JP2589027B2 - 液晶表示素子用配向膜 - Google Patents

液晶表示素子用配向膜

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JP2589027B2 JP4093055A JP9305592A JP2589027B2 JP 2589027 B2 JP2589027 B2 JP 2589027B2 JP 4093055 A JP4093055 A JP 4093055A JP 9305592 A JP9305592 A JP 9305592A JP 2589027 B2 JP2589027 B2 JP 2589027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置の配向膜に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ディスプレイの配向膜として
無機の蒸着膜やポリビニルアルコールや、ポリイミド樹
脂の様な有機高分子膜を使用する方法が知られている
が、無機蒸着膜は生産性が悪いため現在では一般に有機
高分子膜が使用されている。それら有機高分子の中で
は、ポリイミド樹脂が液晶の配向性や耐熱性等に比較的
優れていることから液晶配向膜として現在広く用いられ
ている。しかし、より優れた特性の液晶表示装置を得る
ためには、従来のポリイミド系配向膜は、焼成条件やラ
ビング条件のわずかな変化により液晶のプレティルト角
が変化してしまう等液晶の配向安定性等に問題があり、
より優れた配向膜が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題点を解決し、安定した液晶配向性を示す液
晶表示素子用配向膜を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合体構成成
分中に式(1)で表される繰り返し単位を含有するポリ
アミド重合体からなることを特徴とする液晶表示素子用
配向膜である。
【0005】
【化1】 (但し、R1は脂肪族環を含んでなる2価の有機基ある
いは以下に示す2価の有機基である。)
【化2】
【0006】式(1)におけるR1は、二価の有機基であ
って、一般にはジアミノ化合物を原料とすることにより
導入される。ジアミノ化合物の例としては、m-フェニ
レンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノ
ジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-ジアミノト
ルエン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシベンゼン)、1,4-
ビス(3-アミノフェノキシベンゼン)、1,3-ビス(4-アミ
ノフェノキシベンゼン)、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどの芳香族系
化合物、または4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族化合物、さ
らに式(2)で示されるシリコーンジアミン化合物等が
挙げられ、これらは1種でまたは2種以上併用して使用
することができる。
【0007】
【化4】
【0008】これらジアミン化合物として導入されたR
1の構造でより好ましくは、環構造を含むもの、その中
でも、環構造の結合が主鎖に対して対称なもの、さらに
好ましくは、
【0009】
【化3】
【0010】の構造の場合特に優れた配向特性を示す。
【0011】本発明のポリアミド重合体中には、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸あるいは1,4-シクロヘキサン
ジカルボン酸クロライド等の酸誘導体を少なくとも一定
量以上使用することが必要であり、ジカルボン酸系化合
物とジアミン化合物を反応する際に、1,4-シクロヘキサ
ンジカルボン酸あるいは1,4-シクロヘキサンジカルボン
酸クロライド等の1,4-シクロヘキサンジカルボン酸系化
合物が全ジカルボン酸系化合物のうち5モル%以上、さ
らに好ましくは10モル%以上であることが好ましい。1,
4-シクロヘキサンジカルボン酸系化合物が全ジカルボン
酸系化合物のうち5モル%以下の場合、配向膜として用
いた場合、安定した配向性を示さず、表示性能が不十分
である。1,4-シクロヘキサンジカルボン酸系化合物以外
のジカルボン酸系化合物としては、テレフタル酸、テレ
フタル酸ジクロライド、イソフタル酸、イソフタル酸ジ
クロライド、4,4'-ジフェニルエーテルジカルボン酸、
4,4'-ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド、
4,4'-ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4'-ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸ジクロライド、4,4'-ビフェニ
ルジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸ジクロ
ライド等が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上
併用して使用することができる。
【0012】重合反応は、既に公知の方法を適用するこ
とが可能であり、諸条件についても特に制限されるもの
ではない。重合方法の例としては、溶液重合法、界面重
合法、溶融重合等が適用できる。溶液重合法では、N-メ
チル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等とピリ
ジンの混合溶媒系にて、亜リン酸トリフェニル、塩化リ
チウム等を共存させて反応される。また、酸成分がジカ
ルボン酸ジクロライド等の酸ハロゲン化物の場合はトリ
エチルアミンやピリジン存在下ジアミン化合物と反応さ
れる。
【0013】液晶配向膜を形成する際は、上記のような
反応で得られた式(1)で表される繰り返し単位を有す
るポリアミド重合体を溶剤に溶解し、この溶液を基板に
塗布した後、加熱により溶媒を除去する。溶媒としては
ポリアミド重合体が均一に溶解するものであれば何ら
限定されず、例えば、NMP,DMF,DMAc,γ-ブチロラクト
ン、ブチルセロソルブ等が挙げられ、これらは単独、あ
るいは2種以上の混合系で用いられる。また、基板への
塗布は、スピンコート、印刷等の方法により行なわれ、
焼成条件は使用する溶媒にも依存するが、一般に100℃
以上の温度で行なわれる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるもの
ではない。
【0015】(実施例1)温度計、攪拌機、原料仕込
口、還流冷却管及び乾燥窒素ガス導入口を備えた500ml
四つ口セパラブルフラスコに、1,4-シクロヘキサンジカ
ルボン酸13.78g(0.08モル)、2,2-ビス(4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル)プロパン32.84g(0.08モル)、
亜リン酸トリフェニル49.65g(0.16モル)、塩化リチ
ウム17.8g、NMP200g、ピリジン150gを入れ、100℃に
て3時間反応を行ない粘稠な溶液を得た。この溶液をメ
タノールに再沈した後ポリマーを単離しさらに純水へ再
沈を3回行なった。得られたポリマーを充分に乾燥し、3
0mPa・sの粘度になるようにNMPに溶解した。
【0016】上で得られた溶液を透明電極付きガラス基
板の透明電極面にスピンコーターにより塗布した後、焼
成温度を160,180,200,220℃の4条件で1時間焼成して約8
00オングストロームの塗膜を形成させた。引き続き、塗
膜面をラビングマシーンによりラビングし、2枚の基板
を20μmのギャップで張り合わせ液晶(メルク社製、ZL
I-1132)を注入して液晶セルを作製した。これら焼成条
件を変えた4種のセルの配向性を顕微鏡により評価した
ところ、4条件とも全面にわたり均一であった。さらに
クリスタルローテーション法によりプレティルト角を測
定した結果を表1に示す。さらに、これらのセルを100
℃、60%RH条件下で1か月処理した後液晶配向性及びプ
レティルト角の測定を行なったが、処理前と比べ全く変
化していなかった。
【0017】(実施例2)実施例1と同様な反応装置に
て、原料類として1,4-シクロヘキサンジカルボン酸13.7
8g(0.08モル)、4,4'-ジアミノジフェニルメタン15.8
6g(0.08モル)、亜リン酸トリフェニル49.65g(0.16
モル)、塩化リチウム14.4g、NMP160g、ピリジン120
gを使用し100℃にて3時間反応を行ない粘稠な溶液を得
た。ポリマーの精製、単離は実施例1と同様に行なっ
た。得られたポリマーを30mPa・sの粘度になるようにNMP
に溶解し、実施例1と同様な方法で焼成条件を変えて液
晶セルを作製しプレティルト角を評価した結果を表1に
示す。さらに、これらのセルを100℃、60%RH条件下で
1か月処理した後液晶配向性及びプレティルト角の測定
を行なったが、処理前と比べ全く変化していなかった。
【0018】(実施例3)実施例1と同様な反応装置に
て、原料類として1,4-シクロヘキサンジカルボン酸6.89
g(0.04モル)、テレフタル酸6.65g(0.04モル)、2,
2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン32.
84g(0.08モル)、亜リン酸トリフェニル49.65g(0.1
6モル)、塩化リチウム14.4g、NMP160g、ピリジン120
gを使用し、100℃にて3時間反応を行ない粘稠な溶液を
得た。ポリマーの精製、単離は実施例1と同様に行なっ
た。得られたポリマーを30mPa・sの粘度になるようにNMP
に溶解し、実施例1と同様な方法で焼成条件を変えて液
晶セルを作製しプレティルト角を評価した結果を表1に
示す。さらに、これらのセルを100℃、60%RH条件下で
1か月処理した後液晶配向性及びプレティルト角の測定
を行なったが、処理前と比べ全く変化していなかった。
【0019】(比較例)実施例1と同様な反応装置に
て、原料類としてイソフタル酸13.29g(0.08モル)、
4,4'-ジアミノジフェニルメタン15.86g(0.08モル)、
亜リン酸トリフェニル49.65g(0.16モル)、塩化リチ
ウム14.4g、NMP160g、ピリジン120gを使用し、100℃
にて3時間反応を行ない粘稠な溶液を得た。ポリマーの
精製、単離は実施例1と同様に行なった。得られたポリ
マーを30mPa・sの粘度になるようにNMPに溶解し、実施例
1と同様な方法で焼成条件を変えて液晶セルを作製しプ
レティルト角を評価した結果を表1に示す。さらに、こ
れらのセルを100℃、60%RH条件下で1か月処理した後
液晶配向性及びプレティルト角の測定を行なったが、デ
ィスクリネーションの発生が見られ、プレティルト角も
明確に測定できなかった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の液晶配向膜を液晶表示素子に用
いることにより、液晶の配向性が工程上の諸条件の変化
により殆ど変化しないため、安定した表示特性の素子が
高い生産性で製造できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体構成成分中に、式(1)で表され
    る繰り返し単位を含有するポリアミド重合体からなるこ
    とを特徴とする液晶表示素子用配向膜。 【化1】 (但し、R 1 は脂肪族環を含んでなる2価の有機基ある
    いは以下に示す2価の有機基である。) 【化2】
  2. 【請求項2】 前記R1が下記式で表わされるものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用配向
    膜。 【化3】
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