JPH0649467B2 - 車両用エアスポイラ装置 - Google Patents

車両用エアスポイラ装置

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JPH0649467B2
JPH0649467B2 JP3907187A JP3907187A JPH0649467B2 JP H0649467 B2 JPH0649467 B2 JP H0649467B2 JP 3907187 A JP3907187 A JP 3907187A JP 3907187 A JP3907187 A JP 3907187A JP H0649467 B2 JPH0649467 B2 JP H0649467B2
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純 山岸
博光 西川
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株式会社 大井製作所
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車等の車両の車体外面に装着して、空力
特性を向上させる、特に、車両走行時に、車体まわりの
気流により発生する車体の揚力を低減して、タイヤと地
面との接触性を向上させる車両用エアスポイラ装置に関
する。
〔従来の技術〕
従来のこの種のエアスポイラ装置のうち、気流をそらせ
るスポイラ板の仰角を調節できるようにしたものとして
は、例えば特開昭60−234076号公報に開示され
ているようなものがある。
この従来の装置は、第10図(第10図は、上掲公報中の第
2図を写図したものである)に示すように、自動車のト
ランクリッド(01)の上面に固着した支持体(02)に、左右
方向に長い平板状のスポイラ板(03)の前端部を、左右方
向を向く軸(04)をもって枢着し、かつスポイラ板(03)の
後端部中央下面に、前記軸(04)を中心とする弧状をなす
セクタギヤ(05)を垂設し、このセクタギヤ(05)に噛合す
るウォーム(06)を、トランクリッド(01)に設けたモータ
(07)により回転させることによって、スポイラ板(03)を
軸(04)まわりに回動させるようにしてある。
この従来の装置によると、車両の走行速度に応じて、ス
ポイラ板の仰角を調節することにより、空力性能を常に
最適状態に維持できるという利点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のようなスポイラ板の仰角を調節できるようにした
エアスポイラ装置においては、空力性能を向上させるた
めには、スポイラ板(03)の仰角の調節可能範囲を大とす
るのが好ましいが、これを大とするには、例えば上述の
従来の装置においては、セクタギヤ(05)を下方に向けて
長くしなければならず、そうすると、セクタギヤ(05)を
トランクリッド(01)内に突入させるか、又は装置全体を
高寸のものとしなければならないという問題点がある。
また、上述の従来の装置のように、トランクリッド(01)
に装着するエアスポイラ装置においては、トランクリッ
ド(01)の開閉の妨げとならないようにするために、小型
でかつ軽量であることが要求されるとともに、車体外表
面からの突出量であるオーバーハング量が保安基準によ
り規制されていることもあって、薄型化することが要求
されている。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑
み、装置全体を小型軽量化できるとともに、スポイラ板
を低出力の小型のモータ等により、常にほぼ一定のトル
クで円滑に作動しうるようにした車両用エアスポイラ装
置を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の車両用エアスポイラ
装置は、基端部が車体に枢着されたスポイラ板の前記基
端部から離れた部分に、傾斜リンクの一端を連結し、該
傾斜リンクの他端を、車体に固着したガイド装置に往復
移動自在に装着した摺動体に連結し、車体に設けた駆動
装置により、前記摺動体を前記ガイド装置に沿って往復
移動させることにより、前記傾斜リンクを起倒させて、
スポイラ板を回動させるようにし、かつ前記駆動装置
が、摺動体を一方向に向けて付勢するばねと、一端が摺
動体に連結され、かつ摺動体を前記ばねの付勢方向とは
反対の方向に向けて引張る索条と、車体に設けられ、か
つ前記索条の他端を巻取る巻取りドラムの外周面を、索
条を巻取るにつれて実効径が漸次減少するように偏心さ
せた巻取り装置とを備えていることを特徴としている。
〔作 用〕
本発明の車両用エアスポイラ装置においては、平常時
は、スポイラ板を車体表面とほぼ平行をなす位置で停止
しておき、車両を高速走行させたい時、又は高速走行中
に、巻取り装置の巻取りドラムを回転させて索条を巻取
り、摺動体をばねの付勢力に抗して、ガイド装置に沿っ
て予め定められた方向に移動させる。
このとき、ばねが漸次弾性変形させられてその反発力が
漸次増大するが、巻取りドラムの外周面は、索条を巻取
るにつれて実効径が漸次減少するように偏心させられて
いるので、巻取りドラム側の索条の巻取り力も漸次大と
なる。
したがって、巻取りドラムを回転させるのに必要なトル
クを、索条の巻き始め時と巻き終り時とでほぼ一定に維
持することができるので、大出力の大型のモータ等を用
いる必要がなく、低出力の小型のモータでも十分に駆動
することができ、装置全体の小型軽量化を図ることがで
きる。
摺動体がばねの付勢力に抗して移動させられると、傾斜
リンクが起立し、スポイラ板の傾斜リンク側の端部が持
ち上げられ、スポイラ板は車体への枢着部を中心に上向
き回動する。
スポイラ板が、所望の、又は予め定めた傾斜角度に達し
たとき巻取り装置の作動を停止すると、摺動体及び傾斜
リンクの移動は停止し、スポイラ板はその位置で停止す
る。
駆動装置を上述の場合と逆に作動させることにより、上
述の場合と逆の作動で、スポイラ板をもとの位置まで復
帰させることができる。
スポイラ板は、ほぼ水平な不使用位置と、予め定めた傾
斜角度をなす使用位置との2位置のみにおいて停止し得
るようにしてもよく、又はその所望の中間位置において
も停止し得るようにしてもよい。
〔実施例〕
次に、本発明の一実施例を、第1図乃至第9図に基づい
て説明する。
(11)は自動車の車体、(12)は、車体(11)の後部のトラン
クルーム(図示略)の上方に開閉自在に設けられ、かつ
車体(11)の一部をなすトランクリッドである。
本発明の車両用エアスポイラ装置(13)は、トランクリッ
ド(12)の上方に配設された横長偏平板状のスポイラ板(1
4)と、トランクリッド(12)の上面中央部に装着され、ス
ポイラ板(14)を、第2図に示すようなほぼ水平な不使用
位置と、第3図に示すように、予め定めた仰角だけ後上
方に向かって傾斜する使用位置との間を回動させる中央
回動機構(15)と、トランクリッド(12)の上面両側部に装
着され、スポイラ板(14)の回動を案内する側部ガイド機
構(16)と、トランクリッド(12)から離れた車体の適所に
設けられ、かつ中央回動機構(15)に駆動力を付与するよ
うに連係された駆動装置(17)との4つの主要部からなっ
ている。
中央回動機構(15)は、前後方向を向くほぼ水平なベース
部材(18)を備えている。ベース部材(18)は、後方に向っ
て若干下向き傾斜するトランクリッド(12)上に、上下方
向の長さの異なる前後1対の足片(19)(20)を止めねじ(2
1)をもって固着することにより、ほぼ水平に支持されて
いる。
ベース部材(18)の前部両側縁には、左右1対の上向きの
突片(22)が連設されており、各突片(22)には、長軸
(l)が水平面に対して前上方に向かって傾斜するとと
もに、若干上反りするように湾曲する長孔(23)がそれぞ
れ穿設されている。
第6図に示すように、各突片(22)には、ほぼ上下方向を
向く左右1対の支持板(24)(25)が、それらの下端部で突
片(22)を左右より挾み、かつそれらの下端部と突片(22)
の長孔(23)とを貫通するボルト(26)及びナット(27)をも
って互いに締着することにより、それぞれ支持されてい
る。なお、ナット(27)を省略して、ボルト(26)を一方の
支持板(24)に穿設したねじ孔(図示略)に螺合するよう
にしてもよい。
両支持板(24)(25)の上端部には、スポイラ板(14)の下面
にボルト(28)及びナット(29)をもって固着された取付板
(30)の前端部を枢支する左右方向を向く水平な枢軸(31)
の両端部が貫通して支持されている。
スポイラ板(14)は、この枢軸(31)を中心として上述の使
用位置と不使用位置との間を回動することができる。
上述の長孔(23)を備える突片(22)、支持板(24)(25)、ボ
ルト(26)等により、枢軸(31)を位置調節可能に支持する
枢軸支持装置(32)が形成されている。
すなわち、ボルト(26)を緩めて、該ボルト(26)とともに
両支持板(24)(25)を長孔(23)に沿って移動させるととも
に、必要に応じて、両支持板(24)(25)を、ボルト(26)の
中心軸線まわりに回動し、その後再度ボルト(26)を締付
けることにより、枢軸(31)の上下方向及び前後方向の位
置を自由に調節することができる。
ベース部材(18)の前後の端部には、上方を向く1対の突
片(33)(34)が連設されており、両突片(33)(34)には、前
後方向を向く左右1対の水平なガイドピン(35)の各端部
がそれぞれ固着されている。
両ガイドピン(35)には、それらが貫通する左右1対の貫
通孔(36)を有する摺動体(37)が、前後方向に摺動自在に
装架されている。
摺動体(37)の後部における両側下部には、下向きの垂下
片(38)が連設されており、この各垂下片(38)の外側面に
おけるベース部材(18)の下面より下位の部分には、左右
1対の傾斜リンク(39)の各下端部が枢軸(31)と平行な軸
(40)をもってそれぞれ枢着されている。
左右の傾斜リンク(39)の中央より若干上方寄りの部分同
士は、横向きの連結杆(41)をもって互いに連結され、全
体として平面形がほぼH字状をなしている。
各傾斜リンク(39)の上端部は、取付板(30)の後端の各側
部に、枢軸(31)と平行な軸(42)をもってそれぞれ枢着さ
れている。
かくして、第2図及び第4図に示すように、摺動体(37)
が、ベース部材(18)の後部の突片(34)の前面中央に設け
たゴム等によりなる緩衝性のストッパ(43)に当接した後
限位置にあるときは、傾斜リンク(39)は前上方に向かっ
て最も倒伏した状態にあり、取付板(30)を介して、スポ
イラ板(14)をほぼ水平な不使用位置に支持する。
摺動体(37)が、ガイドピン(35)に沿って前進すると、傾
斜リンク(39)は漸次立ち上り、スポイラ板(14)の後部を
持ち上げて、スポイラ板(14)を枢軸(31)を中心として漸
次上向き回動させる。
第3図に示すように、摺動体(37)の各垂下片(38)の前面
が、ベース部材(18)の前部下面に形成した垂下片(44)に
固嵌したゴム等よりなる緩衝性のストッパ(45)に当接す
る前限位置まで、摺動体(37)が前進すると、傾斜リンク
(39)は、ほぼ垂直か、又は下端部が上端部より若干前方
に位置する起立状態となり、スポイラ板(14)を、後方を
向く仰角が最大の使用位置で支持する。
摺動体(37)を、前限位置から後限位置まで後方に移動さ
せたときは、上述の場合と逆の作動で、傾斜リンク(39)
は漸次倒伏し、かつスポイラ板(14)は後方を向く仰角が
漸次小となって、最終的に第2図に示す不使用位置に復
帰する。
上述の構成のうち、ベース部材(18)、ガイドピン(35)、
ストッパ(43)(45)等により、摺動体(37)を前後方向に往
復移動自在に案内するガイド装置(46)が形成されてお
り、また、このガイド装置(46)と、傾斜リンク(39)、取
付板(30)、枢軸(31)、枢軸支持装置(32)等とにより、中
央回動機構(15)が形成されている。
第1図乃至第4図及び第7図に示すように、駆動装置(1
7)は、中央回動機構(15)内に設けた圧縮コイルばね(48)
と、トランクリッド(12)から離れた車体(11)の適所に設
けたケース(49)と、このケース(49)に回転自在に枢支し
た巻取りドラム(50)と、ケース(49)に固着した正逆回転
可能のモータ(51)と、ケース(49)に固着され、かつモー
タ(51)の回転力を減速して巻取りドラム(50)に伝達する
減速装置(52)と、中央回動機構(15)の摺動体(37)と巻取
りドラム(50)とを互いに連係するワイヤ等の索条(53)と
を主要構成部材として備えている。
圧縮コイルばね(48)は、各ガイドピン(35)のまわりに巻
回するようにして、ベース部材(18)の前方の突片(33)と
摺動体(37)の前端面との間にそれぞれ縮設され、摺動体
(37)を常時後方に向けて付勢する付勢手段をなしてい
る。
ケース(49)は、車体(11)に固着された基板(54)と、巻取
りドラム(50)のまわりを覆うドラムカバー(55)とからな
り、基板(54)の下面に、モータ(51)及び減速装置(52)を
装着し、かつ基板(54)の上面に巻取りドラム(50)を装着
してある。
減速装置(52)は、例えばモータ(51)の回転軸に連係され
たウオーム(図示略)と、該ウオームに噛合するととも
に、巻取りドラム(50)のドラム軸(50a)に連係されたウ
オームホイール(図示略)とを備えるような公知のもの
でよい。
索条(53)は、一方の端末が摺動体(37)の中央部に止着さ
れ、そこから前方に延出し、ベース部材(18)の前方の突
片(33)の中央部を貫通するとともに、可撓性のガイドチ
ューブ(56)内を通って、トランクリッド(12)の下方に侵
入し、さらにガイドチューブ(56)により、ケース(49)ま
で案内され、ガイドチューブ(56)を出た後、巻取りドラ
ム(50)の外周に巻着された後、他方の端末が巻取りドラ
ム(50)の外周部に止着されている。
ガイドチューブ(56)は、一端がベース部材(18)の前方の
突片(33)の前面に固着され、また他端がケース(49)の基
板(54)の上面に、適宜の止め具(57)をもって固着されて
いる。
第7図に示すように、巻取りドラム(50)は、外周部の形
状を真円とし、かつドラム軸(50a)を巻取りドラム(50)
の中心より偏心させた位置に設けることにより、外周部
の一半部(50b)が、索条(53)を巻取るにつれて、実効径
(r1,r2,r3…rx)が漸次減小するようにしてある。
このような構成とすることにより、巻取りドラム(50)を
第7図における時計方向に回転させて索条(53)を巻取
り、摺動体(37)を圧縮コイルばね(48)の付勢力に抗して
前方に移動させる際に、モータ(51)のトルクが常に一定
であっても、圧縮コイルばね(48)が漸次圧縮されてその
反発力が漸次大となるのに比例して、巻取りドラム(50)
側から索条(53)を漸次大きな力で巻取って引張ることが
できる。
かくして、この駆動装置(17)により、すなわちモータ(5
1)を作動させて、巻取りドラム(50)を第7図における時
計方向又は反時計方向に回転させ、索条(53)を巻取った
り、解きもどしたりすることにより、索条(53)を引張っ
て、摺動体(37)を圧縮コイルばね(48)の付勢力に抗して
前方に移動させたり、又は圧縮コイルばね(48)の付勢力
により、摺動体(37)を後方に移動させたりすることがで
きる。
なお、図示は省略したが、摺動体(37)が後限位置及び前
限位置に達したことをそれぞれ検知するリミットスイッ
チをガイド装置(46)の適所に設け、これらによってモー
タ(51)の作動を適宜制御するのがよい。
上記構成のうち、ケース(49)、巻取りドラム(50)、モー
タ(51)、減速装置(52)等により、索条(53)のための巻取
り装置(47)が形成されている。
第2図乃至第5図に示すように、傾斜リンク(39)の下端
部と摺動体(37)の垂下片(38)との連結部より上方で、か
つ摺動体(37)の移動軌跡の全長にわたって、摺動体(37)
とガイド装置(46)との上面、両側面及び前後面を覆うよ
うに、下向き開口する箱状の内側カバー(58)が設けられ
ている。
この内側カバー(58)は、その前端下部に連設された前向
きの取付片(58a)を、前方の足片(19)上に、また後端下
部に連設された後向きの取付片(58b)を、ベース部材(1
8)より後方に突出する足片(20)の後端部上に、それぞれ
適宜の止めねじ(59)をもって固着することにより支持さ
れている。
(60)は、内側カバー(58)のさらに外側に設けられた外側
カバーで、その上面には、左右の各支持板(24)(25)が互
いに重ね合わされた状態で若干傾動可能に貫通する前後
方向に長い左右1対の長孔(61)と、左右の各傾斜リンク
(39)が傾動可能に貫通する前後方向に長い左右1対の長
孔(62)とがそれぞれ穿設されている。
外側カバー(60)は、各長孔(61)(62)を貫通して上方に突
出する支持板(24)(25)及び傾斜リンク(39)の各上部を除
く中央回動機構(15)全体の上面、両側面及び前後面をそ
れぞれ覆っている。
外側カバー(60)は、その両側下縁より内方に向けて折曲
形成された適数個の取付片(60a)を、止めねじ(63)をも
ってトランクリッド(12)上に固着することにより、トラ
ンクリッド(12)に取付けられている。
この内外二重のカバー構造により、中央回動機構(15)の
防水、防塵を図っている。
すなわち、外側カバー(60)により、雨水や塵等がその内
部に侵入するのをほとんど防止することができ、また、
万一、外側カバー(60)の長孔(61)(62)を通して、雨水や
塵等が外側カバー(60)内に侵入したとしても、それらは
傾斜リンク(39)をつたって、その下端からトランクリッ
ド(12)の上面に落下するか、又は内側カバー(58)に落下
した後、その上面から側面をつたって、トランクリッド
(12)の上面に落下し、いずれにしても、それらが摺動体
(37)とガイド装置(46)との摺動部分に侵入するおそれは
ほとんどない。
したがって、円滑な作動を維持できるとともに、耐久性
を向上することができる。
なお、外側カバー(60)内において、トランクリッド(12)
の上面上に溜った雨水等は、トランクリッド(12)の上面
を外側カバー(60)の下縁との間の間隙、又は必要に応じ
て形成した水抜き孔(図示略)等を通って、外側カバー
(60)外に排出される。
また、各長孔(61)(62)には、スリットを切設したゴム板
等のシール部材(図示略)を適宜装着し、各長孔(61)(6
2)における支持板(24)(25)及び傾斜リンク(39)以外の間
隙部分を閉塞するようにするのがよい。
第1図、第8図及び第9図に示すように、左右の各側部
ガイド機構(16)(それらは互いに同一構造であるので、
以下その一方のみについて説明する)は、中央回動機構
(15)と同一の構成部分と、異なる構成部分とを備えてい
る。
まず、中央回動機構(15)と同一の構成部分について説明
すると、側部ガイド機構(16)は、前後の端部に上方を向
く突片(64)(65)を備えるとともに、前後1対の足片(66)
(67)をもってトランクリッド(12)上に固着されたベース
部材(68)を備えている。
ベース部材(68)の中間両側部には、傾斜した若干弧状の
長孔(69)を備える突片(70)が連設されており、この突片
(70)には、それを左右より挾む支持板(71)(72)及びそれ
らと長孔(69)とを貫通するボルト(73)及びナット(74)等
よりなる枢軸支持装置(75)が装着されている。
この枢軸支持装置(75)における支持板(71)(72)の上端部
により、スポイラ板(14)の下面に固着した取付板(76)の
前端部を枢支する枢軸(77)を、位置調節可能に支持して
いる。
中央回動機構(15)における枢軸(31)と左右の両側部ガイ
ド機構(16)における枢軸(77)とは、すべてが完全に一直
線上に位置していないと、スポイラ板(14)の回動に支障
を来たしたり、又は回動不能となるので、各枢軸支持装
置(32)(75)は、各枢軸(31)(77)をそのように完全に一直
線上に位置させるための位置調節手段である。
次に、中央回動機構(15)における構成との相違点につい
て説明すると、ベース部材(68)における前後の突片(64)
(65)の各中央には、前後方向を向く1本の水平なガイド
ピン(78)の各端部が固着されている。
このガイドピン(78)には、該ガイドピン(78)が貫通する
貫通孔(79)を有する摺動体(80)が前後方向に摺動自在に
装架されている。
摺動体(80)の下面中央には、ベース部材(68)の中央に穿
設された前後方向に長い矩形の長孔(82)を貫通して下方
に突出する垂下片(81)が連設されており、この垂下片(8
1)の左右の側面には、ベース部材(68)の下方を通って両
側方に延出する筒部(83)が連設されている。
この各筒部(83)の先端部に、傾斜リンク(84)の下端部
が、枢軸(77)と平行な軸(85)をもって枢着されている。
両傾斜リンク(84)は、上端近傍部において、横方向を向
く連結杆(86)により互いに一体的に連結され、全体とし
て平面形がほぼH字状をなしている。
この傾斜リンク(84)は、中央回動機構(15)における、傾
斜リンク(39)の傾斜方向とは反対側に、すなわち、後上
方を向く傾斜状態をなして、その上端部が取付板(76)の
後端部に、枢軸(77)と平行な軸(87)をもって枢着されて
いる。
この軸(87)は、中央回動機構(15)における軸(42)と一直
線上に配設する必要は特になく、また、傾斜リンク(84)
の長さは、中央回動機構(15)における傾斜リンク(39)の
長さと一致させる必要もない。実施例では、傾斜リンク
(84)を傾斜リンク(39)より若干長くしてある。
摺動体(80)の後面とベース部材(68)における後方の突片
(65)との間には、ガイドピン(78)のまわりを巻回するよ
うにして、圧縮コイルばね(88)が縮設されており、この
圧縮コイルばね(88)により、摺動体(80)は前方に向けて
常時付勢されている。
摺動体(80)は、第8図に実線に示すように、垂下片(81)
が、長孔(82)の前縁より垂下する垂下片(89)に嵌着され
たゴム製等のストッパ(90)に当接した前限位置と、第8
図に想像線で示すように、垂下片(81)が、長孔(82)の後
縁より垂下する垂下片(91)に嵌着されたゴム製等のスト
ッパ(92)に当接した後限位置との間を移動可能である。
中央回動機構(15)により、スポイラ板(14)が不使用位置
に維持されているときは、圧縮コイルばね(88)の付勢力
により、摺動体(80)は前限位置に保持され、傾斜リンク
(84)は、第8図に実線で示すように、上部が最も後傾し
た状態で、スポイラ板(14)の両側後部を、妄りに上下に
振動しないように支持している。
中央回動機構(15)により、すなわち索条(53)が引かれ
て、圧縮コイルばね(48)の付勢力に抗して、傾斜リンク
(39)が起立させられることにより、スポイラ板(14)が使
用位置まで上向き回動させられる際には、スポイラ板(1
4)のこの上向き回動に伴って、傾斜リンク(84)の上端部
が引き上げられ、傾斜リンク(84)は、第8図に想像線で
示すように起立させられ、摺動体(80)は、圧縮コイルば
ね(88)の付勢力に抗して、後限位置側に移動させられ
る。
中央回動機構(15)により、スポイラ板(14)が使用位置か
ら不使用位置まで移動させられる際には、圧縮コイルば
ね(88)の付勢力により、スポイラ板(14)を倒伏する方向
に助勢する。
このようにして、左右の両側部ガイド機構(16)は、中央
回動機構(15)によりスポイラ板(14)が枢軸(31)(77)を中
心として回動させられる際に、スポイラ板(14)の両側部
を案内し、スポイラ板(14)の回動を円滑にする。
上述の構成のうち、ベース部材(68)、ガイドピン(78)、
ストッパ(90)(92)等により、摺動体(80)を前後方向に往
復移動自在に案内するガイド装置(93)が形成されてい
る。
(94)は、中央回動機構(15)における内側カバー(58)と同
様の内側カバー、(95)は同じく外側カバー(60)と同様の
外側カバーである。
次に、この実施例の装置の全体の作用について簡単に説
明する。
スポイラ板(14)が水平な不使用位置にあるときは、摺動
体(37)は、圧縮コイルばね(48)の付勢力により、後限位
置に位置させられ、また摺動体(80)は、圧縮コイルばね
(88)の付勢力により、前限位置に位置させられ、傾斜リ
ンク(39)は前方に、また傾斜リンク(84)は後方にそれぞ
れ倒伏した状態で、スポイラ板(14)を支持している。
この状態から、駆動装置(17)のモータ(51)を作動させ
て、巻取りドラム(50)を、第7図における時計方向に回
転させ、索条(53)を巻取ると、摺動体(37)は、圧縮コイ
ルばね(48)の付勢力、及び両側部ガイド機構(16)におけ
る圧縮コイルばね(88)の付勢力(この付勢力も傾斜リン
ク(84)、スポイラ板(14)及び傾斜リンク(39)等を介して
摺動体(37)に間接的に作用している)に抗して、前方に
移動させられ、傾斜リンク(39)は起立し、スポイラ板(1
4)は、枢軸(31)(77)を中心に後端が上向き回動させられ
る。
これに伴って、各側部ガイド機構(16)における傾斜リン
ク(84)の上端部が引き上げられることにより、傾斜リン
ク(84)は起立させられ、その下端及び摺動体(80)は、圧
縮コイルばね(88)の付勢力に抗して、後方に移動させら
れる。
摺動体(37)が前限位置に達すると、傾斜リンク(39)は起
立状態となり、スポイラ板(14)は使用位置となる。この
とき、傾斜リンク(84)は、下端が上端より若干前方に位
置する傾斜状態で停止し、また摺動体(80)は後限位置で
停止する。
このようにして、スポイラ板(14)が使用位置に維持され
ている状態で、自動車が高速走行すると、そのときの後
上向き傾斜したスポイラ板(14)の上面に作用する風圧に
より、車体後部を下方に押しつける力が発生し、その力
により、車体の高速走行時における風による揚力に抗し
て、タイヤを地面に押圧し、タイヤの接地性を向上す
る。
スポイラ板(14)が使用位置にある状態から、モータ(51)
を作動させて、巻取りドラム(50)を、第7図における反
時計方向に回転させると、索条(53)は巻取りドラム(50)
から解きもどされ、摺動体(37)は、圧縮コイルばね(48)
の付勢力により後方に移動させられ、また摺動体(80)
は、圧縮コイルばね(88)により前方に移動させられ、傾
斜リンク(39)及び傾斜リンク(84)は互いに逆方向に向け
て漸次倒伏させられ、スポイラ板(14)は仰角が漸次小と
なるように倒伏させられ、もとの不使用位置に復帰させ
られる。
なお、スポイラ板(14)が、使用位置と不使用位置との途
中の位置にある状態で、モータ(51)の作動を停止させる
ことにより、スポイラ板(14)をその位置で停止させるこ
ともできる。
本発明は、以上の実施例のうち、スポイラ板(14)を回動
させる基本的な構成、すなわち、上述の実施例における
スポイラ板(14)、傾斜リンク(39)、摺動体(37)、ガイド
装置(46)、及び駆動装置(17)からなる構成に関するもの
であり、この構成により、発明の効果として後述するよ
うな効果を奏することができる。
〔変形例〕
本発明においては、例えば次のような変化、変形が可能
である。
(1)上述の実施例において、摺動体(37)の移動方向、し
たがってガイドピン(35)の向きを枢軸(31)と同一方向を
向くように、すなわち左右方向を向くように車体(11)に
装着し、それに伴って、軸(40)(42)の向きを枢軸(31)と
直交する方向を向くようにし、傾斜リンク(39)が左右方
向に起倒することにより、スポイラ板(14)を回動させる
ようにする。
(2)上記(1)の場合のガイドピン(35)その他の向きを、枢
軸(31)と平行又は直交する方向以外の方向を向くように
する。
(3)スポイラ板(14)の先端部下面に、枢軸(31)と直交す
る軸をもって、2個のリンクの上端部を枢着し、それら
の下端部が互いにハの字に開いて近接したり離れたりす
るように、駆動装置により移動させて、スポイラ板(14)
を枢軸(31)を中心に回動させる。
(4)上記(3)において、両リンクを互いに側方に離間させ
て配設する。
(5)駆動装置(17)を、例えば摺動体(37)の側面に固着し
たラックに、モータにより回転させられるピニオンを噛
合し、モータによりピニオンを回転させることにより、
ラックと摺動体(37)とを所望方向に移動させるような、
上述の実施例以外の構造のものとする。
(6)車両用エアスポイラ装置(13)の車体(11)への取付け
部位を、トランクリッド(12)以外の、例えば車体(11)の
ルーフその他とする。
(7)スポイラ板(14)の左右方向の長さを短かくし、上述
の実施例の両側部ガイド機構(16)を省略する。
〔発明の効果〕
本発明によると、スポイラ板の仰角が小さいときは、傾
斜リンクが倒伏するので、スポイラ板と車体表面との間
隔を著しく小とすることができ、装置全体を薄形化する
ことができ、また、傾斜リンクの長さを大とすることに
より、スポイラ板の仰角をいくらでも大とすることがで
き、しかも傾斜リンクの長さを大としても、それが倒伏
したときのスポイラ板と車体表面との間隔はそれほど変
化しないという利点がある。
したがって、本発明によると、装置全体の小型化、特に
薄型化に寄与することができる。
また、巻取りドラムの外周面を、索条を巻取るにつれて
実効径が漸次減少するように偏心させたことにより、巻
取りドラムを回転させて索条を巻取り、摺動体をばねの
付勢力に抗して移動させる際に、ばねが漸次弾性変形さ
せられてその反発力が漸次大となるのに比例して、巻取
りドラム側の索条の巻取り力を漸次増大させることがで
きる。
したがって、巻取りドラムを回転させるのに必要なトル
クを、索条の巻き始め時と巻き終り時とでほぼ一定に維
持することができるので、大出力の大型のモータ等を用
いる必要がなく、低出力の小型のモータでも十分にかつ
円滑に駆動することができ、装置全体の小型軽量化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の車体への装着状態を示す
概略斜視図、 第2図は、同じくスポイラ板が不使用位置に位置してい
るときの中央回動機構部分の縦断側面図、 第3図は、同じくスポイラ板が使用位置に位置している
ときの第2図と同様の縦断側面図、 第4図は、第2図のA−A線より見た一部破断平面図、 第5図は、第2図のB−B線に沿う縦断背面図、 第6図は、第2図のC−C線に沿う要部の拡大縦断正面
図、 第7図は、駆動装置の一部破断平面図、 第8図は、側部ガイド機構の縦断側面図、 第9図は、第8図の上方より見た一部破断平面図、 第10図は、従来のエアスポイラ装置の一例を示す一部破
断斜視図である。 (11)車体、(12)トランクリッド (13)車両用エアスポイラ装置、(14)スポイラ板 (15)中央回動機構、(16)側部ガイド機構 (17)駆動装置、(18)ベース部材 (31)(77)枢軸、(35)ガイドピン (37)摺動体、(39)傾斜リンク (46)ガイド装置、(47)巻取り装置 (48)圧縮コイルばね、(50)巻取りドラム (51)モータ、(52)減速装置 (53)索条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基端部が車体に枢着されたスポイラ板の前
    記基端部から離れた部分に、傾斜リンクの一端を連結
    し、該傾斜リンクの他端を、車体に固着したガイド装置
    に往復移動自在に装着した摺動体に連結し、車体に設け
    た駆動装置により、前記摺動体を前記ガイド装置に沿っ
    て往復移動させることにより、前記傾斜リンクを起倒さ
    せて、スポイラ板を回動させるようにし、かつ前記駆動
    装置が、摺動体を一方向に向けて付勢するばねと、一端
    が摺動体に連結され、かつ摺動体を前記ばねの付勢方向
    とは反対の方向に向けて引張る索条と、車体に設けら
    れ、かつ前記索条の他端を巻取る巻取りドラムの外周面
    を、索条を巻取るにつれて実効径が漸次減少するように
    偏心させた巻取り装置とを備えていることを特徴とする
    車両用エアスポイラ装置。
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