JPH0648813U - 集塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石材などの切削加工時に発生する塵埃を除塵
する集塵装置において、装置の集塵力および小型化を犠
牲にすることなく、フィルターの交換サイクルを延長可
能な集塵装置を実現すること。 【構成】 側面２ａ、上方面２ｂ、下方面２ｄおよび背
面２ｃで箱型に形成されて正面手前側に開口部を備えた
ブース２の内部空間において、フィルター部材１は、ブ
ース２の内部空間を開口部１２側の空間Ａと背面側の空
間Ｂとに斜めに分割可能な構造に形成されたフィルター
ガイド３によってブース２の内部に固定されている。こ
のため、フィルター部材１は、ブース２の開口部１２に
向かって斜め下方にフィルタ面を向ける姿勢に固定され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、石材などを切削加工する際に発生する塵埃を吸引する集塵装置に関 し、特に、塵埃を除去するフィルターの配置構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

作業エリアに発生する塵埃を吸引してそこを清浄に保つための集塵装置として は、たとえば、図２（ａ）に外観図を示し、図２（ｂ）にその側面断面図を示す ものがある。この集塵装置においては、その周囲が側面２２ａ、上方面２２ｂ、 下方面２２ｃおよび背面２２ｄで箱型に形成されていると共に、その正面手前側 が開口部にされたブース２２を有し、このブース２２の内部空間は、開口部側の 空間Ａ’と背面側の空間Ｂ’とにフィルター部材２１によって仕切られている。

【０００３】 このため、空間Ｂ’側の上方面２２ｂからブースター２３によって、ブース２２ の内部が吸引されると、ブース２２の開口部から作業エリアの空気が吸引されて 、塵埃のみがフィルタ部材２１に吸着される一方、清浄な空気のみが排気ダクト ２４から排出される。ここで、フィルター部材２１は、開口部から奥まった位置 に直立した姿勢で配置され、開口部側の壁面２２ａ，２２ｂ，２２ｃで区画され た部分がフードとして機能し、発生した塵埃が空気と共に効率よく吸引される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の集塵装置は、作業エリア全体の空気を吸引してそこに漂 う塵埃を除去するのには適しているが、局部的に塵埃が発生するような状況下に おいて使用するには、フィルタ部材２１の交換サイクルが短いという問題点があ る。すなわち、石材などの切削作業時においては、その床面近くにおいて多くの 塵埃が発生するため、フィルター部材２１の上方側は清浄であっても、その下方 側が短期間で目詰まりしてしまうため、全体としての集塵効率が低下してしまう ためである。

【０００５】 以上の問題点に鑑みて、本考案の課題は、装置の集塵力および小型化を犠牲に することなく、フィルターの交換サイクルを延長可能な集塵装置を実現すること にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案に係る集塵装置において講じた手段は、 吸引源側が接続されて開口部から石材などの加工時に発生する塵埃などを吸引可 能な集塵装置本体の内部に、その開口部に向かって斜め下方にフィルタ面を向け るフィルター部材を配置することである。

【０００７】 ここで、フィルター部材は、その上方端縁が前記開口部の上縁近傍に配置され ていることが好ましい。

【０００８】

【作用】

斯かる手段を講じた本考案に係る集塵装置は、装置の内部に、その開口部に向 かってフィルター面を向けるフィルター部材を有し、吸引源を作動させると、作 業エリアの塵埃が周囲の空気と共に本体の開口部側から吸引されて、塵埃のみが フィルター部材のフィルター面に吸着される。ここで、フィルター部材は、開口 部に向かって斜め下方にフィルター面を向けるように配置されており、直立して 配置された場合に比して単位高さ当りの吸着面積が拡張されているため、局部的 に塵埃が発生するような状況下であっても、塵埃は、フィルター面の広い範囲に 分散して吸着されるので、集塵効率を向上すると共にフィルターの交換サイクル を向上することができる。

【０００９】 この集塵装置において、フィルター部材が、その上方端縁を装置本体の開口部 の上縁近傍に配置されている場合には、フィルター部材が斜め下方に配置されて いることにより、フィルター部材を開口部側の空間を構成する部材のうちの背面 部と上面部として兼ねさせることができる。よって、装置を小型化することがで きる。

【００１０】

【実施例】

次に、添付図面を参照して、本考案の一実施例について説明する。

【００１１】 図１（ａ）に、本考案の実施例に係る集塵装置の概要を示してある。また、図 １（ｂ）は、本装置右側からみた側面断面図である。これらの図において、本例 の集塵装置は、側面２ａ、上方面２ｂ、下方面２ｄおよび背面２ｃで箱型に形成 されて正面手前側に開口部１２を備えたブース２を有し、このブース２には、そ の上方面２ｂに吸気側が固定されて排気側にダクト６を接続された吸引源である ブースター５が接続されている。このブースター５は、その内部に設置されたフ ァン５ｂに、モーター５ａの回転駆動力をベルトによって伝動することで、吸引 力としての負圧を発生している。ここで、ブース２の内部には、フィルター部材 １が配置されており、このフィルター部材１によって、ブース２の内部は、開口 部１２側の空間Ａと背面側の空間Ｂとに分割されており、そのうち、空間Ｂは、 気密に構成されている。なお、ブース２の底面には、キャスター７が取り付けら れており、作業エリアの近傍にこの装置を移動して使用することができる。

【００１２】 本例の集塵装置において、フィルター部材１は、表側にメッシュ状の金属製網 が張られたフィルター保持枠１ｂに支持部材４によって保持された状態でフィル ターガイド３によってブース２の内部に固定されている。このフィルターガイド ３は、図１（ｂ）に示すように、空間Ａと空間Ｂとをフィルター部材１によって 斜めに分割可能な構造に形成されている。このため、フィルター部材１は、ブー ス２の開口部１２に向かって斜め下方にフィルタ面を向ける姿勢に固定されてい る。ここで、フィルター部材１ａは、塵埃を吸着可能であって、且つ、通気性の よい多孔性の部材であり、フィルター部材１の交換は、フィルター保持枠１ｂを フィルターガイド３から取り外した状態でフィルター保持枠１ｂから保持部材４ を取り外すことによって容易に行なえるようになっている。また、フィルターガ イド３とブース２の下方面２ｄとは、隙間なく接続されているので、開口部１２ から吸引された空気は、フィルター部材１を介さずにダクト６から排出されるこ とがなく、清浄な空気のみが屋外に排出されるようになっている。

【００１３】 また、フィルター部材１は、その上方端縁１ｃが開口部１２の上縁２ｅ近傍に 位置するように配置されて、そこから斜め下方に配置されているため、フィルタ ー部材１の前方側の斜め下方位置において、空間Ａは、側面２ａおよび下方面２ ｄの開口縁側によって区画されたフード部として利用されている。このため、ブ ース２に対しては、フィルター部材１の前方に向けて別体のフード部を設けてい ないので、集塵装置の奥行き寸法は、フィルター部材１を配置するのに必要な最 小寸法に設定されている。

【００１４】 このような構成の集塵装置においては、ブースター５の作動によって、空間Ａ から空間Ｂに向かって負圧が発生するため、空間Ａから作業エリアの空気が吸引 されて、塵埃がフィルター部材１に吸着される一方、清浄な空気がダクト６から 排出される。ここで、作業エリアの空気には、塊状の切削片と、比較的大きな粒 状の塵埃と、空気中に浮遊する微細な塵埃が含まれており、これらの塵埃は、床 面近くの空気中に集中して漂っている。これに対して、本例においては、フィル ター部材１が斜め下方に配置されているため、図１（ｂ）に示すように、塵埃が 漂う高さＨに対応するフィルター面１ａの長さＬは、フィルター部材１が直立し て配置された場合に比して実効的に拡張されるので、塵埃がフィルター面１ａに 分散して吸着される。故に、フィルター部材１の局部的な目詰まりを軽減するこ とが可能であるため、フィルター部材１の交換サイクルを延長することができる 。また、フィルター部材１は、その上方端縁１ｃが開口部１２の上縁２ｅ近傍に 位置するように配置されて、そこから斜め下方に配置されているため、フィルタ ー部材１の前方側の斜め下方位置において、側面２ａおよび下方面２ｄの開口縁 側によって区画されたフード部が別体のフード部を設けずとも構成されているの で、集塵装置を小型化できる。そして、集塵装置の奥行き寸法は、フィルター部 材１を配置するのに必要な最小寸法に設定できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の集塵装置においては、フィルター部材を、そ のフィルター面が開口部に向かって斜め下方に向けるように配置することに特徴 を有する。従って、本考案によれば、塵埃の漂う高さに対応するフィルター面の 高さが実効的に拡張されているため、塵埃は、フィルター面の広い範囲に分散し て吸着されるので、装置の集塵効率を向上すると共にフィルターの交換サイクル を延長することができる。

【００１６】 この集塵装置において、フィルター部材の上方端縁が装置本体の開口部の上縁 近傍に配置されている場合には、開口部側の空間を構成する部材を作業エリアの 塵埃を含んだ空気を収集するためのフードとして利用できるため、別体のフード を設ける必要がないので、装置を小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本実施例に係る集塵装置の構成を示す正
面図、（ｂ）同装置の内部空間の構成を示すために、装
置の一部を展開して示す側面図である。

【図２】（ａ）従来の集塵装置の概要を示す斜視図、
（ｂ）同装置の内部空間の構成を示すために、装置の一
部を展開して示す側面図である。

【符号の説明】

１・・・フィルター １ａ・・フィルター部材 １ｂ・・フィルター保持枠 １ｃ・・上方端縁 ２・・・ブース ２ａ・・側面 ２ｂ・・上方面 ２ｃ・・背面 ２ｄ・・下方面 ２ｅ・・上縁 ３・・・フィルターガイド ４・・・支持部材 ５・・・ブースター ６・・・ダクト １２・・開口部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸引源が接続されて開口部から石材など
   の加工時に発生する塵埃などを吸引可能な集塵装置本体
   の内部には、その開口部に向かって斜め下方にフィルタ
   ー面を向けるフィルター部材が配置されていることを特
   徴とする集塵装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記フィルター部材
   は、その上方端縁が前記開口部の上縁近傍に配置されて
   いることを特徴とする集塵装置。