JPH064570B2 - ニトロ安息香酸類の製造法 - Google Patents

ニトロ安息香酸類の製造法

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JPH064570B2
JPH064570B2 JP60248782A JP24878285A JPH064570B2 JP H064570 B2 JPH064570 B2 JP H064570B2 JP 60248782 A JP60248782 A JP 60248782A JP 24878285 A JP24878285 A JP 24878285A JP H064570 B2 JPH064570 B2 JP H064570B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は2−(4′−C1〜2アルコキシアニリノ)−
4−ニトロ安息香酸の製造方法に関する。更に詳しく
は、2−クロル−4−ニトロ安息香酸と4−C1〜2
ルコキシアニリンとを縮合して、2−(4′−C1〜2
アルコキシアニリノ)−4−ニトロ安息香酸を製造する
方法に関する。
従来の技術 2−(4′−C1〜2アルコキシアニリノ)−4−ニト
ロ安息香酸は医薬、農薬等として用いられるアクリジン
誘導体の原料として重要な中間体である。本発明の目的
化合物のうち2−(4′−エトキシアニリノ)−4−ニ
トロ安息香酸の製造法としては、次の方法が公知であ
る。
(イ)水媒体中、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムと銅(O)
粉の存在下2−クロル−4−ニトロ安息香酸と4−エト
キシアニリンを縮合する方法。(ドイツ特許第3640
33号) (ロ)ブタノール中、炭酸ナトリウムと銅(O)粉の存在下2
−クロル−4−ニトロ安息香酸と4−エトキシアニリン
を縮合する方法。(Albertet al.,J.Soc.Chem.61,159(19
42)) 発明が解決しようとする問題点 前記した2つの方法は工業的製法とて実施するには種々
の欠点を有している。例えば(イ)法では、反応を完結さ
せるのに20時間以上の反応時間を要する、反応進行中
に脱塩素反応をおこす、更には2−クロル−4−ニトロ
安息香酸の塩素が水酸基に変った(加水分解)副生物が
生成する等の欠点があり、その結果として収率よく目的
化合物をえることが出来ない。
また、(ロ)法では、収率が78%とかなり改善されてい
るというものの溶媒としてブタノールを多重に使用する
必要がある、仕込効率が悪い、反応後、目的化合物を取
出す為にブタノールの回収を行わねばならず操作が煩雑
になる、さらには廃液中に、ブタノールが多量に混入
し、廃液処理に多大の費用を要するなどの欠点を有して
いる。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、前記したような問題点を解決すべく鋭意
検討した結果、本発明に至った。即ち本発明は水性媒体
中、銅(O)及び銅(II)塩とからなる混合物(触媒)並び
に中和剤の存在下に2−クロル−4−ニトロ安息香酸に
4−C1〜2アルコキシアニリンを反応させることを特
徴とする相当する2−(4′−C1〜2アルコキシアニ
リノ)−4−ニトロ安息香酸の製造法を提供する。
本発明における反応式は次の式によって表される。
〔式(1)中RはC1〜2のアルキルを表す〕 上記反応に於て銅(O)触媒の使用は不可欠であるが銅(O)
のみを触媒として用いたのでは十分な反応速度が得られ
ない。一方銅(II)塩を触媒として用いると反応速度が非
常に増大することが認められるが目的化合物が大変汚味
になる、反応中に過性の悪い酸化銅(II)が生成し後処
理工程に問題を生ずる等の欠点があることがわかった。
本発明者らは後処理工程に問題を残すことなく高い反応
速度で汚染のない目的化合物を得る方法につき検討を重
ねていたところ意外にも、銅(O)と銅(II)塩の混合物を
用いることによって、反応時間を従来方法に比べ1/2以
下に短縮できかつ副生物の生成も少く、高収率で品質の
良い2−(4′−C1〜2アルコキシアニリノ)−4−
ニトロ安息香酸が得られることを見出し、本発明を完成
したものである。
本発明方法において、4−C1〜2アルコキアニリンの
使用量は、2−クロル−4−ニトロ安息香酸に対し多け
れば多い程、反応速度が増すが、実用的には、1.0〜5.0
倍モルより好ましくは1.1〜3.0倍モル用いられる。
1.0倍モル以下では反応速度が低下するばかりでなく未
反応物の残存量も多くなり実用的でない。
溶媒としては水又は水と混和可能な溶媒例えばメタノー
ル、エタノール、DMF,DMSO等との混合溶媒が使
えるが、コスト、廃液負荷等を考慮して水溶媒中で行う
のが望ましい。その用いるべき量は、原料の2−クロル
−4−ニトロ安息香酸に対して重量比1.0〜4.0倍、好ま
しくは1.5〜3倍である。溶媒量が1.0倍以下では、反応
液が粘稠になり、又溶媒量が4倍以上になると反応速度
が遅くなる傾向にある。
本発明の方法における反応は脱塩酸反応であるので中和
剤を共存せしめる必要があるが中和剤としては炭酸塩又
は重炭酸塩が好ましくより好ましくはアルカリ金属炭酸
塩又はアルカリ金属重炭酸塩が用いられ、殊に炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムがすぐれた結果を与える。そ
してその使用量は、2−クロル−4−ニトロ安息香酸に
対し2.0〜6.0当量モル好ましくは1.0〜2.0当量モルであ
る。
銅(O)触媒としては微粒子状の銅又は銅粉が用いられる
が通常は銅粉が用いられる。その使用量は、2−クロル
−4−ニトロ安息香酸に対し、0.01〜0.2当量モル、よ
り好ましくは0.02〜0.15当量モル用いられる。また銅
(O)と銅(II)塩との使用割合は、銅(O)1モルに対し、銅
(II)塩0.3〜2.0当量モルより好ましくは0.5〜1.5当量モ
ル用いられる。銅(II)塩としては硝酸銅(II)、硫酸銅(I
I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、酢酸銅(II)等が用いられ
るが硫酸銅(II)又は塩化銅(II)を使用すると殊によい結
果を与える。反応温度は60〜110℃で行うのがよく
より好ましくは70〜90℃にて前半の反応を行ったの
ち、後半において還流(98〜110℃)下で反応させ
るという方法がとられる。60℃以下で反応を行うと反
応途中で反応液が粘稠となり、反応が進行しにくくな
る。
反応時間は、4−C1〜2アルコキシアニリンの使用
量、溶媒量、銅(O)及び銅(II)塩の使用量、反応温度等
により異なるが、より工業的な条件での反応時間は2〜
8時間である。
反応終了後は、通常の処理方法、即ち、溶媒として水と
水を混和しうるような有機溶媒の混合溶媒を用いた場合
は蒸留法等によって有機溶媒を除いたのち反応液を水に
て希釈し銅(O)及び銅(II)塩(触媒)を別したのち、
液を中性にし析出した結晶を別することにより2−
(4′−C1〜2アルコキシアニリノ)−4−ニトロ安
息香酸を得ることができる。
本発明の方法で得られる2−(4′−C1〜2アルコキ
シアニリノ)−4−ニトロ安息香酸は、液クロ分析値で
98%以上の純度を有しているので通常の用途には精製
することなく使用されるものであるが必要に応じて再結
晶法等によって精製してもよい。
本発明の方法は、反応時間を大幅に短縮することができ
る、品質の良い2−(4′−C1〜2アルコキシアニリ
ノ)−4−ニトロ安息香酸が高収率で得られる、廃液負
荷が小さい、酸化銅(II)の生成がなく過性がよい等の
点で工業的に有利な方法である。
実施例 本発明の方法を実施例によって更に詳細に説明する。
実施例1. 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を溶解
したのち、50℃まで昇温し、2−クロル−4−ニトロ
安息香酸30g(0.149モル)を同温度にて加えた。次
いで銅粉0.28g(0.0044モル)と硫酸銅(5水和物)0.
93g(0.00387モル)を添加し、反応液の温度を80℃
まで昇温した。同温度で4−エトキシアニリン24g
(0.175モル)を加えた。80℃にて、4時間反応させ
たのち昇温して還流下にて4時間反応させたところ未反
応の2−クロル−4−ニトロ安息香酸の量が0.3%とな
ったので反応を終了した。
反応液に温水(70〜80℃)120mlを加え更に、
(メタケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸アルミニウムを
主要成分とする過助剤(パーライト)2gを添加した
後、70〜80℃にて熱過し不溶解分を除去した。次
いで液を10%硫酸にて中和し、析出した沈殿物を
別すると、淡橙色粉末の2−(4′−エトキシアニリ
ノ)−4−ニトロ安息香酸35.1g(理論値の78.0%、L
C純度99.3%、MP233〜4℃)がえられた。
実施例2. 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を溶解
したのち50℃まで昇温し、同温度で2−クロル−4−
ニトロ安息香酸30g(0.149モル)を加えた。次いで
銅粉0.28g(0.0044モル)と硫酸銅(5水和物)0.93g
(0.00387モル)を添加したのち反応液の温度を80℃
まで昇温し、同温度で4−エトキシアニリン41g(0.
298モル)を加えた。
80℃にて2時間反応させたのちさらに還流下で1時間
反応させて反応を終了した。(未反応の2−クロル−4
−ニトロ安息香酸0.2%)反応液に実施例1と同様な処
理を施して淡黄橙色粉末の2−(4′−エトキシアニリ
ノ)−4−ニトロ安息香酸35.2g(理論値の78.2%、L
C純度99.0%、MP232〜3℃)を得た。
実施例3. 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を溶解
したのち50℃まで昇温し、2−クロル−4−ニトロ安
息香酸30g(0.149モル)を加えた。次いで銅(O)粉0.
59g(0.0093モル)と硫酸銅(5水和物)1.34g(0.00
56モル)を添加し、反応液の温度を80℃まで昇温し
た。80℃で4−エトキシアニリン24g(0.175モ
ル)を仕込み、同温度にて2時間反応させた。その後昇
温し還流下にて2時間反応させると、未反応の2−クロ
ル−4−ニトロ安息香酸の量は0.8%となった。この時
点で反応を終了し実施例1と同様な処理を行って淡黄橙
色粉末の2−(4′−エトキシアニリノ)−4−ニトロ
安息香酸34.2g(理論値の76.0%LC純度99.2%、MP
233〜4℃)を得た。
比較例1.(触媒として銅粉のみを使用) 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を溶解
したのち50℃まで昇温し、2−クロル−4−ニトロ安
息香酸30g(0.149モル)を加えた。次いで銅粉0.52
g(0.0082モル)を添加したのち、反応温度を80℃ま
で昇温し4−エトキシアニリン24g(0.175モル)を
加えた。次いで還流下で22時間反応させたところ未反
応の2−クロル−4−ニトロ安息香酸2.6%となった。
反応液に実施例1と同様な処理を施して緑味黄橙色の2
−(4′−エトキシアニリノ)−4−ニトロ安息香酸3
0.0g(理論値の67%、LC純度97.5%mp.232℃)
を得た。
比較例2.(触媒として硫酸銅のみを使用) 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を
溶解したのち50℃まで昇温し、2−クロル−4−ニト
ロ安息香酸30g(0.149モル)を加えた。次いで硫酸
銅(5水和物)1.97g(0.0082モル)を添加したのち、
反応液を80℃まで昇温した。80℃に達したら、4−
エトキシアニリン24gを仕込み、その後、同温度にて
4時間反応させたのち昇温して還流下に4時間反応させ
て反応を終了した。(未反応の2−クロル−4−ニトロ
安息香酸の量0.3%)反応液に実施例1と同様な処理を
施して褐色に着色した2−(4′−エトキシアニリノ)
−4−ニトロ安息香酸30.9g(理論値の68.7%、L
C純度98.8%、MP232℃)を得た。
実施例4. 水60mlに炭酸ナトリウム27g(0.255モル)を溶解
したのち50℃まで昇温し、2−クロル−4−ニトロ安
息香酸30g(0.149モル)を加えた。次いで銅(O)粉0.
12g(0.0019モル)と塩化銅(II)・2水塩0.44g(0.00
26モル)を添加し、反応液の温度を80℃まで昇温し
た。80℃で4−エトキシアニリン24g(0.175モ
ル)を仕込み、同温度にて4時間反応させたのち、還流
下にて6時間反応させて反応を終了した。(未反応の2
−クロル−4−ニトロ安息香酸の量1.8%)反応液に実
施例1と同様な後処理を施して淡橙色粉末の2−(4′
−エトキシアニリノ)−4−ニトロ安息香酸32.5g(理
論値の72.2%、LC純度99.0%、MP232〜3℃)を
得た。
発明の効果 短かい反応時間で品質のすぐれた2−(4′−C1〜2
アルコキシアニリノ)−4−ニトロ安息香酸を収率よく
製造出来るようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中、銅(O)及び銅(II)塩とからな
    る混合物並びに中和剤の存在下に2−クロル−4−ニト
    ロ安息香酸に4−C1〜2アルコキシアニリンを反応さ
    せることを特徴とする相当する2−(4′−C1〜2
    ルコキシアニリノ)−4−ニトロ安息香酸の製造法
JP60248782A 1985-11-08 1985-11-08 ニトロ安息香酸類の製造法 Expired - Lifetime JPH064570B2 (ja)

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