JPH0649545A - 鋼帯の直火式連続熱処理装置における燃焼排ガス流量制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直火炉を有する竪型連続鋼板熱処理装置での
ロール室部でも予熱を行え、予熱長を増大させ熱効率を
高めること。 【構成】 直火炉を有する竪型連続鋼板熱処理装置にお
いて、燃焼ガスの排出下流側に設けられたバイパス煙道
もしくはロール室とバイパス煙道に、ガス流量の制御装
置を設け、ロール室とバイパス煙道を流れる燃焼排ガス
の流量比率を制御可能とした鋼帯の直火式連続熱処理装
置における燃焼排ガス流量制御装置。 【効果】 ロール室を予熱帯として作用させ、予熱長を
大幅に増加し、熱効率を高めることを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯の直火式連続熱処
理装置における燃焼排ガス流量制御装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の連続焼鈍炉では、ラジアントチュ
ーブによる間接加熱が一般に採用されている。しかし、
この加熱方法は一般の直火加熱のような鋼帯酸化という
ような問題を生じさせない反面、加熱効率が低い等の難
点があり、直火加熱に比べその分、設備的負担を増大さ
せることになる。このような間接加熱に対し、無酸化直
火加熱は走行する鋼帯の表面に向かうバーナー群を備え
ており、バーナーからの燃焼炎により鋼帯を加熱するも
のである。また、バーナーとして無酸化燃焼バーナーは
燃焼炎により鋼帯を直接加熱すると共に、酸化スケール
の生成を防止し、さらには、既に生成する酸化スケール
を還元してスケール量を減少するものである。

【０００３】このような直火加熱において、図２に示す
連続焼鈍炉の概略断面図のように予熱帯１と直火加熱帯
３とを連設し、該直火加熱帯３で生じた燃焼排ガス４を
予熱帯１へ送るためのバイパス煙道を直火加熱帯３と予
熱帯１の間に配置し、かつ、直火加熱帯３の出側に冷却
帯７を連設して構成されている。また、直火加熱帯３に
は、バーナー５を鋼帯Ｓの進行方向に沿って多段配列し
たバーナー列６を鋼帯Ｓの両面に面して配設してある。
一方、直火加熱帯３と冷却帯７の間に均熱帯９を設け
る。また、鋼帯Ｓはハースロール８によって移送される
ものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような直火炉を有
する竪型連続鋼板熱処理装置において、図４に示す従来
のロール室１０部構造の概略断面図のように、高温の燃
焼排ガスが流入することによるハースロール８のプロフ
ィルが凹型となり、鋼帯が蛇行すること、及び流入した
高露点の燃焼排ガスが露点以下のロールや炉内表面で結
露し、鋼帯の表面品位を低下させることから、これらを
防止するため燃焼排ガスの流入を入口シール装置１１及
び出口シール装置１２等を設けて抑制しているのが実情
である。

【０００５】このため、ハースロールのないバイパス煙
道２を設け、燃焼排ガスを直接鋼帯の予熱帯へ送り、鋼
帯は燃焼排ガスの流入を抑制され、ロール室内の加熱装
置１５およびロール室外に設けられたブロワー１６、ガ
スクラー１７等により雰囲気を制御されたロール室を通
過させている。しかしながら、バイバス煙道２及びロー
ル室１０を設けることにより、鋼帯の予熱に供されない
無駄なスペースが必要となると共に、高温の燃焼排ガス
と鋼帯の接触長が充分とれず予熱効果が小さいという欠
点がある。そのために、ブロワー１６、ガスクラー１７
による雰囲気制御を停止しても、入口シール装置１１及
び出口シール装置１２により高温の燃焼排ガスがロール
室に流入するのを抑制するため、鋼帯の予熱効果を高め
ることは困難であった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述したような問題を解
消すべき、発明者らは鋭意工夫を重ねた結果、バイパス
煙道もしくはロール室とバイパス煙道に燃焼排ガス流量
制御装置を配設することにより解決せんとするものであ
る。その発明の要旨とするところは、直火炉を有する竪
型連続鋼板熱処理装置において、燃焼ガスの排出下流側
に設けられたバイパス煙道もしくはロール室とバイパス
煙道に、ガス流量の制御装置を設け、ロール室とバイパ
ス煙道を流れる燃焼排ガスの流量比率を制御可能とした
ことを特徴とする鋼帯の直火式連続熱処理装置における
燃焼排ガス流量制御装置にある。

【０００７】以下本発明について、ロール室とバイパス
煙道の両方にガス流量制御装置を設けた場合を例にとっ
て詳細に説明する。図１は本発明に係るロール室部の概
略断面図である。図１に示すように、ロール室１０及び
バイパス煙道２にガス流量の制御装置であるダンパーな
いしシールロール等１３、１４を配設し、操業開始時に
は燃焼排ガスによりロール室に結露が生じないように、
バイパス煙道部のバイパス煙道２を燃焼排ガスが流れる
ように、これらの燃焼排ガス流量制御装置であるダンパ
ー１４を調整すると共に、ロール室１０内温度を加熱装
置１５、例えばロール室加熱用ヒーター等により、結露
温度以上に保つ。

【０００８】一方安定操業状態に達した後はロール室内
のロール温度、侵入する鋼帯温度も充分結露温度以上と
なっていることから、燃焼排ガスをロール室内に積極的
に導入しても結露が生じないし、また、ロール室で鋼帯
の予熱も行うことが出来ることから、バイバス煙道２の
排ガス流量を絞ると共にロール室側を大量の高温の燃焼
排ガスが通過するよう排ガス流量制御装置を調整するこ
とにより、ロール室部でも鋼板の予熱を行うことによ
り、ロール室を予熱帯として作用させ、よって、予熱長
を大幅に増加し、熱効率を高めることが可能となる。具
体的な操業方法を図３に示す。

【０００９】

【実施例】直火炉を有する竪型連続鋼板熱処理装置にお
いて、燃焼ガスの排出下流側に設けられたロール室とバ
イパス煙道にガス流量を制御するためのロール室ダンパ
ー及びバイバス煙道ダンパーなる制御装置をそれぞれ設
け、該ロール室ダンパーについては操業開始時は閉と
し、その後安定操業中には開とする。また、一方バイバ
ス煙道ダンパーは操業開始時には開とし、安定操業中は
閉とする。また、ロール室のヒーターによる加熱により
操業開始時のロール室内の設備を燃焼排ガス露点温度以
上に昇温させ結露を防止し、安定操業中は燃焼排ガスを
ロール室内に導入することによりロール室内温度を９０
０℃以上に高めるが安定操業中は予熱帯での鋼板温度も
上昇することからハースロールプロフィルが凹型となる
ことによる蛇行の恐れもない。その結果、表１に示すよ
うに加熱能力６０Ｔ／Ｈの場合の一例として、本発明は
従来法に比較して予熱長を大幅に長くとることが出来、
熱効率を約６％向上させることが可能となった。

【００１０】

【表１】

【００１１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明を実施するこ
とによって、燃焼排ガスを操業開始時には煙道バイパス
部に、安定操業中はロール室を積極的に通過させること
によりロール室を予熱帯として作用させ、予熱長を大幅
に増加し、熱効率を高めることが可能となったことは工
業上極めて優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るロール室部の概略断面図

【図２】連続焼鈍炉の概略断面図

【図３】本発明による具体的な操業方法を示す図

【図４】従来のロール室部構造の概略断面図である。

【符号の説明】

１ 予熱帯 ２ バイパス煙道 ３ 直火加熱帯 ４ 燃焼排ガス ５ バーナー ６ バーナー列 ７ 冷却帯 ８ ハースロール ９ 均熱帯 １０ ロール室 １１ 入口シール装置 １２ 出口シール装置 １３、１４ ダンパーないしシールロール １５ 加熱装置 １６ ブロワー １７ ガスクラー Ｓ 鋼帯

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直火炉を有する竪型連続鋼板熱処理装置
   において、燃焼ガスの排出下流側に設けられたバイパス
   煙道もしくはロール室とバイパス煙道に、ガス流量の制
   御装置を設け、ロール室とバイパス煙道を流れる燃焼排
   ガスの流量比率を制御可能としたことを特徴とする鋼帯
   の直火式連続熱処理装置における燃焼排ガス流量制御装
   置。