JPH0650412A - 焼結鍛造回転伝達車 - Google Patents

焼結鍛造回転伝達車

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JPH0650412A
JPH0650412A JP4204094A JP20409492A JPH0650412A JP H0650412 A JPH0650412 A JP H0650412A JP 4204094 A JP4204094 A JP 4204094A JP 20409492 A JP20409492 A JP 20409492A JP H0650412 A JPH0650412 A JP H0650412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
density
gear
forging
inner peripheral
flange portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4204094A
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English (en)
Inventor
Kazuya Kobayashi
和也 小林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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Publication of JPH0650412A publication Critical patent/JPH0650412A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結鍛造ギヤにおいて、軸体がキー嵌合され
る中心孔付近の強度を十分に高くする。これに対して、
鍛造用プレスに要求される容量は小さくするとともに、
その金型の磨耗や破損を生じにくくする。使用に際して
の騒音を小さくする。 【構成】 ギヤ1のボス部2を含む内周部の密度を約
7.8g/cm3 にする。出力用歯部6のあるフランジ部3の
密度を約 7.5g/cm3 にする。これは、内周部とフランジ
部3とで鍛造の圧縮代を変えることによる。すなわち、
鍛造時、内周部は0.87倍に圧縮し、フランジ部3は 0.9
倍に圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ギヤやスプロケットな
どの焼結鍛造回転伝達車に関する。
【0002】
【従来の技術】回転伝達体であるギヤは、一般的に、駆
動軸などの軸体が回り止めされた状態で嵌入される中心
孔を中心部に有するとともに、回転伝達用歯部を外周に
有している。前記中心孔は、軸体の回り止めのために、
例えば、キー溝が内周面に形成されており、あるいは、
スプライン孔になっている。また、中心孔の周りにボス
部を有し、このボス部にねじ止め用の通孔を径方向に形
成したようなものもある。また、回転伝達用歯部は、他
のギヤなどの回転伝達用歯部が噛み合うものである。
【0003】ところで、このようなギヤを粉末冶金によ
り焼結品化しようとする場合で、高強度が要求される場
合には、ギヤを焼結鍛造体にするとよい。なお、中心孔
にキー嵌合やスプライン嵌合により軸体を接続するギヤ
において、特に強度を要求されるのは、中心孔付近であ
る。そして、強度を高めるには、密度を高めればよく、
真密度に近い 7.8g/cm3 程度まで上げるとよい。しかし
ながら、密度をこのように高くするには、金型による鍛
造時に高い加圧力が要求され、大容量の鍛造用プレスが
必要になる。これとともに、金型が磨耗や破損を生じや
すくなり、複雑形状の付与も難しくなる。また、使用上
も、密度が高いと、その歯部の噛み合いに際しての騒音
や振動が大きくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、回転伝
達車であるギヤを焼結鍛造体としようとする場合、強度
を高めるには、密度をなるべく高くすればよいが、全体
の密度を上げると、大容量の鍛造用プレスが必要になる
など、製造上不利であり、また、使用上も、振動や騒音
が大きくなる問題が生じる。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ギヤなどの回転伝達用車において、軸体
が接続される中心孔付近では十分な強度を確保しなが
ら、必要な鍛造用プレスの容量を下げられるようにする
とともに、使用時における振動や騒音も低減することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、軸体が回り止めされた状態で嵌入される
中心孔を中心部に有するとともに、回転伝達用歯部を外
周に有する焼結鍛造回転伝達車において、前記中心孔の
ある内周部の密度を 7.7g/cm3 以上とし、前記回転伝達
用歯部のある外周部の密度を 6.6〜7.6 g/cm3 にしたも
のである。
【0007】
【作用】本発明の焼結鍛造回転伝達車は、使用時、中心
孔に駆動軸などの軸体が回り止めされた状態で嵌入さ
れ、外周の回転伝達用歯部に他のギヤあるいはチェーン
などが噛み合うが、中心孔のある内周部の密度が真密度
に近い 7.7g/cm3 以上であることにより、中心孔は、軸
体の嵌合に抗して十分な強度が確保されている。一方、
外周部の密度はより低く 6.6〜7.6 g/cm3 になっている
が、外周の回転伝達用歯部は、前述のように他のギヤあ
るいはチェーンなどが噛み合うものなので、強度上問題
はない。そして、密度が低いことにより、使用時ギヤの
噛み合いなどによる騒音、振動が小さくなるとともに、
必要な鍛造用プレスの容量も小さくて済み、その金型の
磨耗や破損も生じにくくなる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の焼結鍛造回転伝達車の一実施
例について図1から図5を参照しながら説明する。この
実施例の回転伝達車は、ギヤ1である。このギヤ1は、
ボス部2の一端外周側にフランジ部3を同軸的に有する
形状になっており、前記ボス部2の中心部を軸方向に貫
いて中心孔4が形成されている。この中心孔4の周面に
は、キー溝5が軸方向に貫いて形成されている。これと
ともに、前記フランジ部2の外周には、回転伝達用歯部
6が形成されている。そして、図4に示すように、使用
時、前記中心孔4には駆動軸などの軸体11が嵌入され
る。この軸体11は、中心孔4のキー溝5に嵌合するキー
12を有している。これにより、軸体11に対してギヤ1は
回り止めされる。また、このギヤ1の歯部6には、他の
ギヤ13の歯部14が噛み合う。すなわち、使用時には、例
えば軸体11の駆動により、この軸体11と一体的にギヤ1
が回転し、このギヤ1の回転が歯部6,14の噛み合いに
より他のギヤ13に伝達されるものである。
【0009】そして、前記ギヤ1は、鉄系焼結鍛造体か
らなっているが、ボス部2を含む内周部(図1において
クロスハッチングで示した部分)の密度が真密度に近い
約 7.8g/cm3 になっており、歯部6のある外周のフラン
ジ部3(図1においてハッチングで示した部分)の密度
が約 7.5g/cm3 になっている。
【0010】つぎに、前記ギヤ1の製造方法の一例につ
いて説明する。まず、粉末成形プレスにより、鉄を主成
分とする原料粉末を圧縮して成形し、圧粉体をつくる
(粉末成形工程)。ついで、この圧粉体を焼結炉におい
て焼結する(焼結工程)。ついで、こうして得られた、
鍛造のプリフォームである焼結体を鍛造用プレスにより
鍛造する(鍛造工程)。なお、粉末成形および鍛造にお
いては、ギヤ1の軸方向を上下方向として、かつ、フラ
ンジ部3を上側にして成形および鍛造が行われる。図2
は、焼結体1aを示している。なお、焼結体1aにおけるギ
ヤ1の各部と対応する各部には、同一数字にaの添字を
付す。また、図2において、H1は焼結体1a全体の軸方向
高さ、h1はフランジ部3aの高さである。さらに、ボス部
2aを含む内周部の密度およびフランジ部3aの密度はとも
に 6.8g/cm3 である。
【0011】図3は、鍛造用プレスの金型を示してい
る。同図において、21はダイ、22はコアロッド、23は下
パンチ、24は上パンチである。ダイ21は、段差25を有
し、フランジ部3の下側の端面を含めてギヤ1の外周面
を形成するものである。コアロッド22は、ダイ21内に上
下方向を軸方向として同軸的に位置しており、ギヤ1の
内周面を形成するものである。下パンチ23は、ダイ21と
コアロッド22との間に下方から上下摺動自在に嵌合され
ており、ボス部2の反フランジ部3側の端面を形成する
ものである。上パンチ24は、ダイ21とコアロッド22との
間に上方から挿脱自在にかつ上下摺動自在に嵌合され、
フランジ部3の反ボス部2側の端面を形成するものであ
る。なお、粉末成形プレスの金型も、類似の構成を有し
ている。
【0012】そして、鍛造に際しては、焼結体1aを下パ
ンチ23上に載せ、ダイ21とコアロッド22との間に入れ
る。ついで、上パンチ24を下降させてダイ21とコアロッ
ド22との間に嵌入し、ダイ21とコアロッド22との間で両
パンチ23,24により焼結体1aを圧縮し、鍛造する。この
鍛造により、ギヤ1全体の高さはH2に圧縮され、フラン
ジ部3の高さはh2に圧縮される。そして、H2=0.87H1で
あり、h2= 0.9h1である。なお、このようにギヤ1全体
よりもフランジ部3の圧縮代が小さいことにより、ダイ
21および下パンチ23が固定ならば、上パンチ24が焼結体
1aの上端面に接した時点で、図示のように、ダイ21の段
差25とフランジ部3aとの間には、高さH1−H2−(h1−h
2)の隙間26が生じていることになる。そして、一般に
圧縮代を変えることにより密度調整ができるが、ボス部
2を含む内周部に対する前記H2=0.87H1の圧縮により、
この内周部の密度は約 7.8g/cm3 になり、フランジ部3
に対する前記h2= 0.9h1の圧縮により、フランジ部3の
密度は約 7.5g/cm3 になる。こうして、ギヤ1全体およ
びフランジ部3の正規の高さ寸法H2,h2に対して、焼結
体1a全体およびそのフランジ部3aの高さ寸法H1,h1をH1
=H2/0.87、h1=h2/0.9 と設定しておき、鍛造に際
し、ボス部2を含む内周部よりもフランジ部3で圧縮代
を小さくすることにより、内周部よりもフランジ部3の
密度を小さくする。
【0013】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、鉄系焼結鍛造体からなるギヤ1において、軸体11が
嵌合される中心孔4を有するボス部2を含む内周部は、
密度を真密度に近い約 7.8g/cm3 にしたので、軸体11の
キー嵌合に対して、十分な強度、耐磨耗性が得られる。
すなわち、ギヤ1のキー溝5付近の破損、磨耗を防止で
きる。一方、他のギヤ13が噛み合う歯部6を有するフラ
ンジ部3は、密度を約 7.5g/cm3 にしてあるが、一般的
に、駆動用の軸体11が嵌合するボス部2ほどの強度を必
要としない場合がほとんどであり、強度的には 7.5g/cm
3 で十分である。そして、このようにフランジ部4の密
度を小さくすることにより、鍛造時において、フランジ
部4に対する加圧力を低く抑えられる。このことは、金
型の磨耗や破損を防止する上で効果があるとともに、複
雑形状の付与などに対しても有効である。そして、ギヤ
1全体の密度を 7.8g/cm3 にしようとした場合には、鍛
造時の加圧力は、ギヤ1の上下方向投影面全体について
9〜12t/cm2 を必要とするが、本実施例においては、ボ
ス部2の投影面については9〜12t/cm2 が必要な一方、
フランジ部3の投影面については5〜6t/cm2 でよいの
で、必要な加圧力の総計がより少なくてよく、より小容
量のプレスでの鍛造が可能になる。これは、特に、焼結
鍛造体からなる部品が大型であるとき、効果的である。
例えば、かりにボス部2およびフランジ部3の投影面積
がそれぞれ10cm2 として、全体に10t/cm2 が必要なら、
計 200t必要であるが、ボス部2では10t/cm2 でフラン
ジ部3では5t/cm2 なら、計 150tでよい。さらに、使
用上も、特に歯部6のあるフランジ部3の密度が小さい
ことにより、他のギヤ13との噛み合い回転に伴う振動や
騒音も低減できる。気孔が比較的多く残っていることに
よる消音効果もある。
【0014】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、焼結体1aにおいて、ボス部2aを反フラ
ンジ部3aへより長くしたことにより、鍛造に伴いボス部
2を含む内周部の密度がフランジ部3の密度よりも高く
なるようにしたが、図4に示すように、粉末成形に際し
フランジ部3aから反対方向に突出した凸部31a を形成し
て、内周部をより長くしてもよい。凸部31a は、鍛造に
伴い押し潰され、最終的にギヤ1のフランジ部3側の端
面は平面になる。もちろん、図3に示す鍛造用の金型
も、一例にすぎない。また、ボス部2を含む内周部およ
びフランジ部3の密度も、前記実施例に示す約 7.8g/cm
3 および約 7.5g/cm3 に限らない。ただし、内周部の密
度は、 7.7g/cm3 以上であることが好ましく、また、フ
ランジ部3の密度は、 6.6〜7.6 g/cm3 であることが好
ましい。この範囲内で、密度は、使用条件などに応じて
決める。さらに、本発明は、ギヤ以外の回転伝達体、例
えば、図6に示すようなスプロケット41やギヤ状プーリ
ーなどにも適用できる。なお、このスプロケット41は、
前記ギヤ1と同様に、ボス部42とフランジ部43とを有し
ており、ボス部42に中心孔44があるとともに、フランジ
部43の外周に、チェーンが噛み合う回転伝達用歯部45が
ある。前記中心孔44は、これに嵌入される軸体の回り止
めのために矩形状になっている。また、ボス部がないギ
ヤやスプロケットにも、もちろん本発明を適用できる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、中心孔を有するととも
に回転伝達用歯部を外周に有する焼結鍛造回転伝達車に
おいて、内周部の密度を 7.7g/cm3 以上とし、外周部の
密度を6.6〜7.6 g/cm3 にしたので、駆動軸などの軸体
が回り止めされた状態で嵌入される中心孔付近では十分
な強度を確保しながら、必要な鍛造用プレスの容量を下
げることができるとともに、その金型の磨耗や破損も生
じにくくでき、また、使用時には、振動や騒音を低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結鍛造回転伝達車の一実施例を示す
ギヤの断面図である。
【図2】同上プリフォームである焼結体の一例を示す断
面図である。
【図3】同上鍛造用プレスの金型の一例を示す断面図で
ある。
【図4】同上プリフォームである焼結体の他の例を示す
断面図である。
【図5】同上使用状態の斜視図である。
【図6】本発明の焼結鍛造回転伝達車の他の実施例を示
すスプロケットの斜視図である。
【符号の説明】
1 ギヤ(焼結鍛造回転伝達車) 4 中心孔 6 回転伝達用歯部 11 軸体 41 スプロケット(焼結鍛造回転伝達車) 44 中心孔 45 回転伝達用歯部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体が回り止めされた状態で嵌入される
    中心孔を中心部に有するとともに、回転伝達用歯部を外
    周に有する焼結鍛造回転伝達車において、前記中心孔の
    ある内周部の密度を 7.7g/cm3 以上とし、前記回転伝達
    用歯部のある外周部の密度を 6.6〜7.6 g/cm3 にしたこ
    とを特徴とする焼結鍛造回転伝達車。
JP4204094A 1992-07-30 1992-07-30 焼結鍛造回転伝達車 Withdrawn JPH0650412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4204094A JPH0650412A (ja) 1992-07-30 1992-07-30 焼結鍛造回転伝達車

Applications Claiming Priority (1)

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JP4204094A JPH0650412A (ja) 1992-07-30 1992-07-30 焼結鍛造回転伝達車

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Publication Number Publication Date
JPH0650412A true JPH0650412A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16484695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4204094A Withdrawn JPH0650412A (ja) 1992-07-30 1992-07-30 焼結鍛造回転伝達車

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JP (1) JPH0650412A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517784A (ja) * 2007-02-12 2010-05-27 ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー 金属粉末鍛造物、その製造装置及び製造方法
CN105358274A (zh) * 2013-03-25 2016-02-24 日立化成株式会社 烧结机械部件及其制造方法
JP2020503481A (ja) * 2017-01-05 2020-01-30 ジーケーエヌ シンター メタルズ、エル・エル・シー 差動アセンブリのためのnvh修正

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Legal Events

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Effective date: 19991005