JPH0648553U - 家庭用電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭用電気掃除機の器具ケーシングにおける
吸込管および／または吸込管マウスピースの連結形式を
改良して、器具ケーシングに装着された吸込管および／
または吸込管マウスピースの連結解離が、家庭における
荒っぽい作業運転時でも、材料破壊等の一連の損傷を生
じることなく可能になるようにする。 【構成】 互いに平行または互いにほぼ平行なＬ字形の
２つの成形区分２，３に設けられたフランジ６，７が、
互いに逆の方向に向けられており、器具ケーシング１０
に、互いに平行なＬ字形の２つの保持側壁が一体成形さ
れており、該保持側壁が、所定の相互間隔をおいて互い
に向い合って位置する側壁フランジを備えており、該側
壁フランジが、連結位置で前記フランジ６，７に背後か
ら係合しており、成形区分２，３に設けられたウェブ
４，５の間に少なくとも１つのばね１５が配置されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、家庭用電気掃除機であって、器具ケーシングと、該器具ケーシング に着脱可能に取り付けられた吸込ホースと、該吸込ホースに配置された吸込管と 、吸込マウスピースとが設けられていて、前記吸込管および／または前記吸込マ ウスピースが、前記器具ケーシングに連結装置を介して結合可能であり、該連結 装置が、互いに平行または互いにほぼ平行なＬ字形の２つの成形区分から成って おり、該成形区分に設けられたウェブが、同成形区分に設けられたフランジとは 反対の側の面で固く結合されている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような形式の家庭用電気掃除機は公知である。保持装置、たとえば器具ケ ーシングに一体成形されたポケットには、吸込管または吸込マウスピースに固定 されたフックが係合するようになっている。このような保持装置によって、家庭 用電気掃除機にとって必要不可欠なこれらの道具が、作業休止時間中に器具ケー シングに結合可能になる。これによって機械停止時や、部屋から部屋への可能な 場所移動時または居住階から別の居住階への可能な場所移動時において、家庭用 電気掃除機のユニット全体の整然とした状態が得られることに基づき、場所移動 時に生じる事故の危険は大きく減じられる。また、このような家庭用電気掃除機 の非使用時には、収容スペースも最小限に制限され、しかもこの場合には、掃除 機の分解を行わなくて済む。このような保持装置を備えた家庭用電気掃除機の充 分な機能性はいつでも維持されている。

【０００３】 さらに、着脱可能に装着された付属部品を備えているような電気掃除機が公知 である。この公知の掃除機では、吸込マウスピースと延長管とが掃除機の器具ケ ーシングの周壁に装着されている。

【０００４】 製造や取扱いの簡単な手段を用いて前記付属部品の取付けを実施するためには 、前記付属部品に、少なくともほぼ横断面Ｔ字形の縦長のガイドレールが固定さ れており、このガイドレールは中心ウェブを備えている。器具ケーシングには、 対応ガイド溝が設けられており、この対応ガイド溝は前記ガイドレールに適合さ れた対応横断面を有していて、一方の端部が端面側で開いている。前記ガイドレ ールはこの対応ガイド溝に差し込まれて、作用結合状態にもたらされる（ドイツ 連邦共和国特許出願公開第３５２９１３３号明細書）。

【０００５】 装着された付属部品を備えているような上記公知の掃除機の大きな欠点は、付 属部品の連結解離が、規定された１つの方向でしか可能でないことである。規定 された解離方向からの偏差は考慮されていない。したがって、厳密に規定された 解離方向から少しでもずれると、Ｔ字形の中心レールが対応ガイド溝内でひっか かってしまう。これによって、付属部品の解離が阻止されてしまったり、装着さ れた付属部品が器具ケーシングごと持ち上げられてしまう。しかも、このように 所定の解離方向からずれて力が作用すると、特に吸込管のてこ腕作用に基づき、 力が増幅されてしまい、この結果、連結範囲に作用する力が、断面Ｔ字形のガイ ドレールの破壊強さまたは器具ケーシングの、前記対応ガイド溝が位置する範囲 の破壊強さを超えてしまう。このような場合、断面Ｔ字形のガイドレールか、ま たは器具ケーシングに位置するガイド溝のいずれかにおいて、材料破壊が起きて しまう。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、前記公知先行技術から出発して、家庭用電気掃除機の器具ケ ーシングにおける吸込管および／または吸込管マウスピースの連結形式を改良し て、器具ケーシングに装着された吸込管および／または吸込管マウスピースの連 結解離が、家庭における荒っぽい作業運転時でも、つまり連結解除方向からずれ た付属部品の引き抜き時でも、材料破壊等の一連の損傷を生じることなく可能に なるような連結形式を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 この課題を解決するために本考案の構成では、冒頭で述べた形式の家庭用電気 掃除機において、前記両フランジが互いに逆の方向に向けられており、器具ケー シングに、互いに平行なＬ字形の２つの保持側壁が一体成形されており、該保持 側壁が、所定の相互間隔をおいて互いに向い合って位置する側壁フランジを備え ており、該側壁フランジが、連結位置で前記フランジに背後から係合しており、 前記ウェブの間に少なくとも１つのばねが配置されているようにした。

【０００８】

【考案の効果】

本考案による家庭用電気掃除機の使用者は、器具ケーシングと吸込管もしくは 吸込マウスピースとの間の結合を解離する際に、解離方向を正確に考慮しなくて も済むようになる。連結範囲における破壊はもはや起こらない。連結範囲のため に使用される材料の弾性に基づき、連結材料の破壊限界値が超えられたり、連結 部分の永久破壊が生ぜしめられることなく、Ｌ字形の成形区分の一時的な変形が 生ぜしめらる。それにもかかわらず、本考案による家庭用電気掃除機の作業休止 時または停止時では、吸込管および／または吸込マウスピースが確実に保持され る。また、器具ケーシングに連結された吸込管および／または吸込マウスピース の意図しない接触が生じた場合でも、材料破壊は充分に排除されている。

【０００９】 本考案の構成では、成形区分に設けられた両ウェブの間に、少なくとも１つの ばねが配置されている。このばねは、たとえば連結装置の両ウェブの間に締め付 けられている単純なコイル圧縮ばねであってよい。前記ばねは本考案の有利な構 成では、前記ウェブに結合されているばね棒であってもよい。この場合、ばね棒 と連結装置のウェブとは、直角、つまり９０゜に等しくない角度を成している。 これによって、器具ケーシングに保持された付属部品が解離方向を無視して解離 された場合でも、このときに弾性変形させられた前記ウェブの戻し変形動作、つ まり成形区分の戻し変形動作が補助されるので、特に有利である。このように形 成された連結装置の暴力破壊は、保持側壁とフランジの強度を減少させたり、ま たは保持側壁とフランジの強度を危険にさらしたりすることなく、保持側壁とフ ランジとを製造するための材料として著しく大きな弾性を有する材料を選択する ことができることによっても、一層確実に回避される。また、連結装置の両ウェ ブの間に複数の圧縮ばねまたはばね棒を配置し、さらに、Ｌ字形の成形区分の、 特に負荷を加えられる端範囲にも複数の圧縮ばねまたはばね棒を配置することも 可能である。

【００１０】 本考案のさらに別の有利な構成では、連結装置に設けられたフランジの幅が、 前記ウェブの高さよりも小さく形成されており、フランジに形成された接触面お よび／または器具ケーシングに一体成形された保持ポケットの保持側壁に形成さ れた接触面が、滑り斜面を有している。これによって、力が側方に作用した場合 でも、前記フランジと前記保持側壁とのひっかかりは阻止される。前記フランジ と前記側壁とは、互いの傍らを滑動して、材料の破壊を招くことなく前記ウェブ の弾性的な変形を生ぜしめる。この場合、前記滑り斜面の形状は種々様々に形成 されていてよい。たとえば、斜めに面取りされたフランジおよび側壁または曲線 軌道に沿って延びる外輪郭を有する半楕円形、半円形またはこれに類する横断面 を備えているようなフランジおよび側壁が考えられる。

【００１１】 本考案のさらに別の有利な構成では、連結装置の成形区分が、鈴形の管状区分 の一部として形成されており、前記管状区分が、螺合、しばりばめまたはこれに 類する公知の手段によって吸込管に結合可能である。この場合、前記鈴形の管状 区分と前記成形区分とをばね棒を含めて１つの作業工程において、唯一つの工具 で熱可塑性プラスチックから射出成形機において製造し、引き続き、たとえば付 着摩擦によって吸込管に結合することが可能である。これによって、本考案によ る連結装置の製造が容易になるだけでなく、適切でない取扱いに基づき連結装置 の交換が必要になった場合に、非当業者によっても交換が可能になる。

【００１２】 本考案のさらに別の有利な構成では、前記保持側壁が、器具ケーシングの種々 の異なる外面に一体成形されている。すなわち、たとえば前記保持側壁を、掃除 機の作業位置において鉛直な作業面と底面とに設けることが考えられる。この場 合、家庭における掃除の中断時に吸込管と吸込マウスピースとを器具ケーシング に結合させることができるので、特に有利である。付加的に、前記保持側壁の範 囲に遮断接点を取り付けることができる。この遮断接点は、連結装置の連結時に 家庭用電気掃除機を無電圧状態にし、連結解除によって再び電圧を印加するよう になっている。これによって、付加的に家庭用電気掃除機の電力消費の低減が得 られる。また、作業中断時に掃除機作業領域に無秩序な状態で散乱している掃除 機構成部品、たとえば吸込管や吸込マウスピースや吸込ホースによって生ぜしめ られる事故の危険も減じられると同時に、掃除機に印加される電圧による負傷も 排除されているので、特に有利である。

【００１３】 本考案のさらに別の有利な構成では、連結装置の成形区分がＶ字形に互いに向 かって傾けられており、両ウェブの間にアーチ状のばね棒が締め付けられている 。このような手段により、連結装置の連結も連結解除も著しく容易になる。

【００１４】 本考案のさらに別の有利な構成では、前記成形区分の各長手方向軸線が、各区 分の真ん中で屈曲されていて、前記成形区分が、互いに鈍角の角度を成して接触 している。しかし、前記成形区分の各長手方向軸線は、同成形区分の長さよりも 著しく大きな半径を有する円弧軌道に沿って延びていてもよい。このような手段 によって、連結装置の連結と連結解除とが著しく容易にされ、連結装置の強度も 高められる。

【００１５】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面につき詳しく説明する。

【００１６】 家庭用電気床掃除機の器具ケーシング１０には、Ｌ字形の保持側壁１１，１２ が一体成形されている。保持側壁１１，１２に設けられた側壁フランジ１３，１ ４は丸く面取りされていて、これによって円弧状の滑り斜面を形成している。保 持側壁１１または１２の範囲では、器具ケーシング１０に遮断接点２２が固定さ れている。吸込ホース２１は一方の端部で器具ケーシング１０に結合されていて 、他方の端部で吸込管１８に結合されている。この吸込管には、絨毯用の床ブラ シとして形成された吸込マウスピース１９が装着されている。前記吸込管１８に は、連結装置１が結合されている。この連結装置１は管状区分１７によって吸込 管１８に保持されている。Ｌ字形の２つの成形区分２，３に設けられたウェブ４ ，５はフランジ６，７とは反対の側の面で、管状区分１７を介して互いに結合さ れている。しかし、Ｌ字形の２つの成形区分２，３に設けられたウェブ４，５は 、図５および図６に示したようにＶ字形に互いに向かって傾斜させられていても よい。Ｌ字形の２つの成形区分２，３に設けられたフランジ６，７のフランジ面 ８，９は、保持側壁１１，１２の側壁フランジ１３，１４と同様に丸く面取りさ れていて、これによって同じく円弧状の滑り斜面を形成している。両ウェブ４， ５の間には、コイルばねとして形成された圧縮ばね１５とばね棒１６とが固定さ れている。たとえば図６に示したように、ウェブ４，５の間にはアーチ状のばね 棒２０または板ばねが緊縮されていてもよい。Ｌ字形の２つの成形区分２，３の 長手方向軸線は互いにほぼ平行に延びているにすぎず、両長手方向軸線の交点（ 図示しない）では互いに鋭角な角度を成している（図５）。しかし、Ｌ字形の２ つの成形区分２，３を互いに平行に延びるように配置することも可能である（図 ２）。両ばね棒１６はウェブ４，５に固く結合されている。ばね棒１６の軸線と ウェブ４，５の軸線とが成す角度は９０゜に等しくない。

【００１７】 連結装置１の連結時では、Ｌ字形の成形区分２，３のフランジ６，７が、器具 ケーシング１に一体成形された保持側壁１１，１２に背後から係合する。この場 合、遮断接点２２が連結装置１によって操作されて、家庭用電気床掃除機が無電 圧状態にされる。しかし、遮断接点２２をマイクロスイッチ、接触スイッチ、リ ードスイッチまたはこれに類するものとして構成することも充分に可能である。 重要なことは、この遮断接点２２が出力スイッチとして電流回路を遮断できると いうことだけである。しかし、非出力スイッチとしての構成において、低電圧補 助電流回路を介して電気掃除機を無電圧状態にすることも可能である。このこと は、電子装置を装備しているような家庭用電気掃除機において特に推奨される。

【００１８】 吸込管１８は、器具ケーシング１０に一体成形された保持側壁から連結装置１ を単純に引き抜くことによって、器具ケーシング１０から解離される。正確な解 離方向からずれた方向での抜取りによって力が作用すると、弾性変形可能な両成 形区分２，３は曲げ負荷を受ける。この場合、滑り斜面として形成されたフラン ジ面８，９と側壁フランジ１３，１４とが互いに傍らを滑動して、吸込管の解離 を補助する。ウェブ４，５の間に緊縮された圧縮ばね１５もしくはばね棒１６は 、同じく負荷を受けて、解離過程の終了後に前記成形区分２，３の戻し変形動作 を補助する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による家庭用電気掃除機の全体図であ
る。

【図２】第１実施例で使用される連結装置の正面図であ
る。

【図３】図２に示した連結装置の平面図である。

【図４】保持側壁の範囲における器具ケーシングの断面
図である。

【図５】第２実施例で用いられる連結装置の正面図であ
る。

【図６】図５に示した連結装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 連結装置、 ２，３ 成形区分、 ４，５ ウェ
ブ、 ６，７ フランジ、 ８，９ フランジ面、 １
０ 器具ケーシング、 １１，１２ 保持側壁、１３，
１４ 側壁フランジ、 １５ 圧縮ばね、 １６ ばね
棒、 １７ 管状区分、 １８ 吸込管、 １９ 吸込
マウスピース、 ２０ ばね棒、 ２１ 吸込ホース、
２２ 遮断接点

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家庭用電気掃除機であって、器具ケーシ
   ングと、該器具ケーシングに着脱可能に取り付けられた
   吸込ホースと、該吸込ホースに配置された吸込管と、吸
   込マウスピースとが設けられていて、前記吸込管および
   ／または前記吸込マウスピースが、前記器具ケーシング
   に連結装置を介して結合可能であり、該連結装置が、互
   いに平行または互いにほぼ平行なＬ字形の２つの成形区
   分から成っており、該成形区分に設けられたウェブが、
   同成形区分に設けられたフランジとは反対の側の面で固
   く結合されている形式のものにおいて、前記両フランジ
   （６，７）が互いに逆の方向に向けられており、器具ケ
   ーシング（１０）に、互いに平行なＬ字形の２つの保持
   側壁（１１，１２）が一体成形されており、該保持側壁
   が、所定の相互間隔をおいて互いに向い合って位置する
   側壁フランジ（１３，１４）を備えており、該側壁フラ
   ンジ（１３，１４）が、連結位置で前記フランジ(６，
   ７)に背後から係合しており、前記ウェブ(４，５)の間
   に少なくとも１つのばね(１５)が配置されていることを
   特徴とする、家庭用電気掃除機。
2. 【請求項２】 前記ばね（１５）がばね棒（１６）とし
   て形成されており、該ばね棒の長さが、前記ウェブ
   （４，５）の間隔よりも大きく形成されており、前記ば
   ね棒（１６）と前記ウェブ（４，５）とが互いに固く結
   合されており、前記ウェブ（４，５）と前記ばね棒（１
   ６）とが、直角に等しくない角度を成している、請求項
   １記載の家庭用電気掃除機。
3. 【請求項３】 Ｌ字形の成形区分（２，３）に設けられ
   た前記ウェブ（４，５）が、Ｖ字形に互いに向かって傾
   けられており、前記成形区分（２，３）の長手方向軸線
   がその交点で鋭角な角度を成している、請求項１記載の
   家庭用電気掃除機。
4. 【請求項４】 前記フランジ（６，７）の幅が、前記ウ
   ェブ（４，５）の高さよりも小さく形成されており、前
   記フランジ（６，７）および／または前記保持側壁（１
   １，１２）に形成された接触面が、滑り斜面を有してい
   る、請求項１から３までのいずれか１項記載の家庭用電
   気掃除機。
5. 【請求項５】 前記成形区分（２，３）が、鈴形の管状
   区分（１７）の一部として形成されており、前記管状区
   分（１７）が吸込管（１８）に結合可能である、請求項
   １から４までのいずれか１項記載の家庭用電気掃除機。
6. 【請求項６】 前記連結装置（１）が、吸込マウスピー
   ス（１９）に固く結合されている、請求項１から５まで
   のいずれか１項記載の家庭用電気掃除機。
7. 【請求項７】 前記保持側壁（１１，１２）が、器具ケ
   ーシング（１０）の種々の異なる外面に一体成形されて
   おり、前記保持側壁（１１；１２）の範囲に遮断接点
   （２２）が配置されている、請求項１から６までのいず
   れか１項記載の家庭用電気掃除機。
8. 【請求項８】 前記両ウェブ（４，５）の間で、アーチ
   状のばね棒（２０）が締め付けられている、請求項２か
   ら７までのいずれか１項記載の家庭用電気掃除機。
9. 【請求項９】 前記成形区分（２，３）の各長手方向軸
   線が、各区分の真ん中で屈曲されており、形成された軸
   線区分が、互いに鈍角の角度を成して衝突している、請
   求項１から８までのいずれか１項記載の家庭用電気掃除
   機。
10. 【請求項１０】 前記成形区分（２，３）の各長手方向
    軸線が、同成形区分（２，３）の長さよりも著しく大き
    な半径を有する円弧軌道に沿って延びている、請求項１
    から９までのいずれか１項記載の家庭用電気掃除機。