群の結着剤樹脂=100:0.5〜100 :2
0とすることにより、耐トナーフィルミング性が良好
で、かつ、初期または繰り返し使用時の感度や優れた電
子写真用感光体を提供できる。
フロントページの続き (72)発明者 田村 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも電荷発生層と
    電荷移動層とを有する機能分離型電子写真用感光体にお
    いて、電荷移動層を形成する結着剤成分としてポリカー
    ボネートと、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレ
    ン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、
    水添スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレン
    共重合体樹脂、ポリ塩化ビニール、ポリ酢酸ビニル、塩
    化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びポリビニルカ
    ルバゾールからなる(a)群から選ばれた少なくとも1
    種の樹脂との混合樹脂であるこを特徴とする電子写真用
    感光体。
  2. 【請求項2】 前記電荷移動層を形成する結着剤成分で
    あるポリカーボネートと、(a)群の樹脂との重量比が10
    0:0.5乃至100:20であることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真用感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5248251A (en) * 1990-11-26 1993-09-28 Catalytica, Inc. Graded palladium-containing partial combustion catalyst and a process for using it
CN107430359A (zh) * 2015-04-03 2017-12-01 京瓷办公信息系统株式会社 带正电单层型电子照相感光体、处理盒和图像形成装置

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US5248251A (en) * 1990-11-26 1993-09-28 Catalytica, Inc. Graded palladium-containing partial combustion catalyst and a process for using it
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