JPH0643666B2 - タンパク繊維系布帛の加工方法及びその方法による加工布帛 - Google Patents

タンパク繊維系布帛の加工方法及びその方法による加工布帛

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JPH0643666B2
JPH0643666B2 JP63098799A JP9879988A JPH0643666B2 JP H0643666 B2 JPH0643666 B2 JP H0643666B2 JP 63098799 A JP63098799 A JP 63098799A JP 9879988 A JP9879988 A JP 9879988A JP H0643666 B2 JPH0643666 B2 JP H0643666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はタンパク繊維系布帛の加工方法及びその方法に
より加工された布帛に関するものである。さらに詳しく
いえば、本発明は、タンパク繊維系布帛に対し、その本
来の光沢性、柔軟性、吸湿性、染色性などを損うことな
く、洗たくに対する防縮性を付与することができ、しか
も、生産性の良好なタンパク繊維系布帛の加工方法及び
その方法により加工された布帛に関するものである。
[従来の技術] 絹や羊毛などのタンパク繊維からなる繊維製品は、光沢
性、柔軟性、吸湿性、染色性などに優れているものの、
洗たくによる防縮性に劣るという欠点を有している。し
たがつて、従来、このような欠点を改良するために、種
々の方法が試みられてきた。例えば、セルロース繊維製
品のウオツシユウエア加工剤として用いられているメラ
ミン樹脂、尿素樹脂などの縮合型樹脂や、グリオキザー
ル系のような反応型樹脂などによる処理方法が試みられ
たが、これらの樹脂を用いる処理方法は、通常触媒が使
用されるために、該触媒による繊維の劣化や変質の危険
は避けられず、実用的方法とはいえなかつた。また、塩
化第二スズやタンニン酸などで処理する方法、ビニル単
量体をグラフト重合させる加工方法なども知られている
が、これらの方法はいずれも、実用上満足しうる方法と
はいえない。
さらに、エポキシ化合物で処理する方法も提案されてい
る(特公昭52−38131号公報)。この方法におい
ては、タンパク繊維中のアミノ基、カルボキシル基、ア
ルコール性水酸基、フエノール性水酸基などの官能基が
封鎖されて、タンパク繊維が本来有する染色性が吸湿性
をあまり損うことなく、洗たくによる防縮性が向上する
が、これでもまだ十分とはいえなかつたのである。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、このような事情に鑑み、タンパク繊維
系布帛に対し、その本来の光沢性、柔軟性、防湿性、染
色性などを損うことなく、優れた洗たくに対する防縮性
を、生産性よく付与しうるタンパク繊維系布帛の加工方
法及びその方法により加工された布帛を提供することに
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、タンパク繊維系
布帛を結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマーを
含むアミド系化合物(以下アミド系化合物と略記)を主成
分とする水溶液及び/又は熟成したアミド系化合物を主
成分とする水溶液加工剤で処理すれば、その本来の特性
を損うことなく、洗たくに対する防縮性を付与できるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は、結合塩素をもつモノマー及び/又
はオリゴマーを含むアミド系化合物を主成分とする水溶
液及び/又は結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマ
ーを含むアミド系化合物を熟成して得られた化合物を主
成分とする水溶液をタンパク繊維系布帛に付着させ、次
いで50℃から121℃の温度で10分から30分間熱処理する
ことを特徴とするタンパク繊維系布帛の防縮加工方法及
びその加工方法により加工されたタンパク繊維系防縮性
布帛を要旨とするものである。
本発明において加工される布帛は、タンパク繊維単独か
ら成るものであつてもよいし、タンパク繊維と他の繊維
との混紡繊維から成るものであつてもよい。該タンパク
繊維としては、例えば絹、羊毛、モヘア、カシミヤなど
の獣毛の紡糸、撚糸、縫糸、編糸などがあげられ、また
布帛は、織物、編物、不織布、樹脂加工布、縫製品など
のいかなる形態であつてもよい。さらに布帛は、本発明
の加工処理を阻害しない範囲で、他の加工剤によりあら
かじめ加工処理を施されたものであつてもよい。このよ
うな布帛としては、例えば、単官能又は多官能アルデヒ
ド、有機酸無水物、有機酸塩化物などと処理された布
帛、各種のビニル単量体をグラフト重合させたタンパク
繊維布帛などがあげられる。
本発明のアミド系化合物の例としては、結合塩素をもつ
モノマー及び/又はオリゴマーを含むアミドホスフアゼ
ン系化合物(以下アミドホスフアゼン系化合物と略記)や
結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマーを含むリ
ン酸アミド系化合物(以下リン酸アミド系化合物と略記)
等があり、このうちアミドホスフアゼン系化合物は、一
般式 (式中、xは3以上の整数)の環状アミドホスフアゼン
化合物、又は一般式P(NH2n (2)及びP
n-1 (NH2n+3 (3) (式中、nは正の整
数)の線状アミドホスフアゼン系化合物等で構成され
る。(1)、(2)及び(3)式中アミド基の1部がメトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、フエノキシ基、モノ
低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基等で置
換されているものも含まれる。
アミドホスファゼン系化合物は一般的にはクロルホスフ
ァゼン(NPCl2)nとアンモニアとから製造されるが、本発
明のアミドホスファゼン系化合物はクロルホスファゼン
のクロルがアンモニアと完全に反応せず、一部未置換の
塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマーを含むことが
必要である。
この結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマーを含
むアミドホスファゼン系化合物としては、後記商品名Lo
t No.GB-003、 Lot No.FC-028、 Lot No.GH-605、及びLot
No.GC-403のものがあげられるが、但しこれらはいずれ
も出願時未市販品である。
また、リン酸アミド系化合物は、結合塩素をもつモノマ
ーを含むリン酸トリアミド(OP(NH2)3)(以下リン酸トリ
アミドと略記)、結合塩素をもつオリゴマーを含むリン
酸トリアミド縮合物(以下リン酸トリアミド縮合物と略
記)及びそれらのアミド基が他の置換基で置換された形
のアミド置換誘導体の1種又は2種以上で構成される。
リン酸トリアミド縮合物の例としては2分子のリン酸ト
リアミドから1分子のNHを放出して縮合した結合塩
素をもつオリゴマーを含むイミド二リン酸テトラアミド
(NH(PO)2(NH2)4(以下イミド二リン酸テトラアミドと略
記)、3分子のリン酸トリアミドから2分子のNH
放出して縮合した結合塩素をもつオリゴマーを含むジイ
ミド三リン酸ペンタアミド((NH)2(PO)3(NH2)5)4(以下ジ
イミド三リン酸ペンタアミドと略記)、同様にしてリン
酸トリアミドの4分子縮合物、リン酸トリアミドの5分
子縮合物リン酸トリアミドの6分子縮合物等があげられ
る。
アミド置換誘導体としては、リン酸トリアミド及びリン
酸トリアミド縮合物のアミド基の1部が−OCH,−
OC,−OC,−OC,−OC
11−NHCH,−NHC,−ONH 等にて置換された形のものがある。
リン酸アミド系化合物は一般的にはオキシ塩化リンとア
ンモニアとから製造されるが、本発明のリン酸アミド系
化合物はオキシ塩化リンのクロルがアンモニアと完全に
反応せず、一部未置換の塩素をもつモノマー及び/又は
オリゴマーを含むことが必要である。この結合塩素をも
つモノマー及び/又はオリゴマーを含むリン酸アミド系
化合物としては、後記商品名Lot No.GL-08、 Lot No.HA-
11、 Lot No.GK-25、及びLot No.GJ-19のものがあげられ
るが、但しこれらは、いずれも出願時未市販品である。
前記リン酸アミド系化合物の製造に於て塩化アンモニウ
ム(NHCl)が副生するが、本発明においては、こ
れら塩化アンモニウムがリン酸アミド系化合物中に含ま
れていてもよい。
これらアミド系化合物の水溶液は、アミド系化合物を中
性の水又は酢酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硝酸ナ
トリウム、塩化マグネシウム等の中性の化合物の水溶液
に溶解したアミド系化合物の中性水溶液、アミド系化合
物をアンモニア水溶液、炭酸ソーダ水溶液、苛性ソーダ
水溶液、リン酸水素二アンモニウム水溶液、リン酸ナト
リウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、シユウ酸ナト
リウム水溶液等のアルカリ性水溶液に溶解したアミド系
化合物のアルカリ性水溶液及びアミド系化合物をリン酸
水溶液、塩化アンモニウム水溶液、リン酸水素一アンモ
ニウム水溶液、リン酸水素−ナトリウム水溶液、酢酸水
溶液、シユウ酸水溶液、コハク酸水溶液等の酸性水溶液
に溶解したアミド系化合物の酸性水溶液から構成され
る。
リン酸二アンモニウム、塩化アンモニウム、有機アミン
塩酸塩、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硝酸亜鉛、硼弗
化亜鉛、塩酸及びリン酸等の酸性触媒、それに従来から
用いられてきた少量の樹脂加工剤、柔軟剤、浸透剤、撥
水剤及び/又はセルロース架橋剤等をこのアミド系化合
物の水溶液に補助成分として添加することもできる。
粗製アミド系化合物は副生成物の塩化アンモニウムを多
量に含んでいるが、粗製アミド系化合物の水溶液は好ま
しい実施態様の1つである。水を含んだアミド系化合物
を所定の条件で処理することによりアミド系化合物を熟
成することができる。
熟成によりアミド系化合物の水溶液の31PのNMR曲
線は変化する。このアミドホスフアゼン系化合物の水溶
液の典型的な変化の例を第1図〜第5図に示す。
第1図は粗製アミドホスフアゼン系化合物(Lot No.G
B−003、純分41.4%、塩化アンモニウム約58
%)の未熟性の31PのNMR曲線を示し、ピークCは
該化合物の主成分のピークである。
第2図は第1図と同じアミドホスフアゼン系化合物を1
4%のアンモニア水に溶解し400g/の粗製アミド
ホスフアゼン系化合物の濃度としたアミドホスフアゼン
系化合物の水溶液を50℃にて1時間熟成した後の31
PのNMR曲線を示し、未熟成に見られなかつたピーク
A及びBの発生が見える。第3図は第2図に使用したの
と同じアミドホスフアゼン系化合物の水溶液を50℃に
て6時間熟成した後の31PのNMR曲線を示し、ピー
クA及びBは成長し、ピークCはほとんど消失している
のがわかる。第4図は50℃にて12時間熟成した後の
31PのNMR曲線を示し、ピークA及びBはさらに成
長しピークCは消失してしまつているのがわかる。第5
図は50℃にて24時間熟成したもので、ピークA及び
Bで示される組成物にほとんど変化してしまつているの
がわかる。
第6図は第1図に用いたアミドホスフアゼン系化合物と
は別のLot No.の粗製アミドホスフアゼン系化合物(Lo
t.No.FC−028、純分42%、塩化アンモニウム約
58%)の未熟性の31PのNMR曲線を示し、ピーク
Cは該化合物の主成分のピークである。
第7図〜第13図は第6図に使用したのと同じアミドホ
スフアゼン系化合物をそれぞれの水溶液に溶解し400
g/の粗製アミドホスフアゼン系化合物の濃度とし、
それぞれの条件の熟成を行つたのちの31PのNMR曲
線である。
第7図はアミドホスフアゼン系化合物を10%のアンモ
ニア水に溶解し50℃にて24時間熟成したものであ
る。第8図はアミドホスフアゼン系化合物を5%のアン
モニア水に溶解し50℃にて85時間熟成したものであ
る。第9図はアミドホスフアゼン系化合物を1%のアン
モニア水に溶解し50℃にて23時間熟成したものであ
る。第10図はアミドホスフアゼン系化合物を1%のア
ンモニア水にて溶解し50℃にて69時間熟成したもの
である。第11図はアミドホスフアゼン系化合物を0.
1%のアンモニア水に溶解し50℃にて85時間熟成し
たものである。第12図はアミドホスフアゼン系化合物
を1%リン酸水溶液にて溶解し50℃にて60時間熟成
したものである。
第13図はアミドホスフアゼン系化合物を水に溶解し5
0℃にて36時間熟成したものである。
第14図は第1図及び第6図に用いたアミドホスフアゼ
ン系化合物とは別のLot No.の粗製アミドホスフアゼン
系化合物(Lot No.GH−605、純分41.7%、塩
化アンモニウム約58%)の未熟成の31PのNMR曲
線を示し、ピークCは該化合物の主成分のピークであ
る。
第15図〜第17図は第14図に使用したのと同じアミ
ドホスフアゼン系化合物をそれぞれの水溶液に溶解し4
00g/のアミドホスフアゼン系化合物の濃度として
用いたものである。第15図はアミドホスフアゼン系化
合物を1%リン酸水素二アンモニウム水溶液に溶解し4
0℃にて16時間熟成したものである。第16図はアミ
ドホスフアゼン系化合物を1%水酸化ナトリウム水溶液
に溶解し40℃にて16時間熟成しさらに20℃にて3
日間熟成したものである。第17図はアミドホスフアゼ
ン系化合物を1%シユウ酸水溶液に溶解し45℃にて2
0時間熟成したものである。
次に、リン酸アミド系化合物の典型的な変化の例を第1
8図〜第20図に示す。第18図は粗製リン酸アミド系
化合物(日本曹達(株)製Lot No.GL−08、純分3
6.6%、塩化アンモニウム約63%)の未熟成の31
PのNMR曲線を示す。ピークD及びEは該化合物の主
成分のピークである。第19図は第18図に用いたのと
同じ粗製リン酸アミド化合物を10%アンモニア水溶液
に溶解し400g/の粗製リン酸アミド系化合物の濃
度としたリン酸アミド系化合物の水溶液を50℃にて5
0時間熟成した後の31PのNMR曲線を示す。全く驚
くべきことにピークD,Eは消失し、第18図には見る
ことの出来ないピークA及びBで示される組成物にほと
んど変化してしまつている。第20図は第18図に用い
たのと同じ粗製リン酸アミド化合物を5%アンモニア水
溶液に溶解し400g/の粗製リン酸アミド系化合物
の濃度としたリン酸アミド系化合物の水溶液を50℃に
て60時間熟成した後の31PのNMR曲線を示す。ピ
ークD及びEは消失し、第18図に見ることの出来ない
ピークA及びBで示される組成物にほとんど変化してし
まつている。第21図は第18図に用いたのとは別の精
製リン酸アミド系化合物(日本曹達(株)製Lot No.H
A−11、純分96.4%、塩化アンモニウム約4%)
の未熟成の31PのNMR曲線を示す。ピークE及びF
は該化合物の主成分のピークである。第22図は第21
図に用いたのと同じ精製リン酸アミド系化合物を1%ア
ンモニア水溶液に溶解し400g/の精製リン酸アミ
ド系化合物の濃度としたリン酸アミド系化合物の水溶液
を50℃にて1時間熟成しさらに20℃にて10日間熟
成した後の31PのNMR曲線を示す第21図のピーク
E及びFは消失し、第21図には見ることのできないピ
ークA及びBで示される組成物にほとんど変化してい
る。第23図はアミド基の1部をジエチルアミノ(−N
(C)基で置換した粗製リン酸アミド系化合
物(日本曹達(株)製Lot No.GK−25、純分40.
9%、塩化アンモニウム約59%)の未熟成の31Pの
NMR曲線を示す。第24図は第23図と同じ精製リン
酸アミド系化合物を10%アンモニア水溶液に溶解し2
0g/の精製リン酸アミド系化合物の濃度とした水溶
液を50℃で24時間熟成した後の31PのNMR曲線
を示す。未熟成で見られた多くのピークが消失している
のがわかる。
熟成条件としてはピークA又は/及びピークBが生成す
る条件をとる(アミド基が他の置換基で置換されている
ものについてはピークA及びBの共鳴磁場は置換されな
いものに対し異なる。−第23図、第24図参照)。好
ましい熟成温度としては10〜60℃である。
本発明は、以上に説明したアミド系化合物を主成分とす
る水溶液及び/又は熟成したアミド系化合物を主成分と
する水溶液加工剤(以下水溶液加工剤と略記する。)を
布帛に付着させるのであるが、水溶液加工剤としては本
発明の水溶液加工剤を単独で用いてもよく、リン酸二ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、有機アミン塩酸塩、塩
化亜鉛、塩化マグネシウム、硝酸亜鉛、硼弗化亜鉛、塩
酸及びリン酸等の酸性触媒、それに従来から用いられて
きた少量の樹脂加工剤、柔軟剤、浸透剤、撥水剤及び/
又はセルロース架橋剤等その補助成分として添加するこ
ともできる。
布帛に水溶液加工剤を付着させる方法としては、水溶液
中に布帛を浸漬した後、そのままかあるいはロールない
しマングルで絞る方法、水溶液を布帛に噴霧、塗布する
方法等により実施することができる。
水溶液加工剤の布帛への付着量としては、乾燥時に布帛
に対し有効成分が2〜7重量%付着するのが好ましい。
付着量が少いと防縮効果も小さくなり、付着量が多いと
素材によつては強力が低下する場合もあるからである。
水溶液加工剤を布帛に付着させた後熱処理を行うが、こ
の熱処理の方法としては、熱風、赤外線、マイクロウエ
ーブ、水蒸気等いかなる熱源をも用いることができる。
1回の熱処理でもよいし、2回以上の熱処理を行つても
よい。好ましい熱処理の温度は50〜190℃で好まし
い熱処理の時間は1〜30分である。この温度、時間に
ついては布帛を損傷しないような条件を適宜選択すれば
よい。熱処理により水溶液加工剤は水に難溶性となり布
帛に固着される。熱処理後湯洗い等を行い布帛中の水溶
性成分を除去するのが好ましい。
本発明の加工方法により得られる布帛は、加工上りの布
帛に付着している水溶液加工剤中のリンが好ましくは原
布重量に対し0.3〜2.0重量%で、加工上りの布帛
中の遊離ホルムアルデヒドは10μg/g以下であり、
洗たく収縮率が4%以下となるが、他方本来の光沢性、
柔軟性、防湿性、染色性などは何ら損われていないので
ある。
なお、リン含有重量%、遊離ホルムアルデヒド、洗たく
収縮率、白色度及び剛軟度の測定方法は次のとおりであ
る。
(1)リン含有重量%の測定方法 下記に示す硫酸分解−比色法により布帛中のリン含有重
量%を求めた。
硫酸分解−比色法による布帛中のリン含有重量%の測定 試薬1.精密分析用硫酸(試薬特級、98%) 2.60%過塩素酸 3.モリブデン酸アンモニウム溶液:モリブデン酸アン
モニウム(試薬一級) 17.7gを水にとかして500mlとする。
4.メタバナジン酸アンモニウム溶液:メタバナジン酸
アンモニウム(試薬一級) 0.6gを水に溶かし、60%過塩素酸100mlを加え
て水で500mlに希釈する。
測定機器 化学平秤、50mlケールダールフラスコ、10mlホール
ピペツト、5mlホールピペツト、ケール加熱分解台、2
5mlメスフラスコ、50mlメスフラスコ、50mlメスシ
リンダー、500mlメスフラスコ、100mlメスシリン
ダー、沸石、分光光度計 操作 1.試料の分解処理 絶乾試料200〜300mgを化学天秤を用いて精秤し、
50mlケールダールフラスコに採る。水5ml、硫酸5m
l、沸石(ガラス製)2〜3粒を加え、ケールダール加
熱分解台にセツトし加熱分解する。試料が炭化し硫酸に
溶けて褐色を呈したら(加熱開始後約30分間)加熱を
止め、5分間放冷して60%過塩素酸3滴を加え再び加
熱分解する。分解液が無色透明になる迄、加熱分解−冷
却−過塩素酸添加操作をくり返し完全に分解させる。室
温迄冷却して分解液を25mlメスフラスコに水で洗い出
し秤線迄希釈する。
2.測定 推定リン含有量に応じて分解液を50mlメスフラスコに
秤取し、水30mlを加えて後、モリブデン酸アンモニウ
ム溶液5ml、メタバナジン酸アンモニウム溶液5mlを加
え、水で秤線迄希釈する。併行してBlank テストを同様
操作で行う。30分間放置後、Blank を対照液として4
00nmでの吸光度を測定する。
推定リン含有量 分解液採取量 0.5〜15% 0.5ml 0.1〜3% 2.5ml 3.計算 加工布のリン含有量は、3%以下であるので分解液採取
量は2.5mlを適用し次の計算で算出する。
(2)遊離ホルムアルデヒドの測定方法 JIS L 1096−1979、6.39.1.2項
(1)B−1法により行つた。
(3)白色度の測定方法 JIS L 1013−1981、7.20項B法によ
り求めた。
(4)剛軟度の測定方法 KES法曲げ特性B及び2HBにより求めた。
(5)洗たく収縮率 JIS L 0217 103法により求めた。
[実施例] 以下、実施例によりさらに本発明を説明する。
実施例1 精練漂白した絹羽二重を精製アミドホスフアゼン系化合
物(日本曹達(株)製Lot No.GC−403、純分約4
2%、塩化アンモニウム約58%)120g/の水溶
液中に浸し、マングルで約94%絞液したのち100℃
にて3分乾燥し、次いで120℃にて15分熱処理し
た。続いて温水にて洗つたのち乾燥して本発明の布帛を
得た。本発明の布帛の性能を表1に示す。
比較例1 粗製アミドホスフアゼン系化合物の水溶液の代りに単な
る水を使用したことを除いて実施例1と同様にして得ら
れた布帛の性能を表1に示す。
実施例2 精練漂白した絹羽二重を粗製リン酸トリアミド系化合物
(日本曹達(株)製Lot No.GJ−19、純分約37
%、塩化アンモニウム約63%)140g/の水溶液
中に浸し、マングルで約92%絞液したのち、100℃
にて4分乾燥し、次いで120℃にて15分熱処理し
た。続いて温水にて洗つたのち乾燥して本発明の布帛を
得た。本発明の布帛の性能を表1に示す。
実施例3 精練漂白した絹羽二重を図9に示した条件で熟成したア
ミドホスフアゼン系化合物の水溶液(純分約16.8
%、塩化アンモニウム約23.2%)180g/の水
溶液中に浸し、マングルで約90%絞液したのち100
℃にて5分乾燥し、次いで120℃にて15分熱処理し
た。続いて温水にて洗つたのち乾燥して本発明の布帛を
得た。本発明の布帛の性能を表1に示す。
実施例4 精練漂白した絹羽二重を図24に示した条件で熟成した
リン酸アミド系化合物の水溶液(純分約14.8%、塩
化アンモニウム25.2%)225g/の水溶液中に
浸し、マングルで約95%絞液したのち100℃にて4
分乾燥し、次いで120℃にて15分熱処理した。続い
て温水にて洗つたのち乾燥して本発明の布帛を得た。本
発明の布帛の性能を表1に示す。
実施例5 羊毛45%、綿65%からなる40綿番号の糸で編まれ
たフライス編生地を実施例4と同様の方法で処理した本
発明の加工布は良好な洗たく収縮率を示した。その性能
を表1に示す。
[発明の効果] 本発明は以上の構成を採ることにより、アミドホスフア
ゼン系化合物で処理しないタンパク繊維系布帛が7%も
の洗たく収縮率を示すのに対し、本発明により得られる
タンパク繊維系布帛の洗たく収縮率は4%以下であり、
遊離ホルムアルデヒド量、白色度、剛軟度においても遜
色ない値を示すのである。
そして、かかる処理により本来の光沢性、柔軟性、防湿
性及び染色性などを損うこともないのであるから、本発
明の加工方法は画期的なものということができ、極めて
有用といえよう。
【図面の簡単な説明】
第1図は粗製アミドホスフアゼン系化合物の未熟成の3
1PのNMR曲線を示す図、第2図は第1図と同じアミ
ドホスフアゼン系化合物を14%のアンモニア水に溶解
し400g/の粗製アミドホスフアゼン系化合物の濃
度としたアミドホスフアゼン系化合物の水溶液を50℃
にて1時間熟成した後の31PのNMR曲線を示す図、
第3図は第2図に使用したのと同じアミドホスフアゼン
系化合物の水溶液を6時間熟成した後の31PのNMR
曲線を示す図、第4図は50℃にて12時間熟成した後
の31PのNMR曲線を示す図及び第5図は50℃にて
24時間熟成したものの図である。次に、第6図は第1
図に用いたアミドホスフアゼン系化合物とは別のLot N
o.の粗製アミドホスフアゼン系化合物の未熟成の31P
のNMR曲線を示す図であり、第7図〜第13図は第6
図に使用したのと同じアミドホスフアゼン系化合物をそ
れぞれの水溶液に溶解し400g/の粗製アミドホス
フアゼン系化合物の濃度としたものをそれぞれの条件に
て熟成を行つた後の31PのNMR曲線を示す図であつ
て、第7図はアミドホスフアゼン系化合物を10%のア
ンモニア水に溶解し50℃にて24時間熟成したものの
図、第8図はアミドホスフアゼン系化合物を5%のアン
モニア水に溶解し50℃にて85時間熟成したものの
図、第9図はアミドホスフアゼン系化合物を1%のアン
モニア水に溶解し50℃にて23時間熟成したものの
図、第10図はアミドホスフアゼン系化合物を1%のア
ンモニア水に溶解し50℃にて69時間熟成したものの
図、第11図はアミドホスフアゼン系化合物を0.1%
のアンモニア水溶液にて溶解し50℃にて85時間熟成
したものの図、第12図はアミドホスフアゼン系化合物
を1%リン酸水溶液にて溶解し50℃にて60時間熟成
したものの図及び第13図はアミドホスフアゼン系化合
物を水にて溶解し50℃にて36時間熟成したものの図
である。また、第14図は第1図及び第6図に用いたア
ミドホスフアゼン化合物とは別のLot No.の粗製アミド
ホスフアゼン系化合物の未熟成の31PのNMR曲線を
示す図であり、第15図〜第17図は、第14図に使用
したのと同じアミドホスフアゼン系化合物をそれぞれの
水溶液に溶解し400g/のアミドホスフアゼン系化
合物の濃度としたものについてのNMR曲線を示す図で
あつて、第15図はアミドホスフアゼン系化合物を1%
リン酸水素二アンモニウム水溶液に溶解し40℃にて1
6時間熟成したものの図、第16図はアミドホスフアゼ
ン系化合物を1%水酸化ナトリウム水溶液に溶解し40
℃にて16時間熟成しさらに20℃にて3日間熟成した
ものの図及び第17図はアミドホスフアゼン系化合物を
1%シユウ酸水溶液に溶解し45℃にて20時間熟成し
たものの図である。さらに、第18図〜第20図は、リ
ン酸アミド系化合物の典型的な変化の例を示す図であつ
て、第18図は、粗製リン酸アミド系化合物の未熟成の
31PのNMR曲線を示す図、第19図は第18図に用
いたと同じ粗製リン酸アミド化合物を10%アンモニア
水溶液に溶解し400g/の粗製リン酸アミド系化合
物の濃度としたリン酸アミド系化合物の水溶液を50℃
にて50時間熟成した後の31PのNMR曲線を示す図
及び第20図は第18図に用いたのと同じ粗製リン酸ア
ミド化合物を5%アンモニア水溶液に溶解し400g/
の粗製リン酸アミド系化合物の濃度としたリン酸アミ
ド系化合物の水溶液を50℃にて60時間熟成した後の
31PのNMR曲線を示す図である。 そのうえさらに、第21図は第18図に用いたのとは別
の粗製リン酸アミド系化合物の未熟成の31PのNMR
曲線を示す図、第22図は第21図に用いたのと同じ粗
製リン酸アミド系化合物を1%アンモニア水溶液に溶解
し400g/の粗製リン酸アミド系化合物の濃度とし
たリン酸アミド系化合物の水溶液を50℃にて1時間熟
成しさらに20℃にて10日間熟成した後の31PのN
MR曲線を示す図、第23図はアミド基の1部をジエチ
ルアミノ基で置換した粗製リン酸アミド系化合物の未熟
成の31PのNMR曲線を示す図及び第24図は第23
図と同じ粗製リン酸アミド系化合物を10%アンモニア
水溶液に溶解し20g/の粗製リン酸アミド系化合物
の濃度とした水溶液を50℃にて24時間熟成した後の
31PのNMR曲線を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴ
    マーを含むアミド系化合物を主成分とする水溶液及び/
    又は結合塩素をもつモノマー及び/又はオリゴマーを含
    むアミド系化合物を熟成して得られた化合物を主成分と
    する水溶液をタンパク繊維系布帛に付着させ、次いで50
    ℃から121℃の温度で10分から30分間熱処理することを
    特徴とするタンパク繊維系布帛の防縮加工方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の加工方法により加工され
    たタンパク繊維系防縮性布帛。
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