JPH05252588A - 音響機器用振動板及びその製造方法 - Google Patents

音響機器用振動板及びその製造方法

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JPH05252588A
JPH05252588A JP4722992A JP4722992A JPH05252588A JP H05252588 A JPH05252588 A JP H05252588A JP 4722992 A JP4722992 A JP 4722992A JP 4722992 A JP4722992 A JP 4722992A JP H05252588 A JPH05252588 A JP H05252588A
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JP
Japan
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polyester
diaphragm
heat resistance
spherulite
crystal
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Withdrawn
Application number
JP4722992A
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English (en)
Inventor
Narihisa Odaka
得央 小高
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DAINICHI KASEI KOGYO KK
Original Assignee
DAINICHI KASEI KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 球晶ポリエステルからなる音響機器用振動
板。その製造方法は、球晶ポリエステルフィルムをコー
ン型に成形してもよいし、無延伸・未結晶のポリエステ
ルフィルムをコーン型に成形した後、球晶化してもよ
い。 【効果】 球晶ポリエステルは、耐熱性が200〜23
0℃と通常の延伸ポリエステルより高いので、安価でし
かも高温環境下で使用可能な音響機器用振動板を提供で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れた球晶ポ
リエステルからなる音響機器用振動板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近の
音響機器用振動板は、優れた防水性や加工の容易さか
ら、ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド等
の樹脂材料からなるものが多用されている。ここで、用
いられているポリエステルは、例えば、ルミラー(東レ
株式会社の商品名)等の2軸延伸ポリエステルフィルム
である。2軸延伸ポリエステルフィルムの微細構造は、
図2に示すように、ポリエステル分子が延伸方向に配向
した高配向・結晶タイプである。図2中、1はポリエス
テル分子であり、2はポリエステル分子1が規則正しく
配向している結晶部分を示している。
【0003】ポリエステルは、一般に、無延伸状態又は
融液状態では、図3に示すように、個々のポリエステル
分子が不規則な状態にあるが、これを2方向に引き延ば
して分子を配向させた後、熱処理して高配向状態を固定
すると、図2に示すような高配向のポリエステルに変化
する。高配向・結晶タイプのポリエステルは、原料の無
配向・未結晶のポリエステルに比べて、強度特性等の物
性が著しく向上している。
【0004】しかし、2軸延伸ポリエステルフィルム製
の振動板は耐熱性が120℃前後であるため、高温下で
の形態保持性に劣る。このことは、2軸延伸ポリエステ
ルフィルム製の振動板は、自動車装備用の音響機器のよ
うに夏期には130〜150℃という高温環境になる場
合の使用には適さないことを意味する。一方、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド製の振動板の場合、耐熱温度が
200〜230℃程度と高く、高温での使用に耐え得る
ので、自動車装備用の音響機器にも適用できるが、これ
らの材料は大変高価である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、自動車装備用
の音響機器として、夏期の使用に耐え得る程度の耐熱性
を有し、かつポリイミド、ポリエーテルイミド程高価で
ない樹脂材料からなる音響機器用振動板を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の音響機器用振動
板は、球晶ポリエステルからなる。本発明の音響機器用
振動板の製造方法は、無延伸・未結晶ポリエステルを熱
成形後徐冷して高結晶ポリエステルとし、該高結晶ポリ
エステルをコーン型に成形することを特徴とする。
【0007】本発明の音響機器用振動板の他の製造方法
は、無延伸・未結晶ポリエステルをコーン形に熱成形後
徐冷することを特徴とする。
【0008】
【実施例】本発明の音響機器用振動板に用いられる球晶
ポリエステルとは、図1に示すように、微結晶が球状に
発達した微細構造を有している。このような球晶ポリエ
ステルは、一般に、ポリエステルを融点以下ガラス転移
点以上の温度で熱処理した後、延伸等の操作をすること
なく、徐冷すると得られる。徐冷することにより結晶を
発達させるため、2軸延伸ポリエステルのような高配向
性はないが、比較的大きな結晶状態が得られる。ポリエ
ステルは、図1に示すような比較的大きく成長した球晶
状態において、2軸延伸ポリエステルよりも優れた耐熱
性を示す。具体的には、200〜230℃程度の耐熱性
を示す。
【0009】本発明のポリエステルは、このように優れ
た耐熱性を示す球晶ポリエステルを適当な方法で音響機
器用振動板に成形したもので、球晶ポリエステルとして
の耐熱性(200〜230℃)を示し、自動車装備用の
音響機器用振動板として、夏期の使用にも耐え得る。ま
た、球晶ポリエステルからなる音響機器用振動板は、従
来の2軸延伸ポリエステルからなる音響用振動板と比べ
て、外観が白濁であること(2軸延伸ポリエステルは透
明である)及び上記のように耐熱性に優れている他は、
耐衝撃性、強靱性、振動特性等は同程度である。
【0010】次に、本発明の振動板の製造方法の一実施
例について説明する。無延伸・未結晶ポリエステルを、
熱処理後徐冷する。徐冷することにより、ポリエステル
分子の微結晶が球状に再編成し、かつ結晶が大きく成長
する。冷却に際し、ポリエステルの結晶核を添加して、
結晶化を促進してもよい。次いで、この球晶ポリエステ
ルを、コーン型に成形すれば、本発明の音響機器用振動
板が製造できる。成形方法は、特に限定しないが、結晶
状態を崩壊するような高温下で行わないことが好まし
く、具体的には、プレス成形が好ましく用いられる。
【0011】上記方法は、ポリエステルを結晶化させた
後、コーン形に成形する方法であったが、本発明はこれ
に限ることなく、結晶化と成形とを同時に行ってもよ
い。すなわち、無延伸・未結晶ポリエステルをコーン形
の金型に投入して熱成形し、型に入れたまま放置して、
常温まで冷却した後、型から取り出す。得られたコーン
型の成形品は、型内で結晶が成長し、耐熱性に優れてい
る。
【0012】
【発明の効果】本発明の音響用振動板は、耐熱性に優れ
た球晶ポリエステルからなるので、高温環境で使用され
る振動板としても使用可能である。また、本発明の製造
方法によれば、容易に耐熱性に優れた音響機器用振動板
を製造できる。さらに、本発明の音響機器用振動板の材
料はポリエステルであるから、ポリエーテルイミドやポ
リイミドに比べて安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】球晶ポリエステルの微細構造を示す概念模式図
である。
【図2】2軸延伸ポリエステルの微細構造を示す概念模
式図である。
【図3】無配向・未結晶状態のポリエステルの微細構造
を示す概念模式図である。
【符号の説明】
1 ポリエステル分子 2 結晶部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球晶ポリエステルからなることを特徴と
    する音響機器用振動板。
  2. 【請求項2】 球晶ポリエステルが、無配向・未結晶の
    ポリエステルを熱処理後、徐冷して得られる無延伸高結
    晶タイプのポリエステルである請求項1に記載の音響機
    器用振動板。
  3. 【請求項3】 耐熱性が200〜230℃の球晶ポリエ
    ステルを用いた請求項1に記載の音響機器用振動板。
  4. 【請求項4】 無延伸・未結晶のポリエステルフィルム
    を熱処理後徐冷して球晶ポリエステルフィルムとし、 該球晶ポリエステルフィルムをコーン型に成形して音響
    機器用振動板とすることを特徴とする音響機器用振動板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 球晶ポリエステルフィルムを、プレス成
    形によりコーン型にする請求項4に記載の音響機器用振
    動板の製造方法。
  6. 【請求項6】 無延伸・未結晶のポリエステルフィルム
    をコーン型に熱成形後徐冷することを特徴とする音響機
    器用振動板の製造方法。
JP4722992A 1992-03-04 1992-03-04 音響機器用振動板及びその製造方法 Withdrawn JPH05252588A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8300875B2 (en) 2007-02-21 2012-10-30 Sony Corporation Speaker diaphragm and speaker including the same

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