JPS6331850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は旋盤等工作機械に於いてワークに対す
るツールの軸方向位置を無段階に設定可能な刃物
台に関する。

旋盤の特に固定形刃物台はタレツト刃物台に比
べ、ツール旋回がないなど加工時間を短縮し得る
と共に、プレートにバイトをセツトしたまま管理
しておくことにより僅少の段取時間で高い精度の
加工をすることができるなど利点に富むものであ
るが、バイトの軸方向位置を無段階に設定するこ
とが困難である難点があつた。即ちこの刃物台は
テーブルに対し水平横方向の設定位置に於いて固
定的に取付けるプレート上に、複数個のツールホ
ルダの夫々を軸方向の設定位置にて螺子止めする
ため、該ツールホルダの設定位置としては多数穿
設する螺子孔の数の組合せにより定まる数だけと
り得るにとどまり、それ以上細かな設定位置の選
択をすることができず、またこの構造に於いてバ
イトのツールホルダに対する取付位置を調節する
ことは時間を要する上に高精度を得ることができ
ない。特にバイト相互の取付位置関係を必要精度
に設定することが困難である。それ故多数のバイ
トを要する加工作業ほどその精度及び所要時間を
改善することの障害となつていた。

他種の工作機械乃至刃物台に於いてもこの事情
は同様であり、本考案は各ツールホルダに対応す
る台をプレート上に設けて、該台上でツールホル
ダを摺動せしめ、所望の位置で固定的に取付ける
ことにより、螺子孔を多数穿設する必要もなく、
高精度且つ短時間の加工を可能とし得るという着
想に基づき、上記従来技術の欠点を払拭し、各種
工作機械乃至刃物台の特徴例えば固定刃物台に就
いて前記した特徴を助長せんとするものである。

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明すれ
ば、１は自動旋盤のテーブル、２はツールホルダ
用プレートであつて、テーブル１のＴ形固定溝１
ａに係合する段部を有するナツト１ｂに、プレー
ト２の貫通孔２ａに挿入したボルト２ｂを螺合す
ることにより、該プレート２がテーブル１上に固
定的に取付けられ、又この螺合を解くことにより
該プレート２をテーブル１に対しＴ形固定溝１ａ
の方向即ち水平横方向に摺動せしめて適宜の取付
位置に設定することができる。

３，３，…はプレート２上に並列的に配置され
たツールホルダ用台を示し、各台３は、その貫通
孔３ｃ，３ｃに挿入したボルト３ｄ，３ｄを、プ
レート２のＴ形固定溝２ｃ，２ｃに係合する段部
を有するナツト２ｄに螺合することにより、プレ
ート２上に固定的に取付けられ、又この螺合を解
くことにより該台３をプレート２に対しＴ形固定
溝２ｃ，２ｃの方向即ち水平横方向に摺動せしめ
て適宜の取付位置に設定することができる。

更に４，４，…は夫々台３，３，…上に載置さ
れた断面各種形状のツールホルダを示し、各ツー
ルホルダ４は、その中央部に縦設せられた貫通孔
４ｅ，４ｅ，４ｅに挿入したボルト４ｆ，４ｆ，
４ｆを、対応する台３のＴ形固定溝３ｅに係合す
る段部を有するナツト３ｆに螺合することによ
り、台３上に固定的に取付けられ、又この螺合を
解くことにより該ツールホルダ４を台３に対しＴ
形固定溝３ｅの方向即ち工作物Ｗの軸線方向に摺
動せしめて適宜の取付位置に設定することができ
るが、ツールホルダ４はその下面に突設した案内
凸条４ｇが前記Ｔ形固定溝３ｅに嵌合しているか
ら台３上を精度良く無段階に変位せしめ得るもの
である。ツールホルダ４の溝部４ｈ，４ｈには工
作物Ｗの加工の必要に応じた各種のバイトＴ，Ｔ
が止め螺子４ｉ，４ｉ，…により締着される。

而して各バイトＴはこれを保持するツールホル
ダ４を台３に対し所要位置に設定することによ
り、各バイトＴの工作物Ｗに対する取付位置乃至
バイトＴ，Ｔ，…相互間の軸方向位置関係を、簡
易な作業で精度良く無段階に選ぶことができる。
斯くして取付けられた各バイトを所定順に工作物
Ｗの加工面に導くことにより、複雑な形状の加工
や、一部の寸法のみ異なる類似形状の加工等を自
在になし得る。

またテーブル１上面に固定溝１ａが長く形成さ
れているので、テーブル１より長いツールホルダ
プレート２を載置し、簡単に固定することができ
る。このツールホルダプレート２上に固定溝２ｃ
が長く形成されているのでツールホルダ用台３，
３を複数個増減自在であり、無段階に間隔調節が
できる。すなわち、第１図では４頭のツールホル
ダ用台３，３を５頭、６頭に増加させることがで
きる。

以上述べたように本考案は簡単な構造によりバ
イトの取付位置の設定及びその変更が各バイト毎
に高精度で無段階に可能であり、然もその作業は
簡易であり、強度も十分であつて、各種の加工需
要に短時間の加工時間で精度良く応ずることので
きる実用上極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を表わし、第１図は刃物
台の全体斜視図、第２図は一部断面側面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は第１図の
刃物台の概略平面図である。 １……テーブル、２……ツールホルダ用プレー
ト、３……ツールホルダ用台、３ｅ……Ｔ形固定
溝、３ｆ……ナツト、４……ツールホルダ、４ｅ
……貫通孔、４ｆ……ボルト、４ｇ……案内凸
条、Ｔ……バイト、Ｗ……工作物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械のテーブル上面に主軸に対して直角方
   向に長い固定溝を刻設し、該固定溝は溝口を幅狭
   とし溝底を段差状に幅広く、断面略逆Ｔ字形に形
   成し、該固定溝底にナツトを嵌装し、テーブル上
   面にはツールホルダプレートを配置して、該ツー
   ルホルダプレートは主軸に対して直角方向に長く
   形成して、長手方向へ所定間隔おきにボルトを垂
   設し、該ボルト下端部を前記溝底のナツトと螺合
   させてテーブルとツールホルダプレートとを固定
   すると共に、該ツールホルダプレート上面には長
   手方向へ長く固定溝を刻設し、該固定溝はテーブ
   ルの固定溝と同形に形成して溝底にナツトを嵌装
   し、該ツールホルダプレート上面には長手方向に
   所定間隔おきに複数のツールホルダ用台を配置
   し、各ツールホルダ用台はボルトを垂設して該ボ
   ルト下端部をツールホルダプレートの溝底のナツ
   トと螺合させてツールホルダプレートとツールホ
   ルダ用台を固定すると共に、各ツールホルダ用台
   上面にはツールホルダプレートの固定溝の直角方
   向へ長い固定溝を刻設し、該固定溝はテーブルの
   固定溝と同形に形成して溝底にナツトを嵌装し、
   該ツールホルダ用台上にはツールホルダを配置
   し、該ツールホルダはボルトを垂設して該ボルト
   下端部をツールホダ用台の固定溝底のナツトと螺
   合させてツールホルダ用台にツールホルダを固定
   すると共に、ツールホルダは下面に下の固定溝の
   溝口幅に合致する案内凸条を突設して固定溝に嵌
   合させ側部にバイト固定用の溝部を形成してバイ
   トを固定して成り、ツールホルダプレート上にツ
   ールホルダ用台を複数増減できるよう構成したこ
   とを特徴とする旋盤等工作機械の刃物台。