JPH0644481Y2 - ブラシロールによる金属板のブラシ掛け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、金属板の表面に付着している圧延油、ゴミ、
スケール等を除去したり、ブラシロールによって金属板
表面にオイル掛け等を行うことができるブラシロールに
よる金属板のブラシ掛け装置に関する。

〔従来の技術〕

第２図は金属板の表面に付着した圧延油を除去するため
の電解清浄設備を示し、同図において、１は金属板であ
り、この金属板１を、アルカリ脱脂槽２による化学的脱
脂、ブラシロールによる金属板のブラシ掛け装置３によ
る機械的脱脂、電解槽４による電気化学的脱脂を行い、
その後、温水槽５で温水洗浄し、そしてドライヤー６に
よって乾燥させる。

そして、従来装置３におけるブラシロールは、金属板１
に対して第３図（Ａ）〜（Ｃ）のように配置されてい
た。

即ち、ブラシロール７が金属板１の進行方向に対して、
その表面に直交して圧接されると共に、駆動装置（図
外）によって金属板の進行方向と同一あるいは反対方向
に回転され、金属板表面１に付着している圧延油がブラ
シロール７の毛足によってかき落とされる。

〔考案が解決しようとする課題〕

通常、ブラシロール７の巾長さは、金属板１の巾長さよ
り、ある程度の余裕をもっておおうように設定されてい
る。この場合、金属板１の両端縁部のエッジ角部に接触
する部分のブラシロール7A,7Aの磨耗つまり毛足の磨耗
が著しく激しいため、ブラシロール７の中央部に比べて
この部分のブラシ掛け効果は低下する。

このため、ブラシロール７の中央部がそれほど磨耗して
いないにも拘わらず、ブラシロール７を頻繁に交換しな
ければならず、非常にコストが嵩むという欠点があっ
た。

本考案は、上述の事柄に留意してなされたもので、その
目的とするところは、金属板の端縁部と接触する部分の
偏摩擦を防止でき、ブラシロールの取替頻度を格段に少
なくし、しかも金属板の中央部、端部共に均一にブラシ
掛けできる装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本考案に係るブラシロール
による金属板のブラシ掛け装置は、走行する金属板の板
巾全部を単一のブラシロールでおおい、該ブラシロール
を、そのロール軸線が板走行方向と直交しないように斜
めに配置するとともに板巾方向に移動可能とした点に特
徴を有する。

〔作用〕

上記特徴構成によれば、金属板端縁部のエッジ角部に接
触するブラシロールの毛足は金属板の走行方法に対して
それを斜めに横切る方向でエッジ角部に接触するため、
接触時間が短くなり、ブラシロールの偏磨耗が低減さ
れ、金属板の表面全体にわたって、均一なブラシ掛け効
果が得られる。また、たとえ金属板の端部と接触してい
る部分が磨耗しても、そのブラシロールをロール軸方向
にずらせて金属板の量端縁部に接触していない部分を使
用することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図（Ａ）〜（Ｃ）は本考案の実施例を示し、これら
の図において、１は金属板であり、７は走行する金属板
１の板巾全部をおおうように設置されたブラシロールで
ある。そして、ブラシロール７はそのロール軸線を金属
板１の走行方向に対して例えば45°の角度に設置する。
この角度は40°〜85°が好適である。

而して、ブラシロール７が走行する金属板１の表面に斜
めに圧接されると共に駆動装置（図外）によってブラシ
ロール軸８を中心としてブラシロール７が回転するの
で、金属板１の両端縁部のエッジ角部にはブラシロール
7B,7Bに示す面積の箇所が接触する（第１図（Ａ），
（Ｂ）参照）。

なお、ブラシロール７を板巾より所望長さ長くしてお
き、ロール軸方向（第１図（Ｃ）に示す矢印Ａ方向）又
は板巾方向に移動して使用できるようにしておくと金属
板１の両端縁部に接触するブラシロール部分7B,7Bが偏
磨耗した場合、ブラシロール７をすぐに交換しなくても
ブラシロール７をロール軸方向にずらせて金属板１の両
端縁部に接触していない部分を使用すれば充分ブラッシ
ング効果があり、ブラシロール７の取替頻度を減少させ
ることができる。

さらに、第１図（Ａ）に仮想線で示すように、金属板１
を挟んでブラシロール７の反対側にブラシロール７と角
度を対称にしてブラシロール７′を設けておけば、ブラ
シロール７が走行中の金属板１に対して板巾方向に偏荷
重をあたえることがない。

また、本実施例においてはブラシロール７をそのロール
軸線が金属板１の走行方向に対して45°の角度に配置し
たが、この斜めに配置する角度は金属板１のライン速
度、ブラシロール７の回転速度、毛足の材質等に応じて
所定の角度に設定すればよく、ブラシロール７の板巾方
向の移動についても、ロール長さから適宜定めればよ
い。

さらに、本考案のブラシロール７を金属板１の進行方向
に沿って複数設けることもできる。

なお、本考案によるブラシロールによる金属板のブラシ
掛け装置は、圧延油の除去のみならず、金属板１の表面
に付着したゴミ、スケール等の除去にも適用できるのは
云うまでもなく、金属板１表面をブラシ掛けにより処理
する手段としてその他の設備、装置に適用できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、金属板端縁部の
エッジ角部においてブラシロールの偏磨耗が低減され、
金属板の表面全体にわたって、均一なプラッシング効果
が得られる。また、たとえ金属板の端部と接触している
部分が摩擦した場合にも、そのブラシロールをロール軸
方向又は板巾方向にずらせて金属板の両端板の両端縁部
に接触していない部分を使用すればよく、ブラシロール
の取替頻度を少なくでき、非常に経済的となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るブラシロールによる金属板のブラ
シ掛け装置を示しており、第１図（Ａ），（Ｂ）はその
装置の一部を示す平面図、第１図（Ｃ）は同上斜視図で
ある。 第2,3図は従来例を示し、第２図は電解清浄設備の全体
図、第３図（Ａ）は従来のブラシロール式金属板清浄装
置の一例を示す平面図、第３図（Ｂ）は同上正面図、第
３図（Ｃ）は同上側面図である。 １……金属板、７……ブラシロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行する金属板の板巾全部を単一のブラシ
   ロールでおおい、該ブラシロールを、ロール軸線が板走
   行方向と直交しないように斜めに配置するとともにロー
   ル軸方向又は板巾方向に移動可能としたことを特徴とす
   るブラシロールによる金属板のブラシ掛け装置。