JPH0648227B2 - 液圧回路の液漏れチェック方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ブラダ型アキュムレータを配設した液圧回
路の液漏れチェック方法に関するものである。

従来の技術 液圧回路には、エネルギの蓄積や脈動吸収などを行うた
めのアキュムレータや液体を圧送するためのポンプなど
のアクチュエータが配設されているが、このアクチュエ
ータの摩耗等により液漏れが生じることがある。

そこで、従来、この液漏れを発見するため作業員が目視
によりアクチュエータのシール部やスピードの点検を行
っている。

発明が解決しようとする問題点 従来例の液漏れチェック方法は、前述のようにアクチュ
エータの全てを目視により点検しているので、その点検
の都度、多くの時間を必要とする。また、目視点検のた
め、わずかの液漏れは見逃すことがあり、必ずしも正確
にチェックすることができない。

この発明は、上記事情に鑑み、簡単にしかも正確に液漏
れチェックを行うことを目的とする。

問題点を解決するための手段 この発明は、液漏れしない正常状態のブラダ型アキュム
レータの気体室の第１基準圧から第２基準圧まで変化す
るに要する標準の時間を設定し、その後経時使用した状
態の前記アキュムレータの前記変化に要した時間を測定
し、該測定した時間と前記標準の時間とを比較する液圧
回路の液漏れチェック方法であって、また、前記気体室
に圧力センサと温度センサとを配設し、該圧力センサの
測定値を該温度センサの測定温度により補正することを
特徴とする液圧回路の液漏れチェック方法である。

作用 例えば、液漏れしない正常状態におけるブラダ型アキュ
ムレータの最低使用圧力を第１基準圧とし、最高使用圧
力を第２基準圧とし、液圧回路へ所定量ずつ液体を圧送
し、アキュムレータが第１基準圧から第２基準圧まで変
化するに要した時間を標準の時間とする。

そして、第１基準圧時におけるアキュムレータに所定量
ずつ液体を圧送し第１基準圧に到達せしめ、その間の時
間を測定する。

この測定した時間と標準の時間とを比較し、その間に差
がなければ液漏れがなく、また、差があれば液漏れが生
じていることになる。

実施例 この発明の実施例を添付図面により説明するが同一図面
符号はその名称も機能も同一である。

この発明においては、液圧の衝撃波、脈動などによる影
響を受けないように、気体室に圧力センサを設けガス圧
を測定する。

このようにすると、圧力センサは液圧の衝撃波、脈動な
どによる影響を受けないので、アキュムレータの圧力を
正確に測定できる。

アキュムレータ１内は、ブラダ２により気体室３と液体
室４とに仕切られている。

気体室３には圧力センサ（図示省略）が設けられ、この
圧力センサは、処理装置、例えば、コンピュータＣＯＭ
に接続され、このコンピュータＣＯＭは、温度測定器
９、時間測定器１０にも接続されている。

気体室３は、所定圧のガスが封入され、そのガス温度変
化は、温度測定器９により測定され、コンピュータに入
力される。

液体室４は、液槽６を備えた液圧回路７に接続され、ま
た、この液圧回路７には、モータ１１付ポンプ８、チェ
ックバルブ１２が順次直列に配設されている。

次に、この実施例の作動につき説明するが、まず初め
に、アキュムレータの圧力を次第に高めながらチェック
する方法について述べる。

液漏れのしない正常状態におけるアキュムレータのブラ
ダ２内に所定量のガスを充填してしてブラダ２を２Ａの
状態まで膨張させ、液体室４内の液体を全部液圧回路７
に排出し、ブラダ２内の圧力の１．２倍をアキュムレー
タの第１基準圧とする。次にモータ１１を駆動させてポ
ンプ８を作動させ液槽６内の液体を所定量ずつ液圧回路
７に圧送すると、液圧がガス圧より大きくなり、ブラダ
２Ａは次第に押し上げられ、気体室内のガス圧が次第に
大きくなる。

そして、ブラダ２が鎖線に示す位置に到達した時、即
ち、最高使用圧力に達した時の圧力を第２基準圧とす
る。そして、第１基準圧から第２基準圧まで変化するに
要する標準の時間を設定する。

次に、作業開始時または、作業中に圧力センサ５により
気体室３のガス圧を測定し、該ガス圧が第１基準圧にな
るとコンピュータＣＯＭの指示により時間測定器１０が
始動する。

そして、更にガス圧が高くなり圧力センサ５の測定値が
第２基準圧になると、時間測定器１０により、測定した
時間がコンピュータＣＯＭに入力され、そこで、この測
定した時間と標準の時間とが比較される。

そして、両時間の間に差がない時は、液漏れがない旨の
表示がなされ、また、その間に差があれば、即ち測定時
間が標準の時間より大きい場合には、液漏れしている旨
の表示がなされる。

なお、ボイル・シャルルの法則から明らかなように、ガ
ス圧力は温度により変化するという特質を利用し、温度
測定器９によりガス温度を随時測定し、この測定温度に
より圧力センサの測定圧力を補正する。これにより、よ
り正確なアキュムレータの圧力を求めることができる。

なお、液漏れ積算量（リーク量）は、第２図に示すよう
に、時間と共に変化するので、前記の時間差からそのリ
ーク量を求めることも可能である。また、前記実施例と
逆に、アキュムレータの圧力を次第に低下させながらチ
ェックする方法もあるが、この時は、前記と逆に、最高
使用圧力時の圧力を第１基準圧とし、液体室４内の液体
を全部液体回路７に排出した時のガス圧を第２基準圧と
し、前記と同様の要領でチェックすればよい。

第１基準圧と第２基準圧は、最高使用圧力とガス封入圧
力の間で使用されているどの圧力を使用しても同一結果
が得られる。

なお、最高使用圧力時の圧力を第１基準圧とし、液圧回
路７上の液槽６へもどる全てのバルブを閉とし、アキュ
ムレータの圧力を測定し温度センサの測定値によりその
測定圧力を補正しながらアキュムレータの圧力低下をチ
ェックすれば、閉じられたバルブのリーク量は、より明
確に求められる。このとき時間も求めれば、時間あたり
のリーク量が求められる。

発明の効果 この発明は、以上のように構成したので、標準時間と測
定した時間とを比較するだけで液圧回路の液漏れを正確
にかつ簡単にチェックすることができる。

また、気体室に圧力センサと温度センサとを配設したの
で、該圧力センサは液圧の衝撃波、脈動などの影響を受
けないため、アキュムレータの圧力を正確に測定でき
る。

また、温度センサの測定温度により圧力センサの測定圧
力を補正できるので、より正確なアキュムレータの圧力
を求めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例を示す平面図、第２図は、
リーク量と時間との関係を示す図である。 １……アキュムレータ ７……液圧回路 １０……時間測定器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 理人 静岡県清水市西久保415 日本アキュムレ ータ株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液漏れしない正常状態のブラダ型アキュム
   レータの気体室の第１基準圧から第２基準圧まで変化す
   るに要する標準の時間を設定し、その後経時使用した状
   態の前記アキュムレータの前記変化に要した時間を測定
   し、該測定した時間と前記標準の時間とを比較する液圧
   回路の液漏れチェック方法であって； 前記気体室に圧力センサと温度センサとを配設し、該圧
   力センサの測定値を該温度センサの測定温度により補正
   することを特徴とする液圧回路の液漏れチェック方法。
2. 【請求項２】第１基準圧が、第２基準圧より低いことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の液圧回路の液漏
   れチェック方法。
3. 【請求項３】第１基準圧が、第２基準圧より高いことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の液圧回路の液漏
   れチェック方法。
4. 【請求項４】第１基準圧から第２基準圧まで変化するに
   要した時間が、時間測定器により測定されることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の液圧回路の液漏れチ
   ェック方法。