JPH0650989B2 - 抗癌性または抗腫瘍性蛋白質の産生法 - Google Patents

抗癌性または抗腫瘍性蛋白質の産生法

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JPH0650989B2
JPH0650989B2 JP19407786A JP19407786A JPH0650989B2 JP H0650989 B2 JPH0650989 B2 JP H0650989B2 JP 19407786 A JP19407786 A JP 19407786A JP 19407786 A JP19407786 A JP 19407786A JP H0650989 B2 JPH0650989 B2 JP H0650989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶血性連鎖球菌(S.pyogenes)由来の抗癌性また
は抗腫瘍性蛋白質(以下SAGPと略す)の遺伝子工学
的手法による新規な産生法に関する。さらに詳しくは、
SAGPをコードする遺伝子DNAが宿主微生物内に於
いて発現可能な発現ベクターおよび、該発現ベクターに
よる形質転換微生物をSAGPが発現し得るような条件
下に培養してSAGPを産生させることによるSAGP
の産生法に関する。
SAGPは本来S.pyogenesにより産生される抗癌性また
は抗腫瘍性蛋白質である。S.pyogenesはグラム陽性の連
鎖球菌であり、丹毒、敗血症、産褥熱等の病原菌として
知られている。一方、S.pyogenesの一部菌株が抗癌性ま
たは抗腫瘍性蛋白質を産生することは古くから知られて
おり、今日臨床的にも抗癌剤として用いられている。
SAGPは吉村によりS.pyogenes Su株の菌体よりin vi
tro細胞増殖抑制活性を指標として抽出精製された物質
であり、in vivoにおいても抗癌活性を有することが動
物実験により示されている(特開昭58−222026
号)。
SAGPの遺伝子DNAは本発明者らによりクローン化
されDNA塩基配列が明らかにされ、またDNA塩基配
列から予測することによりSAGPのアミノ酸配列も明
らかにされている(特願昭60−298014号)。そ
の結果によればSAGPは第1図で示したアミノ酸配列
からN末端のメチオニン(Met)を除く410個のアミノ
酸配列で構成され、推定分子量は約4万7千である。S
AGP遺伝子のDNA塩基配列は第1A図および第1B
図に示したように、SAGP蛋白質のアミノ酸配列をコ
ードする1230塩基とその5′端にアミノ酸への翻訳
開始シグナルとなるメチオニン(Met)をコードするAT
Gの塩基配列が付加し、3′端に翻訳終了のシグナルを
コードするTAAの塩基配列が付加した配列で表され
る。
本発明は、前記SAGP遺伝子配列を含み、該遺伝子が
宿主微生物内に於いて発現可能な発現ベクターを作製
し、該発現ベクターにより宿主微生物を形質転換し、S
AGP遺伝子が発現可能な条件下に前記形質転換微生物
を培養し、該培養微生物によりSAGPが産生されるこ
とを確認することにより完成したものである。本発明に
より従来の方法に比してより大量のSAGPを生産する
ことが可能となり、また病原となり得る危険をはらんだ
微生物を培養することなく安全にSAGPを生産するこ
とが可能となつた。
本発明者らが使用したSAGP遺伝子DNAは、S.pyog
enes Su株の染色体よりクローン化したいわば天然のD
NA塩基配列を有しているが、よく知られているように
多くのアミノ酸についてはそれをコードするDNA塩基
配列は複数存在する。従つてSAGP遺伝子を発現さ
せ、SAGPを産生させるには必ずしも天然のSAGP
遺伝子である必要はない。
本発明に使用する発現ベクターはSAGP遺伝子DNA
配列を含み、SAGP遺伝子DNA配列の上流に宿主微
生物内においてSAGP遺伝子の発現を制御するDNA
配列を有し、かつ宿主微生物内において複製可能である
必要がある。より具体的にはSAGP遺伝子の上流にプ
ロモーターと呼ばれるDNA配列領域が必要であり、か
つ複製起点またはオリジンと呼ばれる、宿主微生物内に
おけるベクターの複製を制御するDNA配列領域が必須
である。プロモーターとしては、例えば大腸菌を宿主微
生物とした場合には、ラクトース分解系遺伝子のプロモ
ーター(lacプロモーター)、トリプトフアン合成系遺
伝子のプロモーター(trpプロモーター)、リポプロテ
イン合成系遺伝子のプロモーター(lppプロモーター)
などのうち1つもしくは複数のプロモーターを組合せて
使用することが可能であるが、これらに限定されるもの
ではない。また本発明に使用する発現ベクターは、該ベ
クターを有する宿主微生物を選択的に生育させることを
容易ならしめるために、薬剤耐性遺伝子をも含んでいる
ことが望ましい。薬剤耐性遺伝子としては、例えば大腸
菌を宿主微生物とした場合には、アンピシリン耐性遺伝
子、テトラサイクリン耐性遺伝子などが使用可能であ
る。
現在の遺伝子工学技術の分野においては、宿主微生物と
して大腸菌(E.coli)が遺伝的解析が最も進んでおり、ま
た安全性が高いこともあつて最もよく採用されている。
SAGPの産生に関しても、大量にかつ速やかに宿主微
生物を増殖させ得ること、また遺伝子発現制御の機構が
比較的よく解析されているためSAGP遺伝子の発現制
御が行いやすいこと等の観点から、宿主微生物として一
般的に大腸菌を採用することが望ましいが、宿主微生物
としては種々のバクテリアや酵母等がそれぞれの微生物
内で複製可能な発現ベクターとの組み合わせにより使用
することが可能である。
発明の具体的説明 本発明におけるSAGPの産生は概略以下の工程により
行なわれる。
(1)SAGP遺伝子DNA配列を含んだDNA断片の
取得 (2)プロモーター配列を有し宿主大腸菌内で複製可能
なプラスミドベクターの、プロモーター配列下流への前
記DNA断片の組込み。
(3)前記組換えベクターによる宿主大腸菌の形質転
換。
(4)形質転換大腸菌の培養およびSAGP遺伝子発現
の誘導。
次に以上の各工程をさらに詳しく述べる。
(1)SAGP遺伝子DNA配列を含んだDNA断片の
取得 SAGP遺伝子DNA配列を有するプラスミドベクター
pSP1を制限酵素EcoRIで分解し、この分解混合物
をポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画して、S
AGP遺伝子を含む約2100の塩基対のDNA断片を
このゲルより抽出・精製する。
(2)発現ベクターの作製 発現ベクターへSAGP遺伝子を組み込む。例えば、市
販のプラスミドpKK223−3または、pINIIIA
1を制限酵素EcoRIにより、プロモーターの下流で切
断し、前記のSAGP遺伝子を含むDNA断片と混合し
て、T4−DNAリガーゼにより結合する。
(3)宿主大腸菌の形質転換 前記DNAリガーゼ反応物を形質転換法により大腸菌に
導入する。これによつて得られた多数の形質転換体か
ら、プラスミドDNAを調整し、各種制限酵素による分
解パターンを解析して目的とする発現ベクターを有する
形質転換体を選別する。
(4)形質転換大腸菌の培養とSAGP遺伝子発現の誘
導 前記発現ベクターにより形質転換した大腸菌を適当な栄
養素及び薬剤を含んだ液体培地に接種し、振盪しながら
培養を行う。培養液の濁度を測定することで、菌の増殖
を監視し、適度に増殖した時点で、IPTG(Isopropy
l-β-D-thiogalactoside)の添加等により、SAGP遺
伝子の発現を誘導する。誘導開始後更に数時間培養を継
続する。
(5)培養菌体の集菌、菌体破砕及びSAGPの産生 前記培養液から遠心分離により菌体を分離して集め、次
いで卵白リゾチーム及び、界面活性剤又は超音波等によ
り大腸菌を溶菌せしめる。この溶菌物よりオクタロニー
法、ウエスタンブロツテイング法等によりSAGPの産
生を確認する。
実施例 以下の実施例は本発明の代表例として示すものであり、
本発明のSAGP産生法はこれに限定されるものではな
い。
1)SAGP遺伝子配列を含んだDNA断片の取得 SAGP遺伝子DNA配列を含むプラスミドpSP1
(本発明者らの発明に係る特願昭60−298014号
明細書に記載の方法で取得した)12.5μgに制限酵素E
coRI(宝酒造製)50unitを加えて37℃で2時間反
応させ、pSP1を分解した。この分解物を5%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動により分画し、約21000
塩基対のDNA断片を含む部分のポリアクリルアミドゲ
ルを切り出した。このゲル片をすりつぶし、トリス−E
DTA緩衝液に浸漬してDNAを抽出した。抽出物をフ
エノール洗浄、エタノール沈殿により精製し、SAGP
遺伝子を含む21000塩基対のDNA断片を得た。
2)発現ベクターの作製(第2図にその概要を示す。) trpおよびlacプロモーター(tacプロモーター)を有
し、かつアンピシリン耐性遺伝子を有する発現ベクター
作製用プラスミドDNA、pKK223−3(フアルマ
シア−PL社製)2μgに制限酵素EcoRI 6unitを
加えて、37℃一晩反応させて切断した後、アルカリフ
オスフアターゼと37℃30分間反応せしめて5′端の
リン酸基を除去した。反応混合物をフエノールで洗浄後
エタノール沈殿によりDNAを回収した。
一方、同様の方法でlppおよびlacプロモーターを有し、
かつアンピシリン耐性遺伝子を有している別の発現ベク
ター作製用プラスミドDNA pINIIIA1(Inouye
ら、EMBO Journal,1,771(1982))をECORIで切断し、
アルカリフオスフアターゼにより5′端のリン酸基を除
去した。
前記のように調製したSAGP遺伝子を含むDNA断片
と上記ベクターDNAを、それぞれ混合し、T4−DN
Aリガーゼ(宝酒造製)を加えて、4℃一晩反応させる
ことにより結合して形質発現ベクターを作製した。
3)宿主大腸菌の形質転換 上記のDNAリガーゼ反応混合物(形質発現ベクターを
含む)により文献記載の方法(T.Maniatisら、Molecula
r Cloning,p250,Cold Spring Harbor Laboratory(198
2))により大腸菌JM103株を形質転換した。
得られた多数の形質転換体のうち、それぞれ20−30
クローンを培養して文献記載の方法(T.Maniatisら、Mo
lecular Cloning,p86,Cold Spring Harbor Laborator
y)によりプラスミドDNAを調製し、各種制限酵素に
より切断して、その切断パターンをアガロースゲル電気
泳動により解析することにより、目的とする発現ベクタ
ーptacSP、pINIIISPを保持する形質転換体大腸
菌(Escherichia coli)JM103(ptacSP)及びJM
103(pINIIISP)のクローンをそれぞれ選択し
た。
4)形質転換大腸菌の培養とSAGP遺伝子発現の誘導 上記発現ベクターを保持する形質転換大腸菌をそれぞれ
LB培地(T.Maniatisら、Molecular Cloning,p440,Col
d Spring Harbor Laboratory)100mlに植菌し、37
℃で振盪培養を行った。菌の増殖過程を波長550nmの
濁度を測定することにより監視し、濁度がおよそ0.2に
達した時点で終濃度0.1mMのIPTG(Isopropyl-β-D-
thiogalactoside)を添加することによりSAGP遺伝
子の発現を誘導し、さらに培養を継続した。誘導開始後
経時的に培地をサンプリングし、後にSAGPの産生を
調べた。
この時、対照としてpKK223−3およびpINIII
A1を保持する大腸菌も同時にそれぞれ培養、IPTG
添加を行い、同様にサンプリングした。
5)SAGP産生の確認 上記のようにサンプリングした培地を遠心分離して菌体
を集め、これに2mg/mlの卵白リゾチーム(生化学工業
製)を加えて0℃30分間反応後、1%Trinton-X1
00(和光純薬製)を加えて、菌体を溶菌せしめた。
該溶菌液と、抗SAGP家兎抗血清とをオクタロニー法
(.Ouchterlony,Prog.Allergy,6,30(1962))により
37℃一晩反応させたところ、pINIIISPおよびpta
cSPを保持する菌の溶菌液およびS.pyogenesより単離
したSAGPでは抗源抗体反応による明瞭な沈降線が認
められた。一方、対照としたpINIIIA1、pKK2
23−3を保持する菌の溶菌液では沈降線は認められな
かつた。
また該溶菌液を12.5%SDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動により分画し、ウエスタンブロツテイング法
(W.N.Burnette,Anal.Biochem.,112,195(1981))により蛋
白質をアクリルアミドゲルからニトロセルロースフイル
ター上に移して固定した。次いでこのフイルターを抗S
AGP家兎抗血清を含む緩衝液に37℃30分間さらに
4℃一晩浸漬して反応させた。次にこのフイルターを緩
衝液で洗浄して未反応の抗SAGP抗体を除去した後、
アルカリフオスフアターゼー抗家兎IGg抗体を含む緩
衝液に37℃2時間浸漬してフイルター上の抗SAGP
抗体と反応せしめた。さらにこのフイルターを洗浄後、
BCIP(5-Bromo-4-chloro-3-indolylphosphate)を含
む緩衝液に浸して発色せしめたところ、ptacSPおよび
pINIIISPを保持する菌の溶菌液ではS.pyogenesか
ら単離したSAGPと同一分子量(約47000)に相
当する位置に抗原抗体反応によるバンドが認められた。
一方、対照としたpKK223−3およびpINIIIA
1を保持する菌の溶菌液では、そのようなバンドは観察
されなかつた。
以上のようにして、前記発現ベクターを有する大腸菌に
よるSAGPの産生が確認された。
参考例: 1)SAGPの部分アミノ酸配列 S.pyogenes Su株(ATCC21060)の培養菌体よ
りSAGPを公知の方法(吉村、特開昭58−2220
26号公報)に従つて精製し、得られた精製SAGP1
00μgを使つて気相プロテインシークエンサー(アプ
ライドバイオシステムズ社製モデル470A)によりN
末端部分のアミノ酸配列を分析した。
その結果SAGPのアミノ酸配列を次のように決定し
た。
Pro(またはThr)-Ala-Glu-Thr-Pro-Ile-Unk-Val-Tyr-U
nk-Unk-Ile-Gly-Lys-Leu-Lys-Lys-Val-Leu-Leu-His-Unk
-Pro-Gly-Lys 上記配列中Unkはアミノ酸種が不明であることを示す。
2)プローブ合成 上記アミノ酸配列決定の結果に基づきその一部分のアミ
ノ酸配列をコードする2種の短鎖DNA、P−37およ
びP−38を合成した。P−37はアミノ酸配列Pro-Al
a-Glu-Thr-Pro-Ileに対応し、配列はCC(T,A)GC(T,A)CAA
AC(A,T)CC(T,A)AT(A,T)Tで表され、P−38はアミノ酸
配列Ile-Gly-Lys-Leu-Lys-Lys-Valに対応し、配列はAT
(T,A)GG(T,C)AAATT(A,G)AAAAAAGTで表される。括弧内は
複数のうちどちらかの塩基であることを示す。多くのア
ミノ酸についてはそれをコードするDNA配列は複数個
存在するため、上記のようにP−37は32種の、P−
38は8種のDNA配列の混合物である。
合成は全自動DNA合成機(アプライドバイオシステム
ズ社製モデル380A)を使用して行つた。その結果P
−37を約146μg、P−38を約244μg取得し
た。
これらのプローブDNAは後述するハイブリダイゼーシ
ヨンに使用する直前に放射性同位元素32Pで次のように
標識した。
合成プローブ5pMをT4−ポリヌクレオチドキナーゼお
よび[γ32P]−ATP30μCiと共に37℃で30
分間インキユベートした。反応生成物を少量のDE−5
2に吸着せしめ、0.1M-NaCl溶液で洗浄して未反応の
[γ32P]−ATPを除いた後、DE−52から1M-N
aCl溶液にて32−P標識プローブを溶出した。
3)S.pyogenes Su株染色体DNAの抽出および制限酵
素分解 S.pyogenes Su株(ATCC21060)をL培地30
0mlにて37℃15時間培養し、遠心分離により菌体を
集めた。この菌体を0.15M NaCl-0.1M EDTA溶液に懸
濁し、リゾチーム、プロナーゼおよびドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)で処理して溶菌せしめた。該溶菌液よ
り文献記載の方法(J.Marmur,J.Mol.Biol.,3,208(1961))
により染色体DNAを抽出、精製した。
染色体DNA5μgを制限酵素EcoRIと37℃1時間
インキユベートして分解し、分解反応生成物を1%アガ
ロース平板ゲルを用いた電気泳動により分画した。この
アガロースゲルを0.2M NaOH-0.5M NaCl溶液に浸漬
してDNAを変性せしめ、次いでトリス−アセテート−
EDTA緩衝液で各10分間3回洗浄した。次にアガロ
ースゲル上のDNAを電気泳動によりZeta-Probeフイル
ター上に移した。電気泳動は30Vで一晩行つた。該フ
イルターを室温30分間風乾後80℃3時間加熱処理し
てDNAを固定した。
上記方法によりDNAを固定したZeta-Probeフイルター
を2枚調整しそれぞれを4×SSC(Blin et al.,Nucle
ic Acid Research,3,2303(1976))、50×デンハート(W
ahl et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,76,.3683(1979))、1
%SDS10μg/ml超音波処理サケ精子DNA溶液で
60℃3時間プレハイブリダイゼーシヨンを行い、次い
で上記溶液に各々100000cpmの標識P−37プロ
ーブまたは標識P−38プローブを含む溶液で40℃1
8時間ハイブリダイゼーシヨンした。4×SSCでフイ
ルターを40℃15−30分間ずつ4回洗浄した後風乾
し、X線フイルムに48時間露光した。
その結果、いずれのプローブを用いた場合も約2kbp(k
bp:千塩基対)DNAの大きさに相当する位置にハイブ
リダイズするバンドが認められた。
4)染色体DNA断片のベクターへの組込みと大腸菌の
形質転換 染色体DNA50μgを制限酵素EcoRIと37℃1時
間インキユベートして分解し、1%アガロースゲルを用
いた電気泳動により分画した。約1.8−2.2kbpの大きさ
に相当する部分のアガロースゲルを切り出し、このゲル
からDNA断片を抽出した。
EcoRIで切断したプラスミドベクターpUC19(宝
酒造製)と上記染色体DNAを混合し、T4−DNAリ
ガーゼにより17℃一晩反応した。
リガーゼ反応生成物により大腸菌(E.coli)JM103株
を形質転換(M.Mandel and A.Higa,J.Mol.Biol.,53,159
(1970))し5−ブロモ-4-クロロ-3-インドリル−β-D-ガ
ラクトシド(X-Gal)、イソプロピル−β-D-チオガラクト
シド(IPTG)およびアンピシリンを含んだL−寒天
培地にまいた。37℃で一晩培養して出現したコロニー
のうち白色のコロニーを64個拾つた。
5)SAGP遺伝子保持形質転換対の選別取得 前記のごとく取得したE.coli JM 103形質転換体64個
をアンピシリンを含むL−寒天培地上においたニトロセ
ルロースフイルター上に植菌し37℃で6時間培養し
た。次にこのフイルターをアンピシリン、クロラムフエ
ニコールを含むL−寒天培地に移し替え37℃一晩培養
を継続した。培養後フイルターを10%SDSで5分
間、0.5M NaOH-1.5M NaClで3分間、次いで
1Mトリス−塩酸緩衝液で5分間処理してフイルター上
の菌を溶菌し、次に80℃で3時間加熱することにより
DNAをフイルター上に固定した。
標識P−38プローブを用いて前記と同様にしてハイブ
リダイゼーシヨンを行いX線フイルムに露光したとこ
ろ、64個のうち2個のコロニーがプローブとハイブリ
ダイズした。
6)プラスミドDNAの取得 前記の結果SAGP遺伝子を保持することが示唆された
2種の菌を培養し、文献に記載の方法(T.Maniatis,E.F.
Fritsch,J.Sambrook,Molecular Cloning.p.86,Cold Spr
ing Harbor Laboratory(1982))によりプラスミドDNA
を調整した。
2種の菌から得られたプラスミドDNAは後述する制限
酵素による分析の結果、同一であることが判明し、この
プラスミドをpSP1と名付けた。
7)pSP1の制限酵素地図の作成 前記のごとく取得したプラスミドpSP1を各種制限酵
素EcoRI、HindIII、PstI、ClaI、NcoI、AvaII、HpaI、HincII、A
haIII、BanI、HaeII、MluIでそれぞれ単独にまたはこれら
のうち複数の制限酵素を組合せて分解し、DNA断片の
大きさをアガロースゲルまたはアクリルアミドゲルで分
画して調べることにより制限酵素地図を作成した。
その結果、pSP1はpUC19のEcoRI部位に約2
kbpの外来DNA断片が挿入され、第3図に示すような
制限酵素認識部位を持つことが判明した。
8)SAGP遺伝子のDNA塩基配列の決定 前述の制限酵素地図に基づきpSP1のうち外来DNA
部分をさらに制限酵素により断片化したのち、pUC1
9にクローニングし、それぞれを文献記載のジデオキシ
法(G.F.Hong,Biosci.Report,2,907(1982))による塩基配
列決定に用いた。塩基配列決定は宝酒造製のシークエン
シングキツトを用いプライマーとしてM−4またはRV
(いずれも宝酒造製)を使用して行つた。各小断片の塩
基配列を繋ぎ合わせて最終的にSAGP遺伝子を含む2
157bpの塩基配列を決定した。
【図面の簡単な説明】
第1A図および第1B図は、SAGPの遺伝子DNAの
塩基配列及び該DNA塩基配列から推定されるSAGP
のアミノ酸配列である(第1A図のDNA配列およびア
ミノ酸配列はそれぞれ第1B図のDNA配列およびアミ
ノ酸配列につづいている)。 第2図は、SAGP遺伝子DNAを含むプラスミドpS
P1を制限酵素EcoRIで分解して得られる精製された
SAGP遺伝子のDNA断片を組込んだ発現ベクターを
作製する本発明方法の工程を示す概略図である。 第3図は、プラスミドpSPIの制限酵素地図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 15/31 C12R 1:46)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)
    由来の下記のアミノ酸配列 をコードする遺伝子DNA配列を宿主微生物において発
    現させ得る発現ベクターを作製し、該発現ベクターによ
    り宿主微生物を形質転換し、前記アミノ酸配列をコード
    している遺伝子を発現させ得る条件下において該形質転
    換微生物を培養して、前記アミノ酸配列を有する抗癌性
    または抗腫瘍性蛋白質を産生せしめることを特徴とす
    る、抗癌性また抗腫瘍性蛋白質の産生法。
  2. 【請求項2】遺伝子DNA配列が で表されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の産生法。
  3. 【請求項3】発現ベクターがptacSPまたはpINIII
    SPであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の産生法。
  4. 【請求項4】宿主微生物が大腸菌(Escherichia coli)菌
    株であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    産生法。
JP19407786A 1985-12-28 1986-08-21 抗癌性または抗腫瘍性蛋白質の産生法 Expired - Lifetime JPH0650989B2 (ja)

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