JPH065007B2 - 内燃機関の油圧検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、内燃機関における潤滑油の油圧検出装置に関
する。

〈従来の技術〉 油圧スイッチによって潤滑油の油圧を検出し、油圧の低
下が検出された場合に警報を発したり、機関を停止させ
たりすることは、内燃機関において一般に行なわれてい
る。

〈発明が解決しようとする問題点〉 上記のような油圧検出装置には、装置自体に異常が生じ
た場合の異常検出機能は一般には備えられていない。従
って、当然のことながら異常が生じた時には油圧の正常
な検出機能は作動せず、最悪の場合には、油圧の低下に
気付かずに運転を続けて事故を起こす可能性がある。

本発明はこのような問題点に着目し、装置自体の異常検
出機能を備えた油圧検出装置を提供することを目的とし
てなされたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達成するために、本発明の内燃機関の油圧
検出装置は、所定値以上の油圧によってオフとなる油圧
スイッチを用いて、機関の運転時に所定の油圧が得られ
ていることを検出するようにした油圧検出手段を設ける
とともに、機関の停止時に油圧スイッチ回路のオンオフ
を検出し、オフの場合に油圧スイッチ回路が異常である
と判定する異常判定手段を設けている。

〈作用〉 所定値以上の油圧によってオフとなる油圧スイッチを用
いた場合、機関が停止している時には油圧スイッチはオ
ンとなるはずである。従って、その時に油圧スイッチの
回路がオフということは、油圧スイッチ接点やコネクタ
の接触不良、あるいは油圧スイッチ回路の配線の断線等
の異常と判断できる。本発明はこの考え方によるもので
あり、機関の停止中に異常判定手段によって油圧スイッ
チ回路の異常が自動的に検出される。

次の付表に、機関の発停状態に対する油圧スイッチのオ
ンオフと、それぞれの場合の異常の有無との関係をまと
めて示す。

なお、本発明は機関の停止中に油圧スイッチ回路の異常
判定を行なうものであるから、長時間連続運転されるた
め異常判定の機会が少ない内燃機関には適しておらず、
どちらかというと比較的頻繁に発停を繰返すような状態
で使用される機関に適している。

〈実施例〉 次に、図示の一実施例について説明する。

第１図は概念系統図であり、(1)は、例えば内燃機関駆
動ヒートポンプのように発停回数の多い装置の原動機と
して用いられている内燃機関、(2)は所定値以上の油圧
によってオフとなる油圧スイッチ、(3)は燃料(4)の供給
路に挿入されている燃料遮断弁、(5)は回転センサであ
る。

(6)は機関(1)の運転状態を制御するための制御部であっ
て、例えばマイクロコンピュータが用いられており、CP
U(7)、ROM(8)、RAM(9)、入出力ポート(10)等を備えてい
る。この制御部(6)と前記油圧スイッチ(2)、燃料遮断弁
(3)、回転センサ(5)が、それぞれ直接、あるいは駆動回
路(11)やカウンタ(12)を介して接続されており、また、
警報表示用のLEDディスプレイー(13)がLEDドライバ(14)
を介して接続されている。

次に、第２図に示すフローチャートを参照しながら動作
を説明する。

まず、回転センサ(5)の出力から機関(1)が運転中である
か否かが判定され、運転中であればステップ１に移って
油圧スイッチ(2)のオンオフが判定される。そしてオフ
であれば正常と判定してそのまま運転が継続される。一
方、オンであれば油圧の異常と判断され、油圧低下警報
信号が出力されてLEDディスプレー(13)に油圧低下を表
示すると共に、機関停止信号が出力されて燃料遮断弁
(3)を閉じ、燃料(4)を遮断して機関(1)を緊急停止させ
る。

また機関(1)が停止中の場合には、ステップ２に移って
油圧スイッチ(2)のオンオフが判定される。そしてオン
であれば正常であるのでそのまま停止状態が継続され
る。一方、オフであれば異常と判断され、油圧スイッチ
回路異常警報信号が出力されてLEDディスプレー(13)に
油圧スイッチ回路の異常が表示されるのである。

なお、運転中に油圧スイッチ回路に断線等の異常が生じ
た場合には、もし実際に油圧が低下しても油圧スイッチ
回路がオンとならず、油圧低下の異常が検出されない。
しかし、機関(1)は比較的発停の頻繁な用途に用いられ
ているため、次に停止した時に油圧スイッチ回路の異常
が検出され、大事に至ることは未然に防止される。

〈発明の効果〉 上述の実施例の説明からも明らかなように、本発明の内
燃機関の油圧検出装置は、所定値以上の油圧によってオ
フとなる油圧スイッチを用いて機関の運転時の油圧検出
を行ない、機関の停止時には油圧スイッチ回路のオンオ
フを利用して油圧スイッチ回路の異常の有無を検出する
ようにしたものである。従って、油圧検出回路が導通不
良となる種類の故障、すなわち接触不良や断線等が生じ
た場合の異常を自動的に検出することができて、異常に
気付かずに運転を続けて事故を起こす可能性を確実に防
止できるのであり、特に比較的発停の頻繁な機関に適し
た内燃機関の油圧検出装置が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概念系統図、第２図は制御
手順を示すフローチャートである。 (1)…内燃機関、(2)…油圧スイッチ、(3)…燃料遮断
弁、(6)…制御部、(7)…CPU。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定値以上の油圧によってオフとなる油圧
   スイッチを用いて、機関の運転時に所定の油圧が得られ
   ていることを検出する油圧検出手段と、機関の停止時に
   油圧スイッチ回路のオンオフを検出し、オフの場合に油
   圧スイッチ回路の異常と判定する異常判定手段、とを備
   えたことを特徴とする内燃機関の油圧検出装置。