JP2593474Y2 - 装輪車両用変速装置 - Google Patents
装輪車両用変速装置Info
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- JP2593474Y2 JP2593474Y2 JP1993011753U JP1175393U JP2593474Y2 JP 2593474 Y2 JP2593474 Y2 JP 2593474Y2 JP 1993011753 U JP1993011753 U JP 1993011753U JP 1175393 U JP1175393 U JP 1175393U JP 2593474 Y2 JP2593474 Y2 JP 2593474Y2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は、装輪車両用変速装置に
関する。
関する。
【０００２】
【従来の技術】作業機と走行装置とに対する動力配分を
目的に応じて変えることができる装輪車両用変速装置と
して、本考案者はさきに特願平３−２２４９１４、特願
平３−３２７１０７等を提案し、更に、変速装置の軸方
向構成寸法を短縮するとともに、遊星歯車変速部の外径
寸法の小さい装輪車両用変速装置を提供することを目的
として特願平４−１５６１２９を提案した。この変速装
置の一例は図２に示すように、低速用遊星歯車変速部１
０、高速用遊星歯車変速部３０、トランスファ歯車部６
２、駆動歯車部７０、減速歯車部８０および出力部９０
からなり、変速装置１の一側に配設したエンジン２によ
って駆動される高速用遊星歯車変速部３０と、変速装置
１の他側に配設した油圧モータ４によって駆動される低
速用遊星歯車変速部１０とが並列に配置されている。各
遊星歯車装置１１，２１，３１，４１，５１はそれぞれ
サンギヤ１５，２５，３５，４５，５５入力とし、リン
グギヤ固定クラッチ１３，２３，３３，４３，５３のい
ずれか一つを係合してリングギヤ１２，２２，３２，４
２，５２を固定することによって、最終的にはプラネッ
トキャリア１４または３４から出力される。そしてこれ
らの動力は、トランスファ歯車部６２を介して出力部９
０の駆動歯車９４を駆動し、出力軸９１に伝達される。
このような構成により、変速装置の軸方向長さは短縮さ
れ、第１軸１ａに入力されるトルクが従来よりも小さく
なるので、各遊星歯車装置を小型化することができる。
目的に応じて変えることができる装輪車両用変速装置と
して、本考案者はさきに特願平３−２２４９１４、特願
平３−３２７１０７等を提案し、更に、変速装置の軸方
向構成寸法を短縮するとともに、遊星歯車変速部の外径
寸法の小さい装輪車両用変速装置を提供することを目的
として特願平４−１５６１２９を提案した。この変速装
置の一例は図２に示すように、低速用遊星歯車変速部１
０、高速用遊星歯車変速部３０、トランスファ歯車部６
２、駆動歯車部７０、減速歯車部８０および出力部９０
からなり、変速装置１の一側に配設したエンジン２によ
って駆動される高速用遊星歯車変速部３０と、変速装置
１の他側に配設した油圧モータ４によって駆動される低
速用遊星歯車変速部１０とが並列に配置されている。各
遊星歯車装置１１，２１，３１，４１，５１はそれぞれ
サンギヤ１５，２５，３５，４５，５５入力とし、リン
グギヤ固定クラッチ１３，２３，３３，４３，５３のい
ずれか一つを係合してリングギヤ１２，２２，３２，４
２，５２を固定することによって、最終的にはプラネッ
トキャリア１４または３４から出力される。そしてこれ
らの動力は、トランスファ歯車部６２を介して出力部９
０の駆動歯車９４を駆動し、出力軸９１に伝達される。
このような構成により、変速装置の軸方向長さは短縮さ
れ、第１軸１ａに入力されるトルクが従来よりも小さく
なるので、各遊星歯車装置を小型化することができる。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】上記特願平４−１５６
１２９による変速装置においては、低速用遊星歯車変速
部１０から出力部９０に動力を伝達するトランスファ歯
車６３を、高速用遊星歯車変速部３０から出力部９０に
動力を伝達する際のアイドラギヤとして兼用している。
そのため、高速域速度段と低速域速度段との間の減速比
や段間比を、装輪車両に要求される走行性能すなわちけ
ん引性能や車速性能、あるいはエンジン、油圧モータの
各性能に合わせて設定、変更しようとすると、高速用遊
星歯車変速部、低速用遊星歯車変速部の軸間距離を変え
ずに所望の設定、変更を行うことが困難である。そこで
本考案は上記従来の問題点に着目し、高速用遊星歯車変
速部、低速用遊星歯車変速部の相互の減速比、段間比を
車両の用途あるいはエンジン、油圧モータの各性能に適
合するように、個々に所望の値に設定または変更するこ
とができるような装輪車両用変速装置を提供することを
目的としている。
１２９による変速装置においては、低速用遊星歯車変速
部１０から出力部９０に動力を伝達するトランスファ歯
車６３を、高速用遊星歯車変速部３０から出力部９０に
動力を伝達する際のアイドラギヤとして兼用している。
そのため、高速域速度段と低速域速度段との間の減速比
や段間比を、装輪車両に要求される走行性能すなわちけ
ん引性能や車速性能、あるいはエンジン、油圧モータの
各性能に合わせて設定、変更しようとすると、高速用遊
星歯車変速部、低速用遊星歯車変速部の軸間距離を変え
ずに所望の設定、変更を行うことが困難である。そこで
本考案は上記従来の問題点に着目し、高速用遊星歯車変
速部、低速用遊星歯車変速部の相互の減速比、段間比を
車両の用途あるいはエンジン、油圧モータの各性能に適
合するように、個々に所望の値に設定または変更するこ
とができるような装輪車両用変速装置を提供することを
目的としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係る装輪車両用変速装置は、変速装置の一
側からエンジンの出力トルクを入力する第２軸と、前記
第２軸に平行に配設され、変速装置の他側から油圧モー
タの出力トルクを入力する第１軸と、前記第１軸に平行
に配設した出力軸と、第１軸上に配設した複数個の遊星
歯車装置からなる低速用遊星歯車変速部と、第２軸上に
配設した複数個の遊星歯車装置からなる高速用遊星歯車
変速部と、前記低速用遊星歯車変速部の出力を出力軸に
伝達する低速用トランスファ歯車部と、前記高速用遊星
歯車変速部の出力を、前記低速用遊星歯車変速部の一つ
のプラネットキャリアと同軸で空転するアイドラギヤを
介して出力軸に伝達する高速用トランスファ歯車部と、
変速装置の他側に配設した油圧ポンプに前記第２軸を介
してエンジンの出力トルクを伝達する駆動歯車部と、変
速装置の他側に配設した正逆回転可能な油圧モータの出
力トルクを前記第１軸に入力する減速歯車部とによって
構成するものとし、このような構成において、油圧ポン
プを駆動源とする油圧モータの出力トルクを減速歯車部
を介して第１軸に伝達し、第１軸上に配設した低速用遊
星歯車変速部の複数個の遊星歯車装置のうちいずれか一
つのリングギヤ固定クラッチを係合することによって、
固定されたリングギヤを有する遊星歯車装置のサンギヤ
に入力された前記油圧モータの出力トルクを、プラネッ
トキャリアを介して、またはプラネットキャリアおよび
隣接する遊星歯車装置のリングギヤ、プラネットキャリ
アを介して低速用トランスファ歯車に伝達し、更に、出
力軸に固着した駆動大歯車を介して出力軸に伝達する前
後進低速域速度段と、エンジンの出力トルクを第２軸に
伝達し、第２軸上に配設した複数個の遊星歯車装置のう
ちいずれか一つのリングギヤ固定クラッチを係合するこ
とによって、固定されたリングギヤを有する遊星歯車装
置のサンギヤに入力された前記エンジンの出力トルク
を、プラネットキャリアを介して、またはプラネットキ
ャリアおよび隣接する遊星歯車装置のリングギヤ、プラ
ネットキャリアを介して高速用トランスファ歯車に伝達
し、更に、前記低速用遊星歯車変速部の一つのプラネッ
トキャリアと同軸で空転するアイドラギヤと出力軸に固
着した駆動小歯車とを介して出力軸に伝達する前進高速
域速度段とを備えるものとした。
め、本考案に係る装輪車両用変速装置は、変速装置の一
側からエンジンの出力トルクを入力する第２軸と、前記
第２軸に平行に配設され、変速装置の他側から油圧モー
タの出力トルクを入力する第１軸と、前記第１軸に平行
に配設した出力軸と、第１軸上に配設した複数個の遊星
歯車装置からなる低速用遊星歯車変速部と、第２軸上に
配設した複数個の遊星歯車装置からなる高速用遊星歯車
変速部と、前記低速用遊星歯車変速部の出力を出力軸に
伝達する低速用トランスファ歯車部と、前記高速用遊星
歯車変速部の出力を、前記低速用遊星歯車変速部の一つ
のプラネットキャリアと同軸で空転するアイドラギヤを
介して出力軸に伝達する高速用トランスファ歯車部と、
変速装置の他側に配設した油圧ポンプに前記第２軸を介
してエンジンの出力トルクを伝達する駆動歯車部と、変
速装置の他側に配設した正逆回転可能な油圧モータの出
力トルクを前記第１軸に入力する減速歯車部とによって
構成するものとし、このような構成において、油圧ポン
プを駆動源とする油圧モータの出力トルクを減速歯車部
を介して第１軸に伝達し、第１軸上に配設した低速用遊
星歯車変速部の複数個の遊星歯車装置のうちいずれか一
つのリングギヤ固定クラッチを係合することによって、
固定されたリングギヤを有する遊星歯車装置のサンギヤ
に入力された前記油圧モータの出力トルクを、プラネッ
トキャリアを介して、またはプラネットキャリアおよび
隣接する遊星歯車装置のリングギヤ、プラネットキャリ
アを介して低速用トランスファ歯車に伝達し、更に、出
力軸に固着した駆動大歯車を介して出力軸に伝達する前
後進低速域速度段と、エンジンの出力トルクを第２軸に
伝達し、第２軸上に配設した複数個の遊星歯車装置のう
ちいずれか一つのリングギヤ固定クラッチを係合するこ
とによって、固定されたリングギヤを有する遊星歯車装
置のサンギヤに入力された前記エンジンの出力トルク
を、プラネットキャリアを介して、またはプラネットキ
ャリアおよび隣接する遊星歯車装置のリングギヤ、プラ
ネットキャリアを介して高速用トランスファ歯車に伝達
し、更に、前記低速用遊星歯車変速部の一つのプラネッ
トキャリアと同軸で空転するアイドラギヤと出力軸に固
着した駆動小歯車とを介して出力軸に伝達する前進高速
域速度段とを備えるものとした。
【０００５】
【作用】上記構成によれば、高速用遊星歯車変速部、低
速用遊星歯車変速部の基本構成は特願平４−１５６１２
９による提案と同一とし、高速用トランスファ部、低速
用トランスファ部をそれぞれ独立に設けたので、高速用
遊星歯車変速部と低速用遊星歯車変速部間の軸間距離を
一定値に維持したまま、高速用遊星歯車変速部と低速用
遊星歯車変速部間の相互の減速比、段間比を個々に設定
または変更することができるようになり、所望の減速
比、段間比を得ることが可能となる。
速用遊星歯車変速部の基本構成は特願平４−１５６１２
９による提案と同一とし、高速用トランスファ部、低速
用トランスファ部をそれぞれ独立に設けたので、高速用
遊星歯車変速部と低速用遊星歯車変速部間の軸間距離を
一定値に維持したまま、高速用遊星歯車変速部と低速用
遊星歯車変速部間の相互の減速比、段間比を個々に設定
または変更することができるようになり、所望の減速
比、段間比を得ることが可能となる。
【０００６】
【実施例】以下に本考案に係る装輪車両用変速装置の実
施例について、図面を参照して説明する。図１は前進５
速、後進２速の速度段を有する装輪車両用変速装置の動
力伝達経路を示す図である。この変速装置１は、第一軸
１ａ上に配設された低速用遊星歯車変速部１０、前記第
一軸１ａに対して平行に設けられた第２軸１ｂ上に配設
された高速用遊星歯車変速部３０、低速用トランスファ
歯車部６０および高速用トランスファ歯車部６５、駆動
歯車部７０、減速歯車部８０、出力部９０によって構成
されている。前記低速用遊星歯車変速部１０は、１速用
遊星歯車装置１１と２速用遊星歯車装置２１とからな
り、１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ１２および２
速用遊星歯車装置２１のリングギヤ２２は、それぞれリ
ングギヤ固定クラッチ１３，２３の係合によって回転が
固定される。また、２速用遊星歯車装置２１のプラネッ
トキャリア２４は１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ
１２に連結されている。
施例について、図面を参照して説明する。図１は前進５
速、後進２速の速度段を有する装輪車両用変速装置の動
力伝達経路を示す図である。この変速装置１は、第一軸
１ａ上に配設された低速用遊星歯車変速部１０、前記第
一軸１ａに対して平行に設けられた第２軸１ｂ上に配設
された高速用遊星歯車変速部３０、低速用トランスファ
歯車部６０および高速用トランスファ歯車部６５、駆動
歯車部７０、減速歯車部８０、出力部９０によって構成
されている。前記低速用遊星歯車変速部１０は、１速用
遊星歯車装置１１と２速用遊星歯車装置２１とからな
り、１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ１２および２
速用遊星歯車装置２１のリングギヤ２２は、それぞれリ
ングギヤ固定クラッチ１３，２３の係合によって回転が
固定される。また、２速用遊星歯車装置２１のプラネッ
トキャリア２４は１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ
１２に連結されている。
【０００７】高速用遊星歯車変速部３０は、３速用遊星
歯車装置３１、４速用遊星歯車装置４１、５速用遊星歯
車装置５１からなり、３速用遊星歯車装置３１のリング
ギヤ３２、４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４２お
よび５速用遊星歯車装置５１のリングギヤ５２は、それ
ぞれリングギヤ固定クラッチ３３，４３，５３が係合し
たとき固定される。４速用遊星歯車装置４１のプラネッ
トキャリア４４は３速用遊星歯車装置３１のリングギヤ
３２に連結され、５速用遊星歯車装置５１のプラネット
キャリア５４は４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４
２に連結されている。低速用トランスファ歯車部６０
は、前記１速用遊星歯車装置１１のプラネットキャリア
１４の先端に固着された低速用トランスファ歯車６１か
らなり、高速用トランスファ歯車部６５は前記３速用遊
星歯車装置３１のプラネットキャリア３４に固着された
高速用トランスファ歯車６６と、前記１速用遊星歯車装
置１１のプラネットキャリア１４と同軸に空転自在に取
着され、高速用トランスファ歯車６６と噛み合うアイド
ラギヤ６７とによって構成されている。また、出力部９
０は前記第一軸１ａに平行に設けられた出力軸９１と、
出力軸９１に固着され、前記低速用トランスファ歯車６
１と噛み合う駆動大歯車９２と、アイドラギヤ６７と噛
み合う駆動小歯車９３とによって構成されている。
歯車装置３１、４速用遊星歯車装置４１、５速用遊星歯
車装置５１からなり、３速用遊星歯車装置３１のリング
ギヤ３２、４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４２お
よび５速用遊星歯車装置５１のリングギヤ５２は、それ
ぞれリングギヤ固定クラッチ３３，４３，５３が係合し
たとき固定される。４速用遊星歯車装置４１のプラネッ
トキャリア４４は３速用遊星歯車装置３１のリングギヤ
３２に連結され、５速用遊星歯車装置５１のプラネット
キャリア５４は４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４
２に連結されている。低速用トランスファ歯車部６０
は、前記１速用遊星歯車装置１１のプラネットキャリア
１４の先端に固着された低速用トランスファ歯車６１か
らなり、高速用トランスファ歯車部６５は前記３速用遊
星歯車装置３１のプラネットキャリア３４に固着された
高速用トランスファ歯車６６と、前記１速用遊星歯車装
置１１のプラネットキャリア１４と同軸に空転自在に取
着され、高速用トランスファ歯車６６と噛み合うアイド
ラギヤ６７とによって構成されている。また、出力部９
０は前記第一軸１ａに平行に設けられた出力軸９１と、
出力軸９１に固着され、前記低速用トランスファ歯車６
１と噛み合う駆動大歯車９２と、アイドラギヤ６７と噛
み合う駆動小歯車９３とによって構成されている。
【０００８】低速用遊星歯車変速部１０の各サンギヤ１
５，２５は第１軸１ａにそれぞれ固着され、前記第１軸
１ａの端末部には減速歯車部８０の減速大歯車８１が固
着されている。また、前記高速用遊星歯車変速部３０の
各サンギヤ３５，４５，５５は、エンジン２の出力軸に
直結する第２軸１ｂにそれぞれ固着され、前記第２軸１
ｂの端末部には駆動歯車部７０の歯車７１が固着されて
いる。油圧ポンプ３の駆動軸３ａに固着された油圧ポン
プ駆動歯車７２は前記歯車７１と噛み合い、エンジン２
の回転によって油圧ポンプ３が駆動される。油圧モータ
４は前記油圧ポンプ３によって駆動され、正逆両方向に
回転可能である。この油圧モータ４の出力軸４ａに固着
された減速小歯車８２は前記減速大歯車８１と噛み合
い、油圧モータ４の回転によって前記第１軸１ａが回転
する。なお、油圧ポンプ３が吐出する圧油の一部は変速
装置１の潤滑に用いられる。
５，２５は第１軸１ａにそれぞれ固着され、前記第１軸
１ａの端末部には減速歯車部８０の減速大歯車８１が固
着されている。また、前記高速用遊星歯車変速部３０の
各サンギヤ３５，４５，５５は、エンジン２の出力軸に
直結する第２軸１ｂにそれぞれ固着され、前記第２軸１
ｂの端末部には駆動歯車部７０の歯車７１が固着されて
いる。油圧ポンプ３の駆動軸３ａに固着された油圧ポン
プ駆動歯車７２は前記歯車７１と噛み合い、エンジン２
の回転によって油圧ポンプ３が駆動される。油圧モータ
４は前記油圧ポンプ３によって駆動され、正逆両方向に
回転可能である。この油圧モータ４の出力軸４ａに固着
された減速小歯車８２は前記減速大歯車８１と噛み合
い、油圧モータ４の回転によって前記第１軸１ａが回転
する。なお、油圧ポンプ３が吐出する圧油の一部は変速
装置１の潤滑に用いられる。
【０００９】上記構造の変速装置においては、油圧モー
タ４を駆動源とした場合、低速域で前後進各２段の切り
換えができ、エンジン２を駆動源とした場合、高速域で
前進３段の切り換えができる。ここでは前後進１速と前
進５速とを例にとり、それぞれの動力伝達経路を説明す
る。前進または後進１速の場合、油圧モータ４の出力ト
ルクは減速小歯車８２、減速大歯車８１を介して第１軸
１ａに伝達され、サンギヤ１５，２５が駆動される。こ
のとき、１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ固定クラ
ッチ１３が係合されるため、動力はプラネットキャリア
１４に固着された低速用トランスファ歯車６１を介して
出力部９０の駆動大歯車９２に伝達され、出力軸９１か
ら取り出される。また前進５速の場合は、エンジン２の
出力トルクが第２軸１ｂに伝達され、高速用遊星歯車変
速部３０の各サンギヤ３５，４５，５５が駆動される。
このとき、５速用遊星歯車装置５１のリングギヤ固定ク
ラッチ５３が係合されるため、動力はプラネットキャリ
ア５４を介して４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４
２に伝達され、更にプラネットキャリア４４を介して３
速用遊星歯車装置３１のリングギヤ３２に伝達される。
そして、プラネットキャリア３４に固着された高速用ト
ランスファ歯車６６からアイドラギヤ６７を介して出力
部９０の駆動小歯車９３に伝達され、出力軸９１から取
り出される。
タ４を駆動源とした場合、低速域で前後進各２段の切り
換えができ、エンジン２を駆動源とした場合、高速域で
前進３段の切り換えができる。ここでは前後進１速と前
進５速とを例にとり、それぞれの動力伝達経路を説明す
る。前進または後進１速の場合、油圧モータ４の出力ト
ルクは減速小歯車８２、減速大歯車８１を介して第１軸
１ａに伝達され、サンギヤ１５，２５が駆動される。こ
のとき、１速用遊星歯車装置１１のリングギヤ固定クラ
ッチ１３が係合されるため、動力はプラネットキャリア
１４に固着された低速用トランスファ歯車６１を介して
出力部９０の駆動大歯車９２に伝達され、出力軸９１か
ら取り出される。また前進５速の場合は、エンジン２の
出力トルクが第２軸１ｂに伝達され、高速用遊星歯車変
速部３０の各サンギヤ３５，４５，５５が駆動される。
このとき、５速用遊星歯車装置５１のリングギヤ固定ク
ラッチ５３が係合されるため、動力はプラネットキャリ
ア５４を介して４速用遊星歯車装置４１のリングギヤ４
２に伝達され、更にプラネットキャリア４４を介して３
速用遊星歯車装置３１のリングギヤ３２に伝達される。
そして、プラネットキャリア３４に固着された高速用ト
ランスファ歯車６６からアイドラギヤ６７を介して出力
部９０の駆動小歯車９３に伝達され、出力軸９１から取
り出される。
【００１０】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、互
いに平行に設けた第１軸、第２軸上にそれぞれ複数の遊
星歯車装置からなる低速用遊星歯車変速部、高速用遊星
歯車変速部を配設し、低速用遊星歯車変速部の出力トル
クは低速用トランスファ歯車を介して出力軸に伝達する
こととし、高速用遊星歯車変速部の出力トルクは高速用
トランスファ歯車と、低速用遊星歯車変速部のプラネッ
トキャリア上を空転するアイドラギヤとを介して出力軸
に伝達することとした。このように低速用トランスファ
部と高速用トランスファ部とを分離し、それぞれ独立に
設けたので、低速用遊星歯車変速部と高速用遊星歯車変
速部間の軸間距離を一定値に維持したまま、それぞれの
減速比、段間比を個々に設定または変更することができ
るようになり、車両性能上の要求あるいはエンジン、油
圧モータの各性能に適合するように減速比、段間比を設
定あるいは変更することが容易となる。
いに平行に設けた第１軸、第２軸上にそれぞれ複数の遊
星歯車装置からなる低速用遊星歯車変速部、高速用遊星
歯車変速部を配設し、低速用遊星歯車変速部の出力トル
クは低速用トランスファ歯車を介して出力軸に伝達する
こととし、高速用遊星歯車変速部の出力トルクは高速用
トランスファ歯車と、低速用遊星歯車変速部のプラネッ
トキャリア上を空転するアイドラギヤとを介して出力軸
に伝達することとした。このように低速用トランスファ
部と高速用トランスファ部とを分離し、それぞれ独立に
設けたので、低速用遊星歯車変速部と高速用遊星歯車変
速部間の軸間距離を一定値に維持したまま、それぞれの
減速比、段間比を個々に設定または変更することができ
るようになり、車両性能上の要求あるいはエンジン、油
圧モータの各性能に適合するように減速比、段間比を設
定あるいは変更することが容易となる。
【図１】本考案による装輪車両用変速装置の動力伝達経
路を示す図である。
路を示す図である。
【図２】特願平４−１５６１２９による装輪車両用変速
装置の動力伝達経路を示す図である。
装置の動力伝達経路を示す図である。
１ 変速装置 １ａ 第１軸 １ｂ 第２軸 ２ エンジン ３ 油圧ポンプ ４ 油圧モータ ４ａ，９１ 出力軸 １０ 低速用遊星歯車変速部 １１ １速用遊星歯車装置 １２，２２，３２，４２，５２ リングギヤ １３，２３，３３，４３，５３ リングギヤ固定クラッ
チ １４，２４，３４，４４，５４ プラネットキャリヤ １５，２５，３５，４５，５５ サンギヤ ２１ ２速用遊星歯車装置 ３０ 高速用遊星歯車変速部 ３１ ３速用遊星歯車装置 ４１ ４速用遊星歯車装置 ５１ ５速用遊星歯車装置 ６０ 低速用トランスファ歯車部 ６１ 低速用トランスファ歯車 ６５ 高速用トランスファ歯車部 ６６ 高速用トランスファ歯車 ６７ アイドラギヤ ７０ 駆動歯車部 ８０ 減速歯車部 ９２ 駆動大歯車 ９３ 駆動小歯車
チ １４，２４，３４，４４，５４ プラネットキャリヤ １５，２５，３５，４５，５５ サンギヤ ２１ ２速用遊星歯車装置 ３０ 高速用遊星歯車変速部 ３１ ３速用遊星歯車装置 ４１ ４速用遊星歯車装置 ５１ ５速用遊星歯車装置 ６０ 低速用トランスファ歯車部 ６１ 低速用トランスファ歯車 ６５ 高速用トランスファ歯車部 ６６ 高速用トランスファ歯車 ６７ アイドラギヤ ７０ 駆動歯車部 ８０ 減速歯車部 ９２ 駆動大歯車 ９３ 駆動小歯車
Claims (2)
- 【請求項１】 変速装置の一側からエンジンの出力トル
クを入力する第２軸と、 前記第２軸に平行に配設され、変速装置の他側から油圧
モータの出力トルクを入力する第１軸と、 前記第１軸に平行に配設した出力軸と、 第１軸上に配設した複数個の遊星歯車装置からなる低速
用遊星歯車変速部と、 第２軸上に配設した複数個の遊星歯車装置からなる高速
用遊星歯車変速部と、 前記低速用遊星歯車変速部の出力を出力軸に伝達する低
速用トランスファ歯車部と、 前記高速用遊星歯車変速部の出力を、前記低速用遊星歯
車変速部の一つのプラネットキャリアと同軸で空転する
アイドラギヤを介して出力軸に伝達する高速用トランス
ファ歯車部と、 変速装置の他側に配設した油圧ポンプに前記第２軸を介
してエンジンの出力トルクを伝達する駆動歯車部と、 変速装置の他側に配設した正逆回転可能な油圧モータの
出力トルクを前記第１軸に入力する減速歯車部とによっ
て構成したことを特徴とする装輪車両用変速装置。 - 【請求項２】 油圧ポンプを駆動源とする油圧モータの
出力トルクを減速歯車部を介して第１軸に伝達し、第１
軸上に配設した低速用遊星歯車変速部の複数個の遊星歯
車装置のうちいずれか一つのリングギヤ固定クラッチを
係合することによって、固定されたリングギヤを有する
遊星歯車装置のサンギヤに入力された前記油圧モータの
出力トルクを、プラネットキャリアを介して、またはプ
ラネットキャリアおよび隣接する遊星歯車装置のリング
ギヤ、プラネットキャリアを介して低速用トランスファ
歯車に伝達し、更に、出力軸に固着した駆動大歯車を介
して出力軸に伝達する前後進低速域速度段と、 エンジンの出力トルクを第２軸に伝達し、第２軸上に配
設した複数個の遊星歯車装置のうちいずれか一つのリン
グギヤ固定クラッチを係合することによって、固定され
たリングギヤを有する遊星歯車装置のサンギヤに入力さ
れた前記エンジンの出力トルクを、プラネットキャリア
を介して、またはプラネットキャリアおよび隣接する遊
星歯車装置のリングギヤ、プラネットキャリアを介して
高速用トランスファ歯車に伝達し、更に、前記低速用遊
星歯車変速部の一つのプラネットキャリアと同軸で空転
するアイドラギヤと出力軸に固着した駆動小歯車とを介
して出力軸に伝達する前進高速域速度段とを備えたこと
を特徴とする請求項１の装輪車両用変速装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1993011753U JP2593474Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 装輪車両用変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1993011753U JP2593474Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 装輪車両用変速装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0665657U JPH0665657U (ja) | 1994-09-16 |
| JP2593474Y2 true JP2593474Y2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=11786764
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1993011753U Expired - Fee Related JP2593474Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 装輪車両用変速装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2593474Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6202645B2 (ja) * | 2013-02-11 | 2017-09-27 | ダナ イタリア エスピーエー | 静油圧および直接駆動トランスミッション |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP1993011753U patent/JP2593474Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0665657U (ja) | 1994-09-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |