JPS6125957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はボール盤、研削盤、フライス盤、プレ
ス機械等の工作機械のテーブルに工作物等を締付
固定するための工作物の締付装置に関する。

〔従来の技術〕

従来各種工作機械で工作物を機械加工するに際
し、工作物を工作機械のテーブルに固定するには
テーブルのＴ溝にＴボルトの頭を係合し、このＴ
ボルトに固定金具をナツト締めし、工作物を固定
金具で締付け固定することが一般に行われてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記従来の方法によると、Ｔボル
トおよび固定金具を工作物の形状の大小によつて
適合したものにその都度交換しなければならず、
非常に煩しくかつ作業能率を低下させるものであ
つた。

本考案は上記従来の実情に鑑み、その欠点を一
掃すべく考案されたものであつて、その目的とす
るところは、工作物の機械加工において、工作物
の形状の大小をとわず工作物の締付固定を強固に
かつ能率良く行えるようにした工作物の締付装置
を提供することにある。

〔問題を解決するための手段〕

上記目的を達成させるために本考案は、工作機
械のテーブルのＴ溝に摺動可能に嵌合するＴ形脚
部と、工作機械のテーブル面に対して斜交して起
立する一方のＴ形摺動部とが形成された支持台
と、前記支持台の一方のＴ形摺動部に摺動可能に
嵌合する他方のＴ形摺動部と、該他方のＴ形摺動
部を前記支持台の一方のＴ形摺動部に嵌合した時
工作機械のテーブル面に対し垂直となるコ字状溝
とが形成された送り台と、側面視Ｌ字状に形成さ
れ、Ｌ字の一側辺が前記送り台のコ字状溝に係合
可能でＬ字の他側辺で工作物を押える押え爪と、
前記送り台に一体に形成されたアームに支持さ
れ、前記支持台に螺入されて送り台を支持台に対
してＴ形摺動部の方向に進退させる送りねじ機構
と、前記送り台のコ字状溝とこれに嵌合する前記
押え爪のＬ字状の一側辺とを巾方向に貫通して押
え爪を送り台に脱着可能に係着する複数のピンと
から工作物の締付装置を構成したものである。

〔作 用〕

このため本考案に係る工作物の締付装置では、
支持台の一方のＴ形摺動部の送り台の他方のＴ形
摺動部を嵌合すると共に送り台の送りねじを支持
台のねじ孔に螺入して支持台と送り台とを一体に
組立て、支持台のＴ形脚部を工作機械のテーブル
のＴ溝に嵌合し、支持台をテーブルの所定位置に
Ｔボルト等で固定する。しかる後送り台のコ字状
溝にＬ字状の押え爪の一側辺を嵌合しピン孔にピ
ンを挿通して送り台に押え爪を係着する。そして
押え爪の他側辺と工作機械のテーブル間に工作物
を位置させ、送りねじを回動して送り台を下方へ
摺動させれば工作物は押え爪によつてテーブルに
強固に締付固定される。ここで押え爪の他側辺を
下にして押え爪を送り台に係着すれば小形の工作
物が締付固定され、同他側辺を上にして押え爪を
送り台に係着すれば大形の工作物が締付固定され
る。

〔実施例〕

以下本考案を図示の一実施例に基いて詳細に説
明する。

第１図乃至第４図において、１は支持台で側面
視起立直角三角形状をなし、底辺に工作機械のテ
ーブル２のＴ溝２ａに摺動可能に嵌合するＴ形脚
部１ａが形成され、斜辺に工作機械のテーブル２
面に対して斜交して起立する凸状Ｔ形の一方のＴ
形摺動部１ｂが形成されている。３は送り台で側
面視倒立直角三角形状をなし、斜辺に前記支持台
１の一方のＴ形摺動部１ｂに摺動可能に嵌合する
Ｔ溝で成る他方のＴ形摺動部３ａが形成され、垂
辺にコ字状溝３ｂが形成され、支持台１と送り台
３の両Ｔ形摺動部１ｂ，３ａを嵌合した時上記コ
字状溝３ｂは工作機械のテーブル２の面に対して
垂直方向をとるようになつている。４は押え爪で
側面視Ｌ字状をなし、Ｌ字の一側辺４ａが送り台
３のコ字状溝３ｂに嵌合可能にされている。５は
送りねじ機構で、送り台３に一体に形成されたア
ーム３ｃに支持された送りねじ５ａが支持台１の
ねじ孔１ｃに螺入され、送りねじ５ａを正あるい
は逆方向に回動することによつて送り台３と支持
台１の両Ｔ形摺動部３ａ，１ｂが摺動し、送り台
３が支持台１に対して進退される。また送り台３
の垂辺側にコ字状溝３ｂを巾方向に貫通する複数
のピン孔３ｄが穿設され、一方コ字状溝３ｂに嵌
合する押え爪３の一側辺４ａ側にも送り台３の前
記ピン孔３ｄに対応する複数のピン孔４ｃが穿設
され、送り台３のコ字状溝３ｂに押え爪４の一側
辺４ａを嵌合し、両ピン孔３ｂ，４ｃにピン６を
挿通することによつて押え爪４は送り台３に一体
に係着される。

叙上の構成において、支持台１の一方のＴ形摺
動部１ａに送り台３の他方のＴ形摺動部３ａを嵌
合すると共に送り台３の送りねじ５ａを支持台１
のねじ孔１ｃに螺入して支持台１と送り台３とを
一体に組立て、支持台１のＴ形脚部１ａを工作機
械のテーブル２のＴ溝２ａに嵌合し、支持台１を
テーブル２の所定位置に図示しないＴボルト等で
固定すれば、送り台３の垂辺のコ字状溝３ｂはテ
ーブル２面に対し垂直となつて支持台１はテーブ
ル２に固定される。しかる後送り台３のコ字状溝
３ｂにＬ字状の押え爪４の一側辺４ａを嵌合し、
送り台３および押え爪４の両ピン孔３ｄ，４ｃに
ピン６を挿通することによつて押え爪４は送り台
３に一体に係着される。そして押え爪４の他側辺
４ｂと工作機械のテーブル２との間に工作物７を
位置させ、送りねじ５ａを回動して送り台３を下
方へ摺動させれば工作物７は押え爪４によつてテ
ーブル２に強固に締付固定される。ここで押え爪
４の他側辺４ｂを下にして押え爪４を送り台３に
係着すれば小形の工作物が締付固定され、同他側
辺４ｂを上にして押え爪４を送り台３に係着すれ
ば大形の工作物が締付固定される。

〔考案の効果〕

以上詳述したように本考案によれば、機械加工
される工作物の締付装置を、工作機械のテーブル
のＴ溝に摺動可能に嵌合するＴ形脚部と、工作機
械のテーブル面に対して斜交して起立する一方の
Ｔ形摺動部とが形成された支持台と、前記支持台
の一方のＴ形摺動部に摺動可能に嵌合する他方の
Ｔ形摺動部と、該他方のＴ形摺動部を前記支持台
の一方のＴ形摺動部に嵌合した時工作機械のテー
ブル面に対し垂直となるコ字状溝とが形成された
送り台と、側面視Ｌ字状に形成され、Ｌ字の一側
辺が前記送り台のコ字状溝に係合可能でＬ字の他
側辺で工作物を押える押え爪と、前記送り台に一
体に形成されたアームに支持され、前記支持台に
螺入されて送り台を支持台に対してＴ形摺動部の
方向に進退させる送りねじ機構と、前記送り台の
コ字状溝とこれに嵌合する前記押え爪のＬ字状の
一側辺とを巾方向に貫通して押え爪を送り台に脱
着可能に係着する複数のピンとから構成したた
め、工作物の形状の大小に応じて押え爪を上下に
入れ換えるだけで広範囲の大きさの工作物を強固
にかつ能率良く工作機械のテーブルに締付固定で
きるという工業上頗る有益な効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体斜視図、第２図は本装置を工作機械のテー
ブルに取付けた状態の要部側面図、第３図は支持
台と送り台とを嵌合した状態の斜視図、第４図は
工作物を締付固定した状態の全体側面図である。 １……支持台、１ａ……Ｔ形脚部、１ｂ……一
方のＴ形摺動部、２……テーブル、２ａ……Ｔ
溝、３……送り台、３ａ……他方のＴ形摺動部、
３ｂ……コ字状溝、４……押え爪、４ａ……一側
辺、４ｂ……他側辺、５……送りねじ機構、６…
…ピン、７……工作物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械のテーブルのＴ溝に摺動可能に嵌合す
   るＴ形脚部と、工作機械のテーブル面に対して斜
   交して起立する一方のＴ形摺動部とが形成された
   支持台の一方のＴ形摺動部に摺動可能に嵌合する
   他方のＴ形摺動部と、該他方のＴ形摺動部を前記
   支持台の一方のＴ形摺動部に嵌合した時工作機械
   のテーブル面に対し垂直となるコ字状溝とが形成
   された送り台と、側面視Ｌ字状に形成され、Ｌ字
   の一側辺が前記送り台のコ字状溝に嵌合可能でＬ
   字の他側辺で工作物を押える押え爪と、前記送り
   台に一体に形成されたアームに支持され、前記支
   持台に螺入されて送り台を支持台に対してＴ形摺
   動部の方向に進退させる送りねじ機構と、前記送
   り台のコ字状溝とこれに嵌合する前記押え爪のＬ
   字状の一側辺と巾方向に貫通して押え爪を送り台
   に脱着可能に係着する復数のピンとから成ること
   を特徴とする工作物の締付装置。