JPH0644586Y2 - 基準ベースの治具プレート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はワークをセットする為の基準ベースの治具プレ
ートに関し、特に、ワークによってピッチが変わるその
ワークの位置決めを可能とするものである。

従来の技術 従来より、ワークをM/Cテーブルにセットする為にセッ
ト治具が用いられ、該セット治具として治具プレートを
用いていた。そして、第５図に示す如く、治具プレート
11は側面にある治具芯取り用基準孔11cと、平面にある
ワーク４取付けの基準孔とよりなるノックピン孔11a、
及び押え金具への締付孔となる締付ネジ孔11bとが形成
されていた。

そこで、ワーク４の取付けは、先ず、ワーク４に複数個
のノックピン孔を穿孔されるが、その片方のノックピン
孔4aが治具プレート11の基準孔であるノックピン孔11a
を基準にあけられ、そのノックピン孔4aを利用してノッ
クピン５が打込まれ、段取り換えして後のもう片方のノ
ックピン孔4a′を加工していた。そして、これらノック
ピン孔4a,4a′に装着されたノックピン５でワーク４の
位置決めがされ、締付ネジ孔11bへ螺合するボルトによ
る押え金具の押えでワーク４の治具プレート11への締付
けをし、また、治具芯取り用基準孔11cによってM/Cテー
ブルとの相対精度を出していた。

考案が解決しようとする課題 ところが、基準ベースとしての治具プレートへのワーク
の段取りには技能と時間を要し、ピッチの相違するワー
クが取付けられるよう治具プレートにノックピン孔を沢
山あけ、そのノックピン孔からワークに合ったピッチの
ノックピン孔が選択されてもよいが、それでもなかなか
ワークのピッチを合わせるのに苦慮し、不都合であっ
た。

そこで、ワークにあけられたノックピン孔のどのような
ノックピン孔のピッチであっても治具プレートへ容易に
セット出来ることが望まれ、本考案は、基準ベースの治
具プレートに溝を刻設し、該溝にコマがスライド出来る
ようにしてワークをどんなノックピン孔のピッチであっ
てもセットが出来るようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案の基準ベースの治具プレートは、ワークを位置決
めセットする為に複数個のノックピン孔があけられた治
具プレートにおいて、治具プレートの面に刻設された縦
横の溝を有し、該溝にはその中心に基準孔としてのノッ
クピン孔が数個所穿孔されると共にスライドするノック
ピン孔の有するコマを設け、ピッチが変わるワークの一
方のノックピンを治具プレートの基準孔であるノックピ
ン孔へ差込み、他方のノックピン孔のノックピンはコマ
のノックピン孔に打込んでワークのセットがされるもの
である。

作用 従って、基準ベースとしての治具プレートに縦横の溝が
刻設され、該溝にはその中心にノックピン孔を数個所穿
孔されると共にスライドするノックピン孔の有するコマ
が設けられているので、ワークにどんなピッチのノック
ピン孔があけられても、該ノックピン孔に打込まれたノ
ックピンによって治具プレートへの位置決めをされる。
それには一方のノックピンが基準孔である治具プレート
のノックピン孔へ差込まれ、他方をスライドしてワーク
のピッチに合わせられたコマのノックピン孔へ入れるこ
とによって、どんなピッチのワークでもセット出来る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明すると、第１
図は、コマのスライドする溝が刻設された治具プレート
の構造を示し、第２図は、ワークを押える押え金具の締
結がされる締付ネジ孔の構造、第３図はM/Cテーブルに
基準ベースの治具プレートで位置決めされたワークのセ
ット状態、そして、第４図は２個のワークがセットされ
た状態を示す。

第１図について、１は治具プレート、２は該治具プレー
ト１の縦横に刻設された溝、３は該溝２にスライドする
ノックピン孔3aを有するコマである。治具プレート１に
は、第２図に示す如く、ワークを押え金具で押えるボル
トが締結される締付ネジ孔1bを穿設し、側面に治具芯取
り用基準孔1cを穿設する。また、上記溝２の中心には基
準孔となるノックピン孔1aが数箇所あけられている。そ
して、締付ネジ孔1bは上部１′ｂをノックピン孔に仕上
げて、ノックピンが差込まれることによって位置決めに
も利用できるようにし、未利用の締付ネジ孔1bには切
粉、ゴミ等が入ることを防止する為に埋栓する。

なお、図中1dはM/Cテーブルのテーブル溝に合せて治具
プレート１自身の取付けが容易に行えるように仕上げ加
工された締付溝である。

以上よりなる構成によって、治具プレート１が第３図及
び第４図に示す如く、ワーク４をセットする為の基準ベ
ースとして使用される。先ず、ワーク４の一方のノック
ピン孔4aにノックピン５を入れ、治具プレート１の溝２
に穿設されたノックピン孔1aへ差込む。次に、ワーク４
の他方のノックピン孔4a′に入れられたノックピン５
を、コマ３が該ワークのノックピン孔4a,4a′のピッチ
に対応出来るよう治具プレート１の溝２をスライドして
合せられたそのコマのノックピン孔3aに打込ませてワー
ク４の位置決めがされる。治具プレート１に位置決めさ
れたワーク４は治具プレート自身をその治具芯取り用基
準孔1cによりM/Cテーブル６への相対精度による位置決
めがされ、締付ボルトで治具プレート１をその締付溝1d
によって締着する。また、治具プレート１に位置決めさ
れたワーク４は締付ネジ孔1bに平時のボルト７を螺合す
ることによって押え金具８で押え付けられる。そして、
以上よりなるワークのセットの後、加工工具6aによって
加工する。

なお、ワーク４が小さい場合には第４図に示す如く、同
時に２個以上を治具プレート１にセットしてもよいこと
は云うまでもない。

考案の効果 以上の結果、本考案は、治具プレートに刻設された溝を
スライドするコマがワークの位置決めの為のノックピン
孔を有する為、ワークをセットするに当っての位置決め
が容易に出来、しかも、ピッチが変えられてもコマのス
ライドでワークの相対精度の出せる位置決めを可能とす
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の溝とコマとを有するワークの位置決
めが行われる治具プレート構造図、第２図は、該治具プ
レートの締付ネジ孔の構造断面図であり、第３図は、M/
Cテーブルに治具プレートで位置決めされたワークセッ
ト状態図、第４図は２個のワークセット状態図である。
第５図は、従来のワーク位置決めの為の治具プレート構
造図である。 １……治具プレート、1a……ノックピン孔、1b……締付
ネジ孔、1c……治具芯取り用基準孔、1d……締付溝、２
……溝、３……コマ、3a……ノックピン孔、４……ワー
ク、4a,4a′……ノックピン孔、５……ノックピン、６
……M/Cテーブル、6a……加工工具、７……ボルト、８
……押え金具、11……治具プレート、11a……ノックピ
ン孔、11b……締付ネジ孔、11c……治具芯取り用基準
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークを位置決めセットする為に複数個の
   ノックピン孔があけられた治具プレートにおいて、治具
   プレートの面に刻設された縦横の溝を有し、該溝にはそ
   の中心に基準孔としてノックピン孔が数箇所穿孔される
   と共にスライドするノックピン孔の有するコマを設け、
   ピッチが変わるワークの一方のノックピンを治具プレー
   トの基準孔であるノックピン孔へ差込み、他方のノック
   ピン孔のノックピンはコマのノックピン孔に打込んでワ
   ークのセットがされることを特徴とする基準ベースの治
   具プレート。