JPH0643464A - 液晶配向膜、これを有する液晶挟持基板及び液晶表示素子並びに液晶配向膜用材料 - Google Patents

液晶配向膜、これを有する液晶挟持基板及び液晶表示素子並びに液晶配向膜用材料

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JPH0643464A
JPH0643464A JP21747792A JP21747792A JPH0643464A JP H0643464 A JPH0643464 A JP H0643464A JP 21747792 A JP21747792 A JP 21747792A JP 21747792 A JP21747792 A JP 21747792A JP H0643464 A JPH0643464 A JP H0643464A
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JP
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liquid crystal
formula
alignment film
polybenzoxazole
bis
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Application number
JP21747792A
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English (en)
Inventor
Masami Yusa
正己 湯佐
Toshihiko Kato
利彦 加藤
Hideyuki Hashimoto
秀行 橋本
Yasuo Miyadera
康夫 宮寺
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安定して高いプレチルト角をもつ液晶配向膜が
得られ、従って優れた液晶挟持基板、液晶表示素子を与
える。 【構成】 式(I): 【化1】 (ただし、Xは芳香環を含む四価の有機基を示し、2組
のNとOは、それぞれ五員環を形成するようにX内の芳
香環に互いにオルト位に結合しており、nは2〜20の
整数を表わす)で表わされる構成単位を含むポリベンゾ
オキサゾールを用いること、特定のジカルボン酸又は
そのアミド形成性誘導体と特定のビス(アミノフェノー
ル)との反応物構成単位ポリベンゾオキサゾールを用い
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜、これを有
する液晶挟持基板及び液晶表示素子並びに液晶配向膜用
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大型ディスプレイ用液晶表示素子
には、視覚特性をよくするためにSTN(スーパーツイ
ステッドネマチック)方式が用いられている。これは、
セル内で液晶分子の長軸方向が240〜270°ねじれ
た方式(240〜270°ツイスト)である。
【0003】STN方式液晶表示素子の製造には、高い
プレチルト角を安定して得られる配向膜材料が不可欠で
ある。また、表示素子のカラー化にともない、カラーフ
ィルタの耐熱性上の制限から、低い硬化温度で膜形成で
きる配向膜材料が望まれている。
【0004】そこで、このような高いプレチルト角の配
向膜を得るために、(1)フルオロアルキル基が鎖状炭
素に結合しているポリイミドを用いる方法(特開昭62
−174725号公報、米国特許4,735,492号
明細書)、(2)ポリイミドに長鎖フルオロアルキル基
を有するアミン化合物を添加する方法(特開平1−18
0518号公報)、(3)長鎖フルオロアルキル基を有
する金属錯体を添加する方法(第13回液晶討論会予稿
集1987年10月)などが検討されている。
【0005】しかし、これらの方法では、何れも安定し
たプレチルト角が得られない欠点があった。また、特開
昭62−207332号公報には、下記式 (V) で示さ
れる含フッ素ポリベンゾオキサゾールが開示されるが、
これも液晶配向膜として安定したプレチルト角が得られ
ない。
【0006】
【化5】 (ただし、式中R6 は、二価の芳香族基を示す)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決して安定して高いプレチルト角を示す液晶
配向膜、これを有する液晶挟持基板及び液晶表示素子並
びに液晶配向膜用組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における液晶配向
膜は、式(I):
【化6】
【0009】(ただし、X,n及びN,Oの結合位置は
式(I)と同じ)で表わされる構成単位を含むポリベン
ゾオキサゾールを含むものである。
【0010】一般式(I)において、ベンゼン環は、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素
等で置換されていてもよい。
【0011】前記ポリベンゾオキサゾールは、さらに式
(I′)
【化7】 (Zは、−(CH2 n −以外の二価の有機基であり、
X′はXと同じ)で表わされる構成単位を含んでいても
よい。
【0012】前記ポリベンゾオキサゾールは、一般式
(I)で表わされる構成単位と一般式(I′)で表わさ
れる構成単位を後者/前者がモル比で0/100〜95
/5になるように含むのが好ましく、特に0/100〜
90/10になるように含むのが好ましい。
【0013】前記一般式(I)で表わされる構成単位が
少ないとプレチルト角が低下する傾向にある。前記液晶
配向膜をITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が形成
されたガラス基板等の適当な基板上に形成し、上記液晶
配向膜を有する液晶挟持基板とすることができる。
【0014】また、上記液晶挟持基板を用いて、公知の
方法により電極が設けられており、しかもこの電極の上
に前記液晶配向膜が液晶に面して設けられている液晶挟
持基板を有する液晶表示素子とすることができる。
【0015】前記液晶配向膜は、ポリベンゾオキサゾー
ルの前駆体であるポリヒドロキシアミドを含有してなる
液晶配向膜用材料を用いて作製することができる。ポリ
ヒドロキシアミドは式(II):
【化8】 (ただし、X,nは式 (I) と同じ)で表わされる構成
単位を含むものである。
【0016】上記ポリヒドロキシアミドは、上記一般式
(II)で表わされる構成単位とともに一般式(II′):
【化9】 (ただし、Zは−(CH2 n −以外の二価の有機基で
あり、X′はXと同じ)で表わされる構成単位を含んで
いてもよい。
【0017】この場合、一般式(II)で表わされる構成
単位を5〜100モル%及び一般式(II′)で表わされ
る構成単位を95〜0モル%含むようにするのが好まし
い。前記液晶配向膜は、次に説明するポリベンゾオキサ
ゾール系樹脂を含有してなる材料を用いて作製すること
ができる。
【0018】上記ポリベンゾオキサゾール系樹脂は、式
(III):
【化10】 (ただし、n=2〜20の整数である)で表わされるジ
カルボン酸又はそのアミド形成性誘導体を含む成分及び
【0019】式(IV):
【化11】
【0020】(ただし、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれ
ぞれ独立に水素又はトリアルキルシリル基を示し、Xは
芳香環を含む四価の基を示し、−N,−OはそれぞれX
内の芳香環にオルト位に結合している)で表わされるビ
ス(アミノフェノール)化合物を含むアミノフェノール
成分を反応させることにより得ることができる。
【0021】この方法は、一般式(III)で表わされるジ
カルボン酸又はそのアミド形成性誘導体を酸成分とし、
一般式(IV)で表わされるビス(アミノフェノール)化
合物をその反応の相手(アミノフェノール成分)とし、
これらを縮合又は縮合・閉環反応させるものである。
【0022】酸成分としては、上記ジカルボン酸又はそ
のアミド形成性誘導体以外に、上記アミノフェノール成
分と反応性のジカルボン酸又はそのアミド形成性誘導体
を併用してもよい。
【0023】一般式(III)で表わされるジカルボン酸の
例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウン
デカンジオン酸、ドデカン二酸、1,12−ドデカンジ
カルボン酸、ヘキサデカンジオン酸等があり、これらを
二種以上併用してもよい。
【0024】前記一般式(III)のジカルボン酸のア
ミド形成性誘導体とは、一般式(IV)で表わされるビス
(アミノフェノール)と反応してアミド結合を形成し得
る誘導体であり、上記ジカルボン酸のジクロライド、ジ
ブロマイド等の酸ハロゲン化物、ジメチルエステル、ジ
エチルエステル等のジアルキルエステル等がある。
【0025】上記ジクロライドは、例えば一般式(III)
で表わされるジカルボン酸に塩化チオニル、五塩化リン
を反応させることにより得ることができる。上記ジメチ
ルエステル、ジエチルエステル等のジアルキルエステル
は、酸の存在下、それぞれメタノール、エタノール等の
アルコールをジカルボン酸に反応させることにより得ら
れる。
【0026】前記した一般式(III)で表わされるジカル
ボン酸又はそのアミド形成性誘導体と併用してもよいジ
カルボン酸又はそのアミド形成性誘導体としては
【0027】一般式(III′):
【化12】 (ただし、一般式(III′)中、Zは一般式(I′)に同
じである)で表わされるジカルボン酸又はそのアミド形
成性誘導体がある。
【0028】−(CH2 )n −以外の二価の有機基とし
ては、一般式(a):
【化13】 で表わされる基、又は
【0029】一般式(b):
【化14】 (ここで、Z′は、結合、−O−,−S−,−SO
2 −,−C(=O)−,−CH2 −,−C(CH3 2
−,−CF2 −,−C(CF3 2 −等を示す)で表わ
される基、又は
【0030】一般式(c):
【化15】 (ここで、Z′は前記と同様のものを示し、2個のZ′
は同一でも異なっていてもよい)で表わされる基又は
【0031】一般式(d):
【化16】 (ここで、Z′は前記と同様のものを示し、3個のZ′
は同一でも異なっていてもよい)で表わされる基などが
ある。
【0032】これらの基は、適宜、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、塩素、臭素、フッ素等のハロゲンなど
で置換されていてもよい。これらの基は、一般式
(I′)及び一般式(II′)のZでもある。
【0033】一般式(III ′)で表わされるジカルボン
酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、3,3′−ジカルボキシルジフエニルエーテル、
3,4′−ジカルボキシルジフエニルエーテル、4,
4′−ジカルボキシルジフエニルエーテル、
【0034】3,3′−ジカルボキシルジフエニルメタ
ン、3,4′−ジカルボキシルジフエニルメタン、4,
4′−ジカルボキシルジフエニルメタン、3,3′−ジ
カルボキシルジフエニルジフルオロメタン、3,4′−
ジカルボキシルジフエニルジフルオロメタン、4,4′
−ジカルボキシルジフエニルジフルオロメタン、3,
3′−ジカルボキシルジフエニルスルホン、3,4′−
ジカルボキシルジフエニルスルホン、4,4′−ジカル
ボキシルジフエニルスルホン、
【0035】3,3′−ジカルボキシルジフエニルスル
フイド、3,4′−ジカルボキシルジフエニルスルフイ
ド、4,4′−ジカルボキシルジフエニルスルフイド、
3,3′−ジカルボキシルジフエニルケトン、3,4′
−ジカルボキシルジフエニルケトン、4,4′−ジカル
ボキシルジフエニルケトン、
【0036】2,2−ビス(3−カルボキシルフエニ
ル)プロパン、2,2−(3,4′−ジカルボキシルジ
フエニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシル
フエニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシル
フエニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,
4′−ジカルボキシルジフエニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス(4−カルボキシルジフエニル)ヘ
キサフルオロプロパン、
【0037】1,3−ビス(3−カルボキシルフエノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシルフエノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシルフエ
ノキシ)ベンゼン、3,3′−〔1,4−フエニレンビ
ス(1−メチルエチリデン)〕ビス安息香酸、3,4′
−〔1,4−フエニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)〕ビス安息香酸、4,4′−〔1,4−フエニレン
ビス(1−メチルエチリデン)〕ビス安息香酸、
【0038】2,2−ビス〔4−(3−カルボキシルフ
エノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−カルボキシルフエノキシ)フエニル〕プロパン、
2,2−ビス(4−(3−カルボキシルフエノキシ)フ
エニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−
(4−カルボキシルフエノキシ)フエニル〕ヘキサフル
オロプロパン、
【0039】ビス〔4−(3−カルボキシルフエノキ
シ)フエニル〕スルフイド、ビス〔4−(4−カルボキ
シルフエノキシ)フエニル〕スルフイド、ビス〔4−
(3−カルボキシルフエノキシ)フエニル〕スルホン、
ビス〔4−(4−カルボキシルフエノキシ)フエニル〕
スルホン等の芳香族ジカルボン酸がある。
【0040】前記一般式(III ′)で表わされるジカル
ボン酸のアミド形成性誘導体としては、該ジカルボン酸
のジクロライド、ジブロルイド等の酸ハロゲン化物、該
ジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル等
のジアルキルエステル等がある。
【0041】前記酸成分としては、一般式(III )で表
わされる芳香族ジカルボン酸又はそのアミド形成性誘導
体を酸成分中、5〜100モル%、特に10〜100モ
ル%使用するのが好ましい。
【0042】一般式(IV)で表わされるビス(アミノフ
ェノール)化合物のうち、R1 ,R2 ,R3 ,R4 がト
リアルキルシリル基で表わされるトリアルキルシリル化
ジアミンは、マクロモレキュールズ(Macromolecules)
第21巻2305頁(1988年)以下に示されるよう
な、3,3′−ビス(トリメチルシロキシ)−4,4′
−ビス(トリメチルシリルアミノ)ビフエニルの製造法
に準拠して調整することができる。
【0043】例えば、4,4′−ジアミノ−3,3′−
ジヒドロキシビフエニルのテトラヒドロフラン溶液中で
トリエチルアミンの存在下、トリアルキルシリルクロラ
イドを反応させて、3,3′−ビス(トリアルキルシロ
キシ)−4,4′−ビス(トリアルキルシリルアミノ)
ビフエニルを得ることができる。
【0044】一般式(IV)で表わされるビス(アミノフ
ェノール)化合物としては、より高分子量のベンゾオキ
サゾール系重合体を得るためには、少なくともR1 及び
2がトリアルキルシリル基であるものが好ましい。
【0045】トリアルキルシリル基としては、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル
基等がある。一般式(IV)中のXとしては、例えば一般
式(a′):
【化17】 で表わされる基、又は
【0046】一般式(b′):
【化18】
【0047】〔ただし、式中、Yは結合基、−O−,−
S−,−SO2 −,−C−,−CH2 −,−C(C
3 2 −,−CF2 −,−C(CF3 2 −又は−R
f′−(ORf′)m −(ここで、Rf′は二価のフル
オロカーボンを示し、mは1〜5の整数であり、複数個
のRf′は同一でも異なっていてもよい)である〕で表
わされる基、又は
【0048】一般式(c′):
【化19】 (ただし、式中、Yは一般式(b′)に同じであり、2
個のYは同一でも異なっていてもよい)で表わされる基
又は
【0049】一般式(d′):
【化20】 (ただし、式中、Yは一般式(b′)に同じであり、3
個のYは同一でも異なっていてもよい)で表わされる基
等がある。
【0050】これらの基中のベンゼン環が適宜、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲンなどで置換され
ていてもよい。これらの基は、一般式(I)、一般式
(I′)、一般式(II)及び一般式(II′)のX又は
X′でもある。
【0051】一般式(IV)で表わされるビス(アミノフ
ェノール)化合物としては、3,4−ジアミノ−1,5
−ベンゼンジオール、3,3′−ジヒドロキシ−4,4
−ジアミノビフエニル、3,3′−ジアミノ−4,4′
−ジヒドロキシビフエニル、
【0052】2,2′−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフエニル)ケトン、2,2−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフエニル)スルフイド、2,2−ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシフエニル)エーテル、2,2
−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフエニル)スルホ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−ア
ミノフエニル)プロパン、
【0053】2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミ
ノフエニル)メタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−
ヒドロキシフエニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフエニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシフエニル)ジフルオロメタン、
【0054】下記式(イ),(ロ),(ハ),(ニ)等
及びこれらのトリアルキルシリル化物がある。
【化21】
【0055】
【化22】
【化23】
【0056】
【化24】
【0057】前記酸成分とアミノフェノール成分を適当
な温度で反応させることにより含フッ素ポリベンゾオキ
サゾール及び含フッ素ポリヒドロキシアミド(ヒドロキ
シル基が前記したようにトリアルキルシリル化されてい
るものを含む。以下同じ)を製造することができる。
【0058】この反応に際し、適当な条件を選定するこ
とにより閉環の度合を適宜調整することができる。例え
ば、前記酸成分と前記アミノフェノール成分を溶融させ
て(好ましくは200℃以上の温度で)、無溶媒で反応
させる方法、前記酸成分と前記アミノフェノール成分を
有機溶媒中又はポリリン酸中、150℃以上で反応させ
る方法により、ほとんど又は完全に閉環したポリベンゾ
オキサゾールを製造することができる。
【0059】また、前記酸成分(時にジハライド)と前
記アミノフェノール成分を有機溶媒中、80℃以下、特
に50℃以下で反応させることにより、ポリベンゾオキ
サゾールの前駆体であってほとんど又は全く閉環してい
ないポリヒドロキシアミドを製造することができる。
【0060】また、ポリベンゾオキサゾール前駆体〔上
記ポリヒドロキシアミド又は閉環が部分的に進行したポ
リヒドロキシアミド〕は、さらに100℃以上、特に1
50℃以上で必要に応じ無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド等のカルボジイミド等の閉環剤、さらに必要に応
じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミ
ノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を添加して、化
学閉環させ(閉環剤及び閉環触媒は、それぞれ酸成分1
モルに対して1〜8モルの範囲内で使用するのが好まし
い)、閉環がほとんど又は完全に完結したポリベンゾオ
キサゾールを製造することができる。これらの反応は、
有機溶剤の存在下で行うことが好ましい。
【0061】上記において使用できる有機溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノー
ル、m−クレゾール、クロルベンゼンなどの有機極性溶
媒があり、互いに相溶すれば2種類以上を混合して用い
ても良い。
【0062】また、これらの有機極性溶媒とともに、ト
ルエン、キシレン、セロソルブアセテート、メチルセロ
ソルブなどの汎用溶媒をポリベンゾオキサゾール又はそ
の前駆体の溶解性を低下させない範囲で併用することが
できる。
【0063】上記した反応のいずれにおいても、酸成分
としてジハライドを使用する場合、反応を適宜ハロゲン
化水素トラップ剤の存在下に行なうことができる。ハロ
ゲン化水素トラップ剤としては、ピリジン、トリエチル
アミン、ジメチルアニリン等の三級アミンがある。
【0064】前記酸成分とビス(アミノフェノール)成
分の反応は等モル又はほぼ等モルで行なうのが好まし
く、各成分の添加順序は任意である。以上の反応におい
て、式(IV)で表わされるビス(アミノフェノール)化
合物の基−NH−R1 又は基−NH−R2 は、基−O−
3 又は基−O−R4 に優先して反応する。
【0065】また、一般式(IV)で表わされるビス(ア
ミノフェノール)化合物として、式中のR3 又はR4
トリアルキルシリル基であるものを用い、ポリベンゾオ
キサゾールの前駆体を前記した方法で生成させた場合、
得られる重合体は式(IV) 中、OH基の少なくとも一方
がトリアルキルシロキシ基である構成単位を含むが、こ
の重合体は、反応液をそのまま又は単離してメタノール
又は水に添加することにより、トリアルキルシロキシ基
をOH基に転換することができる。
【0066】前記のポリベンゾオキサゾール及びポリヒ
ドロキシアミド等のベンゾオキサゾール系樹脂は、それ
ぞれ、ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解するも
のは、該溶媒に0.1g/dlの濃度で溶解し、30℃
で測定した還元粘度が0.01dl/g以上、特に0.
3dl/g以上のものが好ましい。前記ポリヒドロキシ
アミドは、DMAcに溶解する。
【0067】前記液晶配向膜用材料は、前記ポリベンゾ
オキサゾール系樹脂を含有するものであるが、このポリ
ベンゾオキサゾール系樹脂を有機溶媒に溶解したもの
(ワニス)であるのが好ましい。
【0068】有機溶媒としては、ポリベンゾオキサゾー
ル系樹脂の製造時に使用できるものとして先に例示した
ものが使用できる。使用する有機溶媒の選択は、ポリベ
ンゾオキサゾール系樹脂の溶解性を考慮して決定される
が、ポリベンゾオキサゾール系樹脂のうち、ポリヒドロ
キシアミド酸等のポリベンゾオキサゾールの前駆体は有
機溶媒への溶解性は良好である。
【0069】前記液晶配向膜用材料は、例えば、あらか
じめITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が形成さ
れたガラス基板等の適当な基板上に塗布され、乾燥して
ポリベンゾオキサゾール層とされる。
【0070】塗布方法としては、浸漬法、印刷法、吹付
け法等の方法が用いられる。乾燥温度は60〜350
℃、好ましくは100〜300℃の範囲で選択される。
ポリベンゾオキサゾール系樹脂としてポリヒドロキシア
ミド酸等のポリベンゾオキサゾールの前駆体を使用する
場合は、閉環が起こる温度以上とされ、このためには2
00℃以上が好ましい。
【0071】また、加熱時間は1分〜6時間、好ましく
は1分〜3時間とされる。基板とポリベンゾオキサゾー
ル層との密着性をよくするために、この間にシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤
を用いてもよい。
【0072】このようにして形成されたポリベンゾオキ
サゾール層は、表面をラビングすることによって液晶配
向膜として用いる。また、該液晶配向膜を有する液晶挟
持基板を用いて公知の方法により液晶表示素子を得るこ
とができる。前記液晶配向膜は、240〜270°のツ
イスト角を有するSTN方式の液晶表示素子に特に適し
ている。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 (合成例1)かくはん装置、窒素導入管、乾燥管を備え
た反応容器に、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
アミノビフエニル2.16g(0.01mol )、ピリジ
ン1.74g(0.022mol )、ジメチルアセトアミ
ド12.3gを入れ、氷水浴で冷却した。均一溶液にな
ったら、セバシン酸ジクロライド2.39g(0.01
mol )を少量ずつ加える。かくはんを5時間行った後、
メタノール中に注ぎ、沈でんしたポリマーを口別。乾燥
してポリヒドロキシアミドAを得た。
【0074】(合成例2〜5)下記表1に示す酸成分、
ビス(アミノフェノール)成分等を用い、合成例1と同
様にポリマーを合成した。
【0075】
【表1】
【0076】(実施例1及び比較例1)合成例1〜4で
得られたポリマーをジメチルアセトアミドで約5%にな
るように希釈し、液晶配向膜用組成物を調製した。この
溶液を2枚のITO透明電極付きガラス基板上にスピン
ナー塗布し、250℃で1時間加熱乾燥し、厚さ500
Åのポリベンゾオキサゾール層を形成した。
【0077】次に、該ポリベンゾオキサゾール層の表面
をラビング処理して液晶挟持基板を得、この2枚をラビ
ング方向がアンチパラレルになるようにポリベンゾオキ
サゾール層を対向させて組合せた後、周りをエポキシ系
シール剤EN−1000(日立化成工業(株)商品名)
で封止し、120℃で2時間の加熱硬化を行って試験用
液晶表示セルを組み立てた。
【0078】該試験用液晶表示セルに室温で液晶ZLI
−1132(メルク社製商品名)を封入し、液晶セルを
形成した。液晶のTNI(71℃)以上の温度である12
0℃で1時間加熱した後、該セルのプレチルト角をレー
ザー光により測定した。
【0079】表2に、使用したポリヒドロキシアミド及
びポリベンゾオキサゾール(これを作製した合成例)と
共に測定した結果を示す。
【0080】
【表2】
【0081】次に、前記合成例1〜4で得られたポリヒ
ドロキシアミドの溶液(液晶配向膜用組成物)を用い
て、前記と同様の方法で640×200ドットになるよ
うにITO透明電極が形成された基板上にポリイミド層
を形成した。
【0082】この層の表面をラビング処理し、上記と同
様にして240°ツイストになるようにセルを組み立て
て、室温で上記液晶にカイラル剤S−811(メルク社
製商品名)を添加して調整した液晶を封入し、120℃
で1時間加熱して液晶表示素子を形成した。
【0083】得られた液晶表示素子はいずれも、640
×200ドットで駆動でき、ドメイン等の配向不良が発
生せず高表示品質であった。
【0084】
【発明の効果】本発明による液晶配向膜を使用すると、
安定して高いプレチルト角をもつ液晶挟持基板、液晶表
示素子が得られる。また、本発明による液晶配向膜用材
料から容易に液晶配向膜を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (ただし、Xは芳香環を含む四価の有機基を示し、2組
    のNとOは、それぞれ五員環を形成するようにX内の芳
    香環に互いにオルト位に結合しており、nは2〜20の
    整数を表わす)で表わされる構成単位を含むポリベンゾ
    オキサゾールを含むことを特徴とする、液晶配向膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶配向膜を有すること
    を特徴とする、液晶挟持基板。
  3. 【請求項3】 電極が設けられており、しかもこの電極
    の上に請求項1記載の液晶配向膜が液晶に面して設けら
    れていることを特徴とする、液晶挟持基板を有する液晶
    表示素子。
  4. 【請求項4】 式(II): 【化2】 (ただし、X,nは式(I)と同じ)で表わされる構成
    単位を含む、ポリヒドロキシアミドを含有してなること
    を特徴とする、液晶配向膜用材料。
  5. 【請求項5】 式(III): 【化3】 (n=2〜20の整数である)で表わされるジカルボン
    酸又はそのアミド形成誘導体を含む酸成分及び式(IV): 【化4】 (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ独
    立に水素又はトリアルキルシリル基を示し、Xは、芳香
    環を含む四価の有機基を示し、−NH−R1 と−O−R
    3 及び−NH−R3 と−O−R4 はそれぞれX内の芳香
    環にオルト位に結合している)で表わされるビス(アミ
    ノフェノール)化合物を含むアミノフェノール成分を反
    応させることにより得られることを特徴とするポリベン
    ゾオキサゾール系樹脂を含有してなる液晶配向膜用材
    料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG85143A1 (en) * 1998-10-28 2001-12-19 Sumitomo Bakelite Co Polybenzoxazole resin and precursor thereof
JP2008100509A (ja) * 2006-09-22 2008-05-01 Toray Ind Inc 複合フィルム
KR101257929B1 (ko) * 2006-09-20 2013-04-24 엘지디스플레이 주식회사 액정표시패널 및 그 제조방법
JP2016133675A (ja) * 2015-01-20 2016-07-25 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、並びに位相差フィルム及びその製造方法
JP2016206274A (ja) * 2015-04-16 2016-12-08 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、位相差フィルム及びその製造方法、重合体並びに化合物

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