JPH0648873B2 - 電気音響機器用振動板及びその製造方法 - Google Patents
電気音響機器用振動板及びその製造方法Info
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- JPH0648873B2 JPH0648873B2 JP2338565A JP33856590A JPH0648873B2 JP H0648873 B2 JPH0648873 B2 JP H0648873B2 JP 2338565 A JP2338565 A JP 2338565A JP 33856590 A JP33856590 A JP 33856590A JP H0648873 B2 JPH0648873 B2 JP H0648873B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、低温結晶化させた樹脂フィルムを成形したス
ピーカ等の電気音響機器用の振動板、及びその製造方法
に関するものである。
ピーカ等の電気音響機器用の振動板、及びその製造方法
に関するものである。
<従来の技術> 従来この種の振動板は、ドーム形(ダイヤフラム形)、
コーン形を問わず、樹脂フィルムの内で、低温結晶化が
顕著に現れない樹脂フィルム、又は低温結晶化が生じな
い樹脂フィルムを用いたものしかなく、そのような材料
をガラス転移温度以上に加熱した後、急冷して成形する
方法で製造したものであった。
コーン形を問わず、樹脂フィルムの内で、低温結晶化が
顕著に現れない樹脂フィルム、又は低温結晶化が生じな
い樹脂フィルムを用いたものしかなく、そのような材料
をガラス転移温度以上に加熱した後、急冷して成形する
方法で製造したものであった。
<発明が解決しようとする課題> 従って、従来のこの種の低温結晶化を起こさない樹脂フ
ィルムを、ガラス転移温度(Tg)以上に予備加熱し、
それを急冷する方法が採られていたので、低温結晶化が
起こらず、組織生成時の歪を含有したままの内部構造で
あるか、あるいは低温結晶化が起こったとしても結晶が
粗大かつ粗雑となり、結晶間の結合が粗となって割れ易
く、強度も低下するという問題があった。
ィルムを、ガラス転移温度(Tg)以上に予備加熱し、
それを急冷する方法が採られていたので、低温結晶化が
起こらず、組織生成時の歪を含有したままの内部構造で
あるか、あるいは低温結晶化が起こったとしても結晶が
粗大かつ粗雑となり、結晶間の結合が粗となって割れ易
く、強度も低下するという問題があった。
そこで、本発明はかかる従来の課題を解決するために、
低温結晶化を起こす樹脂フィルムより成る振動板であっ
て、結晶分散温度以上の温度雰囲気での変形を防止し
て、ヤング率の高い振動板を得る方法を提供することを
目的とする。
低温結晶化を起こす樹脂フィルムより成る振動板であっ
て、結晶分散温度以上の温度雰囲気での変形を防止し
て、ヤング率の高い振動板を得る方法を提供することを
目的とする。
<課題を解決するための手段> 該目的を達成するための本発明の構成を、実施例に対応
する第1図及び第2図を用いて説明すると、本第1発明
乃至第3発明の振動板は、低温結晶化を起こす樹脂フィ
ルムを原料として、低温結晶化させた樹脂フィルムより
成る電気音響機器用振動板であり、第2発明は、第1発
明の改良に係るもので前記の低温結晶化する樹脂フィル
ムとして無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを
使用した電気音響機器用振動板で、また第3発明は、第
1発明の改良に係るもので、造核材を添加して結晶速度
を速めた無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムよ
り成る電気音響機器用振動板である。
する第1図及び第2図を用いて説明すると、本第1発明
乃至第3発明の振動板は、低温結晶化を起こす樹脂フィ
ルムを原料として、低温結晶化させた樹脂フィルムより
成る電気音響機器用振動板であり、第2発明は、第1発
明の改良に係るもので前記の低温結晶化する樹脂フィル
ムとして無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを
使用した電気音響機器用振動板で、また第3発明は、第
1発明の改良に係るもので、造核材を添加して結晶速度
を速めた無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムよ
り成る電気音響機器用振動板である。
第4発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で軟化
するまで予備加熱した後、直ちに低温結晶化温度の金型
で成形保持し、結晶化させることを特徴とする電気音響
機器用振動板の製造方法であり、更に、第5発明は、前
記第4発明の製造方法の改良に係り、無延伸ポリエチレ
ン2,6−ナフタレートフィルムを、110℃〜270
℃間の温度で軟化するまで予備加熱した後、冷却しない
で、直ちに135℃〜165℃の温度の金型で成形保持
し、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板の製造方法であり、第6発明の製造方法は、低温結晶
化を起こす樹脂フィルムを、結晶分散温度より高く、融
点より低い温度で所定形状に成形後一旦常温まで冷却
し、次いで形状保持金型に挟んで低温結晶化温度に保持
し、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板製造方法であり、また第7発明は、第6発明の改良に
係る発明であり、無延伸ポリエチレン2,6−ナフタレ
ートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で所定形
状に成形後一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金型に
挟んで135℃〜165℃に保持し、結晶化させること
を特徴とする電気音響機器用振動板製造方法である。
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で軟化
するまで予備加熱した後、直ちに低温結晶化温度の金型
で成形保持し、結晶化させることを特徴とする電気音響
機器用振動板の製造方法であり、更に、第5発明は、前
記第4発明の製造方法の改良に係り、無延伸ポリエチレ
ン2,6−ナフタレートフィルムを、110℃〜270
℃間の温度で軟化するまで予備加熱した後、冷却しない
で、直ちに135℃〜165℃の温度の金型で成形保持
し、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板の製造方法であり、第6発明の製造方法は、低温結晶
化を起こす樹脂フィルムを、結晶分散温度より高く、融
点より低い温度で所定形状に成形後一旦常温まで冷却
し、次いで形状保持金型に挟んで低温結晶化温度に保持
し、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板製造方法であり、また第7発明は、第6発明の改良に
係る発明であり、無延伸ポリエチレン2,6−ナフタレ
ートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で所定形
状に成形後一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金型に
挟んで135℃〜165℃に保持し、結晶化させること
を特徴とする電気音響機器用振動板製造方法である。
<作用> 本第1発明の振動板は、それまでに使用されることのな
かった、後の加工処理によって低温結晶化を起こす性質
の樹脂フィルム材料を使用した振動板であるので、生成
された結晶粒子が微細で密に集合し結晶粒子相互間に大
きな結合力が発生する。
かった、後の加工処理によって低温結晶化を起こす性質
の樹脂フィルム材料を使用した振動板であるので、生成
された結晶粒子が微細で密に集合し結晶粒子相互間に大
きな結合力が発生する。
第2発明の振動板は、低温結晶化する無延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムで構成されているので、内部
に低温結晶が起って、分子の結合が密なる振動板であ
る。
ンテレフタレートフィルムで構成されているので、内部
に低温結晶が起って、分子の結合が密なる振動板であ
る。
第3発明の振動板は、造核材を添加して、低温結晶化温
度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠密に凝集して発生
させて、ヤング率の値が高めた振動板である。
度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠密に凝集して発生
させて、ヤング率の値が高めた振動板である。
第4発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ム材料を、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で
軟化するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、
直ちに低温結晶化温度の金型で成形保持させて結晶化
し、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増大し
て、内部は成形歪みが残らず、ヤング率の高い成品の整
形を保持し得ることができる製造方法である。
ム材料を、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で
軟化するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、
直ちに低温結晶化温度の金型で成形保持させて結晶化
し、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増大し
て、内部は成形歪みが残らず、ヤング率の高い成品の整
形を保持し得ることができる製造方法である。
第5発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、135℃〜165
℃の金型で成形保持し、結晶化させて、内部に歪みが残
留しない振動板の製造方法である。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、135℃〜165
℃の金型で成形保持し、結晶化させて、内部に歪みが残
留しない振動板の製造方法である。
第6発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金
型に挟んで低温結晶化温度に保持して、結晶化させて、
結晶を微細化させて結合を密とし、強度を増大して、内
部は成形歪みを残さない。ヤング率の高い成品の整形を
保持し得ることができる製造方法である。
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金
型に挟んで低温結晶化温度に保持して、結晶化させて、
結晶を微細化させて結合を密とし、強度を増大して、内
部は成形歪みを残さない。ヤング率の高い成品の整形を
保持し得ることができる製造方法である。
第7発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温に冷却し、次いで形状保持
金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持する
ことを特徴とする電気音響機器用振動板製造方法であ
る。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温に冷却し、次いで形状保持
金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持する
ことを特徴とする電気音響機器用振動板製造方法であ
る。
<実施例> 以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図中、第1図は、本第1発明の実施例の結晶の構造の顕
微鏡写真で、500μ厚さのコーン状の低温結晶を起こ
す性質の、CPET(クリスタルポリエチレンテレフタ
レート)を用いて、結晶分散温度(約200℃)乃至軟
化温度(約220℃)の温度で予備加熱して軟化させ、
直ちに約136℃の低温結晶化温度に加熱したドーム形
又はコーン形の金型で成形して後、当該温度の金型中で
30秒間保持して得た振動板の結晶の顕微鏡写真であっ
て、低温結晶の粒子が完全に生成されているのが明瞭に
示されている。
微鏡写真で、500μ厚さのコーン状の低温結晶を起こ
す性質の、CPET(クリスタルポリエチレンテレフタ
レート)を用いて、結晶分散温度(約200℃)乃至軟
化温度(約220℃)の温度で予備加熱して軟化させ、
直ちに約136℃の低温結晶化温度に加熱したドーム形
又はコーン形の金型で成形して後、当該温度の金型中で
30秒間保持して得た振動板の結晶の顕微鏡写真であっ
て、低温結晶の粒子が完全に生成されているのが明瞭に
示されている。
この本発明の振動板のヤング率は3.2Kgfで、ドーム形に
成形して、スピーカに組み込んだ音圧周波数特性は、第
4図の実線で示すようにヤング率の向上によって高音域
の再生が改善されている。
成形して、スピーカに組み込んだ音圧周波数特性は、第
4図の実線で示すようにヤング率の向上によって高音域
の再生が改善されている。
第2図は、従来例のPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)を、ガラス転移温度温度以上に加熱し、急冷して成
形した振動板の結晶の構造の顕微鏡写真であって、第1
図の結晶の構造の顕微鏡写真に比して結晶の生成が粗大
で、結晶相互の結合力は弱い。この従来例の振動板のヤ
ング率は2.0Kgfで低い。第1図の実施例と同様のドーム
形に成形した振動板を組み込んだスピーカの音圧周波数
特性は、第4図の点線で示すように高音域でピークを発
生する。これよりして、本第1発明の振動板が従来例の
振動板より優れていることが明瞭である。
ト)を、ガラス転移温度温度以上に加熱し、急冷して成
形した振動板の結晶の構造の顕微鏡写真であって、第1
図の結晶の構造の顕微鏡写真に比して結晶の生成が粗大
で、結晶相互の結合力は弱い。この従来例の振動板のヤ
ング率は2.0Kgfで低い。第1図の実施例と同様のドーム
形に成形した振動板を組み込んだスピーカの音圧周波数
特性は、第4図の点線で示すように高音域でピークを発
生する。これよりして、本第1発明の振動板が従来例の
振動板より優れていることが明瞭である。
第2発明は、前記の低温結晶化する樹脂フィルムとして
無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した
電気音響機器用振動板であって、低温結晶化温度で加熱
してあるから、内部に低温結晶が起って、分子の結合を
密になした振動板である。
無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した
電気音響機器用振動板であって、低温結晶化温度で加熱
してあるから、内部に低温結晶が起って、分子の結合を
密になした振動板である。
第3発明は、造核材を添加して結晶速度を速めた無延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムより成る電気音響
機器用振動板であって、造核材を添加して、低温結晶化
温度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠密に凝集して発
生させて、ヤング率の値を高めた振動板である。
ポリエチレンテレフタレートフィルムより成る電気音響
機器用振動板であって、造核材を添加して、低温結晶化
温度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠密に凝集して発
生させて、ヤング率の値を高めた振動板である。
第4発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で軟化
するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、直ち
に低温結晶化温度の金型で成形保持して結晶化させるこ
とにより、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増
大して、内部には成形歪みが残らず、ヤング率の高い成
品の整形を保持し得ることができる電気音響機器用振動
板の製造方法である。
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で軟化
するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、直ち
に低温結晶化温度の金型で成形保持して結晶化させるこ
とにより、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増
大して、内部には成形歪みが残らず、ヤング率の高い成
品の整形を保持し得ることができる電気音響機器用振動
板の製造方法である。
第5発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、冷却しないで、直
ちに135℃〜165℃の温度の金型で成形保持し、結
晶化させて、内部に歪みが残留しない電気音響振動板が
得られる製造方法である。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、冷却しないで、直
ちに135℃〜165℃の温度の金型で成形保持し、結
晶化させて、内部に歪みが残留しない電気音響振動板が
得られる製造方法である。
第6発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金
型に挟んで低温結晶化温度に保持して結晶化させて、結
晶を微細化させて結合を密とし、強度を増大して、内部
は成形歪みを残さない、ヤング率の高い成品の整形を保
持し得ることができる電気音響振動板の製造方法であ
る。
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保持金
型に挟んで低温結晶化温度に保持して結晶化させて、結
晶を微細化させて結合を密とし、強度を増大して、内部
は成形歪みを残さない、ヤング率の高い成品の整形を保
持し得ることができる電気音響振動板の製造方法であ
る。
第7発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保
持金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持し
て、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板製造方法である。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温まで冷却し、次いで形状保
持金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持し
て、結晶化させることを特徴とする電気音響機器用振動
板製造方法である。
以上本発明の代表的と思われる振動板の実施例及び電気
音響振動板の製造方法について説明したが、本発明は必
ずしもこれらの実施例構造及び方法のみに限定されるも
のではなく、本発明にいう構成要件を備え、かつ本発明
にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内に
おいて適宜改変して実施することができるものである。
音響振動板の製造方法について説明したが、本発明は必
ずしもこれらの実施例構造及び方法のみに限定されるも
のではなく、本発明にいう構成要件を備え、かつ本発明
にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内に
おいて適宜改変して実施することができるものである。
<発明の効果> 本第1発明の振動板は、それまでに使用されることのな
かった、後の加工処理によって低温結晶化を起こす性質
の樹脂フィルム材料を使用してあるので、微細結晶粒子
が明瞭に生成されて、その密集した結晶粒子相互間の大
きな結合力によってヤング率が高くなる効果がある。
かった、後の加工処理によって低温結晶化を起こす性質
の樹脂フィルム材料を使用してあるので、微細結晶粒子
が明瞭に生成されて、その密集した結晶粒子相互間の大
きな結合力によってヤング率が高くなる効果がある。
第2発明の振動板は、低温結晶化する無延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムで構成されているので、内部
に低温結晶が起って、分子の結合を密になし得る振動板
である。
ンテレフタレートフィルムで構成されているので、内部
に低温結晶が起って、分子の結合を密になし得る振動板
である。
第3発明の振動板は、造核材を添加して、低温結晶化温
度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠調に凝集して発生
させて、ヤング率の値が高め得る振動板である。
度の結晶成長速度を速めて、球晶が稠調に凝集して発生
させて、ヤング率の値が高め得る振動板である。
第4発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ム材料を、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で
軟化するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、
直ちに低温結晶化温度の金型で成形保持して結晶化さ
せ、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増大し
て、内部は成形歪みが残らず、ヤング率の高い成品の整
形を保持し得る製造方法である。すなわち、この製造方
法は、予備加熱に時間と手数を要し、さらに成形金型で
結晶化させるので、単品の物性、形状に変化を加えて検
討しながら、振動板を製造するのに適している。
ム材料を、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で
軟化するまで予備加熱した後、その状態を保ちながら、
直ちに低温結晶化温度の金型で成形保持して結晶化さ
せ、結晶を微細化して結合を密になし、強度を増大し
て、内部は成形歪みが残らず、ヤング率の高い成品の整
形を保持し得る製造方法である。すなわち、この製造方
法は、予備加熱に時間と手数を要し、さらに成形金型で
結晶化させるので、単品の物性、形状に変化を加えて検
討しながら、振動板を製造するのに適している。
第5発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、135℃〜165
℃の金型で成形保持し、結晶化させて、内部に歪みが残
留しないようにできる振動板の製造方法である。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
軟化するまで予備加熱してその直後、135℃〜165
℃の金型で成形保持し、結晶化させて、内部に歪みが残
留しないようにできる振動板の製造方法である。
第6発明の製造方法は、低温結晶化を起こす樹脂フィル
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後一旦冷却し、次いで形状保持金型に挟んで
低温結晶化温度に保持して、結晶化させて、結晶を微細
化させて結合を密とし、強度を増大して、内部は成形歪
みを残さない。ヤング率の高い成品の整形を保持し得る
ことができるのである。したがって、この製造方法は、
原料樹脂フィルムを所定形状に成形するのに、1個約1
秒間位のペースで成形できるので、未結晶の振動板形状
の素材を一時に多量に製造しておき、次いで結晶化の工
程に使用する形状保持金型をアルミ板等で簡単に多数製
造しておくことにより、一時に複数個の振動板を結晶化
することができる大量生産向きの製造方法である。
ムを、結晶分散温度より高く、融点より低い温度で所定
形状に成形後一旦冷却し、次いで形状保持金型に挟んで
低温結晶化温度に保持して、結晶化させて、結晶を微細
化させて結合を密とし、強度を増大して、内部は成形歪
みを残さない。ヤング率の高い成品の整形を保持し得る
ことができるのである。したがって、この製造方法は、
原料樹脂フィルムを所定形状に成形するのに、1個約1
秒間位のペースで成形できるので、未結晶の振動板形状
の素材を一時に多量に製造しておき、次いで結晶化の工
程に使用する形状保持金型をアルミ板等で簡単に多数製
造しておくことにより、一時に複数個の振動板を結晶化
することができる大量生産向きの製造方法である。
第7発明の製造方法は、無延伸ポリエチレン2,6−ナ
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温に冷却し、次いで形状保持
金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持する
ことを特徴とする電気音響機器用振動板製造方法であ
る。
フタレートフィルムを、110℃〜270℃間の温度で
所定形状に成形後、一旦常温に冷却し、次いで形状保持
金型に挟んで135℃〜165℃の金型で成形保持する
ことを特徴とする電気音響機器用振動板製造方法であ
る。
以上の説明に因んで本発明振動板を、105℃の雰囲気
中で96時間連続試験したところ、形状は全く変わらな
かったが、一方、従来例の振動板は、同一条件で、もと
の成形前のフィルム状に戻ってしまう軟らかさであっ
た。
中で96時間連続試験したところ、形状は全く変わらな
かったが、一方、従来例の振動板は、同一条件で、もと
の成形前のフィルム状に戻ってしまう軟らかさであっ
た。
第1図は本発明実施例の結晶の構造の顕微鏡写真、第2
図は従来例の振動板の結晶の構造の顕微鏡写真(それぞ
れの右下の数字は倍率を示す)、第3図(A),(B)
はそれぞれ振動板の外形例で、(A)はドーム形、
(B)はコーン形を示す、第4図はドーム形の本発明
(実線)と従来例(点線)の振動板を組み込んだスピー
カの音圧周波数特性である。
図は従来例の振動板の結晶の構造の顕微鏡写真(それぞ
れの右下の数字は倍率を示す)、第3図(A),(B)
はそれぞれ振動板の外形例で、(A)はドーム形、
(B)はコーン形を示す、第4図はドーム形の本発明
(実線)と従来例(点線)の振動板を組み込んだスピー
カの音圧周波数特性である。
Claims (7)
- 【請求項1】低温結晶化させた樹脂フィルムより成る電
気音響機器用振動板。 - 【請求項2】前記の樹脂フィルムが無延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルムより成る請求項に記載の電気
音響機器用振動板。 - 【請求項3】前記の樹脂フィルムが、造核材を添加した
無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムより成る請
求項に記載の電気音響機器用振動板。 - 【請求項4】低温結晶化を起こす樹脂フィルムを、結晶
分散温度より高く、融点より低い温度で軟化するまで予
備加熱した後、直ちに低温結晶化温度の形状保持金型で
成形保持し、結晶化させることを特徴とする電気音響機
器用振動板の製造方法。 - 【請求項5】無延伸ポリエチレン2,6−ナフタレート
フィルムを、110℃〜270℃間の温度で軟化するま
で予備加熱した後、直ちに135℃〜165℃の形状保
持金型で成形保持し、結晶化させることを特徴とする請
求項第項に記載の電気音響機器用振動板の製造方法。 - 【請求項6】低温結晶化を起こす樹脂フィルムを、結晶
分散温度より高く、融点より低い温度で所定形状に成形
後一旦冷却し、次いで形状保持金型に挟んで低温結晶化
温度に保持し、結晶化させることを特徴とする電気音響
機器用振動板の製造方法。 - 【請求項7】無延伸ポリエチレン2,6−ナフタレート
フィルムを、110℃〜270℃間の温度で所定形状に
形成後一旦冷却し、次いで形状保持金型に挟んで135
℃〜165℃に保持し、結晶化させることを特徴とする
請求項第項に記載の電気音響機器用振動板製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2338565A JPH0648873B2 (ja) | 1989-12-12 | 1990-11-30 | 電気音響機器用振動板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP1-323284 | 1989-12-12 | ||
JP32328489 | 1989-12-12 | ||
JP2338565A JPH0648873B2 (ja) | 1989-12-12 | 1990-11-30 | 電気音響機器用振動板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03224398A JPH03224398A (ja) | 1991-10-03 |
JPH0648873B2 true JPH0648873B2 (ja) | 1994-06-22 |
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ID=26571121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2338565A Expired - Fee Related JPH0648873B2 (ja) | 1989-12-12 | 1990-11-30 | 電気音響機器用振動板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0648873B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10007916A1 (de) * | 2000-02-21 | 2001-08-23 | Giesecke & Devrient Gmbh | Mehrschichtige, laminierte Karte mit eingelagertem, Reliefstrukturen aufweisenden Sicherheitselement |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2338565A patent/JPH0648873B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH03224398A (ja) | 1991-10-03 |
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