JPH0647704B2 - 鋳造用アルミニウム合金 - Google Patents
鋳造用アルミニウム合金Info
- Publication number
- JPH0647704B2 JPH0647704B2 JP59256360A JP25636084A JPH0647704B2 JP H0647704 B2 JPH0647704 B2 JP H0647704B2 JP 59256360 A JP59256360 A JP 59256360A JP 25636084 A JP25636084 A JP 25636084A JP H0647704 B2 JPH0647704 B2 JP H0647704B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- casting
- alloy
- aluminum
- aluminum alloy
- titanium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Body Structure For Vehicles (AREA)
- Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鋳造用アルミニウム合金に関するものである。
詳しくは本発明はアルミニウム−マグネシウム系でかつ
表面処理性、鋳造性及び機械的性質の良好な鋳造用合金
に関するものである。
詳しくは本発明はアルミニウム−マグネシウム系でかつ
表面処理性、鋳造性及び機械的性質の良好な鋳造用合金
に関するものである。
一般にAC7Aに代表されるアルミニウム−マグネシウ
ム系鋳造用合金は、アルミニウム−銅系やアルミニウム
−ケイ素系等の鋳造用アルミニウム合金に比較して、優
れた耐食性、陽極酸化性および機械加工性等を有してい
る。
ム系鋳造用合金は、アルミニウム−銅系やアルミニウム
−ケイ素系等の鋳造用アルミニウム合金に比較して、優
れた耐食性、陽極酸化性および機械加工性等を有してい
る。
しかし、このアルミニウム−マグネシウム系鋳造用合金
は流動性が悪いことと、凝固温度範囲が広く、かつ凝固
収縮量が大きいので、鋳造時にガスポロシテイやミクロ
シユリンケージ等の鋳造欠陥を生じやすいという欠点が
ある。特に複雑な形状を有する鋳物では、溶湯が行きわ
たらない箇所や凝固の遅れる箇所に上記の鋳造欠陥を生
じ易いので、指向性凝固をより厳密に図らねばならず、
鋳型の設計を難しくしている。
は流動性が悪いことと、凝固温度範囲が広く、かつ凝固
収縮量が大きいので、鋳造時にガスポロシテイやミクロ
シユリンケージ等の鋳造欠陥を生じやすいという欠点が
ある。特に複雑な形状を有する鋳物では、溶湯が行きわ
たらない箇所や凝固の遅れる箇所に上記の鋳造欠陥を生
じ易いので、指向性凝固をより厳密に図らねばならず、
鋳型の設計を難しくしている。
またこのアルミニウム−マグネシウム系鋳造用合金は非
熱処理で適度の引張強さと伸びを有するが、耐力は低
く、さらに実際の鋳物では上述の如き鋳造欠陥が発生す
るために機械的性質の各値が低目となつている。
熱処理で適度の引張強さと伸びを有するが、耐力は低
く、さらに実際の鋳物では上述の如き鋳造欠陥が発生す
るために機械的性質の各値が低目となつている。
従つてアルミニウム−マグネシウム系鋳造用合金は一般
に表面処理性が良好であるという特徴を生かして、二輪
車体部品、自動車用ホイール、海洋機器部品、電気通信
機器部品等での鋳物としての使用が期待されるにも拘ら
ず、その使用が制限されている。
に表面処理性が良好であるという特徴を生かして、二輪
車体部品、自動車用ホイール、海洋機器部品、電気通信
機器部品等での鋳物としての使用が期待されるにも拘ら
ず、その使用が制限されている。
本発明は、アルミニウム−マグネシウム系でかつ鋳造性
及び機械的性質の良好な鋳造用合金を提供することを目
的とするものであり、マグネシウム3.0〜5.5%、亜鉛0.
5〜2.3%、マンガン0.10〜1.0%、ベリリウム0.001〜0.
01%、チタン0.10〜0.60%及び0.001%以上でかつチタ
ンに対し20%以下のホウ素を含有し、残余は実質的に
不純物及びアルミニウムから成る鋳造用アルミニウム合
金、を要旨とするものである(本明細書中において、%
は特記しない限り重量%を表わす。) 以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
及び機械的性質の良好な鋳造用合金を提供することを目
的とするものであり、マグネシウム3.0〜5.5%、亜鉛0.
5〜2.3%、マンガン0.10〜1.0%、ベリリウム0.001〜0.
01%、チタン0.10〜0.60%及び0.001%以上でかつチタ
ンに対し20%以下のホウ素を含有し、残余は実質的に
不純物及びアルミニウムから成る鋳造用アルミニウム合
金、を要旨とするものである(本明細書中において、%
は特記しない限り重量%を表わす。) 以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明に係る合金は、AC7Aで代表される耐食性、陽
極酸化性および機械加工性等にすぐれたアルミニウム−
マグネシウム系合金を、これらの諸性質を維持したまま
で鋳造性及び機械的性質の点において改良したものであ
る。
極酸化性および機械加工性等にすぐれたアルミニウム−
マグネシウム系合金を、これらの諸性質を維持したまま
で鋳造性及び機械的性質の点において改良したものであ
る。
本発明の合金において、マグネシウムは機械的性質の向
上に寄与するが、その含有量は3.0〜5.5%であることが
必要である。マグネシウムがこれよりも少ないと機械的
強度が小さく、また、マグネシウムがこれよりも多いと
伸びが小さくなり、さらに鋳造性も低下する。
上に寄与するが、その含有量は3.0〜5.5%であることが
必要である。マグネシウムがこれよりも少ないと機械的
強度が小さく、また、マグネシウムがこれよりも多いと
伸びが小さくなり、さらに鋳造性も低下する。
亜鉛は鋳造性及び機械的性質の向上に寄与し、その含有
量は0.5〜2.3%であることが必要である。より好適な含
有量は0.7〜2.0%の範囲である。
量は0.5〜2.3%であることが必要である。より好適な含
有量は0.7〜2.0%の範囲である。
マンガンは鋳造性、機械的性質、耐食性、耐応力腐食性
等の向上に寄与する。マンガン含有量は0.10〜1.0%の
範囲から選択し得るが、0.20〜0.60%の範囲にあること
がより好ましい。
等の向上に寄与する。マンガン含有量は0.10〜1.0%の
範囲から選択し得るが、0.20〜0.60%の範囲にあること
がより好ましい。
ベリリウムは合金を溶解する際のマグネシウムの酸化を
防止する作用がある。その含有量は0.001〜0.01%の範
囲にあればよいが、通常は0.001〜0.004%で十分であ
る。
防止する作用がある。その含有量は0.001〜0.01%の範
囲にあればよいが、通常は0.001〜0.004%で十分であ
る。
チタンおよびホウ素は結晶粒を微細化し、ガスポロシテ
イ及びクミロシユリンケージを減少させる作用がある。
チタン含有量は、0.10〜0.60%の範囲にあることが必要
であり、含有量が少なすぎると耐鋳造割れ性のすぐれた
鋳物を得ることができない。また、チタン含有量が多す
ぎると溶湯中でのTiB2の沈降が著しくなり、鋳造作業上
問題がある。チタンのより好適な含有量は0.15%〜0.50
%である。ホウ素は0.001%以上でかつチタンに対し2
0%までの範囲で存在させる。ホウ素はチタンの結晶粒
微細化作用をさらに向上させるが、0.001%未満ではそ
の効果がなく、またチタンに対して20%より多く含有
させると、その作用はかえつて減退する。
イ及びクミロシユリンケージを減少させる作用がある。
チタン含有量は、0.10〜0.60%の範囲にあることが必要
であり、含有量が少なすぎると耐鋳造割れ性のすぐれた
鋳物を得ることができない。また、チタン含有量が多す
ぎると溶湯中でのTiB2の沈降が著しくなり、鋳造作業上
問題がある。チタンのより好適な含有量は0.15%〜0.50
%である。ホウ素は0.001%以上でかつチタンに対し2
0%までの範囲で存在させる。ホウ素はチタンの結晶粒
微細化作用をさらに向上させるが、0.001%未満ではそ
の効果がなく、またチタンに対して20%より多く含有
させると、その作用はかえつて減退する。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によつ
て限定されるものではない。
本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によつ
て限定されるものではない。
実施例1 750℃で脱ガス、脱滓処理を実施した表1に示す組成
の合金を用いて、鋳造温度740℃でJIS舟金型(温度
150℃)に鋳込み、それから作製したJIS4号引張試
験片により引張試験を、またその掴み部でブリネル硬さ
を測定した。
の合金を用いて、鋳造温度740℃でJIS舟金型(温度
150℃)に鋳込み、それから作製したJIS4号引張試
験片により引張試験を、またその掴み部でブリネル硬さ
を測定した。
また各溶湯を鋳造温度740℃で150℃の鋳鉄製リン
グ(鋳造部内径38mmφ、外径58mmφ、高さ20mm)
中に鋳込んで鋳造割れ状況を観察し、かつ吸込式流動測
定装置(吸込管内径5.6mmφ、真空度700mmHg、ヘツ
ド高さ150mm)で流動長を測定した。これらの試験結
果を表2に示す。
グ(鋳造部内径38mmφ、外径58mmφ、高さ20mm)
中に鋳込んで鋳造割れ状況を観察し、かつ吸込式流動測
定装置(吸込管内径5.6mmφ、真空度700mmHg、ヘツ
ド高さ150mm)で流動長を測定した。これらの試験結
果を表2に示す。
表1および表2から、本発明に係る合金は比較合金に比
して機械的性質(とくに0.2%耐力、硬さ)にすぐれる
と共に鋳造性にすぐれていることが明らかである。
して機械的性質(とくに0.2%耐力、硬さ)にすぐれる
と共に鋳造性にすぐれていることが明らかである。
実施例2 750℃で脱ガス、脱滓処理を実施した表3に示す組成
の合金を用いて鋳造温度745℃にて押湯を適宜付設し
た箱状砂型鋳物(内寸300mm口×100mm深、外寸3
06mm口×103mm深で鋳物部の肉厚は3mm)を鋳造し
た。
の合金を用いて鋳造温度745℃にて押湯を適宜付設し
た箱状砂型鋳物(内寸300mm口×100mm深、外寸3
06mm口×103mm深で鋳物部の肉厚は3mm)を鋳造し
た。
得られた鋳物の外観を見ると比較合金は随所ち鋳造欠陥
が見られるのに対し、本発明に係る合金は健全であつ
た。また底面からJIS5号引張試験片を切出して測定し
た機械的性質は表4の通りであり、本発明に係る合金が
格段と優れたものであつた。
が見られるのに対し、本発明に係る合金は健全であつ
た。また底面からJIS5号引張試験片を切出して測定し
た機械的性質は表4の通りであり、本発明に係る合金が
格段と優れたものであつた。
また各鋳物につき鋳肌のままで下記条件で陽極酸化を行
なつたところ、いずれの合金も皮膜厚10μ、銀白色
で、本発明に係る合金の陽極酸化皮膜は比較合金のそれ
と同等の性能と判断された。
なつたところ、いずれの合金も皮膜厚10μ、銀白色
で、本発明に係る合金の陽極酸化皮膜は比較合金のそれ
と同等の性能と判断された。
脱脂:リン酸ソーダ系脱脂剤、50℃、3分 苛性洗い:10%苛性ソーダ液、60℃、30秒 化学研磨:リン酸−硝酸、110℃、2分 陽極酸化: 〔発明の効果〕 本発明に係る鋳造用合金は、アルミニウム−マグネシウ
ム系合金の良好な諸性質を維持したままで鋳造性、機械
的性質が改良されているので、最近、脚光をあびている
二輪車体部品、自動車用ホイール、海洋機器部品、電気
通信機器部品などの表面処理性、機械的性質の要求され
る物品の鋳造に好適である。
ム系合金の良好な諸性質を維持したままで鋳造性、機械
的性質が改良されているので、最近、脚光をあびている
二輪車体部品、自動車用ホイール、海洋機器部品、電気
通信機器部品などの表面処理性、機械的性質の要求され
る物品の鋳造に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清野 修三 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 菱 化軽金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 登 香川県坂出市番の州町1番地 菱化軽金属 工業株式会社坂出工場内 (56)参考文献 特開 昭56−69345(JP,A) 特公 昭49−16696(JP,B1)
Claims (5)
- 【請求項1】マグネシウム3.0〜5.5%、亜鉛0.5〜2.3
%、マンガン0.10〜1.0%、ベリリウム0.001〜0.01%、
チタン0.10〜0.60%及び0.001%以上でかつチタンに対
し20%以下のホウ素を含有し、残余は実質的に不純物
及びアルミニウムから成る鋳造用アルミニウム合金。 - 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の鋳造用アル
ミニウム合金において、亜鉛の含有量が0.7〜2.0%であ
ることを特徴とするもの。 - 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
鋳造用アルミニウム合金において、マンガンの含有量が
0.20〜0.60%であることを特徴とするもの。 - 【請求項4】特許請求の範囲第1〜3項のいずれか1つ
に記載の鋳造用アルミニウム合金において、ベリリウム
の含有量が0.001〜0.004%であることを特徴とするも
の。 - 【請求項5】特許請求の範囲第1〜4項のいずれか1つ
に記載の鋳造用アルミニウム合金において、チタンの含
有量が0.15〜0.50%であることを特徴とするもの。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59256360A JPH0647704B2 (ja) | 1984-12-04 | 1984-12-04 | 鋳造用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59256360A JPH0647704B2 (ja) | 1984-12-04 | 1984-12-04 | 鋳造用アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61136652A JPS61136652A (ja) | 1986-06-24 |
JPH0647704B2 true JPH0647704B2 (ja) | 1994-06-22 |
Family
ID=17291596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59256360A Expired - Lifetime JPH0647704B2 (ja) | 1984-12-04 | 1984-12-04 | 鋳造用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0647704B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4916696A (ja) * | 1972-06-07 | 1974-02-14 | ||
JPS5713616B2 (ja) * | 1974-03-14 | 1982-03-18 | ||
JPS5827336B2 (ja) * | 1979-11-01 | 1983-06-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 高靭性、高力Al合金鋳造製品 |
JPS5919987B2 (ja) * | 1980-12-16 | 1984-05-10 | 株式会社神戸製鋼所 | Al−Mg系合金の製造法 |
-
1984
- 1984-12-04 JP JP59256360A patent/JPH0647704B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61136652A (ja) | 1986-06-24 |
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