JPH0649730A - コアヤーン - Google Patents

コアヤーン

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JPH0649730A
JPH0649730A JP22072592A JP22072592A JPH0649730A JP H0649730 A JPH0649730 A JP H0649730A JP 22072592 A JP22072592 A JP 22072592A JP 22072592 A JP22072592 A JP 22072592A JP H0649730 A JPH0649730 A JP H0649730A
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下村高司
Kunihiro Kagimoto
鍵本邦寛
Junji Sano
佐野準治
Toru Futakuchi
徹 二口
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた吸湿性及び速乾性を有した織編物を製
造するのに適した、コアヤーンを提供する。 【構成】 芯鞘型複合繊維aからなるフィラメント糸A
と、綿からなる粗糸Bから製造されたコアヤーンで、粗
糸Bが、フィラメント糸Aの外周部を包囲するようにし
て精紡されており、芯鞘型複合繊維aが、実質的にC字
状の横断面形状を有した繊維形成性成分からなる鞘部分
と、溶解・分解除去成分からなる芯部分とから構成さ
れ、芯鞘型複合繊維aの横断面における芯部分の占める
割合が20〜50%になっている。 【効果】 芯鞘型複合糸の芯部分を除去処理して得られ
る中空繊維により、優れた吸湿性を示し、しかも、その
外周部に配置された綿糸によりフィブリル化が防止さ
れ、摩擦による白化が生じにくい。又、このコアヤーン
から得られる織編物は軽量性にも優れ、特にスポーツウ
エアに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた吸湿性及び速乾
性を有した織編物を製造するのに適した、コアヤーンに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに、吸湿性(吸水性)を有した
合成繊維に関する研究が種々行われてきており、最近で
は、優れた吸湿性を有する繊維として、その内部に中空
部が形成されたもの(中空糸)が提案されてきている。
例えば特開昭57−82525号公報には、繊維形成性
成分(第1成分)と、溶解又は分解除去成分(第2成
分)との二成分よりなる複合繊維の、第2成分の少なく
とも一部をアルカリ処理等で除去させて、繊維の内部に
中空部が形成された中空糸が開示されている。この中空
糸では、形成された中空部が隙間により外界とつながる
ようにして開口しており、この隙間から、糸の内部に水
分を吸収することが可能なので優れた吸湿性を示す。更
に、上記公報には、このような中空糸を用いて、優れた
吸湿性を有する丸編物が製造できることも示されてい
る。
【0003】しかし、このような中空糸の場合、織編物
表面に露出した中空糸がフィブリル化し易い上、中空糸
が擦れた際に中空部の隙間の両端(開口端)が接触して
容易に白化し、粉が生じるという問題点がある。しか
も、この開口端の位置がずれて裂け目が見えると、編物
表面に経筋や緯筋が生じることになる。従って、このよ
うな織編物をスポーツウエア等の用途に使用した場合、
外観の低下が著しい。
【0004】又、第2成分として、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)とポリエチレングリコール(PE
G)を共重合したものを使用した複合繊維、例えばPE
Gを18重量%共重合したものは、耐熱性が悪いため
に、仮撚加工時の仮撚ヒータや延撚機ヒータにおいて白
粉を発生し、糸切れや毛羽発生が起こり易く、操業性が
低下するという問題点がある。その上、このような複合
繊維から製造される織編物の場合、光沢に欠け、濃色に
染まらないために感性を有したものとならない。更に、
繊維内部に中空部が形成されることで、繊維の断面の外
径は太いが、中空部の分だけ断面積が減少し、1デニー
ル当たりの強度が小さくなるという問題点もある。
【0005】一方、最近では、種々のコアヤーンが開発
されており、例えば特開昭62−28426号公報に
は、芯部に熱可塑性合成繊維のマルチフィラメントが配
置され、中間部に熱可塑性合成繊維のステープルが配置
され、外周部に天然繊維のステープルが配置された複合
精紡糸が開示されている。しかし、この複合精紡糸は、
肌ざわりの良さと強度を併せ持つ点においては優れてい
るが、水分が外周部に存在する天然繊維、例えば綿だけ
に吸収されるので、水を含んだ時の繊維表面の触感が好
ましいものではなく、水の蒸発が遅いという欠点があ
る。
【0006】又、特開昭64−33229号公報には、
芯糸がフィラメント糸(例えばスパンデックス)で、鞘
糸が染色された紡績用繊維(例えば綿繊維)である複合
精紡糸が開示されているが、この複合精紡糸も、前述の
場合と同様の問題点を有する。更に、実公平3−112
62号公報には、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメン
ト(例えばポリエステルマルチフィラメント)を紡績糸
(例えば綿繊維)の間に挟んで撚合した特殊合撚糸が開
示されているが、このような複合精紡糸にも、前述の場
合と同様の問題点がある。
【0007】上述の如く、従来の中空糸には、織編物と
した際に、摩擦による白化が起こり易く、織編物の表面
に筋が発生し易いという問題点があり、一方、従来の複
合精紡糸には、水を含んだ時の繊維表面の触感が悪く、
水の蒸発が遅いという問題点があり、これらの問題点を
同時に解決する糸についてはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術における問題点を解決し、摩擦による白化を起
こすことなく、優れた吸湿性を有する織編物を製造する
のに適した、コアヤーンを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、織編物とした
後の処理によって芯部分が除去でき、実質的にC字状の
横断面形状を有した中空繊維を形成する芯鞘型複合繊維
からなるフィラメント糸Aと、綿からなる粗糸Bとを用
いて精紡を行い、粗糸Bが、フィラメント糸Aの外周部
を取り巻くようにして配置された構造のコアヤーンとす
ることにより達成されたものである。即ち、本発明のコ
アヤーンは、フィラメント糸Aと粗糸Bから製造され、
粗糸Bが、フィラメント糸Aの外周部を包囲するように
して精紡されたコアヤーンであって、フィラメント糸A
が、芯鞘型複合繊維aからなるものであり、粗糸Bが綿
からなるものであること、及び上記芯鞘型複合繊維a
が、実質的にC字状の横断面形状を有した繊維形成性成
分からなる鞘部分と、溶解・分解除去成分からなる芯部
分とから構成されたものであり、芯鞘型複合繊維aの横
断面における芯部分の占める割合が20〜50%である
ことを特徴とする。
【0010】まず、本発明のコアヤーンを製造する際に
使用されるフィラメント糸Aと粗糸Bについて説明す
る。本発明におけるフィラメント糸Aは、図1に示され
るような横断面構造を有する芯鞘型複合繊維aからなる
ものであって、複数のフィラメントが集束されたマルチ
フィラメント糸が好ましい。そして、この芯鞘型複合繊
維aは、実質的にC字状の横断面形状を有した繊維形成
性成分からなる鞘部分1と、その内部に存在する、溶解
・分解除去成分からなる芯部分2とから構成されてお
り、溶融紡糸により製造できる。本発明では、芯部分2
は、芯鞘型複合繊維aにおける同心的な位置に形成され
ても偏心的な位置に形成されても良く、その数について
も1個でも複数個でも良い。又、芯部分2及び芯鞘型複
合繊維aの横断面形状も特に限定されるものではなく、
円形でも非円形でも良い。
【0011】従って、このような図1に示される芯鞘型
複合繊維aの芯部分2を除去すると、図2に示されるよ
うな横断面構造を有する中空繊維a’が形成でき、この
中空繊維a’は、その内部に中空部3を有し、一方向に
開口した実質的にC字状の横断面形状を有する。この
際、中空繊維a’の横断面における中空部3の占める割
合、即ち中空率は、横断面積全体の20〜50%に調整
されている。これは、中空率が小さくなると保温性が低
下し、逆に中空率が大きくなると繊維自体の形成性(単
位デニール当たりの強度)が低下するからである。
【0012】尚、本発明のコアヤーンでは、芯鞘型複合
繊維aから形成される中空繊維a’における中空部3へ
の水の吸収は、中空部3の開口端の隙間が大きいほど容
易になるが、あまり極端に大きくなり過ぎると、中空繊
維a’の内部と外界との区別がなくなり、保水力が低下
するので好ましくない。逆に、中空部3の開口端の隙間
があまり小さいと、水の通過速度が低くなり、吸湿性に
問題が生じることがある。このようなことから、一般的
に、中空部3の開口端の隙間は、中空繊維a’の中心に
おける中空部3の直径(非円形断面の場合は同面積の円
の直径とする)よりも小さいことが好ましく、0.5μ
m以上であることが好ましい。この中空繊維a’の中空
率及び、中空部3の開口端の隙間は、芯鞘型複合繊維a
を紡糸する際に任意に調節することができる。
【0013】これに対し、本発明のコアヤーンにおい
て、フィラメント糸Aの外周部を包囲する粗糸Bは綿か
らなり、スライバを粗紡したものである。そして、この
粗糸Bとフィラメント糸Aとの精紡により、芯鞘型複合
繊維aが集束されてなるマルチフィラメント糸の外周部
を綿糸が包囲した状態の、本発明のコアヤーンが構成さ
れる。
【0014】前述の如く、本発明のコアヤーンは、芯鞘
型複合繊維aが芯部に配置され、その外周部に綿糸が配
置された構造を有するので、本発明のコアヤーンを用い
て織編物を織編し、この織編物を更に処理することによ
って芯鞘型複合繊維aの芯部分2を除去して得られた製
品では、水分が中空繊維a’の表面から開口端の隙間を
通って繊維の内部に入り、内部に形成された中空部3に
保持される。しかも、本発明のコアヤーンでは、処理後
の中空繊維a’における中空部3が開口された構造であ
るので、保持された水を外部に放出したり、蒸発したり
することも可能で、付着した水を素早く乾燥する特性
(速乾性)を有する。
【0015】又、本発明のコアヤーンから得られる織編
物は、優れた吸湿性を有するだけでなく、芯鞘型複合繊
維aの芯部分2を除去して得られた中空繊維a’に、中
空部3が形成されているために、織編物自体が軽量であ
り、中空部3に空気を保持することによる優れた保温性
も有し、非常に機能性に富む。このような特性から、本
発明のコアヤーンは、スポーツウエアの製造に適してい
る。
【0016】更に、本発明のコアヤーンから得られた織
編物では、芯鞘型複合繊維aの芯部分2が除去されてな
る中空繊維a’の外周部が、粗糸Bが精紡されてなる綿
糸によって保護された構造の織編物となるので、得られ
る織編物の肌触りを良好なものとなるだけでなく、摩擦
された際にも白化や筋が発生しにくく、外観の低下が起
こりにくい。しかも、従来の中空部を有する繊維では、
撚糸時や仮撚後のヒートセット時において中空部が破壊
され易いという問題点が指摘されてきたが、本発明のコ
アヤーンでは、中空繊維a’の中空部3が製織後に形成
されるので、仮撚後のヒートセット時においても、織編
工程においても中空部3が破壊されない。
【0017】通常、マルチフィラメント糸を芯部に、綿
糸等を鞘部としたカバーリング糸を得るには、撚係数K
=3.0〜4.5が使用される(但し、撚係数とは、撚
数Tt/m =K√S、S=綿式番手をいう)。カバーリン
グは撚数が多い方が良くカバーリングされ、例えばKが
3.0以下だと扱きに対して弱く、表面の綿糸がずれ易
くなる。一方、撚を大とするとトルクが強くなり解舒時
ビリが発生し、操業性の低下をきたし、Kは4.5以下
が適当である。この現象は、マルチフィラメント糸が通
常糸の場合であるが、本発明の如く、後処理してマルチ
フィラメントの一部が溶解して中空繊維となる場合は、
糸条の中心部に空洞が発生するために結果的には甘撚を
掛けた糸と同じ締りのない糸となる。そこで、通常糸の
場合に比べ、撚係数は少なくとも0.3程度アップする
必要があり、製造時の撚係数はK=3.3〜4.5が好
ましい。
【0018】尚、通常のマルチフィラメント糸の場合、
コアヤーンの番手は、20s/1〜40s/1のものが
使用され、芯鞘型複合繊維aの外周部を包囲する綿糸
の、コアヤーン全体に対する混紡率は、一般には60%
以上であり、50%以下の場合にはカバーリングが不完
全となって品質上の問題が生じ易くなる。しかし、本発
明の場合、後処理にてマルチフィラメントの一部が溶解
して中空繊維となり、糸条の中心部に空洞が発生し、締
りのない糸となる。そこで、糸条の抱合性をアップし、
カバーリング効果を向上させるには、通常糸の場合に比
べ少なくとも5%、好ましくは10%以上アップする必
要がある。即ち、コアヤーンの製造時の綿糸の混紡率は
65%以上、好ましくは70%以上は良い。
【0019】次に、本発明のコアヤーンを構成する、芯
鞘型複合繊維aの鞘部分1及び芯部分2の材質について
説明する。まず、鞘部分1を形成するのに使用可能なポ
リマーは、繊維形成性を有するものであれば良く、例え
ば、ポリオレフィン系、ポリビニル系、ポリアクリロニ
トリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテ
ル系、ポリカーボネート系、ポリ尿素系、ポリウレタン
系などの多数のポリマーが使用可能である。
【0020】一方、芯部分2に使用可能な紡糸材は、複
合紡糸が可能で、しかも後に行われる溶解又は分解除去
工程に便利なものであれば特にその種類が限定されない
が、一般的には除去工程に便利な紡糸材として、水で溶
解可能なポリマー、アルカリ水溶液で分解、溶解可能な
ポリマー、酸に溶解可能なポリマー、非水系溶媒で溶解
可能なポリマーなどが好ましく、特に水、アルカリ水溶
液で溶解又は分解可能なものが好ましい。
【0021】その中でも、特に芯部分2として好ましい
紡糸材は、アルカリ水溶液で分解・溶解可能なポリマー
であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエー
ト等の繊維形成性ポリエステル及びそれらの共重合体、
変性体などが挙げられる。特に、上記のポリエステルに
1〜60重量%程度、好ましくは2〜30重量%、最も
好ましくは5〜20重量%のポリアルキレンオキシド類
を共重合したもの、又は混合したもの、或いは5−スル
ホイソフタル酸ナトリウム塩を3〜10重量%共重合し
たものはアルカリ水溶液により容易に分解されるので好
ましい。同様に、芳香族ポリエステルに対して、低融点
(200℃以下)の脂肪族ポリエステルを5〜50重量
%程度混合したものも、芯部分5を構成する紡糸材とし
て極めて好適である。
【0022】本発明のコアヤーンにおいて特に好ましい
芯鞘型複合繊維aは、芯部分2を構成する紡糸材が、ポ
リエチレングリコールと5−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム塩と含む共重合ポリエチレンテレフタレート(Co
PET)で、鞘部分4を構成するポリマーがポリエステ
ル(PET)のものである。このようなCoPETは、
非常に優れた耐熱性を有する。尚、この際、鞘部分1の
PETと、芯部分2のCoPETとの溶解速度の差が少
なくとも20倍以上あることが必要であり、もし、両者
の差が小さいと、CoPETの溶解に要する時間が長く
なって表面側の繊維が傷付き易くなる。
【0023】次に、本発明のコアヤーンを製造する際の
方法について説明する。本発明のコアヤーンは、前述の
芯鞘型複合繊維aからなるフィラメント糸Aを芯糸とし
て使用し、綿からなる粗糸Bを鞘糸として使用して、従
来より知られている製造方法により得ることができ、具
体的には、図3に示されるような装置を用いた方法が挙
げられる。この図3に示される製造装置は一般的な精紡
機であり、2種類のフィラメント糸A及びBが適当な張
力下で、一組のドラフトゾーンに供給される。尚、この
図3では、右側に位置するフィラメント糸Aが、芯鞘型
複合繊維aが集束してなるマルチフィラメント糸であ
り、左側に位置する粗糸Bが綿からなるものである。
【0024】そして、粗糸Bは、バックローラ4、ミド
ルローラ5及びフロントローラ6からなるドラフトゾー
ンXを通る間に、繊維の長さ方向に平行に並べられ、一
方、フィラメント糸Aは、精紡機のフロントローラ6の
直前に供給され、両方の糸はフロントローラ6で合繊さ
れた後、加撚ゾーンYにて加撚される。この加撚ゾーン
Yには、スネルワイヤー7が設けられている。このよう
な工程により、フィラメント糸Aを構成していた芯鞘型
複合繊維aは、コアヤーンの芯部に配置され、その外周
部に粗糸Bが精紡されてなる綿糸が配置された断面構造
の精紡管糸C(本発明のコアヤーン)が得られる。但
し、本発明のコアヤーンは、図3に示される製造装置以
外の公知の装置によっても製造することが可能である。
以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
実施例1 平均分子量 4,000のポリエチレングリコールを8%、5
−スルホイソフタル酸ナトリウムを4.3モル%共重合
して得られた共重合ポリエチレンテレフタレート(Co
PET)とポリエチレンテレフタレート(PET)とを
用い、上記のCoPETを芯部分として、上記PETを
鞘部分として、接合比率がCoPET:PET=1:2
となるようにして溶融紡糸を行い、3.7倍に延伸して
50デニール/24フィラメントの芯鞘型複合糸(フィラメ
ント糸A)を得た。この複合糸は、芯鞘型複合繊維が集
束したものであり、複合糸を構成する各フィラメント
は、図1に示される横断面構造を有し、芯部分のCoP
ETを溶解除去することにより形成される中空部の開口
端の隙間は1.8μmであった。
【0026】一方、米国綿と中国綿を原料とし、通常工
程にて粗糸Bを製造した。そして、図3に示されるよう
な装置を用いて、この粗糸Bはバックローラとミドルロ
ーラ、フロントローラ間のドラフトゾーンを通し(ドラ
フト率40倍)、他方の複合糸はフロントローラから通
し、仮撚部にて合繊し、芯部が芯鞘型複合繊維で、鞘部
が綿糸である、本発明のコアヤーンを製造した。尚、こ
の際の精紡機のスピンドル回転数は11,000t/m、コア
ヤーンの番手30s/1、撚数19t/mであった。こ
れに対して、別途、粗糸Bのみを使用し、ドラフトゾー
ンのドラフト率のみ変化させて、綿糸30s/1の精紡
糸を製造した。
【0027】これらの原糸を丸編機にて筒編地とし、精
練( NaOH 溶液5%、98℃×30分)、晒( NaClO2
溶液1%、85℃×30分)、水洗、乾燥の仕上げを実
施した。次に、この筒編地を使用して吸水性と速乾性を
テストした。
【0028】吸水性及び速乾性の評価方法は、次の通り
である。 1.吸水性(JIS L1096) バイレック法:10分間の水の吸い上げ高さ(mm) 滴 下 法 :0.04mlの水滴の消失する秒数
(秒) 2.速乾性(乾燥速度) 筒編地を10cm角の大きさに切り取り、0.5mlの
水を滴下し、室内(23℃、65RH)に放置し、一定
時間後の重量を測定する。そして、水の蒸発量を%で表
示する。実験結果を以下の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記の表1の結果より、本発明のコアヤー
ンから得られた編地を処理したものは、綿糸を用いて得
られた編地よりも、吸水性と速乾性が共に優れているこ
とが判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明のコアヤーンは、優れた吸湿性及
び速乾性を有した織編物を製造するのに適したものであ
り、芯鞘型複合繊維の芯部分を除去処理して形成される
中空繊維によって優れた吸湿性を示し、しかも、このよ
うな中空繊維が、その外周部を取り巻く綿糸によって保
護されているので、フィブリル化が防止され、摩擦によ
る白化が生じにくく、外観の低下が起こりにくい。又、
本発明のコアヤーンから得られる織編物は、中空部を有
する中空繊維を含むので軽量性及び吸汗性などの機能性
に優れており、特にスポーツウエアの用途に適したもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における芯鞘型複合繊維aの横断面構造
を示す図である。
【図2】図1に示される構造の芯鞘型複合繊維aから形
成される、中空繊維a’の横断面構造を表す図である。
【図3】本発明のコアヤーンを製造するのに使用される
装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
a 芯鞘型複合繊維 a’中空繊維 A フィラメント糸(芯鞘型複合繊維が集束したもの) B 粗糸(綿からなるもの) C 精紡管糸 1 鞘部分 2 芯部分 3 中空部 4 バックローラ 5 ミドルローラ 6 フロントローラ 7 スネルワイヤー X ドラフトゾーン Y 加撚ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野準治 兵庫県尼崎市富松町3丁目39番28号 (72)発明者 二口 徹 静岡県浜名郡新居町新居250

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメント糸Aと粗糸Bから製造さ
    れ、上記粗糸Bが、上記フィラメント糸Aの外周部を包
    囲するようにして精紡されたコアヤーンであって、 上記フィラメント糸Aが、芯鞘型複合繊維aからなるも
    のであり、上記粗糸Bが綿からなるものであること、及
    び上記芯鞘型複合繊維aが、実質的にC字状の横断面形
    状を有した繊維形成性成分からなる鞘部分1と、溶解・
    分解除去成分からなる芯部分2とから構成されたもので
    あり、上記芯鞘型複合繊維aの横断面における芯部分2
    の占める割合が20〜50%であることを特徴とするコ
    アヤーン。
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