JPH0650754A - 傾斜角・振動センサ及びそれを用いた傾斜角測定方法 - Google Patents

傾斜角・振動センサ及びそれを用いた傾斜角測定方法

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JPH0650754A
JPH0650754A JP7531893A JP7531893A JPH0650754A JP H0650754 A JPH0650754 A JP H0650754A JP 7531893 A JP7531893 A JP 7531893A JP 7531893 A JP7531893 A JP 7531893A JP H0650754 A JPH0650754 A JP H0650754A
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displacement
sensor
angle
weight
housing
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JP7531893A
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English (en)
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Wataru Ishibashi
渡 石橋
Mikio Suzuki
幹男 鈴木
Toshiaki Horikawa
俊朗 堀川
Soji Ichikawa
宗次 市川
鴻群 ▲登▼
Kougun Nobori
Shingo Kuroki
真吾 黒木
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/46Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with organic materials
    • C04B41/48Macromolecular compounds

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 この傾斜角・振動センサ10は、ベース1
2、ハウジング枠14及び上蓋16からなるハウジング
17と、上蓋16の中央部に保持され、ハウジング17
内に垂下された線ばね18及びおもり20からなる振子
22と、光電型エンコーダよりなる変位検出手段24
と、傾斜角・振動演算手段25とを備えてなる。又、上
記変位検出手段24は、おもり20の下面に設置された
可動スケール28と、この可動スケール28と対向する
位置においてベース12に取り付けられた固定スケール
30と、この固定スケール30の下方に配設された変位
測光部32を備えている。 【効果】 可動スケールと固定スケールとの相対変位量
を読み取ることによって振子の変位を直接検出している
ので、誤差要因が少なく、簡単な構成で精度の高い傾斜
角・振動測定を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現在位置の傾斜角や地
震等の振動を測定する、傾斜角・振動センサ及び傾斜角
測定方法に関し、詳しくは振子のおもりの二次元変位を
検出して傾斜角や、振動の振幅、周波数等を測定する傾
斜角・振動センサ及び水平面に対する絶対傾斜角を測定
する傾斜角測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、運行制御装置等において傾斜角を
高精度で測定する必要が生じており、各種の傾斜角セン
サが知られている。一方、地震等の振動を検知し、エレ
ベータ等の運行を適切に制御してその安全を確保するた
め各種の振動センサが開発されている。このような傾斜
角センサ或いは振動センサとして、振子の変位量を検出
し、その検出結果に基づき二次元の傾斜角や、地震等の
振幅の大きさ、周波数、震源の方向等を測定するものが
知られている。このようなセンサにおける振子の変位検
出手段としては、(1)静電容量の変化を利用するも
の、(2)磁界の変化を利用するものに大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電容量の変化を利用する変位検出手段を用いた場合
には、振子の下端に容量が数pF程度と極めて小さいコ
ンデンサが設置され、そのコンデンサの微小な蓄電量の
変化に基づいて上記位置を検出することから、その蓄電
量が振子の構造体あるいは回路系の線材等の分布容量に
よる影響を受けやすく高精度で変位を検出することが困
難であった。さらに、上述した磁界の変化を利用する変
位検出手段を用いた場合には、振子の下端に磁石を設置
し、振子の振動に伴う磁界の変化を磁気抵抗素子等で検
出していることから、その検出量は温度ドリフト等の影
響を受けやすく、精度の高いものを得ることが困難であ
った。また、製造技術の面でも装置の組み立てが面倒で
あり問題があった。本発明はこのような事情に鑑みなさ
れたもので、その目的は高精度で振子の変位量を検出す
ることができるとともに、装置の製作が容易な傾斜角・
振動センサ及び水平面に対する絶対傾斜角が高精度で測
定可能な傾斜角測定方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本出願にかかる傾斜角・
振動センサは要するに、振子のおもりの下面に可動スケ
ールを設置し、この可動スケールと対向配置されてなる
ハウジング底壁部(ベース)に固定スケールを設置し、
これら両スケールの相対位置の変化を検出することによ
り、振子のおもりの二次元変位を検出し、この検出結果
に基づいて傾斜角や振動の情報を測定することに特徴を
有するものである。即ち、本出願の請求項1記載の傾斜
角センサは、センサ主要部を被覆するハウジングと、長
さ方向に対し直角方向に弾性を有する線状体の下部にお
もりを取り付けられてなる、前記ハウジングの上壁部か
ら垂下された振子と、前記おもりの下面に設置された可
動スケールと、該可動スケールと対向配置されてなる、
前記ハウジングの底壁部に固定された固定スケールを有
し、前記おもりの前記線状体の長さ方向に対して垂直な
方向への二次元変位を検出する変位検出手段と、該変位
検出手段により検出された変位量に基づき、前記ハウジ
ングの底壁部の配設位置における傾斜角を演算する傾斜
角演算手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】また、本出願の請求項2記載の振動センサ
は、センサ主要部を被覆するハウジングと、長さ方向に
対し直角方向に弾性を有する線状体の下部におもりを取
り付けられてなる、前記ハウジングの上壁部から垂下さ
れた振子と、前記おもりの下面に設置された可動スケー
ルと、該可動スケールと対向配置されてなる、前記ハウ
ジングの底壁部に固定された固定スケールを有し、前記
おもりの前記線状体の長さ方向に対して垂直な方向への
二次元変位を検出する変位検出手段と、該変位検出手段
により検出された変位量に基づき、前記ハウジングの底
壁部の配設位置における、振動の情報を演算する振動演
算手段とを備えたことを特徴とする。ここで、上記“セ
ンサ主要部”とは、少なくとも振子と変位検出手段を含
むものとする。また、上記“ハウジング”は必ずしも全
方向においてセンサ主要部を被覆している必要はない。
さらに、上記“振動の情報”とは振動の振幅や周波数等
を意味するものとし、さらには地震等の震源の方向等を
含むことを排除するものではない。
【0006】また、本出願の請求項3記載の傾斜角測定
方法は、傾斜角センサの中心軸を基準に該傾斜角センサ
を回転させるセンサ回転工程と、前記回転前位置と回転
後位置における、前記可動スケールと固定スケールとの
相対変位量を検出する変位検出工程と、前記検出された
変位量に基づき、前記ハウジングの底壁部の配設位置に
おける水平面に対する絶対傾斜角を演算する傾斜角演算
工程と、を備えたことを特徴とする。また、本出願の請
求項4記載の傾斜角測定方法は、前記センサ回転工程に
よりセンサを所定角度回転させ、該回転角度と前記変位
検出工程により検出された変位量とに基づき、傾斜角演
算工程において前記絶対傾斜角を、
【数3】 sinθ≒[R/(1−cosα)]・(3EI/Wl3) 但し、θ: ハウジングの底壁部の配設位置における絶
対傾斜角 R: 可動スケールと固定スケールの相対変位量 α: センサの回転角度(0°<α<360°) W: おもりの重心点における集中荷重 E: 線状体の縦弾性係数 I: 線状体の慣性モーメント l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
点までの距離 により演算することを特徴とする。
【0007】また、本出願の請求項5記載の傾斜角測定
方法は、前記センサ回転工程によりセンサを任意の角度
で少なくとも2回以上回転させ、回転前位置とそれぞれ
の回転後位置とにおける前記可動スケールと固定スケー
ルとの相対変位したそれぞれの変位点を結ぶ多角形の外
接円の半径を求め、該半径値に基づき、傾斜角演算工程
において前記絶対傾斜角を、
【数4】sinθ≒r・(3EI/Wl3) 但し、θ: ハウジングの底壁部の配設位置における絶
対傾斜角 r: 変位点を結ぶ多角形の外接円の半径 W: おもりの重心点における集中荷重 E: 線状体の縦弾性係数 I: 線状体の慣性モーメント l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
点までの距離 により演算することを特徴とする。
【0008】
【作用】本出願にかかる傾斜角センサにおいては、振子
のおもりの下面に設置された可動スケールと、この可動
スケールに対向してハウジングに設置された固定スケー
ルの相対変位を検出する変位検出手段により振子の二次
元変位を検出し、この検出結果に基づき、傾斜角演算手
段により傾斜角を演算するようになっている。ここで、
上記傾斜角演算手段において上記変位の検出結果から傾
斜角を求める手法を説明する。即ち、センサの中心軸方
向が重力方向と平行な方向に対してθ傾いたとき、おも
りの重心点Pのたわみ量(二次元変位量)δは、
【数5】δ≒(Wl3/3EI)×sinθ で表わされる。 但し、W: おもりの重心点Pにおける集中荷重 l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
点Pまでの距離 E: 線状体の縦弾性係数(ヤング率) I: 線状体の慣性モーメント 従って、前記変位検出手段によりたわみ量δを検出すれ
ば前記数5から傾斜角θを求めることができる。
【0009】そして、本出願にかかる傾斜角測定方法
は、センサの中心軸を基準に該センサを回転させ、おも
りの回転前と回転後の位置における変位量に基づき前記
たわみ量δを検出している。即ち、センサの中心軸方向
が重力方向と平行な方向に対してθ傾いている状態にお
いて、前記センサを中心軸基準に回転させるとおもりの
重心点Pに前記たわみ量δに応じた変位が生じる。従っ
て、前記変位量を検出することによりたわみ量δが求め
られ、センサの中心軸の重力軸に対する、即ちハウジン
グ底壁部の配設位置における水平面に対する傾斜角θを
測定することができる。また、センサを所定角度α(0
°<α<360°)回転させた場合の前記可動スケール
と固定スケールとの相対変位量Rと前記たわみ量δとの
関係は、
【数6】δ=R/(1−cosα) で表される。従って、前記数5及び数6から
【数7】 sinθ≒[R/(1−cosα)]・(3EI/Wl3) の関係を有することとなり、前記変位検出手段により相
対変位量Rを検出すれば前記数7から傾斜角θを求める
ことができるのである。
【0010】さらに、前記たわみ量δは、センサを任意
の角度で少なくとも2回以上回転させることによっても
求めることができる。即ち、センサを回転させた場合、
おもりの重心点Pの変位する軌道は、センサの中心軸を
回転中心点にたわみ量δを半径とした円を描くこととな
る。そして、例えばセンサを2回任意の角度で回転させ
た場合、センサの回転前位置とそれぞれの回転後位置と
における、おもりの重心点Pの変位点を結ぶ三角形の外
接円が前記軌道円となり、該外接円の中心点がセンサの
中心軸上に位置することとなる。従って、前記変位検出
工程において前記回転後の変位量を検出し、前記外接円
の半径rを求めれば、該半径rとたわみ量δの関係が
【数8】r=δ であるため、前記半径rに基づき傾斜角θを、
【数9】sinθ≒r・(3EI/Wl3) により演算することができるのである。
【0011】次に、本出願にかかる振動センサにおいて
は、前記傾斜角センサと同様にして振子のおもりの二次
元変位を検出し、この検出結果に基づき振動演算手段に
より振動の情報を演算するようになっている。ここで、
前記振動演算手段において前記変位の検出結果から振動
の情報を求める手法を説明する。即ち、センサの中心軸
方向を重力方向と平行に設定し、片振幅X1、角振動数
ωの振動を受けたとき、おもりの重心点Pにおける振動
方程式は、下記数10で表わされる。
【数10】 但し、W: おもりの重心点Pにおける集中荷重 l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
点Pまでの距離 E: 線状体の縦弾性係数(ヤング率) I: 線状体の慣性モーメント C: ダンピング係数 g: 重力の加速度 従って、上記変位検出手段によりおもりの変位量xを検
出すれば、前記数10から振動の片振幅X1及び角振動
数ωを得ることができる。
【0012】前記数10は一方向(x方向)における振
動の情報を求める式であるがこの方向と直交する方向
(y方向)における振動の情報についても同様の振動方
程式によって求めることができる。従って、この求めら
れたx方向とy方向の両者の振動の情報から実際に発生
している振動の性質を二次元的に求めることができ、例
えば地震の震源の方向等も知ることが可能となる。この
ように、本出願にかかる傾斜角・振動センサは、静電容
量や磁界の変化を利用して振子の変位を検出する従来技
術とは異なり、振子の変位を可動スケール及び固定スケ
ールを用いて直接検出しており、この検出結果に基づき
所定の数式を用いて傾斜角及び振動の情報を容易に求め
ることができるので構成が簡単となり、かつ誤差要因が
極めて少ないものとなる。このため、高精度で傾斜角及
び振動の情報を測定することができ、センサの組み立て
等も容易とすることができる。また、本出願にかかる傾
斜角測定方法は、センサの中心軸を基準に該センサを回
転させ、振子に重力軸(水平面)に対する絶対傾斜角に
応じた変位を発生させているため、該変位量を検出し、
該検出結果に基づき所定の数式を用いて高精度の絶対傾
斜角の測定が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例について
説明する。図1は、本発明の一実施例に係る傾斜角・振
動センサを示すものであり、同図(A)は平面図、同図
(B)は側断面図、同図(C)は正面断面図である。同
図に示す傾斜角・振動センサ10は、ベース12、ハウ
ジング枠14及び上蓋16からなるハウジング17と、
上蓋16の中央部に保持され、ハウジング17内に垂下
された、線ばね18及びおもり20からなる振子22
と、光電型エンコーダよりなる変位検出手段24と、傾
斜角・振動演算手段25とを備えてなる。前記ハウジン
グ枠14は同筒形状をなしており、ベース12及び上蓋
16と互いに係合してハウジング17の内部を密封状態
としている。このハウジング17の内部には透明なダン
ピングオイル26が封入されている。
【0014】また、前記振子22の線ばね18はその長
さ方向に直角な方向に所定の弾性(ヤング率E)を有し
ており、円柱形状のおもり20(重さW)の中心部を貫
通するようにしてこのおもり20を保持している。ま
た、前記変位検出手段24は、おもり20の下面に設置
された可動スケール28と、この可動スケール28と対
向する位置においてベース12に取り付けられた固定ス
ケール30と、この固定スケール30の下方に配設され
た変位測光部32を備えている。なお、変位測光部32
の各部分から下方にリード線34が延びており、この複
数本のリード線34は被覆線36により結束され、コネ
クタホルダ38に保持されたコネクタ40と接続されて
いる。コネクタ40は傾斜角・振動演算手段25と接続
されたケーブルと接続されており、これにより変位検出
手段24によって検出された変位情報を上記演算手段に
送出することが可能となる。また、前記傾斜角・振動演
算手段25は入力された変位情報に基づき、所定の計算
式に従って傾斜角、及び振動の振幅や周波数等を演算す
る。本実施例に係る傾斜角・振動センサ10は概略以上
のように構成されている。
【0015】次に図2を用いて本実施例センサ10の傾
斜角検出機構について説明する。図2(a)は、線ばね
18の中心軸の方向が重力方向と平行となる場合につい
て示したものである。なお、振子22を保持するハウジ
ング上蓋16の下端からおもり20の重心点Pまでの距
離をlとする。図2(b)はこのセンサを角度θだけ傾
斜させた場合について示したもので、このように傾ける
と線ばね18は弾性を有しているためおもり20の荷重
Wによりたわみ、おもり20の位置は同図(b)の実線
で表わされる位置から若干ずれた2点鎖線で表わされる
位置20bとなる。即ち、おもり20の重心点は重力方
向とθの角度をなす線上の点Pから距離δだけ変位した
点P'上に位置することになる。即ち、傾斜角θと、こ
のたわみ量を表わす距離δとは、
【数11】δ≒(Wl3/3EI)×sinθ となる関係を有する。 但し、W: おもり20の重心点P′における集中荷重
(線ばね18の重さは0と仮定する) E: 線ばね18の縦弾性係数(ヤング率) I: 線ばね18の慣性モーメント 従って、変位検出手段24によって上記距離δを検出
し、傾斜角・振動演算手段において上記数11にその検
出値δを代入すれば傾斜角θを求めることができる。
【0016】ここで、前記変位検出手段24による距離
δの検出は、前述したようにおもり20の重心点Pから
重心点P'への変位量の検出によって行われる。従っ
て、前記図2(a)の線ばね18の中心軸の方向が重力
方向と平行となっている状態から同図(b)の角度θ傾
いた状態に変化した場合には、前記変位量として距離δ
が検出できるが、検出開始時に同図(b)の状態にある
センサの角度θは、そのままの状態では変位量として表
れないために検出ができない。即ち、センサがある状態
から傾斜角変化した場合には、該変化した相対的な傾斜
角は前記変位量として検出できるが、センサの現在ある
状態の重力軸(水平面)に対する絶対的な傾斜角はその
ままの状態では変位量として検出できないのである。ま
た、前記図2(a)から同図(b)に傾斜角変化した場
合においても、同図(a)における線ばね18の中心軸
の方向と重力方向にズレが生じていた場合には、該ズレ
が測定した絶対傾斜角に誤差として含まれてしまい、測
定精度が低下してしまう。
【0017】そこで、本実施例においてはセンサの中心
軸(線ばね18の中心軸)を基準軸として該センサを回
転させ、おもりに絶対傾斜角に応じた変位を発生させ、
該変位量から絶対傾斜角を求める傾斜角測定方法を用い
ている。即ち、図3に示すようにセンサの中心軸が重力
軸に対して(センサの設置されている基準面が水平面に
対して)角度θ傾いている状態において、おもり20の
たわみ量δは、前述したように前記数11で表わされ
る。ここで、例えばセンサを前記基準軸を中心に基準面
上で180度回転させると、おもり20下面の中心点は
ベース12に対して、同図に示すように回転前の点aか
ら前記基準軸上の点oを中心とした対称点−aに相対変
位することとなる。そして、前記点aと点oとの距離は
おもり20のたわみ量δであるため、点aと対称点−a
との変位量R180は、
【数12】R180=2A≒2δ 但し、A: 点aと点oとの距離 となり、前記数11より、
【数13】sinθ≒(R180/2)・(3EI/W
3) の関係が成立つ。従って、前記変位検出手段24により
前記変位量R180を検出し、前記数13に該変位量R180
の値を代入すれば絶対傾斜角θを得ることができる。
【0018】また、前記基準面において直交するx軸方
向とy軸方向の両成分について、それぞれの変位量Rx
及びRyを検出することにより、二次元傾斜角測定が可
能となる。なお、前記実施例においてはセンサの回転角
度を180度としたが、必ずしも該角度とする必要はな
い。即ち、センサの回転角度を90度とした場合には、
変位量R90とたわみ量δの関係は、
【数14】R90=A≒δ 但し、A: 点aと点oとの距離 となり、前記数11より、
【数15】sinθ≒R90・(3EI/Wl3) の関係を有することとなり、該変位量R90の値を前記数
15に代入することにより絶対傾斜角θを得ることがで
きる。即ち、センサの回転角度α(0°<α<360
°)において、変位量Rとたわみ量δの関係は、
【数16】δ=R/(1−cosα) となり、該数16及び前記数11より、
【数17】 sinθ≒[R/(1−cosα)]・(3EI/Wl3) となるため、前記回転角度αが既知の角度であれば、該
数17より傾斜角θを得ることができるのである。
【0019】また、前記センサの回転を任意の角度で2
回行い、おもり20をベース12に対して2回相対移動
させ、該おもりの回転前位置とそれぞれの回転後の変位
した位置から前記たわみ量δを求めることが好適であ
る。図4には、センサを任意の角度で2回回転させた時
のおもり20の変位が示されている。即ち、センサを任
意の角度で回転させた場合、おもり20の下面中心点
は、センサのX軸方向及びY軸方向に対して、同図
(A)に示す点P1の位置から同図(B)に示す点P2
位置に移動する。さらに、再びセンサを任意の角度で回
転させると、おもり20の下面中心点は、同図(C)に
示す点P3の位置に移動する。そして、前記点P1、点P
2及び点P3を結んだ三角形の外接円の中心点Oは、セン
サの中心軸上に位置することとなり、該中心点Oから点
1、P2、P3までの距離、即ち前記外接円の半径がお
もり20のたわみ量となる。従って、前記変位検出手段
24により検出される前記点P1、P2、P3のそれぞれ
の変位量から3点の座標を求め、さらに該3点が同一円
周上に位置する円の半径rを求めることにより、前記数
11と該半径rから絶対傾斜角θを、
【数18】sinθ≒r・(3EI/Wl3) により得ることができる。前記方法によれば、センサの
回転角度が任意に行えるため、前述した既知の所定角度
で回転させた場合による回転角度のバラツキによる測定
誤差が発生せず、精度の高い絶対傾斜角測定が行える。
【0020】次に、図5を用いて本実施例センサ10の
振動検出機構について説明する。即ち、センサ10に地
震等による振動(片振幅X1、角振動数ω1)が加わった
場合における重心点Pのx軸方向(図3矢印x方向)の
振動方程式は
【数19】 で表わされる。 但し、W: おもり20の重心点Pにおける集中荷重
(線ばね18の重さは0と仮定する) E: 線ばね18の縦弾性係数(ヤング率) I: 線ばね18の慣性モーメント C: ダンピング係数 g: 重力の加速度 なお、前記数19において、線ばね18の中心軸が重力
方向と一致したとき、その中心軸の位置をx=0とす
る。
【0021】従って、変位検出手段24によって変位量
xを検出し、傾斜角・振動演算手段25において前記数
19にその検出値xを代入すれば振動の片振幅X1及び
角振動数ω1を求めることができる。また、重力方向及
びx軸に直交するy軸方向の上記重心点Pの振動方程式
【数20】 で表わされる。但し、W,E,I,C,gの符号は前記
数19の符号と同様に定義される。従って、変位検出手
段24によって変位量yを検出し、傾斜角・振動演算手
段において前記数20にその検出値yを代入すれば上記
x軸方向の振動と同様に振動の片振幅Y1および角振動
数ω1を求めることができる。
【0022】このようにして求めたx軸方向の振動とy
軸方向の振動を合成すれば実際の振動の振幅、周波数、
さらには地震の震源方向等の振動情報も得ることができ
る。ところで、本発明において特徴的なことは、振子2
2の変位量を可動スケールと固定スケールを組合せた変
位検出手段によって検出することであり、このために本
実施例においては変位検出手段24として可動スケール
28と固定スケール30を組合せた光電型エンコーダを
用いている。以下、この光電型エンコーダよりなる変位
検出手段24について説明する。図6には、本発明にか
かる光電型エンコーダ24の一例を示す縦断面図が示さ
れており、また図7には図6に示すI−I線での断面図が
示されている。同図において、固定スケール(以下イン
デックススケールと称する)42の図6中下面には、一
個の発光素子46及び八個の受光素子48a,48b,
…48hが配置されている。発光素子46及び各受光素
子48のリード線は、プリント基板50に固定されてい
る。
【0023】一方、可動スケール(以下メインスケール
と称する)44には、図8に示す第一格子52が設けら
れ、該第一格子52はマトリックス状の長方形島状反射
格子部5411,5412…541n、5421,5422…54
2n、…、54m1,54m2,…54mnを含む十字状反射式
格子よりなる。格子部54のX軸(列)方向への並びは
Y軸に平行なピッチP1の格子を構成し、格子部54の
Y軸(行)方向への並びはX軸に平行なピッチP1'の格
子を構成する。一方、インデックススケール46は、図
9から明らかなように、第二格子56及び第三格子58
a,58b,…58hを備えている。そして、第二格子
56は前記発光素子46に対応する各三角形状の透過格
子部60a,60b,…60dを含む十字状透過式格子
よりなる。また第三格子58a,58b,…58hはそ
れぞれ受光素子48a,48b,…48hに対応する透
過格子よりなる。
【0024】このため、発光素子46から出光した光L
は第二格子部60a,60b,…60dを介して第一格
子52に反射され、該反射光は第三格子58a,58
b,…58hを介して受光素子48a,48b,…48
hに受光される。以上のように、本実施例にかかる光電
型エンコーダは、X方向への相対移動に対しては第二格
子部60a,60b、第一格子部54の列方向への並
び、第三格子部58a,58b,58c,58d、受光
素子48a,48b,48c,48dが、それぞれ三格
子型変位検出器として機能する。また、Y方向への相対
移動に対しては第二格子部60c,60d、第一格子部
54の行方向への並び、第三格子部58e,58f,5
8g,58hがそれぞれ三格子型変位検出器として機能
する。
【0025】すなわち、三格子型変位検出器は図10に
示すように3枚の格子の重なり合いの変化により変位量
を検出するものである(Journal of the optical societ
y ofAmerica, 1965, vol.55, No.4, p373-381)。図10
に示す三格子型変位検出器は、平行配置された第二格子
56及び第三格子58と、両格子56,58の間に相対
移動可能に平行配置された第一格子52と、前記第二格
子56の図中左側に配置された発光素子46と、前記第
三格子58の図中右側に配置された受光素子48と、を
含む。そして、発光素子46から出射された光は第二格
子56、第一格子52、第三格子58を介して受光素子
48に至り、該受光素子48は各格子56,52,58
で制限された照明光を光電変換し、さらにプリアンプ6
2で増幅して検出信号sを得る。ここで、第一格子52
が、第二格子56及び第三格子58に対して例えばx方
向に相対移動すると、発光素子46からの照明光のう
ち、格子56,52,58により遮蔽される光量が徐々
に変化し、検出信号sは略正弦波として出力される。そ
して、前記第一格子52のピッチP1と検出信号sの波
長Pが対応し、該検出信号sの波長及びその分割値より
前記基準格子52の相対移動量を測定するものである。
【0026】従って、第一格子52をメインスケール4
4に、第二格子56及び第三格子58をインデックスス
ケール42にそれぞれ設置することにより、両スケール
44,42の相対移動量、すなわち振子22とベース1
2の相対移動量を検出することができる。そして、本実
施例においては第一格子52の格子部54のX軸方向へ
の並びはY軸に平行でピッチP1の格子が構成し、格子
部54のY軸方向への並びはX軸に平行でピッチP1'の
格子を構成している。また、第二格子56の格子部60
a,60bにはY軸に平行でピッチP2の格子が形成さ
れ、格子部60c,60dにはX軸に平行でピッチP2'
の格子が形成されている。
【0027】さらに、第三格子58aにはAx相用の格
子、第三格子58bにはAx'相用の格子、第三格子5
8cにはBx相用の格子、第三格子58dにはBx'相
用の格子がそれぞれY軸に平行にピッチP3で形成さ
れ、第三格子58eにはAy相用の格子、第三格子58
fにはAy'相用の格子、第三格子58gにはBy相用
の格子、第三格子58hにはBy'相用の格子がそれぞ
れX軸に平行にピッチP3'で形成されている。 従って、Ax=0゜とすると、Axに対し、 Ax'=180゜(1/2P3異なる) Bx=90゜(1/4P3異なる) Bx'=270゜(3/4P3異なる) また、Ay=O゜とすると、Ayに対して Ay'=180゜(1/2P3'異なる) By=90゜(1/4P3'異なる) By'=270゜(3/4P3'異なる) となるように目盛が付けられている。この結果、受光素
子48a,48b,48c,48dからは、それぞれπ
/2ずつ位相のずれたAx相、Ax'相、Bx相、Bx'
相の信号を得ることができ、Ax相−Ax'相より差動
振幅増幅されたAx相出力を、またBx相−Bx'相よ
り差動振幅増幅されたBx相出力を得る。そして、該A
x相出力及びBx相出力の位相のずれ方向等よりスケー
ルのX方向への相対移動方向の弁別を行なうと共に、電
気的に検出信号の分割を行ない、分解能の高い変位量検
出を行なっている。
【0028】一方、受光素子48e,48f,48g,
48hからはそれぞれπ/2ずつ位相のずれたAy相、
Ay'相、By相、By'相の信号を得ることができ、前
記X方向と同様にしてスケール42,44のY方向の位
相弁別及び相対移動距離を検出することができる。以上
のように、前記光電型エンコーダによれば、X方向及び
Y方向の移動方向及び移動距離を検出することができ
る。また、本実施例ではX方向の移動検出を行なう列方
向格子部54と、Y方向の移動検出を行なう行方向格子
部54のピッチが異なって設けられている。すなわち、
列方向へのピッチは比較的粗いピッチP1が刻まれてお
り、X方向への移動の高速読取りが可能である。一方、
行方向へのピッチは比較的細かいピッチP1'が刻まれて
おり、Y方向への移動の高分解能読取りが可能である。
【0029】このように振子22の移動特性に応じてそ
れぞれのピッチを決定することが可能であり、しかもそ
のピッチに従った格子の形成は従来と同じ製法により極
めて正確に行なうことができる。なお、例えば次のよう
にピッチを構成することが好適である。 P1=40μm(明部長=暗部長=20μm) P2=160μm(明部長=40μm、暗部長=120μ
m) P3=80μm(明部長=暗部長=40μm) P1'=20μm(明部長=暗部長=10μm) P2'=80μm(明部長=20μm、暗部長=60μm) P3'=40μm(明部長=暗部長=20μm) このように第二格子のピッチを第一格子のピッチより大
とすると共に、その光透過部の長さを第一格子のピッチ
の長さ以下とすることにより、第二格子を透過した照明
光間の独立性(インコヒーレンシイ)が向上し、検出信
号のSN比が高くなる。このため、信号処理が容易とな
り、高精度の変位検出が可能となる。
【0030】また、ピッチ構成は次のようにすることも
好適である。 P1=100μm(明部長=暗部長=50μm) P2=400μm(明部長=100μm、暗部長=300
μm) P3=200μm(明部長=暗部長=100μm) P1'=40μm(明部長=暗部長=20μm) P2'=160μm(明部長=40μm、暗部長=120μ
m) P3'=80μm(明部長=暗部長=40μm) さらに、例えば次のようにピッチを構成することが好適
である。 P1=20μm(明部長=暗部長=10μm) P2=20μm(明部長=暗部長=10μm) P3=20μm(明部長=暗部長=10μm) P1'=10μm(明部長=暗部長=5μm) P2'=10μm(明部長=暗部長=5μm) P3'=10μm(明部長=暗部長=5μm) このように第一格子、第二格子、第三格子のピッチを等
しくし、さらにメインスケール44とインデックススケ
ール42の格子間隔をdとすると、この例では P1=20μm>P1'=10μm であるから、メインスケール44とインデックススケー
ル42の格子間隔dを、 d≧P1 2/2λ に設定すれば、格子間隔dの変動に対して出力がほとん
ど変動しないXYエンコーダが実現できる。なお、P1
=P1'のときは、どちらを採用してもよい。この構成の
特徴として、 (1)X方向へ1ピッチP1送ると、出力信号は2ピッ
チP1出力され、光学的な2分割信号が得られるため、
電気分割回路が容易に構成される。 (2)格子間隔dの変動に対して寛容なため、例えばP
1又はP1'が40μm以下の細かいピッチのシステムに適
する。
【0031】また、ピッチ構成は同様に次のようにする
ことも好適である。 P1=40μm(明部長=暗部長=20μm) P2=80μm(明部長=暗部長=40μm) P3=80μm(明部長=暗部長=40μm) P1'=10μm(明部長=暗部長=5μm) P2'=10μm(明部長=暗部長=5μm) P3'=10μm(明部長=暗部長=5μm) このように構成すると、X軸方向に1ピッチ送った場
合、1ピッチP1の出力信号が得られる。Y軸方向に1
ピッチP1'送ると、2ピッチP1'の出力信号が得られ
る。従って、X軸方向は分解能が粗く、高速度の検出、
Y軸方向は分解能が高く低速度の検出に適する。さら
に、第一格子52を広範囲にわたって形成することがで
き、検出の広範囲化も可能である。また、第一格子52
の形状は、メインスケール44及びインデックススケー
ル42の相対移動距離等を考慮して任意に決定すること
ができる。また、メインスケール44に設けられたマト
リックス状の島状格子54を透過部とし、島状格子でな
い部分64を反射部として構成することも可能である。
これに対し、図11には、本発明の他の実施例にかかる
光電型エンコーダ124の基本構成を示す縦断面図が示
されており、また図12には図11に示すIX−IX線
での断面図が示されている。
【0032】同図において、インデックススケール14
2の図11中下面には、一個の発光素子146及び四個
の受光素子148a,148b,…148dが配置され
ている。発光素子146及び各受光素子148のリード
線は、プリント基板150に固定されている。また、メ
インスケール144には、図13に示す縞状格子152
が形成されており、該縞状格子152は、中央に透明面
154が設けられ、該透明面154から外側に向って、
X軸とY軸方向とにそれぞれ平行な2組の平行線からな
るロ字状のクロム蒸着反射面164と透明面154とが
交互に繰り返し形成され構成されている。また、前記ロ
字状の一つの透明面154と該透明面154の外側に隣
接する一つの反射面164を1パターンとし、該1パタ
ーンのピッチP1〜Pnは同一に形成されている。さら
に、図14に示すようにロ字状の反射面164の面積
は、内側から外側に向けて単調増加しており、従って前
記1パターンのピッチP1〜Pnにおける反射面164の
占める割合も内側から外側に(P1からPnに)向けて一
定比率で増加している。
【0033】一方、インデックススケール142は、図
15に示すようにクロム蒸着面が形成されたガラス板よ
りなり、該クロム蒸着面の前記発光素子146の対応位
置にはY軸に平行な出射スリット160a,160b及
びX軸に平行な出射スリット160c,160dが設け
られている。さらに前記クロム蒸着面の前記受光素子1
48a,…148dのそれぞれの対応位置である前記各
出射スリット160の外側には、入射スリット158
a,158b,158c,158dが形成されている。
このため、発光素子146から出射した光Lは、例えば
二次光源となる出射スリット160aを介して出射し、
メインスケール144の縞状格子152の内、Y軸方向
に平行な透過面154aと反射面164aの縞で一部反
射され、入射スリット158aを介して受光素子148
aに受光される。すなわち、メインスケール144の縞
状格子152上に照射された光の内、透明面154に照
射された光は反射されず、反射面164に照射された光
のみが反射して入射スリット158a方向に進行する。
【0034】そして、前記縞状格子152は、前述した
ように透明面154と反射面164の1パターンのピッ
チP1〜Pnにおける反射面164の占める割合が内側か
ら外側に向けて一定比率で増加しているため、前記光L
が照射する位置が縞状格子152の外側にいく程、反射
される光が増し、受光素子148での受光量も増大す
る。すなわち、メインスケール144のX方向位置は受
光素子148aの受光量に反映することとなるため、受
光量変化を検出することによりメインスケール144の
X方向変位を把握することができることとなる。なお、
受光素子148a,148bの出力は図16に示す回路
により差動増幅された電圧出力とされる。
【0035】すなわち受光素子148a,148bはそ
れぞれフォトトランジスタよりなり、そのフォトトラン
ジスタ148aの電流出力Iaは、並列接続されたオペ
レーションアンプ170及び半固定抵抗172よりなる
電流・電圧変換器174により電圧変化として出力され
る。また、フォトトランジスタ148bの電流出力Ib
は、同様の構成を有する電流・電圧変換器176により
電圧変化として出力される。各フォトトランジスタ14
8a,148bの電流出力Ia,Ibは図17に示すよう
に逆位相であることから、並列接続された抵抗178及
びオペレーションアンプ180よりなる差動増幅アンプ
182により差動増幅することで、図18に示すような
電圧出力Voutを得ることができる。なお、同様に、Y
軸方向の変位に対しても、縞状格子152のX軸方向に
平行な透明面154bと反射面164b、出射スリット
160c,160d、入射スリット158c,158
d、受光素子148c,148dが作用し、優れたリニ
アリティを有した状態でY軸方向へのメインスケール1
44の変位を検出することができる。
【0036】ここで、前記X軸及びY軸方向のメインス
ケール144の変位量の検出感度、及び検出可能な変位
範囲は、縞状格子152の透明面154と反射面164
の1パターンのピッチ幅、及びロ字状の反射面164の
内側から外側に向けての面積の増加量によって変化す
る。表1及び表2には、前記1パターンのピッチ幅を変
えた例が示されている。
【表1】 ──────────────────────────────────── P1 P2 P3 ・・・・・・・・・・Pn-2 Pn-1 Pn ──────────────────────────────────── 反射面線幅(μm) 2 4 6 ・・・・・・・・・・46 48 50 ──────────────────────────────────── 透明面線幅(μm) 48 46 44 ・・・・・・・・・・ 4 2 0 ──────────────────────────────────── 反射面の比率(%) 4 8 12 ・・・・・・・・・・92 96 100 ────────────────────────────────────
【表2】 ──────────────────────────────────── P1 P2 P3 ・・・・・・・・・・Pn-2 Pn-1 Pn ──────────────────────────────────── 反射面線幅(μm) 2 4 6 ・・・・・・・・・・96 98 100 ──────────────────────────────────── 透明面線幅(μm) 98 96 94 ・・・・・・・・・・ 4 2 0 ──────────────────────────────────── 反射面の比率(%) 2 4 6 ・・・・・・・・・・92 96 100 ──────────────────────────────────── 表1の縞状格子152においては、前記1パターンのピ
ッチ幅を50μmとし、反射面164を形成するクロム
線幅を内側から外側へ1ピッチ当り2μmづつ増加させ
ている。
【0037】従って、ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は
25となり、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さは1
250μm(1.25mm)となる。また、表2の縞状
格子152においては、前記1パターンのピッチ幅を1
00μmとし、反射面164を形成するクロム線幅を内
側から外側へ1ピッチ当り2μmづつ増加させている。
従って、ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は50となり、
ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さは5000μm
(5mm)となる。表1の例は、ピッチ幅を表2の例に
比べ1/2と短くし、クロム線幅の1ピッチ当りの増加
量は表2の例と同一としているため、内側から外側への
1ピッチ中に占める反射面164の比率の増加は、表2
の例と比較し表1の例の方が大きくなる。従って、同一
変位量においては、表1の例のように1パターンのピッ
チ幅を短くする程、反射率が急激に変化するので検出感
度は向上する。なお、前記表1及び表2においては、1
パターンのピッチ幅を変えたが、反射面164を形成す
るクロム線幅の1ピッチ当りの増加量を増やしても同様
に反射率の変化は大きくなり検出感度は向上する。すな
わち、1パターンのピッチ幅、及び反射面164の1ピ
ッチ当りの増加量(=ピッチ数)によって決定されるピ
ッチP1〜Pnまでのトータルの長さが短い程、反射率が
大きく変化し検出感度は向上することとなる。従って、
表1及び表2の例においては、ピッチP1〜Pnまでのト
ータルの長さの比が1.25mm:5mm=1:4であ
り、ピッチ幅を100μmとした表2の例に比べピッチ
幅を50μmとした表1の例の方が約4倍の検出感度を
得ることができる。
【0038】一方、前記ピッチP1〜Pnまでのトータル
の長さを長くすれば検出感度は下がってしまうが、当然
変位検出可能な位置範囲(前記図18に示す−PX〜+
X)は広くなる。すなわち、メインスケール144の
変位を検出できる位置範囲は、透明面154及び反射面
164により形成されている縞状格子152に対応する
範囲となるため、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さ
が1.25mmである表1の縞状格子152に比べ、ピ
ッチP1〜Pnまでのトータルの長さが5mmである表2
の縞状格子152の方が4倍の位置範囲においてメイン
スケール144の変位検出が可能となる。以上のよう
に、前記縞状格子152のピッチ幅、及び反射面164
の1ピッチ当りの増加量を調節し、ピッチP1〜Pnまで
のトータルの長さを適切な値に設計することにより、幅
広いダイナミックレンジを得ることができ、メインスケ
ール144の相対移動量の大きさに対応した位置範囲に
おいて、高感度、高精度で変位検出が可能となる。
【0039】なお、本発明の傾斜角・振動センサとして
は上述した実施例のものに限られるものではなく、種々
の態様の変更が可能であり、例えば線状体の長さ、おも
りの形状あるいはハウジングの形状等はその用途に応じ
て適宜設定することが可能である。また、上記実施例に
おいては1つのセンサによって傾斜角および振動の情報
の両方を測定し得る構成としているが、いずれか一方の
みを測定する構成とすることも可能である。さらに、傾
斜角演算手段あるいは振動演算手段においては、上記実
施例で説明した各式に基づいて遂一変位量を演算する構
成としてもよいし、これら各式を用いて予め演算により
作成しておいたテーブルに基づき変位量を出力するよう
な構成としてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる傾斜
角・振動センサによれば、可動スケールと固定スケール
を組み合わせた変位検出手段により振子の変位を直接検
出することとしており、従来技術のように静電容量の変
化あるいは磁界の変化等を利用して間接的に上記変位を
検出する構成とはしていないので、誤差要因が少なく、
簡単な構成で精度の高い傾斜角・振動測定を行うことが
でき、センサの製作も容易とすることができる。また、
本発明にかかる傾斜角測定方法によれば、センサを回転
させることにより振子に絶対傾斜角に応じた変位を発生
させて、該変位から傾斜角を測定するため、傾斜角が変
化しなくともセンサの配設位置における絶対傾斜角が常
に高精度で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる傾斜角・振動センサ
の概略構成の説明図である。
【図2】図1に示すセンサの傾斜角測定原理の説明図で
ある。
【図3】本発明の一実施例にかかる傾斜角測定方法の測
定原理の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかる傾斜角測定方法の
測定原理の説明図である。
【図5】図1に示すセンサの振動測定原理の説明図であ
る。
【図6】本発明の一実施例に用いられる光電型エンコー
ダの概略構成の説明図である。
【図7】前記実施例に用いられる光電型エンコーダの発
光素子及び受光素子の配置の説明図である。
【図8】前記実施例に用いられる光電型エンコーダの可
動スケールの説明図である。
【図9】前記実施例に用いられる光電型エンコーダの固
定スケールの説明図である。
【図10】前記実施例に用いられる光電型エンコーダの
移動検出原理の説明図である。
【図11】本発明の他実施例に用いられる光電型エンコ
ーダの概略構成の説明図である。
【図12】図11に示す光電型エンコーダの発光素子及
び受光素子の配置の説明図である。
【図13】図11に示す光電型エンコーダの可動スケー
ルに形成された縞状格子の説明図である。
【図14】図13に示す縞状格子の反射面の位置による
面積変化の説明図である。
【図15】図11に示す光電型エンコーダの固定スケー
ルの説明図である。
【図16】図11に示す光電型エンコーダの受光素子か
らの信号の差動増幅回路の構成説明図である。
【図17】,
【図18】図16に示した回路による信号処理状態の説
明図である。
【符号の説明】 10 傾斜角・振動センサ 12 ベース 16 上蓋 17 ハウジング 18 線ばね 20 おもり 22 振子 24 変位検出手段 28 可動スケール 30 固定スケール
フロントページの続き (72)発明者 市川 宗次 神奈川県川崎市高津区坂戸1丁目20番1号 株式会社ミツトヨ内 (72)発明者 ▲登▼ 鴻群 神奈川県川崎市高津区坂戸1丁目20番1号 株式会社ミツトヨ内 (72)発明者 黒木 真吾 神奈川県川崎市高津区坂戸1丁目20番1号 株式会社ミツトヨ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ主要部を被覆するハウジングと、 長さ方向に対し直角方向に弾性を有する線状体の下部に
    おもりを取り付けられてなる、前記ハウジングの上壁部
    から垂下された振子と、 前記おもりの下面に設置された可動スケールと、該可動
    スケールと対向配置されてなる、前記ハウジングの底壁
    部に固定された固定スケールを有し、前記おもりの前記
    線状体の長さ方向に対して垂直な方向への二次元変位を
    検出する変位検出手段と、 該変位検出手段により検出された変位量に基づき、前記
    ハウジングの底壁部の配設位置における傾斜角を演算す
    る傾斜角演算手段と、 を備えたことを特徴とする傾斜角センサ。
  2. 【請求項2】 センサ主要部を被覆するハウジングと、 長さ方向に対し直角方向に弾性を有する線状体の下部に
    おもりを取り付けられてなる、前記ハウジングの上壁部
    から垂下された振子と、 前記おもりの下面に設置された可動スケールと、該可動
    スケールと対向配置されてなる、前記ハウジングの底壁
    部に固定された固定スケールを有し、前記おもりの前記
    線状体の長さ方向に対して垂直な方向への二次元変位を
    検出する変位検出手段と、 該変位検出手段により検出された変位量に基づき、前記
    ハウジングの底壁部の配設位置における振動の情報を演
    算する振動演算手段と、 を備えたことを特徴とする振動センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の傾斜角センサを用いた傾
    斜角測定方法において、 傾斜角センサの中心軸を基準に該傾斜角センサを回転さ
    せるセンサ回転工程と、 前記回転前位置と回転後位置における、前記可動スケー
    ルと固定スケールとの相対変位量を検出する変位検出工
    程と、 前記検出された変位量に基づき、前記ハウジングの底壁
    部の配設位置における水平面に対する絶対傾斜角を演算
    する傾斜角演算工程と、を備えたことを特徴とする傾斜
    角測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の傾斜角測定方法におい
    て、 前記センサ回転工程によりセンサを所定角度回転させ、
    該回転角度と前記変位検出工程により検出された変位量
    とに基づき、傾斜角演算工程において前記絶対傾斜角
    を、 【数1】 sinθ≒[R/(1−cosα)]・(3EI/Wl3) 但し、θ: ハウジングの底壁部の配設位置における絶
    対傾斜角 R: 可動スケールと固定スケールの相対変位量 α: センサの回転角度(0°<α<360°) W: おもりの重心点における集中荷重 E: 線状体の縦弾性係数 I: 線状体の慣性モーメント l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
    点までの距離 により演算することを特徴とする傾斜角測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の傾斜角測定方法におい
    て、 前記センサ回転工程によりセンサを任意の角度で少なく
    とも2回以上回転させ、回転前位置とそれぞれの回転後
    位置とにおける、前記可動スケールと固定スケールとの
    相対変位したそれぞれの変位点を結ぶ多角形の外接円の
    半径を求め、該半径値に基づき、傾斜角演算工程におい
    て前記絶対傾斜角を、 【数2】sinθ≒r・(3EI/Wl3) 但し、θ: ハウジングの底壁部の配設位置における絶
    対傾斜角 r: 変位点を結ぶ多角形の外接円の半径 W: おもりの重心点における集中荷重 E: 線状体の縦弾性係数 I: 線状体の慣性モーメント l: 振子の線状体支持部の最下位置からおもりの重心
    点までの距離 により演算することを特徴とする傾斜角測定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09252023A (ja) * 1996-03-15 1997-09-22 Nec Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2002357665A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Univ Tokyo 平行な磁場中に配置された永久磁石を有する振り子を用いた無定位回転型振動検出器
CN113985946A (zh) * 2021-11-22 2022-01-28 合肥工业大学 应用于mems倾角传感器的微型恒温腔
CN115468539A (zh) * 2022-09-28 2022-12-13 上海直川电子科技有限公司 一种医疗设备用倾角传感器及其使用方法

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