JP3615985B2 - 操船装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は船体において緊急な操縦を行う機能を備えた操船装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶、例えば港湾において種々の作業を行う作業船においては、その用途上普段操縦を行う操縦を行う主たる操船装置に加えて、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の移動を急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う操船装置が装備されている。
【0003】
この緊急な操縦を行う操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラ(推進プロペラの翼角度を制御するコントローラと推進プロペラを回転駆動する主機関の回転数を制御するコントローラとを含む)と、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備されており、操作手段を備えた操作盤と、この操作手段に基づいて前記のコントローラに対して制御用の信号を出力する制御器とを備えている。さらに、操作盤には操作手段として、船体の前進、後進およびその移動量を設定するレバーと、船体の回頭およびその移動量を設定する旋回ダイアルとが設けられており、このようにレバーを備えた構成からこの操船装置はジョイスティック操船装置と呼ばれている。
【0004】
このジョイスティック操船装置は、操作盤のレバーを所定の向きに所定角度で倒す操作を行うと、その操作に基づいて制御器が主機関の回転数と推進プロペラの翼角度の大きさを指令する信号を対象とするコントローラに送り、そのコントローラが推進プロペラの回転数および翼角度を制御することにより船体を所定の向きに所定の速度で移動させることができる。そして、前進、後進している船体を緊急に停止させる場合には、推進プロペラを逆回転させて船体に現在移動している向きとは逆向きの力を急速に与えて停止させる。
【0005】
また、旋回ダイアルを左右の所定向きに所定角度で旋回する操作を行うと、その操作に基づいて制御器がバウスラスタの翼角度の大きさを指令する信号を対象とするコントローラに出力し、そのコントローラがバウスラスタを所定翼角度で回転駆動させる。バウスラスタは船体を横方向に移動させる推進力を直接発生する。制御器が推進プロペラの翼角度と舵の翼角度の大きさを対象とする各コントローラに出力し、各コントローラが推進プロペラの翼角度と舵の翼角度の大きさを制御する。推進プロペラは船体前後方向に沿う力を発生させるが、この推進力を舵で受けて船体横方向に沿う推進力に変換することができる。そこで、推進プロペラと舵の組み合せにより、船体にバウスラスタとは逆向きの横方向の力を与える。これによりバウスラスタによる横方向の力と推進プロペラと舵の組み合せにより船体に旋回モーメントを発生させて旋回させるようにしている。
【0006】
なお、バウスラスタの回転数制御用のコントローラが設けられ、このコントローラが制御器からの信号を受けてバウスラスタの回転数を制御する。主機関の回転数を制御するコントローラは制御器からの信号を受けて推進プロペラの回転数を制御する。これにより船体が横方向の所定向きに所定速度で移動させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなジョイスティック操船装置は、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の移動を急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う上で次に述べる問題がある。
【0008】
ジョイスティック操船装置では、船体を緊急に前進、後進および停止させる操作を行う上で主機関および推進プロペラの破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で主機関の最大回転数および翼角度の最大角度を設定するように保護回路が設けられている。すなわち、保護回路により安全率の範囲内で設定した最大回転数および最大翼角度より大きい主機関の回転数および舵の角度を制御できないようになっている。このため、主機関の回転数および推進プロペラの翼角度の大きさには保護回路による制限があるので、危険を回避させるために緊急に船体の前進、後進を停止させる速度に限界があり、船体を危険から緊急に回避させる上で限界があった。
【0009】
また、ジョイスティック操船装置では、船体を危険から緊急に回避するために回頭させる上で旋回モーメントのバランスを考慮して、船体をその中心を通る垂直線を中心としてその場回頭を行うようにバウスラスタの翼角度、推進プロペラの翼角度および舵の角度の大きさを設定している。このため、危険を回避させるために緊急に船体を旋回させる必要がある場合に、船体中心を中心として回動を行うので旋回速度の大きさに制限があり、船体を危険から緊急に回避させる上で限界があった。
【0010】
このように従来のジョイスティック操船装置では船体を危険から緊急に回避させる上で船体の対応する動作に限界があった。
【0011】
本発明は、船体を危険から緊急に回避する上で船体を従来の制限を超えて動作させて安全に対処できる操船装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラ用のコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の回頭およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する第1の船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する第1の緊急操作手段と、
船体の回頭およびその移動量を設定する第2の船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する第2の緊急操作手段と、
通常は前記第1の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記第1の緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力し、
さらに通常は前記第2の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記第2の緊急操作手段を操作した時に、前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態において操船装置を搭載した船体を模式的に示す側面図、図2は同実施の形態において操船装置を搭載した船体を模式的に示す平面である。図1に示すように船体1の船尾部には推進プロペラ2と舵3が装備され、この推進プロペラ2は各翼の角度の大きさを制御できる可変ピッチ型なすもので、船体1に搭載された主機関4から回転力を受けて回転される。この推進プロペラ3は、回転方向に応じて船体1に前進または後進の推進力を得ることができる。舵4はその角度に応じて推進プロペラ2による推進力を所定方向に変向して船体を移動させる。この船体1の船首部にはバウスラスタ5が装備され、このバウスラスタ5は可変ピッチ型のプロペラからなる。このバウスラスタ5は船体1を左右横方向に移動させる推進力を得るものである。
【0017】
船体1には、可変ピッチ型の推進プロペラ(CCP)2に設けられた翼を駆動してその翼角度の大きさを制御する推進プロペラ翼角度コントローラ(CCPコントローラ)11と、舵3を駆動してその角度の大きさを制御する舵コントローラ12、主機関4の回転数を制御する主機関コントローラ13およびバウスラスタ5における可変ピッチ型のプロペラの翼を駆動してその翼角度の大きさを制御するバウスラスタコントローラ14が設けられている。この推進プロペラ翼角度コントローラ(CCPコントローラ)11と主機関コントローラ13とで、推進プロペラ2の翼角度と回転数の大きさを制御する推進プロペラ用のコントローラを構成している。
【0018】
また、推進プロペラ翼角度コントローラ11には、船体1を緊急に前進。後進および停止させる操作を行う上で推進プロペラ2の破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で翼角度の最大角度を設定するように保護回路が設けられており、この保護回路により安全率の範囲内で設定した推進プロペラ2の通常最大翼角度より大きい翼角度を設定できないようになっている。主機関コントローラ13には、船体を緊急に前進、後進および停止させる操作を行う上で主機関および推進プロペラの破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で主機関の最大回転数を設定するように保護回路が設けられており、この保護回路により安全率の範囲内で設定した最大回転数より大きい主機関の回転数を設定できないようになっている。
【0019】
なお、図示しないが船体1にはバウスラスタ5の回転速度を制御するコントローラが設けられている。
【0020】
さらに、図示しないが船体1には普段船体1の動きを操縦する主たる操船装置が搭載され、且つこの主たる操船装置に加えて、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の動きを急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う本発明の対象であるジョイスティック型の操船装置21が設けてある。
【0021】
図3は同実施の形態において操船装置の構成を模式的に示す図で、(a)は操作盤を示す平面図、(b)は装置全体を示している。操船装置21は操作盤22と制御器23とを有している。操作盤22には、レバー31、緊急停止押し釦32,旋回ダイアル33、および緊急回頭押し釦34が設けてある。レバー31は船体1の前進、後進およびその移動量を設定する第1の船体操作手段の一例で、基端を支点として船体前側および跡側に向けて傾倒させることが可能に設けられている。すなわち、レバー31は制御器32との組み合せにより前側また後側へ傾倒する向きに応じて船体1が前進または後進して、その傾倒角度に応じた速度で船体1が移動し、垂直な中立位置では船体1の移動が停止するように船体1を操縦するものである。緊急停止押し釦32は船体1の前進、後進を急速に停止時に操作する第1の緊急操作手段の一例で、例えばレバー31の上端に設けられてレバー31の操作中に迅速に押圧操作できて緊急停止に対処できるようになっており、押圧操作により制御器32に対して緊急停止の信号を出力するようになっている。
【0022】
旋回ダイアル33は船体1の回頭およびその移動量を設定する第2の船体操作手段の一例であり、船体前側に向かう線を中立停止位置として、そこから船体左側および右側に向けて旋回可能に設けられている。すなわち、旋回ダイアル33は制御器23との組み合せにより旋回する方向に応じて船体1が左側または右側に向けて回頭し、その旋回角度に応じた速度で船体1が旋回し、中立位置では船体1の移動が停止するように船体1を操縦するものである。緊急回頭押し釦34は、船体1を緊急に旋回させる操作を行う第2の緊急操作手段の一例で、操作盤3に設けられて押圧操作により制御器32に対して緊急回頭の信号を出力するようになっている。
【0023】
制御器23は操作盤22に設けられた各操作手段であるレバー31、緊急停止押し釦32,旋回ダイアル33、および緊急回頭押し釦34の操作による設定を受けて各コントローラである推進プロペラ翼角度コントローラ11、舵コントローラ12、主機関コントローラ13およびバウスラスタコントローラ14に対して指令する信号を出力する。
【0024】
そして、制御器23は次に述べる動作を行うようになっている。すなわち、制御器は、通常はレバー31(第1の船体操作手段)の操作に基づいて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を制御する信号を出力し、主機関コントローラ13に対してその回転数(推進プロペラ2の回転数)を制御する信号を出力する。また、緊急停止押し釦32(第1の緊急操作手段)を操作した時に、推進プロペラコント翼角度ローラ11に対してこのコントローラ11に設けられた推進プロペラ2の回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態でレバー31の操作により推進プロペラ用の推進プロペラ翼角度コントローラ11および主機関コントローラ13に対して推進プロペラ2の回転数および翼角度を保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力する。
【0025】
さらに、制御器23は、通常は旋回ダイアル33(第2の操作手段)の旋回動作に基づいて推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大に制御する信号を夫々出力する。また、緊急回頭押し釦34(第2の緊急操作手段)を操作した時に、レバー31(第1の船体操作手段)の操作により推進プロペラコントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力するとともに、舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大に制御する信号を出力する。
【0026】
主たる操船装置は普段の船体1の動きを操縦する。前記のように構成され操船装置21は船体1を急速に停止および回頭させる操作を行う。この操作について図4ないし図6を参照して説明する。
【0027】
船体1を停止させる操作について図4および図5を参照して説明する。まず、緊急停止押し釦を操作しないで船体を停止させる通常の操作について説明する。図4はこの場合の動作を示す説明図であり、図4(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図4(b)は主機関および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0028】
船体1を急速に停止させる場合には、現在移動している船体1の向き(前進、後進)と反対向きの推進力を得るように逆向きに推進プロペラ2を所定に回転数で回転する。レバー31を所定の向きに最大角度傾倒する操作を行う。このレバー31の操作による設定を受けて制御器23は、推進プロペラ用のコントローラの一つである推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を制御する信号を出力し、且つ推進プロペラ用のコントローラの他の一つである主機関コントローラ13に対して推進プロペラ2の回転数を制御する信号を出力する。この場合、推進プロペラ翼角度コントローラ11はこれに設けられた保護回路により推進プロペラ2の通常最大翼角度が設定されているために、図4(b)の下段の線図に示すようにその制限の範囲内での推進プロペラ2の最大翼角度を制御する。この線図でt1はレバー操作により最大翼角度に達するまでの時間である。また、主機関コントローラ13はこれに設けられた保護回路により主機関4の通常最大回転数(推進プロペラ2の通常最大回転数)が設定されているために、図4(b)の上段の線図に示すようにその制限の範囲内で推進プロペラ2の最大回転数に制御する。このように推進プロペラ2は各コントローラ11、13に設けられた保護回路が設定した制限(安全率の最大限値より低い値)内で通常翼角度および通常回転数が制御され、船体1はこの推進プロペラ2に基づいた速さで船体1が停止される。
【0029】
緊急停止押し釦32を操作して船体を緊急に停止させる場合の操作について説明する。図5はこの場合の動作を示す説明図であり、図5(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図5(b)は主機関および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0030】
船体を緊急に停止させる場合には緊急停止押し釦32を押圧操作する。この釦32の操作による設定を受けた制御器23は、推進プロペラ翼角度コントローラ11および主機関コントローラ13に対して夫々に設けられている各保護回路を一時的にキャンセルすることを指示する信号を出力する。そして、家訓コントローラ11,13の保護回路を解除した状態でレバー31を必要とする向きへ最大角度で傾倒する。レバー31の操作を受けた制御器23は、推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を安全率の枠内で最大となるように制御する(保護回路により制限された最大翼角度より大きい翼角度に制御する)信号を出力し、且つ主機関コントローラ13に対して主機関4の回転数を安全率の枠内で最大となるように制御する(保護回路により制限された最大回転数より大きい回転数に制御する)信号を出力する。これにより推進プロペラ翼角度コントローラ11は図5(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ2の翼角度を保護回路により制限された翼角度より大きい翼角度に制御し、且つ主機関コントローラ13は図5(b)の上段に示すように保護回路により制限された回転数より大きい回転数に制御する。図5(b)の下段の線図においてt2は推進プロペラ2の翼角度が最大値に達する時間でt1より短い。これにより推進プロペラ2は通常翼角度および通常回転数より大きい安善率の枠内最大の翼角度および回転数で動作して船体1を通常の場合より速い緊急の速度で停止する。従って、船体1を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0031】
船体1を急速に回頭させる操作について図6よび図7を参照して説明する。緊急回頭押し釦34を操作しないで船体を回頭させる通常の操作について説明する。図6はこの場合の動作を示す説明図であり、図6(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図6(b)はバウスラスタ、舵および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0032】
旋回ダイアル33を所定の向きへ所定角度旋回させると、制御器23は旋回ダイアル33の操作による指令を受けて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさ(船体1が船体中心を中心として旋回できる大きさ)に制御する信号を出力し、また舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大の大きさ制御する信号を出力する。すなわち、制御器23は船体旋回時のモーメントバランスを考慮してバウスラスタ出力と推進プロペラ翼角度と舵角度出力との合計を算出している。これにより図6(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ翼角度コントローラ11は推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御し、図6(b)の中段の線図に示すように舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントを考慮した大きさに制御し、図6(a)の上段の線図に示すようにバウスラスタコントローラ14はバウスラスタ2に対して最大の翼角度に制御する。このようにしてプロペラの翼角度と舵角度と、バウスラスタ翼角度とにより互いに互いに逆向きの船体横方向の力を得て、船体1を船体中心を中心としてモーメントバランスを維持した通常の速度で回頭させる。
【0033】
緊急回頭押し釦を操作して船体を回頭させる操作について説明する。図7はこの場合の動作を示す説明図であり、図7(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図7(b)はバウスラスタ、舵および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0034】
船体を緊急に回頭させる場合には緊急回頭押し釦34を押圧操作する。この釦34の操作による設定を受けた制御器23はモーメントバランスを崩してでも船体1を通常の速度より速い速度で船体1を回頭させる作用を行う。すなわち、旋回ダイアル33を所定の向きへ所定角度旋回させると、制御器23は、旋回ダイアル33の操作による指令を受けて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、また舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大の大きさに制御する信号を出力する。すなわち、制御器23は船体旋回時のモーメントバランスを考慮しないでバウスラスタ出力と推進プロペラ翼角度と舵角度出力との合計による回頭トルクを算出する。これにより図7(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ翼角度コントローラ11は推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさより大きい値に制御し、図7(b)の中段の線図に示すように舵コントローラ12は舵3の角度を船体旋回時のモーメントを考慮した大きさより大きい値に制御し、図7(a)の上段の線図に示すようにバウスラスタコントローラ14はバウスラスタ2に対して最大の翼角度に制御する。このような推進プロペラの翼角度、舵角度およびバウスラスタ翼角度の組み合せにより船体1はモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭する。従って、船体1を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0035】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されず、種々変形して実施することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の操船装置によれば、第1の緊急操作手段を操作した時に、推進プロペラコントローラに対してこのコントローラに設けられた推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で第1の船体操作手段の操作により推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラの回転数および翼角度を保護回路の制限を超えた大きさに制御するので、船体を通常の場合より速い緊急の速度で停止させて船体を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0037】
また、本発明の操船装置によれば、第2の緊急操作手段を操作した時に第1の船体操作手段の操作により推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、舵用のコントローラに対して舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタ用のコントローラに対してバウスラスタの翼角度を最大に制御するので、船体をモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭して迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0038】
さらに、本発明の操船装置によれば、前述した両方の機能を組み合せることにより、船体を通常の場合より速い緊急の速度で停止させて船体を迫りくる危険から緊急に回避することができ、且つ船体をモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭して迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における操船装置を搭載した船体を模式的に示す側面図。
【図2】同実施の形態における操船装置を搭載した船体を模式的に示す平面図。
【図3】同実施の形態における操船装置を模式的に示す図。
【図4】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図5】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図6】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図7】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【符号の説明】
1…船体、
2…推進プロペラ、
3…舵、
4…主機関、
5…バウスラスタ、
11…推進プロペラ翼角度コントローラ、
12…舵コントローラ、
13…主機関コントローラ、
14…バウスラスタコントローラ、
21…操船装置、
22…操作盤、
23…制御器、
31…レバー(第1の船体操作手段)、
32…緊急停止押し釦(第1の緊急操作手段)、
33…旋回ダイアル(第2の船体操作手段)、
34…緊急回頭押し釦(第2の緊急操作手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は船体において緊急な操縦を行う機能を備えた操船装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶、例えば港湾において種々の作業を行う作業船においては、その用途上普段操縦を行う操縦を行う主たる操船装置に加えて、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の移動を急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う操船装置が装備されている。
【0003】
この緊急な操縦を行う操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラ(推進プロペラの翼角度を制御するコントローラと推進プロペラを回転駆動する主機関の回転数を制御するコントローラとを含む)と、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備されており、操作手段を備えた操作盤と、この操作手段に基づいて前記のコントローラに対して制御用の信号を出力する制御器とを備えている。さらに、操作盤には操作手段として、船体の前進、後進およびその移動量を設定するレバーと、船体の回頭およびその移動量を設定する旋回ダイアルとが設けられており、このようにレバーを備えた構成からこの操船装置はジョイスティック操船装置と呼ばれている。
【0004】
このジョイスティック操船装置は、操作盤のレバーを所定の向きに所定角度で倒す操作を行うと、その操作に基づいて制御器が主機関の回転数と推進プロペラの翼角度の大きさを指令する信号を対象とするコントローラに送り、そのコントローラが推進プロペラの回転数および翼角度を制御することにより船体を所定の向きに所定の速度で移動させることができる。そして、前進、後進している船体を緊急に停止させる場合には、推進プロペラを逆回転させて船体に現在移動している向きとは逆向きの力を急速に与えて停止させる。
【0005】
また、旋回ダイアルを左右の所定向きに所定角度で旋回する操作を行うと、その操作に基づいて制御器がバウスラスタの翼角度の大きさを指令する信号を対象とするコントローラに出力し、そのコントローラがバウスラスタを所定翼角度で回転駆動させる。バウスラスタは船体を横方向に移動させる推進力を直接発生する。制御器が推進プロペラの翼角度と舵の翼角度の大きさを対象とする各コントローラに出力し、各コントローラが推進プロペラの翼角度と舵の翼角度の大きさを制御する。推進プロペラは船体前後方向に沿う力を発生させるが、この推進力を舵で受けて船体横方向に沿う推進力に変換することができる。そこで、推進プロペラと舵の組み合せにより、船体にバウスラスタとは逆向きの横方向の力を与える。これによりバウスラスタによる横方向の力と推進プロペラと舵の組み合せにより船体に旋回モーメントを発生させて旋回させるようにしている。
【0006】
なお、バウスラスタの回転数制御用のコントローラが設けられ、このコントローラが制御器からの信号を受けてバウスラスタの回転数を制御する。主機関の回転数を制御するコントローラは制御器からの信号を受けて推進プロペラの回転数を制御する。これにより船体が横方向の所定向きに所定速度で移動させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなジョイスティック操船装置は、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の移動を急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う上で次に述べる問題がある。
【0008】
ジョイスティック操船装置では、船体を緊急に前進、後進および停止させる操作を行う上で主機関および推進プロペラの破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で主機関の最大回転数および翼角度の最大角度を設定するように保護回路が設けられている。すなわち、保護回路により安全率の範囲内で設定した最大回転数および最大翼角度より大きい主機関の回転数および舵の角度を制御できないようになっている。このため、主機関の回転数および推進プロペラの翼角度の大きさには保護回路による制限があるので、危険を回避させるために緊急に船体の前進、後進を停止させる速度に限界があり、船体を危険から緊急に回避させる上で限界があった。
【0009】
また、ジョイスティック操船装置では、船体を危険から緊急に回避するために回頭させる上で旋回モーメントのバランスを考慮して、船体をその中心を通る垂直線を中心としてその場回頭を行うようにバウスラスタの翼角度、推進プロペラの翼角度および舵の角度の大きさを設定している。このため、危険を回避させるために緊急に船体を旋回させる必要がある場合に、船体中心を中心として回動を行うので旋回速度の大きさに制限があり、船体を危険から緊急に回避させる上で限界があった。
【0010】
このように従来のジョイスティック操船装置では船体を危険から緊急に回避させる上で船体の対応する動作に限界があった。
【0011】
本発明は、船体を危険から緊急に回避する上で船体を従来の制限を超えて動作させて安全に対処できる操船装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラ用のコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の回頭およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明の操船装置は、船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する第1の船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する第1の緊急操作手段と、
船体の回頭およびその移動量を設定する第2の船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する第2の緊急操作手段と、
通常は前記第1の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記第1の緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力し、
さらに通常は前記第2の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記第2の緊急操作手段を操作した時に、前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態において操船装置を搭載した船体を模式的に示す側面図、図2は同実施の形態において操船装置を搭載した船体を模式的に示す平面である。図1に示すように船体1の船尾部には推進プロペラ2と舵3が装備され、この推進プロペラ2は各翼の角度の大きさを制御できる可変ピッチ型なすもので、船体1に搭載された主機関4から回転力を受けて回転される。この推進プロペラ3は、回転方向に応じて船体1に前進または後進の推進力を得ることができる。舵4はその角度に応じて推進プロペラ2による推進力を所定方向に変向して船体を移動させる。この船体1の船首部にはバウスラスタ5が装備され、このバウスラスタ5は可変ピッチ型のプロペラからなる。このバウスラスタ5は船体1を左右横方向に移動させる推進力を得るものである。
【0017】
船体1には、可変ピッチ型の推進プロペラ(CCP)2に設けられた翼を駆動してその翼角度の大きさを制御する推進プロペラ翼角度コントローラ(CCPコントローラ)11と、舵3を駆動してその角度の大きさを制御する舵コントローラ12、主機関4の回転数を制御する主機関コントローラ13およびバウスラスタ5における可変ピッチ型のプロペラの翼を駆動してその翼角度の大きさを制御するバウスラスタコントローラ14が設けられている。この推進プロペラ翼角度コントローラ(CCPコントローラ)11と主機関コントローラ13とで、推進プロペラ2の翼角度と回転数の大きさを制御する推進プロペラ用のコントローラを構成している。
【0018】
また、推進プロペラ翼角度コントローラ11には、船体1を緊急に前進。後進および停止させる操作を行う上で推進プロペラ2の破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で翼角度の最大角度を設定するように保護回路が設けられており、この保護回路により安全率の範囲内で設定した推進プロペラ2の通常最大翼角度より大きい翼角度を設定できないようになっている。主機関コントローラ13には、船体を緊急に前進、後進および停止させる操作を行う上で主機関および推進プロペラの破損を考慮して安全率を見込んで、その安全率の範囲内で主機関の最大回転数を設定するように保護回路が設けられており、この保護回路により安全率の範囲内で設定した最大回転数より大きい主機関の回転数を設定できないようになっている。
【0019】
なお、図示しないが船体1にはバウスラスタ5の回転速度を制御するコントローラが設けられている。
【0020】
さらに、図示しないが船体1には普段船体1の動きを操縦する主たる操船装置が搭載され、且つこの主たる操船装置に加えて、船体に危険が加わった時にこの危険を緊急に回避するために船体の動きを急速に停止させる、および船体を急速に回頭させるという緊急な操縦を行う本発明の対象であるジョイスティック型の操船装置21が設けてある。
【0021】
図3は同実施の形態において操船装置の構成を模式的に示す図で、(a)は操作盤を示す平面図、(b)は装置全体を示している。操船装置21は操作盤22と制御器23とを有している。操作盤22には、レバー31、緊急停止押し釦32,旋回ダイアル33、および緊急回頭押し釦34が設けてある。レバー31は船体1の前進、後進およびその移動量を設定する第1の船体操作手段の一例で、基端を支点として船体前側および跡側に向けて傾倒させることが可能に設けられている。すなわち、レバー31は制御器32との組み合せにより前側また後側へ傾倒する向きに応じて船体1が前進または後進して、その傾倒角度に応じた速度で船体1が移動し、垂直な中立位置では船体1の移動が停止するように船体1を操縦するものである。緊急停止押し釦32は船体1の前進、後進を急速に停止時に操作する第1の緊急操作手段の一例で、例えばレバー31の上端に設けられてレバー31の操作中に迅速に押圧操作できて緊急停止に対処できるようになっており、押圧操作により制御器32に対して緊急停止の信号を出力するようになっている。
【0022】
旋回ダイアル33は船体1の回頭およびその移動量を設定する第2の船体操作手段の一例であり、船体前側に向かう線を中立停止位置として、そこから船体左側および右側に向けて旋回可能に設けられている。すなわち、旋回ダイアル33は制御器23との組み合せにより旋回する方向に応じて船体1が左側または右側に向けて回頭し、その旋回角度に応じた速度で船体1が旋回し、中立位置では船体1の移動が停止するように船体1を操縦するものである。緊急回頭押し釦34は、船体1を緊急に旋回させる操作を行う第2の緊急操作手段の一例で、操作盤3に設けられて押圧操作により制御器32に対して緊急回頭の信号を出力するようになっている。
【0023】
制御器23は操作盤22に設けられた各操作手段であるレバー31、緊急停止押し釦32,旋回ダイアル33、および緊急回頭押し釦34の操作による設定を受けて各コントローラである推進プロペラ翼角度コントローラ11、舵コントローラ12、主機関コントローラ13およびバウスラスタコントローラ14に対して指令する信号を出力する。
【0024】
そして、制御器23は次に述べる動作を行うようになっている。すなわち、制御器は、通常はレバー31(第1の船体操作手段)の操作に基づいて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を制御する信号を出力し、主機関コントローラ13に対してその回転数(推進プロペラ2の回転数)を制御する信号を出力する。また、緊急停止押し釦32(第1の緊急操作手段)を操作した時に、推進プロペラコント翼角度ローラ11に対してこのコントローラ11に設けられた推進プロペラ2の回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態でレバー31の操作により推進プロペラ用の推進プロペラ翼角度コントローラ11および主機関コントローラ13に対して推進プロペラ2の回転数および翼角度を保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力する。
【0025】
さらに、制御器23は、通常は旋回ダイアル33(第2の操作手段)の旋回動作に基づいて推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大に制御する信号を夫々出力する。また、緊急回頭押し釦34(第2の緊急操作手段)を操作した時に、レバー31(第1の船体操作手段)の操作により推進プロペラコントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力するとともに、舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大に制御する信号を出力する。
【0026】
主たる操船装置は普段の船体1の動きを操縦する。前記のように構成され操船装置21は船体1を急速に停止および回頭させる操作を行う。この操作について図4ないし図6を参照して説明する。
【0027】
船体1を停止させる操作について図4および図5を参照して説明する。まず、緊急停止押し釦を操作しないで船体を停止させる通常の操作について説明する。図4はこの場合の動作を示す説明図であり、図4(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図4(b)は主機関および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0028】
船体1を急速に停止させる場合には、現在移動している船体1の向き(前進、後進)と反対向きの推進力を得るように逆向きに推進プロペラ2を所定に回転数で回転する。レバー31を所定の向きに最大角度傾倒する操作を行う。このレバー31の操作による設定を受けて制御器23は、推進プロペラ用のコントローラの一つである推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を制御する信号を出力し、且つ推進プロペラ用のコントローラの他の一つである主機関コントローラ13に対して推進プロペラ2の回転数を制御する信号を出力する。この場合、推進プロペラ翼角度コントローラ11はこれに設けられた保護回路により推進プロペラ2の通常最大翼角度が設定されているために、図4(b)の下段の線図に示すようにその制限の範囲内での推進プロペラ2の最大翼角度を制御する。この線図でt1はレバー操作により最大翼角度に達するまでの時間である。また、主機関コントローラ13はこれに設けられた保護回路により主機関4の通常最大回転数(推進プロペラ2の通常最大回転数)が設定されているために、図4(b)の上段の線図に示すようにその制限の範囲内で推進プロペラ2の最大回転数に制御する。このように推進プロペラ2は各コントローラ11、13に設けられた保護回路が設定した制限(安全率の最大限値より低い値)内で通常翼角度および通常回転数が制御され、船体1はこの推進プロペラ2に基づいた速さで船体1が停止される。
【0029】
緊急停止押し釦32を操作して船体を緊急に停止させる場合の操作について説明する。図5はこの場合の動作を示す説明図であり、図5(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図5(b)は主機関および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0030】
船体を緊急に停止させる場合には緊急停止押し釦32を押圧操作する。この釦32の操作による設定を受けた制御器23は、推進プロペラ翼角度コントローラ11および主機関コントローラ13に対して夫々に設けられている各保護回路を一時的にキャンセルすることを指示する信号を出力する。そして、家訓コントローラ11,13の保護回路を解除した状態でレバー31を必要とする向きへ最大角度で傾倒する。レバー31の操作を受けた制御器23は、推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラの翼角度を安全率の枠内で最大となるように制御する(保護回路により制限された最大翼角度より大きい翼角度に制御する)信号を出力し、且つ主機関コントローラ13に対して主機関4の回転数を安全率の枠内で最大となるように制御する(保護回路により制限された最大回転数より大きい回転数に制御する)信号を出力する。これにより推進プロペラ翼角度コントローラ11は図5(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ2の翼角度を保護回路により制限された翼角度より大きい翼角度に制御し、且つ主機関コントローラ13は図5(b)の上段に示すように保護回路により制限された回転数より大きい回転数に制御する。図5(b)の下段の線図においてt2は推進プロペラ2の翼角度が最大値に達する時間でt1より短い。これにより推進プロペラ2は通常翼角度および通常回転数より大きい安善率の枠内最大の翼角度および回転数で動作して船体1を通常の場合より速い緊急の速度で停止する。従って、船体1を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0031】
船体1を急速に回頭させる操作について図6よび図7を参照して説明する。緊急回頭押し釦34を操作しないで船体を回頭させる通常の操作について説明する。図6はこの場合の動作を示す説明図であり、図6(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図6(b)はバウスラスタ、舵および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0032】
旋回ダイアル33を所定の向きへ所定角度旋回させると、制御器23は旋回ダイアル33の操作による指令を受けて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさ(船体1が船体中心を中心として旋回できる大きさ)に制御する信号を出力し、また舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大の大きさ制御する信号を出力する。すなわち、制御器23は船体旋回時のモーメントバランスを考慮してバウスラスタ出力と推進プロペラ翼角度と舵角度出力との合計を算出している。これにより図6(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ翼角度コントローラ11は推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御し、図6(b)の中段の線図に示すように舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントを考慮した大きさに制御し、図6(a)の上段の線図に示すようにバウスラスタコントローラ14はバウスラスタ2に対して最大の翼角度に制御する。このようにしてプロペラの翼角度と舵角度と、バウスラスタ翼角度とにより互いに互いに逆向きの船体横方向の力を得て、船体1を船体中心を中心としてモーメントバランスを維持した通常の速度で回頭させる。
【0033】
緊急回頭押し釦を操作して船体を回頭させる操作について説明する。図7はこの場合の動作を示す説明図であり、図7(a)は操船装置からコントローラの信号の流れを示すブロック図、図7(b)はバウスラスタ、舵および推進プロペラの動作を示す線図である。
【0034】
船体を緊急に回頭させる場合には緊急回頭押し釦34を押圧操作する。この釦34の操作による設定を受けた制御器23はモーメントバランスを崩してでも船体1を通常の速度より速い速度で船体1を回頭させる作用を行う。すなわち、旋回ダイアル33を所定の向きへ所定角度旋回させると、制御器23は、旋回ダイアル33の操作による指令を受けて推進プロペラ翼角度コントローラ11に対して推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、また舵コントローラ12に対して舵3の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない(モーメントバランスを考慮した大きさより大きい)大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタコントローラ14に対してバウスラスタ5の翼角度を最大の大きさに制御する信号を出力する。すなわち、制御器23は船体旋回時のモーメントバランスを考慮しないでバウスラスタ出力と推進プロペラ翼角度と舵角度出力との合計による回頭トルクを算出する。これにより図7(b)の下段の線図に示すように推進プロペラ翼角度コントローラ11は推進プロペラ2の翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさより大きい値に制御し、図7(b)の中段の線図に示すように舵コントローラ12は舵3の角度を船体旋回時のモーメントを考慮した大きさより大きい値に制御し、図7(a)の上段の線図に示すようにバウスラスタコントローラ14はバウスラスタ2に対して最大の翼角度に制御する。このような推進プロペラの翼角度、舵角度およびバウスラスタ翼角度の組み合せにより船体1はモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭する。従って、船体1を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0035】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されず、種々変形して実施することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の操船装置によれば、第1の緊急操作手段を操作した時に、推進プロペラコントローラに対してこのコントローラに設けられた推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で第1の船体操作手段の操作により推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラの回転数および翼角度を保護回路の制限を超えた大きさに制御するので、船体を通常の場合より速い緊急の速度で停止させて船体を迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0037】
また、本発明の操船装置によれば、第2の緊急操作手段を操作した時に第1の船体操作手段の操作により推進プロペラ用のコントローラに対して推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、舵用のコントローラに対して舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、バウスラスタ用のコントローラに対してバウスラスタの翼角度を最大に制御するので、船体をモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭して迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【0038】
さらに、本発明の操船装置によれば、前述した両方の機能を組み合せることにより、船体を通常の場合より速い緊急の速度で停止させて船体を迫りくる危険から緊急に回避することができ、且つ船体をモーメントバランスを維持した通常の速度より速い速度で回頭して迫りくる危険から緊急に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における操船装置を搭載した船体を模式的に示す側面図。
【図2】同実施の形態における操船装置を搭載した船体を模式的に示す平面図。
【図3】同実施の形態における操船装置を模式的に示す図。
【図4】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図5】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図6】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【図7】同実施の形態における操船装置の動作を示す説明図。
【符号の説明】
1…船体、
2…推進プロペラ、
3…舵、
4…主機関、
5…バウスラスタ、
11…推進プロペラ翼角度コントローラ、
12…舵コントローラ、
13…主機関コントローラ、
14…バウスラスタコントローラ、
21…操船装置、
22…操作盤、
23…制御器、
31…レバー(第1の船体操作手段)、
32…緊急停止押し釦(第1の緊急操作手段)、
33…旋回ダイアル(第2の船体操作手段)、
34…緊急回頭押し釦(第2の緊急操作手段)。
Claims (3)
- 船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラ用のコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする操船装置。 - 船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の回頭およびその移動量を設定する船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する緊急操作手段と、
通常は前記船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記緊急操作手段を操作した時に、前記船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、さらにバウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする操船装置。 - 船体前後方向の推進力を得る可変ピッチプロペラからなる推進プロペラおよびこの推進プロペラの動き制御するコントローラと、舵およびこの舵の動きを制御するコントローラと、船体横方向推進力を得るプロペラを有するバウスラスタおよびこのバウスラスタの動きを制御するコントローラを備えた船体に装備された操船装置において、
船体の前進、後進およびその移動量を設定する第1の船体操作手段と、
船体の前進、後進を緊急に停止させる時に操作する第1の緊急操作手段と、船体の回頭およびその移動量を設定する第2の船体操作手段と、
船体を緊急に回頭させる時に操作する第2の緊急操作手段と、
通常は前記第1の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数およびおよび翼角度を制御する信号を出力し、且つ前記第1の緊急操作手段を操作した時に、前記推進プロペラコントローラに対してこのコントローラに設けられた前記推進プロペラの回転数および翼角度を制限する保護回路をキャンセルする信号を出力し、この状態で前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの回転数および翼角度を前記保護回路の制限を超えた大きさに制御する信号を出力し、
さらに通常は前記第2の船体操作手段の操作に基づいて前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮した大きさに制御する信号を、および前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を夫々出力し、且つ前記第2の緊急操作手段を操作した時に、前記第1の船体操作手段の操作により前記推進プロペラ用のコントローラに対して前記推進プロペラの翼角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力するとともに、前記舵用のコントローラに対して前記舵の角度を船体旋回時のモーメントバランスを考慮しない大きさに制御する信号を出力し、前記バウスラスタ用のコントローラに対して前記バウスラスタの翼角度を最大に制御する信号を出力する制御器とを具備することを特徴とする操船装置。
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