JPH064673B2 - ハイブリド型ヒト白血球インタフエロン - Google Patents

ハイブリド型ヒト白血球インタフエロン

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JPH064673B2
JPH064673B2 JP56180259A JP18025981A JPH064673B2 JP H064673 B2 JPH064673 B2 JP H064673B2 JP 56180259 A JP56180259 A JP 56180259A JP 18025981 A JP18025981 A JP 18025981A JP H064673 B2 JPH064673 B2 JP H064673B2
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leif
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ウイルス性および腫瘍性疾患治療に用いられ
る、ハイブリド型白血球インタフェロンの、組換えDN
A技術による微生物生産、その手段および生産々物に関
するものである。
特に、本発明はおよそ165〜166個のアミノ酸よりなる抗
ウイルス性ポリペプチドであって、ヒト白血球インタフ
ェロンAおよびヒト白血球インタフェロンBまたはDの
別々のアミノ酸副配列からなり、ヒト白血球インタフェ
ロンAの副配列は前記ポリペプチドのN末端に位置して
おり、そしてこのポリペプチドの全アミノ酸配列は天然
白血球インタフェロンのアミノ酸配列とは異なっている
抗ウイルス性ポリペプチドおよびこのようなポリペプチ
ドを含有する抗ウイルス剤に関するものである。
本発明の背景についてまず記載する。比較的均質な白血
球インタフェロンは正常な給血者または白血病給血者の
白血球を原料としている。これらのインタフェロンはそ
の標的細胞中にウイルス耐性状態を与える強い活性によ
り特徴づけられるたん白質の一群である。さらに、イン
タフェロンは細胞増殖を阻害し、免疫応答を調整するこ
とが出来る。これらの特性により、インタフェロンがウ
イルス感染および腫瘍の治療のため療法剤として、臨床
に用いられるようになった。
さらに近年では、組換えDNA技術を用いて、数多くの
異なる白血球インタフェロンの微生物生産が可能とな
り、それらインタフェロンのアミノ酸配列は、David V.
Goeddelら〔Nature290,20〜26(1981)〕
により発表されているように、お互いに70パーセント
の桁で均質であることを示している。それぞれ、LeIF
A,B,C,D,F,GおよびHと命名された種々の白
血球インタフェロンのアミノ酸配列をコードする遺伝子
が、H.P.KoefflerおよびD.W.Goldeにより記載
されている〔Science200,1153〜1154(1
978)〕KG−1細胞より、David V.GoeddelおよびS
idney Pestkaにより得られている。KG−1細胞はAmer
ican Type Culture CollectionにATCC番号CRL8031
として寄託されている。それらの遺伝子は、細菌発現の
ためのプラスミド性ベクターに適当に挿入され、宿主、
好ましくは、E.Coli K−12 294株、ATCC NO.3
1446(1978年10月28日寄託)、を形質転換
するのに用いられる。
組換えDNA技術における働き手は、細菌および他の微
生物に存在し、しばしば、一細胞当たり多数のコピーで
存在する非染色体性の環状二重鎖DNAであるプラスミ
ドである。プラスミドDNA中にコードされる情報に
は、娘細胞中でプラスミドを複製するのに必要な情報
(即ち、「レプリコン(replicon)」)および、通常、
一種またはそれ以上の選択特性、たとえば、細菌の場
合、抗生物質に対する抵抗性のような情報がある。この
選択特性の情報により、対象プラスミドを含有する宿主
細胞のクローンを認識し、選択培地中で優先的に生育さ
せることができる。プラスミドの有用性は、プラスミド
DNAの異なる部位をそれぞれ認識する一つの、又はい
くつかの制限エンドヌクレアーゼすなわち「制限酵素」
により特異的に切断されるという点にある。従って、切
断部位または、切断部位に接して再構成した末端に結合
することにより、異種遺伝子または遺伝子断片をプラス
ミド中に挿入することができる。DNAの組換えは細胞
外で実施しうるが、出来た“組換え”プラスミドは、形
質転換として知られる方法により細胞内に導入され、そ
の転換細胞を生育させることにより、異種遺伝子を含む
組換えプラスミドを大量に得られる。さらに、その異種
遺伝子がプラスミド内の、コードされるDNA情報の転
写および翻訳を支配する部位に対して正しく挿入される
場合には、出来た発現ベクターは、挿入された遺伝子が
コードするポリペプチド配列を実際に生産すること、即
ち、発現と称されるプロセスに使用される。
発現は、RNAポリメラーゼにより認識され、結合を受
けるプロモーターとして知られる領域で始まる。例え
ば、本発明の実施において選択されているトリプトファ
ンまたは「trp」プロモーターのように、ある場合に
は、プロモーター領域は「オペレーター」領域と重な
り、両者が結合したプロモーター−オペレーターを形成
している。オペレーターは、特定のプロモーターにおけ
る転写開始の頻度を調節する役割を果す、いわゆるレプ
レッサーたん白により認識されるDNA配列である。R
NAポリメラーゼはDNAに沿って移動し、コード鎖に
含まれる情報を、その5′末端から3′末端へとmRNAに転
写し、代わって、mRNAがDNAのコードするアミノ酸配
列を有するポリペプチドに翻訳される。個々のアミノ酸
はヌクレオチドトリプレットまたは「コドン」によりコ
ードされ、それらは、本発明において、「構造遺伝子」
即ち、発現される生成物のアミノ酸配列をコードする部
分、と呼ばれる部分に存在する。RNAポリメラーゼは
プロモーターに結合後、先ずリボゾーム結合部位をコー
ドするヌクレオチドを転写し、次いで、翻訳開始すなわ
ち「開始」シグナル(通常はATGで、mRNAではAUG
となる)を、続いて、構造遺伝子自体のヌクレオチド、
コドンを転写する。構造遺伝子の末端で、いわゆる停止
コドンが転写され、その後、ポリメラーゼはmRNAの追加
配列を形成することがあるが、停止シグナルが存在する
ためその配列はリボゾームで翻訳されない。リボゾーム
はmRNA上にある結合部位に結合し、細菌においては通
常、mRNAが形成されながら結合する。そして、翻訳開始
シグナルから始まり、前記の停止シグナルで終了する、
コードされたポリペプチドを生成する。リボゾーム結合
部位をコードする配列がAUG開始コドンに対して適切
に位置し、かつ、残る全てのコドンが開始コドンに続く
なら、目的の生成物が生産される。生成物は、宿主細胞
を溶解し、適当な精製により他の細菌たん白質から採取
することにより得ることができる。
本発明の概略を記載する。種々の白血球インタフェロン
をコードする遺伝子の塩基配列を調べてみると、それら
の多くが、ある制限エンドヌクレアーゼにより認識され
る切断部位の存在とその位置の点で、共通性が高いこと
がわかる。本発明によると、この共通性を利用して、組
換えDNA技術により、ハイブリッド型白血球インタフ
ェロンの微生物生産に有用な新規ハイブリッド遺伝子を
作製するもので、それらのハイブリッド型白血球インタ
フェロンは、親遺伝子がコードするインタフェロンが有
する抗ウイルスおよび他の性質を、より以上或いはより
低い程度に示すであろう。本発明の有利な具体例におい
ては、ハイブリッド型白血球インタフェロンは、親遺伝
子によりコードされるインタフェロンに比較し、高い活
性を示す。
本発明が企図する白血球インタフェロンたん白群をコー
ドする親白血球インタフェロン遺伝子は、個々に天然配
列変化を示している。それらの変化は、全たん白配列中
でのアミノ酸の差、或いはこの配列中におけるアミノ酸
の欠失、置換、挿入、転換、或いは追加などにより起っ
ている。LeIF A,LeIF B,………LeIFJ等の略号で示さ
れるこの親白血球インタフェロンの個々に対する配列変
化は、本発明の定義される略号又は語の範囲内に含まれ
る。
本発明の目的物およびその利点は以下に記載される詳細
な説明および添付の図でより明確となる。図および表に
ついて説明する。
第1表は、8種の白血球インタフェロン(「LeIF」)の
相補DNA(「cDNA」)クローンのコード領域の塩基配
列を示す。これらの中で、LeIF Eと命名されるものは
「偽遺伝子」であり、活性白血球インタフェロンをコー
ドしていないし、又LeIF Gと命名されているものは、対
応するインタフェロン種の全長より短い配列しか含んで
いない。翻訳開始コドンATGおよび停止トリプレット
は各LeIF中で下線で示す。
第1図は、8種のLeIF cDNAクローン(AからH)の制
限エンドヌクレアーゼ切断地図を示す。クローンを含む
プラスミドはdC:dG法〔D.V.Goeddelら、Nature28
,411〜416(1980)〕により作製された。
従って挿入cDNAはPst Iにより切除され得る。即ち、
挿入部の各末端はPst I制限エンドヌクレアーゼ切断
部位である。各cDNA挿入物の端の線はdC:dG末端のホモ
ポリマーを示す。Pvu II,EcoR IおよびBgl IIの制限
部位の位置を示してある。点々部分は、成熟LeIFのコー
ド配列を表わす。又、斜線部分は、シグナルペプチドを
コードする配列を、又白い部分は、3′および5′の非コ
ード配列を示す。
第2表は、塩基配列から推定される8種のLeIFのたん白
配列の比較を示す。IUPAC-IUB Commission on Biochemi
cal Nomenclatureが推奨する一文字略号を用いている。
A,アラニン;C,システイン;D,アスパラギン酸;
E,グルタミン酸;F,フェニルアラニン;G,グリシ
ン;H,ヒスチジン;I,イソロイシン;K,リジン;
L,ロイシン;M,メチオニン;N,アスパラギン;
P,プロリン;Q,グルタミン、R,アルギニン;S,
セリン;T,スレオニン;V,バリン;W,トリプトフ
ァン;およびY,チロシンである。数字はアミノ酸の位
置を示す(Sはシグナルペプチドを指す)。165個の
アミノ酸より成るLeIF Aの44番目の位置に横線があ
るのは、他のLeIFの166個のアミノ酸配列と合わせる
ためである。LeIF Eの配列は、コード領域の余分の塩基
(第1表の187番目)を無視して決定した。星印は停
止コドンを示す。全てのLeIF(偽遺伝子のLeIF Eは除
く)に共通なアミノ酸も示してある。下線を施したもの
はヒト線維芽細胞インタフェロンにも存在するアミノ酸
である。
第1表の+1から69までの塩基は第2表のS1からS
23のアミノ酸に対応する。第1表のTGTコドン(70
から72の塩基)は第2表のシステイン(C,アミノ酸
1)に対応する。第2表で、Pvu II制限エンドヌクレア
ーゼ切断部位は、LEIF A,B,D,FおよびGで92と
93のアミノ酸のコドンの間、即ち、第1表の346と
347の塩基の間に存在する。
第3表は、成熟白血球インタフェロンAおよびDのアミ
ノ酸配列の比較を示す。LEIF Aの44番目のアミノ酸の
欠失は横線で表わしている。LeIF Dのアミノ酸の中で、
対応するLeIF Aのアミノ酸と異なるもののみ記してあ
り、他の部分は、LeIF Dのアミノ酸配列はLeIF Aと同一
である。第3表はさらに、本発明で選択されるハイブリ
ッド型白血球遺伝子を作製するのに採用されるBgl IIお
よびPvu II制限酵素切断部位の遺伝子に対応する位置も
示している。
第2図および第3図は、本発明で選択されるハイブリド
型白血球インタフェロン(「LeIF-A/D」)マウス細胞に
おける脳心筋炎ウイルス(「EMC」)および水疱性口内炎ウ
イルス(「VSV」)に対する活性の比較試験の結果を示
す。
第4図および第5図は、それぞれマウスおよびハムスタ
ーでのEMCウイルス感染に対するLeIF-A/Dおよび他の
インタフェロンの活性の比較試験の結果を示す。第4図
のデータは、感染3時間前にi.p.投与した結果である。
LeIF-A/DおよびLeIF-Aの投与量は、WISH細胞で測定した
ものである。
第4表は、タイプIおよびJを含む5種のLeIFたん白の
DNA配列を示す。
次に、本発明を実施するための有利な具体例を示す。
A.使用微生物 記載した実施において2種の微生物を用いている。米国
特許4190495に記載のE.Cole X 1776およ
び、英国特許公報NO.2055382記載のE.Cole K−
12 294株(end A,thi-,hsm-,hsm+k)である。そ
れぞれ、American Type Culture Collectionに1979
年7月3日、および1978年10月28日寄託のATCC
番号31537および31446として寄託されてい
る。全ての組換えDNA実験はNational Justitute of
Healthのガイドラインに従って行なった。
本発明の最も有利な具体例は、上述のE.Coli X 177
6およびE.Coli K−12 294株に関して記載される
が、本発明は、他の公知のE.Coli株、例えばE.Coli B或
いは他の微生物菌株を含むもので、そられの多くは、公
認の微生物寄託機関、たとえば、American Type Cultur
e Collection,ATCC,に寄託され、入手可能である。(AT
CCカタログリストおよびドイツ特許2644432を参
照のこと。)他の微生物としては、たとえば、Bacillus
subtilisのようなBacillus属、Salmonella typhimuriu
mおよびSerratia marcescensを例として挙げられる腸内
細菌があり、これらは、複製可能で異種遺伝子配列を発
現することのできるプラスミドを利用する。Saccharomy
ces cerevisiaeのような酵母も、酵母のプロモータ制御
下にインタフェロンたん白をコードする遺伝子を発現す
ることにより、インタフェロンたん白生産のための宿主
菌として有利に用いられる。
本発明によると、LeIFのハイブリドは個々の親遺伝子に
共通に存在する制限エンドヌクレアーゼ切断部位とその
各末端を発現プラスミド担体(ベクター)の同じ部位と
共に利用することにより作製される。例えば、LeIF A t
rp25発現プラスミドのXba IからPst Iまでの大きい断
片(約3900bp)を種々のLeIF親遺伝子のXba IからP
vu IIおよびPvuからPst I切断々片と結合することによ
り、対応するハイブリッドLeIFを得るのに使用できる発
現プラスミドを供給することが出来る。
各LeIF発現プラスミドは、各種LeIFプラスミド、p LeIF
Atrp25,p LeIF B trp7,p LeIF C trp35,p LeI
F D trp,p LeIF F trp1,p LeIF G,p LeIF Hおよびp
LeIF I等、或いはPBR322より分離される消化断
片から個別に作製された。上記各種LeIFプラスミドの作
製はNature287,411(1980)に、又PBR3
22の作製はGene,95(1977)に記載されてい
る。これらのプラスミドのあるものでの、“trp”とい
うのは、バクテリアの発現に最も有利なトリプトファン
のプロモーターオペレータ系を示し、それは、ヨーロッ
パ特許出願NO.36776に記載されている。
B.第一の成熟白血球インタフェロンの直接発現 LeIF Aを直接成熟インタフェロンポリペプチドとして発
現するため、合成(N−末端)および相補DNAの組み
合せを用いた。
Sau3a制限エンドヌクレアーゼ部位がLeIF Aの第一番
目と第二番目のコドンの間に幸い存在している。ATG
翻訳開始コドンを副、第一番目のアミノ酸(システイ
ン)のコドンを保持し、かつEco R Iの接着末端を構成
するような2つの合成デオキシオリゴヌクレオチドを設
計した。これらのオリゴマをpL31のSau3a−Ava I
Iの34b.p.断片と結合した。出来た45b.p.の産物に
2つのDNA断片を結合して865塩基対を有するLe-I
F Aをコードし、Eco R IおよびPst Iで結合しれ合成−
天然ハイブリド遺伝子を構成した。この遺伝子をpBR
322のEco R IおよびPst I部位の間に挿入してプラス
ミドpLe−IFA1を得た。
プラスミドPGM1は、ΔLE1413を欠失するE.coli
トリプトファンオペロンを有し〔G.F.MiozzariらJ.Bact
eriology133,1457−1466(1978)〕、
従って、trpリーダーの最初の6コのアミノ酸とtrp Eポ
リペプチドの後の約3分の1の融合たん白(以後LE′と
呼ぶ)とさらにtrp Dポリペプチドの全長とをtrpプロモ
ーターオペレータ系の制御の下に発現する。このプラス
ミド20μgを制限酵素Pvu IIで消化すると、プラスミ
ドは5ケ所で切断される。次に、遺伝子断片にEco RIリ
ンカー(自己相補オリゴヌクレオチド:pCATGAATTCATG
より成る)を結合し、後に、Eco RI部位を有するプラス
ミドにクローン化する際のEco RI部位を供与する。pGM1
より得られたDNA断片20μgを、200pmoleの5′
−りん酸化合成オリゴヌクレオチドpCATGAATTCATG存在
下、20μのT4リガーゼ緩衝液(20mMトリス、pH
7.6,0.5mM ATP,10mM Mgcl2,5mMジチオスラ
イトール)中、4℃一晩、10ユニットのT4リガーゼ
と反応させる。反応液を70℃、10分間加熱して反応
を停止する。リンカーはEco RI消化で切断し、Eco RI末
端を有する断片を5%ポリアクリルアミド電気泳動(以
後"PAGE"という)で分離する。ゲルを先ずエチジウムブ
ロマイドで染色し、紫外線で位置を確認し、必要な部分
をゲルから切りとることにより、大きな3つの断片を単
離する。各ゲル断片を、300μの0.1×TBEと透析袋
に入れ、100Vで1時間、0.1×TBE緩衝液中で電気泳
動にかける。TBE緩衝液は、1中10.8gトリス塩基、
5.5gホウ酸、0.09gNa2EDTAを含む。透析袋中の水溶液
を集め、フェノールで抽出し、クロロホルム抽出し0.2
M食塩とし、エタノール沈でん後、水にDNAが回収され
る。trpプロモーターオペレータを含み、Eco RI接着末
端を有する遺伝子は、以下に述べるように、断片をテト
ラサイクリン感受性プラスミドに挿入し、それにプロモ
ーターオペレータを挿入することによりテトラサイクリ
ン耐性となるような方法で確認される。
プラスミドpBRH1(R.I.Rodriguezら、Nucleic Acids Re
search6,3267〜3287〔1979〕)は、アン
ピシリン耐性を発現し、テトラサイクリン耐性遺伝子を
含むが、付随したプロモータがないため、その耐性を発
現しない。従って、このプラスミドはテトラサイクリン
感受性である。Eco RI部位にプロモーターオペレータ系
を入れることにより、このプラスミドはテトラサイクリ
ン耐性となる。
pBRH1をEco RIで消化し、酵素をフェノール抽出および
クロロホルム抽出により除去し、エタノール沈でん後、
水に回収できる。得られるDNA分子を、それぞれ別の反
応液中で、上述の3つのDNA断片のそれぞれと組み合
せ、既に記載したとおり、T 4 DANリガーゼで結合す
る。反応液中に存在するDNAを用い、E.coli K−12
294株(K.Backmanら、Proc.Natl.Acad.Sei.U.S.A.
,4174−4198〔1976〕)を標準の方法
(V.Hershfieldら、Proc.Nail.Acad.Sci.USA,71,3
455−3459〔1974〕)により形質転換し、バ
クテリアを20μg/mlのアンピシリンおよび5μg/ml
のテトラサイクリン含有のLBプレートにまく。いくつか
のテトラサイクリン−耐性コロニーを選択し、プラスミ
ドDNAを単離して、制限酵素による分析で目的の断片を
確認する。このようにして得られたプラスミドをpBRH t
rpと命名する。
肝炎ウイルスの遺伝子のEco RIおよびBam HI消化産物を
従来の方法でとり、プラスミドp GH6(D.V.Goeddelら、
Nature281,544〔1979〕)のEco RIおよびBa
m HI部位にクローンして、プラスミドpHS32を得た。
プラスミドpHS32をXba Iで切断し、フェノール抽出、
クロロホルム抽出およびエタノール沈でんを行なう。次
に、0.1mM dTTPおよび0.1mM dCTPを含む30μのポリ
メラーゼ緩衝液(50mMりん酸カリ、pH7.4,7mM MgC
l2,1mMβ−メルカプトエタノール)中にて、E.Coliポ
リメラーゼKlenow断片(Boehringer mannheim)1μ
で処理する。この処理により、Xbe Iの切断部位の突出
5′−末端の4塩基の中の2個に相補塩基をうめる。
dCのよびdTの二つの塩基がとり込まれ、5′末端に2個
の塩基が突き出た形になる。このプラスミドpHS32の
直線鎖(フェノールおよびクロロホルム抽出後、エタノ
ール沈でんの後、水に回収)をEco RIで切断する。小さ
い、Eco RI-Xba I断片から大きいプラスミド断片をPAGE
により分離し、電気溶出により単離する。このpHS32
からのDNA断片(0.2μg)を、上述の方法と同じような
条件下で、pBRH trpに由来するトリプトファンオペロン
のEco RI-Taq I断片(約0.01μg)と結合する。
上記のようにpHS32からの断片と、Eco RI-Taq I断片
とを結合する際、Taq Iの突出末端は、ワトソン−クリ
ックの塩基対で相補性がないが、Xba Iの残突出末端と
結合する。
この結合反応液の一部でE.Coli294細胞を形質転換
し、加熱処理後アンピシリン含有のLBプレートにまく。
24個のコロニーを選択し、3mlのLB培地で生育させ、
プラスミドを単離する。この中の6個は、Xba I部位が
E.ColiのDNA復修および複製により再生されていた。
これらのプラスミドはEco RIおよびHpa Iで切断される
ことがわかり、制限断片も予想されるものが得られた。
p trp14と命名されたプラスミドを、以下に述べる異
種ポリペプチドの発現に用いた。
プラスミドpHGH107(D.V.Goeddelら、Nature,28
,544〔1979〕)は、合成DNA断片より作られ
た23コのアミノ酸コドンと、ヒト生長ホルモンのmRAN
の逆転写により作製した相補DNAから得られた163コ
のアミノ酸コドンとから作られたヒト生長ホルモンの遺
伝子を含んでいる。この遺伝子はヒト生長ホルモンの
“プレ”配列のコドンを欠失しているが、ATG翻訳開始
コドンは有している。遺伝子は10μgのpHGH107か
ら、Eco RI処理、E.ColiポリメラーゼI Klenow断片およ
びdTTP,dATP処理により、上述のとおり単離されら。プ
ラスミドは、フェノールおよびクロロホルム抽出、エタ
ノール沈でんの後、Bam HIで処理した。
ヒト成長ホルモン(「HGH」)含有遺伝子断片は、PAGE
および電気溶出により単離した。このようにして得られ
るDNA断片は、テトラサイクリン耐性構造遺伝子の最初
の350塩基を含有するが、テトラサイクリンのプロモ
ーターオペレータ系を欠如しているため、発現プラスミ
ドにクローン化する際、挿入DNAを含むプラスミドをテ
トラサイクリン耐性の回復で確認することが出来る。
又、断片のEco RI末端はKlenowポリメラーゼI法により
修復されているので、この断片は一つの平滑末端と一つ
の接着末端を有し、従って後に発現プラスミドに挿入さ
れる時、正しい方向に結合され得る。
次に、上記のとおり得られたHGH遺伝子含有断片を入れ
るための発現プラスミドp trp14を作製した。p trp1
4をXba Iで消化し、接着末端をdATP,dTTP,dGTPおよびd
CTPを用いたKlenowポリメラーゼI法により修復する。
フェノールおよびクロロホルム抽出、エタノール沈でん
の後、得られるDNAをBam HIで処理し、PAGEおよび電気
溶出によりプラスミドの大断片を単離する。このp trp
14由来の断片は一つの平滑末端と、一つの接着末端を
有するため、前述のHGH遺伝子含有断片との組み換えを
正しい方向性で行なうことが出来る。
HGH遺伝子断片と、p trp14ΔXba-Bam HI断片を組み合
せ、前述の条件と同じような条件で結合する。
修復Xba IおよびEco RI末端を平滑末端結合により結合
し、Xba IおよびEco RI部位を再構成する。
この構成によりテトラサイクリン耐性遺伝子も再生され
る。それは、プラスミドpHGH107はテトラサイクリン
耐性をHGH遺伝子より上流に存在するプロモータ(Lecプ
ロモータ)にて発現するため、この構成(pHGH207と
命名)によりテトラサイクリン耐性の遺伝子の発現がト
リプトファンプロモーターオペレータの調節下に行なわ
れるからである。そこで、結合混合液でE.Coli294株
を形質転換し、コロニーを5μg/mlテトラサイクリン
含有のLBプレート上で選択する。
プラスミドpHGH207をEco RIで消化し、300b.p.の
Eco RI断片を含むtrpプロモーターを、PAGEおよび電気
溶出により回収した。この300b.p.のEco RI断片はE.
coliのtrpプロモータ、オペレータおよびtrpリーダーリ
ボゾーム結合部位を含有するが、翻訳開始のATG配列を
欠失している。このDNA断片をpLe-IFAのEco RI部位にク
ローン化した。
今、言及したtrp断片は、調節可能に発現程度を高めら
れるよう、いわゆるtrpアテニュエーターを欠失させた
E.Coliトリプトファンオペロンの類似体である。修復tr
p制御遺伝子含有の発現プラスミドを、そのプロモータ
ーオペレータ系を抑制するのに十分量のトリプトファン
を添加した栄養培地で、予め決めておいた程度まで発育
させ、次に系の抑制を解除するためトリプトファンを除
去すると、目的産物が発現され得る。
さらに具体的に言うと、250μgのプラスミドpL31
をPst Iで消化し、1000b.p.の挿入物を6%ポリア
クリルアミドゲル上で電気泳動して単離する。およそ4
0μgの挿入物をゲルから電気溶出し、3つに分けてさ
らに消化した。a)この16μgを40unitsのBgl IIで
37℃、45分間部分消化し、反応液を6%ポリアクリ
ルアミドゲルで精製する。約2μgの目的の670b.p.
断片を得た。b)次の8μgの1000b.p.Pst I挿入物
をAva IIおよびBgl IIで制限切断する。電気泳動の後、
150b.p.の断片1μgを得た。c)16μgの1000
b.p.断片をSau3aおよびAua IIで処理する。10%ポ
リアクリルアミドゲルで電気泳動後、約0.25μg(〜10
pmole)の34b.p.断片を得た。二つのデオキシオリゴ
ヌクレオチド、5′-dAATTCATGTGT(断片1)および5′-
dGATCACACATG(断片2)をりん酸トリエステル法(maxa
mおよびGilbert,methods Enzymol.65,499−56
0〔1980〕)により合成した。断片2を以下のとお
りりん酸化した。200ml(〜40pmole)の(r32p)A
TP(Amersham,5000Ci/mmole)を乾燥し、再び10
0pmoleのDNA断片および2ユニットのT4ポリヌクレオ
テドキナーゼを含む30μの60mMトリス−HCl(pH
8)、10mM MgCl2,15mMβ−メルカプトエタノール
にけん濁した。37℃、15分後、1μの10mM ATP
を加え、さらに15分間反応を続けた。次に、反応液を
70℃、15分加熱し、100pmoleの5′-OH断片1お
よび10pmoleの34b.p.Sau 3a-Ava II断片と合わせ
た。結合は、50μの20mMトリス−HCl(pH7.5)、
10mM MgCl2、10mMジチオスライトール、0.5mM ATP
および10ユニットのT4DNAリガーゼ中で4℃、5時
間行なった。反応液を6%ポリアクリルアミドゲル上電
気泳動し、45b.p.の産物を電気溶出にて回収した。86
0,000Cerenkov cpmを回収し、(〜30ng,1pmole)、
0.5μg(5pmole)の150b.p.Ava II-Bgl II断片お
よび1μg(2pmole)の670b.p.Bgl II-pst I断片
と合わせた。結合反応は、20ユニットのT4DNAリガ
ーゼを用い、20℃、16時間行なった。リガーゼは6
5℃、10分加熱により不活化した。次に反応液をEco
RIおよびPst Iで消化して遺伝子ポリマーを除去した。
反応混合物を6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精
製した。
36,000cpm(〜0.04pmole,20ng)の865b.p.産物を
単離した。この半部(10ng)をpBR322(0.3μg)の
Eco RIとPst I部位の間に結合した。E.Coli294株を
形質転換し、70コのテトラサイクリン耐性、アンピシ
リン感受性形質転換株が得られた。これらの形質転換株
の18株からプラスミドDNAを単離し、Eco RIおよびPst
Iで消化した。18個の中の16個のプラスミドが86
5b.p.の長さのEco RI-Pst I断片を持っていた。これら
の一つ(pLeIF A1)の1μgをEco RIで切断し、前述の
ように調製した、E.Coli trpプロモータおよびtrpリー
ダーリボゾーム結合部位含有の300b.p.Eco RI断片
(0.1μg)と結合した。trpプロモータを含む形質転換
株は、32P−trpプローブと、Gunstein-Hoguessコロ
ニー選択法〔Gunsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci(USA)
,3961(1975)〕との組み合せて用いて確認
された。trp断片中にXba I部位が非対称的に存在するこ
とから、trpプロモーターがLeIF A遺伝子の方向に正し
く位置する組み換え体を決めることができる。
IF分析用の抽出物は、以下のように調製した。1mlの培
養物を、5μg/mlのテトラサイクリン含有L−ブロス
中でA550が約1.0となるまで培養し、次に、5μg/
mlのテトラサイクリン含有のM9培地25mlに希釈し
た。A550が1.0になった時10mlを遠心分離により
採収し、細胞を1mlの15%蔗糖、50mMトリス−HCl
(pH8.0)50mM EDTAにけん濁する。1mgのリゾチーム
を添加し、0℃、5分後、細胞を超音波処理により破砕
した。それをSorvall SM−24ローター中15,000rpmで
10分間遠心分離する。上澄液のインタフェロン活性を
細胞病理効果(CPE)阻害分析によりLe-IF標準と比較で
測定した。細胞当りのインタフェロン分子の数を決定す
るのに、Le-IFの比活性4×108unit/mgを使用した〔R
ubinsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)76,640
(1979)〕。
trpプロモーターが望む方向に挿入されているクローンp
Le-IF A trp25は高い程度の活性(リットル当り2.5×
108ユニット)を示した。E.Coli K−12 294株
/pLe-IF A trp Aの生産するIFは、標準のヒトLe-IFと
同じような挙動を示した。これは、pH2の処理に対して
安定であり、ウサギの抗ヒト白血球抗体により中和され
た。このインタフェロンは、およそ20,000の分子量を有
する。
C.他の白血球のインタフェロンのcDNAの分離 完全に分析されているLe-IF A含有プラスミドからのDNA
をPst Iで切断し、電気泳動で単離し、既報の方法〔Tay
lorら、BiOchem.Biophys.Acta.442,324(197
6)〕により32Pでラベルした。得られた放射活性標識D
NAをプローブとして用いて、上記Grunsteinらのコロニ
ー選択法により、他のE.Coli294形質転換株をスクリ
ーニングした。プローブと種々の量でハイブリダイズす
るコロニーを単離した。これらのコロニーからのプラス
ミドDNAおよび上記に言及した10個のハイブリド形成
コロニーからのプラスドをPst切断で単離し、3つの異
なる方法で解析した。先ず、これらのPst断片を、Bgl I
I、Pvu IIおよびEco RIの制限エンドヌクレアーゼ消化
パターンにより解析した。この分析により、少なくとも
8つの異なるタイプに分類できた。Le-IF A,Le-IF B,Le
-IF C,Le-IF D,Le-IF E,Le-IF F,Le-IF GおよびLe-IF H
であり、これにより、種々の制限酵素切断の位置をLe-I
F Aのこれまでに明らかプレ配列及びコード配列に対応
しておよそ決められる。これらの中の一つ、Le-IF D,
はNagataら、Nature284,316(1980)に報告
されているものと同一と考えられる。
第二に、DNAのいくつかは、既報のハイブリド化選択分
析(Clevelandら、Cell20,95〔1980〕)によ
り、ポリ−A含有KG−1細胞RNAからLe-IF mRNAを選
択的に除去する能力を試験した。Le-IF A,B,Cおよ
びFはこの分析で陽性であった。第三に、後のPst断片
を発現プラスミドに挿入し、そのプラスミドでE.Coli2
94株を形質転換して、その断片を発現させた。発現産
物はプレインタフェロンと考えられ、CPE分析のインタ
フェロン活性が陽性であった。但し、Le-IF F断片の場
合は、わずかな活性であった。上記に加え、全てのLeIF
タイプに関してDNA配列決定をした。
D.第二の成熟白血球インタフェロン 成熟Le-IFBを含む断片の配列から、タイプAとタイプB
の最初の14個の塩基が同一であることがわかる。そこ
で、trp−プロモーターオペレータ、リボゾーム結合部
位およびLe-IF(A=B)遺伝子を有するpLe-IF A25
からの断片を単離し、これと残り部分のB配列とを発現
プラスミド中で結合することを考えた。
約950b.p.のSau 3a-Pst I断片を得るために、いくつ
かの段階が必要であった。それは、Sau 3a制限部位が一
つ以上邪魔して存在しているからである。
1.次の断片を単離した。
a)Sau 3aからEcoRIまでの110b.p. b)EcoRIからXbaまでの132b.p. c)XbaからPstまでの700b.p.以上 2.断片(1a)と(1b)を結合し、XbaとBgl IIで切断してS
au 3aとXba末端を介しての自己ポリマー化を妨げた(Sa
u 3a部位はBgl II部位内に存在;Bgl II切断によりSau
3aの接着末端が保存される)242b.p.の断片を単離し
た。
3.(2)の産物と(1c)を結合し、自己ポリマー化を防ぐ
ためPstIとBgl IIで切断する。Sau 3aからPst Iまでの
およそ950b.p.の断片を単離した。この断片は、LE-I
FB遺伝子のLe-IF Aと共通でない部分より成っている。
4.pLe-IF A25より、trpプロモーターオペレータ、
リボゾーム結合部位、ATG開始シグナルおよびLe-IF Aの
システインコドンを含む、およそ300b.p.の断片(Hi
nd IIIからSau 3a)を単離した。
5.pBR322より、およそ3600b.p.のPstIからHin
d IIIの断片を単離した。この断片はレプリコンを含
み、テトラサイクリンをコードするが、アンピシリン耐
性は有しない。
6.ステップ3,4および5で得られた断片を結合し、
得られたプラスミドでE.coli294株を形質転換した。
形質転換株をミニスクリーンし、〔Birnboinら、Nuclei
c Acid Research,1513(1979)〕、プラス
ミド標品をEco RIで消化した。その結果、次の三つの断
片を得た。
1)Eco RI-Eco RI trpプロモータ断片、2)pL4のEco RI-E
co RI断片、および、3)pL4のたん白翻訳開始シグナルか
らEco RI断片。
CPE分析で先きのようにして作製したクローンからの細
菌抽出物は、典型的にA550=1の1リットル当りのイン
タフェロン活性として、約10×106ユニットであっ
た。このようにして調製したクローンの一例として29
4/pLLF B trp 7がある。
E.他の成熟白血球インタフェロン 他のLe-IFタイプを含む全長遺伝子断片はLe-IF Aの場合
と同じように仕立て、発現のために発現用ベクターに入
れた。常法により完全配列決定することにより、上記に
記載のような、プレ配列を制限切断により除去し、その
際失なわれたN末端アミノ酸コドンの代わりに合成DNA
断片を置くというアプローチへの手段をとることが出来
るよう、制限部位が成熟インタフェロンの第一番目のア
ミノ酸コドンに十分近いかどうかわかる。もしそれに失
敗したら、Kleidらの記載の方法を採用できる。要約す
ると、プレ配列含有断片を成熟ポリペプチドの第一番目
のアミノ酸のコドンが始まる点のすぐ前で切断するもの
で、次のようにして行なう。
1.その部位のまわりの領域の二重鎖DNAを一重鎖DNAに
する。
2.上記(1)で出来た一重鎖部分に相補プライマ長の一
重鎖DNAを、5′末端が目的の切断部位に隣接する塩基と
反対に位置するようにハイブリダイズする。
3.プライマから3′の方向に存在し、ステップ1で除
去した第二鎖の、プライマーから3′方向に存在する部
分を、アデニン、グアニンおよびシトシン含有デオキシ
ヌクレオチド三りん酸存在下でDNAポリメラーゼと反応
させることにより修復する。そして、 4.目的の切断部位より突出している残りの一重鎖DNA
を消化する。
短い長さの合成DNAで、翻訳開始シグナルATGで終ってい
るものをコード鎖の3′末端に結合する。この結果は、
成熟インタフェロンの仕立てた遺伝子と、発現プラスミ
ドに挿入され、プロモーターと付属のリボゾーム結合部
位の制御下に置かれた挿入遺伝子に対し、平滑末端結合
により行なわれる。
上記に用いられた方法と同様に、Le-IF-CおよびLe-IF-D
をコードする遺伝子断片も細菌による直接発現のため適
当に配列された。これらの他のインタフェロン発現の戦
術として、それぞれ、pLe-IF A25のtrpプロモーター
オペレータ、リボゾーム結合部位、ATG開始シグナル及
びLe-IF Aのシステインコドンを含む、およそ300b.
p.の断片(Hind IIIからSau 3a)の利用がある。この断
片に、全てに共通の最初のシステイン以後それぞれのア
ミノ酸をコードする各インタフェロン遺伝子からの断片
を組み合わせる。得られた各プラスミドを用いてE.coli
K−12 294株を形質転換した。それぞれの遺伝子
を作製する結合は以下のとおりである。
Le IF-C pLe-IF Cより以下の断片を単離する。
(a)Sau 3aからSau96までの35b.p. (b)Sau96からPst Iまでの900以上のb.p. (c)本明細書第43頁4項のように、およそ300b.p.
の断片(Hind III−Sau 3a)をpLe IF A25より単離す
る。
(d)本明細書第43頁5項の約3600b.p.の断片を単
離する。
構成 (1)(a)と(c)を結合する。Bgl IIとHind IIIで切断し、
約335b.p.の産物を単離する。
(2)(1)と(b)と(c)を結合し、生成するプラスミドでE.co
liを形質転換する。
このようにして作製したクローンの一例としてE.coli K
-12 294/pLe IFC trp35株がある。
Le-IF D pLE IF-Dより以下を単離する。
(a)Sau 3aからAva IIの35b.p. (b)Av IIからBgl IIの150b.p. (c)Bgl IIからPst Iの約700b.p.pleIF A25より以下
を単離する。
(d)Hind IIIからSau 3aの300b.p.pBR322より単離
する。
(e)Hind IIIからPst Iの約3600b.p. 構成 (1)(a)と(b)を結合した後、Bgl IIで切断し、185b.
p.の産物(1)を精製する。
(2)(1)と(d)を結合し、Hind IIIとBgl IIで切断し、約
500b.p.産物(2)を精製する。
(3)(2)と(c)と(e)を結合し、生成するプラスミドでE.co
liを形質転換する。
このようにして得られたクローンの一例として、E.coli
K-12 294/pLeIFD trp11株がある。
Le-IF F Le-IF F含有断片は、Le-IF BとLe-IF Fの1〜13番目
のアミノ酸の完全同一性を利用した再集合により、直接
発現のため仕立てられる。適当な配列末端を有する、tr
pプロモーター含有断片を、pHGH207より、上記記載
のようにPstIおよびXbaI消化と1050b.p.断片単離に
より得る。テトラサイクリン耐性プロモーターと構造遺
伝子の間にBgl II部位を有するpBR322の誘導体のプ
ラスミドpHKY10をPst IとBgl II消化し、大きい断片
として、第二の断片(b)が得られる。断片(a)はアンピシ
リン耐性をコードする遺伝子のおよそ半分を含み、断片
(b)は残りの半分と、プロモーターを除く全てのテトラ
サイクリン耐性遺伝子を有している。断片(a)と(b)をT
4リガーゼを用いて結合し、その産物をポリメリ化を防
ぐためXba IとBgl IIで処理する。その結果、trpプロモ
ーターオペレーターとテトラサイクリンとアンピシリン
耐性を含む断片(c)を得る。
pLe-IF FをAva IIおよびBgl IIで消化して、およそ58
0b.p.の断片(d)を得る。これはLe-IF Fの14〜166
のアミノ酸コドンを含有している。
pLe-IF BをXba IとAva IIで消化して49b.p.の断片(e)
を得る。断片(e)はLe-IF Fの1〜13のアミノ酸をコー
ドしている。
断片(c)、(a)および(e)をT4リガーゼ存在下で結合す
る。それぞれの断片の結合末端は、合成プラスミドが正
しく閉環するようになっていて、テトラサイクリン耐性
遺伝子が成熟Le-IF Fの遺伝子に沿ってtrpプロモーター
オペレーターの制御下に位置し、目的のプラスミドで形
質転換した細菌がテトラサイクリン含有平板上で選択さ
れ得る。
このようにして調製されたクローンの一例としてE.coli
K-12 294/pLeIF F trp1がある。
Le-IF H 成熟白血球インタフェロンとしての発現のための完全Le
-IF H遺伝子は以下のようにして調製される。
1.プラスミドpLe-IF HをHae IIとRsa Iで消で消化
し、シグナルペプチドのアミノ酸10から3′非コード
領域への816b.p.断片を単離する。
2.この断片を変性し、合成デオキシリボヌクレオチド
プライマー5′-dATG TGT AAT CTGTCTを利用し、Klenow
断片(Klenowら、Proc.Natl.Acad.Sci,USA65,168
〔1970〕)による修復合成を行なう。この一般法に
ついては、1980年9月25日出願のUS Serial NO.
190799に、Goeddelらにより記載されている。
3.生成物をSau 3aで切断し、アミノ酸1から150に
対応する452b.p.の断片を単離する。
4.pLe-IF HのSau 3aからPst I消化と、生成する50
0b.p.断片の単離により、アミノ酸150からコード配
列の最後までをコードする遺伝子を得る。
5.(3)および(4)で得られた断片を結合して次の断片を
生成する。
これはLe-IF Hの166のアミノ酸をコードしている。
6.pLe-IF A trp25をXba Iで消化し、DNAポリメラー
ゼIにて平滑末端とし、生成物をPst Iで消化する。生
成する大きい断片を単離し、ステップ(5)の断片と結合
し、発現プラスミドを得る。これでE.coli K-12 2
94株、或いは他の宿主菌を形質転換すると成熟Le-IF
Hを発現することが出来る。
Le-IF I Lawnら、Cell15,1157(1978)により構成さ
れたヒトゲノムのファージλCharon4A組み換え体ライ
ブラリーを、Lawnら(上記)およびManiatisら、Cell
,687(1978)に記載される方法を用いて白血
球インタフェロン遺伝子に対して選択した。LeIF A cDN
Aクローンからの放射性LeIFプローブ〔Goeddelら、Natu
re287,411(1980)〕を用いて約500,000プ
ラークを選択した。再スクリーニングとプラーク精製に
より、これらのクローンの一つ、λHLeIF2を以後の分
析に選択した。
上記の方法を用い、他のプローブを利用してヒトゲノム
より、その他のLeIFクローンを単離する。次に又、これ
らを利用してその他の白血球インタフェロンたん白を本
発明に従って生産することができる。
1.ゲノムクローン(λHLeIF2)の2000b.p.のEco
RI断片をpBR322のEco RI部位にサブクローンする。
生成するプラスミドLeIF IをEco RIで切断し、2000
b.p.断片を単離する。デオキシオリゴヌクレオチドdAAT
TCTGCAG(Eco RI>Pst I変換体)をこの2000b.p.の
Eco RI断片に結合し、生成物をPst Iで切断してPst I末
端を含む2000b.p.の断片を得る。これをさらに、Sa
u96で切断し、Pst I末端とSau96末端を有する11
00b.p.断片を単離する。
2.プラスミドpLeIF C trp35をPst IとXba Iで消化
する。大きい断片を単離する。
3.pLeIF C trp35からの小さいXba I-Pst I断片をXb
a IおよびSau96で消化する。40b.p.のXb I-Sau96
断片を単離する。
4.上記1)、2)および3)で単離した断片を結合し、発現
プラスミドpLeIF I trp1を形成する。
LeIF-J 1.プラスミドpLeIF Jは、LeIF Jの遺伝子配列を含む
ヒトゲノムDNAの3.8キロベースのHind III断片を含有し
ている。このプラスミドより760b.p.のDde I-Rsa I
断片を単離した。
2.プラスミドpLeIF B trp7をHind IIIおよびDde Iで
切断し、340b.p.のHind III-Dde I断片を単離した。
3.プラスミドpBR322をPst Iで切断し、DNA pcl I
(Klenow断片)で処理して平滑末端とし、Hind IIIで消
化した。大きい断片(〜3600b.p.)を単離した。
4.上記1)、2)および3)で単離した断片を結合し、発現
プラスミドpLeIF J trp1を形成した。
以下の構成に用いられる方法と材料は上記記載と同じも
のである。次の第5表は、特にハイブリドLeIFプラスミ
ドの構成の詳細を示す。
さらに、第5表に言及すると、最初に記載の4つのハイ
ブリドLeIFは2つのLeIF発現プラスミドから生産された
ものである。
LeIF AおよびDのcDNAに共通のBgl II部位を用いて、Le
IF Aの63個のアミノ末端アミノ酸およびLeIF Dのカル
ボキシ末端の102個のアミノ酸をコードする発現プラ
スミドpLeIF trp AD(Bgl II)を構成した。同じ部位を
利用して、LeIF Dの64個のアミノ末端のアミノ酸と、
LeIF Aのカルボキ末端の102個のアミノ酸をコードす
る発現プラスミドpLeIF trp DA(Bgl II)を構成した。
他の二つのハイブリドインタフェロン発現プラスミドの
構成には、Pvu II部位を利用した。Aのアミノ末端の9
1個のアミノ酸と、Dのカルボキシ末端74個のアミノ
酸(pLeIF trp AD(Pvu II))およびLeIF Dの92個の
アミノ末端アミノ酸とLeIF Aのカルボキシ末端74個の
アミノ酸(pLeIF trp DA(Pvu II))である。要約する
と、 pLeIF AD trp(Pvu II):pLeIF A trp25のXba Iおよ
びPst I消化の大きい断片(〜3900bp)をpLeIF A t
rp25のXba I-Pvu IIの285bp断片と、pLeIF D trp
11のPvu II-Pst Iの約550bp断片とを結合する。
pLeIF DA trp(Pvu II):pLeIF A trp25のXba Iおよ
びPst I消化の大きい断片(〜3900bp)をpLeIF D t
rp11からの288bp Xba I-Pvu II断片とLeIF A trp
25の約550bpのPvu II-Pst I断片とを結合する。
pLeIF AD trp(Bgl II):pLeIF A trp25のBgl II、P
st消化の大きい断片とpLeIF D trp11からの約600b
pのBgl II-Pst I断片とを結合する。
pLeIF DA trp(Bgl II):pLeIF D trp11のBgl II、P
st I消化の大きい断片と、pLeIF A trp25のPst I切断
で得られる約700b.p.の断片とを結合し、Bgl IIによ
り部分消化する。
第5番目に記載のハイブリドは、 pLeIF AB trp(Pvu II):pLeIF A trp25のXba Iおよ
びPst I消化の大きい断片(〜3900bp)をpLeIF A t
rp25の285bpのXba I-Pvu II断片と、pLeIF B trp
7のPvu II(部分)−Pstの約750bp断片とを結合す
る。
同様の方法で、第5表に記載の構成が定義される。さら
に例として、LeIF Cおよび/又はLeIF Hの一部を含むハ
イブリドの構成においては、遺伝子配列の約294番目
の塩基(即ち、GCTGC)に存在する共通のBbu I部位の利
点を利用することができる。
同じようにして、天然存在の白血球インタフェロンのア
ミノ酸配列の全て、或いは一部をコードする二重鎖DNA
を適当に操作することにより、白血球インタフェロンの
新規なハイブリドを微生物発現するのに適したプラスミ
ドを作製することができる。従って、一番目の二重鎖DN
A断片として、一番目の天然存在白血球インタフェロン
のアミノ末端のアミノ酸配列を、3′方向に進んで、そ
のアミノ酸配列のかなりの部分をコードするものを選
ぶ。断片は第一の白血球インタフェロンのアミノ酸
“n”のコドンに隣接した位置に制限エンドヌクレアー
ゼ切断部位を含有し、n−アミノ酸は第一のインタフェ
ロンのアミノ酸配列のかなりの部分より成っている。そ
の制限エンドヌクレアーゼで切断すると、第一のインタ
フェロンのアミノ末端と、およそn−アミノ酸のコドン
とを含んでいる。二番目の異なる白血球インタフェロン
のアミノ酸に対するコドンの全て、或いは一部を含んで
いる二つ目の断片を選び該断片は、アミノ酸数がおよそ
166−n個の、第二のインタフェロンのアミノ末端か
ら進んでそのアミノ酸に対するコドンに隣接して、同じ
制限エンドヌクレアーゼ部位を含んでいる。二つ目の断
片をその制限エンドヌクレアーゼで切断すると、第一の
断片の消化産物の“n”末端部分に相補的な産物を得
る。従って、二番目の消化産物を第一の産物と結合して
再び制限エンドヌクレアーゼ認識部位を形成し、最初の
消化で失なった第一のインタフェロンのアミノ酸nのコ
ドンを再構成する。二番目の断片の制限エンドヌクレア
ーゼ消化産物は切断部位から3′の方向に、第二の白血
球インタフェロンのカルボキシ末端をコードする塩基を
経て進むのが好ましい。
選択的には、天然存在の二つ以上の白血球インタフェロ
ンのアミノ酸配列のかなりの部分を含むハイブリドも作
成し得る。そのような場合、例えば、上記に言及した第
二の断片が二つ目の制限エンドヌクレアーゼ部位を一つ
目のより下流に有するように選択し、二つ目の部位は、
第三の白血球インタフェロンのカルボキシ末端部をコー
ドする断片内に同じように存在するものと同一であるよ
うにする。引用した例において、連続した制限エンドヌ
クレアーゼ操作の生成物を三つ合わせて結合し、第一の
インタフェロンのアミノ末端部分、第二のものの中間の
アミノ酸配列、および第三のもののカルボキシ末端(或
いは、第一と第三のインタフェロンは同じで、第一のイ
ンタフェロンの他の組み合せ)をコードするハイブリド
遺伝子を形成できる。
好ましくは、上述の第一の断片は発現プラスミドに由来
し、即ち、第一のインタフェロンのアミノ末端のコドン
の前にATG或いは他の翻訳開始コドンとプロモーター又
はプロモーターオペレーター系を有するものである。そ
の結果、上記記載の操作による最終生成物はハイブリド
遺伝子のコードするポリペプチドをそのプラスミドで形
質転換したバクテリア或いは他の微生物中で発現できる
プラスミドとなる。ハイブリド遺伝子を微生物発現させ
るための他の方法は技術として明白である。
本発明の好ましい具体例として、ハイブリド遺伝子がお
よそ165〜166個のアミノ酸より成る新規の白血球
インタフェロンアミノ酸配列をコードし、そのアミノ酸
は、第2表に示すLeIF A、LeIF B、LeIF C、LeIF D、Le
IF E、LeIF F、LeIF GおよびLeIF Hより成るグループか
ら選ばれる二つ又はそれ以上の異なる白血球インタフェ
ロンのアミノ酸配列の接合より成っている。最も好まし
くは、ハイブリド遺伝子によりコードされる新規白血球
インタフェロンは、第2表の“A11”配列に示すアミノ
酸とその位置を含むものである。本発明により作成され
るプラスミドの発現産物は、以下に生物活性測定として
記載するように、常法により抗ウイルス活性を試験でき
得る。
F.抗ウイルス活性 E.coli K-12 294株を、それぞれ別個に、プラス
ミドpLeIF trp A25、pLeIF trp D、pLeIF trp A/D
(Bgl II)、およびpLeIF trp D/A(Bgl II)を用い
て形質転換した。形質転換株をそれぞれ、テトラサイク
リン5μg/ml含有のL−培地5mlでA550がおよそ1.0
となるまで培養し、次に5μg/mlのテトラサイクリン
含有のM9培地1リットルに希釈する。A550が1.0に達
した時、集菌し、菌体を10ml15%蔗糖、50mMトリ
ス−塩酸(pH8.0)、5mM EDTAにけん濁する。10mgの
リゾチーム添加、0℃5分後、細胞を超音波処理により
破砕する。サンプルをSorvall SM−24 ローター中で
15,000rpm、10分間遠心する。上澄液のインタフェロ
ン活性を抗ウイルス活性でテストする。
培養液1リットル当りのインタフェロンの生産量をヒト
細胞(WISH)で測定した結果を第6表に示す。表から明
かなように、他のインタフェロンに比較してLeIF−A/
D活性が多量に生産している。この差はLeIF−A/Dの
活性が本質的に高いことに由来するのか、或いは、この
インタフェロンたん白が量として多く生産されているこ
とに由来するのかであろう。これら全てのインタフェロ
ンが遺伝子的に全く同一に結合しているものであるか
ら、LeIF−A/Dが他のインタフェロンより本質的に活
性が強いという可能性が最も高いと思われる。
各種インタフェロンの哺乳動物細胞内での効果を測定し
た(ヒト、WISH;アフリカミドリサル、VERO;ハムスタ
ー線維芽細胞、BHK;ウサギ腎細胞、RK-13;マウス、
L−929;およびウシ腎、MDBK細胞)。各種インタフ
ェロンの相対活性を比較するため、各細胞における活性
を、WISH細胞上の活性を100として計算した。第7表
に示す結果より、LeIF−A/DがVEROおよびL−929
細胞で非常に高い活性を示すのに対し、LeIF−D/Aは
これらの細胞で低い活性しか示されない。この結果か
ら、LeIF−AのN−末端部分とLeIF−DのC−末端部分
を一つの分子内(LeIF−A/D)に組み合せることによ
り、何種かの哺乳動物に現われるような特別の効力がそ
のハイブリドたん白に備わることがわかる。さらに、こ
れらの性質は、単に、親インタフェロンの性質の和では
ない。このことは特にL−929細胞での活性で明確で
ある。即ち、LeIF−AおよびLeIF−Dの混合物やもう一
つのハイブリド(LeIF−D/A)では有意な活性を有し
ていない。
LeIF−A/Dの他のウイルスに対する活性も調べた。第
2図に示すデータはL−細胞に感染したEMCウイルスに
対する抗ウイルス活性を、又第3図は、L−細胞に感染
したVSVに対する効果を示している。これらのデータか
ら明かなとおり、LeIF−A/Dの強い活性は一つのウイ
ルス(VSV)に限られるものでなく、多くのウイルスに
対する一般的性質のようである。天然のヒト白血球層イ
ンタフェロン標品はマウス細胞で活性を示さない(第7
表)。第4図のデータは、感染前3時間にi.p.投与した
結果である。LeIF−A/DおよびLeIF−Aの投与量はWI
SHで測定したものである。
EMCウイルスのハムスターへの致死感染もLeIF−A/D
およびLeIF−Aにより影響を受ける(第5図)。前者が
最も効果があり、ヒト白血球層インタフェロンは統計的
には有意でないぐらいの低い活性のみ示す。第5図の場
合、どのインタフェロンもWISH細胞での測定での5×1
10μg/Kgの量を感染3時間前にi.p.投与した。
これらの結果は、LeIF−A/Dの哺乳動物における強い
抗ウイルス効果は、培養細胞に限定されるのでなく、ウ
イルス致死感染においても観察されることを示してい
る。
EMCウイルスに対する抗ウイルス活性は、鷲口瘡ウイル
スやポリオウイルスなどのピコナウイルス群のウイルス
に対する抗ウイルス活性を示唆するモデル系と考えられ
ている。VSVウイルスに対する抗ウイルス活性は、狂犬
病ウイルスがその重要な一員であるrhabdoウイルス群の
ウイルスに対する抗ウイルス活性を示唆するモデル系と
考えられている。
第8表は、各種LeIFハイブリッドのWISHおよびMDBK細胞
での活性とそれらの活性比を表にしたものである。
G.非経口投与 以上のハイブリド白血球インタフェロンは、抗腫瘍或い
は抗ウイルス治療を必要とする人、および免疫抑制状態
を示す人に対して非経口投与され得る。投与量および投
与の割合は、現在ヒト由来のもので臨床に用いられてい
る量、毎日約(1〜10)×106ユニットと同じ位で
よく、純度が1パーセント以上の場合には、例えば毎日
5×107ユニットにもなろう。上述のサルにおける予
備試験でも、バクテリアから得られるLeIFの場合には、
LeIF以外のヒトたん白本質的に存在しないため、投与量
も高く、より高い効果が得られることを示唆している。
本発明のインタフェロンABまたはADは抗ウイルス治療に
必要な用量の範囲内で、公知のインタフェロンAに比べ
発熱等の副作用は同程度であって、その程度は実用上障
害とはならなかった。白血球由来のものでは、LeIF以外
のヒトたん白が発熱物質となり、倦怠感、発熱などの副
作用を示す。
本質的に均質なバクテリア由来のLeIFの非経口投与のた
めの適当な投与形態の一例として、比活性が例えば2×
108U/mgのLeIF3mgを25mlの5%ヒト血清アルブ
ミンに溶解し、溶液を除菌フィルターを通した後、液
を無菌的に100本のバイアルに分ける。それぞれ、6
×106ユニットの純インタフェロンを含有し、非経口
投与に適している。バイアルは使用前は低温(−20
℃)に保存する。
本発明の化合物は、有用な医薬組成物を調製する既知の
方法に従って処方されうる。その際、ポリペプチドは、
医薬として許容されうる担体基礎剤と混ぜ合わせる。適
当な基礎剤およびその処方は、E.W.MartinによるReming
ton′s Pharmaceutical Sciencesに記載されており、こ
れを参考文献として引用する。これらの組成物は、イン
タフェロンたん白の有効量と、適量の基礎剤を含み、宿
主に対して有効で投与に適した医薬的に許容し得る組成
物とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、8種の白血球インタフェロンのcDNAクローン
(AからH)の制限エンド又クレアーゼ切断地図を示
す。 第2図は、ハイブリド型白血球インタフェロン(LeIF−
A/D)のマウス細胞におけるEMCウイルスに対する活
性を示す。 第3図は、LeIF−A/Dのマウス細胞におけるVSVに対
する活性を示す。 第4図は、マウスにEMCウイルスを感染させた時の、LeI
F−A/Dの活性を、第5図は、ハムスターにおけるEMC
ウイルス感染に対する活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 F 8214−4B (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】およそ165〜166個のアミノ酸よりなる抗ウ
    イルス性ポリペプチドであって、ヒト白血球インタフェ
    ロンAおよびヒト白血球インタフェロンBまたはDの別
    々のアミノ酸副配列からなり、ヒト白血球インタフェロ
    ンAの副配列は前記ポリペプチドのN末端に位置してお
    り、そしてこのポリペプチドの全アミノ酸配列は天然白
    血球インタフェロンのアミノ酸配列とは異なっている、
    抗ウイルス性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】そのN−末端部分が本質的にヒト白血球イ
    ンタフェロン(LeIF)-Aの1〜91番目のアミノ酸よりな
    り、カルボキシ−末端部分が本質的にLeIF-Dの93〜166
    番目のアミノ酸よりなる特許請求の範囲(1)項記載のポ
    リペプチド。
  3. 【請求項3】そのN−末端部分が本質的にLeIF-Aの1〜
    62番目のアミノ酸よりなり、カルボキシ−末端部分が本
    質的にLeIF-Dの64〜166番目のアミノ酸よりなる特許請
    求の範囲(1)項記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】そのN−末端部分が本質的にLeIF-Aの1〜
    91番目のアミノ酸よりなり、カルボキシ−末端部分が本
    質的にLeIF-Bの93〜166番目のアミノ酸よりなる特許請
    求の範囲(1)項記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】およそ165〜166個のアミノ酸よりなるポリ
    ペプチドであって、このポリペプチドのアミノ酸配列
    が、ヒト白血球インタフェロンAおよびヒト白血球イン
    タフェロンBまたはDの別々のアミノ酸副配列からな
    り、ヒト白血球インタフェロンAの副配列は前記ポリペ
    プチドのN末端に位置しており、そしてこのポリペプチ
    ドの全アミノ酸配列は天然白血球インタフェロンのアミ
    ノ酸配列とは異なるポリペプチドを、活性成分として含
    有する抗ウイルス剤。
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