JPH0647179U - ハーネス収納用ポリテナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスを安定に収納可能なハーネス
収納用ポリテナーを提供する。 【構成】 底壁２からテーパ状に周壁３を立設し、上部
開口８を形成したポリテナーにおいて、底壁２と周壁３
の横断面形状とを台形になるように形成し、周壁３の開
口縁に大辺側４から小辺側５にかけて下降した傾斜面６
を形成し、小辺側の開口縁に停止段部７を形成し、底壁
２の大辺側４から上部開口８にかけてテーパ中空状の支
持兼位置決め用の突出部９を膨設した第一の構造、及
び、底壁から周壁を立設し、上部開口を形成したポリテ
ナーにおいて、底壁に対する支持脚と開口に対する内鍔
部とを有するカバーを具備する第二の構造、並びに、長
手方向に分割され、相互に嵌合する一組のテナー本体よ
り成り、一方のテナー本体に複数の選択孔を長手方向に
並設し、他方のテナー本体に、選択孔に対する係止突部
を設けた第三の構造である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネスを安定に収納可能なハーネス収納用ポリテナーに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図１０は、従来のハーネス収納用ポリテナーを示すものである。 該ポリテナー３５は、長方形状の底壁３６からテーパ状に周壁３７を立ち上げ 連成し、該周壁３７の前後の開口端縁３８に金属製の把手３９を回動自在に設け てなるものであり、ワイヤハーネス４０は上部開口４１から内部に収容される。 そして該把手３９を内側に倒した状態で把手３９上に同様のポリテナー３５を積 み上げる。また、空のポリテナー３５は、把手３９を外側に開いた状態で開口４ １から内側に重ね入れる。

【０００３】 しかしながら、上記従来の構造にあっては、金属製の把手３９を設けるために コスト高になると共に重量が増し、且つ把手３９の開閉操作が煩わしいという欠 点や、リレーボックスやジョイントボックス等の箱物４２の付いたワイヤハーネ ス４０を収納する際に該箱物４２が安定せず、運搬途中でぶつかって傷付くとい う懸念があった。さらに、ハーネス４０の一部４０ａがポリテナー３５から外部 に飛び出して傷付くという問題や、長物のハーネス４０をポリテナー３５内で一 々屈曲させたり、あるいはハーネス４０の長さに合わせた専用のポリテナーを一 々作らなければならないという問題もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した点に鑑み、金属製の把手がなくとも積み上げでき、しかも ワイヤハーネスを位置ずれやはみ出しなく安定に、また長さの違うハーネスでも 安定して収納でき、すなわち総括してワイヤハーネスを安定に収納可能なハーネ ス収納用ポリテナーを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、底壁からテーパ状に周壁を立設し、上 部開口を形成したポリテナーにおいて、該底壁と周壁の横断面形状とを台形にな るように形成し、該周壁の開口縁に大辺側から小辺側にかけて下降した傾斜面を 形成し、該小辺側の開口縁に停止段部を形成し、該底壁の大辺側から上部開口に かけてテーパ中空状の支持兼位置決め用の突出部を膨設して成る第一の構造、及 び、底壁から周壁を立設し、上部開口を形成したポリテナーにおいて、該底壁に 対する支持脚と該開口に対する内鍔部とを有するカバーを具備する第二の構造、 並びに、長手方向に分割され、相互に嵌合する一組のテナー本体より成り、一方 のテナー本体に複数の選択孔を長手方向に並設し、他方のテナー本体に、該選択 孔に対する係止突部を設けて成る第三の構造をそれぞれ採用するものである。

【０００６】

【作用】

上記第一の構造において、ハーネスを収容したポリテナーの積み重ねは、上下 のポリテナーを交互に反転し、上側のポリテナーの底部を下側のポリテナーの傾 斜面上に重ね、大辺側を停止段部に当接させて行う。下側のポリテナーの突出部 は上側のポリテナーの底壁を支える。該突出部はハーネスの箱物を引っ掛けて位 置決め固定させるのにも役立つ。空のポリテナーは反転せずに通常のまま重ね合 わせる。この際上下の突出部は係合しあってポリテナーの崩れを防ぐ。

【０００７】 第二の構造では、ポリテナー内にハーネスを収容した後にカバーを挿着する。 該カバーの内鍔部がポリテナーの開口からのハーネスの飛び出しを防ぐ。また支 持脚により該内鍔部に上側のポリテナーの底壁を重ねることができる。 第三の構造では、ハーネスの長さに合わせて一組のテナー本体の係止突起と選 択孔とを選択係合させ、ポリテナーの長さを調節する。これによりハーネスを折 り曲げや隙間なく収納できる。

【０００８】

【実施例】 図１は、本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第一実施例を示す斜視図、 図２は同じく上方視平面図、図３はハーネスを収納した後、ポリテナーを重ね合 わせた状態を示す要部切欠正面図、図４は空のポリテナーを重ね合わせた状態を 示す縦断面図である。

【０００９】 該ハーネス収納用ポリテナー１は、台形形状の底壁２と、該底壁２から外側に 拡幅してテーパ状に立ち上がり、横断面形状が台形に形成された周壁３とを有す る。該周壁３の開口縁すなわち前壁３ａの大辺部４から後壁３ｂの小辺部５にか けての側壁３ｃ，３ｄの開口縁には、該大辺部４から小辺部５側にかけて下降す る傾斜面６，６を形成すると共に、該小辺部５側の開口縁に停止段部７を形成し てある。また、該底壁２には、大辺部４側から上部開口８にかけてテーパ中空状 の突出部９を膨設してある。該突出部９は底部開口１０と上部の頂壁１１とを有 し、該頂壁１１は前記傾斜面にと同様に傾斜している。

【００１０】 前記周壁３は底壁２よりもやや下側に突出して低端部２ａをなし、該周壁３の テーパ度θ（図３）は１０〜１５°程度が適当である。また前記突出部９は該周 壁３とは逆のテーパに形成され、図４の如く空のポリテナー１，１′の積み重ね を可能としている。該周壁３の前壁３ａと後壁３ｂとには把手窓１２を設けてい る。

【００１１】 図３の如くハーネス１３は、ジョイントボックス等の箱物１４を該突出部９に 引っ掛けるようにして位置決め固定する。これにより搬送中の箱物１４のガタ付 きや位置ずれが防止される。そして、上側のポリテナー１′を１８０°反転して 下側のポリテナー１の傾斜面６上に重ね、且つ底壁２′を突出部９上に支持させ て、その大辺部４′側すなわち前壁３ａ′の底部を下側のポリテナー１の小辺部 ５側すなわち後壁３ｂ側の停止段部７に当接させる。上側のポリテナー１′の傾 斜面６′は下側のポリテナー１の傾斜面６とは逆向きになるから、このようにし て何段にも平行に積み重ねることができる。

【００１２】 空のポリテナー１，１′…は、図４の如く同一方向で重ね合わせて、高さ方向 の隙間Ｓを小さくして省スペース化を図ることができる。 図５は、本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第二実施例を示す分解斜視 図、図６は同じく積み重ねた状態を示す縦断面図である。 該ポリテナー１５は、テナー本体１６と該テナー本体１６内に挿着されるカバ ー１７とにより構成される。

【００１３】 該テナー本体１６は従来同様に長方形状の底壁１８から外向きテーパ状に周壁 ３２を立ち上げたものであり、従来の金属把手は使用しない。該カバー１７は合 成樹脂により形成され、該底壁１８に対する四本の支持脚１９と、該支持脚１９ の基部を連繋する周壁部２０と、該周壁部２０の上端から内側に直交して延設さ れる内鍔部２１とにより構成される。該支持脚１９から内鍔部２１の上面までの 高さＨ₁ はテナー本体１６の深さＨ₂ よりもやや低く設定される。

【００１４】 該カバー１７は、図６の如くテナー本体１６内にハーネス２２を収容した状態 で、支持脚１９を周壁３２の内面に沿って挿入することにより装着される。そし て該内鍔部２１と周壁部２０とがハーネス２２の飛び出しを防ぐ。そして上側の ポリテナー１６′を該カバー１７の内鍔部２１の上面に積み重ねることができる 。

【００１５】 図７は、本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第三実施例を示す分解斜視 図、図８は同じく組立状態を示す上方視平面図、図９は図８のＡ−Ａ断面図であ る。 該ポリテナー２３は、長手方向に分割された一組のテナー本体２４，２５によ り構成される。一方のテナー本体２４は他方のテナー本体２５よりも幅及び高さ が一回り大きく、他方のテナー本体２５を内側にスライド式に嵌合可能である。

【００１６】 該一方のテナー本体２４の底壁２６には、長手方向に複数（本例では各二本） の係止ピン２７を二列で一体に突設すると共に、該係止ピン２７の列の間と外側 とにガイド突条２８を一体に設けてある。該ガイド突条２８は係止ピン２７より も長手方向にやや突出して設けられる。そして他方のテナー本体２５の底壁２９ には、該係止ピン２７に対する長手方向の複数（本例では各三個）の選択孔３０ を並設すると共に、該ガイド突条２８に対する係合凹部３１を係止ピン方向に膨 出して設けてある。該選択孔３０の間隔は係止ピン２７の間隔と同一であり、ま た該係合凹部３１は三個の選択孔３０よりも長手方向にやや突出し、ガイド突条 ２８を長手方向のどの選択位置ででも係合可能である。

【００１７】 そして図８の如く、収容するハーネスの長さに合わせて係止ピン２７を最適な 選択孔３０に挿通させ、ピン先端２７ａを熱溶着等により加締める。本実施例で ガイド突条２８の端面２８ａは係合凹部３１の端面３１ａに当接してテナー本体 ２４，２５を長手方向に安定に支持させ、また係合凹部３１に対してガイド突条 ２８が幅方向に嵌合することによりテナー本体２４，２５のよれが防止される。 本実施例には前記第二実施例のカバー１７を適用可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上の如くに、本考案によれば、金属製の把手がなくともポリテナーの積み上 げができるから、軽量でしかも低コストなポリテナーが可能となる。また、突出 部でハーネスのジョイントボックス等を固定したり、カバーの内鍔部でハーネス の飛び出しを防止したりして、ハーネスを安定に収納できる。さらに、ハーネス の長さに合わせてテナーの全長を可変にすることにより、ハーネスの曲げや隙間 をなくして安定に収納でき、且つポリテナーの流用によりポリテナーの管理や生 産の合理化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第一
実施例を示す斜視図である。

【図２】同じく上方視平面図である。

【図３】ハーネスを収納した後でポリテナーを重ね合わ
せた状態を示す要部切欠正面図である。

【図４】同じく空のポリテナーを重ね合わせた状態を示
す縦断面図である。

【図５】本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第二
実施例を示す分解斜視図である。

【図６】同じく積み重ねた状態を示す縦断面図である。

【図７】本考案に係るハーネス収納用ポリテナーの第三
実施例を示す分解斜視図である。

【図８】同じく組立状態を示す上方視平面図である。

【図９】図８のＡ−Ａ断面図である。

【図１０】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，１５，２３ ポリテナー ２，１８，２９ 底壁 ３，１９ 周壁 ４ 大辺部 ５ 小辺部 ６ 傾斜面 ７ 停止段部 ８ 上部開口 ９ 突出部 １７ カバー １９ 支持脚 ２１ 内鍔部 ２４，２５ テナー本体 ２７ 係止ピン ３０ 選択孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁からテーパ状に周壁を立設し、上部
   開口を形成したポリテナーにおいて、該底壁と周壁の横
   断面形状とを台形になるように形成し、該周壁の開口縁
   に大辺側から小辺側にかけて下降した傾斜面を形成し、
   該小辺側の開口縁に停止段部を形成し、該底壁の大辺側
   から上部開口にかけてテーパ中空状の支持兼位置決め用
   の突出部を膨設して成ることを特徴とするハーネス収納
   用ポリテナー。
2. 【請求項２】 底壁から周壁を立設し、上部開口を形成
   したポリテナーにおいて、該底壁に対する支持脚と該開
   口に対する内鍔部とを有するカバーを具備することを特
   徴とするハーネス収納用ポリテナー。
3. 【請求項３】 長手方向に分割され、相互に嵌合する一
   組のテナー本体より成り、一方のテナー本体に複数の選
   択孔を長手方向に並設し、他方のテナー本体に、該選択
   孔に対する係止突部を設けて成ることを特徴とするハー
   ネス収納用ポリテナー。