JPH0514660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、可撓電線管と電線ボツクスを始めと
する被接続体とを接続するための接続具に関す
る。

〔従来技術〕

この種の接続具としては、可撓電線管を簡単な
操作で確実に電線ボツクスに接続させるための
種々のものが提供されているが、何れの場合も、
一旦可撓電線管を接続具に接続させると、もはや
可撓電線管の取外しが困難になるか、或いは面倒
になるか、どちらかの状態になる。このため、工
事現場で可撓電線管を接続具を介して電線ボツク
ス等に接続するのに際して、例えば可撓電線管を
実際使用する長さより長く或いは短く切断してし
まつた場合、可撓電線管を接続具から取外すのが
非常に厄介となり、迅速な接続作業を行えないと
いう問題点があつた。

本考案は、かかる事情に鑑み、可撓電線管を接
続具に簡単な操作で確実に接続させることができ
るのは勿論のこと、一旦接続すると可撓電線管が
不慮に大きな力で引つ張られても容易に抜けない
という作用を発揮するものでありながら、可撓電
線管を接続具から意図的に取外すときには極めて
容易に取外すことができ、さらにこれら目的を達
した上で且つ可撓電線管内への生コンクリートを
始めとする流動物等の侵入を阻止した可撓電線管
用接続具を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、被接続
体に連結される筒状の第１接続具の周壁に、周方
向に所定間隔を開けて複数の係合孔を穿設すると
ともに、各係合孔間に位置する内壁面を膨出させ
てこの内壁面の内径を被接続体とは反対側の開口
部から第２接続具を介して挿入接続される可撓電
線管の外径よりわずかに大きくした管支持部を形
成し、且つ前記係合孔より被接続体側の内壁面を
前記可撓電線管の外周面と全周にわたつて当接す
るテーパ面に形成し、前記第２接続具は、環状の
基部に前記係合孔に対応する所定間隔に、前記第
１接続具における開口部と係合孔との間の周壁に
間隔を開けて遊嵌される腕部とこの腕部の先端に
形成され前記係合孔に係合される係合部とを具備
させるとともに、この係合部の先端面を、前記係
合孔にこの係合部が係合したときにその係合孔に
おける被接続体側の孔側面に対向し且つ前記基部
側へ外周側から内周側に向つて傾斜するように形
成し、前記腕部の内面に前記可撓電線管の谷部と
係合する係合爪を形成したものである。

〔作用〕

可撓電線管を第２接続具の基部内を挿通させて
腕部、係合部の内面に臨ませれば第２接続具の係
合爪を可撓電線管の谷部に係合させることができ
る。

また、第２接続具の係合部を第１接続具の周壁
内に挿入して係合孔に係合させれば第２接続具は
第１接続具に接続できる。

したがつて、第２接続具を第１接続具に接続し
た状態で、可撓電線管を第２接続具に挿入し係合
させれば、可撓電線管を第１接続具に接続でき
る。

また、この状態から第２接続具の基部を押圧す
れば、この第２接続具の係合部が、自身の先端面
の傾斜に沿つて第１接続具の係合孔の外周側周縁
に乗り上げることによつて拡開し、この状態で係
合爪と可撓電線管の谷部との係合関係を解除でき
る。

さらに、第１接続具の係合孔間に位置する周壁
面を膨出させて、この内壁面の内径を可撓電線管
の外径よりわずかに大きくしているので、第１接
続具内の可撓電線管のたわみ変形を阻止できる。

さらにまた、第１接続具の係合孔より被接続体
側内壁に形成したテーパ面に、挿入されてきた可
撓電線管が全周において当接し、可撓電線管内に
各接続具の外部から異物が侵入するのを阻止す
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。尚、第１図は分解斜視図、第２図は中心線
より上方が縦断面を、また中心線より下方が横断
面を示す断面説明図である。

図中１は電線ボツクスＡの側壁、２は小径筒状
部２１と大径筒状部２２とが一体に形成された樹
脂製の第１接続具であり、小径筒状部２１の外周
面にはねじ部２１ａが形成されていて前記電線ボ
ツクスＡの側壁１に穿設した孔１ａに差し込むこ
とにより電線ボツクスＡ内に突出できるようにな
つており、また、大径筒状部２２の周壁２２ａに
は、第３図にも示すように、矩形型の係合孔２３
が周方向の対向する２箇所に形成されている。こ
の係合孔２３の電線ボツクスＡ側の一方の孔側面
２３ａとこれと対向する他方の孔側面２３ｂは大
径筒状部２２の軸心方向と略直交する向きに形成
してある。

さらに、第１接続具２の２つの係合孔２３間に
位置する周壁２２ａにはその内壁面を膨出させて
この内壁面による内径を可撓電線管３の外径より
わずかに大径とした管支持部２４……が形成され
ている。また、第１接続具２の係合孔２３間に位
置する内壁部２２ａの外面は、前記管支持部２４
を内面側に膨出形成したことによる肉厚化を解消
して、成形時における歪等が起こらないようにす
るため陥没部２５……が形成されている。

さらに、第１接続具２の内周面中、前記係合孔
２３，２３よりも電線ボツクスＡ側の内壁には、
この電線ボツクスＡ側に縮径し可撓電線管３の外
周面と全周にわたつて当接するテーパ面２６が形
成されており、このテーパ面２６と可撓電線管３
の当接により、後述する第２接続具４を介してこ
の第１接続具２に挿入接続される可撓電線管３内
に、第１及び第２接続具２，４の外側から異物が
入り込まないよう、可撓電線管３の開口端３ａを
外部から隔離している。

なお、可撓電線管３は、樹脂製で且つ周壁部に
谷部３１と山部３２が軸方向に交互に形成されて
いる周知のものである。

４は樹脂製の第２接続具である。この第２接続
具４は、前記可撓電線管３を挿通させる環状の基
部４１の一側面に、前記第１接続具２の周壁２２
ａ内へ、第１接続具２の電線ボツクスＡ側とは反
対側の開口部２７から挿入させる腕部４２を、前
記各係合孔２３……の間隔と対応させて２個一体
突出形成してあるもので、各腕部４２……は前記
第１接続具２における開口部２７と係合孔２３と
の間の周壁２２ａに間隔を開けて遊嵌されるよう
に形成され、また、各腕部４２……の先端には前
記係合孔２３……と係合する係合部４３が一体形
成されている。これら各係合部４３……の先端面
４３ａ……は前記基部４１側へ外周側から内周側
に向つて傾斜したテーパ面に形成されている。そ
して、前記係合孔２３に係合部４３を係合したと
きには、この係合部４３の先端面４３ａが係合孔
２３の孔側面２３ａに対向するようになつてい
る。また、各係合部４３……の後面４３ｂ……
は、前記先端面４３ａ……のテーパ面と同一方向
に傾斜するように形成してある。更に、係合部４
３，４３の内面には、各々、可撓電線管３の谷部
３１に係合する一対の楔形状の係合爪４４，４４
が一体形成されていて、可撓電線管３の谷部３１
に係合爪４４，４４が係合するとこの可撓電線管
３の開口部２７側（図中矢符Ｂ側）へは抜けない
ようになつている。尚、第２接続具４の基部４１
は、第２図に示すように、第１接続具２の開口部
２７よりも外方に突出するように延出形成してあ
る。

５は第１接続具２を電線ボツクスＡの側壁１に
接続固定するためのロツクナツトであり、使用時
即ち電線接続時にはキヤツプ部５ｂを本体５ａか
ら切り離して両端開放の筒状とする。

このような構成において、可撓電線管３を第
１、第２接続具２，４を介して電線ボツクスＡに
接続する場合の一例を挙げると、先ず第２接続具
４の腕部４２……を第１接続具２の大径筒状部２
２内に挿入した上、腕部４２……の先端の係合部
４３……を夫々第１接続具２の係合穴２３……に
係合させる。次いで可撓電線管３の第２接続具４
の基部４１内から腕部４２……間を通して、可撓
電線管４の谷部３１に第２接続具４の係合爪４
４，４４……を係合させる。しかる後、第１接続
具２の小径筒状部２１を電線ボツクスＡの側壁１
の孔１ａに通して電線ボツクスＡ内に突出させ、
この小径筒状部２１のねじ部２１ａにロツクナツ
ト５を螺合させて、第１接続具２を電線ボツクス
Ａの側壁１に固定させるのである。

このように、可撓電線管３の第２接続具４への
接続、および第２接続具４の第１接続具２への接
続は、全て挿入作業のみでよく、極めて能率的に
作業を進めることができる。そして、可撓電線管
３を第２接続具４を介して第１接続具２に挿入接
続した段階において、可撓接続管３の最先端の山
部３２の外周面が、第２図にも示すように、全周
にわたつて第１接続具２内壁のテーパ面２６に当
接し、この当接によつて係合孔２３側から可撓電
線管３の開口部２ａ側への生コンクリート等の異
物の侵入が防止される。しかも、可撓電線管３が
第１、第２接続具２，４を介して電線ボツクスＡ
の側壁１に接続されると、仮に可撓電線管３に矢
印Ｂ方向の引張力が作用しても、係合部４３……
の後面４３ｂ……がテーパ面になつているため、
可撓電線管３の引張により各係合部４３……が内
方に縮径変位を起こして、各係合爪４４……の可
撓電線管谷部３１への係合が更に一層強固とな
り、可撓電線管３の抜脱を確実に防止できる。

また、この可撓電線管３に作用する引張力が大
きな場合、各腕部４２が存在しない部分において
第１接続具２の内壁と可撓電線管３間に空間が存
すると、各係合部４３の内方への縮径変位が大き
くなり、これに追随するように可動電線管３が、
前記空間へたわみ変形して、係合孔２３と係合部
４３との係合関係を解除して、第１接続具２から
可撓電線管２を係合したまま第２接続具４が抜け
てしまうことになるが、前記空間に膨出する管支
持部２４を形成しているので、そのためみ変形が
阻止でき、こうしたたわみによる可撓電線管３の
抜脱を確実に防止できる。

また、工事現場において可撓電線管３の長さ寸
法を誤つて切断してしまい、可撓電線管３を抜脱
したい場合には、第２接続具４の基部４１を図中
Ｃ方向に押圧すればよい。そうすれば、各係合部
４３……は、テーパとした先端面４３ａが第２接
続具４の係合孔２３……の孔側面２３ａ……に沿
つて外方に摺動し、その結果係合部４３が拡径変
位を起こし、各係合爪４４……は可撓電線管３の
谷部３１から離脱して、可撓電線管３を容易に引
抜くことができる。このように、可撓電線管３の
引抜きも、第２接続具４の基部４１の押圧操作に
よつて、簡単に引抜くことができ、接続作業の修
正を容易に行うことができる。

尚、前記実施例では、各係合部４３の後面４３
ｂをテーパ形成するようにしたが、本考案はこの
ような場合に限らず、各係合部４３の後面を係合
穴２３の他方の孔側面２３ｂと平行になるように
形成したものでもよい。

この場合、可撓電線管３に、抜き方向の大きな
引張力が作用すると、各係合爪４４……から離脱
しようとする可撓電線管３自体がたわみ変形しよ
うとするが、そのたわみを管支持部２４で阻止し
て、可撓電線管３の抜脱を確実に防止できる。

また、前記実施例では、係合爪４４を腕部４２
の先端である係合部４３の内面に形成するように
したが、本考案はこのような場合に限らず、腕部
４２の付根付近に係合爪４４を形成するようにし
てもよく、また各係合部４３の内面と各腕部４２
の付根付近に夫々係合爪を形成するようにしても
よい。

また、前記実施例では、第１接続具２の小径筒
状部２１のねじ部２１ａにロツクナツト５を螺合
させることによつてこの第１接続具２を電線ボツ
クスＡに連結しているが、こうした連結構造が
種々設計変更しうるものであることはいうまでも
ない。また、第４図に示すように、第１接続具を
連結する対象Ｘは必ずしも電線ボツクスでなくて
もよく、建造物の壁面等の他の被接続体であつて
もよい。そして、その連結構造は上述したように
種々に設計変更することが可能であり、場合によ
つては第１接続具と被連結体が一体的に形成され
ていても差支えない。尚、上記第４図において第
２図と対応する部位には同一符号を付している。

更に、前記実施例では、腕部４２及び係合部４
３を２箇所に形成したが、本考案はこのような場
合に限らず、３箇所以上に亘つて形成し、また、
同様に管支持部を３箇所以上に亘つて設けてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によれば、可撓電線管の
接続具への接続作業を挿入作業のみで極めて能率
的に行うことができ、しかも可撓電線管の抜止め
も確実に行える。

また、接続されている可撓電線管に大きな引張
力が加わつた場合においても、管支持部によつて
可撓電線管自体のたわみ変形が阻止され、可撓電
線管の抜脱を確実に防止できる。

さらに、工事現場において、可撓電線管を接続
具から離脱させたい事態が生じても、第２接続具
の基部を被接続体側に押圧すれば、可撓電線管を
第２接続具から容易に引抜くことができ、工事現
場で接続の修正を行う場合にも、これを容易且つ
迅速に行うことができる。

さらにまた、第１接続具の内壁に形成したテー
パ面が、第２接続具を介して第１接続具に挿入接
続された可撓電線管の外周面と当接して、この当
接部内外を隔離しているから、生コンクリート等
が係合孔等から第１接続具内に入り込んでも、可
撓電線管内へは侵入せず電線の保護を確実に行な
えるという効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、第１図は分解斜視図、第２図は断面説明図、
第３図は接続時において第２接続具に係合爪を形
成した部分を軸方向に直交する方向に切断した断
面図、第４図は他の実施例を示す断面説明図であ
る。 Ａ……被接続体、２……第１接続具、３……可
撓電線管、４……第２接続具、２２ａ……第１接
続具の周壁、２３……係合孔、２３ａ……係合孔
の孔側面、２４……管支持部、２６……テーパ
面、２７……開口部、３１……可撓電線管の谷
部、４１……第２接続具の基部、４２……腕部、
４３……係合部、４３ａ……係合部の先端面、４
４……係合爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被接続体Ａに連結される筒状の第１接続具２の
   周壁２２ａに、周方向に所定間隔を開けて複数の
   係合孔２３を穿設するとともに、各係合孔２３間
   に位置する内壁面を膨出させてこの内壁面の内径
   を被接続体Ａとは反対側の開口部２７から第２接
   続具４を介して挿入接続される可撓電線管３の外
   径よりわずかに大きくした管支持部２４を形成
   し、且つ前記係合孔２３より被接続体Ａ側の内壁
   面を前記可撓電線管３の外周面と全周にわたつて
   当接するテーパ面２６に形成し、前記第２接続具
   ４は、環状の基部４１に前記係合孔２３に対応す
   る所定間隔に、前記第１接続具２における開口部
   ２７と係合孔２３との間の周壁２２ａに間隔を開
   けて遊嵌される腕部４２とこの腕部４２の先端に
   形成され前記係合孔２３に係合される係合部４３
   とを具備させるとともに、この係合部４３の先端
   面４３ａを、前記係合孔２３にこの係合部４３が
   係合したときにその係合孔２３における被接続体
   Ａ側の孔側面２３ａに対向し且つ前記基部４１側
   へ外周側から内周側に向つて傾斜するように形成
   し、前記腕部４２の内面に前記可撓電線管３の谷
   部３１と係合する係合爪４４を形成してなること
   を特徴とする可撓電線管用接続具。