JPH0648394A - 2基2軸2枚舵船の操縦装置 - Google Patents
2基2軸2枚舵船の操縦装置Info
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- JPH0648394A JPH0648394A JP4206298A JP20629892A JPH0648394A JP H0648394 A JPH0648394 A JP H0648394A JP 4206298 A JP4206298 A JP 4206298A JP 20629892 A JP20629892 A JP 20629892A JP H0648394 A JPH0648394 A JP H0648394A
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- propeller
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 推進操縦系を2系統並設する船舶において、
1本の操作レバー15をX−Y座標上の任意の位置
(X,Y)に置くことができる操縦装置を設ける。操作
レバー15の各位置に対応して発信する命令信号によ
り、各推進操縦系におけるプロペラ後流の切替操作、お
よび各舵17a,17bの回転位置の組み合わせ操作を
制御するように構成した。 【効果】 1本の操作レバーを操作するだけで、従来の
前進左右旋回、後進左右旋回のほかに、主機関を運転し
たままでの船の静止およびその場左右スピンおよび船の
急速停止といった様々なモードで船を操縦することがで
き、特に出入港時、狭水路航行時に衝突回避が容易とな
り、また、迅速、容易な離接岸を達成でき、かつ、操船
者の負担を著しく軽減することができるなど、卓越した
効果を発揮する。
1本の操作レバー15をX−Y座標上の任意の位置
(X,Y)に置くことができる操縦装置を設ける。操作
レバー15の各位置に対応して発信する命令信号によ
り、各推進操縦系におけるプロペラ後流の切替操作、お
よび各舵17a,17bの回転位置の組み合わせ操作を
制御するように構成した。 【効果】 1本の操作レバーを操作するだけで、従来の
前進左右旋回、後進左右旋回のほかに、主機関を運転し
たままでの船の静止およびその場左右スピンおよび船の
急速停止といった様々なモードで船を操縦することがで
き、特に出入港時、狭水路航行時に衝突回避が容易とな
り、また、迅速、容易な離接岸を達成でき、かつ、操船
者の負担を著しく軽減することができるなど、卓越した
効果を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2基2軸2枚舵船の操
縦装置に関する。
縦装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船舶の吃水制限、機関室のスペー
ス、特に高さの制限、船舶の操縦性改善などの目的で、
主機関を2基に分け、各々減速機を介してプロペラを駆
動する、いわゆる2基2軸船としたうえ、各プロペラの
後方にそれぞれ舵を設けるようにした推進操縦系を有す
る船舶が広く用いられている。そして、コスト面、操縦
面、および効率面からプロペラは固定ピッチプロペラと
し、主機関は船の後進に対して主機関の回転方法を逆転
させることは複雑で時間もかかるので、一方向回転式と
し、減速機に逆転クラッチ装置を介在させて前後進の切
り替えを行うようにした推進装置が最も好んで使用され
ている。あるいは、逆回転クラッチ装置の代わりに、プ
ロペラを可変ピッチにして、後進時にピッチを逆にする
ようにした推進装置も好んで使用されている。このよう
な2基2軸2枚舵船の舵による操船制御は、一斉制御す
なわち船の旋回を要するときに、左右舷の舵を一斉に同
じ方向に同じ角度だけ転舵するに過ぎなかった。
ス、特に高さの制限、船舶の操縦性改善などの目的で、
主機関を2基に分け、各々減速機を介してプロペラを駆
動する、いわゆる2基2軸船としたうえ、各プロペラの
後方にそれぞれ舵を設けるようにした推進操縦系を有す
る船舶が広く用いられている。そして、コスト面、操縦
面、および効率面からプロペラは固定ピッチプロペラと
し、主機関は船の後進に対して主機関の回転方法を逆転
させることは複雑で時間もかかるので、一方向回転式と
し、減速機に逆転クラッチ装置を介在させて前後進の切
り替えを行うようにした推進装置が最も好んで使用され
ている。あるいは、逆回転クラッチ装置の代わりに、プ
ロペラを可変ピッチにして、後進時にピッチを逆にする
ようにした推進装置も好んで使用されている。このよう
な2基2軸2枚舵船の舵による操船制御は、一斉制御す
なわち船の旋回を要するときに、左右舷の舵を一斉に同
じ方向に同じ角度だけ転舵するに過ぎなかった。
【0003】而して、舵としては、近年、船舶の操縦性
を飛躍的に向上させるものとして、例えば図14に示す
ように、舵1の水平断面を固定幾何学的高揚力形状にし
たものが増加している。すなわち、このような舵1は、
高揚力であるほかに、舵1の失速角度が普通の舵よりも
一段と大きく、例えば、舵角を最大70°にとると、舵
面に当るプロペラ後流は90°に偏流させられ、従っ
て、船の前後進方向のスラストはゼロになり、横方向の
スラストのみが発生する。このような性質を利用して、
左右舷の2枚の舵の回転位置を組み合わせることによっ
て、さまざまな船舶操縦モードを作り出すことができ
る。
を飛躍的に向上させるものとして、例えば図14に示す
ように、舵1の水平断面を固定幾何学的高揚力形状にし
たものが増加している。すなわち、このような舵1は、
高揚力であるほかに、舵1の失速角度が普通の舵よりも
一段と大きく、例えば、舵角を最大70°にとると、舵
面に当るプロペラ後流は90°に偏流させられ、従っ
て、船の前後進方向のスラストはゼロになり、横方向の
スラストのみが発生する。このような性質を利用して、
左右舷の2枚の舵の回転位置を組み合わせることによっ
て、さまざまな船舶操縦モードを作り出すことができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の2基2軸2枚舵船において、各プロペラの後方にそれ
ぞれ固定幾何学的断面形状の高揚力舵を配し、2枚の舵
の回転位置を組み合わせて船舶の多様な操縦を行う場合
に、操作要素がクラッチの切替、あるいはプロペラのピ
ッチの切替と2枚の舵の回転位置の多様な組み合わせに
わたるために、船舶のマニューバリング時には操縦をた
だ1本の操作レバーで行うことが望まれていたにもかか
わらず、それが実現されていなかった。
の2基2軸2枚舵船において、各プロペラの後方にそれ
ぞれ固定幾何学的断面形状の高揚力舵を配し、2枚の舵
の回転位置を組み合わせて船舶の多様な操縦を行う場合
に、操作要素がクラッチの切替、あるいはプロペラのピ
ッチの切替と2枚の舵の回転位置の多様な組み合わせに
わたるために、船舶のマニューバリング時には操縦をた
だ1本の操作レバーで行うことが望まれていたにもかか
わらず、それが実現されていなかった。
【0005】また、ディーゼル主機関の場合、可能な最
低回転速度はかなり高く、従って固定ピッチプロペラの
場合、船舶が港内で微速航行することができないという
問題や、逆転クラッチ付きの場合は急速にプロペラを後
進に切り替えることができるものの、それでもなお船を
停止させるまでに相当の移動距離を必要とするという問
題があった。
低回転速度はかなり高く、従って固定ピッチプロペラの
場合、船舶が港内で微速航行することができないという
問題や、逆転クラッチ付きの場合は急速にプロペラを後
進に切り替えることができるものの、それでもなお船を
停止させるまでに相当の移動距離を必要とするという問
題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の2基2軸2枚舵船の操縦装置は、1つの
推進操縦系が、1基の一方向回転主機関と、1台のプロ
ペラと、プロペラの回転方向ないしピッチを変えてプロ
ペラ後流の発生方向を切り替えるプロペラ後流切替手段
と、プロペラの後方に配した1枚の高揚力舵と、一基の
舵制御装置とから成り、前記進操縦系を2系統並設する
船舶において、1本の操作レバーをX−Y座標上の任意
の位置(X,Y)に置くことができる操縦装置を設け、
前記操作レバーの各位置に対応して発信する命令信号に
より、各推進操縦系におけるプロペラ後流切替手段の切
替操作および舵制御装置の舵回転操作を制御するように
構成し、操作レバーの直前進モード位置(X0 ,Y+1)
において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵
がそれぞれ舵角ゼロの状態となり、操作レバーの前進右
旋回モード位置(X+1,Y+1)において、プロペラ後流
が船首尾方向の後方に流れ、舵がそれぞれ反時計方向に
最大角度までの舵角を有する状態となり、操作レバーの
前進左旋回モード位置(X-1,Y+1)において、プロペ
ラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵がそれぞれ時計方
向に最大角度までの舵角を有する状態となり、操作レバ
ーの静止モード位置(X0 ,Y0 )において、プロペラ
後流が船首尾方向の後方に流れ、左舷舵が時計方向の最
大舵角、右舷舵が反時計方向の最大舵角をなす状態とな
り、操作レバーのその場右スピンモード位置(X+1,Y
0 )において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流
れ、右舷舵が時計方向の最大舵角、左舷舵が時計方向の
最大舵角より若干小さい角度をなす状態となり、操作レ
バーのその場左スピンモード位置(X-1,Y0 )におい
て、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、左舷舵は
反時計方向の最大舵角、右舷舵は反時計方向の最大舵角
より若干小さい角度をなす状態となり、操作レバーの直
後進モード位置(X0 ,Y-1)において、プロペラ後流
が船首尾方向の前方に流れ、舵がそれぞれ舵角ゼロの状
態となり、操作レバーの後進右旋回モード位置(X+1,
Y-1)において、プロペラ後流が船首尾方向の前方に流
れ、舵がそれぞれ反時計方向に後進最大旋回モーメント
発生角度までの舵角を有する状態となり、操作レバーの
後進左旋回モード位置(X-1,Y-1)において、プロペ
ラ後流が船首尾方向の前方に流れ、舵がそれぞれ時計方
向に後進最大旋回モーメント発生角度までの舵角を有す
る状態となるように構成したものである。
めに、本発明の2基2軸2枚舵船の操縦装置は、1つの
推進操縦系が、1基の一方向回転主機関と、1台のプロ
ペラと、プロペラの回転方向ないしピッチを変えてプロ
ペラ後流の発生方向を切り替えるプロペラ後流切替手段
と、プロペラの後方に配した1枚の高揚力舵と、一基の
舵制御装置とから成り、前記進操縦系を2系統並設する
船舶において、1本の操作レバーをX−Y座標上の任意
の位置(X,Y)に置くことができる操縦装置を設け、
前記操作レバーの各位置に対応して発信する命令信号に
より、各推進操縦系におけるプロペラ後流切替手段の切
替操作および舵制御装置の舵回転操作を制御するように
構成し、操作レバーの直前進モード位置(X0 ,Y+1)
において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵
がそれぞれ舵角ゼロの状態となり、操作レバーの前進右
旋回モード位置(X+1,Y+1)において、プロペラ後流
が船首尾方向の後方に流れ、舵がそれぞれ反時計方向に
最大角度までの舵角を有する状態となり、操作レバーの
前進左旋回モード位置(X-1,Y+1)において、プロペ
ラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵がそれぞれ時計方
向に最大角度までの舵角を有する状態となり、操作レバ
ーの静止モード位置(X0 ,Y0 )において、プロペラ
後流が船首尾方向の後方に流れ、左舷舵が時計方向の最
大舵角、右舷舵が反時計方向の最大舵角をなす状態とな
り、操作レバーのその場右スピンモード位置(X+1,Y
0 )において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流
れ、右舷舵が時計方向の最大舵角、左舷舵が時計方向の
最大舵角より若干小さい角度をなす状態となり、操作レ
バーのその場左スピンモード位置(X-1,Y0 )におい
て、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、左舷舵は
反時計方向の最大舵角、右舷舵は反時計方向の最大舵角
より若干小さい角度をなす状態となり、操作レバーの直
後進モード位置(X0 ,Y-1)において、プロペラ後流
が船首尾方向の前方に流れ、舵がそれぞれ舵角ゼロの状
態となり、操作レバーの後進右旋回モード位置(X+1,
Y-1)において、プロペラ後流が船首尾方向の前方に流
れ、舵がそれぞれ反時計方向に後進最大旋回モーメント
発生角度までの舵角を有する状態となり、操作レバーの
後進左旋回モード位置(X-1,Y-1)において、プロペ
ラ後流が船首尾方向の前方に流れ、舵がそれぞれ時計方
向に後進最大旋回モーメント発生角度までの舵角を有す
る状態となるように構成したものである。
【0007】
【作用】上記した構成により、船舶のマニューバリング
時に、ただ1本の操作レバーを操作するだけで、従来の
前進左右旋回、後進左右旋回のほかに、主機関を運転し
たままでの船の静止、およびその場左右スピンといった
様々なモードで船を操縦することができる。さらに、デ
ィーゼル主機関の場合に可能最低回転速度が高い、すな
わち、可能最低船速が高いという問題を克服して、船速
ゼロまでの任意の微速力航行を可能し、かつ静止モード
にすることによって、船体を速やかに停止まで減速させ
ることができる。したがって、特に出入港時、狭水路航
行時に衝突回避が容易となり、また、迅速、容易な離接
岸を達成でき、かつ、操船者の負担を著しく軽減するこ
とができる。
時に、ただ1本の操作レバーを操作するだけで、従来の
前進左右旋回、後進左右旋回のほかに、主機関を運転し
たままでの船の静止、およびその場左右スピンといった
様々なモードで船を操縦することができる。さらに、デ
ィーゼル主機関の場合に可能最低回転速度が高い、すな
わち、可能最低船速が高いという問題を克服して、船速
ゼロまでの任意の微速力航行を可能し、かつ静止モード
にすることによって、船体を速やかに停止まで減速させ
ることができる。したがって、特に出入港時、狭水路航
行時に衝突回避が容易となり、また、迅速、容易な離接
岸を達成でき、かつ、操船者の負担を著しく軽減するこ
とができる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は、1基の一方向回転主機関、1基の逆転クラ
ッチ付き主機関減速装置、1台の固定ピッチプロペラお
よびプロペラの後方に配した1枚の高揚力舵、1基の舵
制御装置から成る推進操縦系を2系統並設した船舶の推
進操縦装置を示すものである。
る。図1は、1基の一方向回転主機関、1基の逆転クラ
ッチ付き主機関減速装置、1台の固定ピッチプロペラお
よびプロペラの後方に配した1枚の高揚力舵、1基の舵
制御装置から成る推進操縦系を2系統並設した船舶の推
進操縦装置を示すものである。
【0009】図1において、操縦装置をなす操作スタン
ド11は1本の操作レバーのX軸方向の移動量とY軸方
向の移動量とをそれぞれ抵抗値として取り出すものであ
り、操作レバーはX−Y座標上のX=+I〜−1,Y=
+1〜−1の面内の任意の位置(X,Y)に置くことが
できる。この操作レバーの作動範囲および作動位置を図
2および図3に示す。
ド11は1本の操作レバーのX軸方向の移動量とY軸方
向の移動量とをそれぞれ抵抗値として取り出すものであ
り、操作レバーはX−Y座標上のX=+I〜−1,Y=
+1〜−1の面内の任意の位置(X,Y)に置くことが
できる。この操作レバーの作動範囲および作動位置を図
2および図3に示す。
【0010】また、演算装置12はX抵抗値とY抵抗値
の組み合わせを行うものであり、両舷クラッチ切替装置
13a,13bに対してクラッチを前進側、後進側のい
ずれの位置にするかの命令信号を発信し、左舷舵制御装
置(舵取機)14aに対して舵をどの程度の舵角に回転
させるかの命令信号を発信し、右舷舵制御装置(舵取
機)14bに対して舵をどの程度の舵角に回転させるか
の命令信号を発信するものである。
の組み合わせを行うものであり、両舷クラッチ切替装置
13a,13bに対してクラッチを前進側、後進側のい
ずれの位置にするかの命令信号を発信し、左舷舵制御装
置(舵取機)14aに対して舵をどの程度の舵角に回転
させるかの命令信号を発信し、右舷舵制御装置(舵取
機)14bに対して舵をどの程度の舵角に回転させるか
の命令信号を発信するものである。
【0011】表1〜表3および図4〜図13において、
各操縦モードにおける操作レバー15の位置(X,Y)
と、両舷クラッチ切替装置13a,13bによって切り
替えられるクラッチ16a,16bの位置と、左舷舵制
御装置(舵取機)14aによって制御される左舷舵17
aの位置と、右舷舵制御装置(舵取機)14bによって
制御される右舷舵17bの位置との関係を示す。
各操縦モードにおける操作レバー15の位置(X,Y)
と、両舷クラッチ切替装置13a,13bによって切り
替えられるクラッチ16a,16bの位置と、左舷舵制
御装置(舵取機)14aによって制御される左舷舵17
aの位置と、右舷舵制御装置(舵取機)14bによって
制御される右舷舵17bの位置との関係を示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】直前進モード(図4) 操作レバー15が直前進モード位置(X0 ,Y+1)、つ
まりX=0,Y=+1の位置にある場合には、クラッチ
16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右舷
舵17bは舵角ゼロの中立状態となる。このとき、各プ
ロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾
方向の後方に流れ、左舷舵17aおよび右舷舵17bが
中立であるから船は直前進する。
まりX=0,Y=+1の位置にある場合には、クラッチ
16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右舷
舵17bは舵角ゼロの中立状態となる。このとき、各プ
ロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾
方向の後方に流れ、左舷舵17aおよび右舷舵17bが
中立であるから船は直前進する。
【0016】前進右旋回モード(図5) 操作レバー15が前進右旋回モード(X+1,Y+1)、つ
まりX=+1,Y=+1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ反時計方向に舵角を有する状態と
なり、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後
流は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵1
7bの舵板面に当って右方向に偏流する。このとき、左
舷舵17a,右舷舵17bには表裏面の水圧差、および
偏流反力による揚力が作用するから、船尾に左舷方向の
スラストが作用して船は右旋回する。また、舵角は最大
舵角(例えば70°)まで任意の角度にとることがで
き、それに応じてスラストが変る。最大舵角において
は、前進スラストはゼロ、横スラストは最大となって、
船は前進力を失い、その場で旋回するに至る。
まりX=+1,Y=+1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ反時計方向に舵角を有する状態と
なり、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後
流は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵1
7bの舵板面に当って右方向に偏流する。このとき、左
舷舵17a,右舷舵17bには表裏面の水圧差、および
偏流反力による揚力が作用するから、船尾に左舷方向の
スラストが作用して船は右旋回する。また、舵角は最大
舵角(例えば70°)まで任意の角度にとることがで
き、それに応じてスラストが変る。最大舵角において
は、前進スラストはゼロ、横スラストは最大となって、
船は前進力を失い、その場で旋回するに至る。
【0017】前進左旋回モード(図6) 操作レバー15が前進左旋回モード(X-1,Y+1)、つ
まりX=−1,Y=+1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ時計方向に舵角を有する状態とな
り、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵17
bの舵板面に当って左方向に偏流し、船尾に右舷方向の
スラストが作用して船は左旋回する。
まりX=−1,Y=+1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ時計方向に舵角を有する状態とな
り、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵17
bの舵板面に当って左方向に偏流し、船尾に右舷方向の
スラストが作用して船は左旋回する。
【0018】静止モード(図7) 操作レバー15が静止モード(X0 ,Y0 )、つまりX
=0,Y=0の位置にある場合には、クラッチ16a,
16bは前進側に位置し、左舷舵17aが時計方向の最
大舵角、右舷舵17bが反時計方向の最大舵角をなす状
態となり、各プロペラ18a,18bから生じるプロペ
ラ後流は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷
舵17bの舵板面に当って左右に90°偏流する。従っ
て、前進方向のスラストはゼロで横方向のスラストのみ
が発生する。横方向のスラストは左右が釣り合うため
に、相殺し、結局、各プロペラ18a,18bが回転し
たままで船はその場に静止する。また、各プロペラ18
a,18bは回転したままであるので、別の操縦モード
(例えば直前進など)への移行が必要になったとき、極
めて短時間に移行できる。
=0,Y=0の位置にある場合には、クラッチ16a,
16bは前進側に位置し、左舷舵17aが時計方向の最
大舵角、右舷舵17bが反時計方向の最大舵角をなす状
態となり、各プロペラ18a,18bから生じるプロペ
ラ後流は船首尾方向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷
舵17bの舵板面に当って左右に90°偏流する。従っ
て、前進方向のスラストはゼロで横方向のスラストのみ
が発生する。横方向のスラストは左右が釣り合うため
に、相殺し、結局、各プロペラ18a,18bが回転し
たままで船はその場に静止する。また、各プロペラ18
a,18bは回転したままであるので、別の操縦モード
(例えば直前進など)への移行が必要になったとき、極
めて短時間に移行できる。
【0019】その場右スピンモード(図8) 操作レバー15がその場右スピンモード(X+1,Y
0 )、つまりX=+1,Y=0の位置にある場合には、
クラッチ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17
aが時計方向の最大舵角より若干小さい角度をなし、右
舷舵17bが反時計方向の最大舵角をなす状態となる。
つまり、静止モードの状態において、左舷舵17aのみ
を若干、中立方向に戻した状態である。そして、各プロ
ペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾方
向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵17bの舵板面
に当って左右に偏流する。このとき、右舷舵17bはプ
ロペラ後流を90°偏流させたままで、最大横スラスト
を発生するのに対して、左舷舵17aは偏流角度が減ず
るので、横スラストか減少する。結局、左右の横スラス
トの釣合が崩れて、そのスラストの差が船尾に作用し、
船は右にその場でスピンする。
0 )、つまりX=+1,Y=0の位置にある場合には、
クラッチ16a,16bは前進側に位置し、左舷舵17
aが時計方向の最大舵角より若干小さい角度をなし、右
舷舵17bが反時計方向の最大舵角をなす状態となる。
つまり、静止モードの状態において、左舷舵17aのみ
を若干、中立方向に戻した状態である。そして、各プロ
ペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾方
向の後方に流れ、左舷舵17a,右舷舵17bの舵板面
に当って左右に偏流する。このとき、右舷舵17bはプ
ロペラ後流を90°偏流させたままで、最大横スラスト
を発生するのに対して、左舷舵17aは偏流角度が減ず
るので、横スラストか減少する。結局、左右の横スラス
トの釣合が崩れて、そのスラストの差が船尾に作用し、
船は右にその場でスピンする。
【0020】その場左スピンモード(図9) 操作レバー15がその場左スピンモード(X-1,Y
0 )、つまりX=−1,Y=0の位置にある場合には、
クラッチ16a,16bは前進側に位置し、右舷舵17
bが反時計方向の最大舵角より若干小さい角度をなし、
左舷舵17aが時計方向の最大舵角をなす状態となる。
つまり、静止モードの状態において、右舷舵17bのみ
を若干、中立方向に戻した状態である。この場合には、
左右の横スラストの差が船尾に作用し、船は左にその場
でスピンする。
0 )、つまりX=−1,Y=0の位置にある場合には、
クラッチ16a,16bは前進側に位置し、右舷舵17
bが反時計方向の最大舵角より若干小さい角度をなし、
左舷舵17aが時計方向の最大舵角をなす状態となる。
つまり、静止モードの状態において、右舷舵17bのみ
を若干、中立方向に戻した状態である。この場合には、
左右の横スラストの差が船尾に作用し、船は左にその場
でスピンする。
【0021】直後進モード(図10) 操作レバー15が直後進モード(X0 ,Y-1)、つまり
X=0,Y=−1の位置にある場合には、クラッチ16
a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右舷舵1
7bがそれぞれ舵角ゼロの状態となる。このとき、各プ
ロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾
方向の前方に流れ、舵は中立であるから船は直後進す
る。
X=0,Y=−1の位置にある場合には、クラッチ16
a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右舷舵1
7bがそれぞれ舵角ゼロの状態となる。このとき、各プ
ロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船首尾
方向の前方に流れ、舵は中立であるから船は直後進す
る。
【0022】後進右旋回モード(図11) 操作レバー15が後進右旋回モード(X+1,Y-1)、つ
まりX=+1,Y=−1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ時計方向に後進最大旋回モーメン
ト発生角度までの舵角を有する状態となる。このとき、
各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船
首尾方向の前方に流れるので、舵板面には各プロペラ1
8a,18bの誘引水流が当って右方向に偏流する。こ
の時、舵の表裏面の水圧差および偏流反力による揚力が
作用して、船尾に左舷方向のスラストが発生して、船は
後進しつつ右旋回する。舵角は後進最大旋回モーメント
発生角度までの任意の角度にとることができ、それに応
じて、スラスト、即ち旋回力が変る。
まりX=+1,Y=−1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ時計方向に後進最大旋回モーメン
ト発生角度までの舵角を有する状態となる。このとき、
各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流は船
首尾方向の前方に流れるので、舵板面には各プロペラ1
8a,18bの誘引水流が当って右方向に偏流する。こ
の時、舵の表裏面の水圧差および偏流反力による揚力が
作用して、船尾に左舷方向のスラストが発生して、船は
後進しつつ右旋回する。舵角は後進最大旋回モーメント
発生角度までの任意の角度にとることができ、それに応
じて、スラスト、即ち旋回力が変る。
【0023】後進左旋回モード(図12) 操作レバー15が後進左旋回モード(X-1,Y-1)、つ
まりX=−1,Y=−1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ反時計方向に後進最大旋回モーメ
ント発生角度までの舵角を有する状態となる。このと
き、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の前方に流れるので、舵板面には各プロペ
ラ18a,18bの誘引水流が当って左方向に偏流し、
船尾に右舷方向のスラストが発生して、船は後進しつつ
左旋回する。
まりX=−1,Y=−1の位置にある場合には、クラッ
チ16a,16bは後進側に位置し、左舷舵17aと右
舷舵17bがそれぞれ反時計方向に後進最大旋回モーメ
ント発生角度までの舵角を有する状態となる。このと
き、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の前方に流れるので、舵板面には各プロペ
ラ18a,18bの誘引水流が当って左方向に偏流し、
船尾に右舷方向のスラストが発生して、船は後進しつつ
左旋回する。
【0024】微速力航行(図13) 操作レバー15をX=0,Y=+1(直前進モード)の
位置とX=0,Y=0(静止モード)の位置との間に置
く(すなわち、X=0のままでYを+1と0の間に置
く)と、その移動量に比例して左舷舵17aおよび右舷
舵17bは直前進モードと静止モードとの間の位置にく
る(回転量は左右同じ)。従って、左右舷の舵17a,
17bに当って夫々偏流するプロペラ後流によって生ず
るスラストには、横方向スラスト分力と前方向スラスト
分力が生じる。横方向スラスト分力は左右の舵17a,
17bで釣合うから、前方向スラスト分力のみが残り船
を前進させる。この前方向スラスト分力の大きさは、左
右舷の舵17a,17bの角度、すなわち、操作レバー
15のY=0とY=+1の間の位置によって、ゼロ(即
ちX=0,Y=0の静止モード位置)まで、位置に変え
ることができ、従って、操作レバー15の操作のみによ
って、船速をゼロに至るまでの任意の微速力にすること
ができる。
位置とX=0,Y=0(静止モード)の位置との間に置
く(すなわち、X=0のままでYを+1と0の間に置
く)と、その移動量に比例して左舷舵17aおよび右舷
舵17bは直前進モードと静止モードとの間の位置にく
る(回転量は左右同じ)。従って、左右舷の舵17a,
17bに当って夫々偏流するプロペラ後流によって生ず
るスラストには、横方向スラスト分力と前方向スラスト
分力が生じる。横方向スラスト分力は左右の舵17a,
17bで釣合うから、前方向スラスト分力のみが残り船
を前進させる。この前方向スラスト分力の大きさは、左
右舷の舵17a,17bの角度、すなわち、操作レバー
15のY=0とY=+1の間の位置によって、ゼロ(即
ちX=0,Y=0の静止モード位置)まで、位置に変え
ることができ、従って、操作レバー15の操作のみによ
って、船速をゼロに至るまでの任意の微速力にすること
ができる。
【0025】船体の急速停止 船が前進あるいは後進しているとき、急速に船の進行を
止める必要が生じた場合(行脚止め)は、操作レバー1
5をX=0,Y=0の位置(即ち静止モード)に置く。
すると、左右舷の舵17a,17bが水流に対する大き
な抵抗となって、船体に急速にブレーキがかかり、船体
を短時間のうちに停止させることができる。
止める必要が生じた場合(行脚止め)は、操作レバー1
5をX=0,Y=0の位置(即ち静止モード)に置く。
すると、左右舷の舵17a,17bが水流に対する大き
な抵抗となって、船体に急速にブレーキがかかり、船体
を短時間のうちに停止させることができる。
【0026】さらに、必要に応じて、その場左右スピン
操縦モードを、舵17a,17bによらず左右舷プロペ
ラ18a,18bによって行うようにするとともに、船
の急速停止モードを設けて、まず船を惰力で進行させ、
次にプロペラ18a,18bの後流を船首尾方向の前方
に流れるようにして、船の進行をよりいっそう急速に止
めるようにすることができる。この場合、表3および図
3に示すように、操作レバー15の操作範囲にX=+
1,Y=+2およびX=−1,Y=+2の位置を設け
る。そして、操作レバー15がX=+1,Y=+2の位
置にある場合には、左舷のクラッチ16aが前進側に位
置し、右舷のクラッチ16aが後進側に位置し、左舷舵
17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となるように
構成する。この場合は、舵17a,17bによらず、プ
ロペラ流によって船を左スピンさせる操縦モードとな
る。
操縦モードを、舵17a,17bによらず左右舷プロペ
ラ18a,18bによって行うようにするとともに、船
の急速停止モードを設けて、まず船を惰力で進行させ、
次にプロペラ18a,18bの後流を船首尾方向の前方
に流れるようにして、船の進行をよりいっそう急速に止
めるようにすることができる。この場合、表3および図
3に示すように、操作レバー15の操作範囲にX=+
1,Y=+2およびX=−1,Y=+2の位置を設け
る。そして、操作レバー15がX=+1,Y=+2の位
置にある場合には、左舷のクラッチ16aが前進側に位
置し、右舷のクラッチ16aが後進側に位置し、左舷舵
17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となるように
構成する。この場合は、舵17a,17bによらず、プ
ロペラ流によって船を左スピンさせる操縦モードとな
る。
【0027】また、操作レバー15がX=−1,Y=+
2の位置にある場合には、左舷のクラッチ16aが後進
側に位置し、右舷のクラッチ16aが前進側に位置し、
左舷舵17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となる
ように構成する。この場合は、舵17a,17bによら
ずにプロペラ流によって船を左スピンさせる操縦モード
となる。
2の位置にある場合には、左舷のクラッチ16aが後進
側に位置し、右舷のクラッチ16aが前進側に位置し、
左舷舵17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となる
ように構成する。この場合は、舵17a,17bによら
ずにプロペラ流によって船を左スピンさせる操縦モード
となる。
【0028】さらに、操作レバー15の操作範囲に、X
=0においてY=0とY=−1のほぼ中間にY=−Y
1,Y=−Y2の2操作点を設ける。そして、操作レバ
ー15はX=0,Y=−Y1の位置にある場合には、ク
ラッチ16a,16bとも切り離し、左右舷の舵17
a,17bは、操作レバー15がX=0,Y=0の位置
すなわち静止モードにある状態をそのまま維持するよう
に構成する。この場合は、プロペラ後流はゼロになるか
ら、船は惰力のみによって進行し、左右舷の舵17a,
17bが水流に対する大きな抵抗となって船体惰行にブ
レーキがかかる操縦モード(惰力停止モード)となる。
=0においてY=0とY=−1のほぼ中間にY=−Y
1,Y=−Y2の2操作点を設ける。そして、操作レバ
ー15はX=0,Y=−Y1の位置にある場合には、ク
ラッチ16a,16bとも切り離し、左右舷の舵17
a,17bは、操作レバー15がX=0,Y=0の位置
すなわち静止モードにある状態をそのまま維持するよう
に構成する。この場合は、プロペラ後流はゼロになるか
ら、船は惰力のみによって進行し、左右舷の舵17a,
17bが水流に対する大きな抵抗となって船体惰行にブ
レーキがかかる操縦モード(惰力停止モード)となる。
【0029】次に、操縦レバー15をX=0,Y=−Y
2の位置に置いた場合、クラッチ16a,16bは後進
側となり、左右舷の舵17a,17bは同じく静止モー
ドの状態をそのまま、維持するように構成する。すなわ
ち、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の前方に流れ、船の前進を強制的に止める
スラストを発生するとともに、左右舷の舵17a,17
bが水流に対する大きな抵抗となって、船体の進行を極
めて急速に、短時間のうちに停止させる操縦モード(強
制停止モード)となる。
2の位置に置いた場合、クラッチ16a,16bは後進
側となり、左右舷の舵17a,17bは同じく静止モー
ドの状態をそのまま、維持するように構成する。すなわ
ち、各プロペラ18a,18bから生じるプロペラ後流
は船首尾方向の前方に流れ、船の前進を強制的に止める
スラストを発生するとともに、左右舷の舵17a,17
bが水流に対する大きな抵抗となって、船体の進行を極
めて急速に、短時間のうちに停止させる操縦モード(強
制停止モード)となる。
【0030】尚、逆転クラッチを設けずにプロペラを可
変ピッチとし、他の構成を上記実施例と同様とする場合
においても、クラッチの前進、後進の切替操作を、可変
ピッチプロペラのピッチの切替操作に置き換えることに
よって、上記の実施例をそのまま当てはめることができ
る。
変ピッチとし、他の構成を上記実施例と同様とする場合
においても、クラッチの前進、後進の切替操作を、可変
ピッチプロペラのピッチの切替操作に置き換えることに
よって、上記の実施例をそのまま当てはめることができ
る。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、船舶
のマニューバリング時に、ただ1本の操作レバーを操作
するだけで、従来の前進左右旋回、後進左右旋回のほか
に、主機関を運転したままでの船の静止およびその場左
右スピンといった様々なモードで船を操縦することがで
きる。また、可能最低船速が高いディーゼル主機関にお
いても、船速ゼロまでの任意の微速力航行が可能とな
る。さらに、静止モードにすることによって、船体を速
やかに停止まで減速させることができる。したがって、
特に出入港時、狭水路航行時に衝突回避が容易となり、
また、迅速、容易な離接岸を達成でき、かつ、操船者の
負担を著しく軽減することができるなど、卓越した効果
を発揮する。
のマニューバリング時に、ただ1本の操作レバーを操作
するだけで、従来の前進左右旋回、後進左右旋回のほか
に、主機関を運転したままでの船の静止およびその場左
右スピンといった様々なモードで船を操縦することがで
きる。また、可能最低船速が高いディーゼル主機関にお
いても、船速ゼロまでの任意の微速力航行が可能とな
る。さらに、静止モードにすることによって、船体を速
やかに停止まで減速させることができる。したがって、
特に出入港時、狭水路航行時に衝突回避が容易となり、
また、迅速、容易な離接岸を達成でき、かつ、操船者の
負担を著しく軽減することができるなど、卓越した効果
を発揮する。
【図1】本発明の一実施例における船舶の推進操縦装置
のブロック図である。
のブロック図である。
【図2】同実施例における操作レバーの作動範囲および
作動位置を示す説明図である。
作動位置を示す説明図である。
【図3】同実施例における操作レバーの作動範囲および
作動位置を示す説明図である。
作動位置を示す説明図である。
【図4】同実施例の直前進モードにおける作用を示す説
明図である。
明図である。
【図5】同実施例の前進右旋回モードにおける作用を示
す説明図である。
す説明図である。
【図6】同実施例の前進左旋回モードにおける作用を示
す説明図である。
す説明図である。
【図7】同実施例の静止モードにおける作用を示す説明
図である。
図である。
【図8】同実施例のその場右スピンモードにおける作用
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図9】同実施例のその場左スピンモードにおける作用
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図10】同実施例の直後進モードにおける作用を示す
説明図である。
説明図である。
【図11】同実施例の後進右旋回モードにおける作用を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図12】同実施例の後進左旋回モードにおける作用を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図13】同実施例の微速力航行モードにおける作用を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図14】高揚力舵の水平断面図である。
11 操作スタンド 12 演算装置 13a 左舷クラッチ切替装置 13b 右舷クラッチ切替装置 14a 左舷舵制御装置(舵取機) 14b 右舷舵制御装置(舵取機) 15 操作レバー 16a,16b クラッチ 17a 左舷舵 17b 右舷舵 18a,18b プロペラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】さらに、必要に応じて、その場左右スピン
操縦モードを、舵17a,17bによらず左右舷プロペ
ラ18a,18bによって行うようにするとともに、船
の急速停止モードを設けて、まず船を惰力で進行させ、
次にプロペラ18a,18bの後流を船首尾方向の前方
に流れるようにして、船の進行をよりいっそう急速に止
めるようにすることができる。この場合、表3および図
3に示すように、操作レバー15の操作範囲にX=+
1,Y=+2およびX=−1,Y=+2の位置を設け
る。そして、操作レバー15がX=+1,Y=+2の位
置にある場合には、左舷のクラッチ16aが前進側に位
置し、右舷のクラッチ16aが後進側に位置し、左舷舵
17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となるように
構成する。この場合は、舵17a,17bによらず、プ
ロペラ流によって船を右スピンさせる操縦モードとな
る。
操縦モードを、舵17a,17bによらず左右舷プロペ
ラ18a,18bによって行うようにするとともに、船
の急速停止モードを設けて、まず船を惰力で進行させ、
次にプロペラ18a,18bの後流を船首尾方向の前方
に流れるようにして、船の進行をよりいっそう急速に止
めるようにすることができる。この場合、表3および図
3に示すように、操作レバー15の操作範囲にX=+
1,Y=+2およびX=−1,Y=+2の位置を設け
る。そして、操作レバー15がX=+1,Y=+2の位
置にある場合には、左舷のクラッチ16aが前進側に位
置し、右舷のクラッチ16aが後進側に位置し、左舷舵
17aと右舷舵17bがそれぞれ中立位置となるように
構成する。この場合は、舵17a,17bによらず、プ
ロペラ流によって船を右スピンさせる操縦モードとな
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 1つの推進操縦系が、1基の一方向回転
主機関と、1台のプロペラと、プロペラの回転方向ない
しピッチを変えてプロペラ後流の発生方向を切り替える
プロペラ後流切替手段と、プロペラの後方に配した1枚
の高揚力舵と、一基の舵制御装置とから成り、前記推進
操縦系を2系統並設する船舶において、1本の操作レバ
ーをX−Y座標上の任意の位置(X,Y)に置くことが
できる操縦装置を設け、前記操作レバーの各位置に対応
して発信する命令信号により、各推進操縦系におけるプ
ロペラ後流切替手段の切替操作および舵制御装置の舵回
転操作を制御するように構成し、 操作レバーの直前進モード位置(X0 ,Y+1)におい
て、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵がそれ
ぞれ舵角ゼロの状態となり、 操作レバーの前進右旋回モード位置(X+1,Y+1)にお
いて、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵がそ
れぞれ反時計方向に最大角度までの舵角を有する状態と
なり、 操作レバーの前進左旋回モード位置(X-1,Y+1)にお
いて、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、舵がそ
れぞれ時計方向に最大角度までの舵角を有する状態とな
り、 操作レバーの静止モード位置(X0 ,Y0 )において、
プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、左舷舵が時計
方向の最大舵角、右舷舵が反時計方向の最大舵角をなす
状態となり、 操作レバーのその場右スピンモード位置(X+1,Y0 )
において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、右
舷舵が反時計方向の最大舵角、左舷舵が時計方向の最大
舵角より若干小さい角度をなす状態となり、 操作レバーのその場左スピンモード位置(X-1,Y0 )
において、プロペラ後流が船首尾方向の後方に流れ、左
舷舵は時計方向の最大舵角、右舷舵は反時計方向の最大
舵角より若干小さい角度をなす状態となり、 操作レバーの直後進モード位置(X0 ,Y-1)におい
て、プロペラ後流が船首尾方向の前方に流れ、舵がそれ
ぞれ舵角ゼロの状態となり、 操作レバーの後進右旋回モード位置(X+1,Y-1)にお
いて、プロペラ後流が船首尾方向の前方に流れ、舵がそ
れぞれ時計方向に後進最大旋回モーメント発生角度まで
の舵角を有する状態となり、 操作レバーの後進左旋回モード位置(X-1,Y-1)にお
いて、プロペラ後流が船首尾方向の前方に流れ、舵がそ
れぞれ反時計方向に後進最大旋回モーメント発生角度ま
での舵角を有する状態となるように構成したことを特徴
とする2基2軸2枚舵船の操縦装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206298A JPH0648394A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 2基2軸2枚舵船の操縦装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206298A JPH0648394A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 2基2軸2枚舵船の操縦装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0648394A true JPH0648394A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=16520989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4206298A Pending JPH0648394A (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 2基2軸2枚舵船の操縦装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0648394A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010162965A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Japan Hamuwaaji Kk | 二枚舵を有する船舶の操舵制御装置 |
JP2021500268A (ja) * | 2017-10-23 | 2021-01-07 | コングスバーグ マリタイム スウェーデン アクチボラグKongsberg Maritime Sweden AB | 横方向及び縦方向の推力を独立して制御するナビゲーションシステム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0193197U (ja) * | 1987-12-11 | 1989-06-19 | ||
JPH02127190A (ja) * | 1988-11-04 | 1990-05-15 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 船舶の操船装置 |
-
1992
- 1992-08-03 JP JP4206298A patent/JPH0648394A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0193197U (ja) * | 1987-12-11 | 1989-06-19 | ||
JPH02127190A (ja) * | 1988-11-04 | 1990-05-15 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 船舶の操船装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010162965A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Japan Hamuwaaji Kk | 二枚舵を有する船舶の操舵制御装置 |
JP2021500268A (ja) * | 2017-10-23 | 2021-01-07 | コングスバーグ マリタイム スウェーデン アクチボラグKongsberg Maritime Sweden AB | 横方向及び縦方向の推力を独立して制御するナビゲーションシステム |
US11526169B2 (en) | 2017-10-23 | 2022-12-13 | Kongsberg Maritime Sweden Ab | Navigation system with independent control of lateral and longitudinal thrust |
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