JPH0650575B2 - 光カ−ド - Google Patents

光カ−ド

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JPH0650575B2
JPH0650575B2 JP60055161A JP5516185A JPH0650575B2 JP H0650575 B2 JPH0650575 B2 JP H0650575B2 JP 60055161 A JP60055161 A JP 60055161A JP 5516185 A JP5516185 A JP 5516185A JP H0650575 B2 JPH0650575 B2 JP H0650575B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の技術分野〕 本発明は光カードに関し、さらに詳しくは、新規な光記
録材料を有し、高密度の情報を書込むことの可能なDR
AW型(direct read-after-write)光カードに関する。
〔発明の技術的背景ならびにその問題点〕
従来、クレジットカード、バンクカードなどのカード類
に埋設される記録材料としては、磁気材料が主として用
いられてきた。この磁気材料は、情報の書込みならびに
読出しが容易に行なえるという利点はあるが、反面、情
報の改竄が容易に行なわれ、しかも、高密度記録ができ
ないという問題点があった。
ところで、上記のような問題点を解決するため、感光材
にパターン露光を施こして、未露光部である光透過部と
露光部である遮光部とを形成することによって、感光材
に情報を書込み、この情報を光透記度の際によって読取
るようなタイプの光記録材料が提案されている。このよ
うな光記録材料をカード基材に埋込んでカード用記録材
料として用いようとする場合には、以下のような問題点
がある。
(a) カード基材は、その表面に種々の印刷を施こす
場合が多く、このためにはカード基材は不透明であるこ
とが好ましい。ところが上記のような光記録材料を埋込
むためには少なくとも基材の一部を光透過性にする必要
があり、このことはカードの製造上著しく不利にしてい
る。
(b) 上記のような記録材料では、光透過部および遮
光部における光透過性の相違を充分大きくすることが難
かしく、しかも光透過度の相違により書込まれた情報を
読出そうとする場合には、カード表面の汚れに大きく左
右されるという問題点があった。
このため光透過度の相違にする情報の読出しではなく、
光反射率の相違により情報を読出そうとする試みもあ
る。たとえば、銀粒子をゼラチンマトリックス中に分散
してなる記録層を有するカード類が提案されている。こ
の記録層への情報の書込みは、レーザビームを記録層に
照射して記録ピットを形成して行なわれている。この記
録層はコーティング法により連続的に製造でき、しかも
銀を用いることによって広い波長域にわたって均一な反
射率が得られ、種々の波長のレーザビームを用いた記録
再生装置への適用が可能であるという利点を有してい
る。しかしながらこの記録層に、写真的手法で記録を行
なう場合には、光反射性と解像性とを同時に向上させる
ことは困難であり、たとえば現像時間を長くすると光反
射性は向上するが、記録部(露光部)が太る傾向が認め
られ解像性が低下してしまう。逆に現像時間を短かくす
ると解像性は向上するが光反射性が不充分になってしま
うという問題点があった。
一方また、記録材料の記録層に、レーザビームなどのエ
ネルギービームをスポット状に照射して、記録層の一部
を状態変化させて記録する、いわゆるヒートモード記録
材料に用いる記録層としては、テルル、ビスマスなどの
金属薄膜、ポリスチレン、ニトロセルロースなどの有機
薄膜、あるいは相転位をを利用したテルル低酸化物膜な
どが用いられている。これらの記録材料は、情報の書込
みの後現像処理などの必要がなく、「書いた後直読す
る」ことのできる、いわゆるDRAW(direct read aft
er write)媒体であり、高密度記録が可能であり追加書
込みも可能であることから、ディスク用あるいはカード
用の記録材料としての用途の拡大が期待されている。
これらのヒートモード記録材料のうち最も広く用いられ
ている、テルルあるいはビスマスなどの金属薄膜を基板
上に蒸着してなる記録材料においては、情報の書込み
は、レーザビームなどのエネルギービームを金属薄膜上
にスポット照射することにより、この部分の金属を蒸発
除去あるいは融解移動除去してピットを形成して行なわ
れている。また情報の読出しは、読出し光を記録層上に
照射し、記録部であるピット部と未記録部である金属薄
膜とにおける反射率の違いを読取ることによって行なわ
れている。ところで、情報の書込みに際しては、読出す
べき情報そのものに相当する記録ピットを形成すること
に加えて、光の案内溝に相当するトラッキングならびに
読出すべきピットを特定するためのプレフォーマッティ
ングをも記録層に書込む必要があった。
ところが記録層を構成するテルル、ビスマスなどの金属
は、ある程度毒性を有するため取扱いに充分な配慮を要
するとともに、レーザビームなどのエネルギービームの
照射によりピットを形成することは、高度な制御技術が
必要され、しかもそのピット形成工程が複雑であるため
コスト面からみても必ずしも安いものではなかった。し
たがって、もし、光の案内溝に相当するためのプレフォ
ーマッティングがレーザビーム照射以外の簡便な方法に
より大量にしかも安価に形成しうるような記録材料が出
現するならば、極めて有用性の高いものが得られると期
待される。
〔発明の目的〕
本発明は、これら従来技術に伴なう問題点を解決しよう
とするものであって、以下のような目的を有する。
(a) 高密度が可能で、しかも書込まれた情報の改竄
が困難である光記録材料を有する光カードを提供するこ
と。
(b) 書込まれた情報を、光透過率の相違ではなく、
光反射率の相違に基いて読書すことができる光記録材料
を有する光カードを提供すること。
(c) 記録層に書込まれるべき情報の一部を、レーザ
ビームの照射によらずパターン露光などの量産可能な方
法により行なうことができ、したがって製造工程の簡素
化が可能で、しかも大量生産ならびにコストダウンが可
能な光記録材料を有する光カードを提供すること。
(d) 長期間の使用によっても、書込み、読出しに精
度が劣化せず、信頼性、耐久性にすぐれた光カードを提
供すること。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するために、本発明のDRAW型光カー
ドは、カード基材上に光記録部が設けられている光カー
ドにおいて、前記光記録部が、(a)光記録部用基材
と、(b)この光記録部用基材上面に設けられた表面硬
化層と、(c)光記録部用基材下面に設けられた、光透
過部および遮光部からなる第1記録層と、(d)この第
1記録層の表面に設けられた、反射性金属薄膜層からな
る第2記録層とからなり、前記カード基材が、不透明材
料層と透明材料層との積層体からなり、前記光記録部の
第2記録層側と前記カード基材の不透明材料層側とが接
着剤層を介して接合されてなるカードであった、前記第
2記録層にエネルギービームを照射することによって第
2記録層への情報の書込みができ、書込まれた情報の読
出しは、表面硬化層が設けられた側から記録再生光を照
射することにより行なうことを特徴とするものである。
〔発明の具体的説明〕
以下、本発明に係る光カードを、図面に示す具体例によ
り説明する。
本発明の光カード1は、その概念断面図が第1図に示さ
れるように、カード基材2と光記録部3とが接着剤層3
を介して接合一体化されてなる。
光記録部3は、光記録部用基材5と、この基材5の上面
に設けられた表面硬化層6と、基材5の下面に設けられ
た、光透過部7と遮光部8とからなる第1記録層9と、
この第1記録層9の下面に設けられた反射性金属薄膜層
からなる第2記録層10とが各々積層形成されている。
一方、カード基材2は、不透明材料層2aと透明材料層
2bとの積層体からなる。場合によっては、透明材料層
2b中に磁気記録層11が設けられていてもよい。ま
た、第1記録層9、第2記録層10は光記録部用基材5
の全面ではなく一部表面上に設けることもできる。さら
に、必要に応じてICメモリー、写真、彫刻画像、文
字、マーク、インプリントと称する浮き出し文字など
を、光カードの表面もしくは裏面に併設してもよい。こ
のようにすることにより、1枚のカードで種々の再生方
式に対応でき、また偽造がより効果的に防止できる。
第2図に示す別の具体例における光カード1において
は、光記録部3の第1記録層9と第2記録層10との間
にバリヤー層12が形成されており、その他の構成は上
記第1図の光カードの場合と同様である。このバリヤー
層12は、温度の影響による第2記録層10の金属薄膜
層の変質を防止するために設けられるものであり、特に
第1記録層の感光材料が吸湿性材料の場合に有用であ
る。
以下、本発明の光カードの各構成部材について更に詳細
に説明する。
カード基材 カード基材2としては、通常のカードの基材として用い
ることができるあらゆる材料が用いられうる。具体的に
は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチルなど
のアクリル系重合体、ポリスチレン、ポリビニルブチラ
ール、アセチルセルロース、スチレン/ブタジエン共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
トなどが用いられる。場合によっては、鉄、ステンレ
ス、アミニウム、スズ、銅、亜鉛などの金属シート、合
成紙、紙なども用いられうる。このうち、不透明材料層
2aとしては、白色硬質ポリ塩化ビニルが好ましく用い
られ、透明材料層2bとしては、透明硬質ポリ塩化ビニ
ルが好ましく用いられる。
光記録部用基材 光記録部用基材5としては、光透過性であるガラス、セ
ラミック、紙、プラスチックフィルム、織布、不織布な
どあらゆるタイプの材料が用いられうるが、生産性およ
び平滑性の点からガラスあるいはプラスチックフィルム
が好ましい。プラスチックとしては、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル
系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメ
チルペンテン樹脂、セルローストリアセテート樹脂など
を用いることができ、透明性および平滑性の点からセル
ローストリアセテート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスル
ホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などが特に好まし
い。これら基材5には、必要に応じて、コロナ放電処
理、プラズマ処理、プライマー処理などの接着性改良の
ための前処理をしてもよい。
第1記録層 第1記録層9は、光透過部7および遮光部8から構成さ
れている。この第1記録層9は、たとえば未露光部が光
透過性となり露光部が遮光部となる感光材をパターン露
光し、次いで現像することによって形成される。場合に
よっては、未露光部が遮光性となり、露光部が光透過性
となる感光材をパターン露光し次いで現像することによ
って、第1記録層9を形成してもよい。
感光材は、たとえば(イ)バインダーとしての透明樹
脂、(ロ)ジアゾ基またはアジド基を有する光分解性の
現像抑制剤および(ハ)還元されて金属現像核となる金
属錯化合物または金属化合物から構成されている。この
感光材においては、バインダーとしての透明樹脂100
重量部に対して、ジアゾ基またはアジド基を有する光分
解性の現像抑制剤は1〜100重量部好ましくは20〜
50重量部の量で存在し、還元されて金属現像核となる
金属錯化合物または金属化合物は0.1〜100重量部
好ましくは1〜10重量部の量で存在している。上記の
現像抑制剤、金属錯化合物または金属化合物は、バイン
ダーとしての透明樹脂中に溶解あるいは分散されている
が、好ましくは溶解されている。
透明樹脂としては、新油性あるいは親水性の透明樹脂の
いずれもが使用できる。新油性透明樹脂としては、ポリ
酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重
合樹脂、アクリル酸/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
/酢酸ビニル共重合樹脂などのエステル基を有す樹脂、
酢酸セルロースなどの水酸基を有する樹脂、カルボン酸
基あるいはスルホン酸基を含む変性酢酸ビニル系樹脂な
どがあげられる。
また、光記録特性上はヒートモードで変形する性質を有
するニトロセルロースなどのセルロース誘導体をこれら
の新油性透明樹脂に添加することも高感度化のために有
効である。
また、親水性の透明樹脂としては、ゼラチン、カゼイ
ン、グルー、アラビアゴム、セラックなどの天然高分子
化合物、カルボキシメチルセルロース、卵白アルブミ
ン、ポリビニルアルコール(部分ケン化ポリ燦々ビニ
ル)、ポリアクリル酸、ボリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンオキシド、無水マレイン酸
共重合体などの合成樹脂が用いられるが、水溶性ないし
親水性樹脂である限りにおいて、上記以外のものも使用
可能である。バインダーとしての親水性透明樹脂には、
この透明樹脂により感光材料を形成して物理現像液と接
触させる際に、物理現像液が感光材層に浸透して物理現
像が可能となる程度の親水性を有することが好ましい。
また光記録特性上はヒートモードで変形し易い性質のあ
る、ニトロセルロースなどの低分子量物をエタノール溶
解して上記の親水性透明樹脂に添加することも有効であ
る。
現像抑制剤としては、ジアゾ基またはアジド基を有する
化合物が用いられる。ジアゾ基を有する化合物としては
ジアゾ基を有する塩化亜鉛複塩もしくはホウフッ化塩、
またはこれらの化合物とパラホルムアルデヒドより得ら
れる縮合生成物である化合物が好ましい。より具体的に
は、p−N,N−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウム
塩化亜鉛複塩、p−N−エチル−N−βヒドロキシエチ
ルアミノベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−モル
フォリノ−2,6−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩
化亜鉛複塩、4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベ
ンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−ベンゾイルアミ
ノ−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛
複塩、4−(4′−メトキシベンゾイルアミノ)−2,
5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4
−(p−トルイルメルカプト)−2,5−ジメトキシベ
ンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−ジアゾ−4′−
メトキシジフェニルアミン塩化亜鉛複塩、4−ジアゾ−
3−メトキシ−ジフェニルアミン塩化亜鉛複塩などのジ
アゾ基を有する塩化亜鉛複塩もしくは以上のような塩化
亜鉛複塩の代わりに上記のホウフッ化塩、硫酸塩、リン
酸塩などでも使用できる。
アジド基を有する化合物としては、p−アジドアセトフ
ェノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス−
(4′−アジドベンザル)−アセトン、2,6−ビス−
(4′−アジドベンザル)−シクロヘキサノン、2,6
−ビス−(4′−アジドベンザル)−4−メチルシクロ
ヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドスチリル)−
アセトン、アジドピレンなどが使用できる。ジアゾ基も
しくはアジド基を有する限り上記以外の化合物も使用す
ることができ、また、上記したジアゾ基もしくはアジド
基を有する化合物を任意に2種以上併用して使用するこ
ともできる。
なおジアゾ基を有する化合物を用いる場合には、この化
合物を安定化させる安定化剤を用いるとよく、有機カル
ボン酸や有機スルホン酸がこの安定化剤として用いるこ
とができ、より実際的にはp−トルエンスルホン酸など
を用いることが好ましい。
次に還元された金属現像核となる金属錯化合物もしくは
金属化合物について説明する。
まず、還元されて金属現像核となる金属錯化合物として
は、パラジウム、金、銀、白金、銅などの金属の錯化合
物が用いられ、これらの金属に対し電子ドナーとなる配
位子としては通常知られているものを用いることができ
る。具体的には、下記のような金属錯化合物が用いられ
る。
ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジクロ
ロエチレンアミンパラジウム(II)塩、ジクロロ(エチ
レンジアミン)白金(V)塩、テトラクロロジアミン白
金(IV)塩、ジクロロビス(エチレンジアミン)白金
(IV)塩、テトラエチルアンモニウム銅(II)塩、ビス
(エチレンジアミン銅(II)塩。
さらに金属の錯化合物を形成する配位子としては、2カ
所以上で配位して環状構造をとるいわゆるキレート化剤
を用いると、形成される金属錯化合物の安定性が高いた
めに好適である。キレート化剤としては第1級、第2級
もしくは第3級アミン類、オキシム類、イミン類、ケト
ン類を挙げることができ、より具体的にはジメチルグリ
オキシム、ジチオン、オキシン、アセチルアセトン、グ
リシン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ウ
ラミル二酢酸などの化合物が用いられる。
上記のキレート化剤を用いたものとしては、ビス(2,
2′−ビピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(アセチ
ルアセトナート)パラジウム(II)、ビス(N,N−ジ
エチルエチレンジアミン)銅(II)塩、ビス(2,2′
−ビピリジン)銅(II)塩、ビス1,10−フェナント
ロリン)銅(II)塩、ビス(ジメチルグリオキシマー
ト)銅(II)、ビス(アセチルアセトナート)銅(I
I)、ビス(アセチルアセトナート)白金(II)などが
好ましい。
還元されて金属現像核を与える金属化合物としては、パ
ラジウム、金、銀、白金、銅などの金属の塩化物、硝酸
塩などの水溶性塩などの金属化合物が用いられ、具体的
には無電解メッキのアクチベーター液中に含まれる塩化
パラジウム、硝酸銀、四塩化水素金などの塩が好ましい
が、このうちパラジウムの塩が特に好ましい。
上述のような、(イ)バインダーとしての透明樹脂、
(ロ)ジアゾ基またはアジド基を有する光分解性の現像
抑制剤および(ハ)還元されて金属現像核となる金属錯
化合物または金属化合物は、バインダーとしての透明樹
脂に応じて選択された溶剤とともに混合されて、塗布に
適した粘度である10〜1000センチポイズを有する
感光材層形成用塗布液とされる。この感光材層形成用塗
布液は、光記録部用基材5上に通常0.1〜30μmの
膜厚に塗布されて感光材層が形成される。
バインダーとしての透明樹脂を溶解する溶剤としては、
種々の溶剤が使用できるが、親水性透明樹脂を用いる場
合には、水、低級アルコール、ケトン、エーテルなどの
水混和性溶媒、あるいは水と水混和性溶媒との混合溶剤
が用いられる。また、新油性透明樹脂を用いる場合に
は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコールなどの低級アルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸nブ
チルなどのエステル類、メチルセロソルブなどの極性の
高い溶剤が好ましく用いられる。
なお、親水性の透明樹脂を用いる場合には、感光材層を
形成後、物理現像処理中の現像液へのバインダーなどの
溶出を抑制するため、硬膜処理を行うことが望ましい。
硬膜処理は、たとえば下記化合物を感光材形成用塗布液
中に透明樹脂100部に対して0.1〜50部の量で予
じめ混合するか、あるいは下記化合物の水溶液をすでに
形成された感光材層上に塗布することにより行なうこと
ができる。
カル明バン、アンモニウム明バンなどのAl化合物;ク
ロム明バン、硫酸クロムなどのCr化合物;ホルムアデ
ヒド、グリオキザル、グルタルアルデヒド、2−メチル
グルタルアルデヒド、サクシナルデヒドなどのアルデヒ
ド類、;o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、シクロ
ヘキサン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−
ジオン、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、2,5
−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサンジオンなどのジケ
トン;トリグリシジルイソシアヌル酸塩などのエポキシ
ド;テトラフタロイルクロリド、4,4′−ジフェニル
メタンジスルフォニルクロリドなどの酸無水物;タンニ
ン酸、没食子酸、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジン、ならびに一般式RNPOX、 (RN)POX3−nおよび R−N=C=N−R′(ここでRは炭素2〜6のアルキ
ル基、R′は (CH(CH基、XはFまたはC
l、nは1または2)で表わされるリン化合物またはカ
ルボジイミド;スチレン/マレイン酸共重合体、ビニル
ピロリドン/マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテ
ル/マレイン酸共重合体、エチレンイミン/マレイン酸
共重合体、メタクリル酸/メタクリロニトリル共重合
体、ポリメタクリルアミド、メタクリル酸エステル共重
合体などの樹脂類、グルタル酸、コハク酸、リンゴ酸、
乳酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルコール酸、酒石
酸など。
このようにして、光記録部用基材5上に設けられた感光
材層をパターン露光し、次いで現像して未露光部である
光透過部7および露光部である遮光部8とからなる第1
記録層9を形成する。パターン露光は、たとえばホトマ
スクなどのマスクを介して行なうことができる。
また照射光をビーム状に集光して感光材層に直接照射し
てパターン状に遮光部8を形成することもできる。
第1記録層9における光透過部7および遮光部8により
もたらされる画像情報は、情報そのものあるいは情報を
読取る際に、トラッキングおよびプレフォーマットとし
ての働きをしている。
感光材層における露光部では、ジアゾ基またはアジド基
を有する光分解性の現像抑制剤は、露光部に応じて分解
されて潜像が形成される。
露光に対して使用される光源としては、ジアゾ基もしく
はアジド基を有する化合物を分解しうる光源ならば任意
に用いることができ、通常高圧水銀灯が好ましく用いら
れる。
上記のようなパターン露光によりジアゾ基もしくはアジ
ド基を有する化合物の分解により形成された潜像を、還
元剤水溶液と接触させて金属現像核を発生させる。なお
未露光部では、ジアゾ基またはアジド基を有する現像抑
制剤は分解されていないため、還元剤水溶液と接触して
も金属現像核は発生せずそのまま光透過部として残存し
ている。
この際用いられる還元剤としては、塩化第1スズ、硫酸
第1スズ、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボ
ラザン、ジエチルアミンボラザン、トリメチルアミンボ
ラザンなどのボラザン系化合物、ボラン、ジボラン、メ
チルジボランなどのボラン系化合物、ヒドラジンなどが
用いられる。このうち、酸性塩化第1スズ溶液、硫酸第
1スズ溶液(weiss液)あるいは市販の無電解メッキ用
のセンシタイザー液などが特に好ましいが、一般には、
強力な還元剤であればすべて使用できる。
次いで、このようにして得られた金属現像核と物理現像
液とを接触させると、物理現像液中に含まれる金属が還
元されて、前記金属現像核を中心として析出し、遮光部
8が形成される。
物理現像液としては、水溶性の被還元性金属塩および還
元剤を含む水溶液が、低温または必要に応じて加温した
状態で使用される。
被還元性金属塩としては、たとえばニッケル、コバル
ト、鉄およびクロムなどのVIb族金属、銅などのIb族
金属の水溶性塩が単独でまたは混合して使用される。ま
た一旦銅塩溶液で物理現像した後、塩化第一鉄や硫酸錫
で置換メッキを行い錫ないし錫・銅系の金属層を得るこ
とも可能である。これらの中でも安全性、保存性を考慮
するとニッケル、銅、錫が好ましい。但し、蒸着と異な
り原料の純度、メッキ安定化剤などから少量の異種金属
やリン、イオウなどの元素が混入することはあり得る
が、特に光記録材料としての特性に影響を与えるもので
はない。
適当な水溶性の被還元性金属塩としては、具体的には以
下のものが用いられる。
塩化第一コバルト、ヨウ化第一コバルト、臭化第一鉄、
塩化第一鉄、臭化第二クロム、ヨウ化第二クロム、塩化
第二銅などの重金属ハライド;硫酸ニッケル、硫酸第一
鉄、硫酸第一コバルト、硫酸第二クロム、硫酸第二銅な
どの重金属硫酸塩;硝酸ニッケル、硝酸第一鉄、硝酸第
一コバルト、硝酸第二クロム、硝酸第二銅などの重金属
硝酸塩;フェラスアセテート、コバルタスアセテート、
クロミックアセテート、キュープリックフォルメートな
どの金属の有機酸塩。
これら被還元性重金属塩は物理現像液中にたとえば10
〜100g/の量で含まれるとが好ましい。
還元剤としては、たとえば次亜リン酸、次亜リン酸ナト
リウム、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルマ
リン、ジエチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、
トリメチルアミンボラン、ボラン、ジボラン、メチルジ
ボラン、ジボラザン、ボラゼン、ボラジン、t−ブチル
アミンボラザン、ピリジンボラン、2,6−ルチジンボ
ラン、エチレンジアミンボラン、ヒドラジンボラン、ジ
メチルホスフィンボラン、フェニルホスフィンボラン、
ジメチルアルジンボラン、フェニルアルジンボラン、ジ
メチルスチビンボラン、ジエチルスチビンボランなどが
使用できる。
これらの還元剤は、物理現像液中に、たとえば0.1〜
50g/の量で用いられることが好ましい。
物理現像液中には、前記した被還元性重金属塩の溶解に
より生成する重金属イオンが水酸化物として沈澱するの
を防止するために、たとえばモノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、リンゴ酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸、コ
ハク酸、クエン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、酒
石酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、グルコン酸、糖
酸、キニン酸などの有機カルボン酸からなる錯塩化剤の
一種または二種以上を含ませることができる。これら錯
塩化剤は、物理現像液中にたとえば1〜100g/の
量で用いられることが好ましい。
さらに、物理現像液には、現像液の保存性および操作性
ならびに得られる画像の質を改善するために、酸および
塩基などのpH調節剤、緩衝剤、防腐剤、増白剤、界面
活性剤などが常法に従い必要に応じて添加される。
この添加剤のうちpHを上げるためにはアンモニア水も
しくは水酸化ナトリウム水溶液を用いることが特に好ま
しい。
また、物理現像は、次亜リン酸ナトリウム還元剤を用い
た65℃から90℃の高温ニッケルメッキ浴または銅メ
ッキ浴中で高速メッキ条件下で行ってもよい。この際得
られた画像を、たとえば塩酸5%または硝酸の5%の水
溶液で5分間程度処理することにより光透過部の透明樹
脂を一部選択的に除去することもできる。
また、感光材としては、上述のような透明樹脂、現像抑
制剤、金属錯化合物または金属化合物からなる系のほか
に、(イ)ハロゲン化銀、ドライシルバー(登録商標)
などの有機銀塩に代表される銀塩系材料、(ロ)ジアゾ
ニウム塩とカプラーとの組合せ系、(ハ)カルバーフィ
ルム(登録商標)、PDプロセス(登録商標)材料など
に代表されるジアゾ系材料、(ニ)アクリルモノマー、
ポリビニルケイ皮酸などに代表される光重合型光橋かけ
型のフォトポリマー系材料(ホ)トナー像を形成するC
dS、ZnO、ポリビニルカルバゾールなどの電子写真
感光体あるいはその転写体、(ヘ)フロスト像を形成す
るサーモプラスチックス電子写真系材料、(ト)ロイコ
染料と四臭化炭素との組合せ系、(チ)ダイラックス
(登録商標)コバルト錯体とロイコ染料との組合せ系、
(リ)シュウ酸第二鉄と鉄塩との組合せ系、(ヌ)スピ
ロピラン、モリブデンタングステ瑠化合物などの顔料ま
たは色素の画像を形成する材料などが用いられうる。
上記の感光材のうち、ある種のものは露光部が遮光性と
なり未露光部が光透過性であるが、またある種のものは
露光部が光透過性となり未露光部が遮光部である。いず
れにしても露光した後に必要に応じて現像することによ
って、光透過部分と遮光部分とからなる記録を行ないう
るような感光材であれば使用できる。但し、上記の感光
材のうち、(イ)バインダーとしての透明樹脂、(ロ)
ジアゾ基またはアジド基を有する光分解性の現像抑制剤
および(ハ)還元されて金属現像核となる金属錯化合物
または金属化合物から構成されている感光材を用いると
遮光部8が近赤外線を使用した読取りの際にも高濃度の
ものとして読取り可能であり、解像度が高く、しかも明
室で取り扱える利点がある。
このような感光材への照射光としては、紫外線、可視光
線、赤外線、X線、電子線などが用いられうる。
第2記録層 次に、上記のようにして形成された、光透過部7および
遮光部8とからなる第1記録層9上に、反射性金属薄膜
層からなる第2記録層10を形成する。
反射性金属薄膜層は、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、
Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Te、P
b、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb
などの金属を単独もしくは二種以上組合せて用いて形成
される。
反射性金属薄膜層からなる第2記録層10に情報をエネ
ルギービームの照射によりさらに書込む場合には、低融
点金属であるTe、Zn、Pb、Cd、Bi、Sn、S
e、In、Ga、Rbなどの金属を主成分として反射性
金属薄膜を構成することが好ましく、特にTe−Se、
Te−Se−Pb、Te−Pb、Te−Sn−S、Sn
−Cu、Te−Cu、Te−Cu−Pbなどの合金が好
ましい。
さらにこれらの合金のうち、5〜40原子数パーセント
のCuを含むTe−Cu合金あるいは5〜40原子数パ
ーセントのCuおよびCuに対して1〜50原子数パー
セントのPbを含むTe−Cu−Pb合金が、読出し用
照射エネルギービームの波長を650nm以上とする場合
に特に好ましい。これらの合金からなる反射性金属薄膜
層を第2記録層として用いると、外周部での乱れが少な
い記録ピットが得られ、しかも読出し用照射エネルギー
ビームの波長が650nm以上特に700〜900nmであ
る場合に、記録部であるピットにおける反射率と未記録
部である金属薄膜における反射率すなわち相対反射率が
小さいという優れた情報読出し特性を有する反射性金属
薄膜が得られる。
さらに、1〜40原子数パーセントのCuを含むSn−
Cu合金を用いると記録ピット形状の外周部の乱れが少
なく、かつ毒性の低い反射性金属薄膜が得られる。
このような反射性金属薄膜層を第1記録層上に形成する
には、上記のような金属あるいは合金を準備し、これを
スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、電気メッキ法などの従来既知の方法によって第1記
録層上に成膜すればよい。この反射性金属薄膜層の膜厚
は、200〜10,000A好ましくは1000〜50
00Aであることが好ましい。場合によっては、上記金
属からなる多層膜たとえばIn膜とTe膜との多層膜も
反射性金属薄膜として用いられる。また、上記金属と有
機化合物または無機酸化物との複合物たとえばTe−C
、Te−CS、Te−スチレン、Sn−SO
Ges−Sn、SnS−Sなどの薄膜あるいはSiO
Ti/SiO/Alなどの多層膜も反射性金属薄膜と
して用いられうる。
さらに、シアニンなどの色素を凝集させて光反射性を与
えた薄膜、ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリエチ
レンなどの熱可塑性樹脂中に色素または銀などの金属粒
子を分散させたもの、あるいはこの熱可塑性樹脂の表面
に色素または金属粒子を凝集させたものなどが反射性金
属薄膜として用いられうる。
さらにまた、エネルギービームの照射により相転移が生
じてその反射率が変化する。Te酸化物、Sb酸化物、
Mo酸化物、Ge酸化物、V酸化物、Sm酸化物、ある
いはTe酸化物−Ge、Te−Snなどの化合物が、反
射性金属薄膜として用いられうる。
また、カルコーゲンあるいは発色型のMoO−Cu、
MoO−Sn−Cuが反射性金属薄膜として用いら
れ、場合によっては泡形成型の有機薄膜と金属薄膜との
多層体も反射性金属薄膜として用いられうる。
さらに光磁記録材料であるGdCo、TbCo、 GdFe、DyFe、GdTbFe、 GdFeBi、TbDyFe、MnCuBiなどを反射
性金属薄膜として用いられう。
上記のような各種のタイプの反射性金属薄膜を組合せて
用いることも可能である。
表面硬化層 表面硬化層6は、光カード1の光記録部側の表面の硬化
を高めてその保護をすることにより、カードの携帯や使
用時に表面に傷がつくことを防止する。これにより、カ
ードの耐久性と書込み、読取り精度における信頼性の向
上を図ることができる。
この表面硬化層の材料としては、シリコン系、アクリル
系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ系硬化剤やAl
、SiOなどの金属酸化物の他、プラズマ重合
膜などが用いられる。
バリヤー層 バリヤー層12は、第1記録層9を構成する感光材料
が、第2記録層10に対して物理的に、科学的な悪影響
を及ぼすのを防止するために設けられる。特に、第1記
録層の感光材料が吸湿性の場合、高湿度下で第2記録層
が変質するのを防止するのに有用である。
バリヤー層の材料としては、アクリル系、メラニン系、
ウレタン系またはセルロース系樹脂、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンやAl、Si
などの金属酸化物の他、プラズマ重合膜を用いるこ
とができる。
接着剤層 接着剤層4を構成する接着剤としては種々のものが用い
られうるが、例えばポリウレタンもしくはエポキシなど
の熱硬化性接着剤、あるいはアクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、ポリエチレン/酢酸ビニル共重合樹脂等の熱
感接着剤などを用いることができる。これらのうち耐薬
品性が要求されるときは熱硬化性接着剤、好ましくはポ
リウレタン接着剤が用いられる。
光カードの製造方法 次に本発明に係る光カードの製造方法について説明す
る。
まず上述のようにして、光記録部用基材上に表面硬化
層、第1記録層および第2記録層さらに必要に応じてバ
リヤー層を設け光記録部を形成する。この光記録部用基
材は、光カードとして組立てられた場合に、カード保護
層としての役割をも果している。
次に、カード基材と光記録部用基材とを、光記録部の第
2記録層側がカード基材の不透明材料層側と接するよう
に、熱硬化性接着剤もしくは感熱接着剤などの接着剤層
を介して重ね合わせた後、90〜150℃程度に加熱さ
れた熱ロールなどにて圧着することにより光カードを製
造できる。
場合によっては、以下のようにして光カードを製造する
こともできる。すなわち光記録部用基材上に、親水性樹
脂をバインダーとして含む第1記録層および第2記録層
を設けた後、第2記録層である反射性金属薄膜層上に、
アクリル樹脂などの保語膜をスクリーン印刷などにより
塗布し、この部分を耐水性とする。この際光記録部用基
材の周辺縁部にはその保護膜は設けない。次いでこの光
記録材料を温水に浸漬し、保護膜の設けられていない部
分の親水性樹脂を除去した後乾燥する。
一方、白色ポリ塩化ビニルフィルムなどのカード基材に
は、必要に応じて、熱プレス法などによって光記録部の
第1記録層および第2記録層を嵌込むための凹部を形成
することも表面に接着剤層を設けることもできる。
次に、光記録材料とカード基材とを、光記録材料の第2
記録層がカード基材と接するようにして重ね合わせ、熱
ロールなどにて圧着することにより光カードを製造でき
る。
情報の書込み・読出し 次に、上記のような反射性金属薄膜への情報の書込みお
よび光カードに書込まれた情報の読出しについて説明す
る。
反射性金属薄膜層への情報の書込みは、この金属薄膜層
に波長300〜1100nmのレーザビームなどのエネル
ギービームをレンズなどにより集光して照射し、照射部
分の金属を蒸散あるいは偏在させて記録ピットを形成す
ることにより行なう。この際エネルギービームの強度
は、0.1〜100mW、パルス巾は5nsec〜500ms
ec、ビーム径は、0.1〜100μmであることが好ま
しい。
反射性金属薄膜層上に照射されるエネルギービームとし
ては、半導体レーザ、アルゴンレーザ、ヘリウム−ネオ
ンレーザなどのレーザビーム、赤外線フラッシュなどが
用いられる。
一方本発明に係る光カードに書込まれた情報の読出し
は、反射性金属薄膜層を溶融させない程度の低エネルギ
ーのレーザビームあるいは白色光、タングステン光など
をレンズなどを介して光カードの保護層側から光記録部
および遮光部からなる第1記録層ならびに第2記録層上
に集光して照射し、反射光の強度と位相変化とを関連づ
けて検出することによって行なわれる。
第1記録層における遮光部は、前述のように金属現像核
を中心にその付近に金属が析出して黒色に近い色調に形
成されているため、この遮光部に読出し用照射ビームが
照射されると、照射ビームはこの部分で吸収された反射
率は小さくなる。一方光透過部では照射ビームにあまり
吸収されずに反射性金属薄膜層に達するため、この光透
過部における反射率は大きい値となる。
また、反射性金属薄膜層における未記録部に相当する金
属薄膜層では高い反射率が得られるのに対し、記録部に
相当するピット部では低い反射率となる。
このようにして、第1記録層では社交部と光透過部とに
おける反射率の相違、また第2記録層ではピット部と未
記録部とにおける反射率の相違を続取ることによって、
本発明に係る光カードに書込まれた情報を読出すことが
できる。
〔発明の効果〕
本発明に係る光カードは、感光材層からなる第1記録層
および反射性金属薄膜層からなる第2記録層を含む光記
録材料を有するので、以下のような効果を有する。
(a) 磁気記録カードと比較して、はるかに高密度記
録が可能で、しかも書込まれた情報の改竄が著しく困難
である。
(b) 光記録材料に書込まれた情報を、光反射率の相
違に基いて読出すことができる。
(c) 光記録材料の第1記録層への情報の書込みを、
レーザビームの照射によらず、パターン露光などの量産
可能な方法により行ないうる。
(d) 感光材として、透明樹脂、現像抑制剤、金属現
像核または金属化合物からなる系を用いる場合には、明
室での操作が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例 1 厚み400μmのポリカーボネートフィルム上に下引き
処理剤(信越化学製 プライマーpc−4)をグラビア
コーティングし、次にその上にシリコーン系表面硬化層
(信越化学製 X−12−2150)をグラビアコーテ
ィングし、100℃1分間でキュアして表面硬化層を得
た。上記のポリカーボネートフィルムの裏面に下記組成
の感光材層形成用塗布液をグラビアコーティングした。
感光材層形成塗布液の塗布量は乾燥時で3g/m2であっ
た。
感光材層形成用塗布液組成 ポリビニルメチルエーテル無水マレイン酸エステル
(G.A.F Corp製 ガントレッツ AN139)
10% メチルエチルケトン溶液 :20重量部 ポリ酢酸ビニル(積水化学製 エスニール C−2)
20% メチルエチルケトン溶液 :20重量部 アクリル系樹脂(綜研化学製 L−40)25% メチ
ルセロソルブ溶液 :12重量部 塩化パラジウム 0.1% メチルセロソルブ溶液 :
38重量部 (PdCl:濃塩酸:メチルセロソルブ=1:10:
1000) 4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾ
ニウムホウフッ化塩(大東化学製 DH300BF
10% メチルセロソルブ溶液 :10重量部 次に、このようにして形成された感光材面と、たて15
μm、よこ5μmのドットをピッチ15μmで並んだ列
を列間ピッチ20μmの配列でネガティブにパターニン
グしたフォトマスクのマスク面とを密着させ、フォトマ
スク側から超高圧水銀灯(3kw、距離1m)で10秒間
露光した。この際使用したフォトマスクパターンはフォ
トエッチング法で得た。その作製は、ガラス板上にCr
薄膜をスパッタリング法により作製した上にフォトレジ
スト(シップレー製AZ1350)を塗布し乾燥した表
面に、位置制御したXYステージ上でHe−Cdレーザ
ーをビーム径2μmに絞って照射した。これにより、た
て15μm、よこ5μmのドットをピッチ15μmで並
んだ列を列間ピッチ20μmの配列で形成し、さらに、
レジスト現像液(シップレー製)で処理し、130℃2
5分間加熱処理した後、塩化第二鉄液にてエッチングし
て、ドット部が光透過性となるパターンを得た。
次いで上記のようにパターン露光された感光材層を下記
組成の処理液〔A〕,〔B〕にこの順序でそれぞれ60
秒、80秒浸漬した(処理温度30℃)。
〔A〕シバニッケル(奥野製薬製) ホウ素系還元剤 : 0.5g 硫酸ニッケル : 3.0g クエン酸ナトリウム : 1.0g 水 :95.5g 〔B〕TMP化学ニッケル−A、 TMP化学ニッケル−Bの1対1混合液 硫酸ニッケル : 9.0g 次亜リン酸ナトリウム : 7.0g NH水溶液(28%): 6.5g クエン酸ナトリウム :10.0g 水 :67.5g しかる後、水洗、乾燥して、光透過部と遮光部に相当す
る黒色のポジティブパターンとを有する第1記録層を得
た。
上記のようにしてパターニングされた記録層上にTe−
Cu−Pb合金(スパッタターゲット組成比 モル比
80:15:5)をスパッタリングして第2記録層が形
成された光記録材料を得た。このとき、Te−Cu−P
b薄膜は記録層の周辺縁部に形成しなかった。
一方、カード基材は以下の様に作製した。まず、白色硬
質ポリ塩化ビニル(厚さ200μm)の両面に文字図案
のパターンをスクリーン印刷法により設け、別に透明硬
質ポリ塩化ビニル(厚さ100μm)の片面一部に磁気
記録層を巾6.5mmで設けた。その裏面と上記印刷済み
の白色ポリ塩化ビニルとを重ねて、ステンレス板二枚に
はさみプレス機にて140℃30分間加熱加圧してカー
ド基材を得た。
上記のようにして作成した光記録材料とカード基材を光
記録材料の第二記録層とカード基材の白色ポリ塩化ビニ
ル面(印刷面)とを、接着剤であるウレタン系樹脂(ア
ルプス化学産業アルボンEU−4200、EHU420
0の混合比10対1)を介して重ね合わせ、ロールなど
により圧着した。24時間放置後打ち抜き金型により打
抜き光カードを得た。
実施例 2 実施例1と同様にして得られたパターニングされた第1
記録層上にバーコードによりメラニン系樹脂(大日本イ
ンキ化学工業 タフコート112)を塗布し、120
℃、3分間加熱処理してバリヤー層(膜厚3μm)を形
成した。次に、Te−Cu−Pb合金(スパッタターゲ
ット組成比 モル比 80:15:5)をスパッタリン
グして第2記録層を形成して光記録材料を得た。この際
Te−Cu−Pb薄膜は記録層の周辺縁部に形成しなか
った。
以下実施例1と同様にしてカード基材を作製して、上記
の光記録材料と接着剤を介して貼り合わせて硬化後打抜
き、光カードを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る光カードの断面図
である。 1……光カード、2……光カード基材、2a……不透明
材料層、2b……透明材料層、3……光記録部、、4…
…接着剤層、5……光記録部用基材、6……表面硬化
層、7……光透過部、8……遮光部、9……第1記録
層、10……第2記録層、11……磁気記録層、12…
…バリヤー層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カード基材上に、光記録部が設けられてい
    る光カードにおいて、前記光記録部が、(a)光記録部
    用基材と、(b)この光記録部用基材上面に設けられた
    表面硬化層と、(c)光記録部用基材下面に設けられ
    た、光透過部および遮光部からなる第1記録層と、
    (d)この第1記録層の表面に設けられた、反射性金属
    薄膜層からなる第2記録層とからなり、前記カード基材
    が、不透明材料層と透明材料層との積層体からなり、前
    記光記録部の第2記録層側と前記カード基材の不透明材
    料層側とが接着剤層を介して接合されてなるカードであ
    って、前記第2記録層にエネルギービームを照射するこ
    とによって第2記録層への情報の書込みができ、書込ま
    れた情報の読出しは、表面硬化層が設けられた側から記
    録再生光を照射することにより行なうことを特徴とす
    る、DRAW型光カード。
  2. 【請求項2】前記光記録部の第1記録層と第2記録層と
    がバリヤー層を介して積層されている、特許請求の範囲
    第1項に記載の光カード。
  3. 【請求項3】前記カード基材の透明材料層が磁気記録部
    を有している、特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載の光カード。
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