JP3437158B2 - ポッド型プロペラの操縦装置 - Google Patents

ポッド型プロペラの操縦装置

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JP3437158B2
JP3437158B2 JP2000263000A JP2000263000A JP3437158B2 JP 3437158 B2 JP3437158 B2 JP 3437158B2 JP 2000263000 A JP2000263000 A JP 2000263000A JP 2000263000 A JP2000263000 A JP 2000263000A JP 3437158 B2 JP3437158 B2 JP 3437158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、少なくとも2基
のポッド型プロペラを装備した船舶の操縦装置に関し、
詳しくは、船幅の狭い船舶であっても2基のポッド型プ
ロペラを主推進機として並設して操船できる操縦装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、タグボートや作業船等におけ
る主推進機としてポッド型プロペラが採用されており、
特に、港湾内での作業を行う船舶等において多用されて
いる。このポッド型プロペラは、推力の方向を任意に変
えられるので、2基搭載することにより速度制御と操舵
を行うことができる推進機となる。
【0003】この種のポッド型プロペラを操縦するため
の従来技術として、特開昭54−72895号公報記載
の発明や特開平2−80098号公報記載の発明があ
る。これらの発明では、2基の推進機を指令信号により
同一方向や、逆方向の様々な方向に旋回させて推力を発
するように制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようなポッド型プロペラの制御は、2基のポッド型プ
ロペラを旋回させながら推力を制御するので複雑な制御
が必要となり、制御システムも複雑となって、その構築
に多くの費用を要してしまう。
【0005】一方、近年、電動式ポッド型プロペラが開
発されている。この電動式ポッド型プロペラは、図8に
示す電動式ポッド型プロペラの側面図のように、その内
部に電動機51が設けられると共に、プロペラ54の推
力を受けるスラスト軸受53等を内設している。そのた
め、船内側のどこかに発電機を設ければ、他の船内配置
は自由に設計できるので、フェリーや客船等における設
計の自由度が増すので採用が期待されている。しかし、
電動機51を同軸上に配置するので、ポッド型プロペラ
55の全長が、例えば、6m程度と長くなってしまう。
【0006】そのため、このようなポッド型プロペラ5
5を船幅の狭い船舶に2基並設しようとした場合、ポッ
ド型プロペラ55の旋回方向によっては他方のポッド型
プロペラ55と干渉するおそれがあり、また、図9に示
す船舶の着岸状態の平面図のように、岸壁56側のポッ
ド型プロペラ55が岸壁56と干渉するおそれがあり、
船幅の狭い船舶への搭載は困難とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、本願発明は、船体に並設した2基のポッド
型プロペラと、該ポッド型プロペラの旋回方向と推力を
制御するジョイスティックと、前記ポッド型プロペラの
向きを、通常航行位置と、左舷づけ位置と、右舷づけ位
置とから選択するモード切換スイッチを設け、該モード
切換スイッチの左舷づけ位置又は右舷づけ位置の選択時
に、岸壁側のポッド型プロペラを縦向きに固定すると共
に、反岸壁側のポッド型プロペラを横向きに固定し、前
記ジョイスティックの傾倒方向と傾倒角度に応じて該2
基のポッド型プロペラの推力を制御する制御装置を設け
ている。このようにポッド型プロペラの向きを通常航行
位置と、左舷づけ位置と、右舷づけ位置とに応じて特定
することにより、ポッド型プロペラの操縦制御を単純化
することができ、制御装置を容易に製造することができ
る。また、船幅の狭い船舶に2基のポッド型プロペラを
並設したとしても、両ポッド型プロペラが同時に横向き
になることがなく、また、着岸時に岸壁側のポッド型プ
ロペラが横向きになることがないので、ポッド型プロペ
ラ同士や岸壁との干渉を避けた操縦ができる。
【0008】前記モード切換スイッチの左舷づけ位置又
は右舷づけ位置の選択時に、反岸壁側のポッド型プロペ
ラをほぼ90度の角度で横向きに固定すれば、着岸時に
おけるポッド型プロペラの推力方向を特定して操船する
ような操縦装置を容易に構成することができる。
【0009】また、ポッド型プロペラが、電動式ポッド
型プロペラであれば、電動機を内蔵して全長が長いポッ
ド型プロペラであっても、並設したポッド型プロペラと
の干渉や着岸時における岸壁との干渉を避けるように操
縦することができる。
【0010】さらに、ジョイスティックを、船体の左右
舷位置まで持ち運び可能に構成すれば、着岸状態を目視
で確認しながら操船ができるので、2基のポッド型プロ
ペラの向きを固定した状態でも容易に操船することがで
きる。
【0011】また、船首側にバウスラスタを設け、ジョ
イスティックの傾倒方向に応じて該バウスラスタが横推
力を発生するように制御すれば、旋回を固定した状態の
ポッド型プロペラであっても、船体を真横方向に推進さ
せることが容易にできる。
【0012】一方、ポッド型プロペラの旋回方向と推力
を制御するジョイスティックと、ポッド型プロペラの向
きを、通常航行位置と、左舷づけ位置と、右舷づけ位置
とから選択するモード切換スイッチと、該モード切換ス
イッチの切換え位置に応じて左舷プロペラの推力を制御
する左舷プロペラ回転指令手段と、該モード切換スイッ
チの切換え位置に応じて左舷プロペラの旋回角度を制御
する左舷プロペラ旋回指令手段と、該モード切換スイッ
チの切換え位置に応じて右舷プロペラの推力を制御する
右舷プロペラ回転指令手段と、該モード切換スイッチの
切換え位置に応じて右舷プロペラの旋回角度を制御する
右舷プロペラ旋回指令手段と、該モード切換スイッチの
通常航行位置の選択時に、ジョイスティックの左右方向
信号を左舷プロペラ旋回指令手段と右舷プロペラ旋回指
令手段とに出力し、該モード切換スイッチの右舷づけ位
置の選択時に、ジョイスティックの左右方向信号を左舷
プロペラの推力信号として左舷プロペラ回転指令手段に
出力し、該モード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時
に、ジョイスティックの左右方向信号を右舷プロペラの
推力信号として右舷プロペラ回転指令手段に出力する左
右切換手段とを設け、前記左舷プロペラ旋回指令手段
に、モード切換スイッチの右舷づけ位置の選択時には、
左舷側のポッド型プロペラを横向きに固定し、モード切
換スイッチの左舷づけ位置の選択時には、左舷側のポッ
ド型プロペラを縦向きに固定する機能を具備させ、前記
右舷プロペラ旋回指令手段に、モード切換スイッチの左
舷づけ位置の選択時には、右舷側のポッド型プロペラを
横向きに固定し、モード切換スイッチの右舷づけ位置の
選択時には、右舷側のポッド型プロペラを縦向きに固定
する機能を具備させれば、航行状態と着岸状態とに応じ
てポッド型プロペラの操縦制御を単純化することができ
るので、操縦装置における制御を単純化することができ
る。また、船幅の狭い船舶に2基のポッド型プロペラを
並設したとしても、ポッド型プロペラ同士や岸壁との干
渉を避けた操縦ができる。
【0013】また、左舷プロペラ旋回指令手段に、モー
ド切換スイッチの右舷づけ位置の選択時には、左舷側の
ポッド型プロペラをほぼ90度の角度で横向きに固定
し、モード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時には、
左舷側のポッド型プロペラをほぼ0度の角度で縦向きに
固定する機能を具備させ、前記右舷プロペラ旋回指令手
段に、モード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時に
は、右舷側のポッド型プロペラをほぼ90度の角度で横
向きに固定し、モード切換スイッチの右舷づけ位置の選
択時には、右舷側のポッド型プロペラをほぼ0度の角度
で縦向きに固定する機能を具備させれば、両ポッド型プ
ロペラの推力方向を特定して操縦制御を単純化した制御
装置を容易に製造することができる。また、船幅の狭い
船舶に2基のポッド型プロペラを並設しても、ポッド型
プロペラ同士や岸壁との干渉はない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を
示すポッド型プロペラの操縦装置における操縦機器の配
置図であり、図2は同操縦装置による船体の右舷づけ時
の船体平面を示す模式図である。図3は同操縦装置にお
いてポッド型プロペラの固定する向きを示す一覧図であ
り、図4は同操縦装置における電気系統図である。
【0015】図2に示すように、船体1の船尾には2基
のポッド型プロペラ2,3が設けられており、これらの
ポッド型プロペラ2,3によって、船体1の航行や方向
制御が行われている。図1に示すように、船内には、こ
れらのポッド型プロペラ2,3の向きを、通常航行位置
である標準位置5と、左舷を着岸させる左舷づけ位置6
と、右舷を着岸させる右舷づけ位置7とから選択するモ
ード切換スイッチ4が設けられている。
【0016】このモード切換スイッチ4は、この実施形
態では、図3に示すように、標準位置5では、両ポッド
型プロペラ2,3を船体長手方向(縦方向)にほぼ0度
の角度となるように向け、この縦方向0度から左右に各
35度の範囲で旋回可能なように構成されている。これ
により、通常航行時の操船が可能になっている。
【0017】また、左舷づけ位置6の選択時には、岸壁
側のポッド型プロペラ2をほぼ0度の縦方向に固定し、
反岸壁側のポッド型プロペラ3をほぼ90度の角度で岸
壁側に向けて固定するようにし、右舷づけ位置7の選択
時には、岸壁側のポッド型プロペラ3をほぼ0度の縦方
向に固定し、反岸壁側のポッド型プロペラ2をほぼ90
度の角度で岸壁側に向けて固定するようにしている(図
2参照)。
【0018】このように、モード切替スイッチ4の選択
位置によって両ポッド型プロペラ2,3の向きを決定す
ることにより、着岸時にポッド型プロペラ2,3の旋回
制御を行わずに推力の方向と大きさの制御のみで着岸で
きるので、ポッド型プロペラ2,3の制御が容易な操縦
装置を構成することができる。また、ポッド型プロペラ
2,3を並設したとしても、両方が同時に横向きになる
ことがないのでその干渉を避けることができる。しか
も、着岸時に岸壁側のポッド型プロペラが横向きになる
ことがないので、岸壁側のポッド型プロペラ2(3)が
岸壁8と干渉することを避けることができる。これによ
り、船幅の狭い船舶に2基のポッド型プロペラを並設し
て搭載することが可能となる。
【0019】一方、図1に示すように、ポッド型プロペ
ラ2,3の旋回方向と推力を制御するジョイスティック
9が設けられている。このジョイスティック9は、標準
位置5では、モード切換スイッチ4によって向きを決定
したポッド型プロペラ2,3の旋回方向と推力が制御さ
れる。左舷づけ位置6と右舷づけ位置7とでは、その傾
倒方向と傾倒角度に応じて、2基のポッド型プロペラ
2,3の推力方向と推力の大きさが制御される。この実
施形態では、ジョイスティック9の前後方向の成分と、
左右方向の成分とによって、2基のポッド型プロペラ
2,3を制御する例を示している。
【0020】なお、図2に示すように、この実施形態で
は、船首側にバウスラスタ10が設けられており、この
バウスラスタ10を2基のポッド型プロペラ2,3と共
動させることによって船体1に横推力を発生させること
ができるようにしている。これらを制御する制御装置は
船内に設けられている。
【0021】このようなポッド型プロペラの操縦装置の
具体的構成としては、図4の電気系統図に示すように、
ポッド型プロペラの旋回方向と推力を制御するジョイス
ティック9と、ポッド型プロペラの向きを、通常航行位
置である標準位置5と、左舷づけ位置6と、右舷づけ位
置7とから選択するモード切換スイッチ4と、このモー
ド切換スイッチ4の切換え位置に応じて左舷プロペラ2
の推力を制御する左舷プロペラ回転指令手段11と、モ
ード切換スイッチ4の切換え位置に応じて左舷プロペラ
の旋回角度を制御する左舷プロペラ旋回指令手段12
と、モード切換スイッチ4の切換え位置に応じて右舷プ
ロペラの推力を制御する右舷プロペラ回転指令手段13
と、モード切換スイッチ4の切換え位置に応じて右舷プ
ロペラの旋回角度を制御する右舷プロペラ旋回指令手段
14と、モード切換スイッチ4の標準位置5の選択時
に、ジョイスティック9の左右方向信号を左舷プロペラ
旋回指令手段12と右舷プロペラ旋回指令手段14とに
出力し、このモード切換スイッチ4の右舷づけ位置の選
択時に、ジョイスティック9の左右方向信号を左舷プロ
ペラの推力信号として左舷プロペラ回転指令手段11に
出力し、このモード切換スイッチ4の左舷づけ位置の選
択時に、ジョイスティック9の左右方向信号を右舷プロ
ペラの推力信号として右舷プロペラ回転指令手段13に
出力する左右切換手段15とが設けられている。
【0022】前記左舷プロペラ旋回指令手段12には、
モード切換スイッチ4の右舷づけ位置の選択時に、左舷
側のポッド型プロペラを横向き(この実施形態では、ほ
ぼ90度の左横向き)に固定し、モード切換スイッチ4
の左舷づけ位置の選択時には、左舷側のポッド型プロペ
ラを縦向き(この実施形態では、ほぼ0度の縦向き)に
固定する機能が具備されている。
【0023】前記右舷プロペラ旋回指令手段14には、
モード切換スイッチ4の左舷づけ位置の選択時に、右舷
側のポッド型プロペラを横向き(この実施形態では、ほ
ぼ90度の右横向き)に固定し、モード切換スイッチ4
の右舷づけ位置の選択時には、右舷側のポッド型プロペ
ラを縦向き(この実施形態では、ほぼ0度の縦向き)に
固定する機能が具備されている。
【0024】また、前記左右切換手段15の通常航行位
置となる標準位置16では、ジョイスティック9の左右
方向信号を、左右のポッド型プロペラを縦方向0度から
±35度の角度範囲で旋回させるための旋回角度指令手
段17を介して、左舷プロペラ旋回指令手段12と右舷
プロペラ旋回指令手段14とに旋回角度信号が出力され
る。
【0025】さらに、ジョイスティック9の左右方向信
号が、中立状態を「0」として傾倒方向に応じた±の信
号を出力するように構成されているため、右舷プロペラ
回転指令手段13を左右切換手段15の左舷づけ位置1
8に切換えた時に、その出力信号を逆向きの出力信号と
する信号逆転手段19が設けられている。
【0026】なお、20は、左右切換手段15の右舷づ
け位置である。これらの手段は、一般的に同一の制御装
置内に設けられている。
【0027】このように、モード切換スイッチ4の信号
によって両ポッド型プロペラ2,3の向きを決定し、そ
の後は、ジョイスティック9の傾倒方向と傾倒角度に応
じて両ポッド型プロペラ2,3の推力とその方向が制御
される。
【0028】また、このジョイスティック9は、船体1
の左右舷位置まで持ち運び可能なように構成されてお
り、着岸位置を目視で確認しながら操船できるようにし
て、2基のポッド型プロペラ2,3の向きを固定した状
態であっても容易に操船できるようにしている。
【0029】図4に示す状態は通常航行状態であり、左
舷プロペラ旋回指令手段12と右舷プロペラ旋回指令手
段14は、ジョイスティック9の左右方向傾倒信号に応
じた旋回角度指令手段17からの信号によって左右35
度の範囲内で旋回させられる。また、左舷プロペラ回転
指令手段11と右舷プロペラ回転指令手段13は、ジョ
イスティック9の前後方向傾倒信号に応じた回転数で回
転させられ、所望の推力が得られる。
【0030】図5は上述した図4に示す電気系統図にお
ける右舷づけ時の電気系統図である。モード切換スイッ
チ4により右舷づけを選択すると、その信号により左右
切換手段15が右舷づけ側20に切換えられると共に、
左舷プロペラ回転指令手段11と左舷プロペラ旋回指令
手段12と右舷プロペラ回転指令手段13と右舷プロペ
ラ旋回指令手段14とが右舷づけ側に切換えられる。こ
の状態では、右舷プロペラ旋回指令手段14によって右
舷側ポッド型プロペラ3が縦向き0度に固定され、左舷
プロペラ旋回指令手段12によって左舷側ポッド型プロ
ペラ2が左横向き90度に固定される。
【0031】そして、ジョイスティック9の左右方向信
号が左舷プロペラ回転指令手段11に入力され、ジョイ
スティック9の前後方向信号が右舷プロペラ回転指令手
段13に入力される。これにより、ほぼ90度で横向き
に固定された左舷側ポッド型プロペラ2は左横方向に正
転推力又は右横方向に逆転推力を出し、ほぼ0度で縦向
きに固定された右舷側ポッド型プロペラ3は前後方向の
推力のみを出すように制御される。従って、制御が容易
な操縦装置を構成することができる。
【0032】図6はこのように右舷づけの状態で固定さ
れた2基のポッド型プロペラ2,3のプロペラ駆動状態
を示す一覧図である。例えば、ジョイスティック9を右
に倒した場合、左舷側のプロペラ2は正転し、右舷側の
プロペラは停止した状態となり、横方向推力のみが出さ
れる。また、ジョイスティック9を右斜め前に倒した場
合、左舷側のプロペラ2は正転し、右舷側のプロペラも
正転し、斜め前方向に推力が出される。その他の方向に
ジョイスティック9を倒した場合には、図示するような
両ポッド型プロペラ2,3の正転と逆転との組合わせに
より、ジョイスティック9の傾倒方向へ推力を出すよう
にプロペラが回転させられる。なお、この組合わせで回
転させたとしても船体の重心位置等によって傾倒方向へ
船体が移動しないような場合には、船首側に設けたバウ
スラスタ10(図2)による横推力との組合わせで横移
動させるようにすればよい。
【0033】図7は図4に示す電気系統図における左舷
づけ時の電気系統図である。モード切換スイッチ4によ
り左舷づけを選択すると、その信号により左右切換手段
15が左舷づけ側18に切換えられると共に、右舷プロ
ペラ回転指令手段13と右舷プロペラ旋回指令手段14
と左舷プロペラ回転指令手段11と左舷プロペラ旋回指
令手段12とが左舷づけ側に切換えられる。この状態で
は、左舷プロペラ旋回指令手段12によって左舷側ポッ
ド型プロペラ2が縦向き0度に固定され、右舷プロペラ
旋回指令手段14によって右舷側ポッド型プロペラ3が
右横向き90度に固定される。
【0034】そして、ジョイスティック9の左右方向信
号が信号逆転手段19を介して右舷プロペラ回転指令手
段13へ入力され、ジョイスティック9の前後方向信号
が左舷プロペラ回転指令手段11へ入力される。この信
号逆転手段19により、ジョイスティック9の左右方向
の信号が±逆の信号として右舷プロペラ回転指令手段1
3へ出力されるので、右舷づけの状態と逆向きに固定さ
れたポッド型プロペラ3を同一のジョイスティック信号
で制御できる。なお、右舷づけと同様にバウスラスタ1
0を設けて横移動させるようにしてもよい。
【0035】このように、90度で横向きに固定された
右舷側ポッド型プロペラ3は、右横方向に正転推力又は
左横方向に逆転推力を出し、ほぼ0度で縦向きに固定さ
れた左舷側ポッド型プロペラ2は前後方向の推力のみを
出すように制御されるので、制御が容易な操縦装置を構
成することができる。
【0036】なお、上述した実施の形態では固定ピッチ
型のポッド型プロペラ2,3を例に説明したが、このポ
ッド型プロペラ2,3としては、固定ピッチ型であって
も可変ピッチ型であってもよい。固定ピッチ型の場合に
は正転又は逆転、可変ピッチ型の場合にはピッチ変更に
より推力の方向を変更すればよい。このポッド型プロペ
ラに電動式ポッド型プロペラを採用した場合、インバー
タによる回転数制御を行えばよい。
【0037】また、ポッド型プロペラ2,3に電動式ポ
ッド型プロペラを採用した場合でも、両ポッド型プロペ
ラ2,3が同時に横向きになることがないので干渉を避
けることができ、しかも、着岸側のポッド型プロペラが
横向きになることがないので、船幅の狭い船舶であって
も2基を並設して搭載することができる。
【0038】さらに、上述した実施形態は一実施形態で
あり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更
は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。
【0039】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0040】ポッド型プロペラの向きを、通常航行位置
と、左舷づけ位置と、右舷づけ位置とに応じて特定する
ので、ポッド型プロペラの操縦制御が単純化され、制御
装置を安価に製造することが可能となる。また、電動式
ポッド型プロペラのように全長の長いポッド型プロペラ
であっても、船幅の狭い船舶に2基を並設することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示すポッド型プロペラ
の操縦装置における操縦機器の配置図である。
【図2】図1に示す操縦装置による船体の右舷づけ時の
船体平面を示す模式図である。
【図3】図1の操縦装置においてポッド型プロペラの固
定する向きを示す一覧図である。
【図4】図1の操縦装置における電気系統図である。
【図5】図4に示す電気系統図における右舷づけ時の電
気系統図である。
【図6】図5に示す右舷づけ時のプロペラ駆動状態を示
す一覧図である。
【図7】図4に示す電気系統図における左舷づけ時の電
気系統図である。
【図8】電動式ポッド型プロペラの一例を示す側面図で
ある。
【図9】従来から行われている船舶の着岸状態を示す平
面図である。
【符号の説明】
1…船体 2,3…ポッド型プロペラ 4…モード切換スイッチ 5…標準位置 6…左舷づけ位置 7…右舷づけ位置 8…岸壁 9…ジョイスティック 10…バウスラスタ 11…左舷プロペラ回転指令手段 12…左舷プロペラ旋回指令手段 13…右舷プロペラ回転指令手段 14…右舷プロペラ旋回指令手段 15…左右切換手段 16…標準位置 17…旋回角度指令手段 18…左舷づけ位置 19…信号逆転手段 20…右舷づけ位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−116996(JP,A) 特開 昭54−72895(JP,A) 特開 平2−127190(JP,A) 特開 昭62−55293(JP,A) 特開 平6−344986(JP,A) 実開 平6−8190(JP,U) 実公 平2−49200(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63H 25/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体に並設した2基のポッド型プロペラ
    と、該ポッド型プロペラの旋回方向と推力を制御するジ
    ョイスティックと、前記ポッド型プロペラの向きを、通
    常航行位置と、左舷づけ位置と、右舷づけ位置とから選
    択するモード切換スイッチを設け、該モード切換スイッ
    チの左舷づけ位置又は右舷づけ位置の選択時に、岸壁側
    のポッド型プロペラを縦向きに固定すると共に、反岸壁
    側のポッド型プロペラを横向きに固定し、前記ジョイス
    ティックの傾倒方向と傾倒角度に応じて該2基のポッド
    型プロペラの推力を制御する制御装置を設けたポッド型
    プロペラの操縦装置。
  2. 【請求項2】 モード切換スイッチの左舷づけ位置又は
    右舷づけ位置の選択時に、反岸壁側のポッド型プロペラ
    をほぼ90度の角度で横向きに固定することを特徴とす
    る請求項1記載のポッド型プロペラの操縦装置。
  3. 【請求項3】 ポッド型プロペラが、電動式ポッド型プ
    ロペラであることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のポッド型プロペラの操縦装置。
  4. 【請求項4】 ジョイスティックを、船体の左右舷位置
    まで持ち運び可能に構成したことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のポッド型プロペラの操縦装
    置。
  5. 【請求項5】 船首側にバウスラスタを設け、ジョイス
    ティックの傾倒方向に応じて該バウスラスタが横推力を
    発生するように制御することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のポッド型プロペラの操縦装置。
  6. 【請求項6】 ポッド型プロペラの旋回方向と推力を制
    御するジョイスティックと、ポッド型プロペラの向き
    を、通常航行位置と、左舷づけ位置と、右舷づけ位置と
    から選択するモード切換スイッチと、該モード切換スイ
    ッチの切換え位置に応じて左舷プロペラの推力を制御す
    る左舷プロペラ回転指令手段と、該モード切換スイッチ
    の切換え位置に応じて左舷プロペラの旋回角度を制御す
    る左舷プロペラ旋回指令手段と、該モード切換スイッチ
    の切換え位置に応じて右舷プロペラの推力を制御する右
    舷プロペラ回転指令手段と、該モード切換スイッチの切
    換え位置に応じて右舷プロペラの旋回角度を制御する右
    舷プロペラ旋回指令手段と、該モード切換スイッチの通
    常航行位置の選択時に、ジョイスティックの左右方向信
    号を左舷プロペラ旋回指令手段と右舷プロペラ旋回指令
    手段とに出力し、該モード切換スイッチの右舷づけ位置
    の選択時に、ジョイスティックの左右方向信号を左舷プ
    ロペラの推力信号として左舷プロペラ回転指令手段に出
    力し、該モード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時
    に、ジョイスティックの左右方向信号を右舷プロペラの
    推力信号として右舷プロペラ回転指令手段に出力する左
    右切換手段とを設け、前記左舷プロペラ旋回指令手段
    に、モード切換スイッチの右舷づけ位置の選択時には、
    左舷側のポッド型プロペラを横向きに固定し、モード切
    換スイッチの左舷づけ位置の選択時には、左舷側のポッ
    ド型プロペラを縦向きに固定する機能を具備させ、前記
    右舷プロペラ旋回指令手段に、モード切換スイッチの左
    舷づけ位置の選択時には、右舷側のポッド型プロペラを
    横向きに固定し、モード切換スイッチの右舷づけ位置の
    選択時には、右舷側のポッド型プロペラを縦向きに固定
    する機能を具備させたポッド型プロペラの操縦装置。
  7. 【請求項7】 左舷プロペラ旋回指令手段に、モード切
    換スイッチの右舷づけ位置の選択時には、左舷側のポッ
    ド型プロペラをほぼ90度の角度で横向きに固定し、モ
    ード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時には、左舷側
    のポッド型プロペラをほぼ0度の角度で縦向きに固定す
    る機能を具備させ、前記右舷プロペラ旋回指令手段に、
    モード切換スイッチの左舷づけ位置の選択時には、右舷
    側のポッド型プロペラをほぼ90度の角度で横向きに固
    定し、モード切換スイッチの右舷づけ位置の選択時に
    は、右舷側のポッド型プロペラをほぼ0度の角度で縦向
    きに固定する機能を具備させたことを特徴とする請求項
    6記載のポッド型プロペラの操縦装置。
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