JPH0643633Y2 - 自動風呂装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、浴槽の水位の管理制御及び温度の管理制御
を自動的に実行し風呂湯を沸上げる自動風呂装置に係
り、特に床暖房機能を有する自動風呂装置に関する。

（従来の技術） 特開昭58-75660号などによれば、浴槽の湯量及び湯温を
それぞれ水位検出器及び湯温検出器により検出し、目標
湯量及び目標湯温での沸上げを達成するようにした自動
風呂装置が知られている。この種の装置の自動運転モー
ドによれば、給水、給水停止、バーナ点火、バーナ停止
の各シーケンスを自動的に管理し、風呂の沸上げを行う
が、あくまでも浴槽の水を沸上げるものである。このよ
うな浴槽に床暖房用配管を設けたシステムも、実開昭57
-25054号などで知られている。すなわち、浴槽への水張
り後にバーナの点火により湯を沸かし始め、このとき同
時に床暖房用配管にも湯を循環させるようにしている。

これに対して、給湯機及び湯水混合栓により所定温度の
湯を浴槽に供給するシステムもある。すなわち、浴槽の
湯量及び湯温をそれぞれ水位検出器及び湯温検出器によ
り検出し、制御ユニットを介して主ユニット及び追焚ユ
ニットを有する給湯機及び湯水混合栓を作動させ、予め
定めた設定湯量及び設定湯温での沸上げを達成するよう
にするものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、実開昭57-25054号のような従来システムでは、
熱交換器は風呂用が１つあるだけであり、風呂の湯温す
なわち浴槽の湯温が上昇しない限り床暖房が活きてこな
い。従って、床暖房が利き始めるまでに時間がかかって
いた。また、主ユニットに加えて追焚ユニットを有する
ような装置においては、床暖房ユニットを組合せたもの
がないが、システムの有効活用を工夫しない限り迅速な
床暖房は期待できない。

従って、この考案は、いかなる場合にも迅速な床暖房が
可能であるような自動風呂装置を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段及び作用） この目的を達成するため、この考案によれば、給湯配管
（８）を介して浴槽（１）に所定温度の湯を供給する主
ユニット（３）と、前記給湯配管（８）とは独立して浴
槽（１）との間で循環路を構成する第１、第２の追焚用
配管（9a,9b）と、この第１、第２の追焚用配管（9a,9
b）を介して浴槽水を循環加熱する追焚ユニット（４）
を備え、浴槽水位が設定水位に達するまでの間、前記主
ユニット（３）から所定温度の湯を浴槽（１）に給湯す
るとともに、前記給湯中に浴槽水位が追焚可能水位に達
した場合、追焚ユニット（４）により浴槽水を循環加熱
する自動風呂装置において、浴槽水を用いて床暖房を行
う床暖房ユニット（20）を設け、この床暖房ユニット
（20）を両端が前記第１、第２の追焚用配管（9a,9b）
の何れか一方に接続された床暖房用配管（20a）で構成
するとともに、前記床暖房用配管（20a）に備えられ、
前記床暖房ユニット（20）へ浴槽水を供給可能とする開
閉弁（19）と、前記給湯中に浴槽水位が追焚可能水位に
達した場合、前記開閉弁（19）を駆動して前記床暖房ユ
ニット（20）へ浴槽水を供給する制御ユニット（18）と
を設け、給湯と床暖房を同時に行なわせしめる。

このような構成によれば、追焚き可能な状態にあれば直
ちに床暖房用配管へ湯を循環させることができる。

（考案の実施例） 以下、添付図面に従ってこの考案の実施例を説明する。
なお、各図面において同一の符号は同様の対象を示すも
のとする。

第１図はこの考案の実施例に係る自動風呂装置の系統図
である。図面において、（１）は浴槽、（２）は給湯
機、（３）は給湯機（２）を構成する主ユニット、
（４）は主ユニット（３）と共に給湯機（２）を構成す
る追焚ユニット（４）である。主ユニット（３）は、熱
交換器（3a）とバーナ（3b）とを備えており、同様に追
焚ユニット（４）は、熱交換器（4a）とバーナ（4b）と
を備えている。各ユニット（３），（４）のバーナ（3
b），（4b）には、ガス配管（５）を介してガスが供給
されて点火される。バーナ（3b），（4b）への点火指令
は、後述する制御ユニット（18）によって送出される。
主ユニット（３）の熱交換器（3a）には配水管（６）の
給水側（6a）から水が供給されて加熱され、給湯側（6
b）から湯が出ていく。このような給水側配管（6a）及
び給湯側配管（6b）はいずれも湯水混合栓（７）に接続
してあり、この湯水混合栓（７）及び給湯配管（８）を
介して浴槽（１）への給湯が行われる。湯水混合栓
（７）は、所望温度の設定によりこの設定温度を例えば
サーミスタなどの温度検出器（7a）により検出し、湯及
び水を所定の割合いで混合して所望の温度が得られるよ
うに、モータ（7b）により湯側弁及び水側弁を連動させ
て開閉するものである。このような湯水混合栓（７）の
温度検出器（7a）及びモータ（7b）の駆動は後述する制
御ユニット（18）の指令により実行する。追焚ユニット
（４）の熱交換器（4a）には、配管（９）により浴槽
（１）の湯が循環される。この浴槽（１）の湯の循環は
配管（９）の途中に設けた循環ポンプ（10）により行
う。すなわち、配管（９）は、浴槽（１）からポンプ
（10）を介して追焚ユニット（４）の熱交換器（4a）に
至る第１の追焚用配管（9a）から構成される往路と、こ
の熱交換器（4a）から浴槽（１）に戻る第２の追焚用配
管（9b）から構成される復路とからなる追焚用循環路を
構成している。上記往路を構成する第１の追焚用配管
（9a）は途中で分岐しており、開閉弁である三方弁（1
9）を介して床暖房用配管（20a）から構成される床暖房
ユニット（20）への給湯が可能となっている。三方弁
（19）は、第２図に示すように、オフ状態（ａ）では第
１の追焚用配管（9a）により浴槽（１）の湯を追焚ユニ
ット（４）に循環させ、またオン状態（ｂ）では床暖房
ユニット（20）を構成する床暖房用配管（20a）へ浴槽
（１）の湯をバイパスさせて追焚ユニット（４）への循
環を行なうようにするものである。すなわち、床暖房時
には床暖房ユニット（20）を構成する床暖房用配管（20
a）自体が追焚用循環路を構成することになる。

制御ユニット（18）は、湯水混合栓（７）を通過する湯
の温度信号（30）、水位検出器（15）による浴槽（１）
の水位信号（31）、並びに湯温検出器（16）による浴槽
（１）内の湯温信号（32）、及び操作パネル（17）の操
作信号（33）を入力データとして作動し、各バーナ（3
b），（4b）の点火指令信号（40），（41）、湯水混合
栓（７）のモータ（7b）の駆動指令信号（42）、循環ポ
ンプ（10）の駆動信号（43）、三方弁（19）の駆動信号
（44）などを所定のタイミングで送出するものである。
なお、操作パネル（17）は浴室外又は浴室内の一方又は
双方に設置するものであり、例えば電源スイッチ、自動
運転ボタン、湯温設定ボタン、床暖房作動ボタンなど
（いずれも図示せず）があり、所定の動作を促す。

第３図（ａ），（ｂ）は制御ユニット（18）の内容を示
すものであり、これを参照しつつこの考案の実施例を説
明する。なお、以下の説明において符号（50）〜（85）
は第３図の各ブロックの番号に対応している。また、例
えば（53y），（53n）などの符号は、判断ブロック（5
3）における判断がそれぞれ肯定的及び否定的であるこ
とを示している。

先ず、操作パネル（17）の電源スイッチをオン状態と
し、所望の湯温を設定した後、自動運転ボタンを押すと
システムがスタートする（50）。このため、制御ユニッ
ト（18）は自己のレジスタやメモリを初期状態に設定し
（51）、また各種検出器などからデータを取込む（5
2）。この後、水位検出器（15）の出力検出信号（31）
に基づき、残り湯の有無を判断し、浴槽（１）の所定水
位までの全量の供給が必要かどうかを判断する（53）。
全量の供給が要求される場合（53y）は、残り湯が無い
状態で給湯を開始するルーチンを制御ユニット（18）は
選択し、給湯機（２）の主ユニット（３）の点火を指令
信号（40）を発生し、また湯水混合栓（７）に調節信号
（42）を供給し設定湯温よりやや低い低温での給湯を開
始する（54）。また、浴槽（１）の水位が追焚き可能な
水位に到達するまで低温給湯（54）を継続する（55
n）。浴槽水位が追焚き可能な水位に到達した場合には
（55y）、制御ユニット（18）は点火指令信号（41）を
発生して追焚ユニット（４）を点火させ、追焚きを開始
する（56）。この後、第３図（ｂ）で示す暖房処理のサ
ブルーチン（80）へ移行する。このサブルーチン（80）
は、ステップ（52）で入力される操作パネル（17）の床
暖房スイッチがオン状態にあるかどうかを判断し（8
2）、オン状態にあれば三方弁（19）をオン状態（第２
図（ｂ））として（83）、追焚き湯を床暖房用バイパス
路である床暖房用配管（20a）へ流して床暖房を開始す
る。また、床暖房スイチがオフ状態であれば、三方弁
（19）をオフ状態（第２図（ａ））として（84）、追焚
き湯を床暖房用バイパス路である床暖房用配管（20a）
へ流さないようにし床暖房を停止する。このようにして
床暖房サブルーチンを終了し（85）、メインルーチンへ
戻る。

追焚指令信号（41）を発生した後、制御ユニット（18）
は水位検出器（15）の検出信号（31）により、浴槽
（１）の水位が設定水位に達しているかどうかを判断す
る（57）。設定水位に達していれば（57y）給湯を停止
し（65）、設定水位に達していない場合（57n）は、設
定水位に達するまで設定湯温よりやや低い低温給湯（5
4）を持続し今までのステップを繰返す。

残り湯がある場合は、全量の給湯を要求するかどうかの
判断が否定的（53n）となるため、制御ユニット（18）
はステップ（60）で開始する別のルーチンを選択する。
すなわち、先ず残り湯の温度が予め定めた設定温度より
も低いかどうかを判断し（60）、その温度が設定温度以
下の場合には（60y）給湯機（２）の主ユニット（３）
の点火を指令信号（40）を発生し、また湯水混合栓
（７）に調節信号（42）を供給し高温での給湯を開始す
る（61）。また、浴槽（１）の水位が追焚き可能な水位
にあるかどうかを判断し（62）、浴槽水位が追焚き可能
な水位に到達するまで高温給湯（61）を継続する（62
n）。浴槽水位が追焚き可能な水位に到達した場合には
（62y）、制御ユニット（18）は点火指令信号（41）を
発生して追焚ユニット（４）を点火させ、追焚きを開始
する（63）。この後、前述と同様の床暖房処理のための
サブルーチン（80）に移行する。追焚指令信号（41）を
発生した後、制御ユニット（18）は水位検出器（15）の
検出信号（31）により、浴槽（１）の水位が設定水位に
達しているかどうかを判断する（64）。設定水位に達し
ていれば（64y）給湯を停止し（65）、設定水位に達し
ていない場合は（64n）設定水位に達するまで高温給湯
（61）を持続し今までのステップを繰返す。

湯量があり且つその温度が所定温度以上である場合には
（60n）、給湯機（２）への点火を指令することなく、
湯水混合栓（７）に調節信号（42）を供給し湯水混合栓
（７）を全閉して給水を開始する（70）。給水（70）は
設定水位まで持続し（71）、設定水位に達した場合には
給水を停止する（72）。この後、湯温検出器（16）の検
出信号（32）に基づき浴槽（１）の湯温が設定沸上げ温
度にあるかどうかを判断し（73）、設定沸上げ温度にな
い場合（73n）は追焚きを開始する（74）。

この後、今までの各ルーチンに共通して、浴槽温度が沸
上がり温度に到達したかを判断して（75）追焚きを停止
し（76）、又は沸上がり温度が以後低下した場合（77
y）には追焚処理（78）をするようにして、沸上がりを
維持する。

第４図乃至第６図はこのような実施例の動作を模式的に
示すものである。第４図は、第３図のステップ（53）〜
（57）に対応し、残り湯が無い場合には設定湯温よりや
や低い低温での給湯を開始し（ａ）、湯量が追焚可能水
位を越えた後に追焚きを給湯と同時進行させるようにし
て（ｂ）、所望温度での沸上げを達成するようにする。
具体的には、浴槽（１）がほぼ空の状態から42℃、180
リットルの湯を張るには、この実施例によればほぼ12分
かかった。この際、床暖房スイッチがオン状態にあれ
ば、湯量の少ない追焚き状態のときから暖房用バイパス
路に追焚き湯を流すため、容易に高温の追焚き湯を循環
させることができ、迅速な床暖房が可能となる。第５図
は、第３図のステップ（60）〜（64）に対応し、ぬるい
湯が相当量有る場合には（ａ）、直ちに高温給湯と追焚
きとを同時進行（ｂ）させるようにする。具体的には、
130リットル、20℃の残り湯を180リットル、42℃にする
ために、この実施例によればほぼ16分かかった。この場
合にも、前述と同様にして迅速な床暖房が可能である。
第６図は第３図のステップ（70）〜（72）に対応し、熱
い湯が相当量有る場合には（ａ）、給水により湯温を低
下させて所望温度とする（ｂ）。このような事態は、前
に入浴した人の設定温度が高いと感じ、設定温度を低温
側に変更した場合に生ずる。尚、本実施例では熱源を給
湯器として説明してきたが、これに限らずヒートポンプ
等の他熱源によっても本考案の目的が達せられることは
言うまでも無い。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように本考案によれば、給湯中
に浴槽水位が追焚可能水位に達した場合に、床暖房ユニ
ットを作動可能とし、浴槽水位が設定水位に達するまで
の間、床暖房ユニットに高温の追焚湯を流すことができ
るため、浴槽水位が設定水位に達したときには、床を暖
まった状態にしておくことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係る自動風呂装置の系統
図、第２図はこの考案の実施例に係る自動風呂装置の要
部説明図、第３図はこの考案の実施例に係る自動風呂装
置の要部構成並びに動作を説明するためのフローチャー
ト、第４図乃至第６図はこの考案の実施例に係る自動風
呂装置の動作説明図である。 図面において、（１）は浴槽、（２）は給湯機、（３）
は主ユニット、（４）は追焚ユニット、（７）は湯水混
合栓、（15）は水位検出器、（16）は湯温検出器、（1
7）は操作パネル、（18）は制御ユニット、（19）は三
方弁、（20）は床暖房ユニットである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 牧田 厚雄 滋賀県甲賀郡甲西町大字朝国１番地 東陶 機器株式会社滋賀工場内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯配管を介して浴槽に所定温度の湯を供
   給する主ユニットと、前記給湯配管とは独立して浴槽と
   の間で循環路を構成する第１、第２の追焚用配管と、こ
   の第１、第２の追焚用配管を介して浴槽水を循環加熱す
   る追焚ユニットを備え、浴槽水位が設定水位に達するま
   での間、前記主ユニットから所定温度の湯を浴槽に給湯
   するとともに、給湯中に浴槽水位が追焚可能水位に達し
   た場合、追焚ユニットにより浴槽水を循環加熱する自動
   風呂装置において、浴槽水を用いて床暖房を行う床暖房
   ユニットを設け、この床暖房ユニットを両端が前記第
   １、第２の追焚用配管の何れか一方に接続された床暖房
   用配管で構成するとともに、前記床暖房用配管に備えら
   れ、前記床暖房ユニットへ浴槽水を供給可能とする開閉
   弁と、前記給湯中に浴槽水位が追焚可能水位に達した場
   合、前記開閉弁を駆動して前記床暖房ユニットへ浴槽水
   を供給する制御ユニットとを設け、給湯と床暖房を同時
   に行なわせしめることを特徴とする自動風呂装置。