JPH0643869Y2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、磁気記録再生装置に関し、更に詳しくは、ハ
ーフローディング状態で早送り、巻戻しを行うことがで
きるVTRなどの磁気記録再生装置に関する。

〈従来の技術〉 この種の磁気記録再生装置の従来例を第４図〜第５図に
示す。

まず第４図において、磁気記録再生装置Ｇは、回転ヘッ
ドシリンダ１を備え、このシリンダ１の外周縁には２つ
の回転磁気ヘッド1a,1aが搭載され、シリンダ１と共に
回転する。3,4は磁気テープ２を回転ヘッドシリンダ１
に巻装させるガイドローラ台であり、これらのガイドロ
ーラ台3,4にはガイドローラ5,6が設置され、シャーシＰ
に設けられたガイド溝7,8に沿って複動する。

９はシャーシＰに固着された固定磁気ヘッドであり、10
は支点10aに対して揺動自在に設けられたハーフローデ
ィングレバーである。カセット11内には供給側リール台
12と巻き取り側リール台13が設けられ、両台間に磁気テ
ープ２が巻かれている。

さて、早送り、巻戻しをする場合には、第５図に示され
るように、ハーフローディングレバー10が揺動し、磁気
テープ２をカセット11から外側に引き出し、固定磁気ヘ
ッド９に磁気テープ２を添接させる。このように固定磁
気ヘッド９に添接走行させることにより、この固定磁気
ヘッド９からの情報に基づいて、記録内容の頭出しやテ
ープ残量時間の読み取りなどを行うものである。

この状態のとき、回転ヘッドシリンダ１に磁気テープ２
が当接するようなテープパスができる。一方回転ヘッド
シリンダ１の停止位置は任意である。従って、回転ヘッ
ドシリンダ１に搭載されている２つの回転磁気ヘッド1
a,1aのいずれかが磁気テープ２に当接する状態になるこ
とがある。

〈考案が解決しようとする課題〉 以上のごとく、ハーフローディング状態で、磁気テープ
は回転ヘッドシリンダに搭載された回転磁気ヘッドに当
接する可能性があるわけであり、磁気テープが回転磁気
ヘッドに当接した状態で早送り、巻戻しをする場合、回
転磁気ヘッドの摩耗や汚れの増大はさけられず、磁気テ
ープが損傷を受けるおそれもある。

本考案は、上述の点に鑑みてなされたものであって、ハ
ーフローディング状態で早送り、巻戻しをする場合、磁
気テープと、回転ヘッドシリンダに搭載されている回転
磁気ヘッドとが当接しないようにし、それによって回転
磁気ヘッドの摩耗や汚れの増大及び磁気テープの損傷を
防止することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 本考案では、上述の目的を達成するために、回転磁気ヘ
ッドを有する回転ヘッドシリンダと、該回転ヘッドシリ
ンダの近傍に配設された固定磁気ヘッドと、早送り、巻
戻し時に、カセットから磁気テープを引き出して前記固
定磁気ヘッドに添接させるハーフローディングレバーと
を備えた磁気記録再生装置において、前記回転ヘッドシ
リンダの駆動機構は、該回転ヘッドシリンダに固定さ
れ、かつ、前記回転磁気ヘッドに対応した位置に所定の
磁極を有する回転子と、この回転子に対応し、切換駆動
電圧が印加される複数のコイルを有する固定子とで構成
され、前記ハーフローディングレバーの作動による早送
り、巻戻し時に、前記固定子の複数のコイルに、前記切
換駆動電圧に代えて一定電圧を印加することにより、前
記回転ヘッドシリンダを、前記回転磁気ヘッドと前記磁
気テープとが当接しない位置に停止させる回転ヘッドシ
リンダ停止位置制御手段を具備してなる構成としてい
る。

〈作用〉 上記構成によれば、回転ヘッドシリンダの駆動機構を、
シリンダ自体に固定され、回転磁気ヘッドに対応した位
置に所定の磁極を有する回転子と、これに対応する固定
子とで構成している。そしてハーフローディング状態の
ときに、前記固定子に切換駆動電圧に代えて一定電圧を
供給し、それによって回転ヘッドシリンダを回転磁気ヘ
ッドと磁気テープとが当接しない位置に停止できるよう
にしている。

すなわち、回転子の磁極を所定の位置に設定すれば、固
定子への一定電圧の供給によって回転磁気ヘッドと磁気
テープとの当接をさけることができ、回転磁気ヘッドの
摩耗は汚れの増大を防止できると共に磁気テープの損傷
も防止できる。

〈実施例〉 以下、図面によって本考案の実施例について、詳細に説
明する。

第１図は本考案の磁気記録再生装置の要部の構成図であ
り、第２図はその回転ヘッドシリンダの駆動機構の構成
図であり、さらに、第３図は回転ヘッドシリンダの停止
状態を示す第２図相当図であり、第４図〜第５図に対応
する部分には同一の参照符が付されている。

まず第１図において、磁気記録再生装置Ｇは、回転磁気
ヘッド1a,1aを有する回転ヘッドシリンダ１と、このシ
リンダ１の近傍に配設された固定磁気ヘッド９と、ハー
フローディングレバー10と、これらの各構成部品と共に
カセット11を装着するためのシャーシＰとから主として
なる。

なお、5,6はガイドローラ台3,4に設置されたガイドロー
ラ、7,8はシャーシＰ設けられたガイド溝である。ま
た、カセット11内には供給側リール台12と巻取り側リー
ル台13とが設けられ、両リール台の間に磁気テープ２が
巻かれている。

そして、回転ヘッドシリンダ１は、シャフト1bを一体に
固着して有し、そのシャフト1bによってシャーシＰに回
転自在に支持されている。このシャフト1bの下端には回
転子としての輪状のマグネット14が固着されている。さ
らに、このマグネット14に対応して、シャーシＰには同
軸に固定子としての８個のコア15が輪状で等角度間隔に
固着され、各コアには、隣接するコアが異極になるよう
にそれぞれコイル16が巻かれている。

以上のごとく、回転ヘッドシリンダ１の駆動機構は、マ
グネット14からなる回転子とこれに対応する固定子とを
備えているわけである。

この実施例では、ハーフローディング状態で早送り、巻
戻しをする場合、磁気テープ２と、回転ヘッドシリンダ
１に搭載されている回転磁気ヘッド1a,1aとが当接しな
いようにするために、回転子としてのマグネット14の磁
極が回転磁気ヘッド1a,1aに対応して決められている。
すなわち、マグネット14には、４個のＮ極と４個のＳ極
とが交互に、かつ等角度間隔に形成され、しかも、同一
線上の２個のＮ極には回転磁気ヘッド1a,1aが対向する
よう規制して配されている。

さらに、回転ヘッドシリンダ１とハーフローディング状
態の磁気テープ２とが接触する位置Ｔと、シャフト1bの
中心Ｏとを結ぶライン上に、コイル16への一定電圧の供
給によってＮ極となるコア15が位置するように予め規制
されている。

そして、この駆動機構の固定子の各コイル16に切換駆動
電圧を印加して回転ヘッドシリンダ１を回転させる図示
しない電子回路は、早送り、巻戻し時に、前記固定子の
複数のコイル16に、前記切換駆動電圧に代えて一定電圧
を印加することにより、回転ヘッドシリンダ１を、回転
磁気ヘッド1a,1aと前記磁気テープ２とが当接しない位
置に停止させる回転ヘッドシリンダ停止位置制御手段と
しての機能を備えている。

以上の構成を有する磁気記録再生装置ＧのシャーシＰに
カセット11を装填すると、ハーフローディングレバー10
が支点10aを中心に揺動する。ハーフローディングレバ
ー10が揺動すると、第１図のごとく、磁気テープ２がカ
セット11から外側に引き出され、固定磁気ヘッド９に添
接される。引き出された磁気テープ２は更に回転ヘッド
シリンダ１に当接するようなテープパスをとる。

この状態で磁気テープ２を早送り、巻き戻しする場合、
回転ヘッドシリンダ１の駆動機構を構成する固定子のコ
イル16に一定電圧が続けて加えられることにより、第３
図のごとくコア15の極、つまりＮ極、Ｓ極、Ｎ極…が決
まり、マグネット14との同極が反発、異極が吸引しあっ
て、結局、Ｎ極に、回転子としてのマグネット14のＳ極
が、そしてＳ極にはマグネット14のＮ極が対向して停止
する。

かくして回転ヘッドシリンダ１の回転磁気ヘッド1a,1a
はマグネット14のＮ極と対向し、一方回転ヘッドシリン
ダ１と磁気テープ２とが接触する位置Ｔとシャフト1bの
中心Ｏとを結ぶライン上にはＮ極のコア15が位置してい
るので、マグネット14のＳ極が対向する。

以上のごとく、ハーフローディング状態で回転ヘッドシ
リンダ１と磁気テープ２とが接触する位置Ｔには回転磁
気ヘッド1a,1aは停止しない。よって、回転磁気ヘッド1
a,1aは磁気テープ２との接触を回避できるので、摩耗や
汚れが防止できる。また磁気テープ２も損傷を軽減する
ことができる。

なお、記録または再生時には、従来と同様に、回転ヘッ
ドシリンダ１の下端に固着されているマグネット14の位
置を適宜検出し（たとえば、半導体のホール効果や光学
的方式がある）、トルク角が常にπ/2となるように、固
定子のコイル16への駆動電圧を上述の電子回路で切り換
えており、これによって、回転子のマグネット14が回
転、すなわち回転ヘッドシリンダ１が回転する。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、回転ヘッドシリンダの
駆動機構は、回転ヘッドシリンダに固定される回転子
と、これに対応する固定子とからなり、ハーフローディ
ング状態の早送り、巻き戻し時に、固定子に、切換駆動
電圧に代えて一定電圧を供給することによって、回転磁
気ヘッドと磁気テープとが当接しないようにし、それに
よって簡単な構成にて回転磁気ヘッドの摩耗や汚れの増
大、及び磁気テープの損傷を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例に係り、第１図は
磁気記録再生装置の要部の構成図、第２図はその回転ヘ
ッドシリンダの駆動機構部分の構成図、第３図は回転ヘ
ッドシリンダの停止状態を示す第２図相当図である。 第４図及び第５図は従来例に係り、第４図は第１図相当
図、第５図は早送り、巻き戻し時のハーフローディング
状態を示す第４図相当図である。 Ｇ……磁気記録再生装置、Ｐ……シャーシ、１……回転
ヘッドシリンダ、1a……回転磁気ヘッド、２……磁気テ
ープ、９……固定磁気ヘッド、10……ハーフローディン
グレバー、11……カセット、14……マグネット、15……
コア、16……コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転磁気ヘッドを有する回転ヘッドシリン
   ダと、該回転ヘッドシリンダの近傍に配設された固定磁
   気ヘッドと、早送り、巻戻し時に、カセットから磁気テ
   ープを引き出して前記固定磁気ヘッドに添接させるハー
   フローディングレバーとを備えた磁気記録再生装置にお
   いて、 前記回転ヘッドシリンダの駆動機構は、該回転ヘッドシ
   リンダに固定され、かつ、前記回転磁気ヘッドに対応し
   た位置に所定の磁極を有する回転子と、この回転子に対
   応し、切換駆動電圧が印加される複数のコイルを有する
   固定子とで構成され、 前記ハーフローディングレバーの作動による早送り、巻
   戻し時に、前記固定子の複数のコイルに、前記切換駆動
   電圧に代えて一定電圧を印加することにより、前記回転
   ヘッドシリンダを、前記回転磁気ヘッドと前記磁気テー
   プとが当接しない位置に停止させる回転ヘッドシリンダ
   停止位置制御手段を具備したことを特徴とする磁気記録
   再生装置。