JPH0648953A - コレステロール上昇抑制物質及びその製造法 - Google Patents

コレステロール上昇抑制物質及びその製造法

Info

Publication number
JPH0648953A
JPH0648953A JP4220626A JP22062692A JPH0648953A JP H0648953 A JPH0648953 A JP H0648953A JP 4220626 A JP4220626 A JP 4220626A JP 22062692 A JP22062692 A JP 22062692A JP H0648953 A JPH0648953 A JP H0648953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cholesterol
water
alcohol
rye bran
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4220626A
Other languages
English (en)
Inventor
Yosuke Tamai
洋介 玉井
Yasuto Sasaki
康人 佐々木
Yukari Egashira
祐嘉合 江頭
Hiroo Sanada
宏夫 真田
Yuko Ayano
雄幸 綾野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
Nitto Flour Milling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Flour Milling Co Ltd filed Critical Nitto Flour Milling Co Ltd
Priority to JP4220626A priority Critical patent/JPH0648953A/ja
Publication of JPH0648953A publication Critical patent/JPH0648953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料コストが安く、比較的簡単な製造工程で
製造でき、しかも優れたコレステロール上昇抑制作用を
有するコレステロール上昇抑制物質及びその製造法を提
供する。 【構成】 ライ麦フスマに水を添加して水溶性成分を抽
出し、この抽出液にアルコールを添加して生じた沈殿物
を採取し、必要に応じて乾燥粉末化する。この物質は、
蛋白質と食物繊維質とを主成分とし、前記食物繊維質を
含む糖組成がアラビノース、キシロース及びグルコース
を主成分とし、ゲル濾過法による糖質及び蛋白質の分子
量ピークが約15万である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ライ麦フスマから得ら
れるコレステロール上昇抑制物質及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、穀類、豆類の食物繊維質から得ら
れた成分がコレステロールの上昇抑制作用を有すること
が報告されている。
【0003】例えば、特開昭57−21323号、特開
昭57−21324号、特開昭58−41824号、特
開昭60−146828号には、トウモロコシ外皮、小
麦フスマ、大豆皮などからアルカリ抽出されたヘミセル
ロースが、血清コレステロール上昇抑制作用を有するこ
とが開示されている。
【0004】また、本出願人による特開昭60−202
824号には、ライ麦粉から微アルカリで抽出したガム
質が、血清コレステロール、肝臓コレステロールの上昇
抑制作用を有することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
コレステロール上昇抑制物質は、穀類、豆類の外皮から
アルカリ抽出されたものがほとんどであり、アルカリを
用いることによって製造工程が複雑になり、コストが高
いものとなるという問題があった。
【0006】また、本出願人による特開昭60−202
824号では、原料としてライ麦粉を用いており、本来
食品原料としてそのまま利用できるものであるため、省
資源の点からも不経済であった。
【0007】したがって、本発明の目的は、原料コスト
が安く、比較的簡単な製造工程で製造でき、しかも優れ
たコレステロール上昇抑制作用を有するコレステロール
上昇抑制物質及びその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、原料としてコストが
安いライ麦フスマを用い、このライ麦フスマから水抽出
をし、更にアルコール沈殿させて得た物質が、優れたコ
レステロール上昇抑制作用を有することを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のコレステロール上昇抑
制物質は、ライ麦フスマから得られた、水溶性で、か
つ、アルコール不溶性の成分からなることを特徴とす
る。
【0010】また、本発明のコレステロール上昇抑制物
質の製造法は、ライ麦フスマに水を添加して水溶性成分
を抽出する水抽出工程と、この抽出液にアルコールを添
加して生じた沈殿物を採取するアルコール処理工程とを
含むことを特徴とする。
【0011】以下、本発明について好ましい具体例を挙
げて更に詳細に説明する。
【0012】本発明では、原料としてライ麦フスマを用
いる。ライ麦フスマは、同類の他の穀類、豆類の外皮の
中でも最も安いものの一つであり、安価に大量に入手す
ることができる。
【0013】本発明の製造法では、ライ麦フスマから有
効成分を抽出するに際して、アルカリを用いることな
く、最も簡単な水抽出を行う。この水抽出は、原料とし
てライ麦フスマを用いたときに特に有効であり、例えば
小麦フスマを用いた場合には、後述する実施例に示され
るように、高い回収率を得ることができない。
【0014】この水抽出工程は、ライ麦フスマに対して
5〜15倍容、好ましくは10倍容前後の水を加え、5
〜50℃の温度条件、通常は室温下で、1〜10時間、
通常は2時間程度の条件で、好ましくは攪拌しながら行
う。その後、遠心分離、濾過等の方法で固液分離して液
部を採取する。
【0015】こうして得られた水抽出液に、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等のアルコールを、水
抽出液に対して好ましくは2〜4倍容加え、好ましくは
1〜10時間、通常1時間程度放置した後、自然沈殿、
遠心分離などの手段で固液分離し、沈殿を採取する。
【0016】この沈殿は、例えば80℃以下の加熱乾
燥、減圧乾燥などの手段で乾燥させ、粉末等として製品
化することができる。こうして得られた本発明のコレス
テロール上昇抑制物質は、後記する表1に示すような成
分組成を有し、また、表2に示すような糖組成を有して
いる。更に、図1に示すゲル濾過パターンに示されるよ
うに、糖質及び蛋白質の分子量ピークが約15万のとこ
ろにある。
【0017】本発明のコレステロール上昇抑制物質は、
そのまま、あるいはビタミン、カルシウムなどの他の成
分と混合して、健康食品、医薬品として製品化すること
ができる。また、パン、麺、菓子や、フライ、天ぷら等
の衣材など、各種の飲食品原料中に添加して、コレステ
ロール上昇抑制作用をもたらすこともできる。
【0018】
【作用】後述する実施例に示されるように、ライ麦フス
マの場合には、水抽出した後、アルコール処理して得た
沈殿物の回収率が、原料に対して約5.5 重量%であるの
に対して、小麦フスマの場合には、上記回収率が、原料
に対して約2.0 重量%しかない。すなわち、ライ麦フス
マを原料とした場合には、水抽出という簡単な手法によ
って、水溶性成分を効率的に抽出できることがわかる。
【0019】この水抽出液にアルコールを添加して沈殿
を生じさせ、その上澄と沈殿とを分けると、上澄の方に
は、コレステロール上昇抑制効果が認められず、沈殿の
方に顕著なコレステロール上昇抑制効果が認められる。
すなわち、コレステロールの代謝改善作用を有する有効
成分は、水溶性で、かつ、アルコール不溶性の成分であ
ることがわかる。
【0020】本発明のコレステロール上昇抑制物質は、
上記のように、安価に大量に入手し得るライ麦フスマを
原料とし、水抽出という簡単な手法で効率よく抽出で
き、アルコール処理によって有効成分の純度を更に高め
たものなので、コレステロール上昇抑制作用という生理
活性を有する健康食品、医薬品、各種飲食品の添加剤な
どとして、広く利用することができる。また、水溶性で
あるから、各種飲食品に添加しやすく、飲食品の食感等
を損なわないという利点も得られる。
【0021】
【実施例】
(1)コレステロール上昇抑制物質の製造 ライ麦フスマに10倍容の水を加え、室温で2時間攪拌
して水抽出を行った。その後、遠心分離して上澄液を採
取した。
【0022】この上澄液に対して4倍容のエチルアルコ
ールを加え(エチルアルコール濃度80%)、1時間放
置して沈殿を生じさせた。その後、遠心分離して、沈殿
(以下「EtOH沈殿」とする)と、上澄(以下「Et
OH上澄」とする)とに分けた。
【0023】EtOH沈殿を80℃以下で熱風乾燥し、
粉末状の本発明のコレステロール上昇抑制物質を得た。
なお、比較のため、上記EtOH上澄についても、乾燥
させて粉末状の物質を得た。
【0024】(2)小麦フスマを用いた場合に対する回
収率の比較 上記(1)で得られたEtOH沈殿の乾燥粉末の回収率
は、原料としたライ麦フスマに対して約5.5 重量%であ
った。
【0025】一方、小麦フスマを原料として、上記
(1)と全く同じ方法で、水抽出及びアルコール処理を
行い、得られたアルコール沈殿物を乾燥させて、乾燥粉
末の回収率を測定した。その結果、回収率は、原料とし
た小麦フスマに対して約2.0 重量%であった。
【0026】このように、ライ麦フスマを原料とした場
合には、水抽出及びアルコール処理という簡単な方法
で、水溶性でアルコール不溶性の成分を、高い回収率で
得ることができるが、小麦フスマを原料とした場合に
は、上記成分の回収率が低く、経済的でないことがわか
る。
【0027】(3)コレステロール上昇抑制物質の成分
分析 上記(1)で得られたEtOH沈殿の乾燥粉末につい
て、常法に従って成分分析をした結果を表1に示す。表
1の結果から、この物質は、蛋白質と食物繊維質を主成
分とすることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】また、上記EtOH沈殿の乾燥粉末につい
て、常法に従って糖組成を測定した結果を表2に示す。
この糖組成は、上記粉末に含まれる全ての糖質に対する
ものであるが、その大部分は食物繊維質である。表2の
結果から、この粉末に含まれる糖質、主として食物繊維
質は、アラビノース、キシロース及びグルコースを主な
構成糖とするものであることがわかる。
【0030】
【表2】
【0031】更に、この粉末を水に溶解させ、セファク
リルS−200HRのゲル濾過クロマトグラフィーにか
けたときの流出パターンを図1に示す。図中、●−●
は、490nm の吸光度で測定した糖の流出パターンであ
り、○−○は、280nm の吸光度で測定した蛋白の流出パ
ターンである。図1から糖質及び蛋白質のいずれも分子
量約15万のところにピークを有していることがわか
る。
【0032】(4)ラットを用いたコレステロール上昇
抑制効果の実験 SD系雄ラットを1群7匹ずつ使用し、下記表3に示す
組成の飼料を用いて9日間飼育した後、1夜絶食後、1
0日目に解剖して、血清コレステロール量(mg/100ml)
と、肝臓コレステロール量(mg/Liver)とを測定し、そ
の平均と標準誤差を求めた。なお、ラットが食べた飼料
の重量から摂取コレステロール量(mg)も同時に求め
た。この結果を表4に示す。表中、実施例品とは、本発
明のコレステロール上昇抑制物質である前記EtOH沈
殿の乾燥粉末を意味し、EtOH上澄とは、前記EtO
H上澄の乾燥粉末を意味する。また、ライ麦フスマ添加
飼料におけるライ麦フスマの添加量は、食物繊維添加量
として5重量%になるように調整した。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】表4の結果から、本発明のコレステロール
上昇抑制物質を添加した実施例品添加飼料群は、対照飼
料群に比べて、血清コレステロール量及び肝臓コレステ
ロール量とも顕著に低減することがわかる。また、Et
OH上澄(80%エチルアルコールに可溶な画分)の乾
燥粉末は、コレステロール上昇抑制能をもたず、むしろ
コレステロールの上昇を促進する傾向が見られることが
わかる。ライ麦フスマ添加飼料群は、血清並びに肝臓の
コレステロールの上昇を有意に抑制できるが、ライ麦フ
スマは、そのままでは、飲食品に添加したときに、食感
や風味に悪影響を与え、かつ、上記効果を発現させるた
めには、多量の添加が必要であるという問題点がある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコレステ
ロール上昇抑制物質は、安価で大量に入手できるライ麦
フスマを原料とし、水抽出及びアルコール沈殿処理とい
う簡単な工程で製造できるので、低コストで製造でき、
しかもコレステロール上昇抑制効果も高いという利点が
得られる。また、水溶性であるから、そのままでも摂取
しやすく、飲食品に添加しても、風味や食感に悪影響を
与えることがない。したがって、健康食品、医薬品とし
て、あるいは各種飲食品への添加剤として幅広く利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコレステロール上昇抑制物質のゲル濾
過パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真田 宏夫 千葉県千葉市稲毛区天台3−3−3−506 (72)発明者 綾野 雄幸 東京都中野区丸山1−5−5

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライ麦フスマから得られた、水溶性で、
    かつ、アルコール不溶性の成分からなることを特徴とす
    るコレステロール上昇抑制物質。
  2. 【請求項2】 蛋白質と食物繊維質とを主成分とし、前
    記食物繊維質を含む糖組成がアラビノース、キシロース
    及びグルコースを主成分とし、ゲル濾過法による糖質及
    び蛋白質の分子量ピークが約15万である請求項1記載
    のコレステロール上昇抑制物質。
  3. 【請求項3】 ライ麦フスマに水を添加して水溶性成分
    を抽出する水抽出工程と、この抽出液にアルコールを添
    加して生じた沈殿物を採取するアルコール処理工程とを
    含むことを特徴とするコレステロール上昇抑制物質の製
    造法。
JP4220626A 1992-07-28 1992-07-28 コレステロール上昇抑制物質及びその製造法 Pending JPH0648953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220626A JPH0648953A (ja) 1992-07-28 1992-07-28 コレステロール上昇抑制物質及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220626A JPH0648953A (ja) 1992-07-28 1992-07-28 コレステロール上昇抑制物質及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0648953A true JPH0648953A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16753927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4220626A Pending JPH0648953A (ja) 1992-07-28 1992-07-28 コレステロール上昇抑制物質及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0648953A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160039758A (ko) * 2014-10-01 2016-04-12 대구가톨릭대학교산학협력단 밀기울 추출물의 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160039758A (ko) * 2014-10-01 2016-04-12 대구가톨릭대학교산학협력단 밀기울 추출물의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU625531B2 (en) Dietary fiber, its process and physiologically active composition containing the same as an active ingredient
US20040049026A1 (en) Method for concentrating beta-glucan film
JP2006320320A (ja) 海藻高温抽出組成物、海藻熱処理組成物及びそれらの製造方法並びに海藻高温抽出組成物又は海藻熱処理組成物を含む調味料、化粧料、食品及び健康食品
JPH08256731A (ja) 非ゲル性水溶性糖ビート繊維およびその製造方法
JP3213648B2 (ja) 水溶性多糖の製造方法
EP0078782A1 (en) Method for producing foodstuffs from whole cereal grains
JP6999175B2 (ja) 経口組成物
JP4368569B2 (ja) 腎機能低下の予防剤及び改善剤
JP2007055951A (ja) 体脂肪低減剤
US6051234A (en) Health diet for preventing diseases caused by life-habit
JP4306987B2 (ja) 表面硬質の固形物からの有効成分の抽出法および該有効成分を含有する食用組成物
JP4673071B2 (ja) 鉄吸着性高分子物質及び鉄含有高分子物質ならびにこれらの製造方法
JPH0648953A (ja) コレステロール上昇抑制物質及びその製造法
JP2010173962A (ja) 小麦胚乳部由来の糖分解酵素阻害物質及び食物繊維を含有するコレステロール低下用組成物
JP2900070B2 (ja) 食品用カリウム補給組成物及びその製造方法
US20030138545A1 (en) Glucomannan high fiber beverage
JPS5910173B2 (ja) 小麦粉からの蛋白質の製法
JPS60146828A (ja) コレステロ−ル上昇抑制剤並びに同剤を含んだ健康食品
JPH0769910A (ja) 脂質代謝改善及び血糖上昇抑制組成物
WO2000012109A1 (en) α-GLUCOSIDASE INHIBITOR
JP3401176B2 (ja) 生活習慣病予防健康飲食品
JPH04281764A (ja) 飲食品の製造法
JPH08140597A (ja) インスタントコンニャクの製造方法
JPH11225702A (ja) 苦味低減化食品
KR101120671B1 (ko) 산약 효소 분해물을 포함하는 혈류 개선용 조성물, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 건강기능식품