JPH0645090Y2

JPH0645090Y2 - 農機のミツシヨン構造

Info

Publication number: JPH0645090Y2
Application number: JP1986172115U
Authority: JP
Inventors: 良信村山; 信嵯峨田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1986-11-10
Filing date: 1986-11-10
Publication date: 1994-11-16
Anticipated expiration: 2001-11-10
Also published as: JPS6377158U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、農機のミッション構造に係るもので、詳しく
は第２原動軸、中間軸、走行系に連動した出力軸とを平
行に配備し、第２原動軸と中間軸、中間軸と出力軸との
間にギアー変速装置を夫々介在させると共に、エンジン
に直結した第１原動軸とPTO軸とを、並びに出力軸と該P
TO軸とを夫々連動連結及び連結解除可能に構成し、第１
原動軸と出力軸をPTO軸へ択一的に連動連結させる切換
え機構を設けた農機のミッション構造に関する。

〔従来の技術〕

この種の農機のミッションは、エンジンの回転に同期し
た回転動力と走行系に同期した回転動力を同一のPTO軸
に択一的に出力する必要のある農用トラクタ等に用いら
れているもので、普通はそのPTO軸を第１、第２原動
軸、中間軸、出力軸と夫々平行にミッションケース内に
軸架してある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述したミッションは、各軸及びそれらに介在させるギ
アー変速装置が嵩張ることから比較的大型である農用ト
ラクタ等に用途が限られ、小型である歩行型耕耘機等に
は不適切であった。

そこで本考案はこのような実情を考慮し、合理的改造を
以てミッションの小型化を図り、歩行型耕耘機等の小型
の農機等にも適用できるようにすることを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の特徴構成は、テーパ
コーン型の摩擦式無段変速装置に対して、第１原動軸を
介してエンジンからの動力が入力され、かつ、そのテー
パコーン型の摩擦式無段変速装置からの出力が前記第１
原動軸に相対回転自在に外嵌された第２原動軸に伝達さ
れるように、前記テーパコーン型の摩擦式無段変速装置
に対して第１原動軸と第２原動軸とを連係させて配設す
るとともに、この第２原動軸と、中間軸と、走行系に連
動した出力軸とを互いに平行に配備し、前記第２原動軸
と中間軸、及び中間軸と出力軸との間に夫々ギアー変速
機構を介在させると共に、前記中間軸に相対回動自在に
嵌合させてPTO軸を設け、さらに、このPTO軸に対して、
前記第１原動軸と前記出力軸とを択一的に連動連結させ
る切換え機構を設けた点にあり、その作用、効果は次の
通りである。

〔作用〕

つまり、PTO軸を中間軸に回動自在に嵌合することによ
って、第１、第２原動軸、出力軸、中間軸及びPTO軸の
３軸構造となり、そしてPTO軸とそれに連動したギアー
による径方向の広がりの分だけ３軸間の距離を詰めるこ
とができるようになった。

〔考案の効果〕

また、エンジンの出力を第１原動軸からテーパコーン型
の摩擦式無段変速装置を介して第２原動軸に出力するも
のであるから、第２原動軸と中間軸、並びに、走行系に
連動した出力軸との間に介在されるギアー変速装置を小
さくすることができ、例えば、前記第２原動軸と中間
軸、並びに、走行系に連動した出力軸との間で設けられ
るギアー変速装置のみで減速比を大きくするために、多
くの減速ギアーを必要とすることがなく、つまり、小型
のテーパコーン型の摩擦式無段変速装置を介して大きく
減速し得ることからギアー変速装置での減速比を小さく
することができ、ミッションケースのコンパクト化がは
かれる。

しかも、テーパコーン型の摩擦式無段変速装置を用いて
の変速を行うことにより、PTO軸側にもその無段での変
速動力を伝達することができ、微妙な速度調節の必要な
作業装置を連結しての作業を行い易い。

〔考案の効果〕

上記の作用から次の効果を得られる。

すなわち、第１原動軸と第２原動軸との嵌合構造、及び
中間軸とPTO軸との嵌合構造を利用して、５軸を事実上
の３軸構造とすることによる伝動構造の小型化と、前記
テーパコーン型の摩擦式無段変速装置を併用することに
よる伝動構造の小型化との相乗により、ミッションケー
スの充分な小型化が図られて、歩行型耕耘機等の農機に
も適用できるようになった。

また、PTO軸の動力の取り出しに際して、第１原動軸か
らの直接的な駆動力の取り出しのほか、走行系と同期す
る状態での駆動力の取り出し、さらには、無段での微妙
な速度調節を行える状態での動力の取り出しと、多様な
駆動状態を選択可能でき、汎用性に優れたものを得られ
る利点がある。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図は、農機の一例である歩行型耕耘機のミッションであ
り、テーパコーン型の摩擦式無段変速装置（Ａ）とコン
スタントメッシュ方式のギアー変速装置（Ｂ）とを連動
状態で備えている。

前記摩擦式無段変速装置（Ａ）は、エンジンから第１原
動軸（１）を介して入力された駆動力を連続的に変速し
て筒状の第２原動軸（２）へ出力する。前記第１原動軸
（１）の先端には、エンジンからの駆動力を直接第1PTO
軸（３）側に伝達するための第１駆動ギアー（５）が、
又、前記第２原動軸（２）の先端側には変速された駆動
力を走行系若しくは第2PTO軸（４）側に伝達するための
第２、第３駆動ギアー（６），（７）が形成してある。

前記ギアー変速（Ｂ）には、第1PTO軸（３）、中間軸と
しての伝動軸（８）、第2PTO軸（４）、第2PTO軸（４）
と一体化された出力軸（９）とを前記第１、第２原動軸
（１）、（２）と平行状態にして備えてある。そのう
ち、前記第1PTO軸（３）は伝動軸（８）の端部に同軸芯
で相対回動自在に外嵌してある。

前記第1PTO軸（３）には、第１駆動ギアー（５）と常時
咬合する第１遊転ギアー（10）と出力軸（９）に固着さ
れた第１従動ギアー（16）に常時咬合する第２遊転ギア
ー（11）とが遊嵌してある。そして、第１シフトスリー
ブ（19）を第１遊転ギアー（10）側にシフトする入力軸
（１）の回転動力が第1PTO軸（３）に伝達されるよう
に、又、第２遊転ギアー（11）側へシフトすると出力軸
（９）の回転動力が大幅に減速されて第1PTO軸（３）に
伝達されるようになっている。

前記伝動軸（８）には、アイドラー（図示せず）を介し
て第２駆動ギアー（６）と咬合する第３遊転ギアー（1
2）と第３駆動ギアー（７）と咬合する第４遊転ギアー
（13）とを遊嵌してある。そして、第２シフトスリーブ
（20）を第３遊嵌ギアー（12）側へシフトすると第２原
動軸（２）の回転動力が第２駆動ギアー（６）、アイド
ラー、第３遊転ギアー（12）を介して伝動軸（８）へ伝
達されるように、又、第４遊転ギアー（13）側へシフト
すると第３駆動ギアー（７）と第４遊転ギアー（13）を
介して高速で伝達されるようになっている。更に、この
伝動軸（８）には、回転動力を出力軸（９）に伝達する
ための大径の第２従動ギアー（17）と小径の第３従動ギ
アー（18）が固着してある。

前記出力軸（９）には、前記第１従動ギアー（16）が固
着してある他に、第２従動ギアー（17）と常時咬合する
第５遊転ギアー（14）と第３従動ギアー（18）と常時咬
合する第６遊転ギアー（15）とが遊嵌してある。そし
て、第３シフトスリーブ（21）を第５遊転ギアー（14）
側へシフトすると伝動軸（８）の回転動力が第２従動ギ
アー（17）と第５遊転ギアー（14）を介して増速状態で
出力軸（９）に伝達されるように、又、第６遊転ギアー
（15）側へシフトすると第３従動ギアー（18）と第６遊
転ギアー（15）を介して減速状態で出力軸（９）に伝達
されるようになっている。

要するに、第１シフトスリーブ（19）によって第1PTO軸
（３）にエンジンに同期した回転動力と走行系に同期し
た回転動力を択一的に得られるようになっている。更
に、第２・第３シフトスリーブ（20），（21）によって
第２原動軸（２）の回転動力は計４段階に変速されて出
力軸（９）に伝達された後、第2PTO軸（４）とベベルピ
ニオン（22）を介して走行系へ伝達されていくようにな
っている。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農機のミッション構造の実施例を示
し、ミッションの縦断側面図である。（１）……第１原動軸、（２）……第２原動軸、（３）
……PTO軸、（８）……中間軸、（９）……出力軸、
（Ａ）……摩擦式無段変速装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】テーパコーン型の摩擦式無段変速装置
（Ａ）に対して、第１原動軸（１）を介してエンジンか
らの動力が入力され、かつ、そのテーパコーン型の摩擦
式無段変速装置（Ａ）からの出力が前記第１原動軸
（１）に相対回転自在に外嵌された第２原動軸（２）に
伝達されるように、前記テーパコーン型の摩擦式無段変
速装置（Ａ）に対して第１原動軸（１）と第２原動軸
（２）とを連係させて配設するとともに、この第２原動軸（２）と、中間軸（８）と、走行系に連
動した出力軸（９）とを互いに平行に配備し、前記第２
原動軸（２）と中間軸（８）、及び中間軸（８）と出力
軸（９）との間に夫々ギアー変速機構を介在させると共
に、前記中間軸（８）に相対回動自在に嵌合させてPTO
軸（３）を設け、さらに、このPTO軸（３）に対して、
前記第１原動軸（１）と前記出力軸（９）とを択一的に
連動連結させる切換え機構を設けた農機のミッション構
造。
【請求項２】前記第２原動軸（２）が変速駆動される筒
軸であり、前記第１原動軸（１）がこの第２原動軸
（２）に遊嵌挿通されたものである実用新案登録請求の
範囲第１項に記載の農機のミッション構造。
【請求項３】前記第２原動軸（１）が前記第２原動軸
（２）から一体延長されたものである実用新案登録請求
の範囲第１項に記載の農機のミッション構造。