JPH0721899B2 - 光カ−ド - Google Patents

光カ−ド

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JPH0721899B2
JPH0721899B2 JP60051997A JP5199785A JPH0721899B2 JP H0721899 B2 JPH0721899 B2 JP H0721899B2 JP 60051997 A JP60051997 A JP 60051997A JP 5199785 A JP5199785 A JP 5199785A JP H0721899 B2 JPH0721899 B2 JP H0721899B2
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card
acid
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metal
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渉 倉持
満 多気田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は光記録部を有するカードに関し、さらに詳し
くは、光記録部が適切な位置に配設されている光カード
に関する。
〔従来技術およびその問題点〕
光学的に情報が記録・再生される光記録部を有する光カ
ードは、磁気材料が埋設された磁気カードに比較して、
高密度に情報を記録・再生することができ、しかも、光
記録部の記録寸法が1.5〜50μmのように微細であるこ
とから、複製して偽造することが容易でないという特徴
を持っている。したがって、光カードは磁気カードに代
ってもしくは磁気記録と併用して、クレジットカード、
バンクカード、キャッシュカード、IDカードなどの種々
のカードに広く利用することができる。
しかしながら、例えば、クレジットカードについて日本
工業規格(JIS)で規定されているように、エンボス文
字の寸法・位置、磁気ストライブの位置、および暑名部
領域などが詳細に規定されているために、従来の光カー
ドの光記録部は、カード片面、しかも磁気ストライプ領
域、エンボス部領域、および暑名部領域から外れた領域
に設けられているにすぎなかった。
この発明は上述の問題点を解消するためになされたもの
であり、その目的とするところは、より任意なカード位
置に光記録による高密度情報を記録することができ、し
かも記録部の汚染ないし損傷を防止して信頼性の高い光
記録情報の記録と磁気情報の記録の双方の利用を可能に
した光カードを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明者等は、磁気ストライプによる記録・再生、エ
ンボス文字による記録・再生、および暑名による記録・
再生が光記録部による記録・再生と異質のものであり、
したがってその記録および再生を重畳的に実施できると
いう知見を得た。
すなわち、この発明の光カードは、光記録部および磁気
記録部を有するカードであって、磁気情報の読取り書込
み装置内を走行する際に光記録部はカード面がその装置
と接触しない領域に配設されたことを特徴とするもので
ある。
この発明の好ましい態様として、光記録部をJIS B9560
に規定するエンボス領域に配設することができる。
この発明における光記録部は、光学的に情報が記録・再
生される領域、さらに具体的には光透過度の相違および
/または光反射率の相違によって情報の書込みおよび読
出しが行なわれる領域である。
この発明において光記録部のカード上での位置は、磁気
情報の読取り書込み装置内を走行する際にその装置と物
理的にカード面が接触しない領域である。したがって、
その装置の種類、形式などに応じて光記録部の位置を適
宜変更することができる。例えば、第2図に示すように
カード表面に磁気記録部9と共にJISB9560に規定する光
カード1のエンボス領域8に光記録部を設けることがで
き、また、カード裏面に磁気記録部を、表面のエンボス
領域に光記録部を設けてもよい。
次いで、光記録部まが光透過部分および遮光部分からな
る第1記録層と、金属薄膜からなる第2記録層とから構
成されている光カードを、図面を参照しつつ詳説する。
第1図の示す光カード1は、保護層3と、光記録部2
と、カード基材4とから主に構成され、それらが接合一
体化されたものである。
光記録部の第1記録層2aは保護層の下面に設けられ、他
方第2記録層2bは接着剤層7を介してカード基材4面と
接合されている。この例におけるカード基材4は、不透
明基材層4aと透明基材層4aとの積層体からなる。場合に
よっては、カード基材4の下面もしくは保護層3の上面
に磁気記録体を設けてもよい。また、光記録部2をカー
ド面の全面もしくはその一面に設けてもよい。必要に応
じて、ICメモリー、写真、彫刻画像、文字、マークなど
を光カードの表面に設けてもよい。第1図に示す例にお
いて、保護層の外側表面に表面硬化層6が設けられてい
る。
以下、この発明に用いられる上記カードの構成部材につ
いて説明する。
カード基材 カード基材としては、通常のカードの基材として用いる
ことができるあらゆる材料が用いられうる。具体的に
は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチルなど
のアクリル系重合体、ポリスチレン、ポリビニルブチラ
ール、アセチルセルロース、スチレン/ブタジエン共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
トなどが用いられる。場合によっては、鉄、ステンレ
ス、アルミニウム、スズ、銅、亜鉛などの金属シート、
合成紙、紙なども用いられうる。さらに、上記のような
材料の積層体も用いられる。このうち、不透明材料層4a
としては、白色硬質ポリ塩化ビニルが好ましく、透明材
料層4bとしては、透明硬質ポリ塩化ビニルが好ましい。
保護層 保護層3としては、光透過性であるガラス、セラミッ
ク、紙、プラスチックフィルム、織布、不織布などあら
ゆるタイプの材料が用いられうるが、生産性および平滑
性の点からガラスあるいはプラスチックフィルムが好ま
しい。プラスチックとしては、セルロース誘導体、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニル系樹脂、
ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルペ
ンテン樹脂、トリアセテートなどを用いることができ、
透明性および平滑性の点から、セルローストリアセテー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリサルホン、ポリメチル
ペンテンなどが特に好ましい。この保護層3に、必要に
応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー処
理などの接着性改良のための前処理をしてもよい。
第1記録層 第1記録層2aは、光透過部および遮光部から構成されて
いる。この第1記録層2aは、たとえば未露光部が光透過
性となり露光部が遮光性となる感光材をパターン露光
し、次いで現像することによって形成され。場合によっ
ては、未露光部が遮光性となり、露光部が光透過性とな
る感光材をパターン露光し次いで現像することによっ
て、第1記録層2aを形成してもよい。
感光材は、たとえば(イ)バインダーとしての透明樹
脂、(ロ)ジアゾ基またはアジド基を有する光分解性の
現像抑制剤および(ハ)還元されて金属現像核となる金
属錯化合物または金属化合物から構成されている。この
感光材においては、バインダーとしての透明樹脂100重
量部に対して、ジアゾ基またはアジド基を有する光分解
性の現像抑制剤は1〜100重量部好ましくは20〜50重量
部の量で存在し、還元されて金属現像核となる金属錯化
合物または金属化合物は0.1〜100重量部好ましくは1〜
10重量部の量で存在している。上記の現像抑制剤、金属
錯化合物または金属化合物は、バインダーとしての透明
樹脂中に溶解あるいは分散されているが、好ましくは溶
解されている。
透明樹脂としては、親油性あるいは親水性の透明樹脂の
いずれもが使用できる。親油性透明樹脂としては、ポリ
酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重
合樹脂、アクリル酸/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
/酢酸ビニル共重合樹脂などのエステル基を有する樹
脂、酢酸セルロースなどの水酸基を有する樹脂、カルボ
ン酸基あるいはスルホン酸基を含む変性酢酸ビニル系樹
脂などが挙げられる。
また、光記録特性上はヒートモードで変形する性質を有
するニトロセルロースなどのセルロース誘導体をこれら
の親油性透明樹脂に添加することも高感度化のために有
効である。
また、親水性の透明樹脂としては、ゼラチン、カゼイ
ン、グルー、アラビアゴム、セラックなどの天然高分子
化合物、カルボキシメチルセルロース、卵白アルブミ
ン、ポリビニルアルコール(部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル)、ポリアクリル酸、ボリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンオキシド、無水マレイン酸
共重合体などの合成樹脂が用いられるが、水溶性ないし
親水性樹脂である限りにおいて、上記以外のものも使用
可能である。バインダーとしての親水性透明樹脂には、
この透明樹脂により感光材層を形成して物理現像液と接
触させる際に、物理現像液が感光剤層に浸透して物理現
像が可能となる程度の親水性を有することが好ましい。
また光記録特性上はヒートモードで変形し易い性質のあ
る、ニトロセルロースなどの低分子量物質をエタノール
溶解して上記の親水性透明樹脂に添加することも有効で
ある。
現像抑制剤としては、ジアゾ基またはアジド基を有する
化合物が用いられる。ジアゾ基を有する化合物としては
ジアゾ基を有する塩化亜鉛複塩もしくはホウフッ化塩、
またはこれらの化合物とパラホルムアルデヒドより得ら
れる縮合生成物である化合物が好ましい。より具体的に
は、p−N,N−ジエチルアミノベンゼンアゾニウム塩化
亜鉛複塩、p−N−エチル−N−βヒドロキシエチルア
ミノベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−モルフォ
リノ−2,6−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛
複塩、4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジ
アゾニウム塩化亜鉛複塩、4−ベンゾイルアミノ−2,5
−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−
(4′−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキ
シベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛複塩、4−(p−トル
イルメルカプト)−2,5−ジメトキシベンゼンジアゾニ
ウム塩化亜鉛複塩、4−ジアゾ−4′−メトキシジフェ
ニルアミン塩化亜鉛複塩、4−ジアゾ−3−メトキシ−
ジフェニルアミン塩化亜鉛複塩などのジアゾ基を有する
塩化亜鉛複塩もしくは以上のような塩化亜鉛複塩の代わ
りに上記のホウフッ化塩、硫酸塩、リン酸塩なども使用
できる。
アジド基を有する化合物としては、p−アジドアセトフ
ェノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス−(4′
−アジドベンザル)−アセトン、2,6−ビス−(4′−
アジドベンザル)−シクロヘキサノン、2,6−ビス−
(4′−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(4′−アジドスチリル)−アセトン、
アジドピレンなどが使用できる。ジアゾ基もしくはアジ
ド基を有する限り上記以外の化合物も使用することもで
き、また、上記したジアゾ基もしくはアジド基を有する
化合物を任意に2種以上併用して使用することもでき
る。
なおジアゾ基を有する化合物を用いる場合には、この化
合物を安定化させる安定化剤を用いるとよく、有機カル
ボン酸や有機スルホン酸がこの安定化剤として用いるこ
とができ、より実際的にはp−トルエンスルホン酸など
を用いることが好ましい。
次に還元されて金属現像核となる金属錯化合物もしくは
金属化合物について説明する。
まず、還元されて金属現像核となる金属錯化合物として
は、パラジウム、金、銀、白金、銅などの金属の錯化合
物が用いられ、これらの金属に対し電子ドナーとなる配
位子としては通常知られているものを用いることができ
る。具体的には、下記のような金属錯化合物が用いられ
る。
ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジクロ
ロエチレンジアミンパラジウム(II)塩、ジクロロ(エ
チレンジアミン)白金(V)塩、テトラクロロジアンミ
ン白金(IV)塩、ジクロロビス(エチレンジアミン)白
金(IV)塩、テトラエチルアンモニウム銅(II)塩、ビ
ス(エチレンジアミン銅(II)塩。
さらに金属の錯化合物を形成する配位子としては、2ヵ
所以上で配位して環状構造をとるいわゆるキレート化剤
を用いると、形成される金属錯化合物の安定性が高いた
めに好適である。キレート化剤としては第1級、第2級
もしくは第3級アミン類、オキシム類、イミン類、ケト
ン類を挙げることができ、より具体的にはジメチルグリ
オキシム、ジチオン、オキシン、アセチルアセトン、グ
リシン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ウ
ラミル二酢酸などの化合物が用いられる。
上記のキレート化剤を用いたものとしては、ビス(2,
2′−ビピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(アセチ
ルアセトナート)パラジウム(II)、ビス(N,N−ジエ
チルエチレンジアミン)銅(II)塩、ビス(2,2′−ビ
ピリジン)銅(II)塩、ビス1,10−フェナントロリン)
銅(II)塩、ビス(ジメチルグリオキシマート)銅(I
I)、ビス(アセチルアセトナート)銅(II)、ビス
(アセチルアセトナート)白金(II)などが好ましい。
還元されて金属現像核を与える金属化合物としては、パ
ラジウム、金、銀、白金、銅などの金属の塩化物、硝酸
塩などの水溶性塩などの金属化合物が用いられ、具体的
には無電解メッキのアクチベーター液中に含まれる塩化
パラジウム、硝酸銀、四塩化水素金などの塩が好ましい
が、このうちパラジウムの塩が特に好ましい。
上述のような、(イ)バインダーとしての透明樹脂、
(ロ)ジアゾ基またはアジド基を有する光分解性の現像
抑制剤および(ハ)還元されて金属現像核となる金属錯
化合物または金属化合物は、バインダーとしての透明樹
脂に応じて選択された溶剤とともに混合されて、塗布に
適した粘度である10〜1000センチポイズを有する感光材
層形成用塗布液とされる。この感光材層形成用塗布液
は、保護層3上に通常0.1〜30μmの膜厚に塗布されて
感光材層が形成される。
バインダーとしての透明樹脂を溶解する溶剤としては、
種々の溶剤が使用できるが、親水性透明樹脂を用いる場
合には、水、低級アルコール、ケトン、エールなどの水
混和性溶媒、あるいは水と水混和性溶媒との混合溶剤が
用いられる。また、親油性透明樹脂を用いる場合には、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチ
ルなどのエステル類、メチルセロソルブなどの極性の高
い溶剤が好ましく用いられる。
なお、親水性の透明樹脂を用いる場合には、感光材層を
形成後、物理現像処理中の現像液へのバインダーなどの
溶出を抑制するため、硬膜処理を行うことが望ましい。
硬膜処理は、たとえば下記化合物を感光材形成用塗布液
中に透明樹脂100部に対して0.1〜50部の量で予じめ混合
するか、あるいは下記化合物の水溶液をすでに形成され
た感光材層上に塗布することにより行なうことができ
る。
カリ明バン、アンモニウム明バンなどのAl化合物;クロ
ム明バン、硫酸クロムなどのCr化合物;ホルムアルデヒ
ド、グリオキザル、グルタルアルデヒド、2−メチルグ
ルタルアルデヒド、サクシナルデヒドなどのアルデヒド
類、;o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、シクロヘキ
サン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−ジオン、ジ
アセチル、2,3−ペンタンジオン、2,5−ヘキサンジオ
ン、2,5−ヘキセンジオンなどのジケトン;トリグリシ
ジルイソシアヌル酸塩などのエポキシド;テトラフタロ
イルクロリド、4,4′−ジフェニルメタンジスルフォニ
ルクロリドなどの酸無水物;タンニン酸、没食子酸、2,
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トトリアジン、な
らびに一般式R2NPOX2 (R2N)POX3−n および R−N=C=N−R′(ここでRは炭素2〜6のアルキ
ル基、R′は (CH33N+(CH33X-基、XはFまたはCl、nは1また
は2)で表わされるリン化合物またはカルボジイミド;
スチレン/マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン/マ
レイン酸共重合体、ビニルメチルエール/マレイン酸共
重合体、エチレンイミン/マレイン酸共重合体、メタク
リル酸/メタクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル
アミド、メタクリル酸エステル共重合体などの樹脂類、
グルタル酸、コハハク酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、
アスパラギン酸、グルコール酸、酒石酸などど。
このようにして、保護層3上に設けられた感光材層をパ
ターン露光し、次いで現像して未露光部である光透過部
および露光部である遮光部とからなる第1記録層2aを形
成する。パターン露光は、たとえばホトマスクなどのマ
スクを介して行なうことができる。
また照射光をビーム状に集光して感光材層に直接照射し
てパターン状に遮光部を形成することもできる。
第1記録層2aにおける光透過部および遮光部によりもた
らされる画像情報は、情報そのものあるいは情報を読取
る際に、トラッキングおよびプレフォーマットとしての
働きをしている。
感光材層における露光部では、ジアゾ基またはアジド基
を有する光分解性の現像抑制剤は、露光量に応じて分解
されて潜像が形成される。
露光に際して使用される光源としては、ジアゾ基もしく
はアジド基を有する化合物を分解しうる光源ならば任意
に用いることができ、通常超高圧水銀灯が好ましく用い
られる。
上記のようなパターン露光によりジアゾ基もしくはアジ
ド基を有する化合物の分解により形成された潜像を、還
元剤水溶液と接触させて金属現像核を発生させる。なお
未露光部では、ジアゾ基またはアジド基を有する現像抑
制剤は分解されていないため、還元剤水溶液と接触して
も金属現像核は発生せずそのまま光透過部として残存し
ている。
この際用いられる還元剤としては、塩化第1スズ、硫酸
第1スズ、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボ
ラザン、ジエチルアミンボラザン、トリメチルアミンボ
ラザンなどのボラザン系化合物、ボラン、ジボラン、メ
チルジボランなどのボラン系化合物、ヒドラジンなどが
用いられる。このうち、酸性塩化第1スズ溶液、硫酸第
1スズ溶液(weiss液)あるいは市販の無電解メッキ用
のセンシタイザー液などが特に好ましいが、一般には、
強力な還元剤であればすべて使用できる。
次いで、このようにして得られた金属現像核と物理現像
液とを接触させると、物理現像液中に含まれる金属が還
元されて、前記金属現像核を中心として析出し、遮光部
4が形成される。
物理現像液としては、水溶性の被還元性金属塩および還
元剤を含む水溶液が、低温または必要に応じて加温した
状態で使用される。
被還元性金属塩としては、たとえばニッケル、コバル
ト、鉄およびクロムなどのVIb族金属、銅などのIb族金
属の水溶性塩が単独でまたは混合して使用される。また
一旦銅塩溶液で物理現像した後、塩化第一錫や硫酸錫で
置換メッキを行い錫ないし錫・銅系の金属塩を得ること
も可能である。これらの中でも安全性、保存性を考慮す
るとニッケル、銅、錫が好ましい。但し、蒸着と異なり
原料の純度、メッキ安定化剤などから少量の異種金属や
リン、イオウなどの元素が混入することはあり得るが、
特に光記録材料としての特性に影響を与えるものではな
い。
適当な水溶性の被還元性金属塩としては、具体的には以
下のものが用いられる。
塩化第一コバルト、ヨウ化第一コバルト、臭化第一鉄、
塩化第一鉄、臭化第二クロム、ヨウ化第二クロム、塩化
第二銅などの重金属ハライド;硫酸ニッケル、硫酸第一
鉄、硫酸第一コバルト、硫酸第二クロム、硫酸第二銅な
どの重金属硫酸塩;硝酸ニッケル、硝酸第一鉄、硝酸第
一コバルト、硝酸第二クロム、硝酸第二銅などの重金属
硝酸塩;フェラスアセテート、コバルタスアセテート、
クロミックアセテート、キュープリックフォルメートな
どの金属の有機酸塩。
これら被還元性重金属塩は物理現像液中にたとえば10〜
100g/の量で含まれることが好ましい。
還元剤としては、たとえば次亜リン酸、次亜リン酸ナト
リウム、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ホルマ
リン、ジエチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、
トリメチルアミンボラン、ボラン、ジボラン、メチルジ
ボラン、ジボラザン、ボラゼン、ボラジン、t−ブチル
アミンボラザン、ボラゼン、ボラジン、t−ブチルアミ
ンボラザン、ピリジンボラン、2,6−ルチジンボラン、
エチレンジアミンボラン、ヒドラジンジボラン、ジメチ
ルホスフィンボラン、フェニルホスフィンボラン、ジメ
チルアルジンボラン、フェニルアルジンボラン、ジメチ
ルスチビンボラン、ジエチルスチビンボランなどが使用
できる。
これらの還元剤は、物理現像液中に、たとえば0.1〜50g
/の量で用いられることが好ましい。
物理現像液中には、前記した被還元性重金属塩の溶解に
より生成する重金属イオンが水酸化物として沈澱するの
を防止するために、たとえばモノカルボン酸、ジカルボ
ン酸、リンゴ酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸、コ
ハク酸、クエン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、酒
石酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、グルコン酸、糖
酸、キニン酸などの有機カルボン酸からなる錯塩化剤の
一種または二種以上を含ませることができる。これら錯
塩化剤は、物理現像液中にたとえば1〜100g/の量で
用いられることが好ましい。
さらに、物理現像液には、現像液の保存性および操作性
ならびに得られる画像の質を改善するために、酸酸およ
び塩基などのpH調節剤、緩衝剤、防腐剤、増白剤、界面
活性剤などが常法に従い必要に応じて添加される。
この添加剤のうち、pHを上げるためにはアンモニア水も
しくは水酸化ナトリウム水溶液を用いることが特に好ま
しい。
また、物理現像は、次亜リン酸ナトリウム還元剤を用い
た65℃から90℃の高温ニッケルメッキ浴または同メッキ
浴中で高速メッキ条件下で行ってもよい。この際得られ
た画像を、たとえば塩酸5%または硝酸の5%の水溶液
で5分間程度処理することにより光透過部の透明樹脂を
一部選択的に除去することもできる。
また、感光材では、上述のような透明樹脂、現像抑制
剤、金属錯化合物または金属化合物からなる系のほか
に、(イ)ハロゲン化銀、ドライシルバー(登録商標)
などの有機銀塩に代表される銀塩系材料、(ロ)ジアゾ
ニウム塩とカプラーとの組合せ系、(ハ)カルバーフィ
ルム(登録商標)、PDプロセス(登録商標)材料などに
代表されるジアゾ系材料、(ニ)アクリルモノマー、ポ
リビニルケイ皮酸などに代表される光重合型光橋かけ型
のフォトポリマー系材料(ホ)トナー像を形成するCd
S、ZnO、ポリビニルカルバゾールなどの電子写真感光体
あるいはその転写体、(ヘ)フロスト像を形成するサー
モプラスチックス電子写真感光体などの電子写真系材
料、(ト)ロイコ染料と四臭化炭素との組合せ系、
(チ)ダイラックス(登録商標)コバルト錯体とロイコ
染料との組合せ系、(リ)シュウ酸第二酸と鉄塩との組
合せ系、(ヌ)スピロピラン、モリブデンタングステン
化合物などの顔料または色素の画像を形成する材料など
が用いられうる。
上記の感光材のうち、ある種のものは露光部が遮光性と
なり未露光部が光透過性であるが、またある種のものは
露光部が光透過性となり未露光部が遮光性である。いず
れにしても露光した後に必要に応じて現像することによ
って、光透過部分と遮光部分とからなる記録を行ないう
るような感光材であれば使用できる。
但し、上記の感光材のうち、(イ)バインダーとしての
透明樹脂、(ロ)ジアゾ基またはアジド基を有する光分
解性の現像抑制剤および(ハ)還元されて金属現像核と
なる金属錯化合物または金属化合物から構成されている
感光材を用いると遮光部が近赤外線を使用した読取りの
際にも高濃度のものとして読取り可能であり、解像度を
高く、しかも明室で取り扱える利点がある。
このような感光材への照射光としては、紫外線、可視光
線、赤外線、X線、電子線などが用いられうる。
第2記録層 光透過部および遮光部とからなる第1記録層2a上に、反
射性金属薄膜層からなる第2記録層2bを形成する。
反射性金属薄膜層は、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、A
u、Ge、Al、Mg、Sb、Te、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、I
n、Ga、Rbなどの金属を単独もしくは二種以組合せて用
いて形成される。
反射性金属薄膜層からなる第2記録層2bに情報をエネル
ギービームの照射によりさらに書込む場合には、融融点
金属であるTe、Zn、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rbな
どの金属を主成分として反射性金属薄膜を構成すること
が好ましく、特にTe−Se、Te−Se−Pb、Te−Tb,Te−Sn
−S、Sn−Cu、Te−Cu、Te−Cu−Pbなどの合金が好まし
い。
さらにこれらの合金のうち、5〜40原子数パーセントの
Cuを含むTe−Cu合金あるいは5〜40原子数パーセントの
CuおよびCuに対して1〜50原子数パーセントのPbを含む
Te−Cu−Pb合金が、読出し用照射エネルギービームの波
長を650nm以上とする場合に特に好ましい。これらの合
金からなる反射性金属薄膜層を第2記録層として用いる
と、外周部での乱れが少ない記録ピットが得られ、しか
も読出し用照射エネルギービームの波長が650nm以上特
に700〜900nmである場合に、記録部であるピットにおけ
る反射率と未記録部である金属薄膜におる反射率すなわ
ち相対反射率が小さいという優れた情報読出し特性を有
する反射性金属薄膜が得られる。
さらに、1〜40原子数パーセントのCuを含むSn−Cu合金
を用いると記録ピット形状の外周部の乱れが少なく、か
つ毒性の低い反射性金属薄膜が得られる。
反射性金属薄膜層からなる第2記録層2bに情報を書込ま
ずに単に反射層として使用する場合には、Al、Cr、Ni、
Ag、Auなどの特に光反射性に優れた金属あるいは合金に
より反射性金属薄膜層を形成することが好ましい。
このような反射性金属薄膜層を第1記録層上に形成する
には、上記のような金属あるいは合金を準備し、これを
スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、電気メッキ法などの従来既知の方法によって第1記
録層上に成膜すればよい。この反射性金属薄膜層の膜厚
は、200〜10,000Å好ましくは1000〜5000Åであること
が好ましい。場合によっては、上記金属からなる多層膜
たとえばIn膜とTe膜との多層膜も反射性金属薄膜として
用いられる。また、上記金属と有機化合物または無機酸
化物との複合物たとえばTe−CH4、Te−CS2、Te−スチレ
ン、Sn−SO2、GeS−Sn、SnS−Sなどの薄膜あるいはSiO
2/Ti/SiO2/Alなどの多層膜も反射性金属薄膜として用い
られうる。
さらに、シアニンなどの色素を凝集させて光反射性を与
えた薄膜、ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリエチ
レンなどの熱可塑性樹脂中に色素または銀などの金属粒
子を分散させたもの、あるいはこの熱可塑性樹脂の表面
に色素または金属粒子を凝集させたものなどが反射性金
属薄膜として用いられうる。
さらにまた、エネルギービームの照射により相転移が生
じてその反射率が変化する、Te酸化物、Sb酸化物、、Mo
酸化物、Ge酸化物、V酸化物、Sm酸化物、あるいはTe酸
化物−Ge、Te−Snなどの化合物が、反射性金属薄膜とし
て用いられうる。
また、カルコーゲンあるいは発色型のMoO3−Cu、MoO3
Sn−Cuが反射性金属薄膜として用いられ、場合によって
は泡形成型の有機薄膜と金属薄膜との多層体も反射性金
属薄膜として用いられうる。
さらに光磁記録材料であるGdCo、TbCo、GdFe、DyFe、Gd
TbFe、GdFeBi、TbDyFe、MnCuBiなども反射性金属薄膜と
して用いられうる。
上記のような各種のタイプの反射性金属薄膜を組合せて
用いることも可能である。
表面硬化層 表面硬化層6は、光カード1の光記録部側の表面の硬度
を高めてその保護をすることにより、カードの携帯や使
用時における表面損傷を防止する。これにより、カード
の耐久性と書込み、読取り精度を高めて信頼性を向上さ
せる。
この表面硬化層の材料としては、シリコン系、アクリル
系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ系硬化剤やAl2O
3、SiO2などの金属酸化物の他、プラズマ重合膜などが
用いられる。
製造方法 この実施例に係る光カードの製造方法について説明す
る。
まず、保護層となる材料の表面の一部をプライマー処理
して、その表面に第1記録層および第2記録層を設け光
記録部を形成する。この保護層は、光カードとして組立
てられた場合に、カード保護層としての役割を果してい
る。
次に、カード基材と保護層とを、光記録部の第2記録層
がカード基材と接するように、熱接着剤などの接着剤層
を介して重ね合わせた後、90〜150℃程度に加熱された
熱ロールなどにて圧着することにより光カードを製造で
きる。
場合によっては、以下のようにして光カードを製造する
こともできる。すなわち保護層材料の表面に親水性樹脂
をバインダーとして含む第1記録層および第2記録層を
設けた後、第2記録層である反射性金属薄膜上に、アク
リル樹脂等の保護膜をスクリーン印刷などにより塗布
し、この部分を耐水性とする。この際保護層の周辺縁部
にはその保護膜は設けない。次いでこの光記録部を温水
に浸漬し、保護膜の設けられていない部分の親水性樹脂
を除去した後乾燥する。
一方、白色ポリ塩化ビニルフィルムなどのカード基材に
は、必要に応じて、熱プレス法などによって光記録部の
第1記録層および第2記録層を嵌込むための凹部を形成
することも表面に接着剤層を設ける。
次に、光記録部とカード基材とを、光記録部の第2記録
層がカード基材と接するようにして重ね合わせ、熱ロー
ルなどにて圧着することにより光カードを製造できる。
記録・再生 反射性金属薄膜層への情報の書込みおよび光カードに書
込まれた情報の読出しについて説明する。
反射性金属薄膜層への情報の書込みは、この金属薄膜層
に波長300〜1100nmのレーザビームなどのエネルギービ
ームをレンズズなどにより集光して照射し、照射部分の
金属を蒸散あるいは偏在させて記録ピットを形成するこ
とにより行なう。この際エネルギービームの強度は、0.
1〜100mW、パルス巾は5nsec〜500msec、ビーム径は、0.
1〜100μmであることが好ましい。
反射性金属薄膜層上に照射されるエネルギービームとし
ては、半導体レーザ、アルゴンレーザ、ヘリウム−ネオ
ンレーザなどのレーザビーム、赤外線フラッシュなどが
用いられる。
一方本発明に係る光カードに書込まれた情報の読出し
は、反射性金属薄膜層を溶融させない程度の低エネルギ
ーのエネルギービームあるいは白色光、タングステン光
などをレンズなどを介して光カードの保護層側から光透
過部および遮光部からなる第1記録層ならびに第2記録
層上に集光して照射し、反射光の強度と位相変化とを関
連づけて検出することによって行なわれる。
第1記録層における遮光部は、前述のように金属現像核
を中心にその付近に金属が析出して黒色に近い色調に形
成されているため、この遮光部に読出し用照射ビームが
照射されると、照射ビームはこの部分で吸収されて反射
率は小さくなる。一方光透過部では照射ビームにあまり
吸収されずに反射性金属薄膜層に達するため、この光透
過部における反射率は大きい値となる。
また、反射性金属薄膜層における未記録部に相当する金
属薄膜層では高い反射率が得られるのに対し、記録部に
相当するピット部では低い反射率となる。
このようにして、第1記録層では遮光部と光透過部とに
おける透過度の相違、また第2記録層ではピット部と未
記録部とにおける反射率の相違を位相変化と関連づけて
読出すことによって、本発明に係る光カードに書込まれ
た情報を読出すことができる。
〔発明の効果〕
この発明の光カードによって、より任意なカード位置に
多くの高密度情報を記録することができ、しかも、光記
録部の表面箇所が磁気情報の読取り書込み装置と接触し
ないので、その表面の汚染や損傷を防いで信頼性の高い
光記録情報の記録・再生を可能にする。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の光カードの一例を示す断面図、第2
図は光記録部および磁気記録部を有する光カードの一例
を示す平面図である。 1……光カード、2……光記録部、2a……第1記録層、
2b……第2記録層、3……保護層、4a……不透明基材、
4b……透明基材、6……表面硬化層、7……接着剤層、
8……エンボス領域、9……磁気記録部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カード基材上に、光記録部および磁気記録
    部が設けられてなる光カードであって、磁気情報の読取
    り書込み装置内を走行する際にカード面の該光記録部が
    その装置と接触しない領域であってJIS B9560に規定す
    るエンボス領域に前記光記録部が配設されてなることを
    特徴とする、光カード。
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