JPH0645168A - R−Fe−B系磁石の製法 - Google Patents

R−Fe−B系磁石の製法

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JPH0645168A
JPH0645168A JP4198514A JP19851492A JPH0645168A JP H0645168 A JPH0645168 A JP H0645168A JP 4198514 A JP4198514 A JP 4198514A JP 19851492 A JP19851492 A JP 19851492A JP H0645168 A JPH0645168 A JP H0645168A
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magnet
ingot
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JP4198514A
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Hiroyuki Mitani
宏幸 三谷
Atsushi Hanaki
敦司 花木
Tsukasa Yuri
司 由利
Eiji Iwamura
栄治 岩村
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Kobe Steel Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた磁気特性を有する厚肉・大型のR−F
e−B系合金磁石の製法を確立すること。 【構成】 薄肉・小型のR−Fe−B系合金鋳塊を、非
酸化性雰囲気下で450 〜1000℃に加熱し、合金鋳塊が液
相を含む状態で500kgf/cm 以上に加圧することにより拡
散接合して厚肉・大型化し、次いで金属カプセル内に封
入して800 〜1100℃で総加工率70%以上の熱間加工を加
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配向性の優れた金属組
織を有するR(イットリウムを含む希土類元素:以下同
じ)−Fe−B系磁石の製法に関し、詳細にはR,Fe
およびBを含む合金材料からなる合金鋳塊を使用し、大
型で磁気特性の優れたR−Fe−B系永久磁石を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェライト磁石およびアルニコ磁石に次
ぐ第3の永久磁石として、希土類磁石が注目を集めてい
る。この希土類磁石は電気製品や精密機器類の小型化や
高精度化に寄与し得る優れた磁気的性能を有するもので
あり、より一層の物性改善および生産性向上を期して活
発に改良研究が進められている。
【0003】中でも近年特に期待されているのはR−F
e−B系、例えばNd−Fe−BやPr−Fe−B等の
永久磁石であり、最近に至ってCuやAg系を第4番目
の構成元素として加えたり、更に他の元素を微量加える
ことによって改質する方法も検討されている。本発明の
対象となる磁石組成はそれら全てのケースを含む他、G
a,In,Sn等を含有することもあり、その詳細につ
いては後述するが、以下の説明ではR−Fe−B系の3
元系磁石を代表的に取り挙げて述べることとする。
【0004】R−Fe−B系磁石の製造方法としては、
当初次の二方法が検討された。第1の方法は焼結法であ
るが、この方法には、焼結工程に先立って合金の粉末
化処理が必要であること、粉末状であるため酸化を受
け易く、焼結体中に持込まれる酸素が磁気的性能に悪影
響を与えること、焼結時に添加される成形助剤に基づ
く炭素分の混入によって磁気的性能が低下すること、
焼結前の成形体の強度が低くハンドリング性が悪いこ
と、といった幾つかの欠点がある為、R−Fe−B系磁
石に期待される特性が十分に発揮されていない。
【0005】第2の方法は、急冷法によって薄片を作っ
た後、熱可塑性樹脂等を用いてボンド磁石とする方法で
あり、上記欠点を伴なわない反面、生産性が低い、
原理的に等方性磁石しか得られず、従って残留磁束密度
と保磁力の積で示される最大エネルギー積[以下(B
H)max で表わす]が低く、角形性(S.Q.)も良く
ない、といった欠点がある。そこで積極的に異方性化す
るための手段として、急冷薄片を2段階ホットプレス処
理(機械的配向処理)に付すことも考えられる。しかし
生産性が更に低くなるため、量産の必要性を考えると実
用にそぐわない。
【0006】そこで第3の方法として、鋳造された合金
に熱間加工(圧延,鍛造,押出し等)を加え、結晶粒を
微細化することによって保磁力を増大すると共に、結晶
軸を特定方向に配向させることによって磁気的異方化を
図るという手段が開発された。
【0007】ここで上記熱間加工を行なう際に、合金鋳
塊の結晶粒を熱間加工によって微細化して保磁力を高め
ると共に、機械的配向による磁気異方性の向上を図るに
は、鋳造直後の組織が微細であることが必要である。
【0008】しかし鋳造組織は冷却速度に依存するた
め、熱容量が大きくなる大型の合金鋳塊になると鋳造組
織が粗大となるので、生産性向上のために合金鋳塊を大
型化すると磁気特性の低下を招く。また磁気特性向上の
ため急冷による組織の微細化効果を狙って合金鋳塊の薄
型化・小型化を進めると、合金鋳塊の形状が圧延後の製
品の形状にもそのまま反映されて薄肉・小型となるた
め、生産性が損なわれるばかりでなく、部品として応用
する際の形状も著しく制限される。
【0009】そこで本発明者らは磁気特性の向上と大型
化を達成するための手段として、薄型・小型で組織の微
細な合金鋳塊を作製し、これを接合することによって、
大型でしかも組織の微細な合金鋳塊を得る方法を考え
た。ところがこの方法では接合のための加熱によって合
金鋳塊の結晶粒が成長し、保磁力が低下する。またA
g,Al,V,Mo,Zn,Sn等の保磁力向上元素を
配合することによって永久磁石の保磁力を高める方法も
考えられるが、鋳造後にこれらの保磁力向上元素を添加
することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、大型
でしかも微細な金属組織を有し、優れた磁気特性、殊に
高保磁力を有するR−Fe−B系磁石を簡単な操作で生
産性良く製造することのできる方法を提供しようとする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るR−Fe−B系磁石の製法とは、
RとFeおよびBを含有する複数の合金鋳塊を、非酸化
性雰囲気下で450 〜1000℃に加熱し、各合金鋳塊が液相
を含む状態で500kgf/cm2以上の圧力で加圧することによ
り拡散接合せしめ、得られる接合鋳塊を金属カプセル内
に封入し、800〜1100℃に加熱して該接合鋳塊内に液相
が含まれる状態で総加工率70%以上の熱間加工を施すこ
とにより配向性を高めるところに要旨を有するものであ
る。また上記製法を実施する際に、合金鋳塊を接合する
ときに各合金鋳塊の接合界面にAg,Al,V,Mo,
Zn,Sn等の保磁力向上金属をインサートしておけ
ば、拡散接合時の温度を400 〜1000℃とした場合でも十
分に接合一体化できると共に、得られる磁石の保磁力を
一段と高めることができる。
【0012】
【作用】本発明のR−Fe−B系磁石を構成する合金組
成について説明する。まず希土類元素としては、Yの
他、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuと
いったランタン系列希土類元素が汎用されるが、必要で
あればアクチニウム系列元素を利用することもでき、こ
れらの中から1種または2種以上を組合わせて用いる。
これらのうち特に有効なものは、Prおよび/またはN
dである。
【0013】本発明のR−Fe−B系磁石は、上記希土
類元素およびBと、残部は実質的にFeであるが、Fe
の一部に代えてGa,In,Sn,Co,Al,Cu,
Ag,Nb,V等を含有するものであってもよい。特に
Ga,InおよびSnよりなる群から選択される1種以
上を含有させることは、磁気特性の向上に極めて有効で
ある。即ちGa,Sn,In等の添加は、熱間加工時に
2 −Fe14−B(原子比、例えばPr2 Fe14B)か
らなる第1相(以下、単に第1相と呼ぶことがある)の
周囲にRリッチの薄膜相もしくは粒界相を形成し、それ
による効果として圧延中に第1相の結晶方位が極めて良
く揃い、磁束密度(Br)や保磁力(iHc)の向上に
寄与する。またCoは磁性の温度特性改善のために効果
があり、Alは保磁力の低下を抑制する効果があり、C
uは保磁力を上昇させる効果があり、Ag,Nb,V等
は組織を微細化する効果がある。
【0014】本発明に係るR−Fe−B系磁石における
各元素の組成比については格別の限定を受けないが、一
般的には下記の基準に従って選定することが推奨され
る。希土類元素の組成範囲は、単独または合計で10〜35
重量%が適当であり、10重量%未満ではα鉄と同一構造
の立方晶組織となってiHcの低下等を招き、良好な磁
気的特性が得られ難くなる。また熱間加工性が低下し、
熱間加工時に割れを生じ易くなる。一方上限については
35重量%を超えるとRリッチ相の過剰や第1相体積率の
不足等を招き、これが磁束密度の低下等となって現わ
れ、良好な磁気的特性を発揮することができなくなる。
【0015】Bは0.8 〜1重量%が好ましく、0.8 重量
%未満では第1相体積率の不足が生じ、磁束密度の低下
を招く。他方上限については、磁気特性を担わないR1
−Fe4 −B4 相の出現によるiHcの低下を防止する
という観点から1重量%を目安とすればよい。
【0016】本発明に係る磁石は、上記必須成分の他、
残部は基本的にはFeおよび不可避不純物からなる。ま
たFeの一部に代えてGa,In,Sn等の元素を含有
させることが特に効果的であることは上述した通りであ
るが、これらを添加する場合には総和で0.2 〜0.8 重量
%とするのが好ましく、0.2 重量%未満では(Ga,S
n,In)含有Rリッチ相が少なくなり、第1相の結晶
方位配向の不足が発生する。一方0.8 重量%を超える
と、(Ga,Sn,In)含有Rリッチ相の過剰や前記
第1相の体積率の不足を生じ、磁束密度の低下を招く。
【0017】上記の様なR−Fe−B系合金鋳塊は、空
気中で酸化され易く、また非常に脆弱でそのままでは加
工することができないので、金属カプセルに封入した状
態で該金属カプセルにより外周側を拘束しながら該金属
カプセルと共に熱間加工を行なう。しかもこの熱間加工
に当たっては加工温度を800 〜1100℃の範囲に設定し、
該合金鋳塊がR2 Fe14B相およびR,Fe,Bを含む
液相の固液共存状態(若干のRFe44 相もしくはR
2 Fe17相を含むこともある)で熱間加工を行なう。熱
間加工温度が800 ℃未満では、熱間加工時に合金鋳塊が
割れを起こし易くなり、一方1100℃を超える高温になる
と合金鋳塊が溶融してシャーベット状になり、熱間加工
自体ができなくなる。
【0018】またこの熱間加工工程では、合金鋳塊にお
ける柱状晶の軸方向に対して垂直な方向に加圧すること
が必要であり、しかも得られる熱間加工材に高度の配向
性を与えて磁気的異方性を与えるためには、総加工率を
70%以上、好ましくは80%以上にする必要がある。
70%未満では結晶軸配向が不足気味となり、満足のい
く磁気的異方性を得ることができない。尚この熱間加工
は通常2パス以上の多パスで行なわれるが、結晶軸の配
向性をより一層高めるうえでは1パス毎に加工率を15
%以上に設定するのがよい。
【0019】尚金属カプセルの構成素材としては、上記
の加熱温度に耐え且つ合金鋳塊に拘束力を与えるものと
して、たとえば融点1500℃程度以上の軟鋼、構造用鋼、
ステンレス鋼、高合金鋼等が使用されるが、これらの中
でも特に好ましいのはステンレス鋼および高マンガン鋼
である。
【0020】ところで、上記熱間加工々程で結晶粒を微
細化して保磁力を高めると共に、結晶配向性を高めて磁
気異方性を高めるには、その前提として鋳造組織を微細
にすることが必要であり、その為には急冷による組織の
微細化効果をねらって鋳塊を薄肉化・小型化しなければ
ならず、その結果熱間圧延後の製品形状も薄肉・小型の
ものしか得られなくなる。
【0021】そこで本発明では、微細な結晶組織を有す
る薄肉・小型の合金鋳塊を接合することにより大型化し
てから熱間圧延することとし、大型製品の製造を可能に
する。このときに注意しなければならないのは、接合時
における結晶組織の粗大化であり、このときに結晶組織
が粗大化すると熱間圧延後の組織も粗大となり、磁気特
性の優れた製品磁石が得られなくなる。
【0022】本発明はこうした点に鑑み、厚みが10mm程
度以下である薄肉・小型で結晶組織の微細な合金鋳塊を
使用し、結晶組織を粗大化させることなくこれらを強固
に接合して大型の合金鋳塊とすることのできる条件を確
立し、次いで熱間加工することによって、磁気特性の優
れた大型の製品磁石を得るものである。こうした目的を
果たすことのできる接合法として、本発明では下記ま
たはの拡散接合法を採用する。
【0023】薄肉・小型の合金鋳塊を2枚以上重ね合
わせ、非酸化性雰囲気下で450 〜1000℃に加熱し、合金
鋳塊が液相を含む状態で500kgf/cm2以上の圧力で加圧す
る方法。
【0024】薄肉・小型の複数の合金鋳塊を、Ag,
Al,V,Mo,Zn,Sn等の如く保持力向上効果を
有する金属をインサート材を介して2枚以上重ね合わ
せ、非酸化性雰囲気下で400 〜1000℃に加熱し、合金鋳
塊が液相を含む状態で500kgf/cm2以上の圧力で加圧する
方法。
【0025】上記,の方法で規定される共通の条件
は、まず接合雰囲気を非酸化性とすることであり、これ
はR−Fe−B系合金が酸化活性の高いRを主成分とす
るものである点に鑑み、拡散のバリア層となる酸化物皮
膜を形成して接合力を低下させたり、あるいは拡散接合
時の酸化により磁気特性が劣化することを防止する上で
不可欠の要件となる。非酸化性とは、酸化性ガスを含ま
ないことを意味するものであって、アルゴン,ヘリウム
あるいは窒素等の如く磁石合金に影響を及ぼさないガス
もしくは水素等の還元性ガス雰囲気、更には真空雰囲気
を意味する。
【0026】また拡散接合に当たっては、拡散速度を高
めるために各合金鋳塊中に液相が含まれる状態で加圧し
なければならず、しかも500kgf/cm2以上の圧力を加える
ことが必要となる。ここで圧力を加えるのは、接合面に
おける構成元素の相互拡散性を高めると共に、完全には
無くすことのできない合金鋳塊表面の酸化物皮膜を破壊
して新鮮な表面を露出させるためであり、圧力不足の場
合は酸化物皮膜の破壊が不十分になって満足のいく接合
力が得られなくなる。
【0027】次に拡散接合時の加熱温度は、合金鋳塊を
直接重ね合わせて接合する場合と、インサート金属を介
して接合する場合で若干異なり、前者の場合は450 ℃以
上に設定しなければならないのに対し、後者の場合はイ
ンサート金属による接合促進効果により下限温度を若干
低めの400 ℃以上に設定すればよい。ここで使用される
インサート金属は、当然のことながら接合された合金鋳
塊全体の磁気特性に影響を及ぼすので、保磁力の向上に
有効なAg,Al,V,Mo,Zn,Sn等が選択され
る。これらインサート金属は単品であってもよく、ある
いは2種以上を複合したものであってもよい。尚このと
きの加熱温度が高過ぎると拡散接合時の結晶粒の成長が
著しくなって磁気特性が低下するので、こうした問題を
回避するには1000℃以下に抑えなければならない。
【0028】拡散接合時のより好ましい加熱温度は、前
記の方法の場合500 〜900 ℃、前記の方法の場合は
450 〜900 ℃の範囲である。上記の様な拡散接合条件を
採用することによって、薄肉・小型の合金鋳塊の微細な
結晶組織を成長させることなく大型の合金鋳塊を得るこ
とができ、これを前述の如く金属カプセルまたは金属枠
内に封入して先に述べた様な条件で熱間圧延を行なう
と、接合された合金鋳塊の大きさに応じて厚肉・大型で
且つ磁気特性の優れた製品磁石を得ることができる。
【0029】尚本発明では上述の条件で熱間加工を行な
った後、800 〜1100℃で熱処理し、更に400 〜600 ℃で
熱処理することが好ましい。これは、上記2段の後熱処
理によって組織の微細化が達成され、磁石の特性がより
一層向上するからである。前記熱間加工の温度条件との
関係では、この熱処理の採用により、熱間加工温度が低
くなって磁気特性が若干低下した場合でもその回復が可
能であり、逆に本発明で採用しているR−Fe−B系の
合金系では、850 ℃以上で熱間圧延を終了した場合より
も850 ℃未満で熱間圧延を終了した場合の方がむしろi
Hcが高められることを知見しており、場合によって
は、この熱処理の採用により800 〜950 ℃の低温加工化
に道を開くものともなり得るものである。尚この様な熱
処理は、熱間加工終了後に室温まで冷却してから行なっ
てもよく、熱間加工終了後にある程度温度の下がった状
態でそのまま熱処理工程に移行してもよい。またこの熱
処理は複数行なうことが好ましく、このことによって共
晶組織の球状化が達成され、iHcの向上に寄与する。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例に限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合
し得る範囲で適当に変更して実施することはいずれも本
発明の技術的範囲に含まれる。
【0031】実施例1 表1に示す組成のR−Fe−B系合金を用いて、図1に
示す様な板厚10mmの合金鋳塊1を得た。この合金鋳塊1
は、柱状晶Pが板厚方向に配向した微細な結晶組織を有
するものであった。
【0032】
【表1】
【0033】得られた鋳塊1の一方面Aを研磨した後、
その2枚を研磨面を合わせて重ねあわせ、或は研磨面A
にインサート金属としてAgを10μm 蒸着させてから重
ね合わせ、図2に示す如く軟鋼製枠材2内に装入し蓋体
3a,3bにより封入してから表2に示す如く加熱温度
および圧力を種々変えてHIP処理を行なった。尚枠材
2内への鋳塊1の封入に当たっては、合金鋳塊1の外面
側をアセトンで超音波洗浄することにより脱脂し、また
金属枠材2と合金鋳塊1,1の内には脱脂済みの軟鋼製
金属板を介在させた。
【0034】得られた拡散接合体における接合面の剪断
強度を表2に示す。尚表2においては合金鋳塊同士を
直接々合したもの、はインサート金属(Ag:10μm
)を介して接合したものを示し、(×)印は接合され
ず、(*)印は接合不良で圧延後剥離したものを示して
いる。
【0035】
【表2】
【0036】表2からも明らかである様に、拡散接合時
(HIP時)の圧力が500kgf/cm2未満では、いずれの場
合も接合できないか或はたとえ接合されたとしても接合
強度が非常に乏しく、圧延工程で剥離を起こすため、大
型鋳塊として適用できず、500kgf/cm2以上の圧力が必須
であることが分かる。
【0037】また拡散接合時の温度については、合金鋳
塊同士を直接々合する場合とインサート金属を介して接
合する場合とで下限温度が若干異なり、前者の場合は45
0 ℃以上、後者の場合は400 ℃以上に夫々設定すること
により十分な接合状態を確保できることが分かる。尚こ
のときの温度が1000℃を超えると、結晶粒の成長が起こ
って磁気特性が低下することは先に説明した通りであ
る。
【0038】上記表2に示した接合鋳塊のうち、合金鋳
塊を500 ℃×1800kgf/cm2 で直接拡散接合したもの(磁
石A)、合金鋳塊をインサート金属(Ag)を介して40
0 ℃×1800kgf/cm2 で拡散接合したもの(磁石B)、同
じくインサート金属(Ag)を介して1000℃×1800kgf/
cm2 で拡散接合したもの(磁石C)を選択し、夫々を軟
鋼製カプセルに封入した後、下記の条件で熱間加工を施
すことにより配向を高め、更に1050℃で2時間および47
5 ℃で6時間の後熱処理を施してR−Fe−B系合金磁
石を得た。得られた合金磁石の磁気特性を表3に示す。
尚表3には比較材としてHIP処理による接合処理を全
く行なっていない薄肉の合金鋳塊を用いたもの(磁石
D)の磁気特性を併記した。
【0039】(熱間加工条件) 温度:1000℃ 加工スケジュール:30%×4パス 総加工率:75%
【0040】
【表3】
【0041】表3からも明らかである様に、本発明の規
定要件を満たす磁石A,Bでは、拡散接合により厚肉に
しているにもかかわらず薄肉の磁石Dと同等の磁気特性
が得られている。しかし拡散接合時の温度を1000℃以上
に高めた磁石Cでは、インサート金属を介装して保磁力
を高めているにもかかわらず、磁気特性、殊にiHcお
よび(BH)max が極端に悪くなっている。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、特
に薄肉・小型の合金鋳塊を接合するときの条件をうまく
制御することによって、結晶組織を成長させることなく
微細組織を維持したままで接合して厚肉・大型化するこ
とができ、その後所定の条件で熱間加工を施すことによ
り、優れた磁気特性を有する大型のR−Fe−B系磁石
を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた薄肉合金鋳塊を示す見取り図で
ある。
【図2】実施例で採用した拡散接合法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 合金鋳塊 2 枠材 3a,3b 蓋材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩村 栄治 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(イットリウムを含む希土類元素)と
    FeおよびBを含有する複数の合金鋳塊を、非酸化性雰
    囲気下で450 〜1000℃に加熱し、各合金鋳塊が液相を含
    む状態で500kgf/cm2以上の圧力で加圧することにより拡
    散接合せしめ、得られる接合鋳塊を金属カプセル内に封
    入し、800 〜1100℃に加熱して該接合鋳塊内に液相が含
    まれる状態で総加工率70%以上の熱間加工を施すことに
    より配向性を高めることを特徴とするR−Fe−B系磁
    石の製法。
  2. 【請求項2】 RとFeおよびBを含有する複数の合金
    鋳塊を、保持力向上金属よりなるインサート材を介して
    重ね合わせた後、非酸化性雰囲気下で400 〜1000℃に加
    熱し、各合金鋳塊が液相を含む状態で500kgf/cm2以上の
    圧力で加圧することにより拡散接合せしめ、得られる接
    合鋳塊を金属カプセル内に封入し、800 〜1100℃に加熱
    して該複合鋳塊内に液相が含まれる状態で総加工率70%
    以上の熱間加工を施すことにより配向性を高めることを
    特徴とするR−Fe−B系磁石の製法。
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