JPH0651483A - 画像転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力転写後に、誤って転写されたマイクロカ
プセル型トナー及びマイクロカプセル型トナーの内包物
と一緒に転写してしまったカプセル壁を取り除くことが
できる画像転写記録装置を提供すること。 【構成】 画像転写記録装置１は像露光用の感光体とし
て磁性体が含有されたマイクロカプセル型トナー２を用
い、これを露光、硬化させて潜像を形成し、未硬化のマ
イクロカプセル型トナーに圧力を加えて破壊し、内包物
を記録媒体１４上に転写し、圧力定着する。この後、磁
力ユニット１８により記録媒体１４上に誤って転写され
てしまったマイクロカプセル型トナー及びカプセル壁を
記録媒体１４上より取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マイクロカプセル型ト
ナーを像露光用の感光体として用い、像露光されたトナ
ーを記録媒体に転写することにより画像記録を行う画像
転写記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像記録転写装置において行われ
る画像記録方法としては、電子写真法、転写記録媒体を
用いる方法等が知られており、これらの方法で使用され
るトナーを記録媒体上に定着させるには、熱ロールを用
いて定着を行う、あるいは高い圧力をかけることによっ
て定着を行うことが知られている。ところで、熱ロール
を用いて定着を行うものは、ロールを加熱するための高
いエネルギーが必要であるので、圧力定着を用いる方が
有利である。

【０００３】上記のような圧力定着によって画像を記録
するもののうち、マイクロカプセル型トナーを像露光用
の感光体として用い、像露光されたトナーを記録媒体に
転写することにより画像記録を行う画像記録転写装置が
知られており、また、マイクロカプセル型トナーの内包
物を液状としたものを用いた画像転写記録装置が知られ
ている。この種のものは、感光体ドラムに電気的に潜像
を形成し、マイクロカプセル型トナーによって現像した
後、記録媒体に圧力を加えて内包物を転写させる方法、
または、感光性を持つ液状の物質を内包させたマイクロ
カプセル型トナーを、露光、硬化させて潜像を形成し、
未硬化のカプセルの内包物を圧力定着によって記録媒体
上に転写させる方法等がある。これらのマイクロカプセ
ル型トナーは、定着の際に加わる圧力でカプセル壁がす
みやかに破壊されなければならない。さらに、定着装置
の単純化、軽量化のために、カプセル壁の強度は、限り
なく弱くしたほうが望ましい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロカプセル型トナーを使用し、圧力により転写、定着を
行う画像記録装置では、圧力転写後に、破壊されたマイ
クロカプセル型トナーの内包物と一緒に、カプセル壁が
記録媒体上に転写されることがある。すると、記録媒体
上に出力された画像の色再現性や画質を悪化させるとい
う問題があった。本発明は、上述した問題点を解決する
ためになされたもので、圧力転写後に、誤って転写され
たマイクロカプセル型トナー及びマイクロカプセル型ト
ナーの内包物と一緒に転写してしまったカプセル壁を取
り除くことのできる画像転写記録装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、マイクロカプセル型トナーを像露光用の感
光体として用い、像露光された前記トナーを記録媒体に
転写することにより画像記録を行う画像転写記録装置に
おいて、該マイクロカプセル型トナーは、そのカプセル
壁に磁性体を含有させてなり、前記記録媒体上に誤って
転写された前記トナー及びそのカプセル壁を磁力によっ
て吸引する磁力吸引手段を備えたものである。

【０００６】

【作用】上記の構成によれば、画像転写記録装置は像露
光用の感光体として磁性体が含有されたカプセル壁を持
つマイクロカプセル型トナーを用い、これを露光、硬化
させて潜像を形成し、未硬化のマイクロカプセル型トナ
ーに圧力を加えて破壊し、内包物を記録媒体上に転写
し、圧力定着する。この後、磁力吸引手段により記録媒
体上に誤って転写されてしまったマイクロカプセル型ト
ナー及びカプセル壁を記録媒体上より取り除く。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例による画
像転写記録装置を図１を参照して説明する。本実施例の
画像転写記録装置１は像露光用の感光体として感光性マ
イクロカプセル型トナー２を用い、該トナー２を保持す
る回転可能なアルミニウムなどからなる支持体３を有
し、この支持体３には電源４が接続されている。支持体
３に該トナー２を塗布する塗布手段として、支持体３に
近接して感光性マイクロカプセル型トナー２を貯蔵する
トナーケース５と、感光性マイクロカプセル型トナー２
の撹はん機６と、感光性マイクロカプセル型トナー２を
担持する担持体７と、担持体７に感光性マイクロカプセ
ル型トナー２を供給するための供給体８とからなるトナ
ー塗布部が設けられている。担持体７は支持体３に近接
して対向するように配置されており、支持体３には電源
４が接続されていることから、支持体３と担持体７の間
の領域には電界が形成される。

【０００８】本装置１において用いられる感光性マイク
ロカプセル型トナー２は、少なくとも磁性体と光硬化性
物質を内包し、光に反応して機械的強度が変化するマイ
クロカプセル型トナーである。光硬化性物質は、重合性
化合物と光重合開始剤が混合されたものである。この内
包物を、水中に乳化させ界面重合法、ｉｎ ｓｉｔｕ
法、粉霧造粒法など公知のマイクロカプセル化法によっ
て、樹脂の外壁の内側に封入し、マイクロカプセルを得
る。これを、スプレードライ法、真空乾燥法などによっ
て乾燥させ、粉体状の感光性マイクロカプセル型トナー
２を得る。この感光性マイクロカプセル型トナー２に必
要な磁性体は、このカプセル壁中に含めることができ
る。もしくは、このカプセル壁の外側からさらに磁性体
を含むカプセル壁で二重にして覆うこともできる。さら
に、流動性や帯電性が要求される場合には、マイクロカ
プセルの周囲に無機または有機の微粉末あるいは、荷電
制御剤の粉末などを添加すればよい。カプセル壁の外側
の処理には、トナーの表面改質に関する技術を使用する
ことができる。

【０００９】支持体３上の感光性マイクロカプセル型ト
ナー２へ像を露光する露光手段として、前記塗布部より
支持体３の矢印回転方向には、原稿を照射する露光ラン
プ１１と、原稿を載せる原稿台ガラス９と、原稿カバー
１０と、原稿からの反射光を支持体３に入射させる光路
中に位置して画像の色調を調製するフィルター１２とか
らなる露光部が設けられている。さらに、支持体３の回
転方向には、支持体３と密着するように加圧ローラ１３
が備えられている。支持体３と加圧ローラ１３の間に
は、任意の記録媒体１４が収納されたカセット１５よ
り、該記録媒体１４が供給される。さらに、支持体３の
回転方向には、支持体３と密着するようにクリーニング
ブレード１６を備えたクリーニングボックス１７が設け
られている。

【００１０】さらに、支持体３と加圧ローラ１３との間
を通った記録媒体１４の送り方向には、記録媒体１４の
画像記録面に対向する位置に、マイクロカプセル型トナ
ー２及びそのカプセル壁を磁力によって取り除くための
磁石ユニット１８が設けられ、この磁石ユニット１８に
は、クリーニングブレード１９及びクリーニングボック
ス２０が備えられている。

【００１１】次に、本装置１による画像形成工程につい
て図２を参照して説明する。図示しない起動スイッチが
ＯＮになると、支持体３が回転する。感光性マイクロカ
プセル型トナー塗布部において、撹はん機６と供給体８
の回転によって担持体７に感光性マイクロカプセル型ト
ナー２が帯電されて担持される。担持された感光性マイ
クロカプセル型トナー２は、支持体３と担持体７の間に
形成された電界によって、支持体３の方向に静電引力を
受ける。この結果、感光性マイクロカプセル型トナー２
が支持体３に向けて飛しょうする。したがって、感光性
マイクロカプセル型トナー２は支持体３の表面に保持さ
れる。

【００１２】図２の（ａ）において、支持体３は矢印方
向に回転し、これに伴い、感光性マイクロカプセル型ト
ナー２の塗布面は露光部にさらされる。ここで、露光ラ
ンプ１１が点灯し、原稿を支持している原稿台ガラス９
が移動する。これにより原稿に従って露光走査が行なわ
れる。原稿から反射した光Ｌは、画像の色調を調整する
ためフィルター１２を通って、支持体３に塗布された感
光性マイクロカプセル型トナー２の面に結像される。露
光された感光性マイクロカプセル型トナー２では、内包
物が重合反応により硬化する。図２において、２ａは硬
化したトナーを、２ｂは硬化されていないトナーを示
す。

【００１３】さらに、図２の（ｂ）において、支持体３
が回転し、露光された感光性マイクロカプセル型トナー
２は加圧ローラ１３の近傍に搬送される。この搬送と所
定のタイミングをとって、支持体３と加圧ローラ１３と
の間に記録媒体１４が送り込まれる。支持体３と記録媒
体１４との間に挟まれた感光性マイクロカプセル型トナ
ー２は、記録媒体１４側からの加圧ローラ１３による圧
力によって、未硬化のトナー２ｂが破壊され、液状の内
包物が記録媒体１４上に転写されて、画像が形成され
る。この時、破壊されなかった感光性マイクロカプセル
型トナー及び破壊された感光性マイクロカプセル型トナ
ーのカプセル壁の一部は、誤って内包物と一緒に記録媒
体１４上に移ってしまう。これは画像を汚す不要なもの
であるので、同図（ｃ）において、転写工程後に磁石ユ
ニット１８によって、画像の形成された記録媒体１４上
から、磁性体を含む感光性マイクロカプセル型トナー壁
２ｃを吸引除去する。

【００１４】さらに、支持体３は回転し、支持体３上に
残っている感光性マイクロカプセル型トナー２及びその
カプセル壁２ｃは、図１に示すクリーニングブレード１
６によりはぎ取られて、クリーニングボックス１７内に
回収される。また、記録媒体１４上から吸引除去された
磁石ユニット１８上の感光性マイクロカプセル型トナー
及びそのカプセル壁２ｃは、磁石ユニット１８のクリー
ニングブレード１９によってはぎ取られ、磁石ユニット
１８のクリーニングボックス２０内に納められる。この
ように、本装置１には磁力ユニット１８を備え、さら
に、磁性体を含有した感光性マイクロカプセル型トナー
２を用いることで、誤って転写された感光性マイクロカ
プセル型トナー及び転写時に破壊されたカプセル壁２ｃ
は記録媒体上から除去される。よって、画像品質が向上
する。なお、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、その主旨を逸脱しない範囲において種々の変形が
可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、マイクロ
カプセル型トナーは、そのカプセル壁に磁性体を含有さ
せたものを用い、圧力定着時に記録媒体上に誤って転写
されたマイクロカプセル型トナー及びそのカプセル壁を
磁力吸引し、記録媒体上より取り除くようにしたので、
転写された画像の色再現性や画質の悪化を防ぐことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による画像転写記録装置の概
略構成図である。

【図２】同装置における画像記録工程の説明図で、
（ａ）は露光時、（ｂ）は圧力転写時、（ｃ）は磁力吸
引時を示す。

【符号の説明】

１ 画像転写記録装置 ２ 感光性マイクロカプセル型トナー ３ 支持体 １１ 露光ランプ １３ 加圧ローラ １４ 記録媒体 １８ 磁石ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マイクロカプセル型トナーを像露光用の
   感光体として用い、像露光された前記トナーを記録媒体
   に転写することにより画像記録を行う画像転写記録装置
   において、該マイクロカプセル型トナーは、そのカプセ
   ル壁に磁性体を含有させてなり、前記記録媒体上に誤っ
   て転写された前記トナー及びそのカプセル壁を磁力によ
   って吸引する磁力吸引手段を備えたことを特徴とする画
   像転写記録装置。