JPH0649359A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JPH0649359A
JPH0649359A JP4223188A JP22318892A JPH0649359A JP H0649359 A JPH0649359 A JP H0649359A JP 4223188 A JP4223188 A JP 4223188A JP 22318892 A JP22318892 A JP 22318892A JP H0649359 A JPH0649359 A JP H0649359A
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Japan
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carbon black
weight
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resin
present
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JP4223188A
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Kazunari Inoue
一成 井上
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性の樹脂組成物を提供すること。 【構成】 A)a)ポリエーテルイミド樹脂50〜99重量
部及びb)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜50重量部
の、合計 100重量部、並びに B)導電性カーボンブラック1〜30重量部から成る、導
電性樹脂組成物が提供された。該樹脂組成物は、優れた
導電性、難燃性、耐熱性、機械的特性及び成形加工性を
示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性の樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】帯電防止、導電性付与の目的
のために、導電性カーボンブラックを熱可塑性樹脂に添
加することは、従来より広く行われている。
【0003】しかしながら、導電性カーボンブラック添
加により所望の電気特性を得るためには、多量のカーボ
ンブラックが必要となる。カーボンブラックを多量に添
加すると、得られる樹脂組成物の成形加工性、難燃性、
機械的特性が低下する。
【0004】それ故本発明は、導電性に優れ、かつ成形
加工性、難燃性及び機械的特性が良い樹脂組成物を得る
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリエーテ
ルイミド樹脂(PEI)とポリフェニレンスルフィド樹
脂(PPS)の配合物は、少量のカーボンブラックを添
加することによって導電性を発現し、カーボンブラック
添加による難燃性の低下もなく、流動性及び耐熱性に優
れた樹脂組成物を与えることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、 A)a)ポリエーテルイミド樹脂50〜99重量部及びb)
ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜50重量部の、合計 1
00重量部、並びに B)導電性カーボンブラック1〜30重量部から成る、導
電性樹脂組成物である。
【0007】本発明において、PEIにPPSを組み合
わせることによって、比較的少量の導電性カーボンブラ
ックで導電性を著しく向上できることは驚きである。本
発明は特定の理論により限定されるものではないが、本
発明が効果を奏する理由として、カーボンブラックが結
晶性のPPS分散相よりも、非晶性PEIマトリックス
相中に多く存在することが考えられる。すなわち、本発
明の組成物においては、カーボンブラックが組成物全体
に分散して存在するのではなく、主としてマトリックス
中に分布しているため、より少量のカーボンブラックに
よって優れた導電性が付与されるのであるとも考えられ
る。しかし、後記の実施例2において30重量部のPPS
を加え、従ってPEI中の導電性カーボンブラックの濃
度は 7.1重量%であり、比較例2でも 7.1重量%と同じ
であるにも拘らず、表面抵抗は106 と1012であり大差が
ある。従って、単にカーボンブラックの量比のみで説明
しきれず、本発明の効果は意外である。本発明において
は、組成物中のカーボンブラックの量が少量なので、P
EI及びPPSが本来有する優れた難燃性が損なわれる
ことがないと考えられる。本発明の樹脂組成物において
はさらに、PPSの優れた耐熱性及び高い流動性、並び
に、PEIの機械的特性、及びその配合による適度な流
動性の付与等が組み合わされているのであろう。
【0008】成分a)ポリエーテルイミド自体は公知で
あり、典型的には下記の式により表される繰返し単位を
含む。
【0009】
【化1】 (式中、Tは −O−または−O−Z−O−であり、そ
の二本の結合手は3,3'、3,4'、4,3'または4,4'位に結合
し、ここでZは(I)
【0010】
【化2】 及び(II)
【0011】
【化3】 から成る群より選択される二価の有機基であり、式(II)
でXは −Cy 2y−、−C(=O)−、−S(=O)
2 −、−O−及び−S−から成る群より選択される二価
の基であり、ここでyは1〜約5の整数であり;Rは
(i) 6〜約20個の炭素原子をもつ芳香族炭化水素基及び
そのハロゲン化誘導体、(ii)2〜約20個の炭素原子をも
つアルキレン基、3〜約20個の炭素原子をもつシクロア
ルキレン基及び (iii)式
【0012】
【化4】 の基から成る群より選択される二価の有機基であり、式
(iii) 中でQは −S−、−O−、−C(=O)−、−
S(=O)2 −及び−Cx 2x−から成る群より選択さ
れる二価の基であり、ここでxは1〜約5の整数であ
り;nは繰り返し単位の数である)。
【0013】好ましいポリエーテルイミドは、さらに下
記のポリイミド繰返し単位を含む。
【0014】
【化5】 (式中、Rは先に定義した通りであり、Mは
【0015】
【化6】 から成る群より選択される基であり、但しBは−S−ま
たは−C(=O)−である)。
【0016】特に好適なポリエーテルイミド樹脂とし
て、下記の一般式
【0017】
【化7】 (式中、R' は炭素数6〜20個の芳香族炭化水素基であ
り、n'は2以上の整数である)で表されるものが挙げら
れ、ゼネラル・エレクトリック社製のULTEM(登録
商標)がその代表的な例であり、その製造方法は特公昭
57-9372 号公報などによって開示されている。これらの
ポリエーテルイミド樹脂は耐衝撃性を有する程度の重合
度を備えていることが必要である。
【0018】本発明で使用する成分b)PPSとしては
一般式
【0019】
【化8】 で示される構成単位を70モル%以上含むものがすぐれた
特性の組成物をもたらすので好ましい。PPSの重合方
法としては、p-ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの
存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウム
あるいは水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム又は硫化
水素と水酸化ナトリウムの存在下で重合させる方法、p-
クロルチオフェノールの自己縮合などが挙げられるが、
N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナト
リウムとp-ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当で
ある。この際に重合度を調節するためにカルボン酸やス
ルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカ
リを添加することは好ましい方法である。共重合成分と
して30モル%未満であれば、下式のようなメタ結合、オ
ルト結合、エーテル結合、スルホン結合、ビフェニル結
合、置換フェニルスルフィド結合、3官能フェニルスル
フィド結合
【0020】
【化9】 (ここで、Rはアルキル、ニトロ、フェニル、アルコキ
シ、カルボン酸又はカルボン酸の金属塩基を示す)など
を含有していてもポリマーの結晶性に大きく影響しない
範囲でかまわないが、好ましくは共重合成分は10モル%
以下がよい。特に3官能性以上のフェニル、ビフェニ
ル、ナフチルスルフィド結合などを共重合に選ぶ場合は
3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下がよい。
【0021】かかるPPSは一般的な製造法、例えば
(1)ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応
(米国特許第2513188 号明細書、特公昭44-27671号及び
特公昭45-3368 号参照)、(2) チオフェノール類のアル
カリ触媒又は銅塩等の共存下における縮合反応(米国特
許第3274165 号、英国特許第1160660 号参照)、(3) 芳
香族化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下に於ける
縮合反応(特公昭46-27255号、べルギー特許第29437 号
参照)等により合成されるものであり、目的に応じ任意
に選択し得る。
【0022】PPSは現在フィリプス・ペトロリアム株
式会社、及び東ソー・サスティール株式会社、株式会社
トープレン社及び呉羽化学株式会社から市場に供せられ
ている。架橋密度及び粘度に応じて各種のグレードがあ
り本発明にはこれらのものが好適に用いられる。
【0023】本発明の組成物は、上記PPSを、PEI
50〜99重量部に対して1〜50重量部の量にて含有する。
PPSの量が1重量部未満だと、得られる樹脂組成物の
導電性、流動性が十分でなく、50重量部を越えると、樹
脂組成物の流動性は向上するものの、機械的特性が損な
われる。好ましくは、PEI55〜97重量部に対してPP
Sを3〜45重量部、特にPEI60〜95重量部に対してP
PSを5〜40重量部含有する。
【0024】成分B)導電性カーボンブラックとは、樹
脂中に充填することにより、高い導電性を付与し樹脂の
表面抵抗を大幅に低下するものであり、本発明において
は、アセチレンブラック、及びファーネスブラック等が
好ましく用いられる。ファーネスブラックとしては具体
的にはケッチェンブラックEC(オランダ・アクゾ社商
標)、バルカンXC72(米国CABOT社商標)等の
市販品がある。
【0025】B)は、A) 100重量部に対して、1〜30
重量部の量にて含有される。成分B)の量が1重量部未
満だと、得られる樹脂組成物の導電性が不十分であり、
30重量部を超えると、組成物の流動性、機械的特性が低
下する。好ましくは、A) 100重量部に対して2〜25重
量部、特に3〜20重量部の量のB)を含有する。
【0026】本発明の組成物は耐衝撃強度を更に向上さ
せるための任意的成分として、ゴム状物質を、A) 100
重量部に対し、例えば80重量部以下の量で含むことがで
きる。ゴム状物質としては、室温で、弾性体である天然
及び合成の重合体材料を含む。その具体例としては、天
然ゴム、ブタジエン重合体、スチレン‐イソプレン共重
合体、ブタジエン‐スチレン共重合体(ランダム共重合
体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など全て含ま
れる)、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、
ブタジエン‐アクリロニトリル共重合体、イソブチレン
重合体、イソブチレン‐ブタジエン共重合体、イソブチ
レン‐イソプレン共重合体、アクリル酸エステル重合
体、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピ
レン‐ジエン共重合体、チオコールゴム、多硫化ゴム、
ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えば、ポリプ
ロピレンオキシドなど)、エピクロロヒドリンゴムなど
が挙げられる。これらのゴム状物質は、いかなる重合法
(例えば乳化重合、溶液重合)、いかなる触媒(例えば
過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチ
ウム、ニッケル系触媒)で作られたものでもよい。更
に、各種の架橋度を有するもの、各種の割合のミクロ構
造を有するもの(例えば、シス構造、トランス構造、ビ
ニル基など)、あるいは各種の平均ゴム粒径を有するも
のも使われる。また、共重合体は、ランダム共重合体、
ブロック共重合体、グラフト共重合体など、各種の共重
合体はいずれも本発明のゴム状物質として用いられる。
更には、これらのゴム状物質をつくるに際し、他のオレ
フィン類、ジエン類、芳香族ビニル化合物、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなど
の単量体との共重合も可能である。それらの共重合の方
法は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重
合など、いずれの手段も可能である。これらの単量体の
具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、スチ
レン、クロロスチレン、α‐メチルスチレン、ブタジエ
ン、イソブチレン、クロロブタジエン、ブテン、イソブ
チレン、アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、アク
リロニトリルなどが挙げられる。更に、部分変性したゴ
ム状物質を用いることもでき、例えば、ヒドロキシ又は
カルボキシ‐末端変性ポリブタジエン、部分水添スチレ
ン‐ブタジエンブロック共重合体、部分水添スチレン‐
イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。
【0027】なお、本発明により得られる組成物に対し
て、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料等の
着色剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添
加剤を一種以上添加することができる。また、ガラス繊
維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アス
ベスト繊維、金属繊維等の補強材;クレー、マイカ、シ
リカ、グラファイト、ガラスビーズ、アルミナ、炭酸カ
ルシウム等の充填剤;さらには少量の他の熱可塑性樹脂
を添加しても良い。
【0028】本発明の組成物を作る方法としては溶融混
練法が好ましい。少量の溶剤の使用も可能であるが、一
般に必要ない。装置としては特に押出機、バンバリーミ
キサー、ローラー、ニーダー等を例として挙げることが
でき、これらを回分的又は連続的に運転する。成分の混
合順は特に限定されない。本文中において、本発明の三
つの必須成分の内の二つ(PEI及びPPS)が、一纏
めにA)として記載され、カーボンブラックと区別され
ているが、これは各成分の重量比を明示するためのもの
であって、混合順序を限定するものではない。本発明の
樹脂組成物は、PEI、PPS、カーボンブラック、及
びゴム状物質等の任意的成分を同時に混合する方法、P
EIとゴム状物質等の任意的成分を予め混合した後にこ
れとPPS及びカーボンブラックを混合する方法、PE
IとPPSとを混合した後にこれとカーボンブラック及
び任意的成分を混合する方法、PEIとカーボンブラッ
ク及び任意的成分の一部、PPSとカーボンブラック及
び任意的成分の残部とを予め混合し、次いでこれら二つ
を混合する方法等、種々の方法によって製造することが
できる。ここで、PEIとカーボンブラックとを予め混
合し、次いでPPSと混合することによって、使用した
カーボンブラックの内の、PEIマトリックス相中に存
在するカーボンブラックの量をより多くすることができ
る。
【0029】本発明の導電性樹脂組成物は、単に導電性
を有するだけでなく、難燃性、耐熱性、機械的特性及び
成形加工性に優れている。さらに、良好な耐薬品性、耐
候性、寸法安定性を示す。そのため、導電性シート、電
磁波遮蔽材、コネクター、印刷回路、ICソケット、半
導体製造治具等の用途に特に有用である。
【0030】以下、実施例により本発明をさらに説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例】以下の実施例及び比較例において、PEIと
してULTEM 1010 (商標、ゼネラル・エレクトリッ
ク社製のポリエーテルイミド)を、PPSとしてT-4
(商標、トープレン社製のポリフェニレンスルフィド)
を、導電性カーボンブラック(CB)としてケッチェン
ブラックEC(商標、アクゾ社製)を、任意成分である
ガラス繊維(GF)としてFT-591〔商標、旭ファイバ
ーグラス(株)製、10μm径のチョップドグラス〕を使
用した。
【0032】表1に示した量(重量部)の各成分を、 3
60℃に設定した二軸押出機(スクリュー回転数150rpm)
を用いて混練し、ペレットを作成した。
【0033】得られたペレットから、 360℃での射出成
形によって、各種試験片を成形し、以下の特性について
評価した。
【0034】表面抵抗(単位:Ω/cm2 ):ASTM
D-257に準じて測定した。
【0035】熱変形温度(℃):ASTM D-648に準
じて荷重18.6kg/cm2 で測定した。
【0036】メルトフローインデックス(MFI、 g/
10分):ASTM D-1238 に準じて測定した、温度 3
43.3℃、 6.7kg。
【0037】難燃性:UL94に基づき判定した。厚さ
0.8mm。
【0038】曲げ強度(単位:kg/cm2 ):ASTM
D-790に準じて測定した。
【0039】曲げ弾性率(単位:kg/cm2 ):ASTM
D-790に準じて測定した。
【0040】これらの結果を表1に示す。
【0041】
【表1】 表1より、本発明の樹脂組成物が導電性及び難燃性に優
れ、かつ良好な耐熱性、流動性及び機械的特性を示すこ
とが明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)a)ポリエーテルイミド樹脂50〜99
    重量部及びb)ポリフェニレンスルフィド樹脂1〜50重
    量部の、合計 100重量部、並びに B)導電性カーボンブラック1〜30重量部から成る、導
    電性樹脂組成物。
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