JPH0649972Y2

JPH0649972Y2 - オイルシール

Info

Publication number: JPH0649972Y2
Application number: JP1988005462U
Authority: JP
Inventors: 光男吉村
Original assignee: エヌオーケー株式会社
Priority date: 1988-01-20
Filing date: 1988-01-20
Publication date: 1994-12-14
Anticipated expiration: 2003-01-20
Also published as: JPH01109661U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、互いに同芯に組み合わされて相対回転運動又
は軸方向の相対運動をなすハウジング及びシャフト間の
密封手段として使用されるオイルシールに関し、更に詳
しくは、密封対象流体の高圧力に耐え得るオイルシール
の構造を提示するものである。

（従来の技術）互いに同芯に組み合わされて相対回転運動又は、軸方向
の相対運動をなすハウジング及びシャフト間の密封手段
として使用されるオイルシールにおいて、密封対象流体
の圧力が高い場合には、ゴム様弾性材料等をもって製せ
られたシール部材が、摺動相手面に圧接させられて大き
な摩擦を発生させ、駆動トルクの損失及び摺動周面の早
期摩耗を惹起させるので、摺動摩擦の増加を抑制するた
めの手段を講じることが必要である。

第３図に示すものは、従来から知られている低摩擦手段
を講じられたオイルシールの一例で、円筒形状部４、該
円筒形状部４から径方向内方へ伸びた径方向部５及び該
径方向部５の内端から略軸方向に伸びた支持突起６を備
えてハウジング１に取り付けられた金属材製被装着リン
グ３と、ゴム様弾性材料をもって製せられ、被装着リン
グ３の円筒形状部４の内周面及び径方向部５の側面に接
着されて略円筒形状を呈し、ハウジング１と同芯に組み
合わされたシャフト２の周面と接触摺動するシール部７
とを有し、密封対象流体の圧力が上昇してシール部７を
シャフト２の周面に圧接させる際に、被装着リング３の
支持突起６が、シール部７の内周面を支えてシャフト２
の周面及びシール部７の接触圧力の上昇を抑制するよう
に構成されている。

ハウジング１及びシャフト２間の偏心発生時におけるシ
ャフト２に対するシール部７の追随性を確保するため
に、図上に×印を連ねて示した支持突起６及びシール部
７の接合部が互いに接着されず、シャフト２を挿入され
た際に、支持突起６及びシール部７間に隙間が形成さ
れ、密封対象流体の圧力が上昇した際に、シール部７が
支持突起６に支えられる。

第４図に示した従来の技術による耐圧性オイルシールの
他の例においては、円筒形状部４、径方向部５及び支持
突起６を備えた金属材製被装着リング３とシール部７と
が別体に製作され、シール部７が被装着リング３の径方
向部５及び押えリング９により挾持され、シャフト２を
挿入された際に、支持突起６及びシール部７間に隙間が
形成される。

第５図に示した従来の技術による耐圧性オイルシールの
他の例として、支持突起６にゴム様弾性物を被着する
か、塗料或は樹脂等で被う態様のものが実公昭43-15623
号公報により公知である。

第６図に示した従来の技術による耐圧性オイルシールの
他の例として、シール部７に弗素樹脂材製バックアップ
シート15を加硫一体化した態様が、実公昭58-41418号公
報により公知である。

（考案が解決しようとする問題点）上記した第３図の耐圧性オイルシールは、シール部７を
被装着リング３の円筒形状部４の内周面及び径方向部５
の側面に接着され、支持突起６の周面と接着されていな
いために、被装着リング３に対する接着剤塗布工程を手
作業によって実施しなければならないので、製作工程が
非能率的でコスト高を招き、第４図の組立式耐圧性オイ
ルシールは、被装着リング３、シール部７及び押えリン
グ９の製作及び結合作業を要するために、製作工程が煩
雑となるばかりでなく、被装着リング３及びシール部７
の形状・寸法の製作誤差や組立精度のバラツキにより、
シャフト２を挿入された際に、支持突起６及びシール部
７間の隙間のバラツキを生じ、両部材間の隙間が過大と
なった箇所においては、支持突起６によるシール部７の
支持機能を低下させ、両部材間の隙間が狭くなった箇所
においては、シャフト間の偏心に対するシール部７の追
随性を低下させて密封性を不安定にさせるという問題点
を有している。又、第３図、第４図に示されたオイルシ
ールは、金属材製支持突起６にゴム状弾性材製シール部
７が直接当接するため、高圧が作用した際、シール部７
が支持突起６により損傷を受ける危険が有った。第５図
に示されたオイルシールにおいて、支持突起６にゴム様
弾性物を被着した場合は、シール部７が支持突起６によ
る損傷されることは防止出来るが、シール部７と支持突
起６との間で粘着が生じ、シール性の低下を惹起した。
又、弗素樹脂材料を支持突起６に十分な厚みに被着する
こと困難である。更に、第６図に示されたオイルシール
は、支持突起が存在しないため、弗素樹脂製のバックア
ップシート15のみによって高圧に十分耐えることが出来
る。

本考案は、高圧に十分耐え得るオイルシールを提供する
ことを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段）本考案は、上記した従来の技術によるオイルシールにお
ける問題点を考慮して、円筒形状部と、該円筒形状部か
ら伸びた径方向部及び該径方向部から略軸方向に伸びた
支持突起を備え、互いに同芯に組み合わされて相対運動
をなすハウジング及びシャフトの一方に取り付けられる
被装着リングと、ゴム様弾性材料をもって製せられ、被
装着リングの支持突起側の端部から伸びて略円筒形状を
呈し、ハウジング及びシャフトの他方の周面と接触摺動
するシール部と、弗素樹脂材料をもって製せられ、シー
ル部と支持突起との間に介在し、支持突起に非接着状態
で支えられている被支持シートとを有する構成としたも
のである。

（作用）上記した構成を備えた本考案によるオイルシールにおい
ては、被装着リングの支持突起が、密封対象流体の圧力
が上昇した際に、ゴム様弾性材料製シール部と支持突起
との間に挿入された弗素樹脂材料製支持シートを介して
シール部を支え、ハウジング及びシャフト間に偏心が生
じた際に、被支持シートを介して、支持突起とシール部
との間で離間が生じ、ハウジング及びシャフトの間の偏
心を吸収する。

（実施例）第１図の実施例において、ハウジング１に取り付けられ
た被装着リング３の円筒形状部４の内周面及び径方向部
５の側面に接着され、軸方向に伸びて略円筒形状を呈
し、シャフト２の周面と摺動するゴム様弾性材料製シー
ル部７の内周面に、樹脂弾性材をもって薄肉に形成され
た被支持シート８が接着され、被装着リング３の内端部
に形成された支持突起６に対し非接着状態で当接してい
る。

上記した実施例において密封対象流体の圧力が上昇した
際には、被装着リング３の支持突起６が、外周面に流体
圧力を受けたシール部７を被支持シート８を介して支
え、シャフト２の周面に対するシール部７の接触圧力の
上昇による摩擦増加を抑制し、シール部７及びシャフト
２の周面間に介在する被支持シート８の部分が、シール
部７及びシャフト２の周面間の摩擦の上昇を抑止する。

第２図の他の実施例は、樹脂状弾性材料をもって製せら
れた被支持シート８を、被装着リング３の支持突起６及
びシール部７間のみに挿入されたもので、第１図の実施
例に比し、密封対象流体の圧力上昇がやや低い場合に使
用される。

図示の実施例においては、被装着リングをハウジング側
に取り付け、シール部側をシャフトの周面と摺動させる
態様となっているが、被装着リングをシャフト側に結合
させてシール部側をハウジングの内周面と摺動させる態
様となすこともできる。

（考案の効果）本考案によるオイルシールが、上記したように、ハウジ
ング及びシャフトの一方に取り付けられる被装着リング
に形成された支持突起と、ゴム様弾性材料をもって製せ
られ、被装着リングに接着されて軸方向に伸び、略円筒
形状を呈してハウジング及びシャフトの他方の周面と摺
動するシール部との間に、樹脂状弾性材料をもって薄肉
に製せられた被支持シートを、支持突起と非接着状態で
挿入された構造を備えていることにより、密封対象流体
の圧力が上昇してシール部に対する押圧力が増大した際
に、被装着リングの支持突起が、シール部を支えて摺動
相手面に対するシール部の接触圧力の上昇を抑制すると
共に、被支持シートが支持突起によるシール部の損傷を
効果的に阻止する。又、ハウジング及びシャフト間の偏
心が生じた際には、支持突起と非接着状態に保たれてい
る被支持シートがシール部と支持突起との離間を確実に
保証して、シャフトの周面に対するシール部の正常な接
触状態を維持させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の断面図、第２図は、本考
案の他の実施例の断面図、第３図、第４図、第５図及び
第６図は、それぞれ、従来の技術による耐圧性オイルシ
ールの断面図である。１……ハウジング、２……シャフト、３……被装着リン
グ、４……円筒形状部、５……径方向部、６……支持突
起、７……シール部、８……被支持シート、９……押え
リング、15……バックアップシート

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒形状部（４）、該円筒形状部（４）か
ら伸びた径方向部（５）及び該径方向部（５）から略軸
方向に伸びた支持突起（６）を備え、互いに同芯に組み
合わされて相対運動をなすハウジング（１）及びシャフ
ト（２）の一方に取り付けられる被装着リング（３）
と、ゴム様弾性材料をもって製せられ、前記被装着リン
グ（３）の前記支持突起（６）側の端部から伸びて略円
筒形状を呈し、前記ハウジング（１）及びシャフト
（２）の他方の周面と接触摺動するシール部（７）と、
弗素樹脂材料をもって製せられ、前記シール部（７）と
前記支持突起（６）との間に介在し、前記支持突起
（６）に非接着状態で支えられている被支持シート
（８）とを有する高圧用オイルシール。