JPH0647833A - 中空成形品 - Google Patents

中空成形品

Info

Publication number
JPH0647833A
JPH0647833A JP22533992A JP22533992A JPH0647833A JP H0647833 A JPH0647833 A JP H0647833A JP 22533992 A JP22533992 A JP 22533992A JP 22533992 A JP22533992 A JP 22533992A JP H0647833 A JPH0647833 A JP H0647833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow molded
elastomer
molded article
resin
hollow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22533992A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Washimi
武彦 鷲見
Teruo Tamada
輝雄 玉田
Tetsuya Fukumoto
哲也 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoraku Co Ltd
Original Assignee
Kyoraku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoraku Co Ltd filed Critical Kyoraku Co Ltd
Priority to JP22533992A priority Critical patent/JPH0647833A/ja
Publication of JPH0647833A publication Critical patent/JPH0647833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面外観の良好なブロー成形された中空成形
品を実現する。 【構成】 シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物
との少なくとも2種の重合成分を共重合してなる樹脂
と、粒状のエラストマーとからなる組成物をブロー成形
した中空成形品であって、前記樹脂100重量部に対し
て前記エラストマーの1〜30重量部が前記樹脂中に分
散され、しかもエラストマーは前記樹脂の流動開始点よ
り35℃高い温度におけるメルトフローレートが0.0
1〜5のものであり、前記中空成形品の表面の粗さは、
中心線平均粗さが0.6μm以上で最大高さが4.5μ
m以上とすることにより、中空成形の表面外観が良好と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面外観の良好なブロ
ー成形された中空成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機器や自動車部品等に合成樹
脂成形品が多用されているが、とりわけ電気機器のハウ
ジングや自動車内装部品には耐衝撃性、耐薬品性、成形
性等に優れたABS樹脂が使用されている。
【0003】そして、パリスンを金型内でブロー成形す
る中空成形品は、溶融樹脂を金型内で射出成形する射出
成形品に比べて、金型製作の面または成形設備の面で有
利であることから、ABS樹脂製中空成形品が注目され
ている。
【0004】ところが、ABS樹脂をブロー成形する
と、パリスンの溶融粘度また可塑化押出しの関係から、
ブロー成形特有のダイライン、フローマークなどパリス
ン表面状態に起因する外観不良が発生しやすく、外観特
性の要求される用途にはABS樹脂製中空成形品が使用
できなかった。
【0005】上記の問題を解消する手段としては、
[A]金型を改良する手段、[B]樹脂を改良する手
段、また[C]成形表面を塗装する手段が知られてい
る。
【0006】[A]の手段としては、シボを設けた金型
キャビティにて成形して外観不良を目立たなくする手段
が知られている。また[B]の手段としては、特開平4
−25431号公報に示されるように、有機シランを含
む共重合体を配合することにより平面光沢、平滑性、ブ
ロー成形性を改善する手段が知られている。
【0007】一方、パリスン表面状態に起因する外観不
良防止を目的とするものではないが、ABS樹脂の艶消
しを目的とし、特定のゴム質重合体をABS樹脂の共重
合体として使用する手段が特開昭62−96511号公
報に示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】[A]の手段は、外観
不良を目立ちにくくするものであり、パリスン表面状態
に起因する凹凸形状を根本的に解決することはできな
い。
【0009】[B]の手段である、特開平4−2543
1号公報に示された手段は、ブロー成形性の向上は認め
られるものの、表面光沢性が良好な反面、パリスン表面
状態に起因する凹凸形状が、かえって目立つ傾向にあ
る。
【0010】一方、特開昭62−96511号公報に示
された艶消しを目的とする組成物は、射出成形品には有
効であっても、射出成形に比べ成形時の樹脂溶融粘度、
成形圧力、また、樹脂と金型の境面に作用する応力が極
端に相違するブロー成形にあっては、パリスン表面状態
に起因する外観不良に対処できない。
【0011】[C]の手段は、成形後の後加工処理を必
要とすることから、繁雑であり中空成形品が高価となる
欠点がある。
【0012】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、表面外観の良好なブロ
ー成形された中空成形品を実現することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の中空成形品は、ABS系樹脂に、前記AB
S系樹脂の流動開始点より35℃高い温度におけるメル
トフローレートが0.01〜5であり、平均粒径が1μ
m以上であるエラストマーを、ABS系樹脂100重量
部に対して0.5〜30重量部の割合で添加した組成物
からなる中空成形品であって、前記中空成形品の表面粗
さは、中心線平均粗さが0.6μm以上で、最大高さが
4.5μm以上であることを特徴とするものである。
【0014】また、前記エラストマーは、スチレン系エ
ラストマーとすると効果的である。
【0015】
【作用】ABS系樹脂の100重量部に対し前記エラス
トマーを0.5〜30重量部とすることにより、中空成
形品の表面外観が良好なものとなる。エラストマーが
0.5重量部より少ないと中空成形品の表面外観を良好
とする効果が発揮できず、逆にエラストマーが30重量
部より多いと中空成形品の肉厚が不均一となり、また強
度に劣る。
【0016】また、前記ABS系樹脂の流動開始点より
35℃高い温度の範囲におけるエラストマーのメルトフ
ローレートが0.01〜5の範囲外では、中空成形品の
外観不良が発生し、肉厚が不均一となる。
【0017】本発明において、ABS系樹脂に特定のエ
ラストマーを特定の割合で添加することにより中空成形
品の表面外観が改善される理由は明確には判明していな
いが、押出機内にて溶融混練された材料が押出ヘッドよ
り押出されて内部応力の緩和がなされる際、ABS系樹
脂中に分散したエラストマーが、ABS系樹脂とは異な
る粘弾性的性質を有し、その粘弾性的な差によって、パ
リスン表面に部分的に、且つ不規則に発生するダイライ
ン、フローマークに起因する微小凹凸を打消す作用が働
き、パリスン表面全体に均一で且つ尖鋭的な微小凹凸が
発生する。そして、パリスンは、金型キャビティ面にブ
ロー圧力によって圧接される際、この微小凹凸によって
パリスンとキャビティ間のエアー抜きが良好となり、部
分的なエアー溜りを防止して中空成形品の表面外観が改
善されるものと推測される。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面に基いて説明する。
【0019】先ず、本発明の中空成形品を製造するため
のブロー成形方法について説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例の中空成形品を製
造するためのブロー成形機の模式斜視図であって、押出
機1により溶融した後述する熱可塑性合成樹脂をアキュ
ームレータ2に蓄積しておき、押出ヘッド3より筒状の
パリスン6を型開きした分割形式の一組の金型4,5間
に押出す。
【0021】ついで、パリスン6の下端を適宜手段によ
り閉鎖して溶着し、閉鎖部6aを形成したのち、パリス
ン6内へ加圧流体を導入してプリブローを行い、一方の
金型4のキャビティ4bの周囲に突設されている矩形状
のピンチオフ用突部4aからはみ出す大きさの偏平なプ
リブローされたパリスン7を形成する。
【0022】そののち、前記金型4,5を型締めして、
偏平なプリブローされたパリスン7を一方の金型4のピ
ンチオフ用凸部4aと他方の金型5の図示しないピンチ
オフ用凸部とで挟持し、パリスン7の周囲を溶着してピ
ンチオフ部8b(図2参照)を形成する。
【0023】ついで、前記プリブローされたパリスン7
内に吹込針等の吹込手段を用いて加圧流体を導入し、プ
リブローされたパリスン7を膨張させて前記金型4,5
のキャビティ4b内面に沿わせ膨らませ、中空部8aを
有する偏平な中空二重壁構造のハウジングパネル8をブ
ロー成形する。
【0024】冷却後、前記金型4,5を型開きして前記
ハウジングパネル8を取出し、その周端面に形成された
バリ7aを除去する。
【0025】上述のようにブロー成形された前記ハウジ
ングパネル8は、図3に示すようにその周端面にピンチ
オフ部8bが残るが、その両面にはピンチオフ部は発生
しない。
【0026】つぎに、本発明の中空成形品を構成する組
成物について説明する。
【0027】本発明におけるABS系樹脂とは、シアン
化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物との少なくとも2
種の重合成分を共重合してなる樹脂で、これらの樹脂に
他の重合成分と共重合したものや、他の樹脂をブレンド
したものである。
【0028】ここで、シアン化ビニル化合物としては、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルを用い、他
方、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、αメチル
スチレンを用いる。
【0029】ABS系樹脂としては、ABS(アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS(ア
クリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA(アクリ
ロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体)、AE
S(アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合
体)、ABS/PC(ABS樹脂とポリカーボネート樹
脂とのブレンド物であるポリマーアロイ)などがある。
【0030】本発明におけるエラストマーとは、前記A
BS系樹脂の流動開始点より35℃高い温度におけるメ
ルトフローレートが0.01〜5であり、ABS系樹脂
とは粘弾性的性質において異なるエラストマーが適宜選
択される。
【0031】特に、JIS−K6301に規定されるA
形の硬さが88以下で、ABS系樹脂との相溶性に優れ
たスチレン系エラストマーが好ましい。
【0032】エラストマーとしては、SEPS(スチレ
ン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体)、SE
BS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体)、SBS(スチレン−ブジエン−スチレン共重合
体)、MBS(メタクリレート−ブタジエン−スチレン
共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、B
R(ブタジエンゴム)などのスチレン系エラストマーの
ほか、MMA(メチル−メタクリレート樹脂)などのエ
ラストマーである。
【0033】本発明におけるエラストマーは、ABS系
樹脂の流動開始点より35℃高い温度におけるメルトフ
ローレートが0.01〜5であることを要件とする。こ
の要件は、組成物のブロー成形時の温度条件下における
エラストマーの粘性を示す指標となる。
【0034】本発明において、ABS系樹脂に添加され
る特定のエラストマーは、(1)ABS系樹脂の重合後
にニーダーや2軸押出機などにて混合する方法と、
(2)ABS系樹脂の重合時に添加して、その反応物を
共重合成分とし、未反応物を添加されたエラストマーと
する方法のいずれの方法によっても実施できる。
【0035】しかし、(2)重合時に添加する方法で
は、重合反応を制御して共重合成分である反応物と未反
応物との割合、また化学的結合状態を調整することが実
質的に困難であること、また、本来ABS系樹脂の備え
ている物理的特性、化学的特性を損なわず、ブロー成形
性に優れた組成物を得ることが困難なことから、(1)
の重合後に混合して添加する方法が好ましい。
【0036】なお、本発明において、特定されたエラス
トマーの重量部は、特定のメルトフロートレート値で、
且つ中空成形品中に分散したエラストマーの平均粒径が
1μm以上のもののみの割合を示すものであり、これ以
外のエラストマーは除外された割合を示す。そして、本
発明の効果の達成を妨げない範囲で、上記の特定事項の
範囲内に含まれないエラストマーを添加することができ
る。
【0037】本発明の中空成形品を達成する組成物は、
難燃剤、顔料、紫外線防止剤、帯電防止剤、無機充填剤
などを本発明の効果が損なわれない範囲で配合すること
ができる。
【0038】また、本発明の中空成形品は、上記組成物
が最外層に位置する共押出多層ブロー成形品であっても
よい。
【0039】本発明の中空成形品は、電気機器、電子楽
器、家具等を構成する中空二重壁構造のハウジングパネ
ル、複写機、コンピュータ、プリンタ、プロッター、デ
スクワゴン、キャビネット、ラック等のハウジングパネ
ルまたは、電子機器等の収納ケース、タンク、ダクト等
の自動車部品の用途がある。
【0040】本発明において、最も好適な中空成形品
は、マトリックス樹脂がABS樹脂であり、前記マトリ
ックス樹脂に平均粒径が1μm〜20μm(好ましくは
2μm〜15μm)でABS系樹脂の流動開始点より3
5℃高い温度のメルトフローレートが0.01〜5であ
る粒状のスチレン系エラストマーをABS系樹脂100
重量部に対して0.5〜30重量部(好ましくは1〜2
0重量部)均一に分散されており、中空成形品の表面の
粗さが、中心線平均粗さ0.6μm以上(好ましくは
1.0μm以上)、最大高さ4.5μm以上(好ましく
は9.0μm以上)、平均山間隔450μm以下(好ま
しくは250μm以下)である。図2に示すような偏平
な中空二重壁構造の無塗装ハウジングパネルである。
【0041】上記のようなハウジングパネルは、塗装を
することなく表面外観に優れ、且つ、肉厚が均一であ
り、ハウジングパネルとして要求される剛性、耐衝撃強
度、軽量性を満足することができる。
【0042】本発明の実施例と比較例について比較実験
を行ったので、その結果について説明する。
【0043】本実験における評価方法および表示記号の
意味は次の通りである。
【0044】(1)中空成形品の表面の粗さ測定 触針電気式粗さ測定機(東京精密社製.商品名「サーフ
コム470A」)を使用し、1中空成形品あたり、基準
長さ6.0mm,触針速度0.3mm/sで5箇所を測
定し、各データの平均値を示す。(カットオフ値0.8
mm) Ra:中心線平均粗さ Rt:最大高さ(μm) Sm:平均山間隔(μm) ここで、Ra,RtはJIS−B−0601によった。
【0045】(2)中空成形品の表面の目視観察 A:線状痕の認識ができない。 B:線状痕の認識が困難であるが、光源との角度によっ
ては、わずかに線状痕が認識できる。 C:ダイライン、フローマークなどの線状痕が明らかに
目立つ。
【0046】(3)ウエルド強度の測定 ウエルド部を中心として中空成形品の一部を切取り、ダ
ンベル試験にて断面積当りの引張強度を測定した。
【0047】◎:エラストマーを添加しないABS系樹
脂の強度に対して20%以内の低下を示す。 ○:同上の強度に対して50%以内の低下を示す。 ×:同上の強度に対して50%を越える低下を示す。
【0048】(4)成形性 パリスンを所定時間押出した後、押出ダイ先端よりパリ
スンを切断し、固化した後、パリスンの押出方向の上端
と下端との肉厚変化を測定し、ドローダウン性を評価し
た。
【0049】◎:10秒間押出して肉厚変化が30%以
下。 ○:5秒間押出して肉厚変化が30%以下。 ×:5秒間押出して肉厚変化が30%を越える。
【0050】(5)MFR(メルトフローレート) 高化式フローテスタを用いて樹脂Aの流動開始点を
測定した。(測定条件、昇温法、荷重85kg/cm
2 、穴径×穴長:1×10mm、流量2×10-3cc/
sec時の温度) JISK−7210に規定された押出型プラストメ
ータを用いて、上記測定結果である「マトリックス樹脂
の流動開始点」で、かつ、荷重2.16kgでエラスト
マーを押出し、押出された量を10分間当たりのグラム
数に換算して表わした数値である。
【0051】(6)実験に使用したABS系樹脂は表1
に示すとおりである。また、それぞれのマトリックス樹
脂の成形温度は流動開始点より35℃高い温度で行っ
た。
【0052】
【表1】 (7)実験に使用したエラストマーを表2に示す。ま
た、表2に示すメルトフローレート(MFR)はABS
系樹脂の流動開始点より35℃高い温度での値を示す。
【0053】
【表2】 (8)各実験例で使用した金型、成形方法および中空成
形品の形状は次のとおりである。
【0054】金型:実験例1乃至実験例6は、 キャビティの表面粗さ:最大高さ0.4μmの鏡面仕上
げしたもの(シボなし)。 実験例7は、最大高さRtが40μmのエンボス状シボ
を形成したもの。ただし、実験例1乃至7に使用した金
型は、そのキャビティの周囲に突状のピンチオフ用凸部
が突設されている。
【0055】成形方法:次の〜の工程を順次行う。
【0056】樹脂組成物をスクリュー径90mmの押
出機にて溶融したのち、アキュームレータ内に溶融樹脂
を蓄積する。 ついで押出ヘッドより筒状のパリスンとして押出した
後、パリスン下端を閉鎖してプリブローし、パリスンを
分割形式の金型間に配置する。 型締してパリスンをピンチオフ用突部にて挟持する。 パリスン内に7kg/cm2 の圧縮空気を導入してパ
リスンを膨張させる。 中空成形品を型内で冷却後、型開きし、中空成形品を
取出し、ピンチオフ部のバリを除去する。
【0057】(9)成形品の形状:中空二重壁構造のハ
ウジングパネル 周端面にウエルド部(金型のピンチオフ用凸部にて圧縮
溶着されて形成されたもの) 寸法:縦650mm×横350mm×幅30mm 平均
肉厚:2.5mm 各実験例はそれぞれ次に説明する事項の証明のために行
ったものであり、各評価結果を表3および表4に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】 実験例1は、ABS樹脂にゴム質重合体を添加しない場
合と添加する場合とでは、中空成形品の表面の状態が異
なることを示している。
【0060】図5に、実験例1のNo.2の中空成形品
の表面の粗さ測定結果を示す。
【0061】実験例2は、ゴム質重合体のなかでも、添
加剤の種類により評価が異なることを示している。とり
わけ、SEPSおよびSEBSが優れた外観良好性を示
す。
【0062】図4に、実験例2のNo.1の中空成形品
の表面の粗さ測定結果を示す。
【0063】実験例3は、エラストマーの添加量による
表面状態の変化を示す。
【0064】実験例4は、添加したゴム質重合体のMF
Rによって評価が異なることを示している。
【0065】すなわち、MFRが0.01〜5の範囲外
では外観不良が発生することを示している。
【0066】実験例5は、ABS系樹脂はABS樹脂以
外の「シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物との
共重合樹脂」であっても本発明は有効であることを示し
ている。
【0067】実験例6は、添加したエラストマーの平均
粒径の値によって評価が異なることを示している。とり
わけ、エラストマーの平均粒径が2μmのものが優れた
外観良好性を示す。
【0068】実験例7は、本発明の中空成形品の表面状
態は、単に微小凹凸形状(シボ)を形成した金型キャビ
ティを再現した金型を用いても達成されないこと。ま
た、シボを形成した金型キャビティにて成形した中空成
形品であっても、特定の添加剤を配合すると本発明の効
果は達成されることを示している。
【0069】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0070】中空成形品の表面に均一な、ある種のシボ
ともいえる最大高さ4.5μm以上の微小凹凸が形成さ
れているため、ダイライン、フローマーク、サメ肌、異
物等に起因する中空成形品の外観不良が発生しない。
【0071】また、ブロー成形時においてパリスンと金
型キャビティ間のエアー抜けが良好となり、金型に真空
吸引孔を設けた場合でも真空吸引孔による傷跡が目立た
ず、また、局部的なエアー溜りも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空成形品を製造するためのブロー成
形機の模式斜視図である。
【図2】型開きした金型より取出したときの本発明に係
る中空成形品の一部を破断して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る中空成形品をハウジングパネルに
用いた複写機の斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の中空成形品の表面の状態を
示すグラフである。
【図5】比較例の中空成形品の表面の状態を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 押出機 2 アキュームレータ 3 押出ヘッド 4,5 金型 4a ピンチオフ用凸部 4b キャビティ 6 パリスン 6a 閉鎖部 7 プリブローされたパリスン 7a バリ 8 ハウジングパネル 8a 中空部 8b ピンチオフ部 9 複写機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:30 4F 31:34 4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABS系樹脂に、前記ABS系樹脂の流
    動開始点より35℃高い温度におけるメルトフローレー
    トが0.01〜5であり、平均粒径が1μm以上である
    エラストマーを、ABS系樹脂100重量部に対して
    0.5〜30重量部の割合で添加した組成物からなる中
    空成形品であって、 前記中空成形品の表面粗さは、中心線平均粗さが0.6
    μm以上で、最大高さが4.5μm以上であることを特
    徴とする中空成形品。
  2. 【請求項2】 中空成形品の表面粗さにおける平均山間
    隔が450μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の中空成形品。
  3. 【請求項3】 エラストマーはスチレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の中空成形
    品。
  4. 【請求項4】 中空成形品が偏平な中空二重壁構造のハ
    ウジングパネルであることを特徴とする請求項1,2ま
    たは3記載の中空成形品。
JP22533992A 1992-07-31 1992-07-31 中空成形品 Pending JPH0647833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22533992A JPH0647833A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 中空成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22533992A JPH0647833A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 中空成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0647833A true JPH0647833A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16827804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22533992A Pending JPH0647833A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 中空成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0647833A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2409366A (en) * 2003-12-16 2005-06-22 Nokia Corp sealed casing for a mobile electronic device such as a mobile phone
JP2010241180A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Kyoraku Co Ltd 車両用軽量空調ダクト
US8123411B2 (en) 2007-03-27 2012-02-28 Ntn Corporation Sensor-equipped bearing for wheel

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2409366A (en) * 2003-12-16 2005-06-22 Nokia Corp sealed casing for a mobile electronic device such as a mobile phone
US7636589B2 (en) 2003-12-16 2009-12-22 Nokia Corporation Casing for an electronic device
US8123411B2 (en) 2007-03-27 2012-02-28 Ntn Corporation Sensor-equipped bearing for wheel
US8313242B2 (en) 2007-03-27 2012-11-20 Ntn Corporation Sensor-equipped bearing for wheel
JP2010241180A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Kyoraku Co Ltd 車両用軽量空調ダクト

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6096435A (en) Thermoplastic polymer composition having a thermoplastic elastic polymer and a block copolymer
US4914155A (en) Thermoplastic resin composition
EP2130869B1 (en) Polymer composition and moldings thereof
EP2604647A1 (en) Thermoplastic resin composition
JPH0647833A (ja) 中空成形品
JPH02212543A (ja) バンパー用樹脂組成物
US5124193A (en) Injection-molded product
JP2008202013A (ja) 自動車用樹脂外装部品
EP2233524B1 (en) Molded object and process for producing the same
JP2006175825A (ja) 複合成形体
KR102187566B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물 및 이의 성형품
JP3775546B2 (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP3250022B2 (ja) ブロー成形品
US6818302B2 (en) Laminate
EP3613804B1 (en) Thermoplastic resin composition, molded object, and production methods therefor
JPH1148317A (ja) 合成樹脂製中空成形体
JP2007290323A (ja) 射出成形体
JP2012052058A (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP2596904B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP4515784B2 (ja) 自動車外装用静電塗装用導電性樹脂組成物
JP2002338782A (ja) 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット
JP2002046224A (ja) 複合成形体
JP2672341B2 (ja) 塗装された自動車外装部材
CN114539685A (zh) 用于汽车内饰材料的复合树脂组合物和使用其的汽车内饰材料
JPH09194553A (ja) 成型品