JPH0649139Y2 - 収穫機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】〔考案の目的〕

【０００２】

【産業上の利用分野】本考案は、収穫機に係り、たとえ
ば、玉葱のような収穫物を掘り、土をふるい落しながら
搬送し、収穫物から茎葉を除去した上で収穫物をコンテ
ナ内に収容するものに関する。

【０００３】

【従来の技術】従来、この種の収穫機としては、たとえ
ば、実公昭６２ー２８８１９号公報に記載されているよ
うに、収穫機本体の後端部に持上げコンベヤ装置のコン
ベヤフレームを立設し、このコンベヤフレームの後方部
にコンテナを昇降自在に支持した昇降装置のリフトを立
設した構造が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】前記公報に記載の構造
では、持上げコンベヤ装置のコンベヤフレームの後方部
に昇降装置のリフトが立設されているため、収穫物の収
穫作業に際し、リフトのコンテナ内に収穫物が順次収容
されてコンテナの重量が増大することにより、収穫機の
前後の重量バランスがくずれ、収穫作業の安全性がそこ
なわれることがあり、また収穫機の前後方向の全長が長
大になる、という問題がある。

【０００５】そこで、本考案は前記課題に鑑みてなされ
たもので、収穫物を収容するコンテナの重量によって収
穫機本体の前後の重量バランスがくずれることを防止
し、収穫作業の安全性を高めることができる収穫機を提
供することを目的とするものである。

【０００６】〔考案の構成〕

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の収穫機は、移動
自在の収穫機本体と、この収穫機本体の前部に設けられ
圃場から収穫物を収穫するとともにこの収穫物を後方に
向って搬送する掘取搬送装置と、前記収穫機本体の後部
に設けられ前記掘取搬送装置から搬出された収穫物を積
込む収穫物積込装置とを備え、前記収穫物積込装置は、
収穫物を持上げる持上げコンベヤ装置と、この持上げコ
ンベヤ装置から搬出される収穫物を収容するコンテナを
昇降動する昇降装置とからなり、前記持上げコンベヤ装
置は、前記収穫機本体の後端左右部に無端回行体を回行
自在に懸架するコンベヤフレームを相対して立設し、前
記昇降装置は、前記持上げコンベヤ装置の相対する左右
部のコンベヤフレームの外側部にそれぞれ固定マストを
立設し、この左右部の固定マストにコンテナを支持する
荷受台を有する昇降マストを昇降自在に係合したもので
ある。

【０００８】

【作用】本考案の収穫機は、収穫機が進行されるととも
に、掘取搬送装置によって圃場の収穫物が順次掘起さ
れ、この各収穫物は、順次後方に向って搬出される。ま
たこの収穫物は、持上げコンベヤ装置に順次搬入されて
上方に持上げられ、搬出端部からコンテナ内に順次搬入
収容される。この場合コンテナは持上げコンベヤ装置の
搬出端部に近づけた状態で支持することにより、収穫物
の収容落差が小さく、収穫物を損傷することなく収容さ
れる。そして、コンテナ内に所定量の収穫物が収容され
たところで、昇降装置の左右部の固定マストにそって昇
降マストを下降することにより、荷受台に載置されたコ
ンテナ内に収穫物を収容できる状態にコンテナが設定さ
れる。したがって、コンテナ内に対する収穫物の収容状
態に応じて荷受台を順次下降することにより、コンテナ
内には収穫物の収容落差を小さく収穫物を損傷すること
なく順次収容される。

【０００９】つぎに、収穫物を収容したコンテナを積下
す場合には、コンテナを載置した荷受台を有する左右部
の昇降マストを左右部の固定マストにそって下降され、
コンテナが所定の積下し位置に下降されたところで荷受
台の下降を停止し、この荷受台上からコンテナを積下
す。

【００１０】前記コンテナ内に対する収穫物の収容及び
コンテナの下降に際し、コンテナを載置した荷受台を有
する左右の昇降マストは、持上げコンベヤ装置の左右の
コンベヤフレームの外側部に立設した左右の固定マスト
にそって昇降され、コンテナは収穫機本体側に可及的に
近づけられた状態で支持されているので、収容した収穫
物によってコンテナの重量が増大しても収穫機本体の前
後の重量バランスが確保され、したがって収穫作業が安
全に行なわれる。

【００１１】

【実施例】本考案の一実施例の構造を説明する。

【００１２】１は収穫機本体で、この収穫機本体１は、
主フレーム２の下側部にクローラ３を備えているととも
に、前記主フレーム２の上部には収穫物を後方に向って
搬送しながら収穫物の茎葉を除去処理する茎葉処理装置
４を備えている。また前記主フレーム２の前端部には前
記クローラ３及び前記茎葉処理装置４を駆動する駆動装
置５が設けられている。

【００１３】つぎに、前記主フレーム２の前端部から前
方部には収穫物を掘取って搬送する掘取搬送装置６が設
けられている。この掘取搬送装置６は、前部から後方の
主フレーム２に向って順次、接地輪７、掘起体８、第１
のコンベヤ９、第２のコンベヤ10及び第２のコンベヤ10
の搬出端部から前記茎葉処理装置４に収穫物を案内する
シュート11を連設して構成されている。そして、前記第
１のコンベヤ９及び第２のコンベヤ10は、前記駆動装置
５によって連動回行されるようになっている。

【００１４】つぎに、前記主フレーム２の後端部から後
方部には収穫物積込装置12が設けられている。この収穫
物積込装置12は、収穫物を持上げる持上げコンベヤ装置
13とコンテナ14を昇降動する昇降装置15とを備えて構成
されている。

【００１５】前記持上げコンベヤ装置13は、前記主フレ
ーム２の後端左右部にコンベヤフレーム16が相対して垂
直状に一体に立設支持され、この相対する左右部のコン
ベヤフレーム16の上端部間には駆動軸17が軸受体18を介
して回動自在に横架され、この駆動軸17の両端部にはス
プロケット19が固着されている。また、前記相対する左
右部のコンベヤフレーム16の下端部間には従動軸20が軸
受体（図示せず）を介して回動自在に横架され、この従
動軸20の両端部には前記スプロケット19と対向するスプ
ロケット21が固着されている。さらに前記駆動軸17の両
側部のスプロケット19と前記従動軸20の両側部のスプロ
ケット21との間には、相対する無端チェーン22間に土を
ふるい落す間隙をおいて多数の横杆23を回動自在に並設
軸架して構成した無端回行体24が回行自在に懸架され、
この無端回行体24の所定位置における横杆23には収穫物
を係止して持上げる係止横杆25が突設されている。そし
て、前記駆動軸17は前記駆動装置５によって連動駆動さ
れるようになっている。

【００１６】また前記昇降装置15は、前記左右部のコン
ベヤフレーム16の外側部に位置して前記主フレーム２の
後端左右部に固定マスト26が一体に立設され、この左右
の固定マスト26は前記左右部のコンベヤフレーム16の外
側部に上下部に設けた複数の支持片27にて連結支持され
ている。また前記左右部の固定マスト26には上下部に複
数のローラ軸28が外方に向って突出され、この左右部の
各ローラ軸28の突出軸部にはガイドローラ29が回動自在
に軸架されている。また前記左右部の固定マスト26には
それぞれのガイドローラ29を介して断面コ字形状の昇降
マスト30が昇降自在に嵌挿され、この左右部の昇降マス
ト30の上端部間及び下端近傍部間にはそれぞれブラケッ
ト31を介して連結杆32が横架固定されている。また前記
左右部の昇降マスト30の上端近傍部の外側部には支軸33
を介して側面視Ｌ形状のブラケット34の垂直状部におけ
る上端部が回動自在に軸架され、この左右部のブラケッ
ト34の水平状部における端部には荷受台35の上端部が一
体に固着支持されている。この荷受台35は、左右部に側
面視Ｌ形状に形成された台枠36を有し、この左右部の台
枠36の垂直状部37における上端部が前記左右部のブラケ
ット34に一体に固着支持されているとともに、この左右
部の垂直状部37は上下部の複数の横杆38にて連結支持さ
れている。そして、この左右部の垂直状部37及びこの垂
直状部37の下端部から後方に突出された左右部のフォー
ク状の水平状部39にて前記コンテナ14を支持するように
なっている。また前記左右部の昇降マスト30の上端近傍
部の前側部には一対の取付片40が相対して突設され、こ
の一対の取付片40間には支軸41を介して第１のシリンダ
ー装置42のピストンロッド43の上端部が回動自在に軸支
され、この第１のシリンダー装置42の下端部は、前記ク
ローラ３の支枠44の後端部から突設された取付枠45に支
軸46を介して回動自在に軸支されている。そして、この
第１のシリンダー装置42のピストンロッド43の伸縮によ
り荷受台35を有する昇降マスト30が固定マスト26にそっ
て昇降動されるようになっている。

【００１７】さらに前記荷受台35の左右部における台枠
36の垂直状部37の前側上部には一対の取付片47が相対し
て突設され、この一対の取付片47間には支軸48を介して
第２のシリンダー装置49のピストンロッド50の上端部が
回動自在に軸支され、この第２のシリンダー装置49の下
端部は一対の固定突片51の先端部間に支軸52を介して回
動自在に軸支されている。そして、この第２のシリンダ
ー装置49のピストンロッド50の伸縮により、昇降マスト
30の荷受台35が支軸33を中心として上下方向に回動され
るようになっている。なお、図中53は左右部の固定マス
ト26の上端部間に上下方向回動自在に支持されたシュー
トである。

【００１８】つぎに、前記構造の作用を説明する。

【００１９】第１のシリンダー装置42を作動してこのピ
ストンロッド43を伸長すると、コンテナ14を載置した荷
受台35を有する左右部の昇降マスト30が左右部の固定マ
スト26にそって上昇され、コンテナ14の開口部がシュー
ト53の下側部に近接する位置まで上昇された時点で第１
のシリンダー装置42の作動を停止する。ついで第２のシ
リンダー装置49を作動してこのピストンロッド50を伸長
すると、コンテナ14を載置した荷受台35は支軸33を中心
として図２反時計方向に上昇回動され、この荷受台35が
コンテナ14内にシュート53が挿入される位置まで上昇回
動された時点で第２のシリンダー装置49の作動を停止す
る。

【００２０】つぎに、駆動装置５を作動して、クローラ
３、茎葉処理装置４、第１のコンベヤ９、第２のコンベ
ヤ10及び持上げコンベヤ装置13を連動駆動する。

【００２１】そして、クローラ３の駆動回行により、収
穫機が進行されるとともに、掘起体８により圃場の茎葉
を有する収穫物が順次掘起され、この各収穫物は、図２
時計方向に駆動回行される第１のコンベヤ９から第２の
コンベヤ10に順次搬送搬入され、この第２のコンベヤ10
の搬出端部からシュート11を介してさらに茎葉処理装置
４に順次搬入される。この茎葉処理装置４に搬入された
各収穫物は、この茎葉処理装置４によって搬送されなが
ら収穫物と茎葉に分離処理され、収穫物は、搬出端部か
ら図２時計方向に駆動回行される持上げコンベヤ装置13
に順次搬入される。そして、この各収穫物は無端回行体
24の係止横杆25に係止されて持上げられ、搬出端部から
シュート53を介してコンテナ14内に順次搬入収容され
る。この場合コンテナ14はシュート53を挿入した状態で
傾斜支持されているので、収穫物の収容落差が小さく、
収穫物を損傷することなく収容される。そして、傾斜状
態でのコンテナ14内に所定量の収穫物が収容されたとこ
ろで、第２のシリンダー装置49を作動してこのピストン
ロッド50を収縮すると、コンテナ14を載置した荷受台35
は支軸33を中心として図２時計方向に下降回動され、コ
ンテナ14内に収穫物を収容できる状態で第２のシリンダ
ー装置49の作動を停止する。

【００２２】したがって第２のシリンダー装置49は、コ
ンテナ14内に対する収穫物の収容状態に応じて順次下降
回動することにより、コンテナ14内には収穫物の収容落
差を小さくして収穫物を損傷することなく順次収容され
る。

【００２３】つぎに、収穫物を収容したコンテナ14を積
下す場合には、第１のシリンダー装置42を作動してその
ピストンロッド43を収縮することにより、コンテナ14を
載置した荷受台35を有する左右部の昇降マスト30は左右
部の固定マスト26にそって下降され、コンテナ14が所定
の積下し位置に下降されたところで第２のシリンダー装
置49の作動を停止する。そしてコンテナ14を荷受台35か
ら積下す。

【００２４】前記コンテナ14内に対する収穫物の収容及
びコンテナ14の下降に際し、コンテナ14を載置した荷受
台35を有する左右の昇降マスト30は、持上げコンベヤ装
置13の左右のコンベヤフレーム16の外側部に立設した左
右の固定マスト26にそって昇降され、コンテナ14は収穫
機本体１側に可及的に近づけられた状態で支持されてい
るので、収容した収穫物によってコンテナ14の重量が増
大しても収穫機本体１の前後の重量バランスが確保さ
れ、したがって収穫作業が安全に行なわれる。

【００２５】

【考案の効果】本考案によれば、収穫機本体の前部に掘
取搬送装置を設けるとともに、収穫機本体の後部に収穫
物積込装置を設け、この収穫物積込装置は、持上げコン
ベヤ装置と昇降装置とにより構成し、持上げコンベヤ装
置のコンベヤフレームは収穫機本体の後端左右部に相対
して立設し、前記昇降装置の左右の固定マストは前記左
右のコンベヤフレームの外側部に立設し、この左右の固
定マストにコンテナを載置する荷受台を有する昇降マス
トを係合したので、収穫物の収穫作業に際し、コンテナ
内に収穫物が順次収容されることによりコンテナの重量
が増大しても、コンテナの重量によって収穫機本体の前
後の重量バランスがくずれることを確実に防止でき、収
穫作業の安全性を高めることができ、また収穫機の前後
方向の全長を短くすることができるので、方向転換が容
易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す収穫機の側面図であ
る。

【図２】同上収穫物積込装置の側面図である。

【図３】同上横断平面図である。

【符号の説明】

１ 収穫機本体 ６ 掘取搬送装置 12 収穫物積込装置 13 持上げコンベヤ装置 14 コンテナ 15 昇降装置 16 コンベヤフレーム 26 固定マスト 30 昇降マスト 35 荷受台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動自在の収穫機本体と、この収穫機本
   体の前部に設けられ圃場から収穫物を収穫するとともに
   この収穫物を後方に向って搬送する掘取搬送装置と、前
   記収穫機本体の後部に設けられ前記掘取搬送装置から搬
   出された収穫物を積込む収穫物積込装置とを備え、前記
   収穫物積込装置は、収穫物を持上げる持上げコンベヤ装
   置と、この持上げコンベヤ装置から搬出される収穫物を
   収容するコンテナを昇降動する昇降装置とからなり、前
   記持上げコンベヤ装置は、前記収穫機本体の後端左右部
   に無端回行体を回行自在に懸架するコンベヤフレームを
   相対して立設し、前記昇降装置は、前記持上げコンベヤ
   装置の相対する左右部のコンベヤフレームの外側部にそ
   れぞれ固定マストを立設し、この左右部の固定マストに
   コンテナを支持する荷受台を有する昇降マストを昇降自
   在に係合したこと、を特徴とする収穫機。