JPH0648327U - 電線管用継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋片のつまみが千切れる可能性を低減し、容
易に蓋片を取り外すことができる電線管用継手の提供。 【構成】 電線管を接続する接続部3 とボックスに取着
する取着部4 とを有し電線管とボックスの間に介挿され
て両者を連結せしめる継手本体1 と、継手本体1の取着
部4 に圧入される圧入部6 と圧入部6 が取着部4 へ落ち
込むのを防ぐ鍔7と圧入部6 を取着部4 から引き抜ける
ように鍔7 の周縁から突出するつまみ8 とを有する蓋片
5 と、を備える電線管用継手において、つまみ8 を複数
設けそれらを略等間隔に配置する構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電線管とボックスの間に介挿されて両者を連結せしめる電線管用継 手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電線管用継手は、図３乃至図４に示すように、電線管D とボックスB と を連結せしめる継手本体1 と、防塵用の蓋片5 とを備える。継手本体1 は、例え ばポリプロピレン等を材料とするもので、大略筒状をなす。また、継手本体1 は 、電線が挿通する挿通部2 と、電線管D を接続する接続部3 と、ボックスB に取 着する取着部4 とからなり、その接続部3 と取着部4 は、挿通部2 の一端と他端 に位置している。

【０００３】 接続部3 は、回動及び軸方向の移動が可能な状態で挿通部2 に支持される。こ の接続部3 は、軸方向の約半分が挿通部2 を覆い、残りの約半分が挿通部2 より 突出している。また、接続部3 は、その突出した部分の内周面に、径方向に変位 可能な複数の係止爪（図示せず）を有する。係止爪は、接続部3 が挿通部2 に対 してある位置（解除位置）をとるときは、挿通部2 の外周に押圧されて外方に拡 がり、別の位置（接続位置）をとるときは、押圧力が殆どなくなって内方に変位 し、可撓性を有する電線管D の外周溝に嵌まり込むのである。

【０００４】 取着部4 は、外周に雄螺子が刻設された雄螺子部4aと雌螺子を有するナット部 材4bとからなる。取着部4 は、ボックスB の側面に設けてあるノックアウト部Ba に雄螺子部4aを挿入し、ボックスB の内方からナット部材4bを螺合することによ り、ボックスB に取着する。

【０００５】 蓋片5 は、電線管D からボックスB への通線がなされるまでの間、継手本体1 に装着されてコンクリートや埃等の異物の侵入を防ぐものである。従って、通線 がなされれば取り外される。蓋片5 は、例えばポリエチレン等を材料としており 、圧入部6 と、鍔7 と、つまみ8 とを有する。圧入部6 は、円筒状をなし、継手 本体1 の取着部4 の雄螺子部4aに圧入される。鍔7 は、圧入部6 の一端に円板状 をなして連設され、取着部4 の雄螺子部4aの縁に係止して圧入部6 が雄螺子部4a の内部に落ち込むのを防ぐ。つまみ8 は、圧入部6 を取着部4 の雄螺子部4aから 引き抜くためのもので、舌片状をなし、鍔7 の周縁から軸方向に突出する。

【０００６】 ところで、ボックスB は、例えばコンクリート壁内に埋設されてコンセントを 収容する等の機能を有するもので、金属等を材料とする一面が開口した箱体をな し、他の面には電線管D 等を接続するための複数のノックアウト部Baを有する。 また、ボックスB の開口面には、中央にコンセント取着部Kaを有する平板状のカ バーK が取り付けられている。コンセント取着部Kaは、円を引き延ばした様な形 状をなして突出しており、その周縁を残して内方が開口している。蓋片5 を取り 外す作業は、通常、継手本体1 が電線管D とボックスB を連結せしめた状態で、 カバーK の開口部から蓋片5 のつまみ8 をペンチP で挟んで引っ張ることにより なされる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述の電線管用継手は、蓋片を取り外すためにカバーの開口部 からつまみをペンチで引っ張った際、場合によってはつまみが千切れてしまい、 蓋片が取り外しにくくなるという問題点があった。すなわち、継手本体をボック スに取着したとき、蓋片のつまみがカバーの開口部に対してどこに位置するかは 不特定であり、カバーの開口部に対して遠い所に位置すれば、近い所に位置する 場合に比べてつまんで引っ張る作業が難しくなるのである。また、つまみをペン チで挟む際に、面積の広い面を挟むことができれば蓋片を取り外しやすいが、面 積の広い面の両端を挟まなければならないとき等は、不安定な挟み具合のために 強引な引っ張り方をし、その結果つまみが千切れたりすることもある。

【０００８】 本考案は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、蓋片の つまみが千切れる可能性を低減し、容易に蓋片を取り外すことができる電線管用 継手を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の電線管用継手は、電線管を接続する接続 部とボックスに取着する取着部とを有し電線管とボックスの間に介挿されて両者 を連結せしめる継手本体と、継手本体の取着部に圧入される圧入部と圧入部が取 着部へ落ち込むのを防ぐ鍔と圧入部を取着部から引き抜けるように鍔の周縁から 突出するつまみとを有する蓋片と、を備える電線管用継手において、前記つまみ を複数設けそれらを略等間隔に配置する構成としている。

【００１０】

【作用】

この構成によれば、複数のつまみを蓋片の鍔の周縁に等間隔に設けるので、あ るつまみがペンチで引っ張りにくい所に位置しても、別のつまみが引っ張りやす い所に位置するようになる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図２に基づいて説明する。本考案の電線管 用継手は、継手本体1 と、蓋片5 とを備えている。継手本体1 は、従来例と同様 のもので、挿通部2 と接続部3 と取着部4 とからなる。また、取着部4 は、雄螺 子部4aとナット部材4bとで構成されている。

【００１２】 蓋片5 は、基本的な機能が従来例と同じであり、圧入部6 と鍔7 とつまみ8 と を有している。つまみ8 は、４個の舌片状のものが鍔7 の周縁に等間隔、すなわ ち、ある中心線の両端とその中心線に直角に交わる中心線の両端とに設けられ、 軸方向に突出している。そのようにつまみ8 が配置されることにより、蓋片5 を 装着した継手本体1 がボックスB に取着したとき、蓋片5 のあるひとつのつまみ 8 がボックスB のカバーK の開口部から遠い位置にあっても、別のつまみ8 が開 口部に近い所に位置する。

【００１３】 以下、この電線管用継手の使用状態を説明する。まず、蓋片5 を装着した継手 本体1 の取着部4 をボックスB に取着し、ボックスB にカバーK を取り付ける。 次に、継手本体1 の接続部3 に電線管D を接続する。次に、それらをコンクリー ト内に埋設する場合は、取付具等を用いてボックスB を鉄筋に取り付け、ボック スB のカバーK に型枠を当接させてコンクリートを打設する。そして、ペンチP を用いて蓋片5 を取り外すことにより、電線管D から電線を引き出してカバーK に取り付けられるコンセント等と結線することができる。

【００１４】 ペンチP で蓋片5 を取り外す作業は、詳しくは、カバーK の開口部からペンチ P を差し入れ、蓋片5 のつまみ8 を挟んで引っ張ることにより行われる。その際 、４個のつまみが蓋片5 の鍔7 の周縁に等間隔に配置されているので、カバーK の開口部に対して一番近い所にあるつまみ8 を挟んで引っ張れば、遠い所にある つまみ8 を引っ張るよりも蓋片5 が取り外し易い。従って、つまみ8 が千切れる 可能性も低くなる。また、つまみ8 を引っ張るとき、その面積の広い面を挟んで 引っ張ることができれば蓋片5 を取り外し易く、つまみ8 が複数あれば、広い面 を挟める位置にある確率が高い。

【００１５】 なお、蓋片のつまみは、４個に限らず、複数であればよい。例えば、２個のつ まみを設けて、それらを蓋片の鍔の周縁に対向させて配置してもよいし、つまみ を５個設けて、略正五角形の頂点に位置するように配置してもよい。また、つま みの形状は、例えば、強度を高めるために肉厚にしてもよい。また、蓋片の圧入 部は、圧入先の形状に合わせればよい。また、蓋片の鍔は、円筒状に限らず、圧 入部から突出して圧入部の落ち込みを防げるものであればよい。さらに、本考案 における電線管用継手の蓋片は、例えば、電線管接続部と開口部とを有し、開口 部を壁面や型枠等に当接させて電線の引き込みを可能にする電線引き込み継手に も利用できる。

【００１６】

【考案の効果】 本考案の電線管用継手は、複数のつまみを蓋片の鍔の周縁に等間隔に設けるの で、あるつまみがペンチで引っ張りにくい所に位置しても、別のつまみが引っ張 りやすい所に位置するようになる。従って、蓋片の取り外しが容易に行えて、つ まみが千切れる可能性が低減する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】その使用状態を示す斜視図である。

【図３】本考案の従来例を示す分解斜視図である。

【図４】その使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

1 継手本体 3 接続部 4 取着部 5 蓋片 6 圧入部 7 鍔 8 つまみ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電線管を接続する接続部とボックスに取
   着する取着部とを有し電線管とボックスの間に介挿され
   て両者を連結せしめる継手本体と、継手本体の取着部に
   圧入される圧入部と圧入部が取着部へ落ち込むのを防ぐ
   鍔と圧入部を取着部から引き抜けるように鍔の周縁から
   突出するつまみとを有する蓋片と、を備える電線管用継
   手において、前記つまみを複数設けそれらを略等間隔に
   配置することを特徴とする電線管用継手。