JPH064550A - Ｐｏｓシステム連動型価格表示システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存のＰＯＳシステムへの接続を容易にする
とともに、顧客が商品を受領してから精算するまでの間
に価格変更があった場合に生ずる不都合を解消する。 【構成】 既存のＰＯＳシステムとのインターフェイス
部とその他の表示制御部とを別個独立のものとして構成
し、ＰＯＳインターフェイス部だけを交換するだけで価
格表示システムをＰＯＳシステムと連動可能にする。ま
た、変更価格が上がるか下がるかによって、表示器の価
格表示の変更とＰＬＵファイルの変更のタイミングを所
定時間ずらすようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＰＯＳシステムに連動
して価格表示を変更する価格表示システムに関する。

【０００２】

【従来技術】数千又は数万種の商品を取り扱う大型店舗
では、商品の棚管理及び価格の表示管理に多くの労力と
注意を払っている。価格表示の間違いは、顧客とのトラ
ブルを生じるだけでなく信用も失いかねないので、間違
いの無い正確な表示が求められる。このような要請に応
えて、電気的に価格を表示することができる小型軽量の
表示器を商品陳列棚に設置し、商品陳列の変更又は価格
の変更に応じて価格表示を変更する価格表示システムが
一部で利用されている。価格表示器の表示の変更は中央
制御機で集中的に管理されるので正確な価格表示が可能
となる。

【０００３】一方、ＰＯＳシステムを使用している場
合、価格の変更にはＰＬＵファイルのの変更を伴うが、
当初の価格表示システムでは価格表示の変更とＰＬＵフ
ァイルの変更とを別々に行う必要があった。ここにＰＬ
Ｕファイルとは、商品の種類毎に商品コード、その商品
の価格、商品部門、商品の数量等を記憶しているマスタ
ーファイルのことである。

【０００４】このように、表示内容の変更とＰＬＵファ
イルの変更を別々に行うと、変更手続きが面倒であるの
みならず、変更手続きを２回行うため間違いが発生する
危険が増大する。さらに、変更の時間差により価格表示
とＰＬＵファイルの価格に一時的に食い違いが発生する
危険がある。そのため、価格変更のタイミングが難し
く、結局、営業時間内の自由な価格変更ができないとい
う問題があった。これに対して、特開昭５７ー１０５０
７６号は、中央処理装置に予め価格変更時間、価格変更
する商品及び変更価格をプリセットしておき変更時間に
自動的にＰＬＵファイル及び価格表示を変更するように
した発明を提案している。

【０００５】

【従来技術の問題点】しかし、上記従来技術にも問題が
ある。第１の問題は、既に多くの多種多用のＰＯＳシス
テムが稼動しており、それらの各種ＰＯＳシステムと価
格表示システムを連動させるには、ＰＯＳシステムの基
本ソフトウェア（ＯＳ）を含む多くのソフトウェアの手
直し作業が必要になるということである。この手直し
は、ＰＯＳシステムの根幹を成すＰＬＵファイルの変更
の制御に関するものであるから、通常の簡単な手直しと
異なりシステム全体を考えた慎重な作業が要求される。

【０００６】第２は、上記従来技術のようにＰＬＵファ
イルの価格と価格表示器の表示内容が同時に変更される
ことに伴う問題である。顧客が商品の購入を決めてから
精算するまでに時間差があるため、顧客が商品の値段を
確認し商品購入を決めたときと実際の精算時との間に価
格変更が行われたら、顧客の認識価格と実際の精算価格
との間でズレが生じる。これは顧客とのトラブルの原因
となり、店の信用にかかわる重大な問題である。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、最小限の手直し作業で既存の
ＰＯＳシステムに接続可能なＰＯＳ連動価格表示システ
ムを提供することを目的とする。本発明はまた、上述し
たような商品の値段に対する顧客の認識価格と精算時に
おける価格のズレの可能性を、最小限になるようにした
ＰＯＳ連動価格表示システムを提供することを目的とす
る。

【０００８】

【目的を達成する手段】本発明のＰＯＳ連動型価格表示
システムは、接続される前記ＰＯＳシステムと価格表示
システム間の命令コード、フォーマット等を相互に変換
するＰＯＳインターフェイス部と、表示制御部と複数の
価格表示器とからなり、接続されるＰＯＳシステム種類
に応じて前記ＰＯＳインターフェイス部を交換するだけ
で、既存のＰＯＳシステムに接続可能となるよう構成し
て上記目的を達成する。本発明のＰＯＳ連動型価格表示
システムは、営業時間中に商品価格を変更する場合に
は、価格の上下に応じてＰＬＵファイルの価格変更と価
格表示器の表示変更のタイミングを所定期間ずらすよう
構成して上記価格変更に伴う問題点を克服した。

【０００９】

【実施例】第１図に本発明の実施例の構成を示す。大き
く分けてＰＯＳシステム２と価格表示システム４とに分
かれている。ＰＯＳシステム２は、ＰＯＳ制御部１０と
ＰＯＳ端末郡１２とからなる。価格表示システム４は、
ＰＯＳシステム２と接続しこれと連動するためのＰＯＳ
インターフェイス部５、価格表示制御部６、価格表示器
郡１６、携帯型スキャナ１８とから構成される。価格表
示制御部６は、さらに各種動作を制御するための各種制
御モジュール７,８,９に分かれている（後述する）。

【００１０】本発明のシステムの最も基本的な動作は、
ＰＯＳシステム２内のＰＬＵファイル３の価格データと
価格表示器の表示データを一致させることである。その
ために、ＰＬＵファイル３の価格データを変更するとき
は同時に表示器の表示データも変更し、逆に表示器１６
の位置または表示対象商品を変更しそれに伴い表示価格
が変更するときは同時にＰＬＵファイル３の内容も変更
する。但し、実際には上述した従来技術の問題点をなく
すため、ＰＬＵファイル３と価格表示とを完全に同時に
変更するのではなく、後述するように一定の時間差を持
たせて変更している。

【００１１】前述したように、ＰＬＵファイル３はＰＯ
Ｓシステム２の根幹を成す最も重要な部分である。従っ
て、ＰＬＵファイル３へのアクセスは厳重な管理の下に
行う必要がある。一方、多くの大型店舗には既に多数の
ＰＯＳシステム２が稼動しているが、そのシステムを構
成する各種機器及びその動作を制御するオペレーティン
グ・システム（以下ＯＳという）は各メーカーによって
異っている。従って、既存のＰＯＳシステムに価格表示
システム４を接続するには、信頼度が高くかつＰＯＳシ
ステム２のＯＳの手直しが最小となるようなＰＯＳイン
ターフェイス部５が必要となる。

【００１２】ＰＯＳインターフェイス部５は、基本的に
は各々のＰＯＳシステム２で使用するフォーマットと価
格表示システム４で使用するフォーマットとを相互に変
換するものである。従って接続されるＰＯＳシステム２
の種類に応じて異なるインターフェイス部５を使用す
る。価格表示システム４の基本機能は、すべて価格表示
制御部６に集約されており、ＰＯＳインターフェイス部
５から所定のフォーマットに変換されたデータを送受信
する。

【００１３】具体的な接続形態としては、大きく分けて
２種類ある。この接続形態を図２に示す。まず、図２
（Ａ）及び（Ｂ）においては価格表示システム４がＰＯ
Ｓ端末機１２と同じようにＰＯＳシステム２の中に組み
込まれている。この場合、ＰＯＳ制御部１０とのデータ
の送受信はＰＯＳシステム２の送受信機能をそのまま使
用できる。そのため、ＰＯＳインターフェイス部５は相
互のシステムのフォーマット及び命令コードの変換だけ
を行えばよいというメリットを有する。しかし、この方
式は価格表示システムがＰＯＳ端末機と同様に独立した
存在となるため、各制御部５,６,７,８,９ための制御装
置（通常オフィス・コンピュータまたはパーソナル・コ
ンピュータを用いる）を設ける必要があるのでコスト高
になる。

【００１４】これに対して、図２の（Ｃ）の接続形態
は、価格表示システムのＰＯＳインターフェース部５、
価格表示制御部６をＩＳＰ（店舗内中央制御装置）の中
に組み込むことができるため、価格表示システム専用の
制御装置は不要となる。しかし、この方式によると、Ｐ
ＯＳシステム２によりＰＬＵファイル３が変更されたと
きの処理が煩雑になる。すなわち、図２（Ａ）,（Ｂ）
の方式によると、価格表示システム４がＰＬＵファイル
３及びＰＯＳ端末機１２と同じようにライン１７上に接
続されているため、ＩＳＰ１４のＰＯＳ制御部１０から
ＰＬＵファイル３へ送信されるＰＬＵファイル３変更の
ためのデータを受信可能である。

【００１５】これに対し、図２（Ｃ）の方式ではＰＯＳ
システム２と価格表示システム４は別のシステムである
ため、価格表示システム４ではＰＬＵファイル３が変更
されたことを知ることができない。そのため、両システ
ムを連動させるためには、ＰＯＳシステム２側の制御部
を一部手直しして、ＰＬＵファイル３の変更を価格表示
システムにも伝達するようにするか、ＰＬＵファイル３
に変更がないか価格表示システム４の方から定期的に確
認する必要がある。前者の場合には、ＰＯＳシステム２
のソフトウェアの手直しを必要とするのに対し、後者の
場合にはＰＯＳインターフェイス部５にＰＬＵファイル
の変更を確認する手段を設ける必要がある。具体的に
は、ＰＬＵファイル３の変更の際に一時的に作成される
変更用バッチ・ファイルの存在を確認することにより、
ＰＬＵファイル３の変更を知ることが可能である。何れ
の方式を選択するかは、接続されるＰＯＳシステム２の
種類・性質に応じて、手直し作業の難易度等を考慮して
決定する。これにより既存のＰＯＳシステム２に価格表
示システム４を接続する際に、ＰＯＳシステム２及び価
格表示システム４の双方の変更を最小限に抑え両システ
ムの統合を簡素化することができる。

【００１６】ＰＯＳシステムとの連動変更処理には、大
きく分けて２つの動作がある。第１は、ＰＯＳシステム
２側によるＰＬＵファイル３の商品価格変更に伴い、価
格表示器１６の表示データを変更する動作である。第２
は、価格表示システム４の側からＰＬＵファイル３の書
換を行う動作である。第２の動作は、価格表示システム
４導入時又は表示器１６の位置の変更にともない価格表
示システム４側で価格を設定したり変更する場合等に行
われる。上記各動作はそれぞれ、図１の価格表示制御部
６により制御される。価格表示制御部６は表示変更制御
部（第１の制御手段）８、ファイル変更制御部（第２の
制御手段）７、及び管理制御部（第３の制御手段）９に
より処理される。

【００１７】ＰＯＳシステムのＰＬＵファイル変更に伴
う価格表示変更動作について説明する。ＰＬＵファイル
３の変更があると、ＰＯＳ制御部１０からの信号により
又はＰＯＳインターフェイス部５のポーリングにより、
それが検知される。それにより表示変更制御部８はＰＯ
Ｓインターフェイス部５を経由してＰＯＳ制御部１０に
アクセスし、価格変更データを受け取る。変更データ
は、管理制御部９を経て対応する個別の価格表示器１６
に送られてその表示を変更する。

【００１８】次に、価格表示システム４側からのＰＬＵ
ファイル３の変更について説明する。価格表示システム
４による価格の変更は、通常、表示制御部６に設けられ
たキーボード（図示せず）又は手持ち型スキャナーによ
り入力される。これらによる変更は、緊急特売等による
価格の変更等の際に必要となる。いま、手持ち型スキャ
ナ１８から変更するとする。変更データは制御部６のフ
ァイル変更制御部７に送信される。するとファイル変更
制御部７は、ＰＯＳインターフェイス部５を介してＰＯ
Ｓシステムにアクセスし、ＰＬＵファイル３を変更す
る。

【００１９】上記のような価格表示器１６とＰＬＵファ
イル３の価格の変更を同時に行うとすると以下のような
問題が生じる。例えば、特売などで価格を下げるときに
ちょうどその商品を精算する場合、顧客の認識している
価格と異なる価格で精算されることになる。これは、顧
客の支出が少なくなるだけであるから、一見問題が無い
ように考えがちであるが、精算処理に対する顧客の信頼
を失うことになりかねないので好ましいことではない。
逆に、特売時間経過後価格を元に戻す（価格が上がる）
ときが特に問題となる。顧客が特売品を精算したら、そ
の時は既にＰＬＵファイルが変更されていて通常の高い
値段に戻っている可能性があるからである。

【００２０】本発明では、価格の上げ下げの状況に応じ
て、価格表示器１６の表示変更タイミングと、ＰＬＵフ
ァイル３の変更タイミングとをずらすようにして、上記
問題発生を最小限にするようにした。まず、価格を下げ
るときはＰＬＵファイル３と表示器１６を同時に変更す
る。この場合には、顧客はより高い値段を認識している
にもかかわらず、精算金額では商品の値段が安くなって
いる可能性がある。従って顧客の誤解を避けるために、
レシート上のその商品の位置に「タイムサービス」また
は「特売品」と印字するようにして、精算上の間違いで
は無いことを明示するとよい。

【００２１】一方、特売の終了などで、価格を上げると
きには、特売時点の安い値段のときに商品を買物籠に入
れその後精算する顧客のために、ＰＬＵファイル３の価
格変更を遅らせる必要がある。遅らせる時間は、状況に
応じて自由に決めてよいが、１０分位が適当である。こ
の場合も、１０分の期間が到来する前にアナウンスなど
により注意を喚起する必要があろう。

【００２２】このような価格の変更タイミングをずらす
方法としては、予め各々の変更時間をずらして変更予約
設定しておく方法と、価格の変更時に所定の時間だけ変
更時間をずらす方法とがある。予め変更予約しておく方
法は、各々の時間をずらして設定してある変更時間に各
システム２、３がそれぞれＰＬＵファイル３または表示
内容を変更するものである。

【００２３】変更時に所定時間だけ変更時間をずらす場
合について図３及び図４を用いて説明する。このよう
な、変更時における制御は、管理制御部９内の時間調整
手段２０で行われる。図３に時間調整手段２０を表わす
ブロック図を示す。図４は、その処理動作を示す流れ図
である。

【００２４】まず前提として、このような価格変更は、
価格表示システム４のキーボードまたは手持ち型スキャ
ナ１８により行われるものとする。価格が変更されると
（Ｓ１）、手持ち型スキャナ１８またはキーボードから
入力された価格、商品コード等のデータは、ＰＬＵファ
イル変更制御部７を介して管理制御部９の時間調整手段
２０に送られる。時間調整手段２０ではまず、比較手段
により、変更前後の価格を比較する（Ｓ２）。変更前の
価格はＰＬＵファイル３から読みだして記憶部２４に記
憶してもよいし、表示器１６から変更すべき価格と同時
に送信するようにしてもよい。比較した結果、価格が以
前より下がる場合には、ＰＬＵファイル変更制御部７を
介してＰＬＵファイルの内容を変更し、その後すぐに表
示変更処理手段２６により表示器の表示を変更する（Ｓ
３，Ｓ４，Ｓ５）。さらに、同時にレシートへ「特売」
等のメッセージを印字させるようＰＯＳシステム２に知
らせる（Ｓ６）。

【００２５】価格が上がった場合には、まず１０分間タ
イマー２８をスタートして、次に表示変更処理手段２６
により表示を変更する（Ｓ７，Ｓ８）。他の価格の変更
がないかどうかを確認しつつタイマー２８がタイムアウ
トするのを待つ（Ｓ９，１０）。タイマー２８がタイム
アウトすると、ＰＬＵファイル３を変更して（Ｓ１１）
時間調整変更処理を終了する（Ｓ１２）。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明はＰＯＳイ
ンターフェイス部５を変更するだけで簡単に既存のＰＯ
ＳシステムにＰＯＳ連動型価格表示システムを接続でき
るようになった。さらに、ＰＬＵファイル３の変更タイ
ミングと、価格表示器１６の価格表示の変更タイミング
とを変更価格に応じてずらすようにして、顧客の認識価
格と実際の精算価格とのズレに伴う問題を防止すること
ができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の構成を示す説明図である。

【図２】具体的なシステムの接続形態を示した説明図で
ある。

【図３時間調整手段２０を表わすブロック図であ
る。 【図４】時間調整手段２０の処理動作を示す流れ図であ
る。

【符号の説明】

２ ＰＯＳシステム ３ ＰＬＵファイル ４ 価格表示システム ５ ＰＯＳインターフェイス部 ６ 価格表示制御部 ７ ＰＬＵファイル変更制御部 ８ 表示変更制御部 ９ 管理制御部 １０ ＰＯＳ制御部 １２ ＰＯＳ端末機 １４ ＩＳＰ １６ 価格表示器 ２０ 時間調整手段

フロントページの続き (72)発明者 山崎 敏郎 神奈川県中郡大磯町高麗１丁目10番１号 日本エヌ・シ−・ア−ル株式会社 大磯開 発製造本部内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ＰＯＳシステムに接続されて、ＰＯＳシス
   テムと連動して商品価格を表示する価格表示システムに
   おいて、 ＰＯＳシステムによるＰＬＵファイルの価格変更を検知
   しそれにあわせて価格表示器の表示内容を変更する第１
   の制御手段と、価格表示器側からの価格変更要求に応じ
   てＰＯＳシステムのＰＬＵファイルを変更するための第
   ２の制御手段と、価格変更タイミングの制御、初期設定
   を行う第３の制御手段とからなる価格表示制御部と、 前記価格表示制御部から送信されるデータに基づき商品
   価格を表示する複数の価格表示器とからなり、 前記ＰＯＳシステムによるＰＬＵファイルの変更に連動
   して価格表示器の表示を変更し、価格表示システムによ
   る価格表示器の表示価格の変更に連動してＰＬＵファイ
   ルを変更するようにしたことを特徴とするＰＯＳ連動型
   価格表示システム。
2. 【請求項２】既存のＰＯＳシステムと前記価格表示制御
   部とを接続するために、接続されるＰＯＳシステムに応
   じて命令コード、データ・フォーマットをそれぞれのシ
   ステムで使用可能な形式に変換するＰＯＳインターフェ
   イス部を含む前記請求項１に記載のＰＯＳ連動型価格表
   示システム。
3. 【請求項３】ＰＯＳシステムによるＰＬＵファイルの価
   格変更に合わせて価格表示システムの価格表示を変更
   し、価格表示システムによる価格表示の変更にあわせて
   ＰＯＳシステムのＰＬＵファイルを変更するＰＯＳ連動
   型価格表示システムにおいて、 営業時間中に商品価格を変更する場合には、価格の上昇
   と下降の場合に対応してＰＬＵファイルの価格変更と価
   格表示器の表示変更のタイミングをそれぞれ所定期間ず
   らすようにしたことを特徴とするＰＯＳ連動型価格表示
   システム。